JP5454972B2 - レーザ光発生装置およびそれを用いた光学装置 - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は、紫外線顕微鏡および各種電子材料、電子部品等の検査装置などの光学装置における光源となるレーザ光発生装置に係り、特に、200nm程度以下の短波長の紫外光を発生するレーザ光発生装置に関する。
レーザ光は、波長および位相が揃った光であるために単色性や指向性に優れ、干渉性を有するという特徴を持つ。また、極めて細く収束させることができ、微小な面積に照射することが可能である。更に、レーザ光は、一般に電波よりも周波数が高く、情報収容能力が大きい。こうした特性から、レーザ光は情報通信処理分野、微細加工分野、計測分野および医療分野など多方面にわたって応用されている。
このようなレーザ光を光源とする装置の性能は、一般に、レーザ光の波長やその出力安定性によって決まる。そのため、従来から短波長のレーザが開発されてきているが、中でも波長が180nm〜204nm程度であるレーザ光については未だ実用時の条件を十分に満足し得る連続光は得られておらず、パルス光のみが用いられていた。このため、連続光、或いはモードロック光のような準連続光が必要とされる光ディスクのマスタリング等の技術分野において180nm〜204nm程度の波長のレーザ光を利用することは困難であり、半導体露光装置や微細構造検査装置においては、パルス光を用いた場合に、その高いピークパワーにより光学系や露光あるいは検査の対象物などが損傷する虞があった。
なお、波長が204nm程度以上の連続光は、例えば位相整合角で切り出したBBO(ベータ硼酸バリウム;β−BaB2 4 )結晶に408nm以上の波長の光を入射し、第2高調波(Second Harmonic Generation; SHG)を発生させることで比較的容易に得ることができる。ところが、この方法で204nm程度以下の連続光を発生させることは、これまで達成されていない。
一方、近赤外光と紫外光(200〜400nm程度)との和周波により、より波長の短い紫外線(200nm程度以下)を連続発振させる方法が報告されてきている。例えば、アルゴンイオンレーザのSHGとチタンサファイアレーザ光とを共に非線形光学結晶に入射することによって第3の波長である194nmの光を発生させる装置がWatanabeらより提案されている(非特許文献1参照)。また、特許文献1では、YAGレーザの4次高調波とチタンサファイアレーザ光との和周波混合により第3の波長である193nmの光を発生させる装置が提案されている。これらの技術は、上記の2つの入力波を共に共振させることにより変換効率を向上させるものであり、共振器内の光路の一部が2つの入力波により共有される構造となっている。
特開平10−341054号公報
M.Watanabe et.al.,Optics Communications,vol.97,pp.225-227(1993)
しかしながら、共有される光路上に配置される光学部品を、入力波それぞれの波長に対して同時に低損失条件を満足させるようにコーティングすることは極めて難しい。従って、このような構造では、共振器フィネスが低下して、効率よく波長変換することが困難であるという問題があった。例えば、Watanabe他による実験結果では、共振器による紫外光の増倍率は5倍程度に抑えられている。
また、後者の例では、発生した第3の波長の紫外光は波長分離ミラーにより2つの入射光から分離されるようになっている。このミラーにおいても、2入力波に対して高反射であると同時に出力波に対し高透過であることが要求され、先の場合と同様、そのようなミラーの実現は難しく、効率よい波長変換を行なうことが困難であった。また、この場合では、出力光強度を増大させると、高強度の2つの紫外線が同軸光路上に重なるために装置の破壊をまねく虞があった。このような高出力の場合に光学系の紫外線耐久力を確保しようとすると、この要求によりコーティング材料が限定され、変換効率の低下につながりかねない。
更に、これらの技術において用いられているチタンサファイアレーザは同調周波数範囲が極めて広いために、その絶対波長を長期的に安定化するには、参照共振器にロックしたり気体の吸収線を参照したりする必要があり、装置の複雑化をまねいていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、200nm程度以下の波長域の連続光を高い変換効率で安定して発振することができ、小型化が可能なレーザ光発生装置およびこれを用いた光学装置を提供することにある。
本発明によるレーザ光発生装置は、第1の波長のレーザ光を出力する第1のレーザ発生器および第1の波長のレーザ光を共振させる第1の共振器と、第2の波長のレーザ光を出力する第2のレーザ発生器および第2の波長のレーザ光を共振させる第2の共振器と、第1の共振器および第2の共振器に含まれるように配置され、かつ、両端に第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光が入射する入射面と出射する出射面とをそれぞれ有する非線形光学素子とを備え、非線形光学素子の内部を通過する第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光との和周波混合により第3の波長のレーザ光を発生するレーザ光発生装置において、第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光の非線形光学素子に対する入射角はそれぞれ、波長に対応したブリュースター角の±5°の角度範囲内であり、かつ、非線形光学素子は、タイプ1の位相整合を行なうものであり、第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光はビーム中心軸が互いに空間的に分離した状態で入射面より非線形光学素子に入射され、第1の波長のレーザ光、第2の波長のレーザ光および第3の波長のレーザ光はビーム中心軸が互いに空間的に分離した状態で出射面より出射されて、それぞれが異なる光路を有し、非線形光学素子の内部において、第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光は部分的にビームが重なるが、光軸は共有せず、第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光の非線形光学素子に対する入射角の差(分離角Δθ)は、非線形光学素子に対する第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光の入射光のビーム発散角(φ)の2倍よりも大きく、かつ非線形光学素子に対する入射角または出射角は、第1および第2の波長のレーザ光のうちの一方では予め固定され、他方では第3の波長のレーザ光の出力を極大値とする角度に設定されているものである。
本発明によるレーザ光発生装置では、第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光が互いに異なる入射角で非線形光学素子に入射されるので、それぞれの波長に応じた入射条件が定められ、第1および第2のそれぞれの共振器損失が低減する。このような第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光は、非線形光学素子に対し同一の屈折角を有する場合には、その内部で光軸が互いに平行となり、屈折角が異なる場合には、その内部で光軸は一致せず、和周波混合のために両者のビームが一部重畳される以外には光路を共有しない。
本発明による光学装置は、本発明のレーザ光発生装置を備えたものであり、顕微鏡、各種の分析・検査装置およびディスクマスタリング装置などに応用される。
本発明のレーザ光発生装置によれば、第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光は互いに空間的に分離した状態で、かつ所定の条件を満たし、入射面より非線形光学素子に入射され、第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光、および第3の波長のレーザ光は、互いに空間的に分離した状態で出射面より出射され、それぞれが異なる光路を有し、かつ、非線形光学素子の内部において、第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光は部分的にビームが重なるが、光軸は共有しないようにしたので、光学損失を大きく低減し、和周波混合における波長変換効率または和周波である第3の波長のレーザ光の出力を向上させることができる。
また、3つのレーザ光がそれぞれ異なる光路を有することから、第1の共振器および第2の共振器はその内部の光路を共有しないように構成されており、一方に損傷が起きても他方において損失が生じることがなく、全体として共振器損失が増大することが防止され、より安定的に長時間動作させることができる。同時に、共振器内の光学素子は複数の波長に対応したコーティングが不要となり、このようなコーティングによる光学損失を省いて簡便に装置を構成することができると共に低コスト化を図ることもできる。
また、第1の波長のレーザ光および第2の波長のレーザ光は、非線形光学素子に対する入射角と出射角の少なくとも入射角がそれぞれ、波長に対応したブリュースター角の±5°の角度範囲内であるようにしたので、非線形光学素子における反射損失を低減することができる。
特に、レーザ光発生装置を固体レーザ装置として構成されるようにすれば、200nm程度以下の波長領域で連続発光する深紫外光を、小型の装置でエネルギー効率よく、高い信頼性で安定して得ることができる。
また、本発明の光学装置によれば、本発明のレーザ発生装置を備えるようにしたので、200nm程度以下の波長領域で連続発光する深紫外光を光源としたエネルギー効率よく、動作安定性の高い装置とすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るレーザ光発生装置の構成を表す平面図である。 図1に示したレーザ光発生装置の非線形光学素子におけるレーザ光の光路の一例である。 図1に示したレーザ光発生装置における和周波出力の非線形光学素子に対する第2の波長の光の屈折角依存性を示す計算値である。 図1に示したレーザ光発生装置における和周波出力の非線形光学素子に対する第1の波長の光の屈折角依存性を示す計算値である。 本発明の第2の実施の形態に係るレーザ光発生装置の構成を表す平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るレーザ光発生装置の構成を表す平面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る紫外線顕微鏡の構成を表す図である。 本発明の第5の実施の形態に係るディスクマスタリング装置の構成を表す図である。 従来のレーザ光発生装置の共振器フィネスについて説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、以下の通りである。
1.第1の実施の形態(レーザ光発生装置)
1−1.変形例(第1の実施の形態の変形例)
2.第2の実施の形態(他のレーザ光発生装置)
3.第3の実施の形態(他のレーザ光発生装置)
4.第4の実施の形態(紫外線顕微鏡)
5.第5の実施の形態(ディスクマスタリング装置)
<1.第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係るレーザ光発生装置の概略構成を表している。本実施の形態に係るレーザ光発生装置1は、第1のレーザ光発生器10と第2のレーザ光発生器11、および、2つのレーザ光発生器10,11から出力された互いに異なる2つの波長のレーザ光を波長変換して第3の波長のレーザ光を出力する波長変換部12により主として構成されている。
第1のレーザ光発生器10は、例えば、250nm以上275nm以下の範囲内の波長(λ1 )の連続紫外光を出力するものであり、ここでは単一周波数発振するものとする。この第1のレーザ光発振器10は、各種のレーザにより構成することが可能である。例えば、旧来より使用されてきたアルゴンイオンレーザ等の気体レーザを用いてSHGを発生させるようにしてもよく、近年実用化が進んできた半導体励起固体レーザを波長変換したレーザであってもよい。後者は、半導体レーザ、半導体レーザアレイ、半導体レーザスタックあるいは半導体レーザ励起固体レーザ等により励起される固体レーザ装置であり、アークランプで励起する従来の方式に比べて効率が高く、冷却装置や電源装置が簡略化できる。また、Nd,Ybなどの希土類イオンを含むNd:YAG,Nd:YVO4,Nd:YLFおよびYb:YAG等のレーザ結晶を用いたレーザ装置を用いて、その4次高調波である250nm以上275nm以下の光を発生するようにしてもよい。なお、第1のレーザ光発生装置10は、マルチモード発振するものであってもよい。
一方、第2のレーザ光発生器11は、例えば、650nm以上785nm以下の範囲内の波長(λ2 )の連続光を出力するものであり、単一周波数で発振する半導体レーザにより構成されている。このとき、半導体レーザの光を高出力化のために半導体増幅器または固体レーザ増幅器で増幅するようにしてもよい。なお、第2のレーザ光発生器11は必ずしも単一周波数のレーザである必要はなく、このレーザ光発生器11として上記の構成以外に半導体励起固体レーザを用いることも可能である。このような第2のレーザ光発生器11には、例えば、チタンサファイアレーザ,アレクサンドライトレーザ,Cr:LiCAFレーザおよびCr:LiSAFレーザ等が用いられ、半導体で直接励起できない場合には半導体励起固体レーザで励起されるレーザを用いることができる。このようなものには、例えば、半導体励起固体レーザ励起のチタンサファイアレーザ,アレクサンドライトレーザ,Cr:LiCAFレーザまたはCr:LiSAFレーザ等が挙げられる。これにより、レーザ光発生装置1を全固体レーザとして構成することが可能である。
波長変換部12は、第1のレーザ光発生器10から出力される波長λ1 の光を共振させる第1の共振器13と、第2のレーザ光発生器11から出力される波長λ2 の光を共振させる第2の共振器14、および、これら2つの共振器13,14で増幅された光(λ1 ,λ2 )に対し内部で波長変換して第3の波長(λ3 )の光を発生させる非線形光学素子15を備えている。
なお、ここで第1のレーザ光発生器10と第1の共振器13との間には、例えば、ミラー20と光学素子21が配設される。ミラー20は、必要に応じて使用され、2枚以上であってもよい。また、光学素子21は、波長λ1 の光を第1の共振器13にモードマッチさせるためのものであり、複数用いてもよい。具体的には、レンズ、ミラー、ビーム整形プリズムおよびこれらを組合せたものが用いられる。また、第2のレーザ光発生器11と第2の共振器14との間には、例えば、光学素子22,ミラー23、光学素子24が配設される。これらは、波長λ2 の光をモードマッチした状態で第2の共振器14に入射するためのものである。
第1の共振器13は、波長λ1 の光を共振させるために設けられた外部共振器であって、入射ミラー30およびその他3枚のミラー31,32,33から構成され、ミラー32とミラー33との間には非線形光学素子15が配されている。ここで、入射ミラー30はインピーダンスマッチングのために反射率を最適化されていることが望ましい。このような第1の共振器13は、モードマッチとインピーダンスマッチが両立した状態にあり、周回の光路長(共振器長)がある値のときに共振し、更にこの光路長が波長λ1 だけ変化するごとに共振状態となる。しかし、共振器を充分堅固に構成することが困難であり、温度変化が小さくないかぎり、共振状態は保持されるとは限らない。従って、FMサイドバンド法、偏光法等による共振保持のためのサーボ機構を設けるようにすることが好ましく、これに、PZT素子,VCM素子,電気光学効果を有する結晶などの共振器長調整手段を組み合わせて用いることが望ましい。
但し、第1の波長λ1 は波長250nm以上275nm以下の深紫外線であるために、通常使用されるKTP,LiNbO3 などの変調器では透過率が低く、適当ではない。また、この程度の波長で透過率の高い電気光学素子であるBBO結晶などは、電気光学定数が小さいため、位相変調器としても光路長の調節器としても、高電圧で駆動する必要がある。このような理由から、第1の共振器13の共振を保持する方法としては、主に偏光法が利用される。
第2の共振器14は、波長λ2 の光を共振させるために設けられた外部共振器であって、入射ミラー40およびその他3枚のミラー41,42,43から構成され、ミラー40とミラー41との間に非線形光学素子15が配されている。ここでは、第2の共振器14もまた第1の共振器13と同様の構成であり、同様に入射ミラー40の反射率をインピーダンスマッチングするような値とすることが望ましい。また、FMサイドバンド法、偏光法等を用いたり、PZTなどの共振器長調整手段を用いたりすることも第1の共振器の場合と同様に好ましい。
更に、1つの非線形光学素子15が、このような2つの共振器41,42のそれぞれに含まれるように配置されており、共振する波長λ1 の光および波長λ2 の光がその内部を通過するようになっている。この非線形光学素子15は、和周波混合を行うためのものであり、共振する波長λ1 の光および波長λ2 の光を取り込み、これらを混合して第3の波長λ3 の光を発生させる。そのため、非線形光学素子15からは第3の波長λ3 の光が出力されると共に、波長λ1 の光および波長λ2 の光もまた出射され、それぞれミラー33,ミラー41で反射されて再びミラー41,42に戻される。このような非線形光学素子15は、例えば、BBO(β−BaB2 4 ),CLBO(CsLiB6 10),SBBO(Sr2 Be2 2 7 ),KBBF(KBe2 BO3 2 )のうちのいずれかの結晶により構成されている。
図2は、非線形光学素子15に波長λ1 、波長λ2 および波長λ3 の光が入射・出射される様子を表している。このように、本実施の形態では、波長λ1 の光と波長λ2 の光が互いに空間的に分離した状態で入射面15aより非線形光学素子15に入射され、波長λ1 、波長λ2 および波長λ3 の光が互いに空間的に分離した状態で出射面15bより出射され、それぞれが異なる光路を有するようになっている。すなわち、非線形光学素子15の内部においては、和周波混合を行なうという要請から波長λ1 の光と波長λ2 の光は部分的にビームが重なることになるが、光軸を共有するものではない。その理由は、1つの光軸を異なる波長の光が共有すると、その光路上の全ての光学素子は通過する全ての波長に対し損失低減のための条件を同時に満たさねばならず、このような仕様の設定が困難であること、共有される光軸に重畳される紫外光により容易に引き起こされる光学素子の表面および内部の欠陥や素子のコーティング材の損傷を回避すると共に、各波長毎に光路を分散させて1つの波長の光路上に派生した損失因子が他の波長の光に損失を及ぼさないようにすることなどである。
非線形光学素子15の外部における波長λ1 の光と波長λ2 の光との空間的分離は、これらの光の入射角または出射角の少なくとも一方が30°以上であるように設定すると、分散や複屈折(屈折率の偏光依存性)により達成することができる。ここでは、入射面15aにおける波長λ1 の光と波長λ2 の光の入射角は、ブリュースター角θB となっている。ブリュースター角とは、この角度で入射した偏光のs成分とp成分のうちp成分の反射が0となる角度であり、入射面15aにおける屈折率をnとすると、
θB =tan-1(n)
で表される。屈折率nは波長や偏光状態によって異なる値をとり、ここで波長λ1 の光と波長λ2 の光はそれぞれの波長に対応した角度θB で入射面15aに入射される。これにより、波長λ1 の光と波長λ2 の光を共にp偏光として非線形光学素子15における反射損失を低減することができる。
なお、入射面15aにおける波長λ1 の光と波長λ2 の光の入射角を、完全にブリュースター角θB に一致させる必要はなく、例えば角度θB ±5°程度の範囲内であるような角度θB 付近の角度に選ぶこともできる。この場合にはp偏光の反射損失は0ではないが、反射損失を小さくすることができる。また、出射面15bについても同様にして出射角を選ぶことができる。
次に、以上のような入射角または出射角の設定方法と効果について、具体例を挙げて説明する。
上記のように角度θB やその付近の角度で光を入射・出射させる場合であっても結晶内部で透過光が同軸光路を有するように設定すると、波長λ1 の光と波長λ2 の光は、分散のために両方が角度θB またはその近傍から入射されることはない。従って、結晶端面における反射損はわずかながら存在する。この反射損は、共振器内を周回して倍増し、共振器損失を増加させる。例えば、波長266nmの光を完全に角度θB に合致した入射角でBBO結晶に入射し、同じくBBO結晶に入射された波長707nmの光と結晶内部で同軸光路を有するように設定すると、波長707nmの光の反射損は面あたり0.185%となり、この光を定在波型共振器に投入すると、損失は往復で0.740%となる。逆に、波長707nmの光を完全に角度θB に合致した入射角でBBO結晶に入射し、波長266nmの光と結晶内部で同軸光路を有するように設定すると、波長266nmの光の反射損は面あたり0.48%となり、この光をリング型共振器に入力すると、損失は周回で0.96%となる。
この種の反射損の発生を回避するためには、結晶内部で透過光が互いに空間的に分離した状態となるように設定することが必要である。そこで、波長266nmの光と波長707nmの光それぞれの角度θB の間の範囲から入射角を選んで双方とも角度θB ではない角度で入射するようにし、それぞれの光に損失が分配される場合を考える。なお、波長266nmの光のθB は60.4°、波長707nmの光のθB は59.0°であり、2つの波長のθB は異なってはいるものの、かなり近い値を持つので、このようにして1つの入射角を選んでもそれぞれのθB に対してよい近似となっている。この場合には、例えば、波長266nmの光の反射損は面あたり0.3%、波長707nmの光の反射損は面あたり0.1%とすることができ、上述の場合に比べ合計損失が低下する。ちなみに、上述のような構成の従来の和周波発生装置では、共振器の増倍率は5倍程度であったが、このような構成とした装置における共振器の倍増率は約30倍以上に向上させることが可能となる。これをフィネスに換算すると、およそ100以上に相当する。
更に反射損を低減させるためには、2つの透過光が互いに空間的に分離するように設定すると同時に、2つの波長の光をそれぞれ対応する角度θB にできるだけ漸近させた角度で入射するとよい。本実施の形態のように2つの波長の光を共に角度θB で入射するときにはじめてp成分の反射損は共に0となり、損失が最小となる。
ただし、角度θB で入射することによって損失が低減されるのは、偏光のp成分のみであり、s偏光には有効ではない。そこで、非線形光学素子15をタイプ1の位相整合とすると、2つの入射光の双方を容易にp成分とすることが可能となり、好ましい。以上のような損失の観点からみると、ここでの非線形光学素子15は、2つの共振器13,14において1種のフィルターとして機能して積極的に共振器損失を抑制するものとみなすことができ、入射光のパワーを保持あるいは増幅して結果的に和周波出力に寄与するようになっている。
また、このように波長λ1 の光および波長λ2 の光を空間的に分離させ、かつ、これらを角度θB で入射することによって、第1の共振器13および第2の共振器14の少なくとも一方のフィネスを100以上とすることが可能となる。一般に、共振器内におけるフィネスは、
F=π(R1 m 1/4 /{1−(R1 m 1/2 } …(1)
(R1 ;入射ミラー反射率、Rm ;共振器内のその他のミラーおよび光学素子における光有効利用率の積)
により与えられる。光有効利用率は、ミラーでは反射率であり、光学素子では透過率である。ここでR1 をインピーダンスマッチングがとれるように選択できた場合には、
1 =Rm ≡R
であり、R〜1においては、
F〜π/(1−R) …(2)
となる。例えば、第1の共振器において、入射ミラー30をほぼR1 =Rm となるように選び、角度θB で入射するために非線形光学素子15における損失が無視できるとする。このとき、式(2)によれば、その他のミラー31〜33の反射率Rm が約97%以上でF値を100以上とすることができる。反射率R1 ,Rm を97%またはそれ以上とすることは現実に可能であり、非線形光学素子15における吸収・散乱を考慮してもF値を100以上とすることは充分に実現可能である。更に、反射率R1 ,Rm を99%以上としたり、非線形光学素子15として例えば直接法(C2法)引上げによって製造された高品質のBBO結晶を用いて非線形光学素子15における吸収・散乱を0.5%以下にしたりするなどのうえで入射ミラー30の反射率を高くすると、F値を300以上もの高い値とすることができる。これは、第2の共振器についても同様である。
なお、このような共振器のフィネスを100以上とするレーザ光発生装置は、実際には、本実施の形態における構造上の要件(すなわち波長λ1 の光および波長λ2 の光を非線形光学素子15に対して角度θB またはその付近の角度で入射する)を満たして初めて得ることができるものである。例えば、特開平10−341054号公報に記載されている従来のレーザ光発生装置では、図9のようにミラー1223からミラー1224までの光路は第1の共振器および第2の共振器により共有されており、この光路上の2つのレーザ光は前述したように共にBBO結晶1226に角度θB で入射されることはない。よって、BBO結晶1226の結晶端面において必ず反射損失が生じる。BBO結晶1226に減反射コーティングを施すとしても、残留反射のためにその透過率はおよそ95%が技術的限界と考えられる。
そのうえ、この場合には、ミラー1223,1224に対して波長λ1 の光を反射すると共に波長λ2 の光を透過するように反射率と透過率の2つの条件を操作する必要がある。実際に分離ミラー1223,1224を作製する場合、波長λ2 の光を例えば98%以上透過するように設定すると、波長λ1 の光に対する反射率の上限は99%程度と見積もられる。従って、第1の共振器においては、残るミラー1222の反射率が例えば99.5%程度に高いものであったとしても、Rm =(0.99)2 ×0.995×0.95より、Rm は約92.6%が上限とみなされる。そこでR1 =Rm =0.926となるようにR1 を選ぶと、式(2)より第1の共振器のフィネスは13.2と見積もられる。
第1の共振器のRm を更に大きくするには、(1)BBO結晶1226の両端面を角度θB にカットし、レーザ光の入射角を角度θB とする、(2)分離ミラー1223,1224の第1の波長の光に対する反射率を上げる、(3)入射ミラー1221における反射率R1 を大きくするという方策が考えられる。しかし、(2)では、逆に第2の波長の光に対する透過率が低下し、(3)では第2の共振器のフィネスを大きく損なうことになり、総合効率が減少する。ちなみに、総合効率を犠牲にして99%とR1 をぎりぎりまで大きくしても、第1の共振器のフィネスFは73.8%であり、このような構造のレーザ光発生装置では共振器フィネスを100以上とすることが実質的に困難であることがわかる。
また、前述したWatanabeらによる従来の装置では、分離ミラーの替わりにプリズムが用いられており、フィネスが向上するようになってはいるが、入射ミラーの反射率R1 が10%であることからRm はおよそ82%、フィネスは20程度と見積もられる。このようにフィネスが低い値となるのは、用いられるプリズムやBBO結晶(フラックス法により作製)の品質にもよるが、最大の要因はBBO結晶に付設される減反射コート材の2波長に対して設計されるための性能限界と考えられる。
これらに対して、Berkeland らによる装置はブリュースターカットBBO結晶を用いて減反射コートによる共振器損失を防止している(D.J.Berkeland,et.al.,Applied Optics,vol.36,No.18,pp4159-4162(1997))。しかし、この場合にはBBO結晶(フラックス法により作製)の品質に起因した内部吸収を考慮するとR1 =91%であり、結果的にフィネスはおよそ51(Rm 〜97.6%)に留まっている。これから、非線形光学素子15として吸収や散乱の少ない高品質の結晶を用いることもフィネス向上の条件となることがわかる。
(1−1.変形例)
上記第1の実施の形態のように非線形光学素子15の内部で波長λ1 の光および波長λ2 の光が互いに空間的に分離した状態となるように設定すると、これらのビームの重なりが小さくなり和周波変換効率が低下する可能性がある。しかし、前述の反射損に代表される共振器損失を効果的に低減できれば、変換効率の低下を補って和周波出力を大きくすることも可能である。ここでは、そのような観点から他の入射角または出射角の設定方法について説明する。
さて、損失低減のために結晶内部で透過光が互いに空間的に分離した状態となるように設定する必要があることは前述した通りである。この状態は、実際には波長λ1 の光と波長λ2 の光との入射面15aにおける入射角の差(以下、分離角と呼ぶ)を拡げて、それぞれの屈折角に差を設けることにより実現される。そこで、ここで積極的に分離角を大きくとることを考える。
すなわち、波長λ1 の光および波長λ2 の光の2つの入射光が非線形光学素子15の内部で和周波発生に充分寄与できる状態を保ちながら、非線形光学素子15の外部で分離角が大きくなるようにこれら入射光の光路を調節する。ここで、2つの入射光を空間分離するためには、分離角Δθが入射光のビーム発散角φ(相対強度1/e2 全幅)より大きくなることが必要である(Δθ>φ)。更に、非線形光学素子15から出力される波長λ3 の光も充分に分離させるためには、Δθ>2φであることが重要である。但し、分離角Δθをむやみに大きくすると入射光ビームの空間的重なりが小さくなるので注意を要するが、
Lδθ<<D
(L;非線形光学素子15の長さ、δθ;非線形光学素子15の内部での分離角の増分、D;非線形光学素子15の内部における入射光の平均ビーム径)
であるときには和周波出力に大きな影響を与えることはない。また、このときに分離角を位相整合角の非臨界方向(非線形光学素子15の結晶軸のうちc軸となす角度を一定とする方向)にとれば、位相非整合による出力の減少を抑制することができる。
以下に変形例の一例を示す。ここでは、それぞれの光の波長を、波長λ1 が707nm、波長λ2 が206nmとし、発生する和周波の波長λ3 が193.3nm、非線形光学素子15としてタイプ1で位相整合するBBO結晶を用いている。この波長λ1 および波長λ2 の入射光は、共に直径250μmの平行光であり、出力一定の連続波である。更に、波長λ1 (707nm)と波長λ2 (206nm)の双方において、入射ミラー反射率R1 =0.99、入射ミラーおよびBBO結晶を除く共振器反射率Rm =0.99とし、入射面15aに対し垂直方向に位相整合条件が常に満足されているものとする。また、加藤の Sellmeier方程式(加藤, レーザ研究,vol.18,p3(1990)) より、波長λ1 ,λ2 ,λ3 の非線形光学素子15の入射面15aに対する屈折率は、それぞれ1.6638,1.7585,1.7326となる。なお、和周波出力は、簡単のために非線形光学素子15の内部における波長λ1 および波長λ2 の入射光のビーム強度、および、ビームの空間的重なりの積分に比例するものとする。但し、ここでもビームの空間的重なりとは、両者が光軸を共有していることを意味しない。
(i) 波長λ1 (707nm)の光に対し、入射角を角度θB である59°、屈折角を31°に固定する。次に、この状態で波長λ2 (206nm)の光の入射角を変化させ、和周波出力が最大となる位置で固定する。図3は、この場合の波長λ2 (206nm)の光の屈折角と相対和周波出力との関係を表している。図より、相対和周波出力は、波長λ2 の光の屈折角が30.4°のときに最大となる。これにより、和周波出力には最大値が存在し、分離角Δθについても単に大きければよいのではなく最適値が存在することがわかる。よって、このようにすれば簡便かつ最適条件で2つの入射光の光路を空間的に分離して規定することができる。同時に、波長λ1 の光と波長λ2 の光とは屈折角31°で同軸となるが、このように、出力が最大となるのは光路が共有される場合ではないことがわかる。
(ii) 波長λ2 (206nm)の光に対し、入射角を角度θB である60.4°、屈折角を29.6°に固定する。この状態で波長λ1 (707nm)の光の入射角を変化させ、和周波出力が最大となる位置で固定する。図4は、この場合の波長λ1 (707nm)の光の屈折角と相対和周波出力との関係を表している。図より、相対和周波出力は、波長λ1 の光の屈折角が29.9°のときに最大となり、この位置で最適化されることがわかる。波長λ1 の光と波長λ2 の光は屈折角29.6°で同軸となるが、この場合も出力が最大となるのは光路が共有される場合ではない。
なお、これらの例では固定される側の入射角をθB としたが、θB ±5°程度の範囲内において入射角を選ぶようにしてもよい。
この方法によれば、入射角の角度θB からのずれにより共振器損失が増大したり、2つの入射光のビーム重なりが小さくなるために和周波変換効率が低下したりする虞があるが、入射光の空間分離により波長分離ミラーを共振器内に設けずに済むので共振器内損失を大きく低減することが可能であり、例示したように、却って総合効率を高めることができる。
また、波長や偏光の組み合わせ、および非線形光学素子15の種類等によっては、例えば波長λ1 の光および波長λ2 の光の分散や複屈折が小さい場合や、ビームの発散角が大きい場合などが生じる。このような場合に、本変形例の方法を用いれば、分離角を拡大するように誘導し、入射光である波長λ1 の光および波長λ2 の光を確実に空間分離することができる。
更に、このようにして分離角を操作し、例えば波長λ1 の光および波長λ2 の入射角が角度θB より大きくなるようにして分離角を大きく拡げると、非線形光学素子15とミラー33およびミラー41との距離が短くなり、レーザ光発生装置1を小型化することができる。ちなみに、前述のBerkeland らによる装置では、分離角を充分大きくしていないため、損失最小または変換効率最大となるように設計すると非線形光学素子から反射ミラーまでの距離が長くなり、装置が大型化することになる。この装置は、例えば実験室における分光用途の光源としては優れたものであるが、産業用途としては不向きである。
以下、変形例と合わせて第1の実施の形態を説明する。
このようにして、波長λ1 の光および波長λ2 の光の光路を決定したレーザ光発生装置1において、非線形光学素子15を入射面15aと同一面内で移動するように平行移動させる光路調整機構を備えて波長λ1 の光および波長λ2 の光の光路を移動調整するようにすると、光路の相対位置の微調整を簡便に行なうことができる。こうして波長λ1 の光および波長λ2 の光のビーム重なり位置や重なり量を調節するようにすると、出力を加減したり最適化することが可能となり好ましい。このとき、非線形光学素子15が入射面15aおよび出射面15bを垂直とし、レーザ光発生装置1におけるレーザ光の全ての光路が1つの水平面内にあるように構成すると、光路調整が容易となる。
また、最終的に得られる和周波である波長λ3 の深紫外光は、図2に示したように波長λ1 の光と波長λ2 の光の間より出射される。従って、波長λ3 の光は、プリズム等の波長分離素子を用いることなく、例えばアパーチャー程度の空間分離機能を有する素子のみを併用し、ミラー33およびミラー41のサイズや位置を工夫することによって外部に取り出すことも可能である。波長λ3 に対する波長分離膜の透過率が現状ではあまり大きくないことを考慮すると、有効な出力方法である。
このようなレーザ光発生装置1は、例えば次のように動作する。
まず、第1のレーザ発生器10より波長λ1 の光が出力される。この波長λ1 の光は、ミラー20,光学素子21を介して波長変換部12の第1の共振器13に入力される。第1の共振器13において、波長λ1 の光はミラー30,31,32,更に非線形光学素子15,ミラー33をこの順に周回し、共振させられる。また、第2のレーザ発生器11より波長λ2 の光が出力される。この波長λ2 の光は、光学素子22,ミラー23、光学素子24を介して波長変換部12の第2の共振器14に入力される。第2の共振器14において、波長λ2 の光は、ミラー40,非線形光学素子15,41,42,およびミラー43をこの順に周回し、共振させられる。このとき、非線形光学素子15において波長λ1 の光と波長λ2 の光による波長λ3 の和周波が発生し、丁度ミラー33とミラー41との間を通過して波長変換部12から出力される。
和周波出力の波長幅は、例えばスペックル低減、レンズ色収差、干渉計コヒーレンス長の要請によって様々に設定される一方で、第1のレーザ発生器および第2のレーザ発生器の線幅あるいは帯域幅により段階的に分類できる。すなわち、固体レーザにおいて簡単な帯域制限を施した場合では出力光の波長幅は10pm以下、気体レーザの帯域幅に相当する程度に固体または半導体のレーザを挟帯域化した場合では1pm以下、更に、レーザ光を単一周波化した場合では0.1pm以下とすることができる。
このように、本実施の形態のレーザ光発生装置1においては、波長λ1 の光と波長λ2 の光が互いに空間的に分離した状態で入射面15aより非線形光学素子15に入射され、波長λ1 、波長λ2 および波長λ3 の光が互いに空間的に分離した状態で出射面15bより出射され、それぞれが異なる光路を有するようにしたので、第1の共振器13および第2の共振器14において従来の共振器に生じていたような光学損失の発生が阻止され、損失低減の結果として高い共振器フィネスが得られ、和周波混合における変換効率が向上する。特に、出力光は出射面15bにおいて既に空間分離されていることから、波長分離ミラーを波長変換部12に設けずに済み、損失を大きく低減することができる。
また、第1の共振器13および第2の共振器14はその内部の光路を共有しないので、一方に損傷が起きても他方において損失が生じることがなく、万が一、共振器13または共振器14に損失が起きても全体として共振器損失が増大することが防止され、より安定的に長時間動作させることができる。なお、従来の共振器において素子15に施されていたような全ての透過光に対する損失低減条件を満足するコーティングは不要であり、こうしたコーティングによる光学損失を省くことができ、簡便に装置を構成することができると共に低コスト化を図ることもできる。
更に、入射面15aにおける波長λ1 の光と波長λ2 の光の入射角をそれぞれの波長に応じたブリュースター角θB としたので、非線形光学素子15における反射損失を低減することができる。
更にまた、第1のレーザ光発振器10および第2のレーザ光発振器11は連続紫外光を発生するようにしたので、このようなレーザ光発生装置1は、パルス光に比べてスペックル除去に有利な照明光となり得、より被検体にダメージを与えにくいものとして、例えば顕微鏡や、半導体等の検査装置として応用することができる。
第1のレーザ光発生器10および第2のレーザ光発生器11を含んだレーザ光発生装置1を全固体レーザ装置として構成されるようにしたので、例えばガスレーザ装置の場合に必要となる外部冷却水の配管や大容量電源が不要となり、装置規模を小型化することができる。また、全固体レーザ装置であれば、大出力化しても良好な波長特性を安定して得ることが容易となる。なお、第2のレーザ光発生器11は、単一周波数で発振する半導体レーザにより構成されるようにしたので、一定の精度で絶対波長を容易に安定化させることができる。
<2.第2の実施の形態>
図5は本発明の第2の実施の形態に係るレーザ光発生装置の概略構成を表している。このレーザ光発生装置2は、第1の実施の形態におけるレーザ光発生装置1において、第2のレーザ光発生器16が第2の共振器14の内部に設けられたものであり、例えば、光や電流等の出力により第2のレーザ光発生器16を励起する手段(図示せず)が接続されている。従って、第1の実施の形態では第2の共振器14は第2のレーザ光発生器11の外部共振器であったが、ここでは、第2の共振器14の内部に第2のレーザ光発生器16というレーザ媒質が組み込まれるように構成されて、両者が一体化している。なお、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2のレーザ光発生器16は、第2の共振器14においてミラー42とミラー43との間に設けられ、第2のレーザ光発生器11と同様、例えば650nm以上785nm以下の範囲内の波長(λ2 )の連続紫外光を出力するようになっている。また、その構成材料も第2のレーザ光発生器11と同様であり、例えば、半導体レーザまたはチタンサファイア,アレクサンドライト,Cr:LiCAF,CrLiSAF等の固体レーザなどを用いることができる。なお、この第2のレーザ光発振器16は、光を出力すると同時に出力光を第2の共振器14を通じて増幅するようになっている。
このようなレーザ光発生装置2は、レーザ光発生装置1と同様にして和周波を出力する。このとき、第2の共振器14では、波長λ2 の光がミラー40〜43および第2のレーザ光発生器16で構成される光路を周回し、単に共振する場合よりも大きなゲインを得る。
よって、本実施の形態によれば、波長λ2 の光が、第2のレーザ光発生器16自体により増幅され、大きな光出力で非線形光学素子15に入射するようにしたので、和周波出力を向上させることができる。なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<3.第3の実施の形態>
図6は本発明の第3の実施の形態に係るレーザ光発生装置の概略構成を表している。このレーザ光発生装置3は、第1の実施の形態におけるレーザ光発生装置1において、第2の共振器14の内部に増幅器としてレーザ利得媒体44を付加したものである。これは、インジェクションロッキングと呼ばれる1つの増幅方式である。なお、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
レーザ利得媒体44は、第2の共振器14においてミラー42とミラー43との間に設けられており、図示しないマスターレーザからの入力を受けて能動的に共振器14のゲインを増大させるようになっている。マスターレーザには小出力の半導体レーザや固体レーザを用いればよく、レーザ利得媒体44としては、例えば、半導体増幅器または、チタンサファイア結晶,アレクサンドライト結晶,Cr:LiCAF結晶,Cr:LiSAF結晶等の固体利得媒質などを用いることができる。このうち固体利得媒質を用いる場合には、レーザ利得媒体44は半導体レーザーまたは半導体レーザー励起固体レーザで励起されるようにすると、サイズの小型化や高効率化のうえで望ましい。
このようなレーザ光発生装置3は、レーザ光発生装置1と同様にして和周波を出力する。このとき、第2の共振器14では、波長λ2 の光がミラー40〜43およびレーザ利得媒体44で構成される光路を周回し、単に共振する場合よりも大きなゲインを得る。
従って、本実施の形態によれば、波長λ2 の光がレーザ利得媒体44で増幅された大きな光出力で非線形光学素子15に入射するようにしたので、和周波出力を向上させることができる。なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<4.第4の実施の形態>
図7は本発明の第4の実施の形態に係る紫外線顕微鏡の概略構成を表している。この紫外線顕微鏡100は、レーザ光発生装置101、光学系102、ビームスプリッタ103、対物レンズ104、被検物105を載置するためのステージ106、結像光学系107、画像取得部108、画像変換部109および画像表示部110を備えている。ここで、レーザ光発生装置101は、本発明のレーザ光発生装置であり、例えば、上記第1〜第3の実施の形態のいずれかによって構成されている。また、光学系102は、ビーム整形、スペックル低減、一様ビーム形成、ビーム偏向、偏光制御、光量調節、絞りなどの機能を有するものであり、レンズ、ミラー、プリズム等の光学素子を含んで構成されている。更に、ビームスプリッタ103は、偏光ビームスプリッタとしてもよく、その場合にはビームスプリッタ103と対物レンズ104とのに間に1/4波長板を入れるようにしてもよい。なお、被検物105としては、例えば、半導体基板、半導体集積回路、光学素子、液晶基板、液晶機能素子、ディスクヘッド、生物体、その他紫外線の一部を反射・散乱する微細構造を有する物体などを挙げることができる。
画像取得部108は、結像光学系107において得られる画像の情報を光信号として取得し、取得した画像情報をアナログ信号に変換・出力するものであり、例えば、フォトダイオードアレイにCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)を接続したCCD撮像素子や、撮像管等により構成されている。また、画像変換部109は、画像取得部108から入力されるアナログ信号をディジタル信号に変換・出力するものであり、A/D変換器等により構成されている。更に、画像表示部110は、画像変換部109から入力されるディジタル信号から画像を再生し表示するものであり、各種のディスプレイ装置により構成することができる。なお、この紫外線検査装置100には、図示しないが被検物の搬送装置、シールド、オートフォーカス装置、除震装置等が付設されている。
このような紫外線検査装置100は、次のように動作する。すなわち、レーザ光発生装置101より紫外光が出力され、この光に対し、光学系102において空間均一化、整形、時間均一化、光量調整が行なわれる。続いて、光がビームスプリッタ103に入射すると、このうちの一部が対物レンズ104に入射し、ステージ106に載置された被検物105に照射される。
次いで、被検物105から対物レンズ104を透過してビームスプリッタ103に到達した光は、更に結像光学系107を経て画像取得装置108に投影される。ここでは、図示しないオートフォーカス機構により、対物レンズ104と被検物105の距離を変化させ、画像取得部108において得られる画像が被検物105を拡大した共役像となるように調節される。オートフォーカスの方法には、画像の分解能の変化を利用したもの、別光源の光を照射してこのビームの焦点位置を合わせるもの、センサーと被検物のつくる空間の静電容量の変化を検出するものなど、いろいろなタイプが使用可能である。
更に、画像取得部108では、結像光学系107から投影された光が信号として取得され、これがアナログ信号に変換され、画像変換部109に出力される。画像変換部109では、信号のA/D変換が行なわれると共に、画像の拡大・縮小や、ユーザー用機能の付加、データ保存用のフォーマット変換等が行なわれ、ディジタル化された信号は画像表示部110に送られる。最後に、画像表示部110では、画像変換部109から入力されるディジタル信号から画像が再生され表示される。
このような紫外線顕微鏡100によれば、光源であるレーザー光発生装置101に本発明のレーザ光発生装置を用いて、200nm程度以下の連続波を出力するようにしたので、従来の連続波光源に比してより高解像度の画像を取得・解析することができる。また、この紫外線顕微鏡100の出力が連続波であることから、スペックル低減と共に同程度の波長のパルス光源に比べて光学系や被検物に与える損傷を抑制することができる。従って、例えば、半導体ウェーハ、半導体パターン、液晶パターン、レチクル、生体等の蛍光発生物などに代表される従来では高分解能の測定法によれば非破壊検査ができなかった分野においても、非破壊検査が可能となり、被検物の対象を拡げることができる。更にまた、レーザー光発生装置101に本発明のレーザ光発生装置を用いていることから、真空を要しないためにスループットを高くすることができる。
なお、画像変換部109および画像表示部110は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータを含んで構成することができ、画像変換部109もしくは画像表示部110に画像解析、画像データ分析などのためのアプリケーションプログラムを搭載することができる。また、紫外線顕微鏡100に対してデータ入出力装置、ユーザインターフェイス、或いは特殊フィルタ等を必要に応じて付設することも可能である。このように、画像の加工をはじめとする各種の機能を付加することができる。
また、これにより、紫外線顕微鏡としてのみならず、半導体検査装置、マスク検査装置、液晶検査装置およびディスクヘッド検査装置といった各種の検査装置を構成することができる。この紫外線顕微鏡100に、例えば、ウエハ搬送機構、データ入出力部、データ保存部、および欠陥分類プログラム、統計ソフトなどを付加することにより、半導体ウェーハーや半導体集積回路を検査する半導体検査装置とすることができる。また、被検物105をマスク或いはレチクルとすることでマスク検査装置とすることができ、ハードディスクの基板やヘッドのギャップなどの微細構造を検査できるディスクヘッド検査装置として構成することも可能である。更に、紫外線の吸収特性を利用すれば、可視光を透過してしまい通常見ることができない構造を観察することができるので、例えば液晶などの欠陥や構造を判定することができる。いずれの検査装置においても、被検物への損傷やスペックル等によるノイズを低減して、高い分解能で検査することができる。
また、従来顕微鏡に用いられてきた波長域の光では吸収の少ない物質においても、200nm以下の波長を吸収することが多い。従って、このような吸収により物質に蓄えられたエネルギーが、欠陥や不純物または意図的に添加したマーカー等から発生する蛍光として再放出されるときに、この蛍光を検出するようにすれば、紫外線顕微鏡100を物質の純度や不純物の種類、濃度、活性状態などを検査する蛍光顕微鏡として用いることができる。
<5.第5の実施の形態>
図8は本発明の第5の実施の形態に係るディスクマスタリング装置200の概略構成を表している。このディスクマスタリング装置200は、レーザ光発生装置201、光学系202、ミラー203、対物レンズ204、マスターディスク205、ステ−ジ206を備えている。ここで、レーザ光発生装置201は、本発明のレーザ光発生装置であり、例えば、上記第1〜第3の実施の形態のいずれかによって構成されている。また、光学系202は、ビーム整形、光量調整装置、多ビーム発生装置、変調器、ビーム偏向器、偏光制御、絞りなどの機能を有するものであり、レンズ、ミラー、プリズム等の光学素子を含んで構成されている。更に、ミラー203は、レーザ光発生装置201からのレーザ光の進行方向をステージ206の方向へ調整するためのものであり、ビームスプリッタであってもよい。また、ステージ207は、マスターディスク205を載置するものであり、回転および並進する機能を備えている。なお、このディスクマスタリング装置200には図示しないデータ再生装置、フォーマットエンコーダ、ステージ制御装置、除震装置等が付設されている。
このディスクマスタリング装置200では、レーザ光発生装置201から出力されたレーザ光が、光学系202、ミラー203および対物レンズ204を介してステ−ジ206の上のマスターディスク205に照射されて、マスターディスク205の表面の所望の位置にスポットが形成される。このとき、マスターディスク205の盤面上に形成されるスポットの直径dはおおよそ、
d=1.22λ/NA
(λはレーザ光の波長、NAは開口数)
で与えられるので、同じ開口数のレンズを使用した場合に、従来入手できた連続波レーザーの波長である266nmのレーザーに比べて3割程度小さいスポットが形成される。これによれば、理論的には約2倍の記録密度の向上を見込むことができる。
このように、ディスクマスタリング装置200によれば、光源であるレーザ光発生装置201に本発明のレーザ光発生装置を用い、波長が200nm程度以下の連続波を出力するようにしたので、従来に比べて2割以上小さなスポットを形成することが可能である。よって、高い記録密度のマスターディスクを作製することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記第1の実施の形態では、第1の共振器13は図1に示したようにミラー30〜33により構成されるようにしたが、共振器13の構造はこの限りではなく、適宜変更可能である。すなわち、ミラーの数は4枚に限定される必要はなく、例えばプリズム等のミラー以外の素子を用いるようにしてもよく、このような光学素子を用いることによりミラーの数を1〜3枚あるいは4枚以上としてもよい。また、ここでは波長λ1 の光がミラー30から第1の共振器13に入射するようにしたが、ミラー32を入射ミラーとして、ミラー32側から入射させることも可能である。また、第2の共振器14においても同様に、その構成は適宜変更可能であり、ミラー40を入射ミラーにせず、他のミラー、例えばミラー42を入射ミラーとしてもよい。なお、共振器の構成については、第2および第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様であるので、同様な変更が可能である。
1,2,3,101,201…レーザ光発生装置、10…第1のレーザ発生器、11,16…第2のレーザ発生器、12…波長変換部、13…第1の共振器、14…第2の共振器、15…非線形光学素子、20,23,30〜33,40〜43…ミラー、21,22,24…光学素子、44…レーザ利得媒体、102,202…光学系、103…ビームスプリッタ、104,204…対物レンズ、105…被検物、106,206…ステージ、107…結像光学系、108…画像取得装置、109…画像変換部、110…画像表示部、203…ミラー、205…マスターディスク

Claims (19)

  1. 第1の波長のレーザ光を出力する第1のレーザ発生器および前記第1の波長のレーザ光を共振させる第1の共振器と、
    第2の波長のレーザ光を出力する第2のレーザ発生器および前記第2の波長のレーザ光を共振させる第2の共振器と、
    前記第1の共振器および前記第2の共振器に含まれるように配置され、かつ、両端に前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光が入射する入射面と出射する出射面とをそれぞれ有する非線形光学素子とを備え、
    前記非線形光学素子の内部を通過する前記第1の波長のレーザ光と前記第2の波長のレーザ光との和周波混合により第3の波長のレーザ光を発生するレーザ光発生装置において、
    前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光の前記非線形光学素子に対する入射角はそれぞれ、波長に対応したブリュースター角の±5°の角度範囲内であり、かつ、前記非線形光学素子は、タイプ1の位相整合を行なうものであり、
    前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光はビーム中心軸が互いに空間的に分離した状態で前記入射面より前記非線形光学素子に入射され、
    前記第1の波長のレーザ光、前記第2の波長のレーザ光および前記第3の波長のレーザ光はビーム中心軸が互いに空間的に分離した状態で前記出射面より出射されて、それぞれが異なる光路を有し、
    前記非線形光学素子の内部において、前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光は部分的にビームが重なるが、光軸は共有せず、
    前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光の前記非線形光学素子に対する入射角の差(分離角Δθ)は、前記非線形光学素子に対する前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光の入射光のビーム発散角(φ)の2倍よりも大きく、かつ
    前記非線形光学素子に対する入射角または出射角は、前記第1および第2の波長のレーザ光のうちの一方では予め固定され、他方では角度を変化させたときに前記第3の波長のレーザ光の出力を極大値とする角度に設定されている
    レーザ光発生装置。
  2. 前記非線形光学素子を前記入射面と同一面内で移動するように平行移動させ、前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光の光路を移動調整する光路調整手段を備えた
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  3. 前記非線形光学素子は、BBO(β−BaB24),CLBO(CsLiB610),SBBO(Sr2Be227),KBBF(KBe2BO32)のうちのいずれかの結晶により構成されている
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  4. 前記非線形光学素子は、直接引上法により製造されたBBO(β−BaB24)結晶である
    請求項3記載のレーザ光発生装置。
  5. 前記第1の共振器または前記第2の共振器の少なくとも1方の共振器フィネスが100以上である
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  6. 前記第1の共振器は外部共振器であり、前記第2の共振器はレーザ増幅器または外部共振器である
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  7. 前記第2のレーザ発生器は、半導体レーザまたは半導体レーザ励起固体レーザである
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  8. 前記第2のレーザ発生器は、単一周波数で発振または共振する
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  9. 前記第2のレーザ発生器は、チタンサファイアレーザ、アレクサンドライトレーザ、Cr:LiCAFレーザ、Cr:LiSAFレーザのいずれかである
    請求項7記載のレーザ光発生装置。
  10. 前記第2の共振器が半導体増幅器または固体レーザ増幅器である
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  11. 前記第2の共振器は前記半導体レーザをマスターレーザとしたインジェクションロッキングにより前記第2の波長のレーザ光を増幅する
    請求項10記載のレーザ光発生装置。
  12. 前記固体レーザ増幅器は、チタンサファイア結晶、アレクサンドライト結晶、Cr:LiCAF結晶、Cr:LiSAF結晶のいずれかにより構成されている
    請求項10記載のレーザ光発生装置。
  13. 前記固体レーザ増幅器は、半導体レーザまたは半導体レーザ励起固体レーザによって励起される
    請求項10記載のレーザ光発生装置。
  14. 前記第1の共振器および前記第2の共振器の少なくとも一方は、その光路長を可変とする光路長調節手段を含んで構成されている
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  15. 前記光路長調節手段は、PZT素子、VCM素子および電気光学結晶のいずれかよりなる
    請求項14記載のレーザ光発生装置。
  16. 前記第1の共振器および前記第2の共振器の少なくとも一方は、前記光路長調節手段を用いたFMサイドバンド法または偏光法により共振状態を保持する
    請求項14記載のレーザ光発生装置。
  17. 前記第1の波長が250nm以上275nm以下の範囲内であり、前記第2の波長が650nm以上785nm以下の範囲内であり、かつ、前記第3の波長が180nm以上204nm以下の範囲内である
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  18. 前記第3の波長のレーザ光の波長幅は10pm以下である
    請求項1記載のレーザ光発生装置。
  19. 第1の波長のレーザ光を出力する第1のレーザ発生器および前記第1の波長のレーザ光を共振させる第1の共振器と、第2の波長のレーザ光を出力する第2のレーザ発生器および前記第2の波長のレーザ光を共振させる第2の共振器と、前記第1の共振器および前記第2の共振器に含まれるように配置され、かつ、両端に前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光が入射する入射面と出射する出射面とをそれぞれ有する非線形光学素子とを含むレーザ発生手段を備え、
    前記レーザ発生手段から前記非線形光学素子の内部を通過する前記第1の波長のレーザ光と前記第2の波長のレーザ光との和周波混合により得られた第3の波長のレーザ光を発生する光学装置において、
    前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光の前記非線形光学素子に対する入射角はそれぞれ、波長に対応したブリュースター角の±5°の角度範囲内であり、前記非線形光学素子は、タイプ1の位相整合を行なうものであり、
    前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光はビーム中心軸が互いに空間的に分離した状態で前記入射面より前記非線形光学素子に入射され、
    前記第1の波長のレーザ光、前記第2の波長のレーザ光および前記第3の波長のレーザ光はビーム中心軸が互いに空間的に分離した状態で前記出射面より出射されて、それぞれが異なる光路を有し、
    前記非線形光学素子の内部において、前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光は部分的にビームが重なるが、光軸は共有せず、
    前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光の前記非線形光学素子に対する入射角の差(分離角Δθ)は、前記非線形光学素子に対する前記第1の波長のレーザ光および前記第2の波長のレーザ光の入射光のビーム発散角(φ)の2倍よりも大きく、かつ
    前記非線形光学素子に対する入射角または出射角は、前記第1および第2の波長のレーザ光のうちの一方では予め固定され、他方では角度を変化させたときに前記第3の波長のレーザ光の出力を極大値とする角度に設定されている
    光学装置。
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