JPH07157443A - イソパラフィンのアルキル化方法 - Google Patents

イソパラフィンのアルキル化方法

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JPH07157443A
JPH07157443A JP5306156A JP30615693A JPH07157443A JP H07157443 A JPH07157443 A JP H07157443A JP 5306156 A JP5306156 A JP 5306156A JP 30615693 A JP30615693 A JP 30615693A JP H07157443 A JPH07157443 A JP H07157443A
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JP
Japan
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catalyst
heteropolyacid
matrix
salt
isoparaffin
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JP5306156A
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English (en)
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Masahiko Sawa
正彦 澤
Mamoru Nomura
守 野村
Shingo Ogoshi
信吾 大越
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なアルキレーション用固体触媒を用い
て、アルキレートガソリンを、高収率で、安全かつ効率
的に得ることが可能な、イソパラフィンのアルキル化方
法を提供する。 【構成】 イソパラフィンをモノオレフィンと、ヘテロ
ポリ酸とマトリックスから成る触媒、またはヘテロポリ
酸の塩とマトリックスから成る触媒の存在下に反応させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高オクタン価ガソリン
基材として用いられるアルキレートガソリンを得るに好
適なイソパラフィンのアルキル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】現
在、自動車ガソリンが低芳香族化される情勢にあり、芳
香族分の少ない高オクタン価ガソリン基材が必要とさ
れ、アルキレーション反応によりイソパラフィンとオレ
フィンからアルキレートガソリンを製造する方法が注目
されている。
【0003】上記アルキレーション法によるアルキレー
トガソリンの製造方法において、触媒として、硫酸、フ
ッ化水素などの液体触媒を用いることは公知である。ま
た結晶性アルミノシリケート(特公昭46−41223
号公報)、ゼオライト(特開昭51−68501号公
報)、超強酸型ジルコニア触媒(特開昭61−1832
30号公報)などの固体触媒を用いる方法も提案されて
いる。また、トリフルオロメタンスルホン酸や五フッ化
アンチモンなどの液体超強酸をシリカに担持させた触媒
を用いる方法(特開平4−1141号公報および同4−
308535号公報)も提案されている。さらに、ゼオ
ライトとBF3を水の存在下で用いる方法(特表平4−
502756号公報)も提案されている。
【0004】しかし、上記の硫酸、フッ化水素などの液
体触媒を用いるアルキレーション法では、反応後、反応
生成物と液体触媒との分離操作が必要であるばかりでな
く、装置の腐食、廃酸の処理などの問題点がある。
【0005】一方、上記固体触媒を用いるアルキレーシ
ョン法では、液体触媒を用いた場合の上述のような問題
点はなく、反応操作の簡便性、装置の耐久性などの利点
を有する点で液体触媒を用いるアルキレーション法より
も優れている。しかし例えば超強酸型ジルコニア触媒を
用いるアルキレーション法では、目的生成物のアルキレ
ートガソリンの収率が著るしく低いという欠点がある。
また、トリフルオロメタンスルホン酸や五フッ化アンチ
モン等の液体超強酸を担体に担持させた触媒では、水分
との接触を防止しなければならないなど、取り扱いに厳
しい注意が必要であるという欠点がある。また、ゼオラ
イトとBF3を用いる方法では、BF3の肺に対する刺激
性が懸念されることから、その使用に際して十分な安全
対策が必要であるという問題もある。
【0006】このように、生成物収率、取り扱い性、安
全性等のすべての条件を十分に満足できるアルキレーシ
ョン用固体触媒は、未だ見いだされていないのが実情で
あり、これらの諸条件を満たす新規なアルキレーション
用固体触媒の出現が望まれていた。
【0007】本発明者は、上記従来のアルキレーション
用固体触媒の欠点を解消したアルキレーション用固体触
媒として、ヘテロポリ酸の塩を見い出し、この触媒を用
いるイソパラフィンのアルキル化方法について、日本、
米国および欧州において特許出願している(例えばEP
0561284A1参照)。
【0008】アルキレーション用固体触媒としてのヘテ
ロポリ酸の塩は、取り扱い性、安全性に優れ、イソパラ
フィンのアルキル化に用いると、生成物のアルキレート
ガソリンを高収率で得ることができるという利点がある
が、遊離の酸型のヘテロポリ酸では触媒活性がないた
め、アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩にして使用し
なければならず、触媒調製が煩雑であり、機械的強度が
やや劣るという欠点があった。また、上記のようにヘテ
ロポリ酸の塩を用いると高収率でアルキレートガソリン
を得ることができるが、アルキレートガソリンの収率を
さらに高めることが可能な触媒の出現が望まれていた。
【0009】従って、本発明の第1の目的は、それ自体
では触媒活性を有しないヘテロポリ酸に第2物質を組み
合わせることにより、高い触媒活性と機械的強度を有す
る触媒系を見い出し、該触媒系を用いて、アルキレート
ガソリンを高収率で、安全かつ効率的に得ることが可能
なイソパラフィンのアルキル化方法を提供することにあ
る。
【0010】また本発明の第2の目的は、触媒活性を有
することが公知のヘテロポリ酸の塩を用い、これに第2
物質を組み合わせることにより、ヘテロポリ酸の塩単独
よりも高い触媒活性と機械的強度を有する触媒系を見い
出し、該触媒系を用いて、アルキレートガソリンを、さ
らに高収率で、安全かつ効率的に得ることが可能なイソ
パラフィンのアルキル化方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的達成のた
め本発明者は、鋭意研究を行なった結果、ヘテロポリ酸
とマトリックスから成る固体触媒が、ヘテロポリ酸単独
では有しない触媒活性を有すること、また機械的強度に
も優れていること、さらにヘテロポリ酸を塩とする必要
がないので調製が容易なことを見い出した。そして、こ
の固体触媒を用いることにより、高収率で、安全かつ効
率的にアルキレートガソリンが得られることを見い出し
た。
【0012】従って本発明は、イソパラフィンをモノオ
レフィンと、ヘテロポリ酸とマトリックスから成る触媒
の存在下に反応させることを特徴とするイソパラフィン
のアルキル化方法を要旨とする。
【0013】また上記第2の目的達成のため、本発明者
は、鋭意研究を行った結果、ヘテロポリ酸の塩とマトリ
ックスから成る固体触媒が、ヘテロポリ酸の塩単独より
も高い触媒活性を有すること、また機械的強度にも優れ
ていることを見い出した。そして、この固体触媒を用い
ることにより、さらに高収率で、安全かつ効率的にアル
キレートガソリンが得られることを見い出した。
【0014】従って、本発明は、イソパラフィンをモノ
オレフィンと、ヘテロポリ酸の塩とマトリックスから成
る触媒の存在下に反応させることを特徴とするイソパラ
フィンのアルキル化方法をも要旨とする。
【0015】以下本発明を詳説する。本発明において出
発原料として用いられるイソパラフィンとしては炭素数
4〜6のイソパラフィン、すなわち、イソブタン、イソ
ペンタン、イソヘキサンが好ましい。反応に供するイソ
パラフィンは、炭素数4〜6のイソパラフィンの単品で
あっても良く、混合物であっても良い。またイソパラフ
ィン以外の炭化水素を含有していても良い。
【0016】上記イソパラフィンと反応させるモノオレ
フィンは、炭素数3〜6のモノオレフィン、すなわち、
プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセンが好ましい。
反応に供するモノオレフィンは炭素数3〜6のモノオレ
フィンの単品であっても良く、混合物であっても良い。
またモノオレフィン以外の炭化水素を含有していても良
い。
【0017】本発明においては、上記イソパラフィンと
モノオレフィンとの反応を固体触媒としてヘテロポリ酸
とマトリックスから成る触媒、またはヘテロポリ酸の塩
とマトリックスから成る触媒の存在下に行なうものであ
る。
【0018】ヘテロポリ酸は、式(Ia)または(I
b) Hk1・X・Ym・Z12-m・O40・nH2O (Ia) Hk1・X2・Y18・O62・nH2O (Ib) (式中、XはP、Si、Ge、As、BおよびCoから
なる群から選ばれるヘテロ原子であり、YおよびZは、
それぞれW、MoおよびVからなる群から選ばれるポリ
原子であり、同一または異なっていても良く、k1は、
水素原子の数(3以上9以下の整数)であり、mは、Y
の数(0以上12以下の数)であり、nは水和水の数を
示す0または正数である)で表される化合物である。具
体的には、H3PW1240、H4SiW1240、H3PM
1240、H4SiMo1240、H4GeW1240、H4
GeMo1240、H4PVW1140、H5SiVMo11
40、H5BW1240、H6CoW1240、H621862
等を挙げることができる。
【0019】ヘテロポリ酸の塩は、ヘテロポリ酸中の水
素イオンを部分的にまたは完全にカチオンに置換して得
られる化合物であり、特に好ましいヘテロポリ酸の塩
は、式(IIa)または(IIb) Hk2・Mj・X・Ym・Z12-m・O40・nH2O (IIa) Hk2・Mj・X2・Y18・O62・nH2O (IIb) (式中、Mはカチオンであり、jは、式(Ia)、(I
b)のヘテロポリ酸中の水素の代わりに置き換えられた
Mの数であり、k2は、式(IIa)、(IIb)のヘテロ
ポリ酸の塩中に残っている水素イオンの 数(k2=k1
−(Mの価数)×j)であり、k1、X、Y、Z、m、
nは上記式(Ia)、(Ib)における定義と同一であ
る)で示される化合物である。
【0020】上記式(IIa)、(IIb)において、カチ
オンであるMは、特に規定しないが、アルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、周期律表IIIB族金属イ
オン、IB族金属イオン、R4+イオン(Rはアルキル
基または水素)、有機ピリジンのイオン等が挙げられ
る。アルカリ金属イオンとしては、Li,Na,K,R
b,Csの各イオンが挙げられ、アルカリ土類金属イオ
ンとしては、Be,Mg,Ca,Sr,Baの各イオン
が挙げられ、周期律表IIIB族金属イオンとしては、G
a,In,Tlの各イオンが挙げられ、IB族金属イオ
ンとしては、Cu,Agの各イオンが挙げられる。
【0021】また式(IIa)、(IIb)において、Mの
数を示すjは、0<j≦k1/(Mの価数)を満たす数
である。j=k1/(Mの価数)の場合、式(IIa)、
(IIb)は、ヘテロポリ酸の水素原子が全てMに置換さ
れたヘテロポリ酸の中性塩を示し、0<j≦k1/(M
の価数)の場合、式(IIa)、(IIb)はヘテロポリ酸
の水素原子が部分的にMに置換された(水素原子が一部
残存する)ヘテロポリ酸の酸性塩を示す。
【0022】また既に述べたように、上記式(IIa)、
(IIb)において、ヘテロポリ酸中に残っている水素の
数を示すk2は、k1−(Mの価数)×jに等しい数であ
る。この式(IIa)、(IIb)で示されるヘテロポリ酸
の塩の具体例としては、以下のものが挙げられる。 (1) H3-JjPW1240 (2) H4-JjSiW1240 (3) H3-JjPMo1240 (4) H4-JjSiMo1240 (5) H4-JjGeW1240 (6) H4-JjGeMo1240 (7) H4-JjPVW1140 (8) H5-JjSiVMo1140 (9) H5-JjBW1240 (10)H6-JjCoW1240 (11)H6-Jj21862
【0023】J=j×(Mの価数) (上式(1)〜(11)においてMはカチオンであり、
上式(1)、(3)において0<J≦3、より好ましく
は1≦J≦3であり、上式(2)、(4)、(5)、
(6)、(7)において0<J≦4、より好ましくは1
≦J≦4であり、上式(8)、(9)において0<J≦
5、より好ましくは1≦J≦5であり、上式(10)、
(11)において0<J≦6、より好ましくは1≦J≦
6である。) 上記ヘテロポリ酸またはその塩とともに固体触媒を構成
するマトリックスは、ヘテロポリ酸またはその塩を担持
し得るもの、またはヘテロポリ酸またはその塩と複合体
を形成し得るものであれば、特に限定されるものでな
く、各種の物質が使用される。特にヘテロポリ酸または
その塩をマトリックスに担持して触媒とする場合には、
マトリックスとして、シリカ、アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、マグネシア、粘土、ゼオライトなどの耐火性
酸化物、活性炭、イオン交換樹脂が好ましく使用され
る。粘土には、具体的にはモンモリロナイト、バイデラ
イト、サポナイト、ハイドロタルサイト、フライポンタ
イト、ヒドロキシアパタイト、カオリナイト、スチブン
サイト、ヘクトライト、バーミキュライト、雲母、セピ
オライト、アタパルジャイト等が挙げられる。またこれ
らの粘土は、Al23、ZrO2、SiO2等で架橋され
た架橋粘土であってもよい。またゼオライトには、具体
的にはフォージャサイト、モルデナイト、フェリエライ
ト、エリオナイト、ゼオライトβ、ゼオライトL、ゼオ
ライトΩ、オフレタイト、MFIゼオライト、AlPO
型モレキュラーシーブ等が挙げられる。マトリックスと
して、これらの物質の混合物、複合体を用いることもで
きる。また、ヘテロポリ酸またはその塩とマトリックス
の複合体を触媒とする場合には、マトリックスとしてシ
リカゾル、アルミナゾルが好ましく使用される。
【0024】本発明においては、イソパラフィンをモノ
オレフィンと、ヘテロポリ酸またはその塩とマトリック
スから成る触媒の存在下に反応させるが、この反応は、
これに限定されるものではないが、固定床または懸濁床
で行なうのが好ましい。
【0025】固定床反応においては、反応器にヘテロポ
リ酸またはその塩とマトリックスから成る触媒を充填
し、反応温度を通常0〜200℃、好ましくは0〜15
0℃とし、反応圧力を通常0〜50kg/cm2G、好まし
くは1〜30kg/cm2Gとして、イソパラフィンとモノ
オレフィンを触媒充填反応器に導入して触媒が固定した
状態で両者を反応させる。イソパラフィン(IP)とモ
ノオレフィン(MO)のモル比率(IP/MO)は通常
1〜100とする。その理由はIP/MOが1より低い
とモノオレフィン同志が反応し副生物が多くなり、一方
IP/MOが100より高いと未反応パラフィンが多く
なり不経済となるからである。特に好ましいIP/MO
は5〜80である。
【0026】オレフィンのWHSV(空間速度)は、
0.01〜10h-1とする。その理由は、WHSVが
0.01h-1より低いと生産性が悪く、一方10h-1
り高いとオレフィンとパラフィンの接触効率が悪くなる
からである。特に好ましくはWHSVは0.05〜5h
-1である。
【0027】一方、懸濁床反応においては、反応器にヘ
テロポリ酸またはその塩とマトリックスから成る触媒を
充填し、イソパラフィンとモノオレフィンを触媒を充填
した反応器に液状で導入し、触媒を懸濁した状態で両者
を反応させる。反応温度、反応圧力、イソパラフィンと
モノオレフィンのモル比(IP/MO)は前記固定床反
応におけると同一である。この懸濁床反応においては、
オレフィンと触媒との比率を触媒1gに対してオレフィ
ンを0.01〜0.1gとする。その理由は、オレフィ
ンが0.01g未満であるとオレフィンに対して触媒が
多くなり、攪拌が円滑にできず不経済であり、一方0.
1gを超えるとオレフィンと触媒との接触効率が悪くな
り生成物の収量が低下するからである。特に好ましいオ
レフィンと触媒との比率は触媒1gに対して0.03〜
0.08gである。
【0028】上述した本発明の方法によれば、次のよう
な利点が得られる。
【0029】(i)遊離の酸型のヘテロポリ酸は、それ
自体触媒活性を有しないが、本発明によれば、遊離の酸
型のヘテロポリ酸をマトリックスに担持させるか、また
はマトリックスと複合化することにより、アルキレート
ガソリンを高収率で得ることができる。
【0030】(ii)ヘテロポリ酸の塩をマトリックスに
担持させるか、またはマトリックスと複合化することに
より、ヘテロポリ酸の塩を単独使用した場合よりも、ア
ルキレートガソリンをさらに高収率で得ることができ
る。
【0031】(iii)またこれらの触媒は機械的強度に
優れ、また取り扱い性、安全性などの、触媒としての基
本的条件を満足し、アルキレートガソリンを安全かつ効
率的に得ることができる。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳説する。
【0033】触媒調製例 (1)5.5gの12−タングストリン酸(H3PW12
40・nH2O)を約170mlの純水に溶解し、H3PW
1240水溶液を調製した。この水溶液に10gのシリカ
(AEROSIL 380)を加えて攪拌した。これを
一昼夜放置した後、蒸発乾固してシリカ担持H3PW12
40(以下、HPW/SiO2という)を得た。担持率
を下記式のように定義したとき、この触媒におけるH3
PW1240の担持率は50wt%である。 担持率=[活性成分(H3PW12O40)の重量/担体(Si
O2)の重量]×100
【0034】(2)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を約17mlの純水に溶解
し、H3PW1240水溶液を調製した。50gのシリカ
ゾル(Cataloid−S SN(SiO2 20w
t%))中にH3PW1240水溶液を加えて攪拌した。
これを一昼夜放置した後、蒸発乾固してH3PW1240
−シリカ複合体(以下、HPW+SiO2という)を得
た。この触媒において、シリカに対するH3PW1240
の割合は50wt%である。
【0035】(3)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を、約110mlの純水に
溶解し、H3PW1240水溶液(以下A液という)を調
製した。このA液を0.1N NaOH水溶液で滴定
し、A液中のH3PW1240の正確な量を決定した。H3
PW1240中の水素イオンと置換し得るカチオンを含む
物質として、K2CO3を用い、熱重量分析によってその
含水量を測定した。次に、H3PW1240と反応してH
0.52.5PW1240が得られるに相当する量のK2CO3
を秤量し、約80mlの純水に溶解してK2CO3水溶液
(以下B液という)を調製した。A液中に10gのシリ
カ(CARIACT50)を加え、3時間含浸させた。
シリカを含浸させたA液を攪拌しながら、B液を少量ず
つ加え、混液を蒸発乾固してシリカ担持H0.52.5PW
1240(以下K2.5PW/SiO2という)を得た。この
触媒において、シリカに対するH0.52.5PW1240
担持率は50wt%である。
【0036】(4)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を、約20mlの純水に溶
解し、H3PW1240・nH2O水溶液(以下C液とい
う)を調製した。このC液を0.1N NaOH水溶液
で滴定し、C液中のH3PW1240の正確な量を決定し
た。H3PW1240と反応してH0.52.5PW1240
得られるに相当する量のK2CO3を秤量し、約20ml
の純水に溶解してK2CO3水溶液(以下D液という)を
調製した。50gのシリカゾル(Cataloid−S
SN(SiO2 20wt%))中にC液を加え、3
時間含浸させた。シリカゾルを含浸させたC液を攪拌し
ながら、D液を少量ずつ加え、混液を蒸発乾固してH
0.52.5PW1240−シリカ複合体(以下K2.5PW+
SiO2という)を得た。この触媒において、シリカに
対するH0.52.5PW1240の割合は50wt%であ
る。
【0037】(5)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を、約20mlの純水に溶
解し、H3PW1240・nH2O水溶液(以下E液とい
う)を調製した。このE液を0.1N NaOH水溶液
で滴定し、E液中のH3PW1240の正確な量を決定し
た。H3PW1240と反応してH2.01.0PW1240
得られるに相当する量のK2CO3を秤量し、約20ml
の純水に溶解してK2CO3水溶液(以下F液という)を
調製した。50gのシリカゾル(Cataloid−S
SN(SiO2 20wt%))中にE液を加え、3
時間含浸させた。シリカゾルを含浸させたE液を攪拌し
ながら、F液を少量ずつ加え、混液を蒸発乾固してH
2.01.0PW1240−シリカ複合体(以下K1.0PW+
SiO2という)を得た。この触媒において、シリカに
対するH2.01.0PW1240の割合は50wt%であ
る。
【0038】(6)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を、約17mlの純水に溶
解し、H3PW1240水溶液を調製した。100gのア
ルミナゾル(Cataloid−A AS−2(Al2
3 10wt%))中にH3PW1240水溶液を加えて
攪拌した。これを一昼夜放置した後、蒸発乾固してH3
PW1240−アルミナ複合体(以下HPW+Al23
を得た。この触媒において、アルミナに対するH3PW
1240の割合は50wt%である。
【0039】(7)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を、約35mlの純水に溶
解し、H3PW1240水溶液を調製した。この水溶液に
10gのチタニア(出光チタニア IT−S)を加え攪
拌した。これを一昼夜放置した後、蒸発乾固してチタニ
ア担持H3PW1240(以下、HPW/TiO2という)
を得た。この触媒において、チタニアに対するH3PW
1240の担持率は50wt%である。
【0040】(8)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を、約35mlの純水に溶
解し、H3PW1240水溶液を調製した。この水溶液
に、10gのジルコニア(RC100P)を加え攪拌し
た。これを一昼夜放置した後、蒸発乾固してジルコニア
担持H3PW1240(以下HPW/ZrO2という)を得
た。この触媒において、ジルコニアに対するH3PW12
40の担持率は50wt%である。
【0041】(9)5.5gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を、約35mlの純水に溶
解し、H3PW1240水溶液を調製した。この水溶液
に、10gの活性炭(ツルミコール5GV)を加え攪拌
した。これを一昼夜放置した後、蒸発乾固して活性炭担
持H3PW1240(以下HPW/活性炭という)を得
た。この触媒において、活性炭に対するH3PW1240
の担持率は50wt%である。
【0042】(10)5.5gの12−タングストリン
酸(H3PW1240・nH2O)を、約110mlの純水
に溶解し、H3PW1240水溶液(以下G液という)を
調製した。このG液を0.1N NaOH水溶液で滴定
し、G液中のH3PW1240の正確な量を決定した。G
液中に10gの活性炭(ツルミコール5GV)を加え、
3時間含浸させた。H3PW1240中の水素イオンと置
換し得るカチオンを含む物質として、Rb2CO3を用
い、熱重量分析によってその含水量を測定した。次に、
3PW1240と反応してH0.5Rb2.5PW1240が得
られるに相当する量のRb2CO3を秤量し、約80ml
の純水に溶解してRb2CO3水溶液(以下H液という)
を調製した。活性炭を含浸させたG液を攪拌しながら、
H液を少量ずつ加え、混液を蒸発乾固して活性炭担持H
0.5Rb2.5PW1240(以下Rb2.5PW/活性炭とい
う)を得た。この触媒において、活性炭に対するH0.5
Rb2.5PW1240の担持率は50wt%である。
【0043】(11)11gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を純水に溶解し、H3PW
1240・nH2O水溶液38mlを調製した。20gの
シリカ−マグネシア複合酸化物に、上記溶液を加え、一
昼夜放置した後、蒸発乾固してシリカ−マグネシア複合
酸化物担持H3PW1240(以下HPW/SiO2−Mg
Oという)を得た。この触媒において、シリカ−マグネ
シア複合酸化物に対するH3PW1240の担持率は50
wt%である。
【0044】(12)11gの12−タングストリン酸
(H3PW1240・nH2O)を純水に溶解し、H3PW
1240・nH2O水溶液38mlを調製した。20gの
粘土(フライポンタイト)に、上記溶液を加え、一昼夜
放置した後、蒸発乾固して粘土担持H3PW1240(以
下HPW/粘土という)を得た。この触媒において、粘
土に対するH3PW1240の担持率は50wt%であ
る。
【0045】(13)約25gの12−タングストリン
酸(H3PW1240・nH2O)を約150mlの純水に
溶解し、H3PW1240・nH2O水溶液(以下I液とい
う)を調製した。このI液を0.1N NaOH水溶液
で滴定し、I液中のH3PW1 240の正確な量を決定し
た。H3PW1240・nH2O中の水素イオンと置換し得
るカチオンを含む物質としてK2CO3を用い、熱重量分
析によってその含水量を測定した。次に、H3PW1 2
40・nH2Oと反応してH2.01.0PW1240・nH2
が得られるに相当する量のK2CO3を秤量し、約100
mlの純水に溶解してK2CO3水溶液(以下J液とい
う)を調製した。次いでJ液をI液に攪拌しながら少量
ずつ加え、I液とJ液との混液を蒸発乾固してH2.0
1.0PW1240・nH2O(以下K1.0PWという)を得
た。
【0046】実施例1 触媒調製例(1)で得られたHPW/SiO2を16〜
32メッシュの大きさに成型し、その4.5g(H3
1240量は1.5gに相当)を反応管に充填した。反
応管内のHPW/SiO2をN2中120℃で乾燥後、N
2中250℃で前処理を行った。その後、反応温度50
℃、全圧25kg/cm2、イソブタン/イソブテンの
モル比が50/1になるようにイソブタンとイソブテン
を12g/hの割合で触媒充填反応器に導入し、両者を
固定床反応させた。反応開始から0.2時間後の反応生
成物の収率を表1に示す。表1より、アルキレートガソ
リンの主成分であるトリメチルペンタン(イソオクタ
ン)、およびアルキレートガソリンの成分である炭素数
5〜10のパラフィン生成物が高収率で得られることが
明らかとなった。
【0047】実施例2〜12 HPW/SiO2の代わりに、触媒調製例(2)〜(1
2)で得られた触媒を所定量(ヘテロポリ酸またはその
酸性塩の量は1.5gに相当)用いた以外は実施例1と
同様に反応を行った。この結果を表1に示す。表1よ
り、アルキレートガソリンの主成分であるトリメチルペ
ンタン(イソオクタン)、およびアルキレートガソリン
の成分である炭素数5〜10のパラフィン生成物が高収
率で得られることが明らかとなった。
【0048】参考例1 ヘテロポリ酸である12−タングストリン酸(H3PW
1240・nH2O)1.5gをマトリックス担持させる
ことなく、そのまま用いた以外は実施例1と同様に反応
を行ったが、表1に示すようにトリメチルペンタンは全
く生成しなかった。実施例1、2、6、7、8、9、1
1、12との比較から、酸型のヘテロポリ酸はアルキレ
ーション活性を持たないが、酸型のヘテロポリ酸とマト
リックスから成る触媒はアルキレーション活性を持つこ
とが明らかとなった。
【0049】比較例1 触媒として特開昭61−183230号公報の実施例に
準じて調製した超強酸型ジルコニア触媒を1.5g用
い、反応温度を20℃にした以外は実施例1と同様に反
応を行ったが、表1に示すようにトリメチルペンタンの
収率は11%であり、実施例1、2、3、4、5、7、
8、9、10に比べ極めて低かった。
【0050】比較例2 触媒調製例(13)で調製したK1.0PWを1.5g用
いた以外は実施例1と同様に反応を行った。その結果、
表1に示すようにトリメチルペンタン、炭素数5〜10
のパラフィン生成物が生成したが、K1.0PWとSiO2
とから成る触媒を用いた実施例5よりも低収率であっ
た。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、イ
ソパラフィンとモノオレフィンとの反応に際して、触媒
活性、取り扱い性、安全性、機械的強度などに優れたヘ
テロポリ酸とマトリックスから成る触媒、またはヘテロ
ポリ酸の塩とマトリックスから成る触媒を用いることに
より、高次イソパラフィンを、高収率で、安全かつ効率
的に得ることができる。本発明は、高オクタン価ガソリ
ン基材としてのアルキレートガソリンの製造に有用であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソパラフィンをモノオレフィンと、ヘ
    テロポリ酸とマトリックスから成る触媒の存在下に反応
    させることを特徴とするイソパラフィンのアルキル化方
    法。
  2. 【請求項2】 ヘテロポリ酸が、式(Ia)または(I
    b) Hk1・X・Ym・Z12-m・O40・nH2O (Ia) Hk1・X2・Y18・O62・nH2O (Ib) (式中、XはP、Si、Ge、As、BおよびCoから
    なる群から選ばれるヘテロ原子であり、 YおよびZは、それぞれW、MoおよびVからなる群か
    ら選ばれるポリ原子であり、同一または異なっていても
    良く、 k1は、水素原子の数(3以上9以下の整数)であり、 mは、Yの数(0以上12以下の数)であり、 nは水和水の数を示す0または正数である)で示される
    化合物である、請求項1に記載のイソパラフィンのアル
    キル化方法。
  3. 【請求項3】 イソパラフィンをモノオレフィンと、ヘ
    テロポリ酸の塩とマトリックスから成る触媒の存在下に
    反応させることを特徴とするイソパラフィンのアルキル
    化方法。
  4. 【請求項4】 ヘテロポリ酸の塩が、ヘテロポリ酸中の
    水素イオンをカチオンに置換して得られた、式(IIa)
    または(IIb) Hk2・Mj・X・Ym・Z12-m・O40・nH2O (IIa) Hk2・Mj・X2・Y18・O62・nH2O (IIb) (式中、Mはカチオンであり、 jは、ヘテロポリ酸中の水素の代わりに置き換えられた
    Mの数であり、 k2は、ヘテロポリ酸の塩中に残っている水素イオンの
    数(k2=k1−(Mの価 数)×j)であり(但し、k
    1はヘテロポリ酸の水素原子の数(3以上9以下の 整
    数)である)、 XはP、Si、Ge、As、BおよびCoからなる群か
    ら選ばれるヘテロ原子であり、 YおよびZは、それぞれW、MoおよびVからなる群か
    ら選ばれるポリ原子であり、同一または異なっていても
    良く、 mは、Yの数(0以上12以下の数)であり、 nは水和水の数を示す0または正数である)で示される
    化合物である、請求項3に記載のイソパラフィンのアル
    キル化方法。
  5. 【請求項5】 マトリックスが耐火性酸化物、活性炭、
    イオン交換樹脂から選ばれる1種または2種以上の物質
    から成る、請求項1または3に記載のイソパラフィンの
    アルキル化方法。
  6. 【請求項6】 用いられる触媒が、ヘテロポリ酸または
    その塩がマトリックスに担持されて形成されている、請
    求項1または3に記載のイソパラフィンのアルキル化方
    法。
  7. 【請求項7】 用いられる触媒が、ヘテロポリ酸または
    その塩とマトリックスとの複合体である、請求項1また
    は3に記載のイソパラフィンのアルキル化方法。
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CN103288739A (zh) * 2013-06-19 2013-09-11 陕西师范大学 杂多钨酸阴离子和烷基咪唑阳离子的复合物及制备方法

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