JPH0715339B2 - バイパス水路付給湯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、バイパス水路付給湯機に関するものである。

従来の技術 従来、この種のバイパス水路付給湯機は、第３図に示す
ように水入口管１を経て給湯用熱交換器２を通過する水
路３と並列にバイパス水路４が接続され、その合流点と
しての接続点には、モータ駆動式水量比例弁５が設けら
れている。その合流点の後方にサーミスタ６が設けら
れ、出湯管７へと連通している。5aはモータ、８は制御
部である。

上記構成により、以下その動作を説明する。市水は、水
入口管１を通り、分岐点９で給湯用熱交換器２を通る水
路３とバイパス水路４とに分岐して流れる。このとき、
給湯用熱交換器２中の水はバーナ10で加熱され、モータ
駆動式水量比例弁５が設けられた合流点で合流して出湯
管７より給湯される。また、バイパス水路４の流量は、
モータ駆動式水量比例弁５で制御でき、たとえば、出湯
流量が過大で給湯機最大能力を越えて出湯温度が設定温
度より低下したとき、出湯流量をモータ駆動式水量比例
弁５でしぼってバイパス水路４からの流量を少なくし、
出湯温度を設定温度になるように補償している。

発明が解決しようとする課題 上記従来の構成では、出湯を一時中断後、再出湯したと
きに給湯用熱交換器に蓄えられた熱量が流れの止まった
給湯用熱交換器２中の水に伝熱されて起こる後沸きによ
り直接熱湯が出湯するという問題を有し、さらに、これ
を実現するのにコスト的に高くつくという問題を有して
いた。

本発明は上記従来の課題を解決するもので、出湯を一時
中断後、再出湯しても後沸きによる熱湯が直接出湯され
ることがなく、出湯温度が安定し、しかも、これを安価
に実現できるバイパス水路付給湯機を提供することを目
的とするものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明のバイパス水路付給湯
機は、給湯用熱交換器の水路と並列に設けられたバイパ
ス水路と、前記バイパス水路に設けられた電磁弁と、給
湯機の使用を一時中断後、再使用したときに給湯中断前
の連続給湯時間と給湯中断直前の燃焼量と給湯中断時間
より給湯用熱交換器の後沸き量を演算し、前記後沸き量
が一定量以上の場合は給湯再使用時に前記バイパス水路
の電磁弁を一定時間のみ開状態にする制御手段とを備え
たものである。

作用 上記構成により、給湯機の使用を一時中断後、再使用し
たときに、制御手段は、給湯中断前の連続給湯時間と給
湯中断直前の燃焼量と給湯中断時間より後沸き量を演算
し、後沸き量が一定量以上の場合は給湯用熱交換器内の
水の後沸きが顕著であると判断し、バイパス水路の電磁
弁を一定時間のみ開状態にして、熱交換器中の後沸きに
よる高温水とバイパス水路中の水を混合して出湯するた
め、給湯再使用時でも、後沸きによる熱湯が直接出湯さ
れることがなく、安定した出湯温度が得られる。しか
も、安価な電磁弁を用いることで、低コスト化を図るこ
とができる。

実施例 以下、本発明の一実施例について第１図および第２図に
基づいて説明する。

第１図は本発明の実施例を示すバイパス水路付給湯機の
構成図である。第１図において、水入口11は分岐点12に
連通し、分岐点12で通水路が水路13とバイパス水路14と
に分岐する。一方の水路13は給湯用熱交換器15を通過
し、他方の水路14は電磁弁16を通過してそれぞれ合流点
17に連通している。この合流点17はミキシング温度測定
用のサーミスタ18を経て出湯口19へ連通している。20は
制御手段であり、給湯機21の使用を一時中断後、再使用
したときに、制御手段20により、給湯用熱交換器15の後
沸き量を演算し、後沸き量が0.5以上の場合には給湯再
使用時にバイパス水路14の電磁弁16を一定時間のみ開状
態にして、給湯用熱交換器15中の後沸きによる高温水に
合流点17でバイパス水路14中の水を混合して冷し、出湯
口19から直接熱湯が出湯しない構成としている。22は燃
料比例弁であり、バーナ23の燃焼量を制御している。

上記構成により、以下、その動作を説明する。

第２図は本発明の一実施例のバイパス水路付給湯機の使
用を一時中断後、再使用する場合の電磁弁の開閉につい
てのシーケンスを示すフローチャートである。第２図に
おいて、まず、ステップ24で給湯機21が運転を開始した
かどうかを判断して、停止中であれば、ステップ25に示
すように、給湯停止直前の燃焼Ａおよび給湯停止直前ま
での連続給湯時間tAが保持されて、もとにもどり、運転
開始の判断をくり返す。ここで、後沸き量は燃焼停止直
後の高温な熱交換器15のフィン・ドラムのもつ熱量が給
湯停止により、熱交換器15のフィン・ドラムの熱容量分
だけ熱交換器水管内の停止した水に伝熱されるものであ
る。したがって、ステップ26で最給湯の前の連続給湯時
間tAを熱交換器15の熱的平衡到達時間TA（熱交換器温度
が火災により加熱され一定になるまでの時間）と比較す
ることで、給湯停止直後の熱交換器温度の大小を推定で
き、tA/TAが１以上ではステップ27で熱交換器温度上昇
係数ηＡをηＡ＝１とし、１以下ではステップ28でηＡ
＝tA/TAとする。次に燃焼停止直後の高温な熱交換器15
のフィン・ドラムより熱交換器15の水管中の水に熱量を
伝熱するに要する時間を熱交換器15内の水の飽和蓄熱時
間Teとすると、後沸き量は給湯停止後Te時間で最大とな
り、その後は熱交換器15内の高温水よりフィン・ドラム
を介して大気に放熱され減少する。よって、ステップ29
に示す給湯停止時からの経過時間としての給湯中断時間
をｔとすると、t/Teは時間的な後沸き量の状態を示す。
次にステップ30で、飽和蓄熱時間Teと給湯停止時間ｔを
比較する。さらに、後沸き量の絶対的な大きさを示す値
を給湯停止直前の燃焼Ａを最大燃焼量Ｉで除した値A/I
を用いることで、後沸き指数ηをt/Teが１以下のとき
は、ステップ31に示すように、 とし、 t/Teが１より大きいときは、ステップ32で示すように と表現することにより、後沸き量のレベルを後沸き指数
ηで代表することができる。次にステップ33で、後沸き
指数ηが0.5以上であるかどうかを判断し、後沸き指数
ηが0.5以上のときには熱交換器15内の水の後沸きが顕
著であると判断し、ステップ34でバイパス水路14中の電
磁弁16を一定時間Ｃだけ開状態にし熱交換器15中の後沸
きによる高温水とバイパス水路14中の水を混合して冷却
し、出湯する。一方、後沸き指数ηが0.5未満のときに
は熱交換器15中の水の後沸きは少ないものと判断し、ス
テップ35でバイパス水路14の電磁弁16を閉状態にした
後、出湯するものである。さらに、ステップ36で、出湯
温度に応じた燃焼量に制御される。

なお、電磁弁16を開状態にする一定時間Ｃとは、熱交換
器15中の後沸きによる高温水が合流点17を通過完了する
までの時間である。

したがって、出湯を一時中断して、再出湯しても後沸き
による熱湯が直接出湯されることはなく、安定した出湯
温度が得られる。

発明の効果 以上のように本発明によれは、バイパス水路に設けられ
た電磁弁と、後沸き量を演算し、後沸き量が一定量以上
の場合は給湯再使用時に電磁弁を一定時間のみ開状態に
する制御手段とを備えたことにより、熱交換器中の後沸
きによる高温水をバイパス水路中の水と混合して出湯す
るため、後沸きによる熱湯が直接出湯されることがな
く、安定した出湯温度が得られるとともに、安価な電磁
弁を用いることで低コスト化を図ることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すバイパス水路付給湯機
の構成図、第２図は同バイパス水路付給湯機の使用を一
時中断後、再使用する場合の電磁弁の開閉についてのシ
ーケンスを示すフローチャート、第３図は従来のバイパ
ス水路付給湯機の構成図である。 13…水路、14…バイパス水路、15…給湯用熱交換器、16
…電磁弁、20…制御手段、21…バイパス水路付給湯機、
tA…給湯停止前の連続給湯時間、Ａ…給湯停止直前の燃
焼量、ｔ…給湯中断時間、η…後沸き指数。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯用熱交換器の水路と並列に設けられた
   バイパス水路と、前記バイパス水路に設けられた電磁弁
   と、給湯機の使用を一時中断後、再使用したときに給湯
   中断前の連続給湯時間と給湯中断直前の燃焼量と給湯中
   断時間より給湯用熱交換器の後沸き量を演算し、前記後
   沸き量が一定量以上の場合は給湯再使用時に前記バイパ
   ス水路の電磁弁を一定時間のみ開状態にする制御手段と
   を備えたバイパス水路付給湯機。