JPH07156483A - 画像記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で記録用紙の確実な搬送を確保す
る。 【構成】 給紙ローラ対２２によりガイド板２６上に給
送された記録用紙の先端部を排出ローラ対２４に案内す
るための３枚の可動ガイド板３２をステー２１ａ，２１
ｂにスライド自在に装着し、これらの各可動ガイド板３
２間に圧縮バネ３４を介在させて各可動ガイド板３２が
キャリッジ２０の移動に弾性的に追従しうるようにする
とともに、キャリッジ２０が初期位置にセットされた状
態で各可動ガイド板３２が所定の間隔でガイド板２６上
に配置されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、搬送方向に配設される
一対のローラ対にニップされた記録用紙の表面に対し、
印字ヘッドにより印字を施すように構成された画像記録
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のような画像記録装置の一例とし
て、例えば、所定の間隔で給紙ローラ対及び排出ローラ
対を配設し、これらの各ローラ対間に記録用紙を下方か
ら支持するガイド板を設ける一方、このガイド板の上方
に記録用紙の搬送方向と直交する方向に延びるステーを
設け、このステーに印字用のノズルを備えた印字ヘッド
を移動可能に装着したようなインクジェット方式のプリ
ンタが知られている。

【０００３】このようなプリンタにおいては、給紙ロー
ラ対から繰り出された記録用紙の先端が排出ローラ対に
ニップされた状態で記録用紙の搬送を一旦休止させ、こ
れにより記録用紙を給紙ローラ対及び排出ローラ対でニ
ップしつつガイド板上で印字に適した平坦な状態に保持
し、この搬送休止期間中に印字ヘッドをステーに沿って
移動させながら、印字ヘッドに備えられたノズルからの
インク吐出により記録用紙に印字を施すようにしてい
る。

【０００４】そして、記録用紙を間歇的に搬送しつつ、
上述のように印字ヘッドの往復移動を繰返しながら記録
用紙全体に所定の印字を施し、印字終了後は排紙ローラ
等を介して排紙トレイ等に記録用紙を排紙するようにな
っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なプリンタでは、印字作業をいかに高速で行うかが課題
となっており、その解決策として、近年ではより多数の
ノズルを備えた印字ヘッドを構成する傾向がある。すな
わち、より多数のノズルを印字ヘッドに装備することに
より、印字ヘッドの１往復中の印字範囲を拡大すること
が行われている。

【０００６】ところが、このように多数のノズルを備え
た印字ヘッドを用いて印字作業の高速化を図るプリンタ
では、いきおい印字ヘッドが大型化し、それ故に給紙ロ
ーラ対と排出ローラ対との間隔を拡大する必要が生じ、
その結果、記録用紙の確実な搬送を阻害するといった弊
害を招いている。

【０００７】すなわち、給紙ローラ対と排出ローラ対の
間を搬送する記録用紙の先端部は、ガイド板によりその
下方をガイドされるだけで、上方に対しては自由な状態
となっている。従って、印字ヘッドの大型化により給紙
ローラ対と排出ローラ対との配設間隔が拡大されている
装置では、記録用紙にカールが生じたり、記録用紙のガ
イド板からの浮きが生じた場合に、記録用紙の先端部が
排出ローラ対にニップされない場合が生じている。そし
て、このような状態で印字ヘッドによる印字が開始され
た場合には、印字不良や、紙詰まりの発生による記録用
紙の破損といった不都合を招くことにもなる。

【０００８】従って、印字ヘッドを大型化して印字作業
の高速化を図るようなプリンタでは、このような不都合
を好適に回避する必要がある。

【０００９】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、簡単な構成で記録用紙の確実な搬送を
確保することができる画像記録装置を提供することを目
的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、記録用紙を搬
送するべく所定の間隔で配設される上流側ローラ対及び
下流側ローラ対と、これらの各ローラ対間に配設され、
搬送される記録用紙を下方から支持する下部ガイド部材
と、この下部ガイド部材の上方に配設され、記録用紙の
搬送方向と直交する方向に延びるステーと、このステー
に往復動可能に支持され、上記記録用紙の停止期間中に
往復動を利用して印字を施す印字ヘッドとを備えた画像
記録装置において、上記下部ガイド部材上方に、上記上
流側ローラ対により上記下部ガイド部材に給送された記
録用紙を上記下流側ローラ対に案内するための上部ガイ
ド部材を設けるとともに、この上部ガイド部材を上記ス
テーにスライド自在に装着し、少なくとも上記上流側ロ
ーラ対による記録用紙の給送時に、上記上部ガイド部材
が上記下部ガイド部材の上方に配置されるようにしたも
のである（請求項１）。

【００１１】また、上記上部ガイド部材が、弾性部材に
より上記印字ヘッドに接近する方向に付勢されるもので
ある（請求項２）。

【００１２】さらに、上記上部ガイド部材が複数個設け
られ、これらの各上部ガイド部材間に上記弾性部材が配
設されたものである（請求項３）。

【００１３】

【作用】上記請求項１記載の発明によれば、上記上流側
ローラ対による記録用紙の給送時には、上部ガイド部材
が下部ガイド部材の上方に配置され、これにより給送さ
れる記録用紙が下部ガイド部材と上部ガイド部材とによ
り確実に下流側ローラ対に案内される。その一方で、印
字ヘッドによる印字時には上部ガイド部材がステーに沿
って印字の邪魔にならない位置に移動される。

【００１４】上記請求項２記載の発明によれば、上部ガ
イド部材が弾性部材により印字ヘッドに接近する方向に
付勢されることにより、上記上部ガイド部材が印字ヘッ
ドの移動に弾性的に追従可能となる。

【００１５】上記請求項３記載の発明によれば、上部ガ
イド部材が下部ガイド部材の上方に配置される際には、
複数設けられた各上部ガイド部材が弾性部材により所定
の間隔で配置される。

【００１６】

【実施例】本発明に係る画像記録装置の一例を図面を用
いて説明する。

【００１７】図１は、本発明の画像記録装置を示す全体
構成図である。同図に示す装置は、例えば、外部装置か
ら入力される画像データ等を印字するプリンタ１０で、
インクジェット方式の印字装置１２と、この印字装置１
２に記録用紙を給送する給紙装置１４とを備えている。

【００１８】印字装置１２は、図２に示すように、具体
的には、給送装置１４の給紙カセット１４ａ又は１４ｂ
から給送される記録用紙を搬送する搬送機構１６と、こ
れにより搬送される記録用紙に印字を施す印字ヘッド１
８と、この印字ヘッド１８を移動可能に保持するキャリ
ッジ２０とを備えた構成を有している。

【００１９】上記搬送機構１６は、印字ヘッド１８のサ
イズに応じた所定の間隔で配設される給紙ローラ対２２
及び排出ローラ対２４と、これらの各ローラ間に配設さ
れるガイド板２６とから構成されており、特に、排出ロ
ーラ対２４は単一構造の駆動側ローラ２４ａと、その軸
方向に複数配設され駆動側ローラ２４ａに従動する複数
のコロローラ２４ｂとから構成されている。なお、この
搬送機構１６の下流側には、印字終了後の記録用紙を排
紙するための排紙ローラ対２８と、排紙された記録用紙
を保持するための排紙トレイ３０が設けられている。

【００２０】上記記録ヘッド１８は、キャリッジ２０に
装着されて搬送機構１６の上方に配設されている。この
記録ヘッド１８の下面には、例えば多数の微小径ノズル
が１ライン又はマトリックス状に構成され、このマトリ
クスがさらにアレイ状に配設されてなるノズル部が具備
されており、このノズル部に設けられたインク吐出機構
によりインクが吐出されて、上記搬送機構１６により搬
送される記録用紙上に画像が印字されるようになってい
る。また、記録ヘッド１８はキャリッジ２０と一体的に
搬送機構１６による記録用紙の搬送方向と直交する方向
（幅方向）に往復移動されるようになっている。すなわ
ち、搬送機構１６の上方には幅方向に延びる一対のステ
ー２１ａ，２１ｂが配設され、このステー２１ａ，２１
ｂに上記キャリッジ２０がスライド自在に装着されると
ともに、図外のモータ等の駆動手段により往復動可能と
されている。

【００２１】ところで、上記印字装置１２には、本発明
の特徴点として、搬送機構１６に給送された記録用紙
を、給紙ローラ対２２から排出ローラ対２４に案内する
ための可動ガイド板３２が設けられている。

【００２２】上記可動ガイド板３２は、図２及び図３に
示すように、例えば樹脂材料等から形成された板状の部
材で、ステー２１ａ，２１ｂにスライド自在に装着され
ており、図示の実施例ではステー２１ａ，２１ｂに３枚
の可動ガイド板３２が装着されている。各可動ガイド板
３２の下端部と上記ガイド板２６との隙間は実施例では
約１mm程度に設定されており、給紙ローラ対２２から給
送される記録用紙が、この隙間を介して排出ローラ対２
４に案内されるようになっている。

【００２３】また、上記ステー２１ａ，２１ｂにはそれ
ぞれ３本の圧縮バネ３４が挿通されており、これらの各
圧縮バネ３４が、図３に示すように、上記各可動ガイド
板３２間及び最後端側（図３では左端）の可動ガイド板
３２とプリンタの側板等との間に配設されている。すな
わち、これにより上記キャリッジ２０が幅方向先端側
（図３では右側端）に移動された図２に示す初期状態に
おいて、各可動ガイド板３２が圧縮バネ３４の付勢力に
より所定の間隔で上記ガイド板２６の上方に配置され、
しかも最先端側（図３では右側端部）の可動ガイド板３
２がキャリッジ２０に当接されるようになっている。

【００２４】このように構成された上記プリンタ１０に
おいては、給紙装置１４から繰り出された記録用紙が搬
送機構１６に給送され、該記録用紙の先端が排出ローラ
対２４にニップされた状態でその搬送が一旦休止され
る。すなわち、このように記録用紙が給紙ローラ対２２
及び排出ローラ対２４にニップされてガイド板２６上に
保持されることで、記録用紙が印字に適した平坦な状態
に保持されるようになっている。そして、この搬送機構
１６の休止期間中にキャリッジ２０がステー２１ａ，２
１ｂに沿って幅方向に移動されつつ印字ヘッド１８によ
り記録用紙に印字が施される。そして、その後、搬送機
構１６により記録用紙が間歇的に搬送されながら印字ヘ
ッド１８が往復移動されて記録用紙全体に所定の印字が
施され、印字終了後は排紙ローラ対２８により排紙トレ
イ３０上に記録用紙が排紙されるようになっている。

【００２５】ところで、以上のように構成されたプリン
タ１０では、給紙ローラ対２２と排出ローラ対２４の間
隔が比較的広く設定された搬送機構１６でも、好適に記
録用紙の搬送を行うことが可能となっている。

【００２６】すなわち、上記印字装置１２において、給
紙装置１４から搬送機構１６に記録用紙が給送される際
には、給紙ローラ対２２によりガイド板２６上に送出さ
れた記録用紙が、ガイド板２６及び可動ガイド板３２に
より排出ローラ対２４に案内されて排出ローラ対２４に
ニップされるので、給紙ローラ対２２と排出ローラ対２
４との間隔が広く設定されている場合でも確実に記録用
紙を給紙ローラ対２２から排出ローラ２４へ案内するこ
とができる。従って、印字作業の高速化を図るべく印字
ヘッド１８に多数のノズルを搭載し、これにより印字ヘ
ッド１８が大型化して給紙ローラ対２２と排出ローラ２
４との配設間隔を広く設定する必要がある場合でも、記
録用紙のカール等の発生に影響されることなく確実に記
録用紙を排出ローラ対２４に案内することができる。

【００２７】しかも、キャリッジ２０が図３に示す初期
位置からステー２１ａ，２１ｂに沿って往復移動を開始
すると、このキャリッジ２０の移動に伴い、図４に示す
ように、各圧縮バネ３４が圧縮されつつ各可動ガイド板
３２がプリンタの後側端部（図４では左側端部）に移動
されるので、印字ヘッド１８による印字作業中に可動ガ
イド板３２が印字作業の邪魔になるようなことがない。
その上、圧縮バネ３４の付勢力により各可動ガイド板３
２が弾性的に印字ヘッド１８の移動に追従し得るように
なっているので、給紙ローラ対２２による記録用紙の給
送時には、キャリッジ２０が初期位置にリセットされる
ことで、確実に各可動ガイド板３２がガイド板２６の上
方に配置され、これにより搬送機構１６に給送される記
録用紙を確実に排出ローラ２４に案内することができ
る。

【００２８】従って、上記印字装置１２では、排出ロー
ラ対２４への記録用紙のニップ不良に起因した印字不良
やジャムの発生による記録用紙の破損といった従来装置
での不都合を効果的に回避でき、印字作業の高速化を図
るべく大型印字ヘッドを搭載したようなプリンタ等には
極めて有利なものとなっている。

【００２９】なお、本発明の構成は上記実施例に限られ
るものではなく、以下に示すように構成することも可能
である。

【００３０】例えば、上記実施例では、図２に示すよう
に可動ガイド板３２が、給紙ローラ対２２の近傍から排
出ローラ対２４の近傍に亘って設けられているが、必ず
しも給紙ローラ対２２から排出ローラ対２４に亘って設
ける必要はなく、給紙ローラ対２２と排出ローラ対２４
との間隔が比較的狭いような場合等には排出ローラ対２
４の近傍にだけ設けるように構成してもよく、給紙ロー
ラ対２２と排出ローラ対２４との間隔に応じて適宜設け
るようにすればよい。

【００３１】また、上記実施例では、３枚の可動ガイド
板３２が設けられ、これら可動ガイド板３２が図３に示
すようにガイド板２６上で記録用紙の幅方向（図３では
左右方向）中央及び両端部となる箇所に配置されるよう
になっているが、可動ガイド板３２の数はこれ以上、あ
るいはこれ以下であっても構わず、また、給送時に可動
ガイド板３２が配置される位置や、可動ガイド板３２の
形状等も搬送される記録用紙を好適に排出ローラ２４に
案内しうるように適宜設定するようにすればよい。

【００３２】さらに、上記実施例では、各ステー２１
ａ，２１ｂに圧縮バネ３４を挿通し、これらの各圧縮バ
ネ３４を各可動ガイド板３２間に介在させることで、各
可動ガイド板３２が弾性的に印字ヘッド１８の移動に追
従するようになっているが、必ずしも両方のステー２１
ａ，２１ｂに圧縮バネ３４を挿通する必要はなく、いず
れか一方のステーに挿通するように構成しても構わな
い。また、必ずしも可動ガイド板３２が印字ヘッド１８
に追従するように構成する必要はなく、給紙装置１４か
ら搬送機構１６に記録用紙が給送される時だけ、可動ガ
イド板３２がガイド板２６上方に配置され、それ以外の
ときにはステー２１ａ，２１ｂに沿ってプリンタの後側
端部に退避するように可動ガイド板３２とキャリッジ２
０が個々に移動するように構成しても構わない。

【００３３】また、上記実施例では、キャリッジ２０に
対してステー２１ａ，２１ｂの片側（図３では左側）に
のみ可動ガイド板３２が配設されているが、例えばキャ
リッジ２０の両側に可動ガイド板３２を設け、キャリッ
ジ２０の往復移動に応じて、いずれかの可動ガイド板３
２が常にガイド板２６の上方に配置されるように構成し
ても構わない。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、記録用紙を搬送す
るべく所定の間隔で配設される上流側ローラ対及び下流
側ローラ対と、これらの各ローラ対間に配設され、搬送
される記録用紙を下方から支持する下部ガイド部材と、
この下部ガイド部材の上方に配設され、記録用紙の搬送
方向と直交する方向に延びるステーと、このステーに往
復動可能に支持され、上記記録用紙の停止期間中に往復
動を利用して印字を施す印字ヘッドとを備えた画像記録
装置において、上記下部ガイド部材上方に、上記上流側
ローラ対により上記下部ガイド部材に給送された記録用
紙を上記下流側ローラ対に案内するための上部ガイド部
材を設けるとともに、この上部ガイド部材を上記ステー
にスライド自在に装着し、少なくとも上記上流側ローラ
対による記録用紙の給送時に、上記上部ガイド部材が上
記下部ガイド部材の上方に配置されるようにしたので、
簡単な構成で記録用紙の確実な搬送を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像記録装置を示す全体構成図であ
る。

【図２】本発明の画像記録装置の印字装置を示す構成略
図である。

【図３】印字装置を示す図２におけるＡ矢視図である。

【図４】印字時の印字装置を示す図２におけるＡ矢視図
である。

【符号の説明】

１０ プリンタ １２ 印字装置 １６ 搬送機構 １８ 印字ヘッド ２０ キャリッジ ２１ａ，２１ｂ ステー ２２ 給紙ローラ対 ２４ 排出ローラ ２４ａ 駆動側ローラ ２４ｂ コロローラ ２６ ガイド板 ３２ 可動ガイド板 ３４ 圧縮バネ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 弘一 大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 河内 嘉子 大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 堀 節夫 大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工 業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録用紙を搬送するべく所定の間隔で配
   設される上流側ローラ対及び下流側ローラ対と、これら
   の各ローラ対間に配設され、搬送される記録用紙を下方
   から支持する下部ガイド部材と、この下部ガイド部材の
   上方に配設され、記録用紙の搬送方向と直交する方向に
   延びるステーと、このステーに往復動可能に支持され、
   上記記録用紙の停止期間中に往復動を利用して印字を施
   す印字ヘッドとを備えた画像記録装置において、上記下
   部ガイド部材上方に、上記上流側ローラ対により上記下
   部ガイド部材に給送された記録用紙を上記下流側ローラ
   対に案内するための上部ガイド部材を設けるとともに、
   この上部ガイド部材を上記ステーにスライド自在に装着
   し、少なくとも上記上流側ローラ対による記録用紙の給
   送時に、上記上部ガイド部材が上記下部ガイド部材の上
   方に配置されるようにしたことを特徴とする画像記録装
   置。
2. 【請求項２】 上記請求項１記載の画像記録装置におい
   て、上記上部ガイド部材が、弾性部材により上記印字ヘ
   ッドに接近する方向に付勢されることを特徴とする画像
   記録装置。
3. 【請求項３】 上記請求項２記載の画像記録装置におい
   て、上記上部ガイド部材が複数個設けられ、これらの各
   上部ガイド部材間に上記弾性部材が配設されたことを特
   徴とする画像記録装置。