JPH07160110A - 樹脂フィルムのエレクトレット化方法及び該方法を用いた現像スリーブの製造方法 - Google Patents
樹脂フィルムのエレクトレット化方法及び該方法を用いた現像スリーブの製造方法Info
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- JPH07160110A JPH07160110A JP30311693A JP30311693A JPH07160110A JP H07160110 A JPH07160110 A JP H07160110A JP 30311693 A JP30311693 A JP 30311693A JP 30311693 A JP30311693 A JP 30311693A JP H07160110 A JPH07160110 A JP H07160110A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 直流バイアス電圧が印加された導電性液体に
樹脂フィルム表面を接触させることにより該フィルムの
エレクトレット化を行うことによりエレクトレット化フ
ィルムを製造する。 【効果】 この方法によれば、コロナ放電を全く行うこ
となく、高い帯電効率でエレクトレット化フィルムを得
ることができる。従って、オゾン発生等の環境汚染の問
題もなく、しかも高圧電源を使用する必要がないので、
実用性が極めて優れている。特にこの方法は、エレクト
レット層により帯電トナーの現像域への搬送を行う現像
ローラの製造に有効に適用される。
樹脂フィルム表面を接触させることにより該フィルムの
エレクトレット化を行うことによりエレクトレット化フ
ィルムを製造する。 【効果】 この方法によれば、コロナ放電を全く行うこ
となく、高い帯電効率でエレクトレット化フィルムを得
ることができる。従って、オゾン発生等の環境汚染の問
題もなく、しかも高圧電源を使用する必要がないので、
実用性が極めて優れている。特にこの方法は、エレクト
レット層により帯電トナーの現像域への搬送を行う現像
ローラの製造に有効に適用される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂フィルムのエレク
トレット化方法及び該方法を利用してエレクトレット層
を備えた現像ローラを製造する方法に関する。
トレット化方法及び該方法を利用してエレクトレット層
を備えた現像ローラを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】商業的な電子写真装置における現像装置
としては、所謂磁気ブラシ現像装置が広く採用されてお
り、例えば磁性キャリヤと顕電性トナーとの混合物から
成る二成分系現像剤或いはそれ自体で磁性粉を有してい
る一成分系磁性現像剤を帯電させ、内部に磁石を有する
現像剤搬送用スリーブ上にこれら現像剤の磁気ブラシを
形成し、この磁気ブラシを静電潜像を有する感光体表面
にまで搬送し、バイアス電界の下で該表面に磁気ブラシ
を摺擦することによって現像を行い、画像形成を行って
いる。
としては、所謂磁気ブラシ現像装置が広く採用されてお
り、例えば磁性キャリヤと顕電性トナーとの混合物から
成る二成分系現像剤或いはそれ自体で磁性粉を有してい
る一成分系磁性現像剤を帯電させ、内部に磁石を有する
現像剤搬送用スリーブ上にこれら現像剤の磁気ブラシを
形成し、この磁気ブラシを静電潜像を有する感光体表面
にまで搬送し、バイアス電界の下で該表面に磁気ブラシ
を摺擦することによって現像を行い、画像形成を行って
いる。
【0003】最近になって、現像剤搬送用ローラ(現像
ローラ)として、導電性ローラ上に永久電荷を有するエ
レクトレット層を設けたものを使用して現像剤の搬送を
行って現像を行う方法が提案されている(例えば特開昭
60−136773号公報等参照)。かかる現像ローラを用いた
現像方法では、非磁性一成分系トナーが現像剤として使
用され、前記エレクトレット層としては、帯電トナーと
は逆極性の永久電荷を有するものが使用される。即ち、
現像剤(トナー)の搬送は電気的吸引力(クーロン力)
のみによって行われ、磁石を必要とせず、現像剤の磁気
ブラシを形成しないため、装置的に構造が簡単なものと
なるという利点がある。
ローラ)として、導電性ローラ上に永久電荷を有するエ
レクトレット層を設けたものを使用して現像剤の搬送を
行って現像を行う方法が提案されている(例えば特開昭
60−136773号公報等参照)。かかる現像ローラを用いた
現像方法では、非磁性一成分系トナーが現像剤として使
用され、前記エレクトレット層としては、帯電トナーと
は逆極性の永久電荷を有するものが使用される。即ち、
現像剤(トナー)の搬送は電気的吸引力(クーロン力)
のみによって行われ、磁石を必要とせず、現像剤の磁気
ブラシを形成しないため、装置的に構造が簡単なものと
なるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法に用いる現
像ローラは、樹脂フィルムをエレクトレット化して得ら
れたエレクトレットフィルムを導電性ローラ上に積層す
るか、樹脂フィルムを導電性ローラ上に積層してエレク
トレット化を行う等の方法によって製造されている。し
かるに、上記の方法においては、通常、エレクトレット
化をコロナ放電によって行っているため、オゾン発生に
よる環境汚染の問題や、コロナ放電のための高圧電源を
必要とするという問題がある。
像ローラは、樹脂フィルムをエレクトレット化して得ら
れたエレクトレットフィルムを導電性ローラ上に積層す
るか、樹脂フィルムを導電性ローラ上に積層してエレク
トレット化を行う等の方法によって製造されている。し
かるに、上記の方法においては、通常、エレクトレット
化をコロナ放電によって行っているため、オゾン発生に
よる環境汚染の問題や、コロナ放電のための高圧電源を
必要とするという問題がある。
【0005】従って本発明の課題は、コロナ放電を行う
ことなくエレクトレットフィルムを製造する方法及びエ
レクトレット層を有する現像ローラを製造する方法を提
供することにある。
ことなくエレクトレットフィルムを製造する方法及びエ
レクトレット層を有する現像ローラを製造する方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、直流バ
イアス電圧が印加された導電性液体に樹脂フィルム表面
を接触させることにより該フィルムのエレクトレット化
を行うことを特徴とするエレクトレット化方法が提供さ
れる。
イアス電圧が印加された導電性液体に樹脂フィルム表面
を接触させることにより該フィルムのエレクトレット化
を行うことを特徴とするエレクトレット化方法が提供さ
れる。
【0007】本発明によればさらに、導電性ローラ表面
に樹脂フィルムを積層し、該積層ローラを回転させなが
ら、直流バイアス電圧が印加された導電性液体を該積層
ローラ表面に接触させることを特徴とするエレクトレッ
ト層を備えた現像ローラの製造方法が提供される。
に樹脂フィルムを積層し、該積層ローラを回転させなが
ら、直流バイアス電圧が印加された導電性液体を該積層
ローラ表面に接触させることを特徴とするエレクトレッ
ト層を備えた現像ローラの製造方法が提供される。
【0008】
【作用】本発明方法においては、通電媒体として液状物
質を用い、所謂注入帯電により樹脂フィルムのエレクト
レット化を行うことが重要な特徴であり、これにより、
コロナ放電を行わずとも均一且つ効率のよいエレクトレ
ット化を行うことが可能となる。
質を用い、所謂注入帯電により樹脂フィルムのエレクト
レット化を行うことが重要な特徴であり、これにより、
コロナ放電を行わずとも均一且つ効率のよいエレクトレ
ット化を行うことが可能となる。
【0009】例えば、感光体の帯電方法として、導電性
のゴムローラを使用し、これに直流のバイアス電圧を印
加しながら感光体を摩擦接触せしめることにより感光体
の帯電を行う方法が知られている。しかし、このような
方法では、ゴムローラと被帯電体である感光体表面とが
均一に密着せず、微視的にみると、接触領域内において
も両者が接触していない部分が存在する。即ち、このよ
うな部分においては放電により帯電が行われるものと考
えられており、完全な注入帯電が行われるものではな
い。従って、このような方法でエレクトレット化を行う
場合には、帯電ムラが発生したり、帯電効率も満足し得
るものではない。また、一部に放電が生じていることか
ら、僅かではあるが、オゾンの発生も認められる。
のゴムローラを使用し、これに直流のバイアス電圧を印
加しながら感光体を摩擦接触せしめることにより感光体
の帯電を行う方法が知られている。しかし、このような
方法では、ゴムローラと被帯電体である感光体表面とが
均一に密着せず、微視的にみると、接触領域内において
も両者が接触していない部分が存在する。即ち、このよ
うな部分においては放電により帯電が行われるものと考
えられており、完全な注入帯電が行われるものではな
い。従って、このような方法でエレクトレット化を行う
場合には、帯電ムラが発生したり、帯電効率も満足し得
るものではない。また、一部に放電が生じていることか
ら、僅かではあるが、オゾンの発生も認められる。
【0010】これに対して、本発明によれば、通電媒体
として液状物質を用いていることから、非帯電物質であ
る樹脂フィルム表面に通電媒体が完全に接触する。従っ
て、非接触部分が存在しないから放電は生ぜず、実質的
に完全な注入帯電により、均一に且つ高い帯電効率でエ
レクトレット化を行うことができるのである。しかも放
電を生じないから、オゾンの発生もない。
として液状物質を用いていることから、非帯電物質であ
る樹脂フィルム表面に通電媒体が完全に接触する。従っ
て、非接触部分が存在しないから放電は生ぜず、実質的
に完全な注入帯電により、均一に且つ高い帯電効率でエ
レクトレット化を行うことができるのである。しかも放
電を生じないから、オゾンの発生もない。
【0011】本発明において、通電媒体として用いる導
電性液体としては、液状ガリウムを用いることが最も好
ましい。ガリウムは、液状金属として知られており、そ
の融点は約29℃である。即ち、ガリウムは30℃程度
に加熱しておくことにより、液状に保持することがで
き、しかも、金属であることから当然に高い導電性を示
す。従って、極めて高い帯電効率でエレクトレット化を
行うことができる。例えば、金属ガリウム以外の液状金
属としては、HgやCsが知られているが、Hgは毒性
を有しており、またCsは放射性元素であること等、何
れも安全性に問題があり、実用性に欠ける。
電性液体としては、液状ガリウムを用いることが最も好
ましい。ガリウムは、液状金属として知られており、そ
の融点は約29℃である。即ち、ガリウムは30℃程度
に加熱しておくことにより、液状に保持することがで
き、しかも、金属であることから当然に高い導電性を示
す。従って、極めて高い帯電効率でエレクトレット化を
行うことができる。例えば、金属ガリウム以外の液状金
属としては、HgやCsが知られているが、Hgは毒性
を有しており、またCsは放射性元素であること等、何
れも安全性に問題があり、実用性に欠ける。
【0012】また本発明者等は、上記の導電性液体とし
ては、比抵抗が109 Ωcm以下のものであれば、任意の
ものを使用することができることを見出した。即ち、こ
のような比抵抗値を有するものには、各種のイオン物質
を含む電解質溶液、例えば塩化ナトリウム水溶液のみな
らず、イオン交換された水(脱イオン水)も含まれ、こ
のような導電性の低い液を用いた場合にも、満足し得る
帯電効率でエレクトレット化を行い得ることは極めて意
外である。ただ、電解質溶液を用いる場合には、液中に
含まれるイオンによっては、エレクトレット化すべき樹
脂フィルムを劣化させるものがあるので注意を要する。
ては、比抵抗が109 Ωcm以下のものであれば、任意の
ものを使用することができることを見出した。即ち、こ
のような比抵抗値を有するものには、各種のイオン物質
を含む電解質溶液、例えば塩化ナトリウム水溶液のみな
らず、イオン交換された水(脱イオン水)も含まれ、こ
のような導電性の低い液を用いた場合にも、満足し得る
帯電効率でエレクトレット化を行い得ることは極めて意
外である。ただ、電解質溶液を用いる場合には、液中に
含まれるイオンによっては、エレクトレット化すべき樹
脂フィルムを劣化させるものがあるので注意を要する。
【0013】本発明方法において、エレクトレット化す
べき樹脂フィルムとしては、任意のプラスチックフィル
ムを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−ブテン共重合体、イオン架橋オ
レフィン共重合体、エチレン−アクリル共重合体等のオ
レフィン系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリ
デン、フッ化ビニル/フッ化ビニリデン共重合体、四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合
樹脂(PFA樹脂)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE
樹脂)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合
樹脂(FEP樹脂)等のフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、
塩素化ポリオレフィン等の塩素化樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性
ポリエステル、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,
6 、ナイロン6,10等のポリアミド樹脂、各種アクリル系
樹脂等を単独或いは2種以上の組み合わせで使用するこ
とができ、エレクトレットフィルムの用途に応じて選択
すればよい。特に現像ロールの形成には、電荷の保持性
や耐久性の点で、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂等のフッ素樹脂が好適である。フィルムの厚みも用途
に応じて設定すればよく、例えば現像ロールにおけるエ
レクトレット層として使用する場合には、通常、10乃
至500μm の厚みが好適である。
べき樹脂フィルムとしては、任意のプラスチックフィル
ムを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−ブテン共重合体、イオン架橋オ
レフィン共重合体、エチレン−アクリル共重合体等のオ
レフィン系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリ
デン、フッ化ビニル/フッ化ビニリデン共重合体、四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合
樹脂(PFA樹脂)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE
樹脂)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合
樹脂(FEP樹脂)等のフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、
塩素化ポリオレフィン等の塩素化樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性
ポリエステル、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,
6 、ナイロン6,10等のポリアミド樹脂、各種アクリル系
樹脂等を単独或いは2種以上の組み合わせで使用するこ
とができ、エレクトレットフィルムの用途に応じて選択
すればよい。特に現像ロールの形成には、電荷の保持性
や耐久性の点で、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹
脂等のフッ素樹脂が好適である。フィルムの厚みも用途
に応じて設定すればよく、例えば現像ロールにおけるエ
レクトレット層として使用する場合には、通常、10乃
至500μm の厚みが好適である。
【0014】
【発明の好適態様】本発明を、以下、添付図面に示す具
体例に基づいて説明する。図1は、本発明のエレクトレ
ット化方法を好適に実施するための装置の一例を示す図
である。
体例に基づいて説明する。図1は、本発明のエレクトレ
ット化方法を好適に実施するための装置の一例を示す図
である。
【0015】図1において、エレクトレット化すべき樹
脂フィルム1は、アースされた導電性の基体ローラ2に
巻き付けて保持せしめる。この場合、必要により適当な
接着剤や、剥離可能な粘着剤を用いてもよいし、樹脂の
種類によっては、熱融着によりローラ2上に固定するこ
ともできる。特に熱収縮性の樹脂を用いた場合には、該
樹脂でチューブを作成し、この中に基体ローラ2を挿入
し、該樹脂チューブを加熱して収縮させることにより、
樹脂フィルム1の固定を行うこともできる。この方法
は、特に現像ローラの製造に好適である。
脂フィルム1は、アースされた導電性の基体ローラ2に
巻き付けて保持せしめる。この場合、必要により適当な
接着剤や、剥離可能な粘着剤を用いてもよいし、樹脂の
種類によっては、熱融着によりローラ2上に固定するこ
ともできる。特に熱収縮性の樹脂を用いた場合には、該
樹脂でチューブを作成し、この中に基体ローラ2を挿入
し、該樹脂チューブを加熱して収縮させることにより、
樹脂フィルム1の固定を行うこともできる。この方法
は、特に現像ローラの製造に好適である。
【0016】一方、導体容器3内に、前述した導電性液
体4を入れ、該液体中に、前記ローラ2上に保持された
樹脂フィルム表面の一部が浸漬するようにローラ2の位
置を設定する。導電性液体4として液状ガリウムを用い
る場合には、導体容器3の器壁に面状ヒータ等の加熱手
段を設け、液状ガリウムを常時30℃程度の温度に保持
しておく。
体4を入れ、該液体中に、前記ローラ2上に保持された
樹脂フィルム表面の一部が浸漬するようにローラ2の位
置を設定する。導電性液体4として液状ガリウムを用い
る場合には、導体容器3の器壁に面状ヒータ等の加熱手
段を設け、液状ガリウムを常時30℃程度の温度に保持
しておく。
【0017】次いで、直流電源5を導体容器3に接続し
て導電性液体4にバイアス電圧を印加しながら、ローラ
2を一回転することにより、樹脂フィルム1のエレクト
レット化が完了する。例えば、導電性液体4に印加され
るバイアス電圧が負極性であれば、負の電荷を有するエ
レクトレットフィルムが得られ、また正の電圧が印加さ
れれば正の電荷を有するエレクトレットフィルムが得ら
れる。付与される電荷量は、印加されるバイアス電圧の
大きさによって定まるが、この方法は帯電効率が極めて
高い(通常、90%以上)ので、必要以上の高電圧を印
加する必要がなく、この点で極めて有利である。
て導電性液体4にバイアス電圧を印加しながら、ローラ
2を一回転することにより、樹脂フィルム1のエレクト
レット化が完了する。例えば、導電性液体4に印加され
るバイアス電圧が負極性であれば、負の電荷を有するエ
レクトレットフィルムが得られ、また正の電圧が印加さ
れれば正の電荷を有するエレクトレットフィルムが得ら
れる。付与される電荷量は、印加されるバイアス電圧の
大きさによって定まるが、この方法は帯電効率が極めて
高い(通常、90%以上)ので、必要以上の高電圧を印
加する必要がなく、この点で極めて有利である。
【0018】ここで、ローラ2の回転速度は、樹脂フィ
ルム1表面と導電性液体4との間に十分な接触面積が確
保されている限り、任意の速度で行うことができるが、
あまり回転速度を早くすると、液の飛び散りが生じた
り、液面の乱れが激しくなって帯電ムラを引き起こすこ
ともあるので、このようなトラブルが生じない程度の速
度に設定すればよい。
ルム1表面と導電性液体4との間に十分な接触面積が確
保されている限り、任意の速度で行うことができるが、
あまり回転速度を早くすると、液の飛び散りが生じた
り、液面の乱れが激しくなって帯電ムラを引き起こすこ
ともあるので、このようなトラブルが生じない程度の速
度に設定すればよい。
【0019】かくして得られたエレクトレットフィルム
は、必要により、ローラ2から引き剥され、目的とする
用途に供される。この場合、現像ロールを作成する場合
には、ローラ2として、現像ローラの基体ローラとなる
アルミ等の導電性スリーブを使用し、これに樹脂フィル
ム1を接着固定しておけば、エレクトレット化フィルム
の形成と同時に現像ローラが得られる。現像ローラとし
ては、エレクトレット化フィルムの表面電位は、通常、
100乃至1000V(絶対値)程度に設定される。
は、必要により、ローラ2から引き剥され、目的とする
用途に供される。この場合、現像ロールを作成する場合
には、ローラ2として、現像ローラの基体ローラとなる
アルミ等の導電性スリーブを使用し、これに樹脂フィル
ム1を接着固定しておけば、エレクトレット化フィルム
の形成と同時に現像ローラが得られる。現像ローラとし
ては、エレクトレット化フィルムの表面電位は、通常、
100乃至1000V(絶対値)程度に設定される。
【0020】上述した本発明において、例えば長尺のエ
レクトレット化フィルムを製造する場合には、基体ロー
ラ2と導電性液体4との間に樹脂フィルムを連続的に通
過させればよい。
レクトレット化フィルムを製造する場合には、基体ロー
ラ2と導電性液体4との間に樹脂フィルムを連続的に通
過させればよい。
【0021】また、導電性液体4中に樹脂フィルム1を
保持する基体ローラ2を部分的に浸漬する代わりに、吸
液性のスポンジローラに導電性液体を含浸させておき、
これに、基体ローラ2に保持された樹脂フィルム1の表
面を接触させればよい。この場合、スポンジローラの一
部を導電性液体4中に浸漬しておき、常時、スポンジロ
ーラに一定量の導電性液体を含浸させておく。またスポ
ンジローラの芯ローラには導電性ローラを使用し、該芯
ローラに直流電源を接続してバイアス電圧を印加させる
ことが好ましい。勿論、長尺のエレクトレット化フィル
ムを製造する場合には、基体ローラ2とスポンジローラ
との間を樹脂フィルムを連続的に通過せしめればよい。
保持する基体ローラ2を部分的に浸漬する代わりに、吸
液性のスポンジローラに導電性液体を含浸させておき、
これに、基体ローラ2に保持された樹脂フィルム1の表
面を接触させればよい。この場合、スポンジローラの一
部を導電性液体4中に浸漬しておき、常時、スポンジロ
ーラに一定量の導電性液体を含浸させておく。またスポ
ンジローラの芯ローラには導電性ローラを使用し、該芯
ローラに直流電源を接続してバイアス電圧を印加させる
ことが好ましい。勿論、長尺のエレクトレット化フィル
ムを製造する場合には、基体ローラ2とスポンジローラ
との間を樹脂フィルムを連続的に通過せしめればよい。
【0022】上述した方法によって現像ローラ製造した
場合、該現像ローラは移動する感光体に対面して設けら
れ、ファーブラシ等により、現像ローラ表面のエレクト
レット層上に、該層の電荷とは逆極性に帯電されたトナ
ーを供給し、この帯電トナーを感光体に対面する現像領
域に搬送し、それ自体公知の方法によって、感光体表面
に形成された電荷像の現像が行われる。
場合、該現像ローラは移動する感光体に対面して設けら
れ、ファーブラシ等により、現像ローラ表面のエレクト
レット層上に、該層の電荷とは逆極性に帯電されたトナ
ーを供給し、この帯電トナーを感光体に対面する現像領
域に搬送し、それ自体公知の方法によって、感光体表面
に形成された電荷像の現像が行われる。
【0023】
【実施例】実施例1 図1の装置において、基体ローラ2として、外径30mm
のアルミニウム製ローラを使用し、該ローラの表面に、
厚さ0.35mmの熱収縮性PFA樹脂チューブを被覆し
て、該チューブを加熱収縮させてローラ表面上に固定し
た。導体容器3中に脱イオン水(比抵抗105 Ωcm)を
入れ、この脱イオン水に前記ローラを部分的に浸漬し
て、その表面に固定されているPFA樹脂と脱イオン水
とを接触させた。この状態で、基体ローラ2を周速度9.
5cm/secの速度で回転させながら、導体容器3に−40
0Vの電圧を約10秒間印加することにより、チューブ
状のPFA樹脂フィルムのエレクトレット化を行った。
得られたエレクトレット化フィルムの表面電位を測定し
たところ、約−360Vであり、電位のバラツキもほと
んどなく、エレクトレット化が有効に行われていること
を確認した。
のアルミニウム製ローラを使用し、該ローラの表面に、
厚さ0.35mmの熱収縮性PFA樹脂チューブを被覆し
て、該チューブを加熱収縮させてローラ表面上に固定し
た。導体容器3中に脱イオン水(比抵抗105 Ωcm)を
入れ、この脱イオン水に前記ローラを部分的に浸漬し
て、その表面に固定されているPFA樹脂と脱イオン水
とを接触させた。この状態で、基体ローラ2を周速度9.
5cm/secの速度で回転させながら、導体容器3に−40
0Vの電圧を約10秒間印加することにより、チューブ
状のPFA樹脂フィルムのエレクトレット化を行った。
得られたエレクトレット化フィルムの表面電位を測定し
たところ、約−360Vであり、電位のバラツキもほと
んどなく、エレクトレット化が有効に行われていること
を確認した。
【0024】実施例2 導体容器3に加熱ヒータを設け、脱イオン水の代わりに
液状金属ガリウムを入れ、導体容器3を40℃に加熱保
持して金属ガリウムを液状に保持した以外は、実施例1
と同様にエレクトレット化を行った。得られたエレクト
レット化フィルムの表面電位は、約−370Vであり、
電位のバラツキもほとんどなく、エレクトレット化が有
効に行われていることを確認した。また、印加するバイ
アス電圧を変えて上記と同じ実験を行い、バイアス電圧
とエレクトレット化フィルムの表面電位との関係を調べ
た。結果を図2に示す。
液状金属ガリウムを入れ、導体容器3を40℃に加熱保
持して金属ガリウムを液状に保持した以外は、実施例1
と同様にエレクトレット化を行った。得られたエレクト
レット化フィルムの表面電位は、約−370Vであり、
電位のバラツキもほとんどなく、エレクトレット化が有
効に行われていることを確認した。また、印加するバイ
アス電圧を変えて上記と同じ実験を行い、バイアス電圧
とエレクトレット化フィルムの表面電位との関係を調べ
た。結果を図2に示す。
【0025】
【発明の効果】本発明方法によれば、コロナ放電を全く
行うことなく、高い帯電効率でエレクトレット化フィル
ムを得ることができる。従って、オゾン発生等の環境汚
染の問題もなく、しかも高圧電源を使用する必要がない
ので、実用性が極めて優れている。この方法は、エレク
トレット層により帯電トナーの現像域への搬送を行う現
像ローラの製造に有効に適用される。
行うことなく、高い帯電効率でエレクトレット化フィル
ムを得ることができる。従って、オゾン発生等の環境汚
染の問題もなく、しかも高圧電源を使用する必要がない
ので、実用性が極めて優れている。この方法は、エレク
トレット層により帯電トナーの現像域への搬送を行う現
像ローラの製造に有効に適用される。
【図1】本発明方法を好適に実施するための装置の一例
を示す図。
を示す図。
【図2】導電性液体として液状ガリウムを用いて本発明
方法を実施した場合の、バイアス電圧とエレクトレット
化されたフィルムの表面電位との関係を示す図。
方法を実施した場合の、バイアス電圧とエレクトレット
化されたフィルムの表面電位との関係を示す図。
1:樹脂フィルム 2:基体ローラ 3:導体容器 4:導電性液体
Claims (5)
- 【請求項1】 直流バイアス電圧が印加された導電性液
体に樹脂フィルム表面を接触させることにより該フィル
ムのエレクトレット化を行うことを特徴とするエレクト
レット化方法。 - 【請求項2】 前記導電性液体として、比抵抗が109
Ωcm以下の液体を使用する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記導電性液体として、液状ガリウムを
使用する請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 前記導電性液体として、脱イオン水また
は電解質溶液を使用する請求項2に記載の方法。 - 【請求項5】 導電性ローラ表面に樹脂フィルムを積層
し、該積層ローラを回転させながら、直流バイアス電圧
が印加された導電性液体を該積層ローラ表面に接触させ
ることを特徴とするエレクトレット層を備えた現像ロー
ラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30311693A JPH07160110A (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 樹脂フィルムのエレクトレット化方法及び該方法を用いた現像スリーブの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30311693A JPH07160110A (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 樹脂フィルムのエレクトレット化方法及び該方法を用いた現像スリーブの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07160110A true JPH07160110A (ja) | 1995-06-23 |
Family
ID=17917081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30311693A Pending JPH07160110A (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | 樹脂フィルムのエレクトレット化方法及び該方法を用いた現像スリーブの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07160110A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014131437A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Seiko Instruments Inc | 発電装置および時計 |
JP2014131436A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Seiko Instruments Inc | 発電装置の製造方法および発電装置 |
-
1993
- 1993-12-02 JP JP30311693A patent/JPH07160110A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014131437A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Seiko Instruments Inc | 発電装置および時計 |
JP2014131436A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Seiko Instruments Inc | 発電装置の製造方法および発電装置 |
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