JPH0715861A - 電力系統運用訓練シミュレータ - Google Patents

電力系統運用訓練シミュレータ

Info

Publication number
JPH0715861A
JPH0715861A JP5179959A JP17995993A JPH0715861A JP H0715861 A JPH0715861 A JP H0715861A JP 5179959 A JP5179959 A JP 5179959A JP 17995993 A JP17995993 A JP 17995993A JP H0715861 A JPH0715861 A JP H0715861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
accident
training
power system
data
operation procedure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5179959A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Mitamura
謙一 三田村
Hisami Koganei
久美 小金井
Yoshifumi Kuzugami
善文 葛上
Naoko Matsumoto
直子 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5179959A priority Critical patent/JPH0715861A/ja
Publication of JPH0715861A publication Critical patent/JPH0715861A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力系統運用訓練シミュレータにおいて、事
故発生後の指定された時間の各設備毎あるいは各設備の
監視点毎の諸電気量のテレメータ値を保存しておき、ト
レーナはこれらの数値を見ながら各種定数の調整を行な
ってゆく。 【構成】 電力系統の応動を模擬し、電力系統運用者の
訓練を行なう電力系統運用訓練シミュレータにおいて、
シミュレータデータ保存エリア内に保存された開閉器の
開閉状態を基に電力系統内各設備の接続情報を作成し、
この接続情報と負荷電力,発電機出力とから系統内の各
種電気量を模擬すると共に、訓練指導者が設定した事故
発生時刻が到来したとき当該事故を発生させ、各種リレ
ーの動作を模擬する電力系統応動模擬手段と、前記各種
リレーの動作判定に際して必要とする各種整定値を設
定,変更するチューニング設定手段と、系統内の各設備
及び各リレー監視点からの検出電気量のテレメータ値を
保存するテレメータ値保存手段と、前記保存された諸量
を表示する支援用表示手段とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力系統の応動を模擬
し、運用者(以下、トレーニと言う)に対して系統運用
の訓練を行なう電力系統運用訓練シミュレータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電力系統運用訓練シミュレータについて
以下に説明する。電力系統運用訓練シミュレータは給電
指令や総合制御所のトレーニの訓練を目的としている。
訓練指導者(以下、トレーナと言う)によるデータ設定
及び操作やトレーニによるデータ設定及び操作に対して
電力系統の応動を模擬し、トレーニがあたかも実系統で
訓練対象システムを運用しているような状況を作り出
し、トレーニの訓練を行なうものである。図12を用いて
従来方法のうちの1つを説明する。1はトレーナ用マン
・マシン装置、2はトレーニ用マン・マシン装置、3は
系統模擬監視・制御手段、4はシミュレータデータ保存
エリア、5は電力系統応動模擬手段、6はチューニング
設定手段である。
【0003】トレーナはトレーナ用マン・マシン装置1
を介し、訓練用の初期系統データや事故情報を新たに設
定するか、あるいは保存ケースをシミュレータデータ保
存エリア4へ復元する。トレーナは新たに初期系統デー
タや事故情報を設定した場合、実際の訓練に先立って、
設定したデータが妥当かどうか確認する必要がある。確
認にあたっては通常の訓練を行なうのと同一の手順で行
なう。トレーナは訓練開始をトレーナ用マン・マシン装
置より要求する。系統模擬監視・制御手段3はトレーナ
がマン・マシン装置1を介して設定した初期系統データ
や事故情報をシミュレータデータ保存エリア4に保存
し、その後電力系統応動模擬手段5を起動する。初期系
統データには電力系統の応動を模擬するために必要な負
荷電力,発電機出力,開閉器の開閉状態等が含まれる。
又、事故情報には事故発生時刻,継続時間,事故様相な
どが含まれる。
【0004】電力系統応動模擬手段5はシミュレータデ
ータ保存エリア4に保存された開閉器の開閉状態を基に
電力系統内の各設備の接続情報を作成し、この接続情報
と負荷電力や発電機出力等のデータを用いて系統内の周
波数や電位や潮流の変動を模擬する。又、トレーナが設
定した事故の発生時刻になると設定された事故情報に従
い事故を発生させ、送電線の主保護,後備保護リレー,
母線保護リレー等の動作の模擬を行なう。又、周波数,
電位,潮流値を基に周波数リレー,過/不足電圧リレー
等の動作の模擬を行なう。
【0005】電力系統応動模擬手段5は上記の模擬結果
をシミュレータデータ保存エリア4に保存し、その後系
統模擬監視・制御手段3を起動する。系統模擬監視・制
御手段3は電力系統応動模擬手段5が保存したデータを
シミュレータデータ保存エリア4から取り出し、模擬結
果をトレーナ用マン・マシン装置1を介してトレーナに
表示する。トレーナはトレーナ用マン・マシン装置1を
介して訓練を終了する。その後、電圧や周波数や潮流の
変動状況やリレーの動作状況をトレーナ用マン・マシン
装置1を介して確認する。
【0006】トレーナはトレーナ用マン・マシン装置1
を介して上記各動作状況を見て、発電機定数や周波数リ
レー,過/不足電圧リレー等の整定値の調整を行なう。
トレーナ用マン・マシン装置1を介して調整された値は
チューニング設定手段6によりシミュレータデータ保存
エリア4に保存される。データを調整した場合は再度確
認を行なうため、前述と同じ手順で電力系統の応動を模
擬する。調整が終了すればトレーナが系統の状態を事故
発生前の状態に復元し、トレーナとトレーニにより実際
の訓練が行なわれる。
【0007】トレーニはトレーニ用マン・マシン装置2
を介して電力系統の監視を行なう。トレーニは電力系統
の応動を監視し、トレーニ用マン・マシン装置2を介し
て発電機出力の調整や電圧調整等の制御を行なう。又、
トレーナの設定した事故情報に従い、事故が発生した後
は、トレーニ用マン・マシン装置2を介して開閉器を投
入あるいは開放する操作を行ない、事故により停電した
個所の復旧を行なう。トレーニの操作に対する電力系統
の応動の模擬もトレーナの操作の場合と同様の手順で模
擬される。
【0008】従来方法の内の他の1つを更に説明する。
図13が全体構成を示し、電力系統訓練シミュレータ10
は、オペレータが設定する系統を入力する系統データ入
力手段11とオペレータが設定する仮想事故を入力する仮
想事故入力手段12と入力した系統データや仮想事故を訓
練ケースとして保存する訓練ケース保存手段13と、この
訓練ケースを保存する訓練ケース保存ファイル14と、訓
練開始中に発生させる仮想事故に対してオペレータが行
なう制御を入力する系統制御入力手段15と、オペレータ
からの訓練開始受付けと訓練中の電力系統を模擬する系
統模擬手段16と、ある一定間隔で系統模擬の系統データ
を保存する系統断面保存ファイル17と、系統を監視・制
御するために必要な系統模擬結果データを保存する系統
模擬結果ファイル18と、この系統模擬結果を出力装置へ
出力する系統模擬結果出力手段19により構成されてい
る。
【0009】この場合の処理は次のようになる。先ず訓
練ケースを作成するためにオペレータが入力装置より入
力した系統データ,仮想事故を系統データ入力手段11,
仮想事故入力手段12より取り込み訓練ケース保存手段13
により訓練ケース保存ファイル14へ保存する。オペレー
タが入力装置より訓練ケースを選択し訓練開始を指示す
ると系統模擬手段16は訓練ケース保存ファイル14より指
定された訓練ケースの系統データ,仮想事故を取り出
す。系統模擬手段16は取り出した系統データを初期系統
データとして電力系統の模擬を開始する。開始後は設定
されている仮想事故を指定時刻に発生させ、ある一定間
隔で系統データを系統断面保存ファイル17に保存する。
【0010】又、オペレータが系統を操作する際に、必
要なデータを系統模擬結果保存ファイル18に保存する。
このデータは系統模擬結果出力手段19により出力装置へ
出力される。オペレータは出力装置に出力される結果か
ら発電機の出力調整,調相設備の調整量変更,CBの開
閉操作を入力装置より行ない、系統を変更する。系統制
御入力手段15はこれらの制御データに取り込み系統模擬
手段16へ渡す。系統模擬手段16はこの制御データを取り
込んで系統模擬を行なう。上記のような訓練シミュレー
タにおいて、訓練終了後途中から訓練を開始する(以
下、プレイバックと言う)場合は、オペレータがプレイ
バック時刻を入力装置より指定し、プレイバック開始を
指示する。そして系統模擬手段16は既に実施した訓練で
系統断面保存ファイル17に保存している系統データの中
で最も指定時刻に近いデータを取り出し、プレイバック
の系統データとしていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来装置の内
の前者は、電力の需要と供給の過不足に伴なう電圧,周
波数,潮流等の変動あるいは事故発生に伴なう電圧,周
波数,潮流等の変動を求めるに際し、潮流計算,周波数
計算及び過渡安定度計算等の計算手法を用いて計算され
る。なお、計算においおては、電力系統の特性あるいは
電力設備の特性を数学的モデルに置き換える処理をして
いる。又、電力系統運用訓練シミュレータでは事故発
生、トレーナ,トレーニの操作に対する電力系統の応動
をリアルタイムで模擬するため、上記の各種計算を高速
に行なう必要がある。そのため電力系統や設備の特性を
表す数学的モデルは多少簡略化されている。
【0012】このためトレーナが新たに初期系統や事故
情報を設定した場合、通常実際の訓練を行なう前に、事
故発生に対する電力系統の応動がほぼトレーナの思う通
りとなるか確認する必要がある。例えば、事故が発生し
ない場合はリレーが動作しない。軽微な事故であれば事
故点近傍のリレーのみが動作し、重度の事故であれば多
数のリレーが動作する等を確認する。そして、トレーナ
は応動結果に基づき、発電機の各種定数,各リレーの設
定値等の調整を行なう。しかしながら、調整を行なうに
も、トレーナ用マン・マシン装置では確認終了時の最終
断面の電圧,周波数,潮流値,及び動作したリレー等し
か確認できない。従来は、個々のリレーの監視点の周波
数や電圧や潮流値等の変動状況や個々の発電機,負荷の
周波数や電圧や潮流値等の変動状況までは確認できなか
った。このため、トレーナが調整を行なうための指標が
なく、何度も調整を繰り返す必要があった。
【0013】又、従来装置の内の後者は、プレイバック
を行なうとある一定間隔で系統模擬中の系統データ全て
を保存しなければならないので、処理に時間がかかるば
かりでなく、膨大なエリアが必要となるなどの問題があ
った。よってこれに対処するため、系統データの保存間
隔を広げると指定された時刻から隔れた系統データとな
ってしまうため、その時刻の系統を再現できなかった。
又、保存間隔を広げず主要なデータのみを保存した場合
でも正確に系統を再現できなかった。以上のように従来
の方式では正確にプレイバックを実行することは大変困
難であった。本発明は上記各課題を解決するためになさ
れたものであり、前者ではトレーナが調整に際して表示
された数値を見ながら各種調整ができ、かつ後者では少
ない保存エリアで正確にプレイバックの可能な電力系統
運用訓練シミュレータを提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の[請求項1]に
係る電力系統運用訓練シミュレータは、電力系統の応動
を模擬し、電力系統運用者の訓練を行なう電力系統運用
訓練シミュレータにおいて、シミュレータデータ保存エ
リア内に保存された開閉器の開閉状態を基に電力系統内
各設備の接続情報を作成し、この接続情報と負荷電力,
発電機出力とから系統内の各種電気量を模擬すると共
に、訓練指導者が設定した事故発生時刻が到来したとき
当該事故を発生させ、各種リレーの動作を模擬する電力
系統応動模擬手段と、前記各種リレーの動作判定に際し
て必要とする各種整定値を設定,変更するチューニング
設定手段と、系統内の各設備及び各リレー監視点からの
検出電気量のテレメータ値を保存するテレメータ値保存
手段と、前記保存された諸量を表示する支援用表示手段
とを備えた。
【0015】本発明の[請求項2]に係る電力系統運用
訓練シミュレータは、電力系統の応動を模擬し、電力系
統運用者の訓練を行なう電力系統運用訓練シミュレータ
において、電力系統設備の応動を模擬する手段と、自動
的に事故発生時の復旧操作手順を作成する事故復旧操作
手順作成手段と、前記作成された事故復旧操作手順を保
存する事故復旧操作手順保存手段と、前記保存された事
故復旧操作手順を入力し、運用者及び訓練指導者に提供
する入出力処理手段と、前記保存された事故復旧操作手
順を入力し、運用者が行なった事故復旧操作手順と比較
し、運用者が行なって操作が正しいか否かを判定する操
作手順判定手段とを備えた。
【0016】本発明の[請求項3]に係る電力系統運用
訓練シミュレータは、系統データを入力する系統データ
入力手段と、仮想事故を入力する仮想事故入力手段と、
訓練ケースを保存する訓練ケース保存手段と、オペレー
タの系統制御を入力する系統制御入力手段と、電力系統
を模擬する系統模擬手段と、系統模擬結果を出力する系
統模擬結果出力手段からなる電力系統運用訓練シミュレ
ータにおいて、運用者によって系統状態の条件を設定す
るプレイバック条件入力手段と、前記条件データを保存
するプレイバック条件保存ファイルを備えた。
【0017】本発明の[請求項4]に係る電力系統運用
訓練シミュレータは、系統データを入力する系統データ
入力手段と、仮想事故を入力する仮想事故入力手段と、
訓練ケースを保存する訓練ケース保存手段と、オペレー
タの系統制御を入力する系統制御入力手段と、電力系統
を模擬する系統模擬手段と、系統模擬結果を出力する系
統模擬結果出力手段からなる電力系統運用訓練シミュレ
ータにおいて、オペレータが早送り/巻戻しのモード指
定を行なう早送り/巻戻しモード入力手段と、この指定
モードを保存する早送り/巻戻しモード保存ファイル
と、早送り/巻戻し速度を入力する早送り/巻戻し速度
入力手段と、入力した早送り/巻戻し速度から表示する
系統の時間間隔を算出するための時刻管理手段とを備え
た。
【0018】
【作用】本発明の[請求項1]に係る電力系統運用訓練
シミュレータは、先ず、トレーナは事故発生後、何秒後
から何秒後までのデータを保存するかをマン・マシン装
置を介して設定する。テレメータ値保存手段は事故発生
後、トレーナが指定した開始時刻になると発電機や負荷
毎に、あるいは各種リレーの監視点毎に電圧,周波数,
潮流等のテレメータ値をトレーナが指定した終了時刻ま
で保存する。支援用表示手段はトレーナが指定した設備
(発電機,負荷あるいは各種リレーの監視点)の電圧,
周波数,潮流等のテレメータ値をマン・マシン装置を介
して表示する。トレーナは事故発生後の系統の動揺状態
を各設備毎に数値で確認できる。これにより、事故に対
して動揺が激しすぎる設備あるいは事故に対して動揺が
あまりにも小さすぎる設備を容易に認識できる。又、表
示されているテレメータ値が定数調整の目安となり、調
整も容易となる。
【0019】本発明の[請求項2]に係る電力系統運用
訓練シミュレータは、先ず、トレーニは以下の3つの訓
練モードより、今回行なう訓練モードを選択する。 (1) 通常モード:従来と同様トレーニ対トレーナで訓練
を行なう。 (2) 自習・強制モード:トレーニのみの自習とする。提
供されたガイドメッセージに従わない操作はエラーとし
て受け付けない。 (3) 自習・任意モード:トレーニのみの自習とする。ガ
イドメッセージの提供は行なわれるが、これに従わない
操作も許可する。 通常モードが選択された場合は従来と同様に各手段が動
作し、訓練が行なわれる。自習・強制モードが選択され
た場合は各手段は以下のように動作し、訓練が行なわれ
る。事故発生時の開閉器の投入・開放状態や保護リレー
動作状態等のSVデータ及びTMデータを入力し、その
時の系統状態に従い自動的に事故復旧操作手順を作成
し、作成された事故復旧手順をガイドメッセージ等でト
レーニに提供する。トレーニはこのガイドメッセージに
従い操作を行なう。トレーニにより行なわれた操作は自
動的に作成された事故操作手順と比較され、正しい場合
はその操作が受け付けられ、誤っている場合はエラーと
してその操作を受け付けられない。このようにして、ト
レーニはガイドメッセージに従った操作を行ない、トレ
ーナ不在でも自習により事故復旧操作手順の習得を行な
うことができる。又、自習・任意モードが選択された場
合は、自習強制モードと同様に自動的に事故復旧操作手
順が作成され、トレーニにガイドメッセージ等で提供さ
れる。トレーニはガイドメッセージに従って操作を行な
っても良いし、従わず任意に操作を行なうこともでき
る。ガイドメッセージに従わずトレーニが操作を行なっ
た場合でも、トレーニが行なった操作後の電力系統状態
により事故復旧操作手順が自動的に作成され、ガイドメ
ッセージ等としてトレーニに提供される。このようにし
てトレーナ不在でもトレーニは制約なしに自習を行なう
ことができる。
【0020】本発明の[請求項3]に係る電力系統運用
訓練シミュレータは、予めオペレータが系統状態の条件
を設定し、この条件データを入力し保存しておく。訓練
中にこの条件と一致する系統変化が発生した場合は、そ
の時点の系統データ全てを保存する。訓練終了後プレイ
バック実行時に先に設定した条件が発生した時点に保存
した系統データを取り出しプレイバックを実行する。こ
のように実施することで少ない保存エリアで正確なプレ
イバックを実現するものである。
【0021】本発明の[請求項4]に係る電力系統運用
訓練シミュレータは、訓練終了後オペレータが早送りを
指示し速度を設定すれば、設定された速度から算出した
時間間隔毎の系統状態データによって順次表示系統状態
データを書き換え、画面により早送りされた系統状態を
チェックすることを可能にするものである。巻戻しを指
示すると、時間経過の逆に順次、表示系統状態データの
書き換えを行なう。
【0022】
【実施例】以下図面を参照して実施例を説明する。図1
は本発明の[請求項1]に係る電力系統運用訓練シミュ
レータに対応する実施例の構成図である。図1におい
て、図12と同一部分については同一符号を付して説明を
省略する。図1において、7はトレーナが指定した時間
内の各設備の電圧,周波数,潮流値等のテレメータ値を
保存するテレメータ値保存手段、8はトレーナの指定に
従い保存された値をトレーナ用マン・マシン装置1に表
示する支援用表示手段である。その他の構成は図12と同
じである。
【0023】次に作用について説明する。トレーナはト
レーナ用マン・マシン装置1から初期系統データ及び事
故情報を設定する。初期系統データには発電機の運転状
態,運転電圧,出力,負荷電力,開閉器の開閉状態等が
含まれる。又、事故情報には事故点,事故様相,発生時
間,継続時間等が含まれる。トレーナは事故情報設定時
にトレーナ用マン・マシン装置1を介して、テレメータ
値を保存する時間を設定する。本実施例では事故発生か
らの相対時間でテレメータ保存の開始時刻及び終了時刻
を設定する。従来と同様、トレーナは設定したデータの
妥当性を確認するため、トレーナ用マン・マシン装置1
から訓練開始を要求する。その後は従来と同様の手順で
各手段が起動される。
【0024】トレーナが設定した事故発生時刻になる
と、電力系統応動模擬手段5により事故が発生させられ
る。電力系統応動模擬手段5は事故発生に伴なうリレー
動作の模擬,電圧,周波数,潮流値等の模擬を行ない、
この結果をシミュレータデータ保存エリアに保存する。
更に、事故発生からの相対時刻がテレメータ保存の開始
時刻になるとテレメータ値保存手段7を起動する。本実
施例ではテレメータ値保存手段7はトレーナが指定した
時間の電圧,周波数,潮流値の最大値及び最小値を保存
する。テレメータ値保存手段7は発電機や負荷毎の電
圧,周波数,潮流あるいは電流値の最大/最小値をチェ
ックする。
【0025】又、周波数リレー.過/不足電圧リレー等
のように、潮流計算や周波数計算等の計算結果を基に動
作判定を行なうリレーの監視点の電圧,周波数,潮流
値,電流値あるいは2点間の位相差等の最大値と最小値
をチェックする。トレーナが設定した最大/最小値チェ
ックの終了時間になると、テレメータ値保存手段7はチ
ェックを終了し、その結果をシミュレータデータ保存エ
リア4に保存する。トレーナはトレーナ用マン・マシン
装置1を介して訓練を終了する。トレーナはトレーナ用
マン・マシン装置1を介して事故発生時の系統の動揺状
態及び動作したリレー等を確認する。次いでトレーナは
トレーナ用マン・マシン装置1より最大値,最小値の表
示を指示する。
【0026】図2は発電機に対する支援用表示例であ
り、最大/最小値を指示した場合の例を示す。この場合
は、訓練シミュレータで模擬対象の全発電機について電
圧,出力電力あるいは周波数の最大/最小値を一覧表形
式で表示している。この表を見てトレーナは最大/最小
値を確認することで、事故に対して動揺が激しすぎる発
電機及び動揺が小さすぎる発電機を確認する。そして、
最大/最小値をチェックして周波数の動揺が大きすぎる
場合は慣性定数の値を大きくする等の調整を行なう。
【0027】図3は過/不足電圧リレーの最大/最小値
を表示した場合の例を示す。発電機の場合と同様、一覧
表形式で表示する。この場合は、模擬対象の全過/不足
電圧リレーの監視母線の電圧の最大/最小値を表示す
る。この表を見てトレーナは例えば不足電圧リレーを動
作させたくない場合は、リレーの動作判定の基準となる
整定値を最小値より小さくする等の調整を行なう。調整
終了後トレーナはマン・マシン装置1を介してチューニ
ング設定手段6を起動し、調整後のデータをシミュレー
タデータ保存エリア4に保存する。その後トレーナはマ
ン・マシン装置1を介して系統模擬監視・制御手段3を
起動し、シミュレータデータ保存エリア4に保存した系
統データを取り出し、系統の状態を事故発生前の状態に
復元する。系統状態復元後は従来と同様の手法で訓練を
行ない、調整結果を確認する。
【0028】上記実施例によれば事故発生後、トレーナ
が指定した時間の発電機,負荷あるいは各リレーの監視
点毎に電圧,周波数,潮流値等のテレメータ値が保存さ
れ、トレーナの指定により保存された値が発電機,負荷
あるいはリレー毎に表示される。これによりトレーナは
発電機.負荷あるいはリレーの監視点の事故に対する動
揺の度合いを容易に把握することができる。又、リレー
の整定値を設定する場合は、表示されている監視点の電
圧,周波数,潮流値等のテレメータ値を用いて調整する
ことができる。例えば表示されているテレメータ値を見
ながらであれば、事故に対してリレーが動作するように
もあるいは動作しないようにも容易に定数を調整でき
る。発電機,負荷,各リレー等の設備毎の動揺の度合い
を確認でき、しかも最大/最小値が設定値調整の目安と
なるため調整が容易となる。これにより調整を繰り返す
必要がなくなる。
【0029】図4は本発明の[請求項2]に係る電力系
統運用訓練シミュレータに対応する実施例の構成図であ
る。本実施例では自動的に事故発生時の模範となる復旧
操作手順を作成し、ガイドメッセージ等でトレーニに提
供することにより、トレーナ不在でも模範となる事故復
旧操作手順を示したガイドメッセージ等に従い操作を行
なうことにより事故復旧操作手順を習得することを可能
とするものである。なお、図中の符号は1,2,5のみ
が図12と対応しているだけである。図4において、40は
入出力処理手段であって、トレーナ用マン・マシン装置
1,トレーニ用マン・マシン装置2が接続されると共
に、電力系統模擬データ保存手段41,操作・設定データ
保存手段42も接続される。更に電力系統模擬データ保存
手段41と操作・設定データ保存手段42は電力系統応動模
擬手段5に接続される。
【0030】43は事故復旧操作手順作成知識ベース、44
は事故復旧操作手順作成手段、45は事故復旧操作手順保
存手段、46は操作手順判定手段である。事故復旧操作手
順作成手段44は電力系統応動模擬手段5より起動される
ようになっている。又、事故復旧操作手順作成手段44は
事故復旧操作手順作成知識ベース43及び電力系統模擬デ
ータ保存手段41及び事故復旧操作手順保存手段45に接続
している。入出力処理手段40は事故復旧操作手順作成手
段44により起動され、事故復旧操作手順保存手段45より
事故復旧操作手順を入力し、トレーニ用マン・マシン装
置2に出力するようになっている。操作手順判定手段46
は入出力処理手段40より起動される。操作手順判定手段
46は事故復旧操作手順保存手段45及び操作・設定データ
保存手段42に接続され、更に、入出力処理手段40を起動
するよう構成されている。
【0031】次に作用について説明する。先ず、トレー
ニが選択すべき訓練モードとして以下に示す3つとす
る。 通常モード これは従来と同様トレーニ対トレーナとで訓練を行な
う。 自習・強制モード トレーニのみの自習とする。提供されたガイドメッセー
ジに従わない操作はエラーとして受け付けない。 自習・任意モード トレーニのみの自習とする。ガイドメッセージの提供は
行なわれるが、これに従わない操作も許可する。トレー
ニは先ず、上記3つの訓練モードより今回行なう訓練モ
ードをトレーニ用マン・マシン装置2を介し選択する。
入出力処理手段40は選択された訓練モードを入力し、操
作・設定データ保存手段42に保存する。
【0032】電力系統応動模擬手段5は選択された訓練
モードを操作・設定データ保存手段42より入力してお
く。そして、電力系統応動模擬手段5は電力系統の応動
を模擬し、事故発生時の保護リレー動作及び開閉器の開
閉動作及び発電機出力値,負荷の値,母線電圧,送電線
潮流等のTMデータを模擬する。更に、電力系統応動模
擬手段5は選択された訓練モードが、自習・強制モード
又は自習・任意モードの場合、保護リレー動作時即ち、
事故発生時、事故復旧操作手順作成手段44を起動する。
事故復旧操作手順作成手段(推論エンジン)44は事故復
旧操作手順作成知識ベース43より事故復旧の知識を入力
し、電力系統模擬データ保存手段41より事故発生状況把
握のため、保護リレー動作状態データ及び開閉器開閉状
態データ等のSVデータ及びTMデータを入力する。事
故復旧操作手順作成手段44はこれら入力より事故発生状
況を把握し、事故復旧の知識を利用し推論を行ない、自
動的にその時点の電力系統の状況に適した事故復旧操作
手順を作成する。そして、事故復旧操作手順作成手段44
は作成した事故復旧操作手順を事故復旧操作手順保存手
段45に保存する。ここで、事故復旧操作手順作成知識ベ
ース43には例えば以下の一例に示すような事故復旧操作
手順作成の知識が登録されている。
【0033】(1) 優先順位の高い連系点から故障回避
ルートの探索を行なう。 (2) 故障回避ルートが複数の場合、連系点の数が最小
のルートから選択する。 (3) 各ルートの健全系統と接続する連系点の電圧が高
いルートとする。 (4) 各ルートを健全系統から見て昇圧の少ないルート
とする。 (5) 単独系統容量の大きいものから復旧する。 (6) 発電機の復旧は事故後緊急再立上げ可能発電機,
原子力発電機,水力発電機,一般火力の優先順位とす
る。 (7) 復旧ルートで接続した系統において、需給バラン
スを考えた発電機出力,負荷を設定する。 (8) 新たな過負荷を発生させない。 (9) 過負荷対策を必要とする設備以外の過負荷も増大
させない。 (10) 投入開閉器両端の位相差が15度以内ならループ
切替えとし、それ以外は停電切替えとする。
【0034】事故復旧操作手順作成手段(推論エンジ
ン)44では上記の例に示したような知識を事故復旧操作
手順作成知識ベース43より入力し、電力系統の状況に適
した事故復旧操作手順を推論し作成する。次に、事故復
旧操作手順作成手段44にて事故復旧操作手順を作成する
アルゴリズムの例を図5のフローチャートを用いて説明
する。図5において、ステップS51は電力系統模擬デー
タ保存手段41より電力系統の状態データを入力し、事故
発生状況を把握し事故直後の系統に対する連系点の認識
を行なう。ステップS52では単独系統,発電機,負荷の
順で優先順位に従って復旧ルートを探索する。
【0035】ステップS53ではステップS52にて求めた
復旧ルートで接続した系統の発電機出力及び負荷の値を
決定する。ステップS54では過負荷が存在する場合の対
策及び過負荷対策による復旧ルートの見直しを行なう。
ステップS55では単独系統の並列に必要な操作手順を作
成する。ステップS56では投入する開閉器両端の位相差
からループ切替えか、停電切替えかを判定し、健全系統
内の切替操作手順を作成する。ステップS57ではステッ
プS51からS56までで求めた復旧操作手順をとりまと
め、需給バランスを考慮した最終的な事故復旧操作手順
を作成し、処理を終了する。この事故復旧操作手順作成
手法は一例であるため、ここで述べたような記述に止め
る。更に詳しい内容については、電気学会研究会資料
「基幹系統復旧エキスパートシステムの開発」(PE−
88−23)に詳しく述べられている。
【0036】上記例のようにして求めた事故復旧操作手
順は事故復旧操作手順保存手段45に保存される。事故復
旧操作手順作成手段44は事故復旧操作手順を事故復旧操
作手順保存手段45に保存した後、入出力処理手段40を起
動する。入出力処理手段40は事故復旧操作手順保存手段
45より事故復旧操作手順を入力し、トレーニ用マン・マ
シン装置2を介しガイドメッセージ等により出力する。
トレーニは出力されたガイドメッセージに従ってトレー
ニ用マン・マシン装置2を介し操作を行なう。トレーニ
による操作は入出力処理手段40により操作・設定データ
保存手段42に有効な操作データとして保存される。
【0037】入出力処理手段40はデータを保存した後、
操作手順判定手段46を起動する。操作手順判定手段46は
選択された訓練モードを操作・設定データ保存手段42よ
り入力する。操作手順判定手段46は選択された訓練モー
ドが通常モード又は自習・任意モードの場合は何もしな
い(即ち、トレーニの操作データは有効となる)。選択
された訓練モードが自習・強制モードの場合、操作手順
判定手段46はトレーニの操作データを操作・設定データ
保存手段42より入力すると共に、事故復旧操作手順作成
手段44により作成された事故復旧操作手順を事故復旧操
作手順保存手段45より入力する。そして、操作手順判定
手段46は入力した両方の操作データを比較し、トレーニ
の操作が正しい(即ち、ガイドメッセージに従った操作
である)か否かを判定する。
【0038】トレーニの操作が正しい場合は、操作手順
判定手段46は何もしない(即ち、トレーニの操作データ
は有効となる)。トレーニの操作が誤っている場合(即
ち、ガイドメッセージと違った操作の場合)、操作手順
判定手段46はトレーニの操作を無効であると見なし、操
作・設定データ保存手段42に保存されているトレーニ操
作データを無効とする。更に、操作手順判定手段46はト
レーニの操作に誤りがあることを入出力処理手段40に通
知する。入出力処理手段40はこの通知を受けた場合、ト
レーニ用マン・マシン装置2を介して操作手順に誤りが
ある旨、エラーメッセージ等によりトレーニに通知す
る。エラーが通知された場合、トレーニは再度ガイドメ
ッセージに従った操作をトレーニ用マン・マシン装置2
を介して行なう。この操作データは前述と同様に処理さ
れる。
【0039】操作・設定データ保存手段42に保存された
操作データは電力系統応動模擬手段5に入力される。入
力した操作データが無効な場合、電力系統応動模擬手段
5はその操作データを受け付けない。入力した操作デー
タが有効な場合、電力系統応動模擬手段5は入力した操
作データに従い、それに対する電力系統の応動を模擬
し、電力系統模擬データ保存手段41の系統状態を示すS
Vデータ及びTMデータを更新する。その後、電力系統
応動模擬手段5は選択された訓練モードが自習・強制モ
ード又は自習・任意モードの場合は、事故復旧操作手順
作成手段44を起動する。
【0040】事故復旧操作手順作成手段44は前記したと
同様の方法で事故復旧操作手順を作成し、事故復旧操作
手順保存手段45に保存し、入出力処理手段40を起動す
る。入出力処理手段40は事故復旧操作手順保存手段45に
保存された事故復旧操作手順を入力し、トレーニ用マン
・マシン装置2を介しガイドメッセージ等により次の事
故復旧操作手順をトレーニに示す。これを時刻復旧操作
が完了するまで繰り返す。これにより、事故発生後の模
範復旧手段が順次トレーニに示されることになる。
【0041】このように、トレーニが訓練モードとして
通常モードを選択した場合は、ガイドメッセージ等によ
り模範となる事故復旧操作手順は提供されず、従来と同
様にトレーニ対トレーナにより訓練が行なわれる。トレ
ーニが訓練モードとして自習・強制モードを選択した場
合は、ガイドメッセージ等により模範となる事故復旧操
作手順がトレーニに提供されると共に、トレーニがその
模範となる事故復旧操作手順と違った誤った操作を行な
った場合は、操作に誤りがある旨トレーニに通知される
ため、トレーニは自習により確実に模範となる事故復旧
操作手順を習得することができる。
【0042】又、トレーニが訓練モードとして自習・任
意モードを選択した場合は、電力系統運用訓練シミュレ
ータにより自動的に作成される事故復旧操作手順が、例
えば30回分の操作が必要であったとして、その30回
分の操作手順の通りにトレーニが操作すれば、それなり
に訓練が終了するし、例えばトレーニが15回目の操作
で電力系統運用訓練シミュレータで作成したとは別の操
作をしたり、12回目の操作と18回目の操作の順序を
入れ替えたとしても、トレーニがその操作を実行したと
きの結果によりできる系統状態から新たな事故復旧操作
手順を電力系統運用訓練シミュレータがトレーニに提示
するため、トレーニはガイドメッセージ等により提供さ
れる模範となる事故復旧操作手順を参考にしながらも、
制約なしに自習を行なうことができる。
【0043】なお、上記実施例における事故復旧操作手
順作成の知識及び事故復旧操作手順作成のアルゴリズム
は一例であり、各電力系統に合わせ知識を変更すると共
に、アルゴリズムを変更すれば良い。又、上記実施例で
は事故復旧手順の作成を知識ベースを用いたエキスパー
トシステムを用いて作成すると説明したが、事故発生時
の電力系統の状態に適した事故復旧操作手順が作成され
る方法であればいかなる方法であっても良い。
【0044】以上説明したように、本実施例によれば従
来通りトレーニ対トレーナによる訓練を行なうことがで
きるばかりか、トレーナ不在であっても模範となる事故
復旧操作手順が自動的に作成され、事故発生後事故復旧
操作が完了するまでトレーニに示されるため、トレーニ
は示された手順に従い操作を行なうことで、トレーナ不
在でも自習により事故復旧操作手順を習得できる。これ
により、従来通りのトレーニ対トレーナと言う形式での
訓練を可能としつつ、トレーニのみの自習訓練が可能と
なる。
【0045】図6は本発明の[請求項3]に係る電力系
統運用訓練シミュレータの一実施例の構成図である。図
6において、図13と同一部分については同一符号を付し
て説明を省略する。本実施例における特徴部分は、図13
の構成に対してプレイバック条件入力手段20と、プレイ
バック条件保存ファイル21を設けた点である。その他の
構成は図13と同様である。プレイバック条件データの構
成は図8(a) に示す。このプレイバック条件データの系
統状態データは、オペレータが入力装置から入力し、プ
レイバック条件入力手段20がプレイバック条件保存ファ
イル21に設定する。
【0046】又、系統状態データは訓練再開時の条件デ
ータであり、この系統状態と模擬条件が一致した時点か
らの訓練を再開させることができる。この系統状態デー
タは1つのプレイバック条件に対して、複数個の系統状
態データを設定することができる。プレイバック条件デ
ータの発生フラグは、訓練中において各々のプレイバッ
ク条件が模擬系統で成立中か不成立中かを示すフラグで
ある。この発生フラグは訓練開始前に0で初期化され、
訓練中に各々のプレイバック条件の系統状態と模擬を行
なっている系統と一致するか系統模擬手段16がチェック
した結果、一致する場合はこのフラグはセットされ、不
一致となった場合はこのフラグはリセットされる。
【0047】次に作用を図7のフローチャートによって
説明する。図7のステップS71は入力装置より系統デー
タ,仮想事故を系統データ入力手段11,仮想事故入力手
段12が入力し、訓練ケース保存手段13により訓練ケース
保存ファイル14に保存する。ステップS72においては、
入力装置よりプレイバック条件データの系統状態データ
をプレイバック条件入力手段20が入力し、プレイバック
条件保存ファイル21に保存する。ステップS73において
は、入力装置より訓練ケース,訓練開始を系統に模擬手
段16が入力し、訓練ケース保存ファイルより該当する訓
練ケースの系統データ,仮想事故データを取り出す。更
にプレイバック条件データの発生フラグをリセットす
る。ステップS74においては、取り出した系統データ,
仮想事故に基づいて系統模擬手段16が電力潮流,各系統
設備の応動計算を行ない、その結果を系統模擬結果保存
ファイル18に保存する。系統模擬結果出力手段19はこの
結果を出力装置に出力する。
【0048】ステップS75においては、プレイバック条
件保存ファイルよりプレイバック条件データを取り出
す。そしてプレイバック条件データの各々の条件がステ
ップS74で求めた系統状態と一致するかチェックする。
模擬を行なっている系統状態と条件で設定されている系
統状態が一致した時、その条件を成立とし、又、一致し
なければその条件を不成立と判定する。各々の条件には
複数の系統状態データが設定されることがあるため、複
数設定された場合は、その条件の全ての系統状態データ
と一致した時条件成立とし、1つでも一致しない系統状
態データがある時条件不成立とする。この条件判定後、
プレイバック条件データの条件が不成立となったデータ
NO.の発生フラグをリセットする。ステップS76にお
いては、プレイバック条件データの条件が成立したデー
タNO.の発生フラグを取り出し、このフラグがリセッ
トであるかチェックする。
【0049】条件が成立であり更にその条件の発生フラ
グがリセットされているものは、今回条件が成立したも
のである。よってこのような条件がプレイバック条件デ
ータに1つでもあれば系統データを保存する必要がある
ため(YES)、ステップS77へ進む。又、プレイバッ
ク条件が成立し更にその条件の発生フラグがセットされ
ていれば、既に以前からこの条件が成立し現在継続中で
ある。よって系統データを保存する必要はないため(N
O)、ステップS78へ進む。ステップS77においては、
その時点の系統データ全てを系統断面保存ファイル17に
保存し、発生フラグがリセットであり、今回条件が成立
したデータNO.の発生フラグをセットする。
【0050】ステップS78においては、出力装置に出力
された系統模擬結果を監視するオペレータから、系統制
御が設定されているかを系統制御入力手段15が判断す
る。設定されていれば(YES)、ステップS79へ進
み、設定されていなければ(NO)、ステップS80に進
む。ステップS79においては、系統制御データを入力装
置より入力しそれに基づいて現地点の系統データを変更
する。ステップS80においては、系統模擬手段16により
予め決めた模擬終了時刻になったかを判断する。終了時
刻となっていれば(YES)、処理を終了する。終了時
刻になっていなければ(NO)、ステップS74に戻り上
記処理を繰り返す。
【0051】このようにプレイバック条件データをチェ
ックすることで系統模擬中に、この条件が成立した時点
の系統断面データのみを保存し、この条件が継続中の場
合は保存させないことができるので、少ない保存エリア
で正確なプレイバックを行なうことができる。
【0052】更にこのプレイバック条件データに図8
(b) に示すような時刻データを設ける。これによりプレ
イバック条件の系統状態の他に訓練時刻の条件を加える
ことができる。図8(b) のデータNO.5を例に説明す
ると、このNO.12の発電機が訓練時刻13:00〜
15:00の間に解列した時のみ条件成立と判断する。
つまりプレイバック条件の系統状態が設定された訓練時
刻内に発生した時だけ、系統データを保存することがで
きる。
【0053】上記実施例によればある条件を予め設定し
その条件と一致する系統データ全てを保存し、プレイバ
ック時このデータを系統データとして使用することによ
って膨大な系統データ保存の必要はなくなる。又、その
時点の系統データ全てを保存するので系統を正確に再現
することができる。又、従来はプレイバックを実施する
場合、時刻を指定していたので出力結果からオペレータ
がこの時刻を決めていた。しかし本実施例では系統の変
化をプレイバック条件としているので、オペレータの時
刻を求める作業がなくなる。又、このプレイバック条件
は1つの条件に複数の系統状態を設定することができる
ため、いろいろな系統変化に着目し訓練を再開すること
ができる。更に訓練中にプレイバック条件が何度も成立
した場合は、継続発生中を除いてその都度系統データを
保存するので、どの時点の条件成立からでも訓練を再開
することができる。以上のように少ないデータエリアで
正確なプレイバックを実施できる。
【0054】図9は本発明の[請求項4]に係る電力系
統運用訓練シミュレータの一実施例の構成図である。図
9において図13と同一部分については同一符号を付して
説明を省略する。本実施例では訓練終了後、トレーナが
模擬系統上に起こした系統故障の原因やこれに対してと
るべき対策を説明し、訓練の評価を行なうために、系統
状態表示を早送り/巻戻しをするものである。そして、
本実施例における特徴部分は、図13の構成に対して早送
り巻戻しモード入力手段22と、早送り巻戻しモード保存
ファイル23と、早送り巻戻し速度入力手段24と、時刻管
理手段25を設けた点である。
【0055】次に作用を図10のフローチャートによって
説明する。訓練終了後、早送り/巻戻し再生の開始を指
示する。ステップS101 において、オペレータは早送り
/巻戻しモードの指定を早送り巻戻しモード入力手段22
によって行ない、開始時刻及び速度の設定を早送り巻戻
し速度入力手段24によって行なう。ステップS102 にお
いては、ステップS101 で設定した速度に対応する表示
時間間隔を算出する。ステップS103 においては、ステ
ップS101 で設定した開始時刻を表示系統時刻として設
定する。ステップS104 においては、ステップS103 ,
S106 、又はS107 で設定した表示系統時刻に一番近い
時刻の系統状態データを系統断面保存ファイル17より取
り出す。ステップS105 においては、ステップS101 に
おいてオペレータが指定したモードが早送りであれば
(YES)、ステップS106 へ進み、巻戻しであれば
(NO)、ステップS107 へ進む。ステップS106 にお
いては、表示系統時刻にステップS102 で算出した時間
を加え、ステップS108 へ進む。ステップS107 におい
ては、表示系統時刻からステップS102 で算出した時間
を減じる。ステップS108 においては、オペレータから
の終了指示の有無を判定し、終了(YES)の時は終了
し、終了でないとき(NO)はステップS104 へ戻り、
上記処理を繰り返す。
【0056】図11は更に他の実施例の構成図であり図9
との差異は、電力系統訓練シミュレータに系統盤を設け
た点である。これにより取り出した各時間毎の系統状態
データを順序系統盤へ伝送し表示させれば、系統盤上に
おいても早送り/巻戻し再生を行なうことが可能とな
る。以上説明したように、本実施例によれば早送り/巻
戻し再生機能の付加により、訓練時のデータを希望の速
度で再現でき、必要な系統状態を素早く取り出すことが
できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればオ
ペレータの運用訓練に際して、トレーナが表示された数
値を見ながら行なうことができ、かつ系統の再現に際し
て、少ない保存エリアで正確にプレイバックができるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の[請求項1]に係る電力系統運用訓練
シミュレータに対応する一実施例の構成図。
【図2】発電機に対する支援用表示例図。
【図3】過/不足電圧リレーに対する支援用表示例図。
【図4】本発明の[請求項2]に係る電力系統運用訓練
シミュレータに対応する一実施例の構成図。
【図5】事故復旧操作手順を作成する処理を示すフロー
チャート。
【図6】本発明の[請求項3]に係る電力系統運用訓練
シミュレータに対応する一実施例の構成図。
【図7】図6の処理内容を示すフローチャート。
【図8】プレイバック条件データの例を示す図。
【図9】本発明の[請求項4]に係る電力系統運用訓練
シミュレータに対応する一実施例の構成図。
【図10】図9の処理内容を示すフローチャート。
【図11】図9の更に変形例図。
【図12】従来装置の一例図。
【図13】従来装置の他の一例図。
【符号の説明】
1 トレーナ用マン・マシン装置 2 トレーニ用マン・マシン装置 3 系統模擬監視・制御装置 4 シミュレータデータ保存エリア 5 電力系統応動模擬手段 6 チューニング設定手段 7 テレメータ値保存手段 8 支援用表示手段 10 電力系統訓練シミュレータ 11 系統データ入力手段 12 仮想事故入力手段 13 訓練ケース保存手段 14 訓練ケース保存ファイル 15 系統制御入力手段 16 系統模擬手段 17 系統断面保存ファイル 18 系統模擬結果保存ファイル 19 系統模擬結果出力手段 20 プレイバック条件入力手段 21 プレイバック条件保存ファイル 22 早送り巻戻しモード入力手段 23 早送り巻戻しモード保存ファイル 24 早送り巻戻し速度入力手段 25 時刻管理手段 40 入出力処理手段 41 電力系統模擬データ保存手段 42 操作・設定データ保存手段 43 事故復旧操作手順作成知識ベース 44 事故復旧操作手順作成手段 45 事故復旧操作手順保存手段 46 操作手順判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 直子 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の応動を模擬し、電力系統運用
    者の訓練を行なう電力系統運用訓練シミュレータにおい
    て、シミュレータデータ保存エリア内に保存された開閉
    器の開閉状態を基に電力系統内各設備の接続情報を作成
    し、この接続情報と負荷電力,発電機出力とから系統内
    の各種電気量を模擬すると共に、訓練指導者が設定した
    事故発生時刻が到来したとき当該事故を発生させ、各種
    リレーの動作を模擬する電力系統応動模擬手段と、前記
    各種リレーの動作判定に際して必要とする各種整定値を
    設定,変更するチューニング設定手段と、系統内の各設
    備及び各リレー監視点からの検出電気量のテレメータ値
    を保存するテレメータ値保存手段と、前記保存された諸
    量を表示する支援用表示手段とを備えたことを特徴とす
    る電力系統運用訓練シミュレータ。
  2. 【請求項2】 電力系統の応動を模擬し、電力系統運用
    者の訓練を行なう電力系統運用訓練シミュレータにおい
    て、電力系統設備の応動を模擬する手段と、自動的に事
    故発生時の復旧操作手順を作成する事故復旧操作手順作
    成手段と、前記作成された事故復旧操作手順を保存する
    事故復旧操作手順保存手段と、前記保存された事故復旧
    操作手順を入力し、運用者及び訓練指導者に提供する入
    出力処理手段と、前記保存された事故復旧操作手順を入
    力し、運用者が行なった事故復旧操作手順と比較し、運
    用者が行なった操作が正しいか否かを判定する操作手順
    判定手段とを備えたことを特徴とする電力系統運用訓練
    シミュレータ。
  3. 【請求項3】 系統データを入力する系統データ入力手
    段と、仮想事故を入力する仮想事故入力手段と、訓練ケ
    ースを保存する訓練ケース保存手段と、オペレータの系
    統制御を入力する系統制御入力手段と、電力系統を模擬
    する系統模擬手段と、系統模擬結果を出力する系統模擬
    結果出力手段からなる電力系統運用訓練シミュレータに
    おいて、運用者によって系統状態の条件を設定するプレ
    イバック条件入力手段と、前記条件データを保存するプ
    レイバック条件保存ファイルとを備えたことを特徴とす
    る電力系統運用訓練シミュレータ。
  4. 【請求項4】 系統データを入力する系統データ入力手
    段と、仮想事故を入力する仮想事故入力手段と、訓練ケ
    ースを保存する訓練ケース保存手段と、オペレータの系
    統制御を入力する系統制御入力手段と、電力系統を模擬
    する系統模擬手段と、系統模擬結果を出力する系統模擬
    結果出力手段からなる電力系統運用訓練シミュレータに
    おいて、オペレータが早送り/巻戻しのモード指定を行
    なう早送り/巻戻しモード入力手段と、この指定モード
    を保存する早送り/巻戻しモード保存ファイルと、早送
    り/巻戻し速度を入力する早送り/巻戻し速度入力手段
    と、入力した早送り/巻戻し速度から表示する系統の時
    間間隔を算出するための時刻管理手段とを備えたことを
    特徴とする電力系統運用訓練シミュレータ。
JP5179959A 1993-06-25 1993-06-25 電力系統運用訓練シミュレータ Pending JPH0715861A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5179959A JPH0715861A (ja) 1993-06-25 1993-06-25 電力系統運用訓練シミュレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5179959A JPH0715861A (ja) 1993-06-25 1993-06-25 電力系統運用訓練シミュレータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0715861A true JPH0715861A (ja) 1995-01-17

Family

ID=16074963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5179959A Pending JPH0715861A (ja) 1993-06-25 1993-06-25 電力系統運用訓練シミュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0715861A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012023871A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Mitsubishi Electric Corp 電鉄用変電所監視制御システム、電鉄用変電所監視制御装置、および電鉄用変電所監視制御方法
JP2013238749A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Mitsubishi Electric Corp 電力系統設備を対象にする訓練シミュレータ
KR101482459B1 (ko) * 2013-12-19 2015-01-22 엘에스산전 주식회사 급전원 훈련 시뮬레이팅 장치 및 그 동작 방법
CN104897930A (zh) * 2015-05-21 2015-09-09 国家电网公司 多套配电自动化终端遥测检测中电流源施加系统及方法
CN105425101A (zh) * 2014-09-17 2016-03-23 南方电网科学研究院有限责任公司 一种电力系统故障录波回放方法
JP2021004908A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 日本メックス株式会社 受電設備の異常時対応訓練方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012023871A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Mitsubishi Electric Corp 電鉄用変電所監視制御システム、電鉄用変電所監視制御装置、および電鉄用変電所監視制御方法
JP2013238749A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Mitsubishi Electric Corp 電力系統設備を対象にする訓練シミュレータ
KR101482459B1 (ko) * 2013-12-19 2015-01-22 엘에스산전 주식회사 급전원 훈련 시뮬레이팅 장치 및 그 동작 방법
CN105425101A (zh) * 2014-09-17 2016-03-23 南方电网科学研究院有限责任公司 一种电力系统故障录波回放方法
CN104897930A (zh) * 2015-05-21 2015-09-09 国家电网公司 多套配电自动化终端遥测检测中电流源施加系统及方法
JP2021004908A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 日本メックス株式会社 受電設備の異常時対応訓練方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kundur et al. Practical considerations in voltage stability assessment
JPH0715861A (ja) 電力系統運用訓練シミュレータ
JP2001112172A (ja) 電力送電系の教育・訓練シュミレータ
JP3080795B2 (ja) 電力系統の周波数シミュレーション方法および電力系統訓練用シミュレータ
DyLiacco et al. Considerations in developing and utilizing operator training simulators
Susumago et al. Development of a large-scale dispatcher training simulator and training results
JPH08317559A (ja) 電力系統運用訓練シミュレータ
JP4040847B2 (ja) 訓練用シミュレータおよび電力系統模擬方法
JPH10240113A (ja) 電力系統運用訓練シミュレータ
JP3105016B2 (ja) 電力系統事故判定装置
JP2000175357A (ja) 電力系統運用訓練シミュレータ並びにプログラムを記録した記録媒体
JP3238179B2 (ja) 電力系統運用訓練シミュレータ
JP2736133B2 (ja) 電力系統訓練シミュレータ
JPH05127588A (ja) 電力系統運用訓練シミユレータ
CN113702736B (zh) 备自投装置定检方法、装置、系统和计算机设备
JPH0816092A (ja) 訓練用シミュレータ装置
JPH053630A (ja) 電力系統運用訓練シミユレータ
Shiota et al. Development of training simulator for power system operators
JPH08340636A (ja) 電力系統監視制御装置及びその訓練装置
JPH08110809A (ja) 電力系統模擬装置
JPH0784513A (ja) 電力系統運用訓練シミュレータ
JPH0619386A (ja) 電力系統運用訓練シミュレータ
JPH10268744A (ja) 訓練シミュレータ用補助装置
JP2848678B2 (ja) 訓練シミュレータ
JPH05165395A (ja) 電力系統訓練シミュレータ