JPH07158412A - カムシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

カムシャフトおよびその製造方法

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JPH07158412A
JPH07158412A JP5307811A JP30781193A JPH07158412A JP H07158412 A JPH07158412 A JP H07158412A JP 5307811 A JP5307811 A JP 5307811A JP 30781193 A JP30781193 A JP 30781193A JP H07158412 A JPH07158412 A JP H07158412A
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JP
Japan
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cam piece
shaft member
journal
spacer
shaft
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Application number
JP5307811A
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English (en)
Inventor
Koichi Yokota
浩一 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsumoto Heavy Industry Co Ltd
Original Assignee
Matsumoto Heavy Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07158412A publication Critical patent/JPH07158412A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H53/00Cams ; Non-rotary cams; or cam-followers, e.g. rollers for gearing mechanisms
    • F16H53/02Single-track cams for single-revolution cycles; Camshafts with such cams
    • F16H53/025Single-track cams for single-revolution cycles; Camshafts with such cams characterised by their construction, e.g. assembling or manufacturing features
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/02Valve drive
    • F01L1/04Valve drive by means of cams, camshafts, cam discs, eccentrics or the like
    • F01L1/047Camshafts
    • F01L2001/0475Hollow camshafts

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シャフト部材に対するカムピースのシャフト
部材の回転方向およびスラスト方向の固定強度が大き
く、異なるエンジンに対してもカムピース等の部品を共
通に使用することができる構造が簡単で製造が容易なカ
ムシャフトおよびその製造方法を提供する。 【構成】 シャフト部材14を、中空のジャーナル1
2、軸孔11aを有するカムピース11および中空のス
ペーサ部材17に挿通する。これらジャーナル12、カ
ムピース11およびスペーサ部材17をシャフト部材1
4の一端側の抜止部14aで抜止し、シャフト部材14
の他端部にボルト16を締結する。抜止部14aとボル
ト16との間にて、ジャーナル12、カムピース11お
よびスペーサ部材17を、所定の間隔および位相を有し
てシャフト部材14に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのクランクシ
ャフトの回転に同期してエンジンの吸気弁や排気弁の開
閉を行うカムシャフトおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用エンジンにおいては、D
OHC機構の採用、気筒のV型配列等によりカムシャフ
トの本数が増える傾向にあり、これに伴って、エンジン
の動弁系が大型化、重量化するといった問題があった。
このため、カムシャフトに対しても、カムフェース面の
耐摩耗性等の性能を低下させることなく、重量の軽量化
を図ることが要請されている。
【0003】そこで、従来、図19に示すように、カム
ピース1およびジャーナル2とともにカムシャフト3を
構成しているシャフト部材4を中空円筒状のものとして
軽量化を図るとともに、カムピース1をシャフト部材4
とは別の耐摩耗性の大きい材料で製作し、たとえば図2
0ないし図23のような加工法(いわゆるバルジ加工
法)あるいは図24ないし図27に示すような加工法
(いわゆる圧入法)を用いて、上記カムピース1をシャ
フト部材4へ固定するようにしていた。
【0004】すなわち、図20ないし図23に示す加工
法では、上記カムピース1は、図21に示すように、シ
ャフト部材4の外径よりも若干大きい径を有する軸孔1
aを有するとともに、この軸孔1aの内壁面には、上記
カムシャフト3が使用されるエンジンにより定まるカム
位相に等しい角度間隔を有して複数の凹部1bが形成さ
れたものを用いる。また、上記シャフト部材4は、図2
2に示すように、その外面にカムピース1の上記凹部1
bと同じ角度間隔を有して軸方向に平行に走る突条4a
が形成されたものを用いる。上記カムピース1の軸孔1
aには、そのカムピース1のカム位相に従って上記シャ
フト部材4を挿通する。この状態で、図23に図20の
II−II線に沿う断面を示すように、シャフト部材4の中
空部に高圧流体または中空部より大径の拡管部を備えた
拡管治具を圧入してシャフト部材4を、矢印A1で示す
ように、径方向に膨出変形させ、上記カムピース1をシ
ャフト部材4に固定する。
【0005】一方、図24ないし図27に示す加工法で
は、上記カムピース1は、シャフト部材4に形成したセ
レーション部5の外径よりも若干小さい径を有する軸孔
1aを有する(図25参照)。また、上記シャフト部材
4は、図26に示すように、その上記セレーション部5
の外面に上記シャフト部材4の軸方向に平行に走るロー
レット5aが形成される。上記カムピース1の軸孔1a
には、そのカムピース1のカム位相に従って上記シャフ
ト部材4を位置決めするとともに、図24において、矢
印A2で示す向きに、上記カムピース1をシャフト部材
4の軸方向に力を作用させ、上記カムピース1の軸孔1
a内にシャフト部材4のセレーション部5を圧入し、図
27に図24のIII−III線に沿う断面を示すように、上
記カムピース1をシャフト部材4に固定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シャフト部
材4の中空部に高圧流体または中空部より大径の拡管部
を備えた拡管治具を圧入してシャフト部材4を径方向に
膨出変形させ、カムピース1をシャフト部材4に固定す
る図20から図23の加工法では、カムピース1の軸孔
1aの凹部1bにシャフト部材4の突条4aが嵌合して
いるので、カムピース1はシャフト部材4の軸の回転方
向の接合強度は大きい。これに対して、シャフト部材4
の軸方向(スラスト方向)に対しては、シャフト部材4
の拡開によるカムピース1への圧接力による摩擦接合の
みにより、カムピース1がシャフト部材4に固定されて
いるだけであるので、カムピース1のシャフト部材4の
スラスト方向への接合力が小さいという問題があった。
また、シャフト部材4に各カムピース1を固定する際の
カム位相は、カムピース1の上記凹部1aとシャフト部
材4の上記突条4aとにより一定の角度に規定されてし
まい、シリンダ数の異なる(カム位相が異なる)エンジ
ンには、カムピース1を共通に使用することができない
という問題もあった。
【0007】また、カムピース1をシャフト部材4の軸
方向に力を作用させ、カムピース1の軸孔1a内にシャ
フト部材4のセレーション部5を圧入して、カムピース
1をシャフト部材4に固定する図24ないし図27の加
工方法では、カムピース1の軸孔1a内へのシャフト部
材4のセレーション部5の圧入による摩擦接合により、
カムピース1がシャフト部材4に固定されているので、
カムピース1は、シャフト部材4の軸の回転方向にも、
また、シャフト部材4のスラスト方向に対しても、カム
ピース1のシャフト部材4への接合力が小さい。しか
も、この加工法では、シャフト部材4のカムピース1の
固定部分には、セレーション部5を形成しなければなら
ず、カムピース1の個数やジャーナル2のピッチ等が異
なるエンジンに対応するのが困難であった。
【0008】本発明の目的は、シャフト部材に対するカ
ムピースのシャフト部材の回転方向およびスラスト方向
の両方の固定強度が大きく、シリンダ数の異なるエンジ
ンに対しても、カムピース等の部品を共通に使用するこ
とができる構造が簡単なカムシャフトを提供することで
ある。
【0009】本発明のいま一つの目的は、特別な工具や
機械装置を使用することなく、種類の異なるエンジンの
カムシャフトを簡単に組み立てることができるカムシャ
フトの組立方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、一端側に抜止部を有する
シャフト部材と、このシャフト部材が挿通される中空の
ジャーナルと、上記シャフト部材が挿通される軸孔を有
するカムピースと、上記シャフト部材が挿通されてカム
ピースの間隔を規定する中空のスペーサと、上記シャフ
ト部材の一端側に位置する抜止部と、上記シャフト部材
の他端部に締結されて上記抜止部との間で上記カムピー
ス、ジャーナルおよびスペーサに上記シャフト部材の軸
方向に圧縮力を作用させて、上記カムピースを所定の間
隔および位相を有して上記シャフト部材に締結する締結
部材とを備えたことを特徴とする。
【0011】上記目的を達成するため、請求項2にかか
る発明は、請求項1にかかる発明において、上記カムピ
ースと上記ジャーナルとの間および上記カムピースと上
記スペーサとの間に楔部材を備えたことを特徴とする。
【0012】上記目的を達成するため、請求項3にかか
る発明は、請求項1にかかる発明において、上記カムピ
ースと上記ジャーナルと上記シャフト部材との間および
上記カムピースと上記スペーサと上記シャフト部材との
間に楔部材を備えたことを特徴とする。
【0013】上記目的を達成するため、請求項4にかか
る発明は、請求項2または3にかかる発明において、上
記楔部材が鋼球であることを特徴とする。
【0014】上記目的を達成するため、請求項5にかか
る発明は、請求項2または3にかかる発明において、上
記楔部材がシャフト部材とカムピースとの間に喰い込む
楔部分および上記シャフト部材とジャーナルまたはスペ
ーサとの間に喰い込むいま一つの楔部分とを有するチッ
プ状の板部材からなることを特徴とする。
【0015】上記いま一つの目的を達成するため、請求
項6にかかる発明は、シャフト部材を中空のジャーナ
ル、軸孔を有するカムピースおよび中空のスペーサ部材
に挿通し、これらジャーナル、カムピースおよびスペー
サ部材をシャフト部材の一端側の抜止部で抜止し、上記
シャフト部材の他端部に締結部材を締結して、上記抜止
部と締結部材との間にて上記ジャーナル、カムピースお
よびスペーサ部材に上記シャフト部材の軸方向に圧縮力
を作用させ、上記カムピースを所定の間隔および位相を
有して上記シャフト部材に固定することを特徴とする。
【0016】上記いま一つの目的を達成するため、請求
項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、
上記カムピースと上記ジャーナルとの間および上記カム
ピースと上記スペーサとの間に楔部材を配置して、上記
締結部材を締結することを特徴とする。
【0017】上記いま一つの目的を達成するため、請求
項8にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、
上記カムピースと上記ジャーナルと上記シャフト部材と
の間および上記カムピースと上記スペーサと上記シャフ
ト部材との間に楔部材を配置して、上記締結部材を締結
することを特徴とする。
【0018】
【発明の作用および効果】請求項1にかかる発明によれ
ば、ジャーナル、カムピースおよびスペーサに挿通され
たシャフト部材の一端部の抜止部と他端部に締結された
締結部との間でカムピース、ジャーナルおよびスペーサ
にシャフト部材の軸方向に圧縮力が作用して、カムピー
スが所定の間隔およびカム位相を有してシャフト部材に
固定されるので、カムピースのシャフト部材のスラスト
方向およびシャフトの軸の回転方向の接合力は、カムピ
ースに作用する圧縮強度に対応してカムピースとジャー
ナルおよびカムピースとスペーサとの接合面の摩擦力が
大きくなり、従来の摩擦接合に比較してはるかに大きい
接合力を得ることができる。また、カムピースのカム位
相の設定も任意であり、エンジンのバルブタイミングの
変更が一つのカムシャフトで行なうことができるので、
エンジンの多弁化により要求されるカム位相、カムピー
スとジャーナルとのピッチ等の多様化に容易に対応する
ことができる。
【0019】また、請求項2にかかる発明によれば、締
結部材から作用する圧縮力により、カムピースとジャー
ナルとの間の楔部材がこれらカムピースとジャーナルを
塑性変形させるとともに、カムピースとスペーサとの間
の楔部材がこれらカムピースとスペーサを塑性変形させ
るので、楔部材によるくさび効果に加えて摩擦力も大き
くなり、カムピースのシャフト部材の回転方向およびス
ラスト方向の接合力を、より一層大きなものとすること
ができる。
【0020】また、請求項3にかかる発明によれば、締
結部材から作用する圧縮力により、カムピースとジャー
ナルとシャフト部材との間の楔部材がこれらカムピース
とジャーナルとシャフト部材とを塑性変形させるととも
に、カムピースとスペーサとシャフト部材との間の楔部
材がこれらカムピースとスペーサとシャフト部材を塑性
変形させるので、楔部材によるくさび効果に加えて摩擦
力も大きくなり、カムピースのシャフト部材の回転方向
およびスラスト方向の接合力を、さらにより一層大きな
ものとすることができる。
【0021】さらに、請求項4にかかる発明によれば、
楔部材は硬度の高い鋼球からなるものであるので、締結
部材から作用する圧縮力により、楔部材は容易にカムピ
ース、スペーサおよびジャーナル等を塑性変形させ、こ
れらの部材を確実に一体に接合することができる。
【0022】さらにまた、請求項5にかかる発明によれ
ば、チップ状の板部材からなる楔部材の楔部分がシャフ
ト部材とカムピースとの間およびシャフト部材とジャー
ナルまたはスペーサとの間に喰い込んでこれらの部材を
塑性変形させるので、これら部材をより確実に一体に接
合することができる。
【0023】さらにまた、請求項6にかかる発明によれ
ば、エンジンに応じて、中空のジャーナル、軸孔を有す
るカムピースおよび中空のスペーサ部材を用い、これら
ジャーナル、カムピースおよびスペーサ部材にシャフト
部材を挿通し、シャフト部材に締結部材を締結すること
により、特別な工具や機械装置を使用することなく、カ
ムシャフトが使用されるエンジンに適合する必要なカム
シャフトを簡単に組み立てることができる。
【0024】さらにまた、請求項7にかかる発明によれ
ば、締結部材のシャフト部材への締結に際して、カムピ
ースとジャーナルとの間およびカムピースとスペーサと
の間に楔部材を配置して締結部材を締結することによ
り、カムピース、ジャーナルおよびスペーサに楔部材を
塑性変形させることができ、カムピース、ジャーナルお
よびスペーサを簡単かつ確実に一体に接合することがで
きる。
【0025】さらにまた、請求項8にかかる発明によれ
ば、締結部材のシャフト部材への締結に際して、カムピ
ースと上記ジャーナルとシャフト部材との間およびカム
ピースとスペーサとシャフト部材との間にチップ状の楔
部材を配置して締結部材を締結することにより、カムピ
ース、ジャーナル、スペーサおよびシャフト部材に楔部
材を喰い込ませて塑性変形させることができ、カムピー
ス、ジャーナル、スペーサおよびシャフト部材を簡単か
つ容易に一体に接合することができる。
【0026】
【実施例】以下に、添付の図面を参照して本発明の実施
例を説明する。本発明にかかるカムシャフトの一実施例
の一部断面正面図を図1に、また、図1の要部を拡大し
た断面図を図2に示す。
【0027】上記カムシャフト13は、中空円筒状のシ
ャフト部材14を備える(図4参照)。このシャフト部
材14は、その一端側に、他の部分よりも径が一段大き
くなった大径部14aを有する。この大径部14aに
は、具体的には図示しないが、たとえばチェーンスプロ
ケットが取り付けられ、このチェーンスプロケットとエ
ンジンのクランクシャフトに取り付けられたいま一つの
チェーンスプロケットとの間にチェーンが張り渡され
る。これにより、上記カムシャフト13はエンジンのク
ランクシャフトの回転に同期して回転駆動される。上記
シャフト部材14はまた、その他端部の内周面に、後述
するボルト16が螺合するねじ溝14bが形成されてい
る。
【0028】上記シャフト部材14には、ジャーナル1
2、カムピース11(図3参照)およびスペーサ17が
外嵌する。上記ジャーナル12は、シャフト部材14の
外径よりも僅かに大きい内径を有する中空円筒状を有す
る。また、上記カムピース11は、シャフト部材14の
外径よりも僅かに大きい径を有する軸孔11aを備え
る。さらに、上記スペーサ17は、上記シャフト部材1
4の外径よりも僅かに大きい内径を有する中空円筒状を
有する。
【0029】上記ジャーナル12、カムピース11およ
びスペーサ17は、シャフト部材14の一端側の上記大
径部14aを抜止部として、シャフト部材14の他端部
に締結されたボルト16により、上記シャフト部材14
に外嵌して固定される。
【0030】以上に説明した図1および図2の構造を有
するカムシャフト13の組立は、次のようにして行うこ
とができる。すなわち、上記シャフト部材14の他端部
より、上記カムシャフト13が組み込まれるエンジンの
仕様に従って、順次、ジャーナル12、スペーサ17、
カムピース11、ジャーナル12、カムピース11、
…、ジャーナル12、カムピース11を、上記シャフト
部材14に嵌挿する。そして、上記各カムピース11を
互いに上記エンジンのカム位相に合致させた状態で、上
記シャフト部材14の他端部のねじ溝14bにボルト1
6をねじ込んで、このボルト16をシャフト部材14に
締結すれば、上記カムシャフト13が完成する。
【0031】上記ジャーナル12、カムピース11およ
びスペーサ17は、シャフト部材14の一端部の大径部
14aと他端部に締結されたボルト16との間で、ボル
ト16のシャフト部材14の上記他端部への締結によ
り、上記カムピース11、ジャーナル12およびスペー
サ17には、シャフト部材14の軸方向に圧縮力が作用
する。この圧縮力によるカムピース11、ジャーナル1
2およびスペーサ17の相互の摩擦接合によりカムピー
ス11が所定の間隔および位相を有してシャフト部材1
4に固定されることになる。
【0032】次に、上記ボルト16のシャフト部材14
への締結によるカムピース11、ジャーナル12および
スペーサ17の摩擦接合について、その計算例を示す。
1.ボルト16の締付けによるカムピース11、ジャー
ナル12およびスペーサ17の圧縮力(シャフト部材1
4の軸力)の計算例一般に、ねじの降伏軸力Ffyは、次
の数1により求めることができる(JISB 1083
(1990) ねじの締付け通則 参照)。
【0033】
【数1】 Ffy=σyS/[1+3{(2/dA)(P/π + μS2secα´)}]1/2
【0034】ここで、 σy=ボルト16の降伏点または耐力 As=ねじの有効断面積 dA=ねじの有効断面積に等しい面積をもつ円の直径 P=ねじのピッチ μS=ねじ面の摩擦係数 d2=ねじの有効径 α´=ねじ山の山直角断面におけるフランク角 である。
【0035】いま、ねじ材料の引張強さσBを120k
gf/mm2とすると、降伏応力σyは約108kgf/
mm2である。
【0036】ねじの有効断面積Asは次の数2により求
める。
【0037】
【数2】AS=(d−0.9382×P)2π/4
【0038】ここで、 d=ねじ外径(mm) P=ねじピッチ(mm) である。
【0039】いま、ねじのサイズをM18×1.0とす
ると、上記数2より、AS=228.6(mm2)であ
る。
【0040】ねじの有効断面積に等しい面積をもつ円の
直径dAは、次の数3により求められ、dA=17.1
(mm)となる。
【0041】
【数3】dA=d−0.9382×P
【0042】ねじ面の最小摩擦係数μsmin(ねじの表面
状態、表面処理で変化する。)は、μsmin=0.1とす
る。
【0043】ねじの有効径d2は、次の数4により、d2
=17.4(mm)となる。
【0044】
【数4】d2=d−0.649519×P
【0045】ねじ山の山直角断面におけるフランク角α
´は、 α=ねじ山のフランク角=30度 β=ねじのリード角=tanβ=P/(πd2) とすると、次の数5により、α´=29.996度とな
る。
【0046】
【数5】tanα´=tanαcosβ
【0047】以上から、数1を用いて、ねじの降伏軸力
fyは、Ffy=22334kgfとなる。以上の計算例
は、図6に示すQ点の軸力を計算したものである。
【0048】2.カム、ジャーナル12およびスペーサ
17の接合面回転方向の接合力の計算例(図5参照)図
5においてクロスハッチングが付されたカムピース11
とジャーナル12との接合面における摩擦の等価直径d
wを、次の数6により求める。
【0049】
【数6】 dw=(d0 3−di 3)/(d0 2−di 2)×(2/3)
【0050】図5において、d0=28(mm),d=
23(mm)とすると、上記数6より、dw=25.6
(mm)となる。
【0051】上記接合面の摩擦の等価半径dw1はdw
1/2であるので、dw1=12.8(mm)である。
【0052】上記接合面の摩擦力Tkは、次の数7で求
められる。
【0053】
【数7】 Tk=Ffy×μ×dw1×1×10-3(kgf・m)
【0054】上記接合面の摩擦係数μ=0.1とする
と、上記数7から、 Tk=22334×0.1×12.8×1×10-3 =28.6(kgf・m) となる。ただし、Tkは一つの接合面の摩擦力で、実際
には、カムピース11、スペーサ17およびジャーナル
12は、それぞれ2つの接合面を有しているので、各々
の部品に発生する摩擦力(回転方向の接合トルク)は上
記で求めたTkの2倍、すなわち、57.2kgf・m
になる。これに対し、図20から図23において説明し
たものでは、上記摩擦力の計測値は、約35kgf・m
であり、図24から図27において説明したものでは、
上記摩擦力の計測値は、約28kgf・mであった。
【0055】上記したことから、カムピース11のシャ
フト部材14のスラスト方向およびシャフト部材14の
軸の回りの回転方向の接合力は、カムピース11に作用
する圧縮強度に対応した大きさとなり、従来の摩擦接合
に比較してはるかに大きい接合力を得ることができるこ
とが分かる。
【0056】また、カムピース11の位相角の設定も任
意であり、エンジンのバルブタイミングの変更が一つの
カムシャフト13で行なうことができ、しかも、カムピ
ース11、ジャーナル12およびスペーサ17にシャフ
ト部材14を挿通して、ボルト16をシャフト部材14
に締結するだけで、簡単にカムシャフト13を組み立て
ることができる。
【0057】本発明のいま一つの実施例を図7ないし図
9に示す。この実施例は、図1から図6において説明し
た実施例において、カムピース11とジャーナル12と
の間に鋼球からなる楔部材21を配置するとともに、カ
ムピース11とスペーサ17との間にも上記と同様の楔
部材21を配置し、上記シャフト部材14の他端部にボ
ルト16を締結するようにしたものである。なお、図7
ないし図9において、図1から図6に対応する部分には
対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
【0058】ボルト16の締結の大きさは、この締結に
よりカムピース11、ジャーナル12およびスペーサ1
7に作用する圧縮力が、これらカムピース11、ジャー
ナル12およびスペーサ17の弾性限度内となるような
大きさであっても、また、これらカムピース11、ジャ
ーナル12およびスペーサ17の接合面を局部的に塑性
変形させてこれら接合面に喰い込むような大きさであっ
ても、さらには接合面どうしが密着するような大きさを
有していてもよい。
【0059】このような構成であれば、カムピース1
1、ジャーナル12およびスペーサ17の接合面におけ
る摩擦係数が大きくなり、カムピース11は、シャフト
部材14の軸の回りの回転方向の接合力が、より一層大
きなものとなる。
【0060】本発明のさらにいま一つの実施例を図10
ないし図12に示す。この実施例は、図7から図9にお
いて説明した実施例において、カムピース11とジャー
ナル12とシャフト部材14との間に鋼球からなる楔部
材21を配置するとともに、カムピース11とスペーサ
17とシャフト部材14との間にも上記と同様に鋼球か
らなる楔部材21を配置し、上記シャフト部材14の他
端部にボルト16を締結するようにしたものである。な
お、図10ないし図12において、図7から図9に対応
する部分には対応する符号を付して示し、重複した説明
は省略する。
【0061】ボルト16の締結の大きさは、この締結に
よりカムピース11、ジャーナル12、スペーサ17お
よびシャフト部材14に作用する圧縮力が、これらカム
ピース11、ジャーナル12、スペーサ17およびシャ
フト部材14の弾性限度内となるような大きさであって
も、また、これらカムピース11、ジャーナル12、ス
ペーサ17およびシャフト部材14の接合面を局部的に
塑性変形させてこれら接合面に喰い込むような大きさで
あっても、カムピース11、ジャーナル12およびスペ
ーサ17の接合面どうしが密着するような大きさを有し
ていてもよい。
【0062】このような構成であれば、カムピース1
1、ジャーナル12、スペーサ17およびシャフト部材
14の接合面における摩擦係数が大きくなり、カムピー
ス11は、シャフト部材14の軸の回りの回転方向の接
合力が、より一層大きなものとなる。
【0063】本発明のさらにいま一つの実施例を図13
ないし図15に示す。この実施例は、図10から図12
において説明した実施例において、ねじ部材16の締結
により、カムピース11とシャフト部材14との間に喰
い込む楔部分22bおよびカムピース11とジャーナル
12またはスペーサ17との間に喰い込むいま一つの楔
部分22aが一体となったチップ状の楔部材22を、シ
ャフト部材14とカムピース11とジャーナル12との
間、およびシャフト部材14とカムピース11とスペー
サ17との間に配置し、上記シャフト部材14の他端部
にボルト16を締結するようにしたものである。なお、
図13ないし図15において、図10から図12に対応
する部分には対応する符号を付して示し、重複した説明
は省略する。
【0064】ボルト16の締結の大きさは、この締結に
よりカムピース11、ジャーナル12、スペーサ17お
よびシャフト部材14に作用する圧縮力が、これらカム
ピース11、ジャーナル12、スペーサ17およびシャ
フト部材14の弾性限度内となるような大きさであって
も、また、これらカムピース11、ジャーナル12、ス
ペーサ17およびシャフト部材14の接合面を局部的に
塑性変形させてこれら接合面に上記楔部材22の楔部分
22a,22bが喰い込むような大きさであっても、さ
らにカムピース11、ジャーナル12およびスペーサ1
7の接合面どうしが密着するような大きさを有していて
もよい。
【0065】このような構成であれば、カムピース1
1、ジャーナル12、スペーサ17およびシャフト部材
14が上記楔部材22によりほぼ一体に結合された状態
となり、カムピース11は、シャフト部材14の軸の回
りの回転方向の接合力が非常に大きなものとなる。
【0066】なお、上記図13ないし図15の実施例に
おいて、カムピース11、ジャーナル12、スペーサ1
7およびシャフト部材14には、予め、上記楔部材22
が嵌合する嵌合溝(図示せず。)を形成しておいてもよ
い。
【0067】また、図16から図18に示すように、カ
ムピース11の軸孔11aの開口周縁に楔面23を形成
する一方、ジャーナル12およびスペーサ17に、上記
カムピース11の軸孔11aの上記開口周縁に対応し
て、楔部分24を形成するようにしてもよい。このよう
にすれば、楔部材21,22が不要になり、カムシャフ
ト13の部品点数が削減されるとともにカムシャフト1
3の組立も容易になる。
【0068】以上に説明した実施例では、シャフト部材
14の他端部の内周面にねじ溝14bを形成してボルト
16を締結するようにしたが、シャフト部材14の他端
部の外周面にねじ溝を形成し、ボルト16に代えてナッ
トを締結するようにしてもよい。また、シャフト部材1
4は中実のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるカムシャフトの一実施例の一
部断面正面図である。
【図2】 図1のカムシャフトの要部を示す一部断面正
面図である。
【図3】 図2のIV−IV線に沿うカムピースの断面図で
ある。
【図4】 図2のIV−IV線に沿うシャフト部材の断面図
である。
【図5】 図2のIV−IV線に沿うカムピースとジャーナ
ルまたはスペーサの断面図である。
【図6】 最小摩擦係数と最大摩擦係数におけるボルト
の締付けトルクと締付け軸力との関係を示す説明図であ
る。
【図7】 本発明にかかるカムシャフトのいま一つの実
施例の要部の部分断面正面図である。
【図8】 図7のV−V線に沿う断面図である。
【図9】 図7のVI−VI線に沿う断面図である。
【図10】 本発明にかかるカムシャフトのいま一つの
実施例の要部の部分断面正面図である。
【図11】 図10のVII−VII線に沿う断面図である。
【図12】 図10のVIII−VIII線に沿う断面図であ
る。
【図13】 本発明にかかるカムシャフトのいま一つの
実施例の要部の部分断面正面図である。
【図14】 図13のIX−IX線に沿う断面図である。
【図15】 図13のX−X線に沿う断面図である。
【図16】 本発明にかかるカムシャフトのいま一つの
実施例の要部の部分断面図である。
【図17】 図16のXI−XI線に沿う断面図である。
【図18】 図16のXII−XII線に沿う断面図である。
【図19】 従来のカムシャフトの一部断面正面図であ
る。
【図20】 図19のカムシャフトの要部を示す正面図
である。
【図21】 図20のII−II線に沿うカムピースの断面
図である。
【図22】 図20のII−II線に沿うシャフト部材の断
面図である。
【図23】 図20のII−II線に沿う断面図である。
【図24】 従来のいま一つのカムシャフトの一部断面
正面図である。
【図25】 図24のカムシャフトの要部を示す正面図
である。
【図26】 図24のIII−III線に沿うカムピースの断
面図である。
【図27】 図24のIII−III線に沿うシャフト部分の
断面図である。
【符号の説明】
11 カムピース 11a 軸孔 12 ジャーナル 13 カムシャフト 14 シャフト部材 14a 大径部 14b ねじ溝 16 ボルト 17 スペーサ 21 楔部材 22 楔部材 23 楔面 24 楔面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側に抜止部を有するシャフト部材
    と、このシャフト部材が挿通される中空のジャーナル
    と、上記シャフト部材が挿通される軸孔を有するカムピ
    ースと、上記シャフト部材が挿通されてカムピースの間
    隔を規定する中空のスペーサと、上記シャフト部材の一
    端側に位置する抜止部と、上記シャフト部材の他端部に
    締結されて上記抜止部との間で上記カムピース、ジャー
    ナルおよびスペーサに上記シャフト部材の軸方向に圧縮
    力を作用させて、上記カムピースを所定の間隔および位
    相を有して上記シャフト部材に締結する締結部材とを備
    えたことを特徴とするカムシャフト。
  2. 【請求項2】 上記カムピースと上記ジャーナルとの間
    および上記カムピースと上記スペーサとの間に楔部材を
    備えたことを特徴とする請求項1記載のカムシャフト。
  3. 【請求項3】 上記カムピースと上記ジャーナルと上記
    シャフト部材との間および上記カムピースと上記スペー
    サと上記シャフト部材との間に楔部材を備えたことを特
    徴とする請求項1記載のカムシャフト。
  4. 【請求項4】 上記楔部材が鋼球であることを特徴とす
    る請求項2または3記載のカムシャフト。
  5. 【請求項5】 上記楔部材がシャフト部材とカムピース
    との間に喰い込む楔部分および上記シャフト部材とジャ
    ーナルまたはスペーサとの間に喰い込むいま一つの楔部
    分とを有するチップ状の板部材からなることを特徴とす
    る請求項2または3記載のカムシャフト。
  6. 【請求項6】 シャフト部材を中空のジャーナル、軸孔
    を有するカムピースおよび中空のスペーサ部材に挿通
    し、これらジャーナル、カムピースおよびスペーサ部材
    をシャフト部材の一端側の抜止部で抜止し、上記シャフ
    ト部材の他端部に締結部材を締結して、上記抜止部と締
    結部材との間にて上記ジャーナル、カムピースおよびス
    ペーサ部材に上記シャフト部材の軸方向に圧縮力を作用
    させ、上記カムピースを所定の間隔および位相を有して
    上記シャフト部材に固定することを特徴とするカムシャ
    フトの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記カムピースと上記ジャーナルとの間
    および上記カムピースと上記スペーサとの間に楔部材を
    配置して、上記締結部材を締結することを特徴とする請
    求項6記載のカムシャフトの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記カムピースと上記ジャーナルと上記
    シャフト部材との間および上記カムピースと上記スペー
    サと上記シャフト部材との間に楔部材を配置して、上記
    締結部材を締結することを特徴とする請求項6記載のカ
    ムシャフトの製造方法。
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