JPH0715625Y2 - トランスファプレスのフィ−ドバ転倒防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はムービングボルスタの走行中にフィードバが
転倒するのを防止したトランスファプレスのフィードバ
転倒防止装置に関する。

〔従来の技術〕

従来トランスファプレスに設置されたトランスファ装置
は、金型交換の際、フィードバに取付けられたフィンガ
も交換できるよう、フィードバが金型とともにプレス本
体外へ引出せるようになっている。また金型を引出す際
フィードバｃはプレス本体のアプライト間より引出せる
長さに分割された後、第６図に示すようにムービングボ
ルスタａ上に設けられた受け台ｂ上に載置されて、ムー
ビングボルスタａとともにプレス本体内より引き出され
るようになっている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしフィードバｃにはフィンガｄが取付けられている
ため、フィンガｄの重みによりムービングボルスタａの
移動中にフィードバｃが転倒する不具合があった。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

この考案は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で、プレス本体に対して出入れ自在なムービングボルス
タに、中央部材と両端部材とに切離し自在なフィードバ
の中央部材を載置するバー受け台を設けたものにおい
て、上記バー受け台の受け座に、該受け座上に載置され
た中央部材により解除位置より係止位置へ回動される係
止レバを設けると共に、中央部材側には、両端部材の切
離しとともに係止レバ側へ移動してこれを係止する係止
手段を設けたことにより、ムービングボルスタの移動
中、バー受け台上の中央部材がフィンガの重みで転倒す
るのを防止したトランスファプレスのフィードバ転倒防
止装置を提供しようとするものである。

〔実施例〕

この考案を図示の一実施例を参照して詳述する。

図において１はプレス本体で、四隅に立設されたアプラ
イト1aの間に、プレス本体１に対して出入れ自在なムー
ビングボルスタ２を有している。

３は上記ムービングボルスタ２の上方に互に平行するよ
う設置された一対のフィードバで、金型交換の際金型と
ともにプレス本体１より出入れできるよう中央部材3bと
両端部材3a,3cに３分割できるようになっている。

また上記フィードバ３の分割部には、各部材3a,3b,3cを
切離し自在に連結する連結装置４が設けられていると共
に、金型交換時中央部材3bは両端部材3a,3bと切離され
て、ムービングボルスタ２の四隅に立設されたバー受け
台５の受け座5a上に支持されるようになっている。

そしてこの中央部材3bの両端側とバー受け台５の受け座
5a間に、中央部材3bに取付けられたフィンガ21の重みに
よりフィードバ３が転倒するのを防止する転倒防止機構
７が設けられている。

上記転倒防止機構７は第３図ないし第５図に示すよう
に、中央部材3bの両端がわ外側面に固着された軸受けブ
ロック８にフック９の基端側が摺動自在に支承されてい
る。

上記フック９の基端部には作動杆10の一端が螺着されて
いると共に、作動杆10の他端側にはばね座11が固着され
ていて、このばね座11と軸受けブロック８の間に介在さ
れた圧縮ばね12により押圧杆13側に付勢されている。

上記押圧杆13はフィードバ３の両端部材3a,3b側に固着
されていて、各部材3a,3b,3cの連結時、押圧杆13の先端
により作動杆10が圧縮ばね12に抗して第４図に示す解除
方向に押圧されている。

一方上記フック９の先端側には、フック９の先端が係脱
自在に係合する係止レバ15が設けられている。

上記係止レバ15はほぼＬ字形をなしていて、基端側が中
央部材3bの下方においてピン16により受け台5aの側面に
回動自在に枢着されている。

ピン16にはつる巻ばね17が設けられていて、上記係止レ
バ15をストッパ18に当接する解除位置へ回動するよう付
勢していると共に、係止レバ15の基端部には解除位置へ
回動した際受け座5a上面へ突出する突出部15aが突設さ
れている。

また係止レバ15の先端側には、フック９側へ突出する係
止部15bが設けられていて、この係止部15bにフック９を
係止することにより中央部材3bの転倒が防止されるよう
になっている。

なお図中20は中央部材3bの底面に形成されたピン孔3dに
嵌入する位置決めピンである。

次に作用を説明すると、金型の交換に当って、まずフィ
ードバ３をバー受け台５の受け座5a上方まで移動させた
後下降させて、中央部材3bの底部ピン孔3dに受け座5a上
に突設された位置決めピン20を嵌入する。

これによって中央部材3bの底面により係止レバ15の突出
部15aが下方へ押圧されるため、いままで第５図の仮想
線で示す解除位置にあった係止レバ15がピン16を中心に
実線で示す係止位置へ回動される。

この状態で中央部材3bより両端部材3a,3cを切り離す
と、いままで押圧杆13で押圧されていた作動杆10が解放
されるため、圧縮ばね12の作用でフック９が係止レバ15
の先端方向へと移動し、フック９の先端が係止部15bに
係合する。

従ってこの状態でムービングボルスタ２をプレス本体１
内より引き出しても、係止レバ15により中央部材3bが係
止されているので、ムービングボルスタ２の移動中、中
央部材3bに取付けられたフィンガ21の重みにより中央部
材3bが転倒して、受け座5aより落下するのを防止するこ
とができるようになる。

また金型を交換して再びムービングボルスタ２をプレス
本体１内へ収容した後、中央部材3bの両端に両端部材3
a,3cを連結すると、フック９が押圧されて係止レバ15を
解除するため、係止レバ15はつる巻ばねの付勢力で解除
位置へと退避される。

〔考案の効果〕

この考案は以上詳述したように、ムービングボルスタよ
り立設されたバー受け台の受け座上にフィードバを載置
して中央部材より両端部材を切離すことにより、中央部
材が転倒防止機構により係止されるようにしたことか
ら、ムービングボルスタの移動中フィンガの重みにより
中央部材が転倒して受け座より落下するなどの不具合を
確実に防止できるようになる。

また中央部材の係止及び解除は、フィードバの連結及び
切離しにより自動的に行なわれるようにしたことから、
人為的に係止したり解除する必要がないと共に、係止や
解除を忘れて作業を開始するなどの不具合も解消するこ
とができる。

さらに中央部材により係止位置に回動された係止レバ
に、両端部材の切離しとともに係止レバ側へ移動される
係止手段で係止レバを係止するようにしたことから、ト
ランスファバーのリフト方向の干渉領域を大きくせずに
係止が可能となり、これによってリフト域に無駄が生じ
ることもなくなる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は全体的な概
略平面図、第２図は同正面図、第３図は転倒防止機構の
平面図、第４図は同正面図、第５図は第４図Ｖ方向から
の矢視図、第６図は従来の説明図である。 １はプレス本体、２はムービングボルスタ、３はフィー
ドバ、3a,3cは両端部材、3bは中央部材、５はバー受け
台、5aは受け座、15は係止レバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレス本体１に対して出入れ自在なムービ
   ングボルスタ２に、中央部材3bと両端部材3a,3cとに切
   離し自在なフィードバ３の中央部材3bを載置するバー受
   け台５を設けたものにおいて、上記バー受け台５の受け
   座5aに、該受け座5a上に載置された中央部材3bにより解
   除位置より係止位置へ回動される係止レバ15を設けると
   共に、中央部材3b側には、両端部材3a,3cの切離しとと
   もに係止レバ15側へ移動してこれを係止する係止手段を
   設けてなるトランスファプレスのフィードバ転倒防止装
   置。