JPH0715699Y2 - 自動ねじ締め機 - Google Patents
自動ねじ締め機Info
- Publication number
- JPH0715699Y2 JPH0715699Y2 JP722593U JP722593U JPH0715699Y2 JP H0715699 Y2 JPH0715699 Y2 JP H0715699Y2 JP 722593 U JP722593 U JP 722593U JP 722593 U JP722593 U JP 722593U JP H0715699 Y2 JPH0715699 Y2 JP H0715699Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- motor
- shaft portion
- driver bit
- output shaft
- driver
- Prior art date
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- Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本考案は、ねじ締め完了時のドライバビットの持つ慣性
の影響を排除して所望のねじ締付けトルクで確実にねじ
締めを行うように構成した自動ねじ締め機に関する。 [従来技術] 一般に、ねじ締付けトルクを制御する場合には、モータ
によりドライバビットを回転させ、このドライバビット
に加わる負荷に応じて変動するモータの負荷電流を検出
し、この検出値が設定値に達すれば、その時点から一定
時間後にモータを停止させる装置、およびドライバビッ
トに加わる反力トルクを歪みゲージ等のトルク検出器に
より検出し、これが一定値に達すればモータを停止させ
る装置が一般的である。これら装置では、ねじ締付けト
ルクの設定値が低い場合には、ねじ締付け完了時に回転
駆動部の持つ慣性の影響により締付けトルクが設定値か
らかけ離れた値となり、ねじを正確に所望締付けトルク
で締付けることができず、低い設定締付けトルクであっ
てもねじを正確に締付けることのできるねじ締め機が要
望されている。この要望に沿って、新たな自動ねじ締め
機が開発されている。この自動ねじ締め機1は、第4図
ないし第6図に示すように、シリンダ2の作動により昇
降するドライバ台3を有している。このドライバ台3に
はロッド3aを介してモータ台4が固定されており、こ
のモータ台4にはモータ4aがその駆動軸を下方にして
取付けられている。前記モータ4aの駆動軸には、自動
変速機15が連結されている。この自動変速機15は前
記モータ4aの回転を受けて回転する入力円板5を有
し、この入力円板5の外周には複数個の遊星コーン6が
摩擦係合して回転するように配置されている。前記遊星
コーン6の円錐面6cの裏面に位置する平坦面6bには
前記入力円板5と同心上で回転するカムディスク7が摩
擦係合するように配置されており、後記する変速リング
9と遊星コーン6との摩擦係合位置により、その変速比
を連続的に変えるように構成されている。また、前記カ
ムディスク7には調圧機構14を介して前記自動変速機
15の出力軸16が連接されており、この出力軸16に
はこれと一体に回転する連接機構17を介してドライバ
ビット8が連結され、モータ4aの回転がドライバビッ
ト8に伝達されるように構成されている。さらに、前記
ドライバ台3には前記モータ台4との間にトルク検出部
3bを介してケース10が回転自在に配置されており、
このケース10は前記入力円板5、遊星コーン6および
カムディスク7を内包するように構成されている。ま
た、このケース10内にはその底蓋18に固定された固
定具11を介してアーム12が回動自在に係止されてお
り、このアーム12の上端には変速リング9が回動自在
に支持され、前記遊星コーン6の円錐面6cに沿って移
動可能に構成されている。前記変速リング9 はその摩
擦係合位置が高速側に位置するようにばね13により付
勢されており、このばね13と前記アーム12とが変速
リング9の摩擦係合位置で決まる減速比の最大値および
締付けトルクを規制するように構成されている。 [考案が解決しようとする問題点] 上記自動ねじ締め機では、正常なねじ締付けの際に、ね
じ(図示せず)の座面がワーク(図示せず)に当接する
までは、ドライバビット8に加わる負荷が小さく、ほぼ
一定であるため、変速リング9の移動がほとんどなく、
ドライバビット8は高速で回転してねじを締付けること
ができる。その後、ねじの座面がワークに当接すると、
ドライバビット8の負荷が急激に増大する。同時に、変
速リング9がドライバビット8の負荷に応じて反力トル
クを受け、ドライバビット8と逆方向に回動する。この
時、変速リング9はアーム12により保持されているた
め、遊星コーン6との摩擦係合位置を変え、その減速比
が急激に増大する。そのため、ドライバビット8の回転
が急激に減速され、その回転が零回転となってねじ締付
けを完了し、モータ4aの回転部の持つ慣性の影響を受
けることなく、正確かつ迅速に締付けを行うことができ
る。ところが、この自動ねじ締め機1では、ねじ締め完
了時点では、変速リング9が遊星コーン6の円錐面6c
に沿って移動し、その減速比が無限大となる位置に達
し、変速リング9と遊星コーン6とがセルフロックされ
ている。この状態で、ドライバビット8が上昇すると、
ドライバビット8がねじの頭部に食付いてワークを持ち
上げたり、ドライバビット8がねじの頭部から無理に離
脱し、ねじの頭部またはドライバビット8の先端が破損
する恐れが生じている。これを防止するため、ドライバ
ビット8を上昇させる際には、変速リング9と遊星コー
ン6との間のセルフロックを解除する必要が生じてい
る。そのため、モータ4aの制御部(図示せず)に適当
なねじ締付け完了検出部(図示せず)を設け、その出力
信号によりモータ4aを所定時間だけ僅かに逆転させ
て、変速リング9と遊星コーン6との間のセルフロック
が解除されている。ところが、このセルフロックの解除
が瞬間に行われる関係で、この時間の設定が長すぎたり
すると、モータ4aの逆転がドライバビット8に伝達さ
れ、締付けの完了したねじを緩めてしまうような不具合
が生じている。 [問題点を解決するための手段] 本考案は、上記不具合の解消を目的とするもので、シリ
ンダの作動により昇降するドライバ台を有している。こ
のドライバ台には、モータが一体に昇降するように取付
られており、このモータにはその回転を受けて回転する
入力円板とその外周に摩擦係合する遊星コーンとこれに
摩擦係合するカムディスクとを連接し、さらにこのカム
ディスクには出力軸およびドライバビットが一体に回転
するように連接されている。また、前記ドライバ台側に
一端が回動自在に係止されたアームが配置されている。
このアームの他端には変速リングが回動自在にかつ前記
遊星コーンの円錐面に摩擦係合する位置に保持されてお
り、しかも前記変速リングはばねにより高速側に付勢さ
れて位置するように構成されている。一方、前記モータ
の制御部にはねじ締付け完了検出部が設けられており、
このねじ締付け完了検出部の出力信号は前記モータの正
転を停止させるとともに前記モータを所定時間わずかに
逆転させるように構成されている。さらに、前記出力軸
とドライバビットとの間には出力軸と一体に回転しかつ
出力軸の一端に設けられた段部に係合する切欠を有する
駆動軸部と、これと同心上に位置するように配置されて
かつドライバビットと一体に回転する被動軸部とが設け
られている。また、この駆動軸部と被動軸部とにはその
周面に当接するようにばねが巻付けられており、そのば
ね長さは駆動軸部側と被動軸部側とで規制されている。 [作用] 上記自動ねじ締め機では、モータが駆動されると、モー
タの正転が遊星コーンの円錐面に対する変速リングの摩
擦係合位置で決まる減速比でカムディスクおよび出力軸
に伝達され、これに係合する駆動軸部が回転する。この
回転によりその周面に接するばねが駆動軸部および被動
軸部に巻き付く方向に縮み、駆動軸部と被動軸部とが一
体となって出力軸の回転がドライバビットに伝達され
て、ねじがワークの所定位置に締付けられる。ねじが締
付けられて、ドライバビットの反力トルクに応じて変速
リングに反力が加わり、変速リングが回動すると、アー
ムが傾斜し、変速リングがその軸心方向に移動し、その
減速比が大きくなる。ねじの座面がワークに当接する
と、ドライバビットの負荷が急激に大きくなるので、前
記減速比が急激に大きくなり、ついには無限大となっ
て、ドライバビットの回転は停止し、締付けが完了す
る。同時に、ドライバビットの回転停止にともなって、
ねじ締付け完了検出部から出力信号が発信され、モータ
の正転が停止する。同時に、モータに逆転指令が与えら
れ、モータが所定時間僅かに逆転する。そのため、入力
円板および遊星コーンが逆転し、変速リングと遊星コー
ンとの間のセルフロックが解除され、変速リングは遊星
コーンに沿って高速側に復帰する。この時、変速リング
が瞬時に復帰するため、変速リングが復帰後しばらくの
時間モータの逆転がカムディスクおよび出力軸に伝達さ
れる。このカムディスクおよび出力軸の逆転は駆動軸部
に伝達されるが、その周面に接するばねは周面から離れ
る方向に延びるため、駆動軸部と被動軸部とは分離し、
被動軸部には駆動軸部の逆転が伝達されず、ドライバビ
ットは逆転せず、締付を完了したねじを緩めることが皆
無となる。しない。 [実施例] 以下、実施例を図面について説明する。第1図ないし第
3図において、1は自動ねじ締め機であり、ドライバ台
(図示せず)と一体に昇降するモータ(図示せず)の回
転を受けて回転する自動変速機15を有している。この
自動変速機15はモータの駆動軸の回転を受けて回転す
る入力円板5、この外周に摩擦係合して回転する複数個
の遊星コーン6、遊星コーン6の円錐面6cの裏面に位
置する平坦面6bに摩擦係合しかつ前記入力円板5と同
心上で回転するカムディスク7およびこのカムディスク
7に調圧機構14を介して連接された出力軸16を有し
ている。この出力軸16はトルク検出部(図示せず)を
介してドライバ台に取付けられたケース10の底蓋18
の内壁部18aで回転自在に保持されている。また、前
記自動変速機15は前記ドライバ台側に一端が回動自在
に係止されたアーム12およびこの上端に保持されかつ
前記遊星コーン6の円錐面6cに摩擦係合する変速リン
グ9を有し、この変速リング9と遊星コーン6との摩擦
係合位置により、その変速比を連続的に変え前記出力軸
16の回転を減速するように構成されている。前記出力
軸16は一端に段部16aを有し、この出力軸16の段
部16aはラップスプリングクラッチ21を構成する駆
動軸部22の上端に設けられた切欠22aに係合するよ
うに構成されている。前記駆動軸部22は前記出力軸1
6と同心上に配置されており、その下部にはその軸線方
向に延びる収納穴22bを有している。この収納穴22
bには駆動軸部22と同心上に配置された被動軸部23
の先端の係合部24が貫挿されており、この係合部24
には円周溝24aが形成され、この円周溝24aには前
記駆動軸部22に圧入されたピン25が位置して駆動軸
部22と被動軸部23とが離脱しないように構成されて
いる。また、前記駆動軸部22と被動軸部23にはその
周面に当接するようにばね26が巻付けられており、そ
のばね長さが駆動軸部22に固定されたストップリング
27と被動軸部23の膨径部23aとにより規制される
ように構成されており、駆動軸部22の正転時にばね2
6が縮んで駆動軸部22および被動軸部23が一体とな
り、駆動軸部22の正転のみが被動軸部23に伝達され
るように構成されている。さらに、前記被動軸部23の
一端には連結機構(図示せず)を介してドライバビット
(図示せず)が一体に回転するように連結されている。
上記自動ねじ締め機では、モータが駆動されてモータの
正転が遊星コーン6の円錐面6cに対する変速リング9
の摩擦係合位置で決まる減速比で自動変速機15の出力
軸16に伝達される。この出力軸16の回転にともな
い、これに係合する駆動軸部22が回転し、この回転に
よりその周面に接するばね26が駆動軸部22および被
動軸部23に巻き付く方向に縮み、駆動軸部22および
被動軸部23が一体となって出力軸16の回転がドライ
バビットに確実に伝達されて、ねじがワークの所定位置
に締付けられる。ねじが締付けられて、ねじの座面がワ
ークに当接すると、ドライバビットの負荷が急激に大き
くなり、ドライバビットの負荷に応じて変速リング9が
回動してアーム12が傾斜する。これにともない、前記
変速リング9がその軸心方向に移動し、その減速比が急
激に大きくなり、ついには無限大となって、ドライバビ
ットの回転は停止し、締付けが完了する。この時、自動
変速機15の変速リング9と遊星コーン6との間でセル
フロックが働くが、ドライバビットの回転停止にともな
って、ねじ締付け完了検出部から出力信号が発信され、
モータの正転が停止する。同時に、モータに逆転指令が
与えられてモータが所定時間僅かに逆転する。モータの
逆転により、自動変速機15の変速リング9と遊星コー
ン6との間のセルフロックが解除され、同時に、モータ
の逆転が自動変速機15の出力軸16に伝達される。こ
の出力軸16が逆転すると駆動軸部22が逆転するが、
ばね26が周面から離れるように伸びるので、駆動軸部
22と被動軸部23とは分離し、駆動軸部22のみが逆
転して、被動軸部23は逆転しない。そのため、ドライ
バビットの逆転が皆無となり、締付けを完了したねじは
緩まず、その頭部に嵌合しているドライバビットの負荷
のみが軽減される。 [考案の効果] 以上説明したように、本考案はモータの回転を入力円
板、遊星コーン、カムディスクおよび変速リングでなる
自動変速機を介してドライバビットに伝達するととも
に、前記モータの制御部に締付け完了検出部を接続して
その出力信号によりモータの正転を停止させ、さらにモ
ータを所定時間わずかに逆転させるように構成する一
方、前記自動変速機の出力軸を正転方向のみの回転を伝
達するラップスプリングを介してドライバビットに連接
するように構成しているため、ねじ締付け完了時点でモ
ータの正転が停止して後モータが逆転する際に、自動変
速機の出力軸が逆転しても、ドライバビットは停止した
状態に保持され、ドライバビットの負荷が軽減されるの
みで、締付けを完了したねじを緩めることがなく、確実
な締付けが可能となるばかりか、ドライバビット上昇時
にねじの頭部を破損することもなく、またモータに大き
な負荷も加わらず、モータの寿命も伸長する等の利点が
ある。
の影響を排除して所望のねじ締付けトルクで確実にねじ
締めを行うように構成した自動ねじ締め機に関する。 [従来技術] 一般に、ねじ締付けトルクを制御する場合には、モータ
によりドライバビットを回転させ、このドライバビット
に加わる負荷に応じて変動するモータの負荷電流を検出
し、この検出値が設定値に達すれば、その時点から一定
時間後にモータを停止させる装置、およびドライバビッ
トに加わる反力トルクを歪みゲージ等のトルク検出器に
より検出し、これが一定値に達すればモータを停止させ
る装置が一般的である。これら装置では、ねじ締付けト
ルクの設定値が低い場合には、ねじ締付け完了時に回転
駆動部の持つ慣性の影響により締付けトルクが設定値か
らかけ離れた値となり、ねじを正確に所望締付けトルク
で締付けることができず、低い設定締付けトルクであっ
てもねじを正確に締付けることのできるねじ締め機が要
望されている。この要望に沿って、新たな自動ねじ締め
機が開発されている。この自動ねじ締め機1は、第4図
ないし第6図に示すように、シリンダ2の作動により昇
降するドライバ台3を有している。このドライバ台3に
はロッド3aを介してモータ台4が固定されており、こ
のモータ台4にはモータ4aがその駆動軸を下方にして
取付けられている。前記モータ4aの駆動軸には、自動
変速機15が連結されている。この自動変速機15は前
記モータ4aの回転を受けて回転する入力円板5を有
し、この入力円板5の外周には複数個の遊星コーン6が
摩擦係合して回転するように配置されている。前記遊星
コーン6の円錐面6cの裏面に位置する平坦面6bには
前記入力円板5と同心上で回転するカムディスク7が摩
擦係合するように配置されており、後記する変速リング
9と遊星コーン6との摩擦係合位置により、その変速比
を連続的に変えるように構成されている。また、前記カ
ムディスク7には調圧機構14を介して前記自動変速機
15の出力軸16が連接されており、この出力軸16に
はこれと一体に回転する連接機構17を介してドライバ
ビット8が連結され、モータ4aの回転がドライバビッ
ト8に伝達されるように構成されている。さらに、前記
ドライバ台3には前記モータ台4との間にトルク検出部
3bを介してケース10が回転自在に配置されており、
このケース10は前記入力円板5、遊星コーン6および
カムディスク7を内包するように構成されている。ま
た、このケース10内にはその底蓋18に固定された固
定具11を介してアーム12が回動自在に係止されてお
り、このアーム12の上端には変速リング9が回動自在
に支持され、前記遊星コーン6の円錐面6cに沿って移
動可能に構成されている。前記変速リング9 はその摩
擦係合位置が高速側に位置するようにばね13により付
勢されており、このばね13と前記アーム12とが変速
リング9の摩擦係合位置で決まる減速比の最大値および
締付けトルクを規制するように構成されている。 [考案が解決しようとする問題点] 上記自動ねじ締め機では、正常なねじ締付けの際に、ね
じ(図示せず)の座面がワーク(図示せず)に当接する
までは、ドライバビット8に加わる負荷が小さく、ほぼ
一定であるため、変速リング9の移動がほとんどなく、
ドライバビット8は高速で回転してねじを締付けること
ができる。その後、ねじの座面がワークに当接すると、
ドライバビット8の負荷が急激に増大する。同時に、変
速リング9がドライバビット8の負荷に応じて反力トル
クを受け、ドライバビット8と逆方向に回動する。この
時、変速リング9はアーム12により保持されているた
め、遊星コーン6との摩擦係合位置を変え、その減速比
が急激に増大する。そのため、ドライバビット8の回転
が急激に減速され、その回転が零回転となってねじ締付
けを完了し、モータ4aの回転部の持つ慣性の影響を受
けることなく、正確かつ迅速に締付けを行うことができ
る。ところが、この自動ねじ締め機1では、ねじ締め完
了時点では、変速リング9が遊星コーン6の円錐面6c
に沿って移動し、その減速比が無限大となる位置に達
し、変速リング9と遊星コーン6とがセルフロックされ
ている。この状態で、ドライバビット8が上昇すると、
ドライバビット8がねじの頭部に食付いてワークを持ち
上げたり、ドライバビット8がねじの頭部から無理に離
脱し、ねじの頭部またはドライバビット8の先端が破損
する恐れが生じている。これを防止するため、ドライバ
ビット8を上昇させる際には、変速リング9と遊星コー
ン6との間のセルフロックを解除する必要が生じてい
る。そのため、モータ4aの制御部(図示せず)に適当
なねじ締付け完了検出部(図示せず)を設け、その出力
信号によりモータ4aを所定時間だけ僅かに逆転させ
て、変速リング9と遊星コーン6との間のセルフロック
が解除されている。ところが、このセルフロックの解除
が瞬間に行われる関係で、この時間の設定が長すぎたり
すると、モータ4aの逆転がドライバビット8に伝達さ
れ、締付けの完了したねじを緩めてしまうような不具合
が生じている。 [問題点を解決するための手段] 本考案は、上記不具合の解消を目的とするもので、シリ
ンダの作動により昇降するドライバ台を有している。こ
のドライバ台には、モータが一体に昇降するように取付
られており、このモータにはその回転を受けて回転する
入力円板とその外周に摩擦係合する遊星コーンとこれに
摩擦係合するカムディスクとを連接し、さらにこのカム
ディスクには出力軸およびドライバビットが一体に回転
するように連接されている。また、前記ドライバ台側に
一端が回動自在に係止されたアームが配置されている。
このアームの他端には変速リングが回動自在にかつ前記
遊星コーンの円錐面に摩擦係合する位置に保持されてお
り、しかも前記変速リングはばねにより高速側に付勢さ
れて位置するように構成されている。一方、前記モータ
の制御部にはねじ締付け完了検出部が設けられており、
このねじ締付け完了検出部の出力信号は前記モータの正
転を停止させるとともに前記モータを所定時間わずかに
逆転させるように構成されている。さらに、前記出力軸
とドライバビットとの間には出力軸と一体に回転しかつ
出力軸の一端に設けられた段部に係合する切欠を有する
駆動軸部と、これと同心上に位置するように配置されて
かつドライバビットと一体に回転する被動軸部とが設け
られている。また、この駆動軸部と被動軸部とにはその
周面に当接するようにばねが巻付けられており、そのば
ね長さは駆動軸部側と被動軸部側とで規制されている。 [作用] 上記自動ねじ締め機では、モータが駆動されると、モー
タの正転が遊星コーンの円錐面に対する変速リングの摩
擦係合位置で決まる減速比でカムディスクおよび出力軸
に伝達され、これに係合する駆動軸部が回転する。この
回転によりその周面に接するばねが駆動軸部および被動
軸部に巻き付く方向に縮み、駆動軸部と被動軸部とが一
体となって出力軸の回転がドライバビットに伝達され
て、ねじがワークの所定位置に締付けられる。ねじが締
付けられて、ドライバビットの反力トルクに応じて変速
リングに反力が加わり、変速リングが回動すると、アー
ムが傾斜し、変速リングがその軸心方向に移動し、その
減速比が大きくなる。ねじの座面がワークに当接する
と、ドライバビットの負荷が急激に大きくなるので、前
記減速比が急激に大きくなり、ついには無限大となっ
て、ドライバビットの回転は停止し、締付けが完了す
る。同時に、ドライバビットの回転停止にともなって、
ねじ締付け完了検出部から出力信号が発信され、モータ
の正転が停止する。同時に、モータに逆転指令が与えら
れ、モータが所定時間僅かに逆転する。そのため、入力
円板および遊星コーンが逆転し、変速リングと遊星コー
ンとの間のセルフロックが解除され、変速リングは遊星
コーンに沿って高速側に復帰する。この時、変速リング
が瞬時に復帰するため、変速リングが復帰後しばらくの
時間モータの逆転がカムディスクおよび出力軸に伝達さ
れる。このカムディスクおよび出力軸の逆転は駆動軸部
に伝達されるが、その周面に接するばねは周面から離れ
る方向に延びるため、駆動軸部と被動軸部とは分離し、
被動軸部には駆動軸部の逆転が伝達されず、ドライバビ
ットは逆転せず、締付を完了したねじを緩めることが皆
無となる。しない。 [実施例] 以下、実施例を図面について説明する。第1図ないし第
3図において、1は自動ねじ締め機であり、ドライバ台
(図示せず)と一体に昇降するモータ(図示せず)の回
転を受けて回転する自動変速機15を有している。この
自動変速機15はモータの駆動軸の回転を受けて回転す
る入力円板5、この外周に摩擦係合して回転する複数個
の遊星コーン6、遊星コーン6の円錐面6cの裏面に位
置する平坦面6bに摩擦係合しかつ前記入力円板5と同
心上で回転するカムディスク7およびこのカムディスク
7に調圧機構14を介して連接された出力軸16を有し
ている。この出力軸16はトルク検出部(図示せず)を
介してドライバ台に取付けられたケース10の底蓋18
の内壁部18aで回転自在に保持されている。また、前
記自動変速機15は前記ドライバ台側に一端が回動自在
に係止されたアーム12およびこの上端に保持されかつ
前記遊星コーン6の円錐面6cに摩擦係合する変速リン
グ9を有し、この変速リング9と遊星コーン6との摩擦
係合位置により、その変速比を連続的に変え前記出力軸
16の回転を減速するように構成されている。前記出力
軸16は一端に段部16aを有し、この出力軸16の段
部16aはラップスプリングクラッチ21を構成する駆
動軸部22の上端に設けられた切欠22aに係合するよ
うに構成されている。前記駆動軸部22は前記出力軸1
6と同心上に配置されており、その下部にはその軸線方
向に延びる収納穴22bを有している。この収納穴22
bには駆動軸部22と同心上に配置された被動軸部23
の先端の係合部24が貫挿されており、この係合部24
には円周溝24aが形成され、この円周溝24aには前
記駆動軸部22に圧入されたピン25が位置して駆動軸
部22と被動軸部23とが離脱しないように構成されて
いる。また、前記駆動軸部22と被動軸部23にはその
周面に当接するようにばね26が巻付けられており、そ
のばね長さが駆動軸部22に固定されたストップリング
27と被動軸部23の膨径部23aとにより規制される
ように構成されており、駆動軸部22の正転時にばね2
6が縮んで駆動軸部22および被動軸部23が一体とな
り、駆動軸部22の正転のみが被動軸部23に伝達され
るように構成されている。さらに、前記被動軸部23の
一端には連結機構(図示せず)を介してドライバビット
(図示せず)が一体に回転するように連結されている。
上記自動ねじ締め機では、モータが駆動されてモータの
正転が遊星コーン6の円錐面6cに対する変速リング9
の摩擦係合位置で決まる減速比で自動変速機15の出力
軸16に伝達される。この出力軸16の回転にともな
い、これに係合する駆動軸部22が回転し、この回転に
よりその周面に接するばね26が駆動軸部22および被
動軸部23に巻き付く方向に縮み、駆動軸部22および
被動軸部23が一体となって出力軸16の回転がドライ
バビットに確実に伝達されて、ねじがワークの所定位置
に締付けられる。ねじが締付けられて、ねじの座面がワ
ークに当接すると、ドライバビットの負荷が急激に大き
くなり、ドライバビットの負荷に応じて変速リング9が
回動してアーム12が傾斜する。これにともない、前記
変速リング9がその軸心方向に移動し、その減速比が急
激に大きくなり、ついには無限大となって、ドライバビ
ットの回転は停止し、締付けが完了する。この時、自動
変速機15の変速リング9と遊星コーン6との間でセル
フロックが働くが、ドライバビットの回転停止にともな
って、ねじ締付け完了検出部から出力信号が発信され、
モータの正転が停止する。同時に、モータに逆転指令が
与えられてモータが所定時間僅かに逆転する。モータの
逆転により、自動変速機15の変速リング9と遊星コー
ン6との間のセルフロックが解除され、同時に、モータ
の逆転が自動変速機15の出力軸16に伝達される。こ
の出力軸16が逆転すると駆動軸部22が逆転するが、
ばね26が周面から離れるように伸びるので、駆動軸部
22と被動軸部23とは分離し、駆動軸部22のみが逆
転して、被動軸部23は逆転しない。そのため、ドライ
バビットの逆転が皆無となり、締付けを完了したねじは
緩まず、その頭部に嵌合しているドライバビットの負荷
のみが軽減される。 [考案の効果] 以上説明したように、本考案はモータの回転を入力円
板、遊星コーン、カムディスクおよび変速リングでなる
自動変速機を介してドライバビットに伝達するととも
に、前記モータの制御部に締付け完了検出部を接続して
その出力信号によりモータの正転を停止させ、さらにモ
ータを所定時間わずかに逆転させるように構成する一
方、前記自動変速機の出力軸を正転方向のみの回転を伝
達するラップスプリングを介してドライバビットに連接
するように構成しているため、ねじ締付け完了時点でモ
ータの正転が停止して後モータが逆転する際に、自動変
速機の出力軸が逆転しても、ドライバビットは停止した
状態に保持され、ドライバビットの負荷が軽減されるの
みで、締付けを完了したねじを緩めることがなく、確実
な締付けが可能となるばかりか、ドライバビット上昇時
にねじの頭部を破損することもなく、またモータに大き
な負荷も加わらず、モータの寿命も伸長する等の利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の要部縦断面図である。
【図2】本考案に係るラップスプリングの一部切欠拡大
図である。 【図3】図2のA−A線に沿った要部断面図である。 【図4】本考案に係わる自動ねじ締め機の全体説明図で
ある。 【図5】図4の一部を切欠いた要部拡大図である。 【図6】本考案に係わる自動変速機の要部拡大断面図で
ある。 【符号の説明】 1 自動ねじ締め機 2 シリンダ 3 ドライバ台 3a ロッド 3b トルク検出部 4 モータ台 5 入力円板 6 遊星コーン 6a 円周溝 6b 平坦面 6c 円錐面 7 カムディスク 8 ドライバビット 9 変速リング 10 ケース 11 固定具 12 アーム 13 ばね 14 調圧機構 15 自動変速機 16 出力軸 16a 段部 17 連接機構 18 底蓋 18a 内壁部 21 ラップスプリングクラッチ 22 駆動軸部 22a 切欠 22b 収納穴 23 被動軸部 23a 膨径部 24 係合部 24a 円周溝 25 ピン 26 ばね 27 ストップリング
図である。 【図3】図2のA−A線に沿った要部断面図である。 【図4】本考案に係わる自動ねじ締め機の全体説明図で
ある。 【図5】図4の一部を切欠いた要部拡大図である。 【図6】本考案に係わる自動変速機の要部拡大断面図で
ある。 【符号の説明】 1 自動ねじ締め機 2 シリンダ 3 ドライバ台 3a ロッド 3b トルク検出部 4 モータ台 5 入力円板 6 遊星コーン 6a 円周溝 6b 平坦面 6c 円錐面 7 カムディスク 8 ドライバビット 9 変速リング 10 ケース 11 固定具 12 アーム 13 ばね 14 調圧機構 15 自動変速機 16 出力軸 16a 段部 17 連接機構 18 底蓋 18a 内壁部 21 ラップスプリングクラッチ 22 駆動軸部 22a 切欠 22b 収納穴 23 被動軸部 23a 膨径部 24 係合部 24a 円周溝 25 ピン 26 ばね 27 ストップリング
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダ2の作動により昇降するドライバ台3を設け、
このドライバ台3に一体に昇降するようにモータ4aを
固定し、このモータ4aにその回転を受けて回転する入
力円板5とその外周に摩擦係合する遊星コーン6とこれ
に摩擦係合するカムディスク7とを配置し、このカムデ
ィスク7にこれと一体に回転するように出力軸16およ
びドライバビット8を連接するとともに、前記ドライバ
台3側に一端が回動自在に係止されたアーム12を配置
し、このアーム12の上端に変速リング9を回動可能に
かつ前記遊星コーン6の外周に摩擦係合して配置し、さ
らにこの変速リング9をばね13により高速側に付勢す
る一方、 前記ねじ締付け完了検出部を設け、このねじ締付け完了
検出部の出力信号により前記モータ4aの正転を停止さ
せるとともに前記モータ4aをわずかに逆転させるモー
タ4aの制御部を設けた自動ねじ締め機において、 出力軸16とドライバビット8との間に、出力軸16と
一体に回転しかつ出力軸の一端に設けられた段部に係合
する切欠22aを有する駆動軸部22と、これと同心上
に位置するように配置されてかつドライバビットと一体
に回転する被動軸部とを設けるとともに、駆動軸部22
と被動軸部23とにその周面に当接するようにばね26
を巻付け、そのばね長さを駆動軸部22側と被動軸部2
3側とで規制したことを特徴とする自動ねじ締め機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP722593U JPH0715699Y2 (ja) | 1993-01-16 | 1993-01-16 | 自動ねじ締め機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP722593U JPH0715699Y2 (ja) | 1993-01-16 | 1993-01-16 | 自動ねじ締め機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0611931U JPH0611931U (ja) | 1994-02-15 |
JPH0715699Y2 true JPH0715699Y2 (ja) | 1995-04-12 |
Family
ID=11660060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP722593U Expired - Lifetime JPH0715699Y2 (ja) | 1993-01-16 | 1993-01-16 | 自動ねじ締め機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0715699Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5828133Y2 (ja) * | 1979-09-14 | 1983-06-18 | 大阪機工株式会社 | 防音扉のグレモン装置 |
JPH047346Y2 (ja) * | 1984-11-22 | 1992-02-26 | ||
CN113671462B (zh) * | 2021-08-05 | 2022-05-27 | 江苏扬子鑫福造船有限公司 | 一种雷达升降装置 |
-
1993
- 1993-01-16 JP JP722593U patent/JPH0715699Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0611931U (ja) | 1994-02-15 |
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