JPH0357108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案は通風ダクト付鉄心を有する内部通風
形回転電機において、回転子鉄心の軸方向通気路
の両端に温度の低い冷却風を確実に送り込んで内
部を効率よく冷却することができるように改良し
たものに関する。

〔従来技術とその問題点〕

通風ダクト付鉄心を有する内部通風形回転電機
の従来例を第３図にもとづいて説明する。この図
において、固定子鉄心１を内側に嵌着した筒状フ
レーム２の一端部外周と回転子鉄心３を嵌着した
回転軸４支持する他端側ブラケツト５の側面小径
部とにそれぞれ吸気口２ａと５ａが設けられ、フ
レーム２の他端部外周に排気口２ｂが設けられて
いる。前記回転子鉄心３とこれを包囲する固定子
鉄心１には軸方向の適当位置にそれぞれ複数の間
隔片を放射状に介挿することにより径方向の通風
ダクト３ａと１ａが適当段数設けられている。回
転子鉄心３は両側面を環状の押え板６で押えつけ
て一体化され、この押え板６と回転子鉄心３に共
通の軸方向通気路７が前記通風ダクト３ａと連通
して内周部に設けられている。前記固定子鉄心１
は外周部を通気できるようにフレーム２の内側に
複数の軸方向ステー２ｃを介して嵌着され、回転
軸４の前記排気口２ｂと径方向に対応する位置に
遠心形の内扇８が固着されている。この内扇８を
回転軸４に固着する円筒状ボス８ａには軸方向の
通気路８ｂが設けられ、この通気路８ｂはボス８
ａの回転子鉄心３側端面外周部に回転軸４と同心
の円筒状エアガイド９を一体的に結合することに
より前記ブラケツト５の吸気口５ａと回転子鉄心
３の通気路７とを連通するようになつている。前
記内扇８の主板８ａとブラケツト５の内側面との
間には主板８ｃの背圧で吸気口５ａから排気口２
ｂに向けて直接外気を吸引することのないように
封止装置１０が設けられている。

前記回転電機を運転すると回転に伴う回転子鉄
心３の通風ダクト３ａ部の間隔片と内扇８のフア
ン作用により吸気口２ａと５ａの両方から空気を
吸入する。この空気は矢印で示すように一部が固
定子鉄心１の外周部を軸方向に通り、他は回転子
鉄心３の通気路７の両端から吸引され通風ダクト
３ａ，１ａを通つて内部を冷却した後前記固定子
鉄心１の外周部を通る冷却風と合流して排気口２
ｂから排出される。

このような構造ではエンジン駆動で給気圧力を
高める過給機がブラケツト５の吸気口５ａ付近に
配設されるような場合には吸気口５ａから吸入す
る冷却風が高温となり、また軸端結合部の保護カ
バー等で吸気口５ａをふさぐようなことがあると
吸気口５ａから吸入する冷却風量が減少するので
電機本体の内部を均一に効率よく冷却することが
できないという欠点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は前記の欠点を除去するために、通風
ダクト付回転子鉄心の軸方向通気路の両端に温度
の低い冷却風を確実に送り込んで内部を均一に効
率よく冷却することができるようにした内部通風
形回転電機を提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

この考案は前記の目的を達成するために、固定
子鉄心とこれを包囲する筒状フレームとの空間の
一部を軸方向の仕切板で仕切り、電機本体の一端
部から吸入した冷却風の一部を前記仕切板とフレ
ームの間から回転子鉄心の内周部に設けた軸方向
通気路の他端部に送り込む通風路を設けるように
したものである。

〔考案の実施例〕

第１図および第２図はこの考案の実施例を示す
もので、第３図と同一符号で示すものは同一部品
である。これらの図において、固定子鉄心１は方
形断面をなす筒状フレーム１２の内側に複数の軸
方向ステー１２ｃを介して嵌着され、かつ両端面
外周部に配設した環状の押え板１３でおさえつけ
るとともにこの押え板１３をフレーム１２の内周
に溶接等で固着して一体的に形成されている。上
部のステー１２ｃはフレーム１２の頂壁との間に
空間が大きく設けられ、その上面にほぼへ字形断
面をなす軸方向の仕切板１４が溶接等で固着され
ている。前記押え板１３には隣接するステー１２
ｃの中間位置に通気穴１３ａが設けられ、押え板
１３の上部にはさら仕切板１４の外側空間に臨ん
で通気穴１３ｂが設けられている。前記フレーム
１２の一端部外周と他端部両側面にはそれぞれ吸
気口１２ａと排気口１２ｂが設けられている。

前記回転電機を運転すると回転に伴う回転子鉄
心３の通風ダクト３ａ部の間隔片および排気口１
２ｂと径方向に対応して回転軸４に固着した遠心
形内扇１８のフアン作用により吸気口１２ａから
空気を吸入する。この空気は矢印で示すように一
部が押え板１３の通気穴１３ａを通して固定子鉄
心１の外周部と押え板１３の通気穴１３ｂを通し
て仕切板１４の外側空間とに吸引され、他は直接
回転子鉄心３の軸方向通気路７を通し通風ダクト
３ａ，１ａに吸引されて固定子鉄心１の外周部を
通る冷却風と合流する。内扇１８側の押え板１３
の外周面上部には内扇１８を覆うほぼへ字形断面
の軸方向仕切板１６が設けられ、この仕切板１６
の先端部に内扇１８の主板１８ｃおよび側板１８
ｄのそれぞれ外周と径方向に細〓をおいて対向す
る環状のエアガイド１６ａ，１６ｂを一体形成す
ることにより固定子鉄心１の外周部を通る冷却風
を内扇１８の吸気側に導きかつ内扇１８による排
気をフレーム１２の両側面の排気口１２ｂに導く
ことができるようになつている。前記内扇１８を
回転軸４に固着する円筒状ボス１８ａには軸方向
の通気路１８ｂが複数設けられ、この通気路１８
ｂはボス１８ａの回転子鉄心３側端面外周部に回
転軸４と同心の円筒状エアガイド９を一体的に結
合することにより回転子鉄心３の通気路７と連通
するようになつている。前記仕切板１４の外側空
間に吸引した一部の吸気は仕切板１６の外側空間
から先端のエアガイド１６ａおよび内扇１８の主
板１８ｃと回転軸４を支持する他端側ブラケツト
１５の内側面との間を通して回転子鉄心３の通気
路７に内扇１８側から吸い込まれる。この冷却風
は通風ダクト８ａ，１ａを複数設けた場合にはほ
ぼ半数の内扇１８側の通風ダクト８ａ，１ａを通
つて吸引され、反内扇１８側から吸引した冷却風
とともに電機本体の内部を冷却した後固定子鉄心
１の外周部を通る冷却風と合流して排気口１２ｂ
から排出される。

前記実施例によれば固定子鉄心１とこれを包囲
するフレーム１２との空間の一部を軸方向の仕切
板１４，１６で仕切つて吸気口１２ａから吸入し
た冷却風の一部を分流させ、仕切板１４，１６、
仕切板１６の先端部のエアガイド１６ａおよび内
扇１８の主板１８ｃの外側空間と内扇１８のボス
１８ａの通気路１８ｂ等からなる通風路１９を通
して回転子鉄心３の通気路７に内扇１８側から温
度の低い冷却風を確実に送り込むようにしたの
で、反内扇１８側から送り込んだ冷却風とともに
電機本体の内部を均一に効率よく冷却することが
できる。また吸気口１２ａを１個所に設けるよう
にしたので防滴または防じん性能を必要とする場
合に構造を簡単にすることができる。

前記実施例では通気路７を回転子鉄心３に設け
る場合について説明したが、スパイダ軸のように
回転軸の軸方向みぞを設けて実施することもでき
る。また吸気口１２ａを電機本体の外周に設け排
気口１２ｂをフレーム１２の両側面に設ける場合
について説明したが、吸気口を電機本体の端面に
設けることもでき、また電機本体の上部に空気冷
却装置を取付ける場合には通風路１９を電機本体
の側部または下部に設けて排気口１２ｂをフレー
ム１２の上部に設けることもできる。さらにフレ
ーム１２が方形断面をなす場合について説明した
が、これに限定されるものではない。

〔考案の効果〕

この考案によれば通風ダクト付鉄心を有する内
部通風形回転電機において、固定子鉄心とこれを
包囲する筒状フレームとの空間の一部を軸方向の
仕切板で仕切り、電機本体の一端部から吸入した
冷却風の一部を前記仕切板とフレームの間から回
転子鉄心の内周部に設けた軸方向通気路の他端部
に送り込む通風路を設けるようにしたので、前記
通気路の両端の温度の低い冷却風を確実に送り込
んで電機本体の内部を均一に効率よく冷却するこ
とができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図、第２図
は第１図の−線に沿う縦断面図、第３図は従
来例の縦断面図である。 １……固定子鉄心、１ａ，３ａ……通風ダク
ト、３……回転子鉄心、７……通気路、１２……
フレーム、１４，１６……仕切板、１８……内
扇，１９……通風路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定子鉄心と回転子鉄心にそれぞれ径方向の通
   風ダクトを設けるとともに、回転子鉄心の内周部
   に通風ダクトと連通する軸方向の通気路を設け、
   回転に伴う回転子鉄心の通風ダクトと内扇のフア
   ン作用により回転子鉄心の通気路の両端から吸引
   した冷却風を前記ダクトを通して固定子鉄心の外
   周部を通る冷却風とともに排出する内部通風形回
   転電機において、固定子鉄心とこれを包囲する筒
   状フレームとの空間の一部を軸方向の仕切板で仕
   切り、電機本体の一端部から吸入した冷却風の一
   部を前記仕切板とフレームの間から内扇の外側を
   通して回転子鉄心の通気路の他端部に送り込む通
   風路を設けたことを特徴とする内部通風形回転電
   機。