JPH0715761Y2 - 重車両用偏平ラジアルタイヤ - Google Patents

重車両用偏平ラジアルタイヤ

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JPH0715761Y2
JPH0715761Y2 JP1986133674U JP13367486U JPH0715761Y2 JP H0715761 Y2 JPH0715761 Y2 JP H0715761Y2 JP 1986133674 U JP1986133674 U JP 1986133674U JP 13367486 U JP13367486 U JP 13367486U JP H0715761 Y2 JPH0715761 Y2 JP H0715761Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、タイヤ幅に対するタイヤ断面高さの比であら
わされる偏平率が0.5〜0.8の範囲内にあり、スチールコ
ードプライによるカーカス及びスチールコードの層の少
なくとも三層積層になるベルトを補強としてをそなえる
重車両用偏平ラジアルタイヤに関し、とくに、1×4撚
り又は1×5撚りの単層撚りのスチールコードを平行に
ゴム中に埋め込んだ封鎖型浸透形態をなすスチールコー
ドプライによるカーカスに特色を有する重車両用偏平ラ
ジアルタイヤに関する。
(従来の技術) 近年、省資源、省エネルギー等の社会的ニーズの増大に
答えるべくトラック、バス及びライトトラック用タイヤ
として偏平空気入りラジアルタイヤが開発されてきた。
ここで偏平タイヤとは、偏平率H/Lが0.5〜0.8の範囲内
にあるタイヤをいう。
前記重車両用偏平ラジアルタイヤのカーカスとしてスチ
ールコードプライを用いる場合、耐腐食疲労性(腐食環
境下で小さな繰り返し入力を受けることによりスチール
コードが破壊する現象)及び耐フレッティング性(コー
ドのフィラメント同志がこすれあって摩滅する現象)の
問題を解決する必要がある。
そのため、カーカスに用いたスチールコードプライへの
入力の観点に立って、各スチールコードのスチールフィ
ラメント間の接触圧を下げるように、スチールコードの
3+9の2層撚り構造化(特開昭59−124404号公報)や
1×12等の最密充填構造であるコンパクト構造化(特願
昭60−35215号明細書)が試みられ、さらに前記の耐腐
食疲労性及び耐フレッティング性を改善するために、こ
れらのコードの撚り性状等の最適化(特開昭59−124404
号公報)が行われた。
また、偏平タイヤでないタイヤのトレッド・ベルト間の
セパレーションを防止し耐久性を改良することを目的と
して、悪路用大型ラジアルタイヤのベルトの最外コード
層コードとして、コードに撚る前に型付けしたフィラメ
ントを撚って得られる1×4又は1×5撚りの単層撚り
構造又は1〜2本のフィラメントをコアとした2層撚り
構造を有する撚りコードを用いるタイヤが特開昭60−11
6504号公報に示されている。
(考案が解決しようとする問題点) 従来の3+9 2層撚り構造や1×12のコンパクト構造
では、とくに重車両用扁平ラジアルタイヤのカーカスの
スチールコードプライに必要な耐腐食疲労性及び耐フレ
ッティング性の改善が十分でないことが分かった。
これは、従来のような偏平率が90である90シリーズタイ
ヤに比べて、偏平タイヤが次の二つの点で特に厳しい条
件にさらされることによることが分かった。
その一つは、偏平化することによりベルト部の引張りが
高くなり、耐摩耗性は改良されるが、その分Ep性(enve
loping power)(突起物を踏んだ場合のトレッド部の突
起物包み込み性をいう。)が低下しトレッドカットが入
りやすくなって、このカットはベルトを経てプライコー
ドまで達することであり、このカットから水分が侵入し
てコード内部を通って、とくにタイヤトレッド肩部から
サイドウオール部にあるプライコードを腐食疲労により
破断させたり、ゴム−コード間の接着不良を起こしたり
することである。
この現象は、重車両用扁平ラジアルタイヤの廃品化の一
大要因であり、偏平化によりこの傾向はますます助長さ
れる。
前記の3+2の2層撚り構造や1×12のコンパクト構造
などの従来のコード構造では、コードを埋め込むゴムを
コード内部にまで侵入させることは難しく、コード内部
の空孔、すなわちスチールフィラメントで囲まれ、コー
ド軸方向に開通するコード内空孔、は侵入ゴムによって
ほとんど閉塞されないのでカットから侵入した水がコー
ド内空孔を通って遠くまで移動するのを防止することが
できなかったのである。
次に、偏平化に伴って荷重時におけるカーカスのスチー
ルコードプライの曲率半径が、90シリーズでの70mmか
ら、例えば70シリーズでは40mmに激減し、曲げ入力が極
めて厳しくなる。
前記の2層撚り構造やコンパクト構造では、フィラメン
ト同志の接触面積や接触圧が大きく、またゴムが侵入し
にくいので、フィラメント間の接触圧も減少せず、した
がって前記の厳しい入力に対する耐フレッティング性や
耐腐食疲労性の改善効果は、到底満足しうるものでなか
ったのである。
本考案は、重車両用偏平ラジアルタイヤに要求される耐
腐食疲労性及び耐フレッティング性を著しく改良したカ
ーカス構造を有する重車両用偏平ラジアルタイヤを提供
する問題を解決しようとする。
(問題点を解決するための手段) 前記問題点を解決するため、本考案は、 タイヤの赤道面に対し実質的に直交するコード方向のス
チールコードプライを1対のビードコアのまわりでタイ
ヤの内方から外方へ巻き返したトロイド状のカーカス及
びこのカーカスのクラウン部をタイヤの赤道面に対し比
較的小さな角度で傾斜するコード方向にて取り巻くスチ
ールコードの層を少なくとも3層積層したベルトを補強
としてそなえ、タイヤ幅Lに対するタイヤ断面高さHの
比であらわされる偏平率H/Lが0.5〜0.8の範囲内にある
重車両用偏平ラジアルタイヤにおいて、 カーカスのスチールコードプライは、あらかじめ型付け
したスチールフィラメントを撚った1×4撚り又は1×
5撚りの単層撚りのスチールコードの多数からなり、 これらを平行にゴム中に埋め込むことにより、前記スチ
ールフィラメントで囲まれ、コード軸方向に開通する各
スチールコード内の空孔に侵入するゴムの侵入形態が、
該空孔をコード全長にわたって完全に侵入ゴムで閉塞す
るか、又は該空孔内をコード軸方向長さl1にわたり部分
的に侵入ゴムで封填した閉塞部分と該閉塞部分の隣接相
互間にてコード軸方向長さl2にわたり部分的に空所が残
存した空隙部分とが交互に連なる封鎖型浸透形態をなし かつスチールコードプライコードの巻返し端部での打込
み間隔が0.30mm以上の0.71mm以下である、ことから成る
重車両用偏平ラジアルタイヤである。
(作用) 本考案のタイヤは、第1図に示すように、タイヤの赤道
面O−Oに対し、ほぼ直交するコード方向のスチールコ
ードプライを1対のビードコア6のまわりでタイヤの内
方から外方へ巻き返したトロイド状のカーカス5及びコ
ード層のコード方向がタイヤの赤道面O−Oに対して約
15〜30°の角度をなし、かつ少なくとも1組の隣接コー
ド層のコード方向が互いに交差するようにして前記カー
カス5のクラウン部を取り巻くスチールコードの層を少
なくとも3層積層したベルト7を補強としてそなえる。
このタイヤは、偏平率H/Lが0.5〜0.8の範囲内にある重
車両用偏平ラジアルタイヤである。
本考案のタイヤのカーカス5を構成するスチールコード
プライに1×4撚り又は1×5撚りの単層撚りのスチー
ルコードを使用し、これらのスチールコードは、コード
に撚る前にスケールフィラメントを型付けする。すなわ
ちフィラメントをコードに撚る前に、撚りコードにおけ
るフィラメントの形状と同様の形状にあらかじめ弾性限
界を超える応力を与えて成形しておくことが必要であ
り、これによって本考案の目的を達成するのに必要な封
鎖型浸透形態が得られる。前記型付けの程度は型付け率
=B/A×100(%)で表され、式中のA及びBは第2図に
示すようにそれぞれフィラメント11のコード状態での最
大外径及びフィラメントをコード10からほぐした時の最
大つる巻き外径を示す。
フィラメントの型付け率が小さいとフィラメントが締ま
る形でコードになっているためフィラメント間のすき間
が小さくなりゴムの侵入性が悪くなる。したがって本考
案においてこの型付け率を93%以上とすることが好まし
い。
型付け率の上限は特にないが製造技術上120%までとす
ることが好ましい。型付け率を100%近く又はそれ以上
とすることがコード内の水分進行防止上最適のゴム侵入
形態を与える。
このようにあらかじめ型付けしたスチールフィラメント
を撚った1×4撚り又は1×5撚りの単層撚りのスチー
ルコードは、コード構造が単層撚りでスチールフィラメ
ント間が接触圧の低い線状接触であるので、2層撚り
や、コンパクト構造に比べてゴムのコード内空孔への侵
入が容易である。
その侵入形態については例えば1×5撚りの場合を第3
図aで示すように、スチールコード10において、5本の
スチールフィラメント11で囲まれ、コード軸方向に開通
するコード内空孔12をコード軸方向長さl1にわたり部分
的に侵入ゴムで封填した閉塞部分13と該閉塞部分13の隣
接相互間にて軸方向長さl2にわたり部分的に空所が残存
した空隙部分14とが交互に連なって、閉塞部分13の軸方
向長さl1は1mm以上、また同じくl2が10mm以下、で且つ
両軸方向長さの比l1/l2の値が0.14以上の範囲内で封鎖
型浸透形態にすることができ、またゴムの侵入がより容
易な場合は、コード全長にわたって前記空孔を完全に侵
入ゴムで閉塞することもできる。
コード軸方向に垂直なI−I面及びII−II面断面形状
は、それぞれ第3図b及び第3図cに示すように空所の
有無により異なる。
1×4撚りの場合も前記1×5撚りの場合とほぼ同様で
ある。
このようにしてスチールフィラメント11同志のすき間を
通り抜けるコード内へのゴムの侵入は、スチールフィラ
メント11間の接触圧を更に低くし、耐腐食疲労性及び耐
フレッティング性の改良に好ましい影響を与える。
これに反して、2層撚り以上やコンパクト構造のような
コア構造のあるコードは、コアフィラメントと外側フィ
ラメントは必ず接触し、フィラメントの接触圧が高いの
で、外側層を形成するシースフィラメントの内部までゴ
ムを侵入させることが困難であり、それ故更に進んでコ
ア内部までゴムを浸透させることは極めて難しいので、
空隙部分14は通常10mmを超えて極めて長くなり、時には
コード全長にまで及び、l1/l2比についても0.14未満と
なり、水分によるコードの腐食疲労の進行を防止するこ
とができない。
しかし、単層撚りコードでも1×3撚りの場合は、フィ
ラメント本数が少ないためコード強力が低く、一方サイ
ド部の外傷に耐えるケース強度を維持しようとして1×
4撚りや1×5撚りなどに比べて撚り本数を多くしたり
スチールフィラメント径を太くすると、前者ではタイヤ
の製造技術上の問題やビード部耐久性低下の問題等から
難しいし、後者はスチールフィラメント径の4乗に比例
する曲げ剛性の著しい増加のためスチールコードがビー
ドからはずれるビード浮きとか入力増大による耐腐食疲
労性の低下の問題がある。なお、1×6撚り以上の場合
は、フィラメントの少なくとも1本がどうしても内部に
落ち込んでしまって、実質的に2層構造となるので、前
記のようにコア構造のあるコードでのゴムの侵入の困難
さの問題がある。
したがって、必要なケース強度、製造適性などを満た
し、かつ耐腐食疲労性及び耐フレッティング性を確保す
るには、1×4撚り又は1×5撚りの単層撚りでなくて
はならず、むしろ1×5撚りの方が好ましい。
このようにスチールフィラメント径は、下限は必要なケ
ース強度の保持やビード部耐久性の低下に関係し、上限
は曲げ剛性の増加に伴うビード浮きや耐腐食疲労性の低
下に関係するので、フィラメント径は、1×4撚りで0.
23〜0.26mm、1×5撚りで0.20〜0.25mmが好ましい。
以上述べたように本考案のコード構造により、封鎖型浸
透形態をつくることにより、耐腐食疲労性が顕著に向上
し、また単層撚り構造によりフィラメント間の接触が線
接触であることや、ゴムのフィラメント間侵入による接
触圧の低下等によって耐フレッティング性も著しく向上
するので、重車両用偏平ラジアルタイヤのカーカスプラ
イコードとして本考案のコード構造は極めて有利であ
る。
更に、注目すべき利点は、偏平タイヤにおいては、90シ
リーズに比べて成型時の拡張率が小さいことにより、拡
張部でのコード間隔の増大が少なく、これに伴うケース
強度の減少が少なくてすむことである。すなわち、カー
カスのスチールコードプライの巻返し端部での打込み数
を同一と考えると90シリーズに比べ、トレッド肩部ない
しサイド部の最も入力の厳しい部分の打込み数が80シリ
ーズでさえ10%多く、このことは、単層撚りのスチール
コード1本当りの強力が2層撚り等のコードの強力に比
べて低いことが補える利点もある。
一方、90シリーズのカーカスに本考案のコードを使用す
ることは、前記のように拡張率の大きい関係で現在のケ
ース強度を保つためには、かなり太い径のフィラメント
の単層撚りコードの使用かカーカスのスチールコードプ
ライの巻返し端部での打込み数の増加が必要となり、そ
のため前者ではビード浮きの問題が、後者ではタイヤ製
造技術上の問題かプライ端セパレーションの問題が起こ
りその解決が困難であるので、実際問題として不可能で
ある。
なお本考案の単層撚りスチールコードの抗張力は、300k
g/mm2以上であることが好ましい。
打込み間隔としては、ビード部でカレンダー時にスチー
ルコード同志が重なることによって起こるビード部のし
わを防止するためにカーカスプライ端部での打込み間隔
として0.3mm以上が必要な一方0.71mmより疎にしたと
き、上述ケース強度の不足が懸念されるのである。0.3m
m以上0.71mm以下の場合にはカレンダー工程の作業性の
支障もまたケース強度上の心配もない。
本考案のタイヤは、カーカスに単層撚りコードを使用す
ることにより、重量が軽くなり、この点でも偏平タイヤ
の省資源、省エネルギーの目的に合致する。
この発明によれば重車両用偏平ラジアルタイヤのトレッ
ドの下にあるカーカスの各部分は、スチールコードプラ
イの受ける繰り返し曲げ歪が小さくほとんど疲労しない
ので、インナーライナー層の中で空気、水等の透過を防
止する層(いわゆるA層)を除いたコード側ゴム層(い
わゆるB層)の厚さを0.3mm程度まで薄くすることがで
き、更に重量軽減が可能である。
(実施例) 以下本考案につきその実施例及び比較例の試験成績を詳
細に比較説明する。
コード内へのゴムの侵入形態 新品タイヤのカーカスからスチールコードを取り出し、
第4図aのように流動性樹脂中に埋め込み硬化させた
後、測定箇所を含むコード方向に垂直な平面Rに沿って
カッターで切断しバフして切断写真をとる。その写真
(第4図bに拡大したスケッチで示す。)でスチールフ
ィラメント11で囲まれた(太線で囲んで示した)面積F
を100としてゴムの侵入している総面積S(斜線部)の
占める割合を測定することによりその位置におけるゴム
の侵入形態が分かる。この測定をコード軸方向1mmごと
に切断しバフして切断1ピッチ毎にくり返しF/S×100%
を求めその平均値をゴム侵入量として表1に示した。
なお第3図aに示すl1、l2の長さもこのようにして測定
することができ、また第4図bでは単層撚りの場合の例
を示したが2層撚りの場合については、ゴム侵入前コア
の中にある空間及びコアとシースの間の空間を合計した
ものを100とするほかは単層撚りの場合と同様にして算
出できる。
耐腐食疲労性 第5図に示すようにタイヤから取り出したゴム付きのス
チールコード15を直径Cが40mmの3個のプーリー16群に
図のように掛渡し、固定プーリー17を介して新品コード
破断荷重の10%に相当するおもり18によって引張荷重を
掛け、プーリー群16を図の左右に繰り返し20cm往復移動
させてスチールコードに繰り返し曲げ歪を与え、コード
の疲労による破断に至る繰り返し回数を10本のスチール
コードの平均的な破断回数として求め、新品タイヤのコ
ードのそれを100として新品対比の低下度合を求めた値
が、耐腐食疲労性低下度合であり、表1に示す耐腐食疲
労性は、前記の値を比較タイヤを100として指数値で示
したものであり、値が大きい程耐腐食疲労性が良好なこ
とを示す。
トレッド外傷を受けた場合の耐腐食疲労性 タイヤクラウンセンター部に小孔をあけてスチールコー
ドプライのコードを切断する一方、タイヤのチューブと
インナーライナー間に水を500cc封入し、この試験タイ
ヤをドラム上で2万km走行させた後、切断部のプライコ
ードを採取し、前記耐腐食疲労性の低下度合を同様にし
て求め、表1には比較タイヤを100として指数表示し
た。したがって値の大きい程トレッド外傷を受けた場合
の耐腐食疲労性が良好なことを示す。
耐フレッティング性 走行ずみタイヤと新品タイヤについて、一方のビードか
ら他方のビードまでのゴム付きカーカスコード層のコー
ドを引き抜いて、クラウンセンター部にて二分するよう
に切断する。次にそれぞれゴムを溶媒で溶解して除去
し、フィラメント1本ずつにほぐす。そのほぐした各フ
ィラメントについてクラウンセンター側端部とビード側
端部とチャックではさみ引張試験機で強力を測定するこ
とにより得られるフィラメントの破断面を、真上から見
られるように顕微鏡にセットし、拡大写真をとり、第6
図に示すように拡大写真に方眼紙をかぶせフレッティン
グの生じていない部分のふちに合わせて円を描いてフレ
ッティングの生じない非摩滅部分19とフレッティングを
生じた部分20とに分け、フレッティング部分のh量をμ
m単位で測定し、コード10本について平均した値がフレ
ッティング量である。
この値を比較タイヤを100としてフレッティング量hの
少ない方が大きくなるように指数表示したのが表1の耐
フレッティング性である。
プライエンドセパレーション性 走行後のタイヤを解剖してプライエンドを出しタイヤ周
上4箇所についてそれぞれコード10本の両端80箇所を調
べ、この中でき裂がつながっている数の割合をき裂つな
がり率として求め、この値を比較タイヤを100としてき
裂つながり率の小さいもの程大きくなるように指数表示
したのが表1にプライエンドセパレーション性である。
ビード浮き性 下記により測定したゴム付きコードの曲げ剛性に打込み
数を掛けて示す打込んだ状態での曲げ剛性でビード浮き
性を評価する。表1では比較タイヤを100として値が大
きい程ビード浮き性が小さく良好であるように指数表示
した。
ゴム付きコードの曲げ剛性は、第7図aに示すように、
3点プーリー21(プーリー直径(D)20mm、プーリー間
距離(d)70mm)にゴム付きコード22を掛け、黒い矢印
の方向に真中のプーリーを移動させると、第7図bに示
すようにS−S曲線が描ける(O1-O2)。そして移動距
離が10mmになったところで元の方向(白い矢印)に戻す
とO2-O3(a)曲線が描ける。次に、また黒い矢印の方
向にプーリーを10mmまで移動させるとO3-O2(b)の曲
線が与えられる。この方向により得られたヒステリシス
カーブの移動距離5mmの所で垂直な線DCを立てDC直線と
ヒステリシスカーブ(O1-O2)との交点C′が求められ
る。このC′点のyの値が曲げ剛性であり、値が大きい
程高い剛性であることを示す。
耐サイド外傷性 スチールコードをゴム中に縦に平行に埋め込んだ厚さ3m
m幅5mm長さ300mmの大きさの試料にスチールコード強力
×打込み数(すなわちトリート強力)の1割の引張りを
かけ、重さ20kgの刃型をコード方向と直角に上から自然
落下させて、その切断時の高さで耐サイド外傷性を比較
する。表1には比較タイヤのそれを100としてこの性質
を示し、数値が大きい程耐サイド外傷性が良好であるこ
とを示す。
以下に示す実施例及び比較例において、表1に示すコー
ドをゴム中に埋め込んだ1枚のカーカスプライをそなえ
るTBR295/75R22.5リブパターン、11/70R22.5リブパター
ン又は11/60R22.5リブパターンの重車両用偏平ラジアル
タイヤを作製し、各種試験を行った。特にプライエンド
セパレーション性、耐フレッティング性及び耐腐食疲労
性は、実地で良路を15万km走行させたタイヤで評価し
た。
実施例1〜4,比較例1〜2 TBR295/75R22.5タイヤについて、カーカスプライのスチ
ールコードのコード種(撚り構造)、コード間隔を変
え、ゴムの侵入形態を変えた。これらのタイヤについて
前記試験を行った結果を表1に示す。
表には示してないがドラム走行距離は、各タイヤとも対
照タイヤ(比較例1)に対しほぼ同等であった。
実施例1及び2は、それぞれ1×4×0.26及び1×5×
0.25コードの例であり、(抗張力はそれぞれ311kg/m
m2、320kg/mm2である。)耐腐食疲労性及び耐フレッテ
ィング性がいずれも対照タイヤ(比較例1)に対し著し
く改良され、その他の性能もほぼ同等である。
比較例1は3+9×0.23+1の例であり、このタイヤを
対照タイヤとして他のタイヤを指数表示してあり、大き
い程良好な特性を示す。このコードは、2層撚りコード
の為、ゴムの侵入が困難であり、フィラメント間の接触
圧が大きく、耐腐食疲労性及び耐フレッティング性が劣
り、特にトレッドにカットを受けた場合の耐腐食疲労性
が劣る。
比較例2は1×12×0.23+1の例であり、比較例1に比
べても更にゴム侵入性が悪く、耐フレッティング性及び
トレッドカットを受けた場合の耐腐食疲労性も劣る。
実施例3,4は、それぞれ1×5×0.20及び1×5×0.30
コードの例で、(抗張力はそれぞれ320kg/mm2及び305kg
/mm2である。)耐フレッティング性及び耐腐食疲労性が
いずれも対照タイヤに比べて良好である。フィラメント
径が0.20mmの場合(実施例3)、ケース強度がタイヤ製
造技術上の制約により、やや低くなり、耐サイド外傷性
もやや低い。フィラメント径が0.30mmの場合(実施例
4)、曲げ剛性が大きくなるので、ビード浮き性が相当
悪くなり、場合によっては対策する必要もある。フィラ
メント径が太くなるので耐腐食疲労性の改良の程度もや
や小さい。
実施例5,比較例3 11/70R22.5タイヤについて1×5×0.23(実施例5)と
3+9×0.23+1(比較例3)コードを比較した結果を
表1に示す。前者が後者に比べて耐フレッティング性及
び耐腐食疲労性に著しくすぐれ、その他の特性もほぼ等
しい。ドラム走行距離は、両タイヤ共比較例1タイヤと
ほぼ同等であった。
実施例6,比較例4 11/60R22.5タイヤについて1×5×0.20(実施例6)と
3+9×0.19+1(比較例4)コードを比較した結果を
表1に示す。前者が後者に比べて耐フレッティング性及
び耐腐食疲労性に著しくすぐれ、ビード浮き性も良好で
あり、その他の特性もほぼ等しい。ドラム走行距離は、
両タイヤ共比較例1タイヤとほぼ同等であった。
(考案の効果) 本考案のタイヤは、あらかじめ型付けしたスチールフィ
ラメントを撚った1×4撚り又は1×5撚りの単層撚り
スチールコードを平行にゴム中に埋込んで特定の封鎖型
浸透形態にし、かつカーカスのスチールコードプライ巻
返し端部での打込み間隔が0.30mm以上0.71mm以下である
カーカスを有するものでり、これにより、3+9の2層
撚り構造や1×12等のコンパクト構造に比べて、重車両
用偏平ラジアルタイヤの問題であった耐フレッティング
性、耐腐食疲労性、及びトレッドカットを受けた場合の
耐腐食疲労性を著しく改良し、しかもその他のプライエ
ンドセパレーション性、ビード浮き性、ケース強度、耐
サイド外傷性、ドラム走行距離などの特性もほとんど同
等である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の一例タイヤの右半分断面図、 第2図は、型付けの説明図、 第3図aはゴム侵入形態を示す説明図、第3図b及び第
3図cは第3図aのI−I面及びII−II面断面図、 第4図a及び第4図bは、コードのゴム侵入形態検査要
領説明図、 第5図は、耐腐食疲労性試験説明図、 第6図は、耐フレッティング性試験説明図、 第7図aは、ゴム付きコードの曲げ剛性測定方法を示す
説明図、第7図bは前記曲げ試験の曲げ剛性と移動距離
の関係を示すグラフである。 1…タイヤ、2…トレッド 3…サイドウオール、4…ビード部 5…カーカス、6…ビードコア 7…ベルト、8…リム 10…コード、11…フィラメント 12…コード内空孔、13…閉塞部 14…空所部、15…ゴム付きコード 16…プーリー、17…固定プーリー 18…おもり、19…非摩滅部分 20…フレッティングを生じた部分 21…3点プーリー、22…ゴム付きコード

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤの赤道面に対し実質的に直交するコ
    ード方向のスチールコードプライを1対のビードコアの
    まわりでタイヤの内方から外方へ巻き返したトロイド状
    のカーカス及びこのカーカスのクラウン部をタイヤの赤
    道面に対し比較的小さな角度で傾斜するコード方向にて
    取り巻くスチールコードの層を少なくとも3層積層した
    ベルトを補強としてそなえ、タイヤ幅(L)に対するタ
    イヤ断面高さ(H)の比であらわされる偏平率(H/L)
    が0.5〜0.8の範囲内にある重車両用偏平ラジアルタイヤ
    において、 カーカスのスチールコードプライは、あらかじめ型付け
    したスチールフィラメントを撚った1×4撚り又は1×
    5撚りの単層撚りのスチールコードの多数からなり、 これらを平行にゴム中に埋め込むことにより、前記スチ
    ールフィラメントで囲まれ、コード軸方向に開通する各
    スチールコード内の空孔に侵入するゴムの侵入形態が、
    該空孔をコード全長にわたって完全に侵入ゴムで閉塞す
    るか、又は該空孔内をコード軸方向長さ(l1)にわたり
    部分的に侵入ゴムで封填した閉塞部分と該閉塞部分の隣
    接相互間にてコード軸方向長さ(l2)にわたり部分的に
    空所が残存した空隙部分とが交互に連なる、封鎖型浸透
    形態をなし、 かつスチールコードプライの巻返し端部での打込み間隔
    が0.30mm以上0.71mm以下である ことから成ることを特徴とする重車両用偏平ラジアルタ
    イヤ。
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