JPH0716025Y2 - 発動発電機用冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は発動発電機用冷却装置に関し、さらに詳しく
は、雨水の取込みによる絶縁不良などの故障を防いだ発
動発電機用冷却装置に関する。

【従来の技術】

発動発電機は発動機の出力軸に発電機の入力側を直結し
て構成したもので、電源のない屋外、さらには、非常時
の電源装置として用いるもので、その多くは強制空冷形
のエンジンが動力源として使用される。 このエンジンは発電機と共にハウジング中に装備されて
いるので、冷却ファンにより外部から冷却風を取入れて
冷却されている。例えば、実開昭59-165522号公報に示
されているように発電機側の端面と、ステータ部分の周
面、さらには、エンジンのクランクケース側面から冷却
風を取入れている。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述のような発動発電機用冷却装置で
は、ステータ部分の外周から雨水が内部に浸入し、巻線
の絶縁不良を起こすことがあった。 そこで、本考案はエンジンの冷却力を低下させることな
く、ハウジング内部への雨水の浸入を防止する発動発電
機用冷却装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案による発動発電機用冷
却装置は、発動機の出力軸に発電機を直結すると共に、
両者間にフライホィールを兼用したファンホィールを備
える発動発電機において、エンジンと発電機とを収容し
たハウジングの両者の連結部分外周に吸気孔を穿設し、
この吸気孔の内側にあって発電機寄りに形成した遮断板
と、発電機側のハウジング端面に穿けた吸込口とを備
え、吸気孔から吸込まれた雨水が発電機側に流入しない
ように構成している。

【作用】

このような手段を採用したことにより本考案において
は、発動発電機の運転中、ファンホィールの回転により
外気がハウジング端面の吸込口およびハウジング外周の
吸気孔を介してハウジング内に導入され、この導入され
た冷却風によってエンジンが冷却される。 ここで、ハウジング外周の吸気孔から吸込まれた冷却風
は、遮蔽板により発電機側への流入が防止されるのであ
り、冷却風の雨水が含まれていても、雨水は発電機側に
流入することがなく、雨水による絶縁不良などの故障が
防止される。

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付した図面に沿って説明す
る。図において符号１は発動発電機を収容するハウジン
グを示し、このハウジング１はエンジン用ハウジング２
と、発電機用ハウジング３とにより構成され、両者の取
付座2A,3Aにおいて雌ねじ部，ボルト2B,3Bにより結合さ
れる。 前記エンジン用ハウジング２中にはエンジン21が取付け
られ、このエンジン21の出力軸22の一端部22Aにはリコ
イルスタータ23が直結されており、出力軸22の他端部22
Bにはファンホィール24の機能をもつフライホィールが
取付けられる。 そして、前記エンジン用ハウジング２の取付座2A側の端
面には同心円状の取付フランジ25が形成され、この取付
フランジ25に沿って導風路26が形成されており、中心部
においてファンホィール24の中心部に連通し、導風路26
の端部はエンジン用ハウジング２の外周面に穿けられた
吸気口26Aに通じている。 前記取付フランジ25と導風路26に相当する間隙を置いて
弾性材で形成された円板状の遮蔽板27が取付フランジ25
にボルト27Aにより取付けられており、この遮蔽板27の
外周縁27Bは取付座3Aの内周面に接触し、また内周縁27X
はファンホィール24の中心部に沿って折曲げられて導風
路26の内周縁を形成している。 発電機用ハウジング３内にはステータ31,ロータ32,回転
軸33により構成される発電機30が収容され、回転軸33の
一端部33Aは前記エンジン用ハウジング２中まで延びて
出力軸22の他端部22Bに連結され、他端部33Bは発電機用
ハウジング３の端面中心部で支持されている。この発電
機用ハウジング３の端面には空気取入孔34Aが多数穿け
られたグリッド板34が被せられ、さらに、その外側にも
空気取入孔35Aが穿けられたグリッド板35が間隙をおい
て被せられている。 そして、エンジン21の運転により発電機30は駆動され、
回転軸33と共にロータ32が回転することで発電される。
このとき、エンジン21のファンホィール24の回転によ
り、グリッド板34,35の空気取入孔34A,35A、さらには、
エンジン用ハウジング２の導風路26の吸気口26Aから外
気がハウジング１内に取入れられ、エンジン21のクーリ
ングフィンへと導かれて冷却作用を行う。 とくに、吸気口26Aから取入られた冷却風は導風路26を
通ってファンホィール24の中心部へと吸込まれるが、導
風路26の発電機30に面した部分には遮蔽板27があって発
電機用ハウジング３の内部とは区画されており、雨水を
含んだ冷却風が吸気口26Aから導入されても発電機30の
コイル群に水がかからない。

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、この考案の発動発電機
用冷却装置によれば、エンジン用ハウジングと、発電機
用ハウジングの結合部分であって、冷却風の吸気口より
発電機寄りにハウジングの内部空間を区画する遮蔽板を
設けて構成したから、ハウジングの周囲から取入れられ
る冷却風に雨水が含まれていても発電機の空間に浸入す
ることがなく、雨水による絶縁不良などの故障を防ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

添付図面はこの考案による発動発電機用冷却装置を示す
側断面図である。 １……ハウジング、２……エンジン用ハウジング、３…
…発電機用ハウジング 21……エンジン、22……出力軸、23……リコイルスター
タ、24……ファンホィール、25……取付フランジ、26…
…導風路、26A……吸気口、27……遮蔽板、27B……外周
縁、27X……内周縁 30……発電機、31……ステータ、32……ロータ、33……
回転軸、34,35……グリッド板、34A,35A……空気取入孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】発動機の出力軸に発電機を直結すると共
   に、両者間にフライホィールを兼用したファンホィール
   を備える発動発電機において、エンジンと発電機とを収
   容したハウジングの両者の連結部分外周に吸気孔を穿設
   し、この吸気孔の内側にあって発電機寄りに形成した遮
   蔽板と、発電機側のハウジング端面に穿けた吸込口とを
   備え、吸気孔から吸込まれた雨水が発電機側に流入しな
   いように構成したことを特徴とする発動発電機用冷却装
   置。