JPH0715201U - 多軸自動旋盤 - Google Patents

多軸自動旋盤

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JPH0715201U
JPH0715201U JP4678593U JP4678593U JPH0715201U JP H0715201 U JPH0715201 U JP H0715201U JP 4678593 U JP4678593 U JP 4678593U JP 4678593 U JP4678593 U JP 4678593U JP H0715201 U JPH0715201 U JP H0715201U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工程途中での被加工物の寸法測定を行うこと
ができると共に、ツール交換や刃物の摩耗に伴う被加工
物の寸法調整を容易且つ迅速に行うことができ、しか
も、荒加工のような最終仕上げ寸法に現れてこない部分
についても容易に計測することができ、更に、被加工物
の寸法を測定する測定装置の測定環境を常に良好な状態
に維持することができる多軸自動旋盤を提供する。 【構成】 ワーク4を加工する刃物6を進退させる少な
くとも一つのスライドユニット5dに設けた測定装置7
によりワーク4の加工寸法を計測し、また、前記測定装
置7は、計測以外の作業時に他の部位と干渉しない位置
に移動させておく。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、軸受けの内輪や外輪等を切削加工する多軸自動旋盤の改良 に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被加工物を取り付ける複数の主軸と前記被加工物を加工する刃物を進退 させる少なくとも一つのスライドユニットとを有する多軸自動旋盤は公知であり 、このような多軸自動旋盤は、量産品を加工する場合に多用される。しかし、そ の操作性には熟練度を必要とし、特に被加工物の寸法調整には多くの経験と、勘 が必要であった。
【0003】 これを解決する方法として、一つの加工ポジションに数値制御(NC;num erical control)方式のスライドユニット(以下、NCスライド ユニットという)を設けたり、総ての加工ポジションをNCスライドユニット化 した機種も知られている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の多軸自動旋盤にあっては、その特徴である工程分割加工の ため、工程途中での被加工物の寸法測定は行えず、ツール交換や刃物摩耗に伴う 被加工物の寸法調整には多くの時間がかかる。特に、荒加工のような、最終仕上 げ寸法に現れてこない部分については、計測が困難であった。
【0005】 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、工程途中での被加工 物の寸法測定を行うことができると共に、ツール交換や刃物摩耗に伴う被加工物 の寸法調整を容易且つ迅速に行うことができ、しかも、荒加工のような、最終仕 上げ寸法に現れてこない部分についても容易に計測することができ、更に、被加 工物の寸法を測定する測定装置の測定環境を常に良好な状態に維持することがで きる多軸自動旋盤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案の多軸自動旋盤は、被加工物を取り付ける複 数の主軸と前記被加工物を加工する刃物を進退させる少なくとも一つのスライド ユニットとを有する多軸自動旋盤において、前記スライドユニットに、被加工物 の加工寸法を計測するための測定装置を設け、該測定装置を、計測以外の作業時 に他の部位と干渉しない位置に移動し得るようにしたことを特徴とするものであ る。
【0007】
【作用】
本考案の多軸自動旋盤は、被加工物を加工する刃物を進退させる少なくとも一 つのスライドユニットに設けた測定装置により被加工物の加工寸法を計測する。 これにより、工程途中での被加工物の寸法測定を行うことができると共に、ツー ル交換や刃物摩耗に伴う被加工物の寸法調整を容易且つ迅速に行うことができ、 しかも、荒加工のような、最終仕上げ寸法に現れてこない部分についても容易に 計測することができる。
【0008】 また、前記測定装置は、計測以外の作業時に他の部位と干渉しない位置に移動 させておく。これにより、切削作業時において切粉や切削液等が測定装置に付着 することがなく、該測定装置の測定環境を常に良好な状態に維持することができ る。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。
【0010】 図1は、本考案の一実施例に係わる多軸自動旋盤の要部の構成を示す平面図で あり、本実施例の多軸自動旋盤は、第1〜第6ポジションにおける各工程におい て、それぞれ異なる加工が行われるようにしたものである。
【0011】 図1中、1はスピンドル(主軸)キャリアで、後述するインデックス装置27 によりインデックス送りされて回転制御されるものである。このスピンドルキャ リア1には、その周方向に等配して前記工程数に対応して6本のスピンドル2a ,2b,2c,2d,2e,2fが回転自在に配設されている。各スピンドル2 a〜2fには、図3に示すようにコレットチャック3がそれぞれ設けられており 、該コレットチャック3を介してワーク(被加工物)4を、各スピンドル2a〜 2fに着脱可能に取り付けることができるようになっている。なお、本実施例で は、長尺のバー材をワーク4としたものである。
【0012】 各スピンドル2a〜2fにコレットチャック3を介して保持されたワーク4は 、第1〜第6ポジションにおける各工程において加工処理が終了するごとに、次 のポジションへインデックス送りされるものである。第1ポジションでワーク4 が、コレットチャック3を介してスピンドルに保持されて最初の加工が行われ、 次いで第2〜第6ポジションの順番で加工が行われ、該第6ポジションにおいて 総ての加工が終了したワーク4がコレットチャック3から外されて、次のワーク 4をスピンドルに保持するための用意が行われるものである。
【0013】 スピンドルキャリア1の周囲には、各スピンドル2a〜2fに対応して6個の スライドユニット5a,5b,5c,5d,5e,5fがそれぞれ配設されてい る。各スライドユニット5a〜5fには、ワーク4を切削加工するための刃物( バイト)6が着脱可能に取り付けられるようになっている。各スライドユニット 5a〜5fの刃物6は、各スピンドル2a〜2fに対応する第1〜第6ポジショ ンにおける互いに異なる内容の切削加工を受け持つものである。
【0014】 第4ポジション位置にあるスライドユニット(以下、第4スライドユニットと いう)5dは、NC、即ち数値制御によりスライドし、その他のスライドユニッ ト5a〜5c,5e,5fは、ギアやカム等の制御によりスライドするようにな っている。
【0015】 第4スライドユニット5dには、図2及び図3に示すように本考案の要旨であ る測定装置7が設けられている。図2は、第4スライドユニット5dの拡大側面 図、図3は、同じく第4スライドユニット5dの平面図である。両図に示すよう に第4スライドユニット5dは、図示しないベースに取り付けられたガイド体8 に案内されて各スピンドル2a〜2fの軸線方向(図3中、矢印A,B方向)に 所定範囲スライドする第1スライド体9と、該第1スライド体9に設けられたガ イド部10に案内されて各スピンドル2a〜2fの軸線方向と直交する方向(図 2及び図3中、矢印C,D方向)に所定範囲スライドする第2スライド体11と を有している。
【0016】 第1スライド体9は、図示しない駆動機構により駆動され、且つ第2スライド 体11はサーボモータ12により駆動されるようになっている。第2スライド体 11には刃物取付台13が設けられ、該刃物取付台13に刃物6が着脱可能に取 り付けられるようになっている。
【0017】 第2スライド体11に測定装置7が取り付けられている。該測定装置7は、平 面視略L字状をなす取付アーム14を有している。該取付アーム14の先端部に は、タッチセンサ15が取り付けられている。該タッチセンサ15は、その測定 子15aが第4スライドユニット5dのコレットチャック3に取り付けられたワ ーク4の測定箇所に接触すると信号を出力し、該出力信号は、位置データとして 本多軸自動旋盤全体を制御する制御装置に送られて、第4スライドユニット5d のスライド制御のために利用されるようになっている。
【0018】 取付アーム14の基端部には軸16の一端が固定され、該軸16は、第2スラ イド体11に設けられた軸受け17に回転自在に支持されている。軸16の他端 にはタイミングプーリ18が固定され、該タイミングプーリ18は無端状のタイ ミングベルト19を介して図示しない駆動機構に連結されている。そして、この 駆動機構により、タイミングベルト19及びタイミングプーリ18を介して取付 アーム14が、計測位置(図2及び図3中、実線の位置)と非計測位置(図2及 び図3中、二点鎖線の位置)とに択一的に移動し得るように、軸16を中心に図 2中、矢印E,F方向に所定範囲回転するようになっている。刃物取付台13に は、ストッパ20が設けられ、該ストッパ20により取付アーム14の矢印F方 向への回転限界位置が規制されるようになっている。
【0019】 取付アーム14が矢印E方向に回転して非計測位置にある時(計測以外の作業 時)は、タッチセンサ15は他の部位と干渉しない位置にあって、加工の邪魔に ならないようになっていると共に、切削作業時において切粉や切削液等がタッチ センサ15に付着することがないようになっている。
【0020】 更に、本実施例に係る多軸自動旋盤は、スピンドルキャリア1のインデックス 、各コレットチャック3のチャック/アンチャック、ワーク4の送り出し/停止 の駆動制御及びスピンドルキャリア1のインデックス送りを、その他の動作とク ラッチにより切り離して単独に行うためのインデックス制御装置21を有してい る。
【0021】 このインデックス制御装置21は、図4に示すようにサーボモータ22を有し 、該サーボモータ22の出力軸は減速機23の入力軸に連結されている。該減速 機23の出力軸には第1ギア24が固定されている。該第1ギア24の1回転の 角度を360度として、サーボモータ22に内蔵のエンコーダにより制御される 。
【0022】 第1ギア24には第2ギア25及び第3ギア26が噛合されて、第1ギア24 の回転に伴って第2ギア25及び第3ギア26が回転するようになっている。こ れら第1〜第3ギア24〜26は、互いに同一歯数として位相関係が狂わないよ うになっている。第2ギア25は、インデックス装置27の入力軸に固定されて おり、該インデックス装置27の出力軸には、第4ギア28が固定されている。 該第4ギア28は、スピンドルキャリア1に固定されたインデックスギア29に 噛合されている。そして、サーボモータ22の回転に伴い、減速機23,第1ギ ア24,第2ギア25,インデックス装置27,第4ギア28を介して、インデ ックスギア29と一体にスピンドルキャリア1が回転されてインデックス送りさ れるようになっている。
【0023】 第3ギア26は、シングルポジションクラッチ30の入力軸に固定されている 。このシングルポジションクラッチ30は、互いに係脱自在に係合する係合体3 0a,30bを有している。そして、第3ギア26と一体に回転する入力側係合 体30aを、その軸線方向に移動させることにより、出力側係合体30bに対し て入力側係合体30aが係脱するものである。シングルポジションクラッチ30 の出力軸は、カム軸32に連結されており、ブレーキ31により、その回転を制 動可能となっている。このカム軸32には、第1〜第3カム33,34,35が 装着されている。
【0024】 第1カム33は、ワーク4をコレットチャック3の先端から必要な分だけ突出 させるためのワークフィード用治具(図示省略)を前進/後退させるためのもの である。第2カム34は、コレットチャック3をチャック状態とアンチャック状 態とに択一的に切り換え制御するものである。第3カム35は、コレットチャッ ク3の先端からのワーク4の突出位置を規制するワークストッパ36を回動制御 するものである。
【0025】 このワークストッパ36は、クランク状をなし、その中間部を支点に所定範囲 回動するものである。そして、ワークストッパ36が一方向に回動位置した状態 がワーク4の突出位置を規制しない位置であり、他方向に回動位置した状態がワ ーク4の突出位置を規制する位置である。通常時ワークストッパ36は、ワーク 4の突出位置を規制しない位置に保持されている。
【0026】 インデックス装置27は、例えばジェネバ機構(カム機構の一種)からなるも ので、入力軸の回転角θ(θ<360)度にて出力軸が回転してスピンドルキャ リア1をインデックス送りし、残りの(360−θ)度はデュエルで何らかの動 作に関係のないものを選定する。即ち、入力軸が連続回転時に出力軸は断続回転 (間欠伝動装置の一種)し、入力軸が最初の180度回転中、インデックスギア 29が60度回転してスピンドルキャリア1をインデックス送りし、残りの18 0度回転中はインデックスギア29と共にスピンドルキャリア1を停止した状態 に保持するものである。
【0027】 第2ギア25は、第1ギア24を介して第3ギア26と噛合しており、シング ルポジションクラッチ30にて第1〜第3カム33〜35と全く位相ずれなしに 連動するようになっている。従って、入力軸の回転角度がθ(θ<360)度の 間は、インデックス送りとは無関係にカム軸32をサーボモータ22にてコント ロールすることができるものである。
【0028】 しかしながら、2回以上のインデックス送りを行うとカム軸32は回転せざる を得ず、このため、第1〜第3カム33〜35によるカム動作を停止したままイ ンデックス送りを任意の回数行いたいときには、カム軸32にサーボモータ22 の動力が伝わらないように、該カム軸32を駆動系から切り離す必要が生じる。 しかし、カム軸32とインデックス軸(インデックス装置27の回転軸)との位 相は、再連結時に狂ってはならない。そこで、噛み合い位相が変わらない特性を 有するシングルポジションクラッチ30を用いてカム軸32、即ち第1〜第3カ ム33〜35を駆動系から切り離すことにより、再連結時においてカム軸32と インデックス軸との位相が狂わないものである。
【0029】 再連結時にはブレーキ31により制動力を与えることにより、カム軸32が連 れ回りしないようにして、シングルポジションクラッチ30を繋ぐことにより、 カム軸32とインデックス軸を位相差なく連動する状態に復帰させることができ るものである。
【0030】 以下、上記構成になる多軸自動旋盤の動作を説明する。
【0031】 まず、カム軸32の動作について説明する。第6ポジションにおいてワーク4 の加工が終了すると該ワーク4は製品としてバー材から切り離される。この後、 第1カム33によりワークフィード用治具が後退し(ワーク4としてのバー材の 位置は不変)、第3カム35によりワークストッパ36が他方向に回動して、ワ ーク4の突出位置を規制する位置に保持される。次いで、第2カム34により、 コレットチャック3がアンチャック状態となり、この状態において、第1カム3 3によりワークフィード用治具が前進し、これにより次のワーク4がワークスト ッパ36に当接するまで図3中、矢印G方向へ送り出される。次いで、第2カム 34により、コレットチャック3がチャック状態となり、ワーク4がコレットチ ャック3を介してスピンドルに保持される。この後、ワークストッパ36が一方 向に回動復帰して、ワーク4の突出位置を規制しない初期位置に保持される。
【0032】 次に、任意のポジションにあるワーク4を、測定装置7を設けてあるポジショ ンへ移動させる場合の動作について説明する。まず、図4に示すインデックス制 御装置21のサーボモータ22を駆動すると、各カム駆動部がスピンドルキャリ ア1のインデックス送りに干渉しない位置まで回転する。次に、シングルポジシ ョンクラッチ30を駆動系から切り離すことにより、カム軸32とインデックス 軸とを動力伝達不可能状態に分離する。また、カム軸32が各カム駆動部の自重 等により動かないようにブレーキ31により制動力を付与しておく。このような 状態で、スピンドルキャリア1のインデックス送りを、何ら干渉等を気にするこ となく自由に行うことができ、任意のポジションにあるワーク4を、測定装置7 を設けてあるポジションへ移動させることができる。このような動作は、手動或 いは自動のどちらでもできることは勿論である。
【0033】 次に、図1に示すように測定装置7を第4ポジションに設けた場合において、 例えば第2ポジションのワーク4を測定する場合の動作について説明する。まず 、第1〜第3カム33〜35によるカム動作を停止し、インデックス送り動作の みを行ってスピンドルキャリア1を回転制御し、測定すべき第2ポジションのワ ーク4を測定装置7が設けられている第4ポジションへ移動する。該移動場所で 、取付アーム14が矢印F方向へ回転して実線で示す計測位置に保持される。そ して、タッチセンサ15と第4スライドユニット5dを用いてワーク4の加工寸 法を計測する。該計測終了後、再びスピンドルキャリア1をインデックス送りし て回転制御することにより、前記計測したワーク4を元の第2ポジションまで戻 す。
【0034】 この状態において該計測した第2ポジションのワーク4の加工寸法が公差内か 否かを判別し、公差内ではなく補正が必要な場合は、多軸自動旋盤の動作を停止 して警報を出し、また、前記加工寸法が公差内で補正を必要としない場合は、そ のまま続けて加工処理を行う。
【0035】 また、殆ど全体の加工寸法が掌握できる第5及び第6ポジションのワーク4を 、上記と同様に第4ポジションへ移動し、その必要箇所の加工寸法を、タッチセ ンサ15と第4スライドユニット5dを用いて計測し、該計測終了後、再びスピ ンドルキャリア1をインデックス送りして回転制御することにより、前記計測し たワーク4を元の第5及び第6ポジションまで戻す。
【0036】 この状態において該計測した第5及び第6ポジションのワーク4の加工寸法が 公差内か否かを判別し、公差内ではなく補正が必要な場合は、多軸自動旋盤の動 作を停止して警報を出し、また、前記加工寸法が公差内で補正を必要としない場 合は、そのまま続けて加工処理を行う。
【0037】 次に測定装置7によりワーク4の幅方向の加工寸法を計測する方法について、 図5を用いて説明する。ワーク4の幅方向の加工寸法を計測する時は、第4スラ イドユニット5dの第1及び第2スライド体9,10を数値制御によりスライド させて、図5に示すようにタッチセンサ15の測定子15aをスピンドル2dの 先端面Sに当接させて計測し、この時の第4スライドユニット5dの位置座標値 Z1を基準値とする。
【0038】 この時、それぞれのスピンドルの先端面位置の中の一つを基準面Tとして、各 スピンドルの先端面の位置特性をメモリにそれぞれ格納しておき、現在どのスピ ンドルのワークを計測中かをスピンドルキャリア1に設けたスピンドルナンバー 検出機構(例えば、複数の近接スイッチと複数のドグ等)により検出し、各スピ ンドルの先端面の製造寸法誤差による基準面Tとの差分を補正値Z2とし、これ を前記位置座標値Z1に加算する。これにより、各スピンドルの先端面の製造誤 差をキャンセルすることができ、任意のスピンドルに対して同一のスピンドル先 端面基準値が得られる。
【0039】 このような計測方法を用いて、次にワーク4の先端面部等の測定値Z3を得た とすると、Z3−(Z1+Z2)が前記基準面Tの位置からの幅方向の絶対位置 となる。何故ならば、Z3と(Z1+Z2)との差を取ることにより、第4スラ イドユニット5dの熱変形を殆どキャンセルすることができるからである。また 、スピンドルの熱変形が該スピンドルの後方へ逃げるようなベアリング構造にし ておくことにより、スピンドルの熱変形による測定誤差の影響を最小限に止める ことができる。
【0040】 従って、正常切削時には、ワーク4の先端面部等の測定値Z3は、上記のよう なスピンドル先端面製造誤差補正を行うことにより、任意のスピンドルに対して 、或いは機械各部の熱変形に対して殆ど関係なく一定である。
【0041】 上述したような測定方法を用いて計測したワーク4の幅寸法は、機械各部製造 誤差、熱変形誤差等を殆どキャンセルすることができ、安定した絶対寸法として 得られ、計測誤差を最小限に止めることができる。
【0042】 次に、ワーク4の外形寸法を計測する方法について、図6及び図7を用いて説 明する。図6はワーク4の外径加工寸法を計測する場合を、図7はワーク4の内 径加工寸法を計測する場合をそれぞれ示す図である。
【0043】 まず、ワーク4の外径加工寸法を計測する時は、第4スライドユニット5dの 第1及び第2スライド体9,10を数値制御によりスライドさせて、図6に示す ようにタッチセンサ15の測定子15aをワーク4の外周部一側面に当接させて 計測し、この時の第4スライドユニット5dの位置座標値をX1とする。また、 タッチセンサ15の測定子15aをワーク4の外周部他側面に当接させて計測し 、この時の位置座標値をX2とする。
【0044】 また、図6に示すタッチセンサ15の測定子15aの直径をDとすると、前記 ワーク4の一側方からの計測時の第4スライドユニット5dの位置座標値X1と 、ワーク4の他側方からの計測時の第4スライドユニット5dの位置座標値X2 とから、ワーク4の径方向の寸法は、X2−X1−Dとなる。この時、第4スラ イドユニット5dの計測時におけるタッチセンサ15の測定子15aの動きは逆 のため、NCスライド駆動方式により、必要に応じてバックラッシュ補正等を行 うことは当然である。
【0045】 なお、ワーク4の内径加工寸法を計測する時は、基本的には上記外径加工寸法 を計測する時と同一であるが、相違点は、ワーク4の寸法算出式がX2−X1+ Dとなることである。
【0046】 このような計測方法により、NCスライドユニット(第4スライドユニット5 d)の制御誤差はもとより、機械各部の熱変形誤差、スピンドルキャリア1の製 造誤差等もキャンセルできる。
【0047】 尚、数値制御(NC)によりスライドするスライドユニットとしては、第4ス ライドユニット5dのみに限られるものではなく、第1〜第6スライドユニット 5a〜5fを総て数値制御によりスライドするようにしてもよい。更に、ギヤや カム等を使う場合でも、スライド上において刃物台位置を微調整すべく進退させ るような数値制御の駆動機構を併用するようにしてもよい。これらのようにする ことにより、後述するように、測定結果に基づいて自動的に刃物台の送りを補正 し、所望の加工寸法を得ることも可能である。
【0048】 特に、NCスライドユニットが取り付けられているポジションのツール交換を 行ったとき、予め加工寸法が不良にならないように取り代(例えば、仕上げ寸法 の1mm手前)を付けた寸法で一時加工するようにプログラムを組んでおき、一 時加工後、上記計測方法で計測し、再度正規の寸法になるように自動補正し、連 続加工に入る。このような方法は、全ポジションがNCスライド化されている場 合、最大限の効果を発揮し、自動ツール交換との併用で、無人加工システムの実 現が可能となる。
【0049】 また、数十個或いは数百個に一回、全加工寸法計測モードを設定しておけば、 測定装置を自動寸法補正のみならず、加工品保証器としても使用することができ る。
【0050】 更に、前回計測時からの寸法変化の度合いにより、通常摩耗の大きさ以上の寸 法変化があった場合は、ツール異常として判断させることにより、測定装置をツ ール異常検出器としても使用することができる。
【0051】 本実施例の多軸自動旋盤の測定装置により、機械製造誤差或いは機械熱変形誤 差等の影響を受けずに加工寸法絶対値が得られ、測定精度の高い加工品を得るこ とができる。
【0052】 次に、計測サイクルを含む一連の工程の制御動作手順の一例として、前記のよ うに自動的な刃物送りの補正が可能な構成を有する場合を、図8のフローチャー トに基づき説明する。まず、ステップS8−1で、ワーク4の切削加工が行われ 、その切削加工の終了に伴い次のステップS8−2へ進み、切削加工が停止する と共に、各スライドユニット5a〜5fの刃物台13が矢印C方向へスライドす ることにより、刃物6が後退する。
【0053】 次いで、ステップS8−3で、各スピンドル2a〜2fの回転が停止し、次の ステップS8−4で、シングルポジションクラッチ30を切ることにより、第1 〜第3カム33〜35によるカム動作を停止し、且つスピンドルキャリア1を回 転制御して、計測すべきワーク4を、測定装置7を設けた第4スライドユニット 5dのある計測ポジションにインデックス送りする。そして、次のステップS8 −5で、第4スライドユニット5dの第1及び第2スライド体9,11を数値制 御によりスライドさせて、タッチセンサ15の測定子15aを計測すべきワーク 4の計測箇所にセットする。
【0054】 次いで、ステップS8−6へ進んで、タッチセンサ15による計測動作を実行 し、次のステップS8−7で、前記ステップS8−6において計測した計測値が 設定範囲内か否かを判別する。設定範囲内であれば、次のステップS8−8へ進 み、再びスピンドルキャリア1を回転制御して、前記計測したワーク4を元の位 置へ戻すと共に、シングルポジションクラッチ30を繋ぐ。次に、ステップS8 −9で、前記ステップS8−6における計測結果に基づいてワーク4の仕上げ切 削加工を行った後、本処理動作を終了する。
【0055】 一方、前記ステップS8−7において設定範囲内でないと判別された場合は、 ステップS8−10へ進んで、計測値が設定範囲より低い(アンダー)か否かを 判別する。計測値が設定範囲より低ければ、ステップS8−11へ進み、刃物6 の交換、または本多軸自動旋盤の動作を停止すると共に、警報を出した後、本処 理動作を終了する。また、前記ステップS8−11において計測値が設定範囲よ り高ければ、ステップS8−12へ進んで、本多軸自動旋盤の動作を停止すると 共に、警報を出した後、本処理動作を終了する。
【0056】 尚、タッチセンサ15に代えて、電気マイクロでもよい。また、タイミングプ ーリ18とタイミングベルト19に代えて、ギア或いはスプロケットとチェン等 でもよい。また、数値制御(NC)によりスライドするスライドユニットとして は、第4スライドユニット5dのみに限られるものではなく、第1〜第6スライ ドユニット5a〜5fを総て数値制御によりスライドするようにしてもよい。
【0057】 また、スライドユニットの配設数も、6個に限られるものではなく、加工工程 数に応じて適宜増減し得るものである。また、特に、条件の厳しい工程(刃物の 寿命が短くなる工程)の加工、例えば、総形バイトで一度に軸受けの外輪の内周 面両側部の中間部の溝と両側部の溝とを加工するような場合、両側部の溝を加工 する時に刃物が折損しやすい。従って、その部分の計測サイクルを重点的に行う 等、必要部分の計測サイクルを指定することも可能である。
【0058】 また、スピンドルキャリア1のインデックス送りをサーボモータにより独立さ せて制御するようにしてもよい。また、ワーク4としては、長尺なバー材に限ら れるものではなく、リング状のブランクであってもよく、この場合は、ワークの ローディングの部分を変更する必要がある。更に、測定装置7を計測以外の作業 時に他の部位と干渉しない位置に移動させる方式も、回転方式に限られるもので はなく、刃物6との干渉を考慮すれば、シリンダ或いはカム等による直線移動方 式を採用してもよい。
【0059】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案の多軸自動旋盤によれば、被加工物を加工する刃 物を進退させる少なくとも一つのスライドユニットに設けた測定装置により被加 工物の加工寸法を計測することができるので、工程途中での被加工物の寸法測定 を行うことができると共に、ツール交換や刃物摩耗に伴う被加工物の寸法調整を 容易且つ迅速に行うことができ、しかも、荒加工のような、最終仕上げ寸法に現 れてこない部分についても容易に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係わる多軸自動旋盤の要
部の構成を示す平面図である。
【図2】同多軸自動旋盤における測定装置を設けたスラ
イドユニット部分の側面図である。
【図3】同多軸自動旋盤における測定装置を設けたスラ
イドユニット部分の平面図である。
【図4】同多軸自動旋盤におけるインデックス制御装置
の概略構成図である。
【図5】同多軸自動旋盤におけるワークの幅方向加工寸
法を計測する方法を説明するための図である。
【図6】同多軸自動旋盤におけるワークの外径加工寸法
を計測する方法を説明するための図である。
【図7】同多軸自動旋盤におけるワークの内径加工寸法
を計測する方法を説明するための図である。
【図8】同多軸自動旋盤における計測サイクルを含む一
連の工程の制御動作手順の一例を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
2a〜2f スピンドル(主軸) 4 ワーク(被加工物) 5a〜5f スライドユニット 6 刃物 7 測定装置 15 タッチセンサ 15a タッチセンサの測定子

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を取り付ける複数の主軸と前記
    被加工物を加工する刃物を進退させる少なくとも一つの
    スライドユニットとを有する多軸自動旋盤において、前
    記スライドユニットに被加工物の加工寸法を計測するた
    めの測定装置を設け、該測定装置を、計測以外の作業時
    に他の部位と干渉しない位置に移動し得るようにしたこ
    とを特徴とする多軸自動旋盤。
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