JPH07156972A - 吸水性シート - Google Patents

吸水性シート

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Publication number
JPH07156972A
JPH07156972A JP29965693A JP29965693A JPH07156972A JP H07156972 A JPH07156972 A JP H07156972A JP 29965693 A JP29965693 A JP 29965693A JP 29965693 A JP29965693 A JP 29965693A JP H07156972 A JPH07156972 A JP H07156972A
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JP
Japan
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water
absorbent sheet
ethylene
copolymer
nitrogen atom
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Application number
JP29965693A
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English (en)
Inventor
Junichi Kuroki
潤一 黒木
Kenji Endo
憲二 遠藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 繊維状カルボキシメチルセルロースの塩から
なる膨潤性構造体にて形成される吸水性層1と、該吸水
性層の上に形成される非透水性層2とを備えることを特
徴とする吸水性シート。 【効果】 良好な吸水性、湿潤強度及びフリーカット性
を兼備する。また、非透水性層の形成材料中に、銀イオ
ンを徐々に溶出させることができる銀イオン含有無機物
を含有せしめることにより抗菌性を付与することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性シートに関する
ものであり、更に詳しくは、食品類のドリップや結露水
を吸収するために食品容器内に敷くシート、青果物等の
結露水による鮮度低下を防止するために用いる包装用シ
ート、建築物又はコンテナの天井・内壁の結露水を吸収
するためのシート、食品類の乾燥防止のため予め水を吸
収させておき包装するための保湿シート、電子レンジで
食品を加熱する際に予め吸水させておき水蒸気の発生源
として用いるシート等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品、特に畜肉、魚肉等から滲出す
るドリップは外観を損ねるため、食品とトレーとの間に
吸水性シートを敷設することが行われている。青果物の
包装の際には、呼吸による蒸散による結露水により外観
を損ねたり、鮮度が劣化する場合があるため、吸水性シ
ートで包装する場合がある。また、建築物又はコンテナ
内の結露水を吸収するため、天井や内壁に吸水性シート
を使用する場合がある。
【0003】従来、これらの用途に使用される吸水性シ
ートとしては、単なる紙又は不織布、あるいはそれらと
基材シートの貼合体が一般的であり、また、不織布やプ
ラスチックシート等に吸水性樹脂をバインダーとともに
塗布したシートや高吸水性繊維を配合した乾式不織布等
も知られている。しかしながら、単なる紙又は不織布
は、水分吸収力が小さい上に吸収した液体の保持力も小
さいという欠点を有している。また、吸水時の強度(湿
潤強度)が低下するため、食品から吸水性シートを剥離
する場合に、破断の危険性が伴うものであった。
【0004】不織布やプラスチックシート等に吸水性樹
脂をバインダーとともに塗布したものはバインダーによ
り吸水性樹脂の膨潤性が阻害されるため吸水量を多く設
定することが困難という欠点があった。また、食品と吸
水性樹脂が直に接触するのを防止するために表面層を必
要とするものであった。更に、吸水性樹脂が端面より脱
落するのを防止するために、端面処理を必要とするもの
であり、フリーカット性に乏しいものであった。
【0005】高吸水性樹脂繊維を配合した乾式不織布
は、外観が布状であるため、用途が限定されるという欠
点があった。また、従来の吸水性シートは、余剰水分に
よる食品等の外観の低下を防止するものであり、食品に
付着した雑菌の増殖の問題や、吸水性シート自体が雑菌
の温床となる問題については全く考慮していない。
【0006】抗菌性を有する吸水性シートとしては、本
出願人により提出されている特開昭63−156540
号公報及び特開平1−85271号公報に記載のもの等
があるが、これらは無機系の抗菌剤と吸水性樹脂を透水
性の基材でサンドイッチしたものであり、吸水性シート
内部での雑菌の繁殖を防止することを特徴とするもので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の吸水性シー
トは、吸水性が不十分であったり、吸水時の強度が不十
分なものであった。また、吸水性をアップするために吸
水性樹脂を用いたものは、吸水性樹脂と食品との接触を
避けるために表面層を必要とするものであり、吸水時の
吸水性樹脂の膨潤による端面からの吸水性樹脂の脱落の
ため、フリーカット性に乏しいものであった。即ち、良
好な吸水性、湿潤強度及びフリーカット性を兼備した吸
水性シートは、皆無であった。
【0008】また、前記の従来の技術において、紙、不
織布又はそれらと基材シートの貼合体は、食品等の余剰
水分による外観の低下を防止するものであるため、雑菌
に対する考慮は全くなされていない。更に、無機系の抗
菌剤と吸水性樹脂を透水性の基材でサイドイッチした吸
水性シートは、吸水性樹脂がサンドイッチされているた
め、フリーカット性に乏しいという欠点がある。
【0009】従って、本発明の第1の目的は、良好な吸
水性、湿潤強度及びフリーカット性を兼備した吸水性シ
ートを提供することにあり、また本発明の第2の目的
は、前記特性に加えて抗菌性を兼備した吸水性シートを
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく種々検討を行った結果、繊維状カルボキ
シメチルセルロースの塩からなる膨潤性構造体にて形成
される吸水性層と、該吸水性層の上に形成される非透水
性層とを備えることを特徴とする吸水性シートの構成と
することにより、優れた吸水性能と湿潤強度を有し、し
かもフリーカット性を有する吸水性シートを得ることが
可能となることを見出し、更に、前記非透水性層又は吸
水性層の形成材料中に、銀イオンを徐々に溶出させるこ
とができる銀イオン含有無機物を含有せしめることによ
り、前記特性に加えて抗菌性を兼備した吸水性シートを
得ることが可能となることを見出し、本発明に想到し
た。
【0011】即ち、本発明は以下の発明を包含する。 (1)繊維状カルボキシメチルセルロースの塩からなる
膨潤性構造体にて形成される吸水性層と、該吸水性層の
上に形成される非透水性層とを備えることを特徴とする
吸水性シート。 (2)前記繊維状カルボキシメチルセルロースの塩の少
なくとも一部にカチオン型水溶性高分子による高分子電
解質錯体が形成されており、前記カチオン型水溶性高分
子の側鎖又は主鎖に1級窒素原子、2級窒素原子、3級
窒素原子及び4級窒素原子から選ばれる少なくとも1種
を有する繰り返し単位を含み、これらの窒素原子以外に
は架橋結合を生成する官能基を実質的に含まないもので
あることを特徴とする前記(1)に記載の吸水性シー
ト。 (3)前記カチオン型水溶性高分子がアイオネンポリマ
ー、ポリエチレンイミン、ポリアミン樹脂、ポリアミン
ポリアミド又はキトサンであることを特徴とする前記
(2)に記載の吸水性シート。 (4)前記非透水性層の形成が熱可塑性樹脂の押出コー
ティングによるものであり、前記熱可塑性樹脂がポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレ
ン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルア
クリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート・
無水マレイン酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体及びアイオノマー
から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前
記(1)に記載の吸水性シート。 (5)前記非透水性層又は吸水性層の形成材料中に、銀
イオンを徐々に溶出させることができる銀イオン含有無
機物が含有せしめられていることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の吸水性シート。 (6)抗菌性を有することを特徴とする前記(5)に記
載の吸水性シート。 (7)銀イオンを含有する無機物がゼオライト、溶解性
ガラス、風化造礁珊瑚、層状リン酸塩、リン酸カルシウ
ム、粘土鉱物及びケイ酸カルシウムから選ばれる少なく
とも1種であることを特徴とする前記(5)又は(6)
に記載の吸水性シート。 (8)前記非透水性層の形成が銀イオン含有無機物を分
散せしめた熱可塑性樹脂の押出コーティングによるもの
であり、前記熱可塑性樹脂がポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチ
ルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合
体、エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共
重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メ
タクリル酸共重合体及びアイオノマーから選ばれる少な
くとも1種であることを特徴とする前記(5)〜(7)
のいずれかに記載の吸水性シート。 (9)少なくとも非透水性層を貫通する微細連通孔が設
けられていることを特徴とする前記(5)〜(8)のい
ずれかに記載の吸水性シート。 (10)吸水性シートの一定間隔毎に幅方向へのミシン
目が形成されており、吸水性シート全体としては巻回状
態をなしており、使用に際しては、吸水性シートを巻回
状態より繰り出し、前記ミシン目にて切断することを特
徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の吸水性
シート。
【0012】本発明の吸水性シートにおける吸水性層と
しては、繊維状カルボキシメチルセルロース(以下「繊
維状CMC」と表記する場合がある)の塩からなる膨潤
性構造体が用いられる。ここで、繊維状CMCの塩とし
ては、少なくともその一部にカチオン型水溶性高分子に
よる高分子電解質錯体が形成されており、前記カチオン
型水溶性高分子が1級窒素原子、2級窒素原子、3級窒
素原子及び4級窒素原子から選ばれる少なくとも1種を
有する繰り返し単位を含み、これらの窒素原子以外には
架橋結合を生成する官能基を実質的に含まないものであ
ることが好ましい。
【0013】ここで、1級窒素原子とは、結合手が1つ
の炭素原子と2つの水素原子に結合した窒素原子であ
り、アミノ基又は慣用的に1級アミノ基と称されるもの
である。1級窒素原子を含む化合物は第1アミンであ
る。2級窒素原子とは、結合手が2つの炭素原子と1つ
の水素原子に結合した窒素原子であり、慣用的に2級ア
ミノ基と称される場合もある。2級窒素原子を含む化合
物は第2アミンである。3級窒素原子とは、結合手が3
つの炭素原子に結合した窒素原子であり、慣用的には、
3級アミノ基と称される場合もある。3級窒素原子を含
む化合物は第3アミンである。4級窒素原子とは、結合
手が4つの炭素原子と結合した窒素原子であり、陰イオ
ンと結合して第4アンモニウム塩を形成する。
【0014】本発明においては、好ましくは、繊維状C
MCの塩を架橋する多官能性薬剤や他官能性樹脂を使用
せず、カチオン型高分子を用いて繊維状CMCの塩の少
なくとも一部に高分子電解質錯体を形成した膨潤性構造
体を使用する。カチオン型水溶性高分子とは、分子中に
塩基性基を有する高分子化合物であり、1級、2級、3
級及び4級窒素原子の中から選ばれた少なくとも1種を
有する繰り返し単位からなる水溶性高分子である。この
ようなカチオン型水溶性高分子の例としては、天然高分
子化合物のキトサンがあり、合成高分子には、重合体の
側鎖に1級窒素原子、2級窒素原子、3級窒素原子又は
4級窒素原子を有するポリマー(1)と、重合体の主鎖
に1級窒素原子、2級窒素原子、3級窒素原子又は4級
窒素原子を有するポリマー(2)とがある。
【0015】重合体の側鎖に1級、2級、3級又は4級
窒素原子を有するポリマー(1)の例としては、次の
(1−a)に例示する1級、2級、3級又は4級窒素原
子とこれ以外のビニル基等の重合可能な基を有するモノ
マーのホモポリマー(単独重合体)が挙げられる。 (1−a):N, N−ジアルキルビニルアミン、ビニル
トリアルキルアンモニウム、N−アルキルアミノアルキ
ルアクリレート、N−アルキルアミノアルキルメタクリ
レート、N−アルキルアミノアルキルアクリルアミド、
N−アルキルアミノアルキルメタクリルアミド、N, N
−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N, N−ジ
アルキルアミノアルキルメタクリレート、N, N−ジア
ルキルアミノアルキルアクリルアミド、N, N−ジアル
キルアミノアルキルメタクリルアミド、アクリロイルオ
キシアルキルトリアルキルアンモニウム、メタクリロイ
ルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム、アクリル
アミドアルキルトリアルキルアンモニウム、メタクリル
アミドアルキルトリアルキルアンモニウム、ビニロキシ
アルキルアミン、N−アルキルビニロキシアルキルアミ
ン、N, N−ジアルキルビニロキシアルキルアミン、
N, N, N−トリアルキルビニロキシアルキルアンモニ
ウム等のモノマー これらのモノマーにおいて、アルキル基は炭素数1〜4
であり、アルキル基の代わりにアルカノール基が導入さ
れているものでもよく、また第4アンモニウム塩の窒素
原子に結合する1つのアルキル基の代わりにアルコキシ
カルボニルアルキレン基が導入されているものでもよ
い。前記モノマーの単独重合体の具体的1例を挙げれ
ば、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライド)がある。
【0016】重合体の側鎖に1級、2級、3級又は4級
窒素原子を有するポリマー(1)の別の例としては、
(1−b)1級、2級、3級又は4級窒素原子並びに他
に重合可能な基を有するモノマーと他のモノマーとの共
重合体、即ち前記(1−a)で挙げたモノマーと他のモ
ノマーとの共重合体が挙げられる。ここで、他のモノマ
ーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルアクリレ
ート、アルキルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビ
ニルピリジン等が挙げられる。共重合体の1例を挙げれ
ば、ポリ(3−アクリルアミド−3−メチルブチルトリ
メチルアンモニウムクロライド−CO−アクリルアミ
ド)がある。
【0017】重合体の側鎖に1級、2級、3級又は4級
窒素原子を有するポリマー(1)の更に別の例として
は、(1−c)ポリアクリルアミド等のホモポリマーを
マンニッヒ変成又はホフマン分解反応によりカチオン化
したものが挙げられる。重合体の主鎖に1級、2級、3
級又は4級窒素原子を有するポリマー(2)としては、
(2−a)アイオネンポリマー、(2−b)ポリエチレ
ンイミン、(2−c)狭義のポリアミン樹脂、(2−
d)その他の縮合ポリマーが挙げられる。
【0018】(2−a)アイオネンポリマーとは、イオ
ン性アミノ基、特に4級アンモニウム基を主鎖に有する
ポリマーで、大部分の窒素原子が4級化されているもの
である。一例を挙げれば、分子両端にハロゲン原子を有
するジハロ化合物と分子両端に3級窒素原子を有するジ
第3アミンとの重付加体(下記一般式(I))がある。
【0019】
【化1】
【0020】(2−a)のアイオネンポリマーの他の例
としては、第1アミン1モルにエピクロロヒドリン2モ
ルが開環付加して生成する重合性先駆物質(分子両端に
塩素原子を有する第3アミン)と、分子両端に3級窒素
原子を有するジ第3アミンとの重付加体(下記一般式
(II))が例示できる。
【0021】
【化2】
【0022】更に、(2−a)のアイオネンポリマーの
他の例としては、第2アミン1モルにエピクロロヒドリ
ン1モルが開環付加して生成する、一方の分子端に塩素
原子を、他方の分子端に3級窒素原子を有する化合物が
付加して得られるポリマー(下記一般式 (III))を例
示できる。
【0023】
【化3】
【0024】(2−b)のポリエチレンイミンは、エチ
レンイミンの開環重合によって生成するポリマーであ
り、主鎖と分岐した主鎖に、1級、2級及び3級窒素原
子を有する。(2−c)のポリアミン樹脂の化学的定義
は確立していないが、狭義には、例えば、1級、2級、
3級、4級窒素原子を含み、4級窒素原子が窒素原子総
数の半分以下のものと定義され、4級窒素原子が少ない
点で、前記アイオネンポリマーと区別される。(2−
c)のポリアミン樹脂の例としては、例えば、第1アミ
ン1モルにエピクロロヒドリン1モルが開環付加した化
合物を4級窒素原子の生成を抑えて縮合したポリマー
であるポリアミンを酸性にして塩酸塩としたもの(下記
一般式(IV))を例示できる。
【0025】
【化4】
【0026】(2−c)のポリアミン樹脂の他の例とし
ては、アルキレンジアミンとエピクロロヒドリンとの重
縮合体であるポリアミン樹脂(下記一般式(V))を例
示できる。
【0027】
【化5】
【0028】更に、(2−c)のポリアミン樹脂の他の
例としては、アルキレンジアミンとアルキレンジハライ
ドとの重縮合体であるポリアミン樹脂(下記一般式(V
I))がある。
【0029】
【化6】
【0030】(2−d)のその他の縮合ポリマーとして
は、アルキレンポリアミンとジカルボン酸との重縮合体
であるポリアミンポリアミド、例えばジエチレントリア
ミンとアジピン酸の重縮合体を例示することができる。
更に、前記のキトサン、単独重合体、共重合体及び変成
物等において、1級、2級又は3級窒素原子を4級化剤
で4級化したポリマーもカチオン型水溶性高分子であ
る。4級化剤は、1級、2級又は3級窒素原子にアルキ
ル基又はアルコキシカルボニルアルキレン基を導入でき
るもので、メチルクロライド、エチルクロライド、メチ
ルブロマイド等のハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、
クロル酢酸メチル等である。4級化反応は繰り返し単位
がモノマーの段階で実施してから重合してもよいし、又
は重合した後、ポリマー中の繰り返し単位に高分子反応
により4級化を行ってもよい。
【0031】本発明に用いるカチオン型水溶性高分子
は、1級、2級、3級又は4級窒素原子以外には架橋結
合を生成する反応性の高い官能基、例えばグリシジル
基、アルデヒド基、カルボキシル基、ビニル基、アリル
基、N−メチロール基、チオール基、イソシアナート、
イソチオシアナート等を実質的に含まないことが必要で
ある。これは、カチオン型水溶性高分子が、繊維状CM
Cの塩に高分子電解質錯体を形成すること以外には、共
有結合の架橋などを形成しないようにするためである。
実質的に含まないとは、共有結合の架橋が高分子電解質
錯体の生成を阻害又は減少せしめ、その結果、吸水した
膨潤性構造体にヌメリを生じさせる程度に含まない意味
である。
【0032】本発明において、カチオン型水溶性高分子
は、カチオン当量がpH3〜9の範囲において、0.1
〜20ミリ当量/g、好ましくは、1〜15ミリ当量/
gであり、(数)平均分子量は5000〜10000
0、好ましくは5000〜20000である。繊維状C
MCの塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニ
ウム塩、又はメチルアミン、エタノールアミン等のアミ
ン塩が挙げられる。繊維状CMCの塩のエーテル化度
は、0.1〜1.0、好ましくは0.4〜0.6であ
り、繊維状CMCの塩の塩基飽和度(カルボキシル基の
中で、塩になったものの割合)は、50〜100%、好
ましくは90〜95%である。
【0033】繊維状CMCの塩に対するカチオン型水溶
性高分子の添加量は、繊維状CMCのアニオン当量の
0.1〜100%のカチオン当量に相当する量の範囲内
において、前記カチオン型水溶性高分子の種類に応じて
適切な量を選択することができる。カチオン型水溶性高
分子の添加により、繊維状CMCの塩に高分子電解質錯
体が形成される。高分子電解質錯体とは、反対電荷を有
する繊維状CMCの塩とカチオン型高分子との間で、主
にクーロン力を介して形成されると考えられる錯体であ
る。
【0034】本発明における膨潤性構造体は、繊維状C
MCの塩の分散液に、1級、2級、3級及び4級窒素原
子から選ばれる少なくとも1種を有する繰り返し単位を
含み、これらの窒素原子以外には架橋結合を生成する官
能基を実質的に含まないカチオン型水溶性高分子を加え
て、前記繊維状CMCの塩の少なくとも1部に高分子電
解質錯体を形成した紙料を調製し、該紙料を脱水、成形
することにより製造することができる。
【0035】更に、前記の原料に加えて、木材パルプ、
非木材パルプ、溶解パルプ、製紙用半合成繊維、製紙用
合成繊維、製紙用無機繊維等を50重量%以下の割合、
好ましくは25重量%以下の割合で配合してもよい。ま
た、湿潤紙力付与剤等を添加してもよい。本発明の吸水
性シートは、前記の手法により製造される膨潤性構造体
にて形成される吸水性層と、該吸水性層の上に形成され
る非透水性層とを備える。
【0036】非透水性層の形成は従来公知の方法で可能
であり、例えば合成樹脂フィルムを前記吸水性層の上に
ラミネートしたり、又は溶融状態の熱可塑性樹脂を前記
吸水性層の上に押出コーティングすることにより形成で
きる。本発明においては、熱可塑性樹脂の押出コーティ
ングによる非透水性層の形成が最も好適である。ここ
で、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリエステル等の任意の熱可塑性樹脂が使用可能で
あるが、特にポリオレフィンが好適に使用できる。ポリ
オレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタ
クリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共
重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチ
レン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体、
エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル
酸共重合体、アイオノマーから選ばれる1種又は2種以
上が好ましい。
【0037】非透水性層の厚みは、必要とされる湿潤強
度にもよるが、5〜100μが好ましく、10〜40μ
が更に好ましい。本発明においては、該非透水性層の形
成により、吸水時の湿潤強度が飛躍的に向上する。ま
た、該非透水性層により、食品等を包装した際に、食品
の乾燥防止効果が高まる。前述の如く得られた吸水性シ
ートは、吸水時のヌメリが発生しないため、特別な保護
層を必要とせず、食品と直接接触させることが可能であ
る。また、吸水性樹脂を使用していないため、吸水性シ
ートの任意の位置で切断が可能となる(フリーカット
性)。
【0038】更に、本発明の吸水性シートは、一定間隔
毎に幅方向へのミシン目を形成することが可能である。
該ミシン目加工により、シート全体が巻回状態となった
吸水性シート連続体とすることができる。また、本発明
の吸水性シートは、非透水性層又は吸水性層、好ましく
は非透水性層の形成材料中に、銀イオンを徐々に溶出さ
せることができる銀イオン含有無機物を含有せしめるこ
とにより抗菌性を付与することができる。
【0039】ここで、銀イオンを含有せしめる無機物と
しては、例えばゼオライト、溶解性ガラス、風化造礁珊
瑚、層状リン酸塩、リン酸カルシウム、粘土鉱物、ケイ
酸カルシウム等が使用可能であり、特にゼオライト、溶
解性ガラスが好ましい。銀イオンを含有したこれらの無
機物からは、銀イオンが徐々に溶出し、溶出した銀イオ
ンが雑菌に対して抗菌作用を発揮することになる。
【0040】本発明においては、このような銀イオン含
有無機物を200μ以下、好ましくは50μ以下の微粒
子として、非透水性層の形成材料中に含有せしめる。こ
こで、銀イオン含有無機物の粒径が200μを超える
と、形成材料中に均一に分散せしめることが困難にな
る。また、その含有量は、0.05〜15重量%が好ま
しい。0.05重量%未満であると、銀イオンによる抗
菌効果が不十分となり、また15重量%を越えると、形
成材料中への混入が難しくなり、好ましくない。
【0041】非透水性層の形成は従来公知の方法で可能
であり、例えば銀イオン含有無機物を含有する合成樹脂
フィルムを前記吸水性層の上にラミネートしたり、又は
溶融状態の銀イオン含有無機物を含有する熱可塑性樹脂
を前記吸水性層の上に押出コーティングすることにより
形成できる。本発明においては、銀イオン含有無機物を
分散せしめた熱可塑性樹脂を吸水性層の上に押出コーテ
ィングにより非透水性層を形成する手法が最も好適に採
択できる。
【0042】ここで、熱可塑性樹脂としては、前述した
ものが挙げられる。銀イオン含有無機物の熱可塑性樹脂
への混合については、成形時又はその直前に混合する方
法、又は予め熱可塑性樹脂中に銀イオン含有無機物を混
入してマスターバッチ化しておく手法が適用され得る。
少なくとも非透水性層を貫通する微細連通加工を施すこ
とにより、非透水性面(抗菌面)を直接食品等に接触さ
せることも可能で、内容物に対する抗菌効果を更に高め
ることも可能である。
【0043】前記の微細連通加工を施す場合、例えば加
熱針による物理的方法、又はレーザーによる光学的方法
等、任意の手法を用いることができる。孔径及び開孔数
には特に制限はないが、孔径として50〜800μ、開
孔数として0.1〜1000ケ/cm2 の範囲の微細連通
加工が一般的である。
【0044】
【実施例】以下、実施例、比較例及び実験例により本発
明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実
施例に限定されるものではない。 (実施例1)繊維状CMCのNa塩(ニチリン化学社
製、エーテル化度0.43、塩基飽和度90%)を水に
分散させて、1.5%濃度にした分散液を準備した。こ
れにポリアミン樹脂(住友化学工業社製、スミレーズレ
ジンFR−2P、数平均分子量10000、カチオン当
量5.8ミリ当量/g、4級窒素原子及び3級窒素原子
含有)を前記繊維状CMCのNa塩に対して2.0
%の割合で添加し、この紙料を用いて円網式抄紙機によ
り坪量70g/m2 の膨潤性構造体よりなるシート体を
得た(幅1000mm×長さ2000m)。
【0045】前記のシート体表面にコロナ放電処理を行
い、コロナ放電処理面に低密度ポリエチレン(以下「L
DPE」と称す)(三井石油化学工業社製 ミラソン1
1P)を溶融状態でT型ダイスにより押し出し、チルロ
ールにより冷却・固化させ、非透水性層を形成し、下記
構成よりなる実施例1の吸水性シートを得た。 * 吸水性層(70g/m2 )/LDPE15μ (実施例2)繊維状CMCの塩からなる膨潤性構造体に
て形成される吸水性層として、三島製紙社製オークトル
800(坪量:65g/m2 )を用いた(幅1000mm
×長さ2000m)。
【0046】前記のシート体表面にコロナ放電処理を行
い、コロナ放電処理面にLDPE(三井石油化学工業社
製 ミラソン11P)を溶融状態でT型ダイスにより押
し出し、チルロールにより冷却・固化させ、非透水性層
を形成し、下記構成よりなる実施例2の吸水性シートを
得た。 * 吸水性層(65g/m2 )/LDPE15μ (比較例1)実施例2で使用したオークトル800を比
較例1の吸水性シートとした。
【0047】(比較例2)針葉樹晒木材パルプ(以下
「NBKP」と称す)をカナダろ水度で550mlCSF
まで叩解後、製紙用湿潤強度付与剤(ディックハーキュ
レス社製 カイメン557H)をNBKP絶乾重量に対
して固形分で0.3重量%添加し、この紙料を用いて円
網式抄紙機により坪量70g/m2 の比較例2の吸水性
シートを得た。
【0048】* 紙(70g/m2 ) (比較例3)比較例2のシート体表面にコロナ放電処理
を行い、コロナ放電処理面にLDPE(三井石油化学工
業社製 ミラソン11P)を溶融状態でT型ダイスによ
り押し出し、チルロールにより冷却・固化させ、非透水
性層を形成し、下記構成よりなる比較例3の吸水性シー
トを得た。
【0049】* 紙(70g/m2 )/LDPE15μ (比較例4)NBKPをカナダろ水度で550mlCSF
まで叩解後、製紙用湿潤強度付与剤(ディックハーキュ
レス社製 カイメン557H)をNBKP絶乾重量に対
して固形分で0.3重量%添加し、この紙料を用いて円
網式抄紙機により坪量20g/m2 のシート体を得た
(幅1000mm×長さ2000m)。
【0050】前記シート体上に吸水性樹脂(住友精化社
製 アクアキープ10HS)を5g/m2 、結着剤(東
レ社製 ケミットR−272 40MP)を0.5g/
2散布した後、同じシート体を重ね合わせて、加熱エ
ンボス加工により挟着・一体化し、3層構成よりなる比
較例4の吸水性シートを得た。 * 紙(20g/m2 )/吸水性樹脂(5g/m2 )/
紙(20g/m2 ) (実験例1)実施例1及び2並びに比較例1〜4につい
て、吸水量、湿潤破断強度、ヌメリの程度を次のように
して測定した。結果を表1に示す。 (吸水量)10cm×10cmの試験片を水道水1000ml
中に30分間浸漬した後、一端を上にして1分間吊るし
て過剰水を落下させた後、試験片の重量を測定した。吸
水量は、次式により算出した。
【0051】* 吸水量(g/m2 )=〔(過剰水除去
後の試験片重量g)−(試験片風乾重量g)〕×100 (湿潤破断強度)幅15mm、長さ200mmの試験片を2
0℃の水道水中に30分間浸漬した後、濾紙で過剰水を
除去し、JIS Z−1702に準じて湿潤破断強度を
測定した。 (湿潤状態でのヌメリ)10cm×10cmの試験片を水道
水1000ml中に3分間浸漬した後、試験片表面の感触
を官能評価した。
【0052】
【表1】
【0053】(実験例2)20cm×30cmの白色紙の上
に実施例1及び2並びに比較例1〜4の吸水性シートを
10cm×20cmに切断したものを載せ、更に吸水性シー
ト上に冷凍の牛肉を300g載置し、5℃の冷蔵庫にて
24時間解凍し、ドリップ保持力と防水性を評価した。
ドリップ保持力と防水性は、下記方法に従い評価した。
結果を表2に示す。 (ドリップ保持力)ドリップ吸収後の重量とドリップ吸
収前の重量の差により、吸水性シート1枚当り(10cm
×20cm)のドリップ吸収量を算出した。なお、ドリッ
プ吸収後の重量の測定は、吸水性シートの一端を上にし
て1分間吊るして余剰ドリップを落下させた後、測定し
た。 (防水性)次式により防水性を評価した。
【0054】ドリップにより汚れた白色紙の面積(cm2)
/吸水性シート面積(200cm2
【0055】
【表2】
【0056】(実施例3)繊維状CMCの塩からなる膨
潤性構造体にて形成される吸水性層として、三島製紙社
製 オークトル800(坪量:65g/m2 )を用い
た。まず、銀イオン含有溶解性ガラス(石塚硝子社製
イオンピュアWAlli)20重量部とLDPE(三井
石油化学工業社製 ミラソン16P)80重量部を16
0℃の加熱下で混合した後、ペレット化し、銀イオン含
有溶解性ガラス(以下「銀ガラス」と記載する)を20
重量%含有したマスターバッチを作成した。ついで、前
記の膨潤性構造体よりなる吸水性層表面にコロナ放電処
理を行い、前記マスターバッチ15重量部とLDPE
(三井石油化学工業社製 ミラソン11P)85重量部
を均一に混合したブレンド物(銀ガラス3%含有LDP
E(以下「銀ガラス3%LDPE」と称す))をコロナ
放電処理面に溶融状態でT型ダイスにより押し出し、チ
ルロールにより冷却・固化させ、非透水性層を形成し、
下記構成よりなる実施例3の吸水性シートを得た。
【0057】* 吸水性層(65g/m2 )/銀ガラス
3%LDPE15μ (実施例4)実施例3で作成した吸水性シートの全面
に、孔径500μ、開孔数100ケ/cm2 となるよう
に、加熱針を用いて非透水性層側より連続的に開孔し、
実施例4の吸水性シートを得た。
【0058】* 吸水性層(65g/m2 )/銀ガラス
3%LDPE15μ(有孔処理) (比較例5)実施例3で使用した膨潤性構造体を比較例
5の吸水性シートとした。 (比較例6)実施例3で使用した膨潤性構造体を吸水性
層として、吸水性層表面にコロナ放電処理を行い、LD
PE(三井石油化学工業社製 ミラソン11P)をコロ
ナ放電処理面に溶融状態でT型ダイスにより押し出し、
チルロールにより冷却・固化させ、非透水性層を形成
し、下記構成よりなる比較例6の吸水性シートを得た。
【0059】* 吸水性層(65g/m2 )/LDPE
15μ (比較例7)NBKPをカナダろ水度で550mlCSF
まで叩解後、製紙用湿潤強度付与剤(ディックハーキュ
レス社製 カイメン557H)をNBKP絶乾重量に対
して固形分で0.3重量%添加し、この紙料を用いて円
網式抄紙機により坪量65g/m2 の比較例7の吸水性
シートを得た。
【0060】(比較例8)NBKPをカナダろ水度で5
50mlCSFまで叩解後、製紙用湿潤強度付与剤(ディ
ックハーキュレス社製 カイメン557H)をNBKP
絶乾重量に対して固形分で0.3重量%添加し、この紙
料を用いて円網式抄紙機により坪量20g/m2 のシー
ト体を得た。
【0061】前記シート体上に吸水性樹脂(住友精化社
製 アクアキープ10HS)を5g/m2 、結着剤(東
レ社製 ケミットR−272 40MP)を0.5g/
2散布した後、同じシート体を重ね合わせて、加熱エ
ンボス加工により挟着・一体化し、下記構成の比較例8
の吸水性シートを得た。 * 紙(20g/m2 )/吸水性樹脂(5g/m2 )/
紙(20g/m2 ) (実験例3)実施例3及び4並びに比較例5〜8につい
て、吸水量、保水量、湿潤破断強度、ヌメリの程度を次
のようにして測定した。結果を表3に示す。 (吸水量)10cm×10cmの試験片を水道水1000ml
中に30分間浸漬した後、一端を上にして1分間吊るし
て過剰水を落下させた後、試験片の重量を測定した。吸
水量は、次式により算出した。
【0062】* 吸水量(g/m2 )=〔(過剰水除去
後の試験片重量g)−(試験片風乾重量g)〕×100 (保水量)10cm×10cmの試験片を水道水1000ml
中に30分間浸漬した後、800rpmで30秒間遠心
分離した後の試験片の重量を測定した。保水量は次式に
より算出した。
【0063】* 保水量(g/m2 )=〔(遠心分離後
の試験片重量g)−(試験片風乾重量g)〕×100 (湿潤破断強度)幅15mm、長さ200mmの試験片を2
0℃の水道水中に30分間浸漬した後、濾紙で過剰水を
除去し、JIS Z−1702に準じて湿潤破断強度を
測定した。
【0064】(湿潤状態のヌメリ)10cm×10cmの試
験片を水道水1000ml中に3分間浸漬した後、試験片
表面の感触を官能評価した。
【0065】
【表3】
【0066】(実験例4)90mmφのシャーレ上に普通
寒天培地を分注・固化させた後、大腸菌(Escherichia c
oli IFO3301)をシャーレ1枚当たり約104 ケの菌数
(理論塗布量2.0×104 ケ/シャーレ)となるよう
に、全面に塗布した。実施例3及び4並びに比較例5〜
8で作成した吸水性シート(85mmφの円形にカットし
たもの)をシャーレ内の培地に接触させ、3℃、10
℃、20℃で保存し、保存3、6、9、24時間後に、
吸水性シートを除去し、デスオキシコーレイト寒天培地
を普通寒天培地上に重層した後、生存した大腸菌数を測
定した。なお、実施例4以外は、吸水性層側を培地に接
触させ、実施例4は、非透水性面側を培地に接触させ、
試験を実施した。結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】(実験例5)実施例3及び4並びに比較例
5〜8で作成した吸水性シートを300mm×400mmに
カッティングし、豚のブロック肉500gの全面を覆
い、塩化ビニリデンコート延伸ナイロン15μ/ポリエ
チレン60μのパウチ(200mm×300mm)で真空包
装を行った。1℃で3週間保存し、表面部分の一般生菌
数及び大腸菌群数を測定した結果を表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】
【発明の効果】本発明の吸水性シートは、高い吸水量と
優れた湿潤強度を兼備するものである。また、吸水性樹
脂を使用した吸水性シートのような特別な保護層や端面
処理を必要としないため、安価にて提供できるものであ
る。また、フリーカット性を有するため、巻回状として
一定間隔毎にミシン目を形成することにより、ラップ感
覚で使用することも可能であるため、産業上寄与するこ
と極めて大である。
【0071】更に、非透水性層の形成材料中に、銀イオ
ンを徐々に溶出させることができる銀イオン含有無機物
を含有せしめることにより抗菌性を付与することもでき
る。また、非透水性層を貫通するように有孔加工処理を
施した抗菌性の吸水性シートは、内容物に対する鮮度保
持効果が高く、産業上寄与すること極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸水性シートの1実施例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明の抗菌性を有する吸水性シートの1実施
例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の抗菌性を有する吸水性シートの他の実
施例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の吸水性シートを、巻回状として、幅方
向の一定間隔毎にミシン目を形成した吸水性シートの概
略図である。
【符号の説明】
1 膨潤性構造体にて形成される吸水性層 2 非透水性層 3 熱可塑性樹脂 4 ミシン目 5 連通孔 6 銀イオン含有無機物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状カルボキシメチルセルロースの塩
    からなる膨潤性構造体にて形成される吸水性層と、該吸
    水性層の上に形成される非透水性層とを備えることを特
    徴とする吸水性シート。
  2. 【請求項2】 前記繊維状カルボキシメチルセルロース
    の塩の少なくとも一部にカチオン型水溶性高分子による
    高分子電解質錯体が形成されており、前記カチオン型水
    溶性高分子の側鎖又は主鎖に1級窒素原子、2級窒素原
    子、3級窒素原子及び4級窒素原子から選ばれる少なく
    とも1種を有する繰り返し単位を含み、これらの窒素原
    子以外には架橋結合を生成する官能基を実質的に含まな
    いものであることを特徴とする請求項1記載の吸水性シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記カチオン型水溶性高分子がアイオネ
    ンポリマー、ポリエチレンイミン、ポリアミン樹脂、ポ
    リアミンポリアミド又はキトサンであることを特徴とす
    る請求項2記載の吸水性シート。
  4. 【請求項4】 前記非透水性層の形成が熱可塑性樹脂の
    押出コーティングによるものであり、前記熱可塑性樹脂
    がポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合
    体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン
    ・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアク
    リレート・無水マレイン酸共重合体、エチレン・アクリ
    ル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体及びア
    イオノマーから選ばれる少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1記載の吸水性シート。
  5. 【請求項5】 前記非透水性層又は吸水性層の形成材料
    中に、銀イオンを徐々に溶出させることができる銀イオ
    ン含有無機物が含有せしめられていることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸水性シート。
  6. 【請求項6】 抗菌性を有することを特徴とする請求項
    5記載の吸水性シート。
  7. 【請求項7】 銀イオンを含有する無機物がゼオライ
    ト、溶解性ガラス、風化造礁珊瑚、層状リン酸塩、リン
    酸カルシウム、粘土鉱物及びケイ酸カルシウムから選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5又
    は6記載の吸水性シート。
  8. 【請求項8】 前記非透水性層の形成が銀イオン含有無
    機物を分散せしめた熱可塑性樹脂の押出コーティングに
    よるものであり、前記熱可塑性樹脂がポリエチレン、ポ
    リプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレ
    ン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチル
    アクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート
    共重合体、エチレン・エチルアクリレート・無水マレイ
    ン酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレ
    ン・メタクリル酸共重合体及びアイオノマーから選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項5〜7
    のいずれか1項に記載の吸水性シート。
  9. 【請求項9】 少なくとも非透水性層を貫通する微細連
    通孔が設けられていることを特徴とする請求項5〜8の
    いずれか1項に記載の吸水性シート。
  10. 【請求項10】 吸水性シートの一定間隔毎に幅方向へ
    のミシン目が形成されており、吸水性シート全体として
    は巻回状態をなしており、使用に際しては、吸水性シー
    トを巻回状態より繰り出し、前記ミシン目にて切断する
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    吸水性シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180122140A (ko) * 2017-05-02 2018-11-12 경해식품미더덕영어조합법인 생선 가공식품 포장재
WO2020137316A1 (ja) * 2018-12-28 2020-07-02 ユニ・チャーム株式会社 ドリップシート

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