JP2004055695A - レーザ装置、このレーザ装置を備えた画像読取装置及び画像検査装置 - Google Patents
レーザ装置、このレーザ装置を備えた画像読取装置及び画像検査装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高効率で安定して高出力が得られ、産業用に使用することが可能な深紫外波長域で動作できるようにする。
【解決手段】赤外レーザ発振器1と、紫外光をシングルモード光で発振する紫外レーザ発振器2と、紫外レーザ発振器2から発振された紫外光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器4と、この共振器4内に設けられた非線形結晶3とを具備し、共振器4内に取込まれて共振される紫外光を非線形結晶3に通過させるとともに、赤外レーザ発振器1から発振された赤外線を非線形結晶3にシングルパスさせることにより和周波を発生させて深紫外光を出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】赤外レーザ発振器1と、紫外光をシングルモード光で発振する紫外レーザ発振器2と、紫外レーザ発振器2から発振された紫外光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器4と、この共振器4内に設けられた非線形結晶3とを具備し、共振器4内に取込まれて共振される紫外光を非線形結晶3に通過させるとともに、赤外レーザ発振器1から発振された赤外線を非線形結晶3にシングルパスさせることにより和周波を発生させて深紫外光を出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ装置に関し、詳しくは、フォトマスク、ウエハなどの半導体の微細なパターンを高精度に検査、測定する連続出力のレーザ装置、画像読取装置及び画像検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の検査分野で、例えば、高精度なマスクパターンの欠陥を検出する場合には、深紫外域の検査波長が必要とされる。
【0003】
一般的に、短波長のレーザー遷移ほど蛍光寿命が短く、基本波で発振する深紫外レーザ装置はほとんどがパルスレーザ装置である。最も短波長な連続出力レーザ装置としては、アルゴンイオンレーザ装置が知られているが、実用的には350.7nmにとどまっている。
【0004】
このため、検査に必要な深紫外領域で連続光源を得るためには、連続発振する長波長レーザ光を基本波としてこれを短波長側へ波長変換する必要がある。即ち、連続出力で所定の波長より長波長の複数のレーザーを基本波とした和周波発生を行なわなければならない。
【0005】
ところで、レーザ光の波長変換は非線形過程であり、高電界が必要である。これに対し、レーザ光の連続発振は本質的に低電界を与えるので、その波長変換には特別な変換技術を要する。
【0006】
非線形媒質中で電界強度を高めるためには、非線形結晶に基本波を閉じ込める共振器構成が採用されている。和周波発生のための共振器構成には、レーザ光増幅媒体を共振器内に設置する内部共振器による方法と、基本波発生源を和周波発生用の共振器と独立させた外部共振器による方法とがある。
【0007】
以上のような方式による深紫外光発生装置については、いくつか公知例がある。
【0008】
ひとつは、2002年レーザー学会で報告された、シリコン原子のレーザー冷却と題した講演(レーザー学会学術講演会第22回年次大会講演予稿集(2002大阪)p137)である。Si原子冷却用の光源として開発された。
【0009】
この方式は、図4に示すように、紫外レーザ発振器102から発振された波長373nmの紫外光と、赤外レーザ発振器101から発振された波長780nmの赤外光とを、非線形結晶103で混合し、波長254nmの深紫外光を発生させるものである。
【0010】
波長373nmの深紫外光に関しては共振器長を制御することにより共振器104にロックし、波長780nmの赤外光に関しては、発振周波数を共振器長に同調させ、ひとつの共振器104で2つの波長のコヒレント光を共鳴させている。
【0011】
図5に示すものは、内部共振器の例であり、USP6,198,756に記載されたものである。
【0012】
これは、一つのレーザー共振器111中に赤外レーザ媒体113を設置して赤外光を発振させ、この共振器111中に設置してある非線形結晶112に紫外レーザ発振器113から発振された紫外光を通過させることにより、和周波を発生させて短波長の深紫外光を出力する内部共振器形式のものである。
【0013】
また、図6は、2001年に米国シアトルの国際会議Advanced Solid−StateLasersで報告された(講演番号WA6)ものである。
【0014】
これは紫外レーザ発振器121から発振された波長266nmの紫外光と、赤外レーザ媒体122から発振された波長780nmの赤外光の和周波を発生させ、これにより、深紫外波長領域の196.5nmで2.3mWの出力が得られた。
【0015】
この例は、赤外レーザ媒体122として780nmのチタニウムサファイアレーザ媒体を用い、この共振器123に非線形結晶124を置き、かつ、この非線形結晶124に対して、紫外光266nmの外部共振器を組んだものである。
【0016】
ところで、上記した非線形変換の構成において、外部共振器方式と内部共振器方式ではそれぞれ得失があり、目的にあう方式を選択する必要がある。
【0017】
内部共振器による方式は、基本波の電界強度が低い高繰返しパルス出力や、連続波光の和周波発生には高効率な方式であり、マルチモード光の変換にも適する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マルチモード光の変換波後の出力はマルチモードであり、高精度な計測用光源として不適切である。
【0019】
また、図4に示した一つの共振器104で二つの波長のコヒレント光の和周波を発生させる方法は、二つの基本波の電界強度をともに共振器104内で強調できる点で優れている。
【0020】
しかしながら、波長変換によってより一層の短波長の和周波を得るためには、波長が短くなるほど共振器用のミラーの製造が困難で入手できなくなる。
【0021】
即ち、図4に示すように、4種類の異なる反射率特性を持つ第1乃至第4のミラー105a〜105dが必要となる。第1のミラー105aは、赤外光を共振器104に導入するもので、紫外光に対しては高反射で、かつ赤外光に対しては、共振器104の赤外光損失にちょうど合致する赤外光透過率を持つインピーダンス整合ミラーである。この赤外光に対する透過率が不適正であると、入射光を共振器104内に導入できない。
【0022】
第2のミラー105bは、赤外光と紫外光のそれぞれに対し高反射であるとともに、共振器長を調整する可動ミラーである。
【0023】
第3のミラー105cは、紫外光を共振器104に導入するもので、赤外光に対しては高反射で、紫外光に対しては共振器104の紫外光損失にちょうど合致する紫外光透過率を持つインピーダンス整合ミラーである。この紫外光に対する透過率が不適正であると、入射光を共振器104内に導入できない。
【0024】
第4のミラー105dは、赤外光と紫外光をともに高反射させ、かつ発生した深紫外光に対しては高透過なミラーである。
これらすべてのミラー15a〜15dが入手できなければ、この方式は成立しない。
【0025】
一方、図5に示した方式は、共振器111内に非線形結晶112と活性媒質113がともに設置されるため、レーザー発振する赤外光と和周波発生する深紫外光が相互作用し不安定なレーザー動作をもたらす。
【0026】
また、一般的に、連続発振レーザーに関しては、赤外光は高出力が得やすいが、紫外光は高出力が得にくい。これは、レーザー発振に関わる蛍光寿命が波長の二乗に比例するからである。
【0027】
しかしながら、この図5に示す方式は、高出力が得にくい紫外光を非線形結晶112に単光で入射させて赤外光と非線形相互作用させるため、十分な非線形効果が得にくい。
【0028】
なお、高出力が得られるマルチモード光を紫外レーザ発振器114から発振させて非線形結晶112に入射させた場合には、ある程度出力を高めることができる。
【0029】
しかしながら、マルチモード光はシングルモード光と異なり、共振器内で十分に共振させることができず、マルチモード光を用いてもシングルモード光を用いた場合と比較して4倍程度、即ち、9.2mW程度の出力しか得られないという問題がある。
【0030】
図6に示した例では、非線形結晶124を中心に、赤外光に対しては内部共振器、紫外光に対しては外部共振器を構成し、複雑な光学系を構成しなければならない。このため、設置上の制約から、効果的な共振器構成をとることができず結果的に低出力しか得られないという不都合がある。
【0031】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で安定して高出力が得られ、産業用に使用することが可能な深紫外波長域で動作するレーザ装置、画像読取装置及び画像検査装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、この共振器内に設けられた非線形結晶とを具備し、前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力する。
【0033】
請求項9記載の発明は、第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、この共振器内に設けられた非線形結晶とを具備し、前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、このレーザ出力手段によって出力された第3のレーザ光を被検査パターンに照明する照明手段と、この照明手段により照明されて被検査パターンから反射する反射光を受光して画像を読み取る読取手段とを具備する。
【0034】
請求項10記載の発明は、第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、この共振器内に設けられた非線形結晶とを具備し、前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、このレーザ出力手段によって出力された第3のレーザ光を被検査パターンに照明する照明手段と、この照明手段により照明されて被検査パターンから反射する反射光を受光して画像を読み取る読取手段と、この読取手段により読み取られた画像情報に基づいて前記被検査パターンの欠陥の有無を検査する検査手段とを具備する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の一実施の形態であるレーザ装置を示すものである。
【0037】
このレーザ装置は第1のレーザ光としての赤外光(238nm〜400nm)を発振する第1のレーザ発振器としての赤外レーザ発振器1、及び第2のレーザ光としての紫外光(750〜1300nm)を発振する第2のレーザ発振器としての紫外レーザ発振器2を備えるとともに、共振器4を備えている。共振器4内には非線形結晶3が設けられている。
【0038】
紫外レーザ発振器2は、アルゴンレーザ発振器で、紫外領域の基本波のひとつとして244nmの2倍高調波光を発振する。この紫外レーザ発振器2は、488nmの単一周波数出力を外部共振器で2倍高調波にしており、244nmの出力としては0.5Wが得られている。
【0039】
赤外レーザ発振器1はネオジムを活性物質とするYAGレーザ発振器で、赤外領域の基本波として、波長1064nmの赤外光を発振する。この実施例では、YAGレーザー出力として、単一周波数で15Wが得られている。
【0040】
これらの赤外レーザ発振器1と紫外レーザ発振器2から発振される赤外光と紫外光の和周波(1/(1/244+1/1064)=1985)から、波長198.5nmの和周波が得られるようになっている。
【0041】
共振器4は第1乃至第4のミラー5a〜5dによって構成されている。
【0042】
第1のミラー5aは赤外レーザ発振器1から発振された基本波となる赤外光を入射させる導入ミラーで、波長1064nmの赤外光に対して高透過となっている。
【0043】
第2乃至第4のミラー5b〜5dは紫外光の波長244nmに対して、99.99%の反射率をもち、低損失なミラーである。
【0044】
第2のミラー5bは、波長244nmの紫外光に対しては高反射であるが、波長198.5nmの和周波発生光に対しては高透過であり、この共振器4の出力ミラーとなっている。
【0045】
第3のミラー5cは、基本波となる紫外光の導入ミラーであり、所定の透過率で波長244nmの紫外光を透過させる。
【0046】
第4のミラー5dは、紫外光のモニター7の出力により、ミラー台座に設置されているピエゾ素子8、或いはスピーカーコイル状の素子がドライブされて紫外光の周波数と共振器長が整合するように帰還制御されるようになっている。
【0047】
ところで、基本波となる紫外光を導入する第3のミラー5cは、波長244nmの紫外光に対して共振器4を構成する非線形結晶3の内部損失および波長変換による損失さらに、第1乃至第4の各ミラー5a〜5dの光学損失分をあわせた損失、即ち、共振器4の内部損失にちょうど見合った透過率となっている。
【0048】
これにより入射光と共振器4はインピーダンス整合し、波長244nmの紫外光に対して高反射な共振器4でありながら、紫外光の周波数と共振器長が整合した場合に、共振器4を透過することができるようになっている。
【0049】
即ち、この条件が揃ったときに、紫外光の基本波は共振器4内に取り込まれ、かつ、共振器4内の紫外光の電界強度は最大となる。
【0050】
上記した構成において、紫外レーザ発振器2から発振された波長244nmの紫外光は所定の透過率で第3のミラー5cを透過して共振器4内に導入される。この導入された紫外光は第4のミラー5dに送られて反射され、第1のミラー5aに導かれる。この紫外光は第1のミラー5aで反射され、非線形結晶3を通過したのち、第2のミラー5bに送られる。そして、この第2のミラー5bで紫外光は反射されて第3のミラー5cに導かれ、第3のミラー5cでさらに反射されて第4のミラー5dに導かれる。以後、紫外光は同様に反射が繰り返されて共振され、共振器4内の紫外光の電界強度は最大となる。
【0051】
この共振される紫外光の周波数は紫外モニター7によってモニターされる。そして、このモニターに基づいて第4のミラー5dの反射角度が制御され、紫外光の周波数と共振器長さを整合させる。この整合により、紫外光が第2のミラー5を透過する。
【0052】
一方、赤外レーザ発振器1から発振された波長1064nmの赤外光は、第1のミラー(紫外光高反射、赤外光高透過特性)5aから共振器4内に導入され、位相整合する条件下で非線形結晶3に入射する。これにより、共振器4内で強調された紫外光と非線形相互作用により和周波が発生し、波長198.5nmの深紫外光(第3のレーザ光に相当)となる。この深紫外光は第4のミラー5dを透過して共振器4の外部に出力されることになる。
【0053】
以上の構成で、既述のように0.5Wの波長244nmの基本波と、15Wの波長1064nmの基本波により、深紫外出力として波長198.5nmの出力が200mW得られた。
【0054】
この波長領域の出力としては、過去に195.6nm波長で2.3mWが得られることが、国際会議であるAdvanced Solid−StateLasersで2001年に発表されたのみである。本発明によれば、2.3mWに対して80倍以上の出力が得られたことになる。
【0055】
また、本発明では、紫外レーザ発振器2から紫外光としてシングルモード光を発振させて共振器4に入射させて共振させるため、図5の従来例で示したように紫外レーザ発振器114から紫外光としてマルチモード光を入射させた場合と比較しても20倍以上の高出力が得られる。
【0056】
なお、上記一実施の形態では、紫外光としてアルゴンイオンレーザの2倍高調波光である244nmのコヒレント光を用い、赤外光としてネオジムを活性物質とする波長1064nmのYAGレーザ光を用いて説明したが、本発明の意図からこの波長に限定されるものではないことは明らかである。
【0057】
図2は上記したように構成されたレーザ装置9を搭載する画像読取装置を持つ画像検査装置を示すものである。
【0058】
この画像検査装置は70nmレベルのマスク欠陥を検査するものである。
【0059】
レーザ装置9から出力される深紫外光の光路中には45度の角度で傾斜する状態でハーフミラー(照明手段に相当)10が設けられ、このハーフミラー10の上方部には対物レンズ(照明手段に相当)11及び被検査パターン12が配置されている。ハーフミラー10の下方部には投影レンズ13及びセンサ(読取手段に相当)14が配設されている。センサ14には信号回路を介してプロセッサ(検出手段に相当)15が接続されている。
【0060】
被検査パターン12を検査する場合には、レーザ装置9から高出力の深紫外光が発振され、この深紫外光はハーフミラー10を介して被検査パターン12に向かって案内され、対物レンズ11を介して被検査パターン12に照射される。被検査パターン12に照射された深紫外光は被検査パターン12から反射され、対物レンズ11,ハーフミラー10、投影レンズ13を介してセンサ14に受光されて被検査パターン12の画像が読み取られる。この読取情報はプロセッサ15に送信されて情報処理されてマスク欠陥の有無が検出されることになる。
【0061】
この実施の形態によれば、高出力な深紫外光を照明光として用いるため、70nm級のマスク欠陥検査を短時間で行うことが可能となる。
【0062】
なお、本発明の画像読取装置と画像検査装置は、上記一実施の形態の構成に限定されるものではなく、他の光学系を用いた場合も含まれることは言うまでもない。
【0063】
図3は本発明の第2の実施の形態であるレーザ装置を示すものである。
【0064】
なお、上記した第1の実施の形態で示した部分と同一部分については同一願号を付してその説明を省略する。
【0065】
上記した第1の実施の形態においては、赤外光の入射と深紫外光の出力を紫外光の共振器ミラー5a,5bを介して行っているが、この第2の実施の形態では、非線形結晶21を水平面に対して傾斜して設けることにより、非線形結晶21の分散を利用して、共振器ミラーを介さないでも赤外光の入射と深紫外光の出力を行うことができるようになっている。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複雑な構成をとらずに、高出力な深紫外光を得ることができる。また、波長200nm近辺の出力で従来の80倍以上の値である200mWの高出力が得られた。さらに、この高出力な深紫外線を照明光として用いることにより、70nm級のマスク欠陥検査を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図2】図1のレーザ装置を備える画像検査装置を示す概略的構成図。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図4】第1の従来例であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図5】第2の従来例であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図6】第3の従来例であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【符号の説明】
1…赤外レーザ発振器(第1のレーザ発振器)
2…紫外レーザ発振器(第2のレーザ発振器)
3…非線形結晶
4…共振器
5a〜5d…第1乃至第4のミラー
9…レーザ出力装置(レーザ出力手段)
12…被検査パターン
10…ハーフミラー(照明手段)
11…対物レンズ(照明手段)
14…センサ(読取手段)
15…プロセッサ(検査手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ装置に関し、詳しくは、フォトマスク、ウエハなどの半導体の微細なパターンを高精度に検査、測定する連続出力のレーザ装置、画像読取装置及び画像検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の検査分野で、例えば、高精度なマスクパターンの欠陥を検出する場合には、深紫外域の検査波長が必要とされる。
【0003】
一般的に、短波長のレーザー遷移ほど蛍光寿命が短く、基本波で発振する深紫外レーザ装置はほとんどがパルスレーザ装置である。最も短波長な連続出力レーザ装置としては、アルゴンイオンレーザ装置が知られているが、実用的には350.7nmにとどまっている。
【0004】
このため、検査に必要な深紫外領域で連続光源を得るためには、連続発振する長波長レーザ光を基本波としてこれを短波長側へ波長変換する必要がある。即ち、連続出力で所定の波長より長波長の複数のレーザーを基本波とした和周波発生を行なわなければならない。
【0005】
ところで、レーザ光の波長変換は非線形過程であり、高電界が必要である。これに対し、レーザ光の連続発振は本質的に低電界を与えるので、その波長変換には特別な変換技術を要する。
【0006】
非線形媒質中で電界強度を高めるためには、非線形結晶に基本波を閉じ込める共振器構成が採用されている。和周波発生のための共振器構成には、レーザ光増幅媒体を共振器内に設置する内部共振器による方法と、基本波発生源を和周波発生用の共振器と独立させた外部共振器による方法とがある。
【0007】
以上のような方式による深紫外光発生装置については、いくつか公知例がある。
【0008】
ひとつは、2002年レーザー学会で報告された、シリコン原子のレーザー冷却と題した講演(レーザー学会学術講演会第22回年次大会講演予稿集(2002大阪)p137)である。Si原子冷却用の光源として開発された。
【0009】
この方式は、図4に示すように、紫外レーザ発振器102から発振された波長373nmの紫外光と、赤外レーザ発振器101から発振された波長780nmの赤外光とを、非線形結晶103で混合し、波長254nmの深紫外光を発生させるものである。
【0010】
波長373nmの深紫外光に関しては共振器長を制御することにより共振器104にロックし、波長780nmの赤外光に関しては、発振周波数を共振器長に同調させ、ひとつの共振器104で2つの波長のコヒレント光を共鳴させている。
【0011】
図5に示すものは、内部共振器の例であり、USP6,198,756に記載されたものである。
【0012】
これは、一つのレーザー共振器111中に赤外レーザ媒体113を設置して赤外光を発振させ、この共振器111中に設置してある非線形結晶112に紫外レーザ発振器113から発振された紫外光を通過させることにより、和周波を発生させて短波長の深紫外光を出力する内部共振器形式のものである。
【0013】
また、図6は、2001年に米国シアトルの国際会議Advanced Solid−StateLasersで報告された(講演番号WA6)ものである。
【0014】
これは紫外レーザ発振器121から発振された波長266nmの紫外光と、赤外レーザ媒体122から発振された波長780nmの赤外光の和周波を発生させ、これにより、深紫外波長領域の196.5nmで2.3mWの出力が得られた。
【0015】
この例は、赤外レーザ媒体122として780nmのチタニウムサファイアレーザ媒体を用い、この共振器123に非線形結晶124を置き、かつ、この非線形結晶124に対して、紫外光266nmの外部共振器を組んだものである。
【0016】
ところで、上記した非線形変換の構成において、外部共振器方式と内部共振器方式ではそれぞれ得失があり、目的にあう方式を選択する必要がある。
【0017】
内部共振器による方式は、基本波の電界強度が低い高繰返しパルス出力や、連続波光の和周波発生には高効率な方式であり、マルチモード光の変換にも適する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マルチモード光の変換波後の出力はマルチモードであり、高精度な計測用光源として不適切である。
【0019】
また、図4に示した一つの共振器104で二つの波長のコヒレント光の和周波を発生させる方法は、二つの基本波の電界強度をともに共振器104内で強調できる点で優れている。
【0020】
しかしながら、波長変換によってより一層の短波長の和周波を得るためには、波長が短くなるほど共振器用のミラーの製造が困難で入手できなくなる。
【0021】
即ち、図4に示すように、4種類の異なる反射率特性を持つ第1乃至第4のミラー105a〜105dが必要となる。第1のミラー105aは、赤外光を共振器104に導入するもので、紫外光に対しては高反射で、かつ赤外光に対しては、共振器104の赤外光損失にちょうど合致する赤外光透過率を持つインピーダンス整合ミラーである。この赤外光に対する透過率が不適正であると、入射光を共振器104内に導入できない。
【0022】
第2のミラー105bは、赤外光と紫外光のそれぞれに対し高反射であるとともに、共振器長を調整する可動ミラーである。
【0023】
第3のミラー105cは、紫外光を共振器104に導入するもので、赤外光に対しては高反射で、紫外光に対しては共振器104の紫外光損失にちょうど合致する紫外光透過率を持つインピーダンス整合ミラーである。この紫外光に対する透過率が不適正であると、入射光を共振器104内に導入できない。
【0024】
第4のミラー105dは、赤外光と紫外光をともに高反射させ、かつ発生した深紫外光に対しては高透過なミラーである。
これらすべてのミラー15a〜15dが入手できなければ、この方式は成立しない。
【0025】
一方、図5に示した方式は、共振器111内に非線形結晶112と活性媒質113がともに設置されるため、レーザー発振する赤外光と和周波発生する深紫外光が相互作用し不安定なレーザー動作をもたらす。
【0026】
また、一般的に、連続発振レーザーに関しては、赤外光は高出力が得やすいが、紫外光は高出力が得にくい。これは、レーザー発振に関わる蛍光寿命が波長の二乗に比例するからである。
【0027】
しかしながら、この図5に示す方式は、高出力が得にくい紫外光を非線形結晶112に単光で入射させて赤外光と非線形相互作用させるため、十分な非線形効果が得にくい。
【0028】
なお、高出力が得られるマルチモード光を紫外レーザ発振器114から発振させて非線形結晶112に入射させた場合には、ある程度出力を高めることができる。
【0029】
しかしながら、マルチモード光はシングルモード光と異なり、共振器内で十分に共振させることができず、マルチモード光を用いてもシングルモード光を用いた場合と比較して4倍程度、即ち、9.2mW程度の出力しか得られないという問題がある。
【0030】
図6に示した例では、非線形結晶124を中心に、赤外光に対しては内部共振器、紫外光に対しては外部共振器を構成し、複雑な光学系を構成しなければならない。このため、設置上の制約から、効果的な共振器構成をとることができず結果的に低出力しか得られないという不都合がある。
【0031】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で安定して高出力が得られ、産業用に使用することが可能な深紫外波長域で動作するレーザ装置、画像読取装置及び画像検査装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、この共振器内に設けられた非線形結晶とを具備し、前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力する。
【0033】
請求項9記載の発明は、第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、この共振器内に設けられた非線形結晶とを具備し、前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、このレーザ出力手段によって出力された第3のレーザ光を被検査パターンに照明する照明手段と、この照明手段により照明されて被検査パターンから反射する反射光を受光して画像を読み取る読取手段とを具備する。
【0034】
請求項10記載の発明は、第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、この共振器内に設けられた非線形結晶とを具備し、前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、このレーザ出力手段によって出力された第3のレーザ光を被検査パターンに照明する照明手段と、この照明手段により照明されて被検査パターンから反射する反射光を受光して画像を読み取る読取手段と、この読取手段により読み取られた画像情報に基づいて前記被検査パターンの欠陥の有無を検査する検査手段とを具備する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の一実施の形態であるレーザ装置を示すものである。
【0037】
このレーザ装置は第1のレーザ光としての赤外光(238nm〜400nm)を発振する第1のレーザ発振器としての赤外レーザ発振器1、及び第2のレーザ光としての紫外光(750〜1300nm)を発振する第2のレーザ発振器としての紫外レーザ発振器2を備えるとともに、共振器4を備えている。共振器4内には非線形結晶3が設けられている。
【0038】
紫外レーザ発振器2は、アルゴンレーザ発振器で、紫外領域の基本波のひとつとして244nmの2倍高調波光を発振する。この紫外レーザ発振器2は、488nmの単一周波数出力を外部共振器で2倍高調波にしており、244nmの出力としては0.5Wが得られている。
【0039】
赤外レーザ発振器1はネオジムを活性物質とするYAGレーザ発振器で、赤外領域の基本波として、波長1064nmの赤外光を発振する。この実施例では、YAGレーザー出力として、単一周波数で15Wが得られている。
【0040】
これらの赤外レーザ発振器1と紫外レーザ発振器2から発振される赤外光と紫外光の和周波(1/(1/244+1/1064)=1985)から、波長198.5nmの和周波が得られるようになっている。
【0041】
共振器4は第1乃至第4のミラー5a〜5dによって構成されている。
【0042】
第1のミラー5aは赤外レーザ発振器1から発振された基本波となる赤外光を入射させる導入ミラーで、波長1064nmの赤外光に対して高透過となっている。
【0043】
第2乃至第4のミラー5b〜5dは紫外光の波長244nmに対して、99.99%の反射率をもち、低損失なミラーである。
【0044】
第2のミラー5bは、波長244nmの紫外光に対しては高反射であるが、波長198.5nmの和周波発生光に対しては高透過であり、この共振器4の出力ミラーとなっている。
【0045】
第3のミラー5cは、基本波となる紫外光の導入ミラーであり、所定の透過率で波長244nmの紫外光を透過させる。
【0046】
第4のミラー5dは、紫外光のモニター7の出力により、ミラー台座に設置されているピエゾ素子8、或いはスピーカーコイル状の素子がドライブされて紫外光の周波数と共振器長が整合するように帰還制御されるようになっている。
【0047】
ところで、基本波となる紫外光を導入する第3のミラー5cは、波長244nmの紫外光に対して共振器4を構成する非線形結晶3の内部損失および波長変換による損失さらに、第1乃至第4の各ミラー5a〜5dの光学損失分をあわせた損失、即ち、共振器4の内部損失にちょうど見合った透過率となっている。
【0048】
これにより入射光と共振器4はインピーダンス整合し、波長244nmの紫外光に対して高反射な共振器4でありながら、紫外光の周波数と共振器長が整合した場合に、共振器4を透過することができるようになっている。
【0049】
即ち、この条件が揃ったときに、紫外光の基本波は共振器4内に取り込まれ、かつ、共振器4内の紫外光の電界強度は最大となる。
【0050】
上記した構成において、紫外レーザ発振器2から発振された波長244nmの紫外光は所定の透過率で第3のミラー5cを透過して共振器4内に導入される。この導入された紫外光は第4のミラー5dに送られて反射され、第1のミラー5aに導かれる。この紫外光は第1のミラー5aで反射され、非線形結晶3を通過したのち、第2のミラー5bに送られる。そして、この第2のミラー5bで紫外光は反射されて第3のミラー5cに導かれ、第3のミラー5cでさらに反射されて第4のミラー5dに導かれる。以後、紫外光は同様に反射が繰り返されて共振され、共振器4内の紫外光の電界強度は最大となる。
【0051】
この共振される紫外光の周波数は紫外モニター7によってモニターされる。そして、このモニターに基づいて第4のミラー5dの反射角度が制御され、紫外光の周波数と共振器長さを整合させる。この整合により、紫外光が第2のミラー5を透過する。
【0052】
一方、赤外レーザ発振器1から発振された波長1064nmの赤外光は、第1のミラー(紫外光高反射、赤外光高透過特性)5aから共振器4内に導入され、位相整合する条件下で非線形結晶3に入射する。これにより、共振器4内で強調された紫外光と非線形相互作用により和周波が発生し、波長198.5nmの深紫外光(第3のレーザ光に相当)となる。この深紫外光は第4のミラー5dを透過して共振器4の外部に出力されることになる。
【0053】
以上の構成で、既述のように0.5Wの波長244nmの基本波と、15Wの波長1064nmの基本波により、深紫外出力として波長198.5nmの出力が200mW得られた。
【0054】
この波長領域の出力としては、過去に195.6nm波長で2.3mWが得られることが、国際会議であるAdvanced Solid−StateLasersで2001年に発表されたのみである。本発明によれば、2.3mWに対して80倍以上の出力が得られたことになる。
【0055】
また、本発明では、紫外レーザ発振器2から紫外光としてシングルモード光を発振させて共振器4に入射させて共振させるため、図5の従来例で示したように紫外レーザ発振器114から紫外光としてマルチモード光を入射させた場合と比較しても20倍以上の高出力が得られる。
【0056】
なお、上記一実施の形態では、紫外光としてアルゴンイオンレーザの2倍高調波光である244nmのコヒレント光を用い、赤外光としてネオジムを活性物質とする波長1064nmのYAGレーザ光を用いて説明したが、本発明の意図からこの波長に限定されるものではないことは明らかである。
【0057】
図2は上記したように構成されたレーザ装置9を搭載する画像読取装置を持つ画像検査装置を示すものである。
【0058】
この画像検査装置は70nmレベルのマスク欠陥を検査するものである。
【0059】
レーザ装置9から出力される深紫外光の光路中には45度の角度で傾斜する状態でハーフミラー(照明手段に相当)10が設けられ、このハーフミラー10の上方部には対物レンズ(照明手段に相当)11及び被検査パターン12が配置されている。ハーフミラー10の下方部には投影レンズ13及びセンサ(読取手段に相当)14が配設されている。センサ14には信号回路を介してプロセッサ(検出手段に相当)15が接続されている。
【0060】
被検査パターン12を検査する場合には、レーザ装置9から高出力の深紫外光が発振され、この深紫外光はハーフミラー10を介して被検査パターン12に向かって案内され、対物レンズ11を介して被検査パターン12に照射される。被検査パターン12に照射された深紫外光は被検査パターン12から反射され、対物レンズ11,ハーフミラー10、投影レンズ13を介してセンサ14に受光されて被検査パターン12の画像が読み取られる。この読取情報はプロセッサ15に送信されて情報処理されてマスク欠陥の有無が検出されることになる。
【0061】
この実施の形態によれば、高出力な深紫外光を照明光として用いるため、70nm級のマスク欠陥検査を短時間で行うことが可能となる。
【0062】
なお、本発明の画像読取装置と画像検査装置は、上記一実施の形態の構成に限定されるものではなく、他の光学系を用いた場合も含まれることは言うまでもない。
【0063】
図3は本発明の第2の実施の形態であるレーザ装置を示すものである。
【0064】
なお、上記した第1の実施の形態で示した部分と同一部分については同一願号を付してその説明を省略する。
【0065】
上記した第1の実施の形態においては、赤外光の入射と深紫外光の出力を紫外光の共振器ミラー5a,5bを介して行っているが、この第2の実施の形態では、非線形結晶21を水平面に対して傾斜して設けることにより、非線形結晶21の分散を利用して、共振器ミラーを介さないでも赤外光の入射と深紫外光の出力を行うことができるようになっている。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複雑な構成をとらずに、高出力な深紫外光を得ることができる。また、波長200nm近辺の出力で従来の80倍以上の値である200mWの高出力が得られた。さらに、この高出力な深紫外線を照明光として用いることにより、70nm級のマスク欠陥検査を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図2】図1のレーザ装置を備える画像検査装置を示す概略的構成図。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図4】第1の従来例であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図5】第2の従来例であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【図6】第3の従来例であるレーザ装置を示す概略的構成図。
【符号の説明】
1…赤外レーザ発振器(第1のレーザ発振器)
2…紫外レーザ発振器(第2のレーザ発振器)
3…非線形結晶
4…共振器
5a〜5d…第1乃至第4のミラー
9…レーザ出力装置(レーザ出力手段)
12…被検査パターン
10…ハーフミラー(照明手段)
11…対物レンズ(照明手段)
14…センサ(読取手段)
15…プロセッサ(検査手段)
Claims (10)
- 第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、
前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、
前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、
この共振器内に設けられた非線形結晶と
を具備し、
前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力することを特徴とするレーザ装置。 - 前記第1のレーザ光は赤外光で、前記第2のレーザ光は紫外光で、前記第3のレーザ光は深紫外光であることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
- 前記紫外光の波長は238nmから400nmまでであり、赤外光の波長は750nmから1300nmであることを特徴とする請求項2記載のレーザ装置。
- 前記共振器は、前記第2のレーザ光を共振させる第1乃至第4のミラーを備え、
前記第1のミラーは前記第1のレーザ光を透過させるとともに、前記第2のレーザ光を反射させるもので、
前記第2のミラーは前記第2のレーザ光を反射させるとともに、前記第3のレーザ光を透過させるもので、
前記第3のミラーは前記第2のレーザ光を所定の透過率で透過させるもので、前記第4のミラーは第2のレーザ光を反射させるとともに可動することにより共振器長さを可変するものであることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。 - 前記非線形結晶は、前記第1及び第2のミラー間に位置して設けられたことを特徴とする請求項4記載のレーザ装置。
- 前記第1の発振器としてネオジムを活性物質とする固体レーザを用い、前記第2のレーザ光としてアルゴンイオンレーザの波長変換光を用いることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
- 前記第1の発振器としてネオジムを活性物質とする波長1064nmのYAGレーザ発振器を用い、前記第2のレーザ光としてアルゴンイオンレーザ発振器の2倍高調波光である244mmのコヒレント光を用いることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
- 前記第1の発振器としてネオジムを活性物質とする波長1064nmのYAGレーザ発振器を用い、第2のレーザ光として単一周波数発振をするアルゴンイオンレーザの2倍高調波光である244mmのコヒレント光を用いることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
- 第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、
前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、
前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、
この共振器内に設けられた非線形結晶と
を具備し、
前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、
このレーザ出力手段によって出力された第3のレーザ光を被検査パターンに照明する照明手段と、
この照明手段により照明されて被検査パターンから反射する反射光を受光して画像を読み取る読取手段と
を具備することを特徴とする画像読取装置。 - 第1の波長を有する第1のレーザ光を発振する第1のレーザ発振器と、
前記第1の波長よりも短い第2の波長を有する第2のレーザ光をシングルモード光で発振する第2のレーザ発振器と、
前記第2の発振器から発振された第2のレーザ光を所定の透過率で取込んで共振させる共振器と、
この共振器内に設けられた非線形結晶と
を具備し、
前記共振器内に取込まれて共振される前記第2のレーザ光を前記非線形結晶に通過させるとともに、前記第1の発振器から発振された第1のレーザ光を前記非線形結晶にシングルパスさせることにより和周波を発生させて前記第2の波長よりも短い波長を有する第3のレーザ光を出力するレーザ出力手段と、
このレーザ出力手段によって出力された第3のレーザ光を被検査パターンに照明する照明手段と、
この照明手段により照明されて被検査パターンから反射する反射光を受光して画像を読み取る読取手段と、
この読取手段により読み取られた画像情報に基づいて前記被検査パターンの欠陥の有無を検査する検査手段と
を具備することを特徴とする画像検査装置。
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