JPH0715971Y2 - マリンヤード装置列 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はマリンヤード装置列に関するものである。

（従来の技術） 最近、海洋性レクリエーションに加えて、ヨットやモー
ターボート、ウインドサーフィン、ダイビング等、より
活動的、スポーティな海洋性レクリエーションが急速な
普及をみせ、新しい海洋性レクリエーションの場とし
て、一層多様で、稠密かつ広範囲にわたっての水域利用
が図られている。

海洋性レクリエーションの普及と大衆化に対応して、公
共性の高い安価で気軽なマリーナの大幅な増強がある
が、より良質な設備とハイレベルなサービスが提供でき
る、多様な施設の複合されたマリーナの整備が求められ
る。また、長期滞在型のレクリエーション需要の増大に
対応して、リゾート基地の中核としてのマリーナ整備も
求められる。

ところで海洋性レクリエーションの発展、普及にもかゝ
わらずマリーナの供給は十分ではなく、収容できないヨ
ット、モーターボートが多数残されている実情にある。

一般にモーターボート、ヨットは平屋型の収納庫に格納
されるか、例えば第６図に示すようなビル式立体艇庫が
知られている。しかしながらビル式立体艇庫は運河沿い
の空倉庫を改造利用できる利点はあるが、設備費が高く
つくことが予想される。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、敷地の広狭に関係なく岸壁に設ける所望面積
のマリンヤードに、複数階の船台兼用の艇庫を積層又は
搬出自在にしたマリンヤード装置列を提供するものであ
る。

（課題を解決するための手段） 本考案は、基礎架台50に立体駐艇庫10の格納スペース51
を形成するレール41を敷設し、レール41を横行移動する
門型クレーン40にレール43を立設するとともに駐艇架台
昇降装置42を設け、レール43を昇降移動する台車45にレ
ール46を設け、レール46を昇降移動する駐艇受台44を台
車45に設け、格納艇受台15を内設した駐艇架台11,12に
支柱13,14を立設して上下駐艇架台11,12を該支柱で積重
ね自在にし、駐艇受台44で駐艇架台11をつかみ保持自在
にしたマリンヤード装置列である。

以下本考案を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案の駐艇庫の側面図、第２図は第１図
（ａ）の拡大説明図である。

本考案の駐艇庫10は、上・下一対の駐艇架台11,12から
なる。上駐艇架台11は支柱13−１〜13−４が駐艇架台の
四隅に配設され、同様に支柱14−１〜14−４を四隅に配
設して下駐艇架台12を構成する。

各駐艇架台11及び12は格納艇受台15を内設し、艇20を確
実に保持する。受台15の艇胴部との接触面を弾性部材で
被覆するとよい。上駐艇架台11及び下駐艇架台12の架台
寸法は、船舶の大小により自在に選択される。

本考案においては第２図に示すように、上駐艇架台11の
支柱13と下駐艇架台12の支柱14とは相互に当接する接合
部25を有し、嵌合機能例えば外接材16を支柱13の下端外
周に溶接して、溶接部18を形成している。又必要に応じ
て支柱14の上端及び外接材16の下端に勾配17を設けて支
柱13と14との当接、嵌合を容易にする。

前述のように本考案における駐艇庫は上・下駐艇架台一
対であり、各支柱13,14は各駐艇架台の四隅に配設され
るので、駐艇架台を立体に積層することができる。又本
考案の駐艇庫10は前記の嵌合機構により上下の駐艇架台
が相互に着脱自在となり、船台を兼ねた駐艇庫を構成す
る。

本考案は第３図に示すようにマリンヤードに門型クレー
ン40を走行自在に配設する。門型クレーン40は第３図又
は第４図に示すようにパイプトラスフレーム構造で４脚
支持され、レール41上を走行する。レール41は岸壁に構
築される基礎架台50上に設けて、立体駐艇庫の格納スペ
ース51を形成する（第５図）。

又門型クレーン40は駐艇架台昇降装置42を有し、油圧モ
ーター（図示せず）により、駐艇庫10に収納された艇20
を水面上所望の高さを昇降するように設計される。即ち
門型クレーン40はレール43を配設しレール43を台車45が
昇降自在である。

更に台車45にはレール46が配設され、駐艇受台44はレー
ル46上を昇降自在である。又駐艇受台44は駐艇架台の支
柱突端につかみ機構47を有し、レール46を昇降し、台車
45はレール43を昇降する。従って満干潮によるレベルの
変化に追従可能である。

岸壁に自走接岸した艇20は駐艇庫10に収納される。駐艇
庫10は門型クレーン40の駐艇受台昇降装置42により所望
の高さ、例えば空艇庫の搬送高さに吊り上げ搬入され
る。門型クレーン40は、格納スペース51を形成して配設
されるレール41を第５図に示すように横行又は走行して
駐艇庫を搬入し、これを繰返して同一サイズの下駐艇架
台に上駐艇架台を積重ねて立体駐艇庫とする。

予め搬入した下駐艇架台上に上駐艇架台を立体搬入の位
置決めのため、門型クレーンの車輪ストッパーをレール
41に設けるとよい。

以上本考案を２階駐艇庫として説明したが、３階以上で
も勿論差支えない。

（考案の効果） 本考案の門型クレーンは、駐艇架台昇降装置にレール移
動する台車を設け、該台車にレール移動する駐艇受台を
設けるので、潮位の変化を受けることがない。又上・下
駐艇架台の支柱に嵌合機構を設けて、上・下駐艇架台の
積重ね自在の立体駐艇庫を形成するので、艇の立体保管
が容易で、省面積型である。

更に本考案のマリンヤードは格納スペースを有し、門型
クレーンはレールを走行自在であるので、同一サイズの
立体駐艇庫を形成することが可能である。

従って狭小な海岸の岸壁を利用して立体式マリンヤード
を構築しうるので、実用的効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の駐艇庫の側面図、第２図は第１図の部
分説明図、第３図は本考案のマリンヤード装置列の側面
図、第４図は第３図の部分正面図、第５図は第３図の部
分平面図、第６図は従来例の説明図である。 10……駐艇庫、11……上駐艇架台 12……下駐艇架台、16……外接材 40……門型クレーン、44……駐艇受台 51……格納スペース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基礎架台50に立体駐艇庫10の格納スペース
   51を形成するレール41を敷設し、レール41を横行移動す
   る門型クレーン40にレール43を立設するとともに駐艇架
   台昇降装置42を設け、レール43を昇降移動する台車45に
   レール46を設け、レール46を昇降移動する駐艇受台44を
   台車45に設け、格納艇受台15を内設した駐艇架台11,12
   に支柱13,14を立設して上下駐艇架台11,12を該支柱で積
   重ね自在にし、駐艇受台44で駐艇架台11をつかみ保持自
   在にしたマリンヤード装置列。