JPH07159318A - 気体の濃度測定装置 - Google Patents

気体の濃度測定装置

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JPH07159318A
JPH07159318A JP31167093A JP31167093A JPH07159318A JP H07159318 A JPH07159318 A JP H07159318A JP 31167093 A JP31167093 A JP 31167093A JP 31167093 A JP31167093 A JP 31167093A JP H07159318 A JPH07159318 A JP H07159318A
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laser
mirror
light
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Ryoichi Chokai
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 色素レーザを用いないという利点を持ちなが
ら、1台分の設備およびスペースで、消費電力の無駄が
なく、迅速に切り替えて2種以上の気体の濃度を測定す
ることができる気体濃度測定装置を提供する。 【構成】 可変波長レーザ光を発生する第1のレーザ光
手段10と、固定波長レーザ光を発生する第2のレーザ
光手段13と、前記第1または第2のレーザ光手段のい
ずれか一方の光軸中に配置された可動ミラー14aおよ
び非線形光学素子19と、前記第1または第2のレーザ
光手段の他方の光軸中に配置されたダイクロイックミラ
ー15aと、前記可動ミラーが光軸中にあるとき前記第
1または第2のレーザ光手段により発生され該可動ミラ
ーにより反射されるレーザ光を前記ダイクロイックミラ
ーに導くミラー構成の光学系とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光を用いた気体の
濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染の問題が大きく取り上げ
られているが、中でも大気汚染は大きなテーマとなって
いる。NOX やSOX は汚染気体の中でも特に重要なも
のであるが、従来これらの汚染気体や特定の重要な注目
気体の濃度を測定するのにレーザレーダが用いられてい
る。レーザレーダによる気体の濃度測定は、レーザを用
いて測定対象気体の吸収波長のレーザ光を発生せしめ、
気体によるレーザ光の吸収度合いを検出することにより
気体の濃度を測定しようとするものであり、測定対象気
体に吸収される固有の波長(たとえばNO2 では450
nm、O3 では300nm)のレーザ光を発生するレー
ザが用いられる。
【0003】レーザには、利用するレーザ媒質によって
気体レーザ、液体レーザ、固体レーザ、半導体レーザな
どがあり、用途に応じて用いられているが、たとえば環
境による影響を比較的受けにくい固体レーザの一種のN
d:YAG(ネオジウム:イットリウム・アルミニウム
・ガーネット)レーザは発振波長が1064nmの製品
が代表的なものであり、1319nm等の波長も発振す
るが、いずれにせよ離散的な波長しか得られないため
に、たとえ非線形光学素子と組み合せても特定の気体以
外の測定対象気体の吸収帯波長を発生させることはでき
ない。
【0004】これに対して従来、発振波長が自由に選択
できるレーザの一例として色素レーザが知られており、
一例としてNO2 の濃度測定にこの色素レーザが用いら
れている(1981年発行、「応用物理」第50巻、第
9号、第923頁〜第928頁)。色素レーザは使われ
る色素の種類を選択し、共振器中に置かれたプリズムや
回折格子に当てるレーザ光の角度を調整することによっ
て発振波長を紫外域から近赤外域の範囲で選択すること
ができるので多くの測定対象気体の吸収波長のレーザ光
を発生させることができる。
【0005】ところが、色素レーザに用いられる色素は
周囲を汚したり、手や衣服を強力に染色したり、取り扱
いが厄介なために準備に時間がかかるとともに、メンテ
ナンス性が悪い。色素レーザは時間経過とともに劣化す
るので色素を適時新しいものと交換する必要がある。ま
た色素材料によっては人体に有害なものもある。さら
に、測定対象気体が変わると、吸収波長も異なるのでそ
の都度波長を変える必要があるが、1つの色素で発振可
能な波長域はある有限の範囲であるから発振波長をその
範囲を越えて変えたい場合には色素を別の種類のものに
交換しなければならない。そのため、準備に要する時間
やメンテナンス性の点で不都合である。また色素レーザ
を用いたレーザレーダはポンプやタンクを必要とするの
で装置が大きくなり、それだけ場所を取るという問題も
ある。
【0006】そこで本発明者は平成5年11月8日付け
で、色素レーザを用いずに測定対象気体の吸収帯波長の
レーザ光を発生することができ、扱いや準備が簡単で、
構成が簡潔なレーザを組み込んだ気体の濃度測定装置に
ついて特許出願をした。
【0007】この濃度測定装置によれば、色素レーザを
用いずに、YAGレーザのような固体レーザとチタンサ
ファイアレーザのような波長可変固体レーザを用いるの
で汚れの心配がなくて取扱いが簡単になり、したがって
測定の準備に時間もかからず、交換の必要がなく、メン
テナンス性にも優れている。またポンプやタンクが不要
であるので装置や設備にスペースを取らないという長所
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記先願に係
る濃度測定装置でたとえば工場からの排煙に含まれるN
2 、SO2 など何種類かの気体の濃度を測定しようと
すると、この装置で発生するレーザ光の発振波長はレー
ザと非線形光学素子との組み合わせで決まるので、吸収
波長が異なる気体ごとに異なる光学系の装置を別々に用
意しなければならない。しかしながら濃度測定装置を別
々に用意するとシステムが大規模になり、場所をとり、
YAGレーザを水冷するためのホースや給水設備などの
冷却設備も余計に必要になる。またレーザを駆動するに
は大電流が必要であるので電源設備の用意、見直しが必
要になる。さらにレーザは安定動作に入るまでにある程
度の時間を必要とするので、短時間のうちに測定対象気
体を変えて濃度測定を行おうとするには、あらかじめ別
のシステムを稼働して待機しておかなければならないと
いう問題がある。
【0009】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
ので、色素レーザを用いないという利点を持ちながら、
1台分の設備およびスペースで、消費電力の無駄がな
く、迅速に切り替えて2種以上の気体の濃度を測定する
ことができる気体濃度測定装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、一態様によれば、可変波長レーザ光を発
生する第1のレーザ光発生手段と、固定波長レーザ光を
発生する第2のレーザ光発生手段と、該第2のレーザ光
発生手段の光軸中に出入可能に配置された可動ミラーお
よび固定配置された非線形光学素子と、前記第1のレー
ザ光発生手段の光軸中に配置されたダイクロイックミラ
ーと、前記可動ミラーが光軸中にあるときは前記第2の
レーザ光発生手段により発生され前記可動ミラーにより
反射されるレーザ光を前記ダイクロイックミラーに導
き、前記可動ミラーが光軸中にないときは前記第2のレ
ーザ光発生手段により発生されるレーザ光を前記非線形
光学素子を介して前記ダイクロイックミラーに導くミラ
ー構成の光学系とを備え、前記ダイクロイックミラーに
より前記第1および第2のレーザ光発生手段から発生す
るレーザ光を光軸を合わせて合成し、前記可動ミラーを
切り替えることによって異なる所定波長のレーザ光を選
択的に発生するレーザ光発生光学系と、測定対象気体か
らの反射レーザ光を受光する受光手段と、該受光手段に
より受光した反射レーザ光を光電変換する光電変換手段
と、該光電変換手段からの受光信号データを記録する記
録手段と、該記録手段に記録された受光信号データに基
づいて測定対象気体の濃度を演算する演算手段とで気体
の濃度測定装置を構成した。
【0011】また本発明の別の態様によれば、可変波長
レーザ光を発生する第1のレーザ光発生手段と、固定波
長レーザ光を発生する第2のレーザ光発生手段と、該第
1のレーザ光発生手段の光軸中に出入可能に配置された
可動ミラーおよび固定配置された非線形光学素子と、前
記第2のレーザ光発生手段の光軸中に配置されたダイク
ロイックミラーと、前記可動ミラーが光軸中にあるとき
は前記第1のレーザ光発生手段により発生され前記可動
ミラーにより反射されるレーザ光を前記ダイクロイック
ミラーに導き、前記可動ミラーが光軸中にないときは前
記第1のレーザ光発生手段により発生されるレーザ光を
前記非線形光学素子を介して前記ダイクロイックミラー
に導くミラー構成の光学系とを備え、前記ダイクロイッ
クミラーにより前記第1および第2のレーザ光発生手段
から発生するレーザ光を光軸を合わせて合成し、前記可
動ミラーを切り替えることによって異なる所定波長のレ
ーザ光を選択的に発生するレーザ光発生光学系と、測定
対象気体からの反射レーザ光を受光する受光手段と、該
受光手段により受光した反射レーザ光を光電変換する光
電変換手段と、該光電変換手段からの受光信号データを
記録する記録手段と、該記録手段に記録された受光信号
データに基づいて測定対象気体の濃度を演算する演算手
段とにより気体の濃度測定装置を構成した。
【0012】
【作用】本発明は以上の構成によって、可動ミラーを切
り替えることにより非線形光学素子を第1または第2の
レーザ光手段から発生するレーザ光の光路に入れたり光
軸から外したりして異なる波長のレーザ光を選択的に発
生させることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は本発明による気体の濃度測定装置の
一実施例のブロック線図である。この実施例は一例とし
てNO2 とO3 の濃度を切り替えて測定するものであ
る。なお、NO2 の吸収波長として447.9nmを、
またO3 の吸収波長として308nmを選択した。
【0015】図において破線で囲んだ部分が、測定対象
気体であるNO2 の吸収波長である447.9nmのレ
ーザ光と非吸収波長である446.5nmのレーザ光お
よびO3 の吸収波長である308nmのレーザ光と非吸
収波長である330nmのレーザ光とを切り替えて発生
するレーザ光発生光学系1である。このレーザ光発生光
学系1は、YAGレーザ10と、入力レーザ光の波長
を、 1/2にして出力する第2高調波発生用の非線形光学素
子(たとえばKD* P)11と、チタンサファイアレー
ザ12と、もうひとつのYAGレーザ13と、YAGレ
ーザ13の光軸に入れたり光軸から外したり切り替え可
能な可動ミラー14aと、可動ミラー14aによる反射
レーザ光を直進させるダイクロイックミラー15bと、
チタンサファイアレーザ12からのレーザ光とYAGレ
ーザ13からのレーザ光とを同一光路に光軸合わせする
ダイクロイックミラー15aと、入力レーザ光の波長か
ら、 の関係によって新たな波長を得る非線形光学素子(たと
えばKDP)16と、必要な波長のレーザ光のみを取り
出すペランブロッカプリズム17と、その出力レーザ光
を反射するミラー18と、YAGレーザ13の光軸上で
可動ミラー14aのさらに先の位置に設けられた非線形
光学素子19(KD* P)と、非線形光学素子19を通
過したレーザ光を直角に反射する2枚のミラー20、2
1とにより構成されており、2つのYAGレーザ10と
13の同期をとるための信号を発生するパルスジェネレ
ータ22が設けられている。
【0016】一方、測定対象気体であるNO2 またはO
3 の存在する領域を通過し、光軸上のエアロゾル(ち
り、ほこり、水滴)によって散乱されたレーザ光を凹面
鏡24および25で受光するカセグレン型望遠鏡2と、
絞り3を通ったレーザ光からNO2 測定用の送信波長で
ある447.9nmおよび446.5nm付近の双方の
波長またはO3 測定用の送信波長である308nmおよ
び330nm付近の双方の波長を通過させる切り替え式
の干渉フィルタ4と、極めて弱いレーザ光出力を光電変
換し受光信号として出力する光電子増倍管5と、微弱な
受光信号を高い増幅率で増幅するプリアンプ6と、増幅
された受光信号の波形全体をA/D交換により記録する
トランジェントレコーダ7と、トランジェントレコーダ
7のデータを処理して気体の濃度を演算するパソコン8
と、演算結果を表示するディスプレイ9とが設けられて
いる。
【0017】レーザ光発生光学系1の非線形光学素子1
6の出力側には、この非線形光学素子16から出力する
レーザ光を検出するフォトダイオード26が設けられて
おり、その出力信号はトランジェントレコーダ7にトリ
ガー信号として入力されるようになっている。
【0018】次に本実施例によるNO2 とO3 の濃度測
定について説明する。
【0019】まずNO2 の濃度を測定するために、可動
ミラー14aを図中に実線で示すようにYAGレーザ1
3の光路に入れておく。レーザ光発生光学系1のパルス
ジェネレータ22によりYAGレーザ10および13を
同期して駆動させる(たとえば1秒間に10パルスの割
合で)。YAGレーザ10および13からは1064n
mのレーザ光が発生する。YAGレーザ10から出力し
たレーザ光は非線形光学素子11(KD* P)により1
/2波長の532nmのレーザ光に変換され、チタンサ
ファイアレーザ12を駆動する。チタンサファイアレー
ザ12では内部共振器の回折格子の角度をレーザパルス
1発ごとに切り替えて発生するレーザ光の波長を77
3.5nmと769.4nmに交互に切り替える。
【0020】一方、YAGレーザ13から出力する波長
1064nmのレーザ光は可動ミラー14aにより反射
され、ダイクロイックミラー15bを通過してダイクロ
イックミラー15aにより、チタンサファイアレーザ1
2から出力する上記2波長のレーザ光と光軸合わせされ
てもうひとつの非線形光学素子16(KDP)に送られ
る。非線形光学素子16は、チタンサファイアレーザ1
2から出力する波長773.5nmのレーザ光に対して
は447.9nmに変換したレーザ光を、また波長76
9.4nmのレーザ光に対しては446.5nmに変換
したレーザ光を交互に出力する。非線形光学素子16か
らの出力には変換前の波長である773.5nmもしく
は769.4nmと1064nmのレーザ光が含まれて
いるので、ペランブロッカプリズム17を通すことによ
ってNO2 の測定に必要な波長(447.9nmおよび
446.5nm)のレーザ光だけを取り出し、ミラー1
8で反射させて前方の測定対象領域に向けて出射させ
る。
【0021】測定対象領域からの散乱レーザ光はカセグ
レン型望遠鏡2で受光され、凹面鏡24および25で反
射されて絞り3を通して干渉フィルタ4でNO2 測定用
の送信波長である447.9nmおよび446.5nm
付近の双方の波長だけを透過させる。干渉フィルタ4を
通過した光は光電子増倍管5によって光電変換され、プ
リアンプ6により増幅されてトランジェントレコーダ7
に入力される。トランジェントレコーダ7では、フォト
ダイオード26からの出力信号をトリガー信号としてA
/D変換を行ない、レーザ光発生光学系1から出射され
る1つのレーザ光パルスによる散乱光に対して図2に示
すような波形が記録される。トランジェントレコーダ7
に記録されたデータはGPIBケーブルを介してパソコ
ン8に転送され、そこで次のような濃度計算が行われ
る。
【0022】NO2 によりレーザ光が吸収されたときの
散乱光データ(波長が447.9nmのレーザ光)と吸
収されないときの散乱光データ(波長が446.5nm
のレーザ光)との比を細かな多数の経過時間についてと
り、それを距離で微分することにより濃度が得られる。
この場合、距離は、レーザ光が光の速度で大気中を伝播
することから経過時間に基づいて容易に算出できる。
【0023】次にもう1つの気体であるO3 の濃度を測
定するには、可動ミラー14aをYAGレーザ13の光
路から鎖線で示す位置に外す。NO2 の場合と同様にパ
ルスジェネレータ22によりYAGレーザ10と13を
駆動すると、YAGレーザ13からのレーザ光は破線で
示すように進行し、非線形光学素子19により1/2波
長とされ、ミラー20、21で反射されてダイクロイッ
クミラー15bにより直角に屈折され、ダイクロイック
ミラー15aによりチタンサファイアレーザ12から出
力する上記2波長のレーザ光と光軸合わせされてもうひ
とつの非線形光学素子16(KDP)に送られる。レー
ザ光のその後については上述したNO2の場合と同じで
ある。こうしてO3 に吸収される308nmと吸収され
ない330nmのレーザ光とが得られる。散乱レーザ光
を受光してO3 の濃度を算出する処理については上述し
たNO3 の場合と同じである。
【0024】本発明による第2の実施例としてSO2
NOの濃度を測定する濃度測定装置を図3に示す。
【0025】この実施例のレーザ光発生光学系1は、図
1に示した第1の実施例のレーザ光発生光学系1のチタ
ンサファイアレーザ12の出力側に非線形光学素子(K
DP)27を配置した点でのみ異なっており、その他の
点はすべて同じである。
【0026】まずSO2 の測定に際しては、可動ミラー
14aをYAGレーザ13の光路に入れ、チタンサファ
イアレーザ12から835.80nmと832.89n
mのレーザ光を交互に出力させる。チタンサファイアレ
ーザ12から出力するレーザ光は非線形光学素子27に
より1/2波長とされる。
【0027】一方、YAGレーザ13から出力される波
長1064nmのレーザ光は可動ミラー14aで反射さ
れ、ダイクロイックミラー15bを通過し、ダイクロイ
ックミラー15aによって非線形光学素子27からのレ
ーザ光と光軸合わせされ、もう1つの非線形光学素子1
6に向けられる。その後のレーザ光の光路ならびに波長
の変化については第1の実施例と同じである。その結
果、レーザ光発生装置からは249nm〜316nmの
レーザ光が発生する。この波長範囲は、SO2 の吸収波
長である300.05nmと非吸収波長である299.
30nmをカバーするものである。 もう1つの気体で
あるNOを測定するには、レーザ光発生光学系1のミラ
ー14aをYAGレーザ13の光路から外し、チタンサ
ファイアレーザ12から774.12nmと790.6
8nmのレーザ光を交互に出力させる。YAGレーザ1
3からのレーザ光は非線形光学素子19で1/2波長と
され、ミラー20、21で反射され、ダイクロイックミ
ラー15bで直角に屈折され、ダイクロイックミラー1
5aによりチタンサファイアレーザ12からのレーザ光
と光軸合わせされる。その後については前述したと同じ
である。その結果、レーザ光発生光学系1からは210
nm〜245nmのレーザ光が出力される。この波長範
囲は、NOの吸収波長である224.05nmと非吸収
波長である226.80nmをカバーするものである。
【0028】このように可動ミラー14aの切り替えだ
けで異なる波長のレーザ光を簡単に発生することができ
る。散乱レーザ光を受光してSO2 およびNOの濃度を
算出する処理については上述した実施例と同じである。
【0029】図4はSO2 とNO2 の濃度測定を行う本
発明による第3の実施例を示す。
【0030】測定対象気体からの散乱レーザ光を受光し
て濃度を演算する系は図1に示した実施例と同じである
ので省略し、それとは異なるレーザ光発生光学系につい
てだけ示す。図中、図1と同じ参照数字は同じ構成部分
を示すものとする。
【0031】この実施例のレーザ光発生光学系1におい
ては、チタンサファイアレーザ12の出力側に切替式の
可動ミラー14aと、非線形光学素子19(KD* P)
と、ダイクロイックミラー15bとを同一光軸上に配置
するとともに、可動ミラー14aからの反射光を直角に
反射するミラー20bと、またミラー20bの反射光を
直角に反射するミラー20aとを配置したことである。
またYAGレーザ13の光軸上には2つのレーザ光の光
軸を合わせるためのダイクロイックミラー15aが配置
されている。
【0032】この実施例の動作も上述した実施例とほぼ
同じであるので簡単に説明すると、まずNO2 を測定す
るために、可動ミラー14aをチタンサファイアレーザ
12の光路に入れる。チタンサファイアレーザ12から
は773.5nmと769.4nmのレーザ光が出力さ
れる。チタンサファイアレーザ12からのレーザ光は可
動ミラー14aで反射され、さらにミラー20b、20
aで反射され、ダイクロイックミラー15bを通過して
ダイクロイックミラー15aによりYAGレーザ13か
らの1064nmのレーザ光と光軸合わせされて非線形
光学素子16に送られる。その結果、レーザ光発生光学
系1からは420nm〜490nmのレーザ光が出射す
る。このレーザ光はNO2 の吸収波長である447.9
nmと非吸収波長である446.5nmをカバーする。
【0033】次にSO2 を測定するには、可動ミラー1
4aをチタンサファイアレーザ12の光路から外し、チ
タンサファイアレーザ12から835.80nmと83
2.89nmのレーザ光を交互に出力する。チタンサフ
ァイアレーザ12からのレーザ光は非線形光学素子19
により1/2波長とされ、ミラー20bで直角に屈折さ
れた後ダイクロイックミラー15aによりYAGレーザ
13からの1064nmのレーザ光と光軸合わせされて
もう1つの非線形光学素子16に送られる。その結果、
レーザ光光学系1から249nm〜316nmのレーザ
光が出射する。このレーザ光はSO2 の吸収波長である
300.05nmと非吸収波長である299.30nm
をカバーする。
【0034】このように可動ミラー14aの切り替えだ
けで異なる2波長のレーザ光を簡単に発生することがで
きる。散乱レーザ光を受光してSO2 とNO2 の濃度を
算出する処理については上述した実施例と同じである。
【0035】図5は上で説明した実施例のレーザ光発生
光学系により切り替えて発生可能なレーザ光の波長領域
とそれが濃度測定に適用可能な気体の種類を示す。
【0036】上記実施例では固体レーザとしてYAGレ
ーザを用い、波長可変固体レーザとしてチタンサファイ
アレーザを用いたが、本発明はこれらのレーザに限らず
他のレーザを用いても実現できることはもちろんであ
る。また本発明により発生されるレーザ光の用途は濃度
測定に限られるものではない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
経時変化を受けにくく、無害でかつ扱い易い固体レーザ
を用いて簡単な切り替え操作で異なる気体の濃度測定に
必要な異なる波長の2種以上のレーザ光を発生させるこ
とができる。そのためにコンパクトな構成の装置で2種
以上の気体の濃度を短時間で容易に測定することができ
る。また固体レーザを用いているので測定の準備が簡単
で時間もかからず、色素レーザのように交換の必要がな
く、メンテナンス性にも優れていることはもちろんであ
る。またポンプやタンクが不要であるので装置や設備に
スペースを取らない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による気体の濃度測定装置の第1の実施
例のブロック図である。
【図2】図1に示した実施例において受光される反射レ
ーザ光の波形を示す。
【図3】本発明による気体の濃度測定装置の第2の実施
例のレーザ光発生光学系のブロック図である。
【図4】本発明による気体の濃度測定装置の第3の実施
例のレーザ光発生光学系のブロック図である。
【図5】本発明の実施例のレーザ光発生光学系により発
生されるレーザ光の波長領域を示す。
【符号の説明】
1 レーザ光発生光学系 2 カセグレン型望遠鏡 3 絞り 4 干渉フィルタ 5 光電子増倍管 6 プリアンプ 7 トランジェントレコーダ 8 パソコン 9 ディスプレイ 10、13 YAGレーザ 11、16、19、27 非線形光学素子 12 チタンサファイアレーザ 14a、18、20a、20b 21、ミラー 15a、15b ダイクロイックミラー 17 ペランブロッカプリズム 22 パルスジェネレータ 24、25 凹面鏡 26 フォトダイオード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変波長レーザ光を発生する第1のレー
    ザ光発生手段と、固定波長レーザ光を発生する第2のレ
    ーザ光発生手段と、該第2のレーザ光発生手段の光軸中
    に出入可能に配置された可動ミラーおよび固定配置され
    た非線形光学素子と、前記第1のレーザ光発生手段の光
    軸中に配置されたダイクロイックミラーと、前記可動ミ
    ラーが光軸中にあるときは前記第2のレーザ光発生手段
    により発生され前記可動ミラーにより反射されるレーザ
    光を前記ダイクロイックミラーに導き、前記可動ミラー
    が光軸中にないときは前記第2のレーザ光発生手段によ
    り発生されるレーザ光を前記非線形光学素子を介して前
    記ダイクロイックミラーに導くミラー構成の光学系とを
    備え、前記ダイクロイックミラーにより前記第1および
    第2のレーザ光発生手段から発生するレーザ光を光軸を
    合わせて合成し、前記可動ミラーを切り替えることによ
    って異なる所定波長のレーザ光を選択的に発生するレー
    ザ光発生光学系と、 測定対象気体からの反射レーザ光を受光する受光手段
    と、 該受光手段により受光した反射レーザ光を光電変換する
    光電変換手段と、 該光電変換手段からの受光信号データを記録する記録手
    段と、 該記録手段に記録された受光信号データに基づいて測定
    対象気体の濃度を演算する演算手段とを有することを特
    徴とする気体の濃度測定装置。
  2. 【請求項2】 可変波長レーザ光を発生する第1のレー
    ザ光発生手段と、固定波長レーザ光を発生する第2のレ
    ーザ光発生手段と、該第1のレーザ光発生手段の光軸中
    に出入可能に配置された可動ミラーおよび固定配置され
    た非線形光学素子と、前記第2のレーザ光発生手段の光
    軸中に配置されたダイクロイックミラーと、前記可動ミ
    ラーが光軸中にあるときは前記第1のレーザ光発生手段
    により発生され前記可動ミラーにより反射されるレーザ
    光を前記ダイクロイックミラーに導き、前記可動ミラー
    が光軸中にないときは前記第1のレーザ光発生手段によ
    り発生されるレーザ光を前記非線形光学素子を介して前
    記ダイクロイックミラーに導くミラー構成の光学系とを
    備え、前記ダイクロイックミラーにより前記第1および
    第2のレーザ光発生手段から発生するレーザ光を光軸を
    合わせて合成し、前記可動ミラーを切り替えることによ
    って異なる所定波長のレーザ光を選択的に発生するレー
    ザ光発生光学系と、 測定対象気体からの反射レーザ光を受光する受光手段
    と、 該受光手段により受光した反射レーザ光を光電変換する
    光電変換手段と、 該光電変換手段からの受光信号データを記録する記録手
    段と、 該記録手段に記録された受光信号データに基づいて測定
    対象気体の濃度を演算する演算手段とを有することを特
    徴とする気体の濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のレーザ光発生手段が、固定波
    長レーザと、非線形光学素子と、可変波長レーザとによ
    り構成され、前記第2のレーザ光発生手段が固定波長レ
    ーザにより構成された請求項1または請求項2に記載の
    気体の濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のレーザ光発生手段の出力側に
    第2の非線形光学素子が配置された請求項3に記載の気
    体の濃度測定装置。
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