JPH07153353A - 真空切換管を備えたスイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スイッチは真空切換管１とスイッチケーシン
グ３を備えている。この真空切換管は管状に形成された
ケーシング７を含み、このケーシングは固定された接触
片と可動の接触片を備えている。可動の接触片支持体８
は滑りガイドによって保持されてケーシング７から外へ
案内されている。滑りガイドはケーシング７のフランジ
１６に取り外し可能に固定されたブッシュ１２を備えて
いる。このブッシュ１２はその内面に沿った軸方向の案
内溝２２を有する。この案内溝２２内で、可動の接触片
支持体８の滑り体に保持された案内要素１４が案内され
ている。 【効果】 組み立ておよび運転中、不所望である軸方向
の力、半径方向の力およびねじり力が蛇腹に作用しない
ので、長時間の運転にわたってかつ組み立ておよび保守
整備作業時に、真空切換管の真空気密性が保証され、従
ってスイッチの運転信頼性が保証される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、２個の端子の間に設け
られ、駆動装置によって操作可能な真空切換管を備え、
この真空切換管が管状に形成され真空にされたケーシン
グを含み、このケーシングが固定された接触片と可動の
接触片を備え、固定された接触片が固定された接触片支
持体によって一方の端子に支持され、駆動装置によって
移動可能である可動の接触片の接触片支持体が、蛇腹に
よって真空気密的に案内され、かつ滑りガイドによって
管中心軸線に沿って保持されてケーシングから外へ案内
され、接触片支持体が第２の端子に導電的に連結されて
いるスイッチに関する。

【０００２】

【従来の技術】このようなスイッチが電動車のメインス
イッチとして使用される場合には、このスイッチは比較
的に多くの切換を行わなければならないので、大きな摩
耗を生じる。この場合、スイッチケーシング内に設けら
れた真空切換管が特に摩耗しやすい。この真空切換管の
真空気密性は特に、可動の接触片を真空気密にする、管
内部から外方へ延びる蛇腹によって決まる。

【０００３】本発明の技術水準は例えば米国特許第４，
０７１，７２７号明細書、ヨーロッパ特許出願公開第０
０５４６７０号明細書またはヨーロッパ特許第０１３２
８０４号明細書に記載されている。この技術水準による
真空切換管は、蛇腹によって真空気密的に管内部へ案内
される可動の接触片のための滑りガイドを備えている。
この場合、滑りガイドは管中心軸線に沿って可動の接触
片を案内する。しかしながら、この真空切換管をスイッ
チケーシングに組み込む際に、真空切換管の損傷を確実
に防止することはできない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の根底をなす課
題は、問題なく製作可能で、保守整備が可能で、そして
多数回の切換えの後でも高い信頼性がある、冒頭に述べ
た種類のスイッチを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題は、滑りガイド
がケーシングのフランジに取り外し可能に固定されたブ
ッシュを備え、そしてこのブッシュの内面に沿って案内
された軸方向の案内溝がブッシュに設けられ、可動の接
触片支持体の滑り体が案内溝内を案内され可動の接触片
支持体に保持された案内要素を備えているかあるいは、
ブッシュが回転面と異なる内面を有し、滑り体が回転面
と異なるブッシュの内面に嵌まる外周面を備えているこ
とによって解決される。

【０００６】本発明によるスイッチは、容易に製作可能
な滑りガイドを備えている。この滑りガイドは真空切換
管の可動の接触片を正確に軸方向に案内し、不所望なね
じり力や半径方向の力成分が真空切換管の蛇腹に作用し
ないようにする。この滑りガイドは入手可能な市販の真
空切換管に容易に取り付け可能であり、それによってこ
の管を取り囲むケーシング内での真空切換管の組み立て
を可能にする。その際、真空切換管の真空気密性を保証
する蛇腹が傷つくことはない。同時に、切換えストーク
を軸方向で制限することにより、滑りガイドは遮断時の
蛇腹の圧縮を防止する。従って、スイッチは多数回の切
換えを行うことができ、その際蛇腹が許容されないほど
応力を受けて真空切換管の真空気密性を損なうことがな
い。本発明のスイッチは多数回の切換えの後でもきわめ
て高い信頼性を有し、組み立てや保守整備がしやすい。
この理由から、このスイッチは、困難な運転条件下で長
時間運転した後でも高い安全性が必要とされる電動車に
おけるメインスイッチとして使用可能である。

【０００７】

【実施例】次に、図に基づいて、本発明の好ましい実施
例と、それによって得られる効果を詳しく説明する。

【０００８】図には、本発明の三つの好ましい実施例が
簡略化して示してある。すべての図において、同じ参照
符号は同じように作用する部品を示している。図１〜６
に示した本発明の実施例の場合、電動車に取付け可能な
スイッチは、ほぼ円筒対称形の真空切換管１を備えてい
る。この切換管の中心軸線２に対して同心的に、管状に
形成されたスイッチケーシング３が設けられている。こ
のスイッチケーシング内には真空切換管１が収納されて
いる。スイッチケーシング３は中空円筒状の絶縁体４
と、この絶縁体４に固定連結された金属製の二つの端子
を備えている。一方の端子は蓋５として形成され、他方
の端子は管状の中空体６を含んでいる。

【０００９】真空切換管は関連するメーカーによって多
数販売され、それぞれ二つの接触片を有する、図１に示
す管状のケーシング７を含んでいる。図１から判るよう
に、ケーシング７の左側の端部には、駆動装置によって
管の中心軸線２の方向に両方向矢印で示すように摺動可
能である、一方の可動の接触片の接触片支持体８が、ケ
ーシング７を通って真空気密的に真空切換管１の中を案
内されている。可動の接触片支持体８は図示していない
連結要素を介して、管状の中空体６を含む端子に導電的
に接続されている。ケーシング７の右側の端部では、固
定された他方の接触片の接触片支持体９が、ケーシング
７の内部から外へ真空気密的に案内されている。固定さ
れた接触片支持体９はその突出端部がねじ付管１０とし
て形成されている。ねじ付管１０は、端子として作用す
る蓋５のねじ穴にねじ込まれ、一方では真空切換管１の
右端を固定する働きをし、他方では固定の接触片支持体
９から蓋５として形成された端子への電流伝導部を形成
する。ほぼ管状に形成された絶縁部材１１は真空切換管
１の左端をスイッチケーシング３内で保持する働きをす
る。

【００１０】接触片支持体８，９の図示していない自由
端には、２個の接触片の各々一つが取付けられている。
投入時に、可動の接触片支持体８は駆動装置によって右
側へ摺動させられ、両接触片が互いに接触する。

【００１１】図２には滑りガイドが示してある。この滑
りガイドは接触片支持体８の軸方向の案内を保証し、管
中心軸線回りの可動の接触片支持体８の回転運動を確実
に防止する。この滑りガイドは中空円筒状に形成された
ブッシュ１２と案内要素１４を備えている。このブッシ
ュは組み立てフランジ１３を備え、耐摩耗性の材料、特
に軸受メタルまたはポリテトラフルオルエチレンのよう
な合成樹脂からなっている。案内要素１４は滑り体とし
て作用する可動の接触片支持体８の部分に保持されてい
る。ブッシュ１２は軸方向において少なくとも、可動の
接触片支持体８を傾斜させずに軸方向に案内するような
長さにわたって延びている。代表的な例では、ブッシュ
１２の軸方向の長さはブッシュ１２の内面に支承された
滑り体の直径にほぼ等しい。ブッシュ１２の長さが適切
であり、小さな遊びをもって滑り体がブッシュ１２の内
面に支承され、そして滑り体とブッシュの曲げ強さが大
きいことにより、接触片支持体８は軸方向にのみ摺動可
能である。組み立てフランジ１３は２個のねじ継手１５
によってケーシング７のフランジ１６に固定されてい
る。

【００１２】図３に示すように、両ねじ継手１５はそれ
ぞれ、フランジ１６に固定され組み立てフランジ１３の
穴を通って案内されたねじ付ピン１７と、このねじ付ピ
ン１７を保持するナット１８を備えている。１９は接触
片支持体８を取り囲む蛇腹である。この蛇腹の右端は接
触片支持体８に真空気密的に連結され、左端はケーシン
グ７に真空気密的に連結されている。滑りガイドの滑り
体として作用する接触片支持体８の部分は、ストッパー
２０で終わっている。このストッパーは遮断時に可動の
接触片のストロークｃを制限する。滑り体としての働き
をする接触片支持体８の部分には、軸方向に延びる保持
溝２１が形成されている。この保持溝には案内要素１４
の下側部分が嵌め込まれている。案内要素１４は好まし
くは直方体状に形成されている。案内要素１４の上側部
分は、ブッシュ１２の内面に沿って延びる軸方向の案内
溝２２内でほとんど遊びなく案内されている。

【００１３】本発明による交流スイッチの上記実施例の
作用は次の通りである。遮断時に、可動の接触片の接触
片支持体８は図３に示す投入位置から左方へ案内され
る。ブッシュ１２の内面上を案内される接触片支持体８
の部分は、軸方向の正確な案内を保証し、半径方向に作
用する力を接触片支持体８から蛇腹に伝達しない。この
半径方向の力は、真空切換管１をスイッチケーシング３
に組み込むときに、あるいは保守整備作業のときに発生
し得る。更に、駆動装置は常に可動の接触片に軸方向に
作用する。従って、駆動装置のための付加的な案内要素
が不要である。更に、ほとんど遊びのないように案内要
素１４を案内溝２２内で案内することにより、不所望な
ねじれ力が蛇腹１９に発生しない。これは組み立て作業
および保守整備作業時に特に有利である。この組み立て
作業や保守整備作業の場合には、接触片支持体８が不意
に回転することによって、蛇腹１９が損傷し、それによ
って真空気密でなくなる。

【００１４】可動の接触片が接点の絶縁間隔を生じるの
に充分なストロークｃにわたって移動した時には、スト
ッパー２０が接触片側のブッシュ１２の端部に当接す
る。それによって、不所望である蛇腹１９の強い圧縮
と、真空切換管１の過早の漏れが防止される。

【００１５】図４に示した本発明によるスイッチの変形
例の場合には、ブッシュ１２の組み立てフランジ１３が
締付けリング２３によってケーシング７のフランジ１６
に締付け固定されている。これにより、真空切換管１の
ケーシング７のフランジ１６が軸方向に案内されたねじ
付ピン１７を備えていないときに、ブッシュ１２のきわ
めて簡単な組み立てが達成される。

【００１６】図５，６に示した本発明によるスイッチの
変形例の場合には、ブッシュ１２が図２，３の実施例に
相応してフランジ１６にボルト止めされているが、図４
の変形例に相応して締付けリング２３を介してフランジ
１６に締付け固定可能である。ブッシュ１２の中を案内
される可動の接触片支持体８の滑り体は、成形された外
周面を有するスリーブ２４によって形成されている。外
周面は好ましくは、楕円形、正方形、六角形または他の
多角形のプロフィルを有する。スリーブ２４は中央を案
内された円筒状の穴を有する。スリーブ２４はその駆動
装置側の端部に、可動の接触片支持体８をリング状に取
り囲む材料凹部を備えている。この凹部は可動の接触片
支持体８上に嵌込み可能な締付けリング２５を収容する
ために役立つ。締付けリング２５を通って、軸方向の締
付けねじ２６が案内されている。材料凹部の底には、締
付けねじ２６を収容する軸方向のねじ穴２７が形成され
ている。固定された接触片側のスリーブ２４の端部には
ストッパー２０が設けられている。

【００１７】ブッシュ１２はスリーブ１２の外周面に嵌
まる内面を備えている。ブッシュ１２およびまたはスリ
ーブ２４は、耐摩耗性の材料、特に軸受メタルおよびま
たは特にポリテトラフルオルエチレンのような合成樹脂
によって形成されている。

【００１８】組み立て時に、スリーブ２４は穴に嵌まる
可動接触片支持体８の円筒状部分上を摺動させられ、締
付けリング２５をねじ止めすることによって接触片支持
体に固定される。ブッシュ１２がスリーブ２４の外周面
に適合する内面を備えているので、この変形例の場合に
も、可動の接触片支持体が常に軸方向に密着案内され、
前述の実施例に相応して、可動接触片支持体８の半径方
向およびまたは四方への運動が完全に防止される。スリ
ーブ２４を適切に固定することにより、遮断時に可動接
触片が所定のストロークｃだけ移動した後で、ストッパ
ー２０が固定接触片側のブッシュ１２の端部に当接し、
それによって蛇腹１９の過剰の圧縮が避けられる。

【００１９】本発明のこの変形例は特に、滑らかな円筒
状の接触片支持体８を有する可動の接触片を備えている
真空切換管に適している。これに対して、図２，３また
は図４の実施例は特に、可動の接触片の接触片支持体に
既に溝状の凹部が設けられている真空切換管に適してい
る。

【００２０】

【発明の効果】本発明のスイッチは、組み立ての間およ
び運転の間、不所望である軸方向の力、半径方向の力お
よびねじり力が蛇腹に作用しない。それによって、長時
間の運転にわたっておよび組み立ておよび保守整備作業
時に、真空切換管の真空気密性が保証され、従ってスイ
ッチの運転信頼性が保証されるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】真空切換管を収容する、本発明にるスイッチの
ケーシングの軸方向断面図である。

【図２】図１のスイッチの第１の実施例の真空切換管の
左側範囲を示す斜視図である。

【図３】図２の真空切換管の端範囲の、ＩＩＩ−ＩＩＩ
線に沿った軸方向断面図である。

【図４】第１の実施例に対して少しだけ変形された本発
明の第２の実施例の真空切換管の端範囲の軸方向断面図
である。

【図５】図１のスイッチの第３の実施例の真空切換管の
左側の端範囲の斜視図である。

【図６】図５のスイッチの真空切換管の端範囲のＶＩ−
ＶＩ線に沿った軸方向断面図である。

【符号の説明】

１ 真空切換管 ２ 管中心軸線 ３ スイッチケーシング ４ 絶縁体 ５ カバー ６ 中空体 ７ ケーシング ８ 可動の接触片支持体 ９ 固定された接触片支持体 １０ ねじ付管 １１ 絶縁部分 １２ ブッシュ １３ 組み立てフランジ １４ 案内要素 １５ ねじ継手 １６ フランジ １７ ねじ付ピン １８ ナット １９ 蛇腹 ２０ ストッパー ２１ 保持溝 ２２ 案内溝 ２３ 締付けリング ２４ スリーブ ２５ 締付けリング ２６ 締付けねじ ２７ ねじ穴

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２個の端子（５，６）の間に設けられ、
   駆動装置によって操作可能な真空切換管（１）を備え、
   この真空切換管が管状に形成され真空にされたケーシン
   グ（７）を含み、このケーシングが固定された接触片と
   可動の接触片を備え、固定された接触片が固定された接
   触片支持体（９）によって一方の端子（５）に支持さ
   れ、駆動装置によって移動可能である可動の接触片の接
   触片支持体（８）が、蛇腹（１９）によって真空気密的
   に案内され、かつ滑りガイドによって管中心軸線（２）
   に沿って保持されてケーシング（７）から外へ案内さ
   れ、接触片支持体（８）が第２の端子（６）に導電的に
   連結されているスイッチにおいて、 滑りガイドがケーシング（７）のフランジ（１６）に取
   り外し可能に固定されたブッシュ（１２）を備え、そし
   てこのブッシュ（１２）の内面に沿って案内された軸方
   向の案内溝（２２）がブッシュ（１２）に設けられ、可
   動の接触片支持体（８）の滑り体が案内溝（２２）内を
   案内され可動の接触片支持体（８）に保持された案内要
   素（１４）を備えているかあるいは、 ブッシュ（１２）が回転面と異なる内面を有し、滑り体
   が回転面と異なるブッシュ（１２）の内面に嵌まる外周
   面を備えていることを特徴とするスイッチ。
2. 【請求項２】 ブッシュ（１２）がねじ付ピン（１７）
   または締付けリング（２３）によってケーシングフラン
   ジ（１６）に固定された組み立てフランジ（１３）を備
   えていることを特徴とする請求項１のスイッチ。
3. 【請求項３】 可動の接触片支持体（８）の滑り体に、
   ブッシュ（１２）と協働するストッパー（２０）が付設
   され、このストッパーが遮断時に可動の接触片のストロ
   ーク（ｃ）を制限することを特徴とする請求項１または
   ２のスイッチ。
4. 【請求項４】 滑り体としての働きをする可動接触片支
   持体（８）の部分に、案内要素（１４）を部分的に収容
   する保持溝（２１）が設けられていることを特徴とする
   請求項１〜３のいずれか一つのスイッチ。
5. 【請求項５】 保持溝（２１）と反対側の案内要素（１
   ４）の部分が、ほとんど遊びなしに案内溝（２１）の中
   を案内されていることを特徴とする請求項４のスイッ
   チ。
6. 【請求項６】 滑り体が可動の接触片支持体（８）の円
   筒状部分に嵌合する、成形された外周面を有するスリー
   ブ（２４）によって形成されているこを特徴とする請求
   項１〜３のいずれか一つのスイッチ。
7. 【請求項７】 外周面が楕円形、正方形、六角形または
   他の多角形のプロフィルを備えていることを特徴とする
   請求項６のスイッチ。
8. 【請求項８】 スリーブ（２４）が固定された接触片側
   のその端部に、遮断時に可動の接触片のストローク
   （ｃ）を制限するストッパー（２０）を備えていること
   を特徴とする請求項６または７のスイッチ。
9. 【請求項９】 スリーブ（２４）が可動の接触片と反対
   側のその端部に、可動の接触片支持体（８）をリング状
   に取り囲む凹部を備え、この凹部が可動の接触片支持体
   （８）に嵌合する締付けリング（２５）を収容している
   ことを特徴とする請求項６〜８のいずれか一つのスイッ
   チ。
10. 【請求項１０】 締付けリング（２５）を通って軸方向
    の締付けねじ（２６）が案内され、凹部の底に軸方向の
    ねじ穴（２７）が設けられ、このねじ穴が締付けねじ
    （２６）を収容していることを特徴とする請求項９のス
    イッチ。