JPH07151973A

JPH07151973A - ズームレンズ

Info

Publication number: JPH07151973A
Application number: JP32584293A
Authority: JP
Inventors: Takashi Kato; 隆志加藤; Teruhiro Nishio; 彰宏西尾
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1993-11-29
Filing date: 1993-11-29
Publication date: 1995-06-16
Anticipated expiration: 2016-03-12
Also published as: JP3144192B2

Abstract

(57)【要約】【目的】全体として５つのレンズ群を有し、変倍に伴
う各レンズ群の移動条件や屈折力等を適切に設定し、全
変倍範囲にわたり高い光学性能を有した広画角で小型の
ズームレンズを得ること。【構成】物体側より順に負の屈折力の第１群、正の屈
折力の第２群、正の屈折力の第３群の３つのレンズ群よ
り成り、広角端での合成屈折力が正の屈折力の前群そし
て正の屈折力の第４群と負の屈折力の第５群の２つのレ
ンズ群より成る後群とを有し、広角端から望遠端への変
倍に際して、該第１，第２，第３群は前群の合成屈折力
が広角端に比べて望遠端で弱まるように移動し、該第
４，第５群はそれらの間隔が狭くなるように移動してお
り、第ｉ群の焦点距離をｆｉ、広角端における全系の焦
点距離をｆＷ、第ｉ群の広角端における横倍率をβｉＷ
を適切に設定したこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はレンズシャッターカメ
ラ、ビデオカメラ等に好適な小型の高変倍で広画角のズ
ームレンズに関し、特に撮影画角の広画角化を図ると共
にレンズ全長（第１レンズ面から像面までの距離）の短
縮化を図った携帯性に優れたズームレンズに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】最近レンズシャッターカメラ、ビデオカ
メラ等においては、カメラの小型化に伴いレンズ全長の
短い小型のズームレンズが要求されている。特にレンズ
シャッターカメラは、ズーム駆動用の電気回路などの周
辺技術の発達などにより、ますますカメラの小型化が進
んでおり、それに備わる撮影レンズも高変倍でかつコン
パクトなズームレンズが要求されている。

【０００３】従来、レンズシャッター用のズームレンズ
としては正、負の屈折力の２つのレンズ群より成る所謂
２群ズームレンズが主流であった。この２群ズームレン
ズはレンズ構成及び変倍時の移動機構が簡易なため、カ
メラの小型化及び比較的低コストであるなどの利点があ
る。しかしながら、変倍作用を１つのレンズ群のみで行
なわなくてはならないため、その変倍比は１．６〜２倍
程度であり、無理に変倍比を拡大することはレンズ系の
大型化を招くと同時に、高い光学性能を保つことが困難
になってくる。

【０００４】２群ズームレンズを基礎とし、第１群を正
の屈折力の２つのレンズ群に分離し、全体として正、
正、負の屈折力の３群構成として高変倍化を狙った３群
ズームレンズが、例えば特開平３−２８２４０９号公
報、特開平４−３７８１０号公報、特開平４−７６５１
１号公報等で提案されている。

【０００５】しかしながら、このレンズ群構成で例えば
半画角３５°以上の広画角なズームレンズ系を達成しよ
うとすると変倍時の入射瞳位置の変化が大きくなる。こ
のため、高変倍化を図る際は変倍による収差変動を抑え
ることが大変困難になってくる。

【０００６】この他、多レンズ群化により広角端の半画
角を３８°程度、変倍比３．５倍程度とし、広画角化及
び高変倍化を図ったズームレンズが、例えば特開平２−
７２３１６号公報、特開平３−２４９６１４号公報で提
案されている。しかしながら、これらのズームレンズ系
は前玉径及びレンズ全長が共に大型であり、コンパクト
カメラの撮影レンズとしては必ずしも十分でない。

【０００７】特に外部ファインダーを使用するカメラに
適用する際は、広角端時にレンズ鏡筒がファインダーの
撮影視野を覆ってしまうという問題点がある。又、この
結果、ファインダー配置やカメラの形態の制限を与えて
しまうという問題点も生じてくる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】一般にズームレンズに
おいて各レンズ群の屈折力を強めれば所定の変倍比を得
るための各レンズ群の移動量が少なくなり、レンズ全長
の短縮化を図りつつ高変倍化が可能となる。しかしなが
ら、単に各レンズ群の屈折力を強めると変倍に伴う収差
変動が大きくなり、特に高変倍化及び広画角化を図る際
には全変倍範囲にわたり良好なる光学性能を得るのが難
しくなってくるという問題点がある。

【０００９】本発明は全体として５つのレンズ群より構
成し、変倍における各レンズ群の移動条件や屈折力等を
適切に設定し、広角端の撮影画角が６４〜７４°程度、
変倍比３．５程度の全変倍範囲にわたり高い光学性能を
有したズームレンズの提供を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のズームレンズ
は、物体側より順に負の屈折力の第１群、正の屈折力の
第２群、正の屈折力の第３群の３つのレンズ群より成
り、広角端での合成屈折力が正の屈折力の前群そして正
の屈折力の第４群と負の屈折力の第５群の２つのレンズ
群より成る後群とを有し、広角端から望遠端への変倍に
際して、該第１，第２，第３群は前群の合成屈折力が広
角端に比べて望遠端で弱まるように移動し、該第４，第
５群はそれらの間隔が狭くなるように移動していること
を特徴としている。

【００１１】

【実施例】図１は本発明における実施例１〜４のズーム
レンズの近軸屈折力配置の説明図である。図２は本発明
における実施例５〜７のズームレンズの近軸屈折力配置
の説明図である。図１，図２において（Ａ）は広角端、
（Ｂ）は望遠端を示している。図３〜図９は各々本発明
の数値実施例１〜７の広角端のレンズ断面図である。図
１０〜図３０は本発明の数値実施例１〜７の諸収差図で
ある。

【００１２】図中、ＬＦは正の屈折力の前群、ＬＲは後
群、ＳＰは絞り、ＩＰは像面である。Ｌｉ（ｉ＝１〜
５）は第ｉ群である。矢印は広角側から望遠側への変倍
を行なう際の各レンズ群の移動方向を示している。

【００１３】前群ＬＦは第１群Ｌ１，第２群Ｌ２そして
第３群Ｌ３の３つのレンズ群より成り、広角端での合成
屈折力が正の屈折力となっている。後群ＬＲは正の屈折
力の第４群Ｌ４と負の屈折力の第５群Ｌ５の２つのレン
ズ群より成っている。

【００１４】広角端から望遠端への変倍に際して、第
１，第２，第３群はいずれも物体側へ第２群が他のレン
ズ群との相対的位置関係を変えて移動すると共に、前群
の合成屈折力が広角端に比べて望遠端で弱まるように移
動している。又、第４群と第５群はそれらの間隔が狭く
なるように物体側へ移動している。このとき実施例１〜
４においては第３群と第４群の間隔が広角端に比べ望遠
端において増大するようにしている。これにより独立系
としてみたときの第３群と第４群の合成系が変倍に伴い
増倍となるようにしている。

【００１５】一方、実施例５〜７においては第４レンズ
群屈折力が比較的弱いため、変倍域全域において良好な
収差補正を行うように変倍中第４群は任意の移動軌跡を
持つようにしてやるのが良い。実施例５〜７において
は、望遠端においてレンズ全長短縮化を有利となすため
に広角端に比べ望遠端で第３群と第４群の間隔が減少す
るようにしている。

【００１６】本発明において広角端において負の屈折力
の第１群と広く間隔をあけて正の屈折力の第２群と正の
屈折力の第３群とを配置し、前群全体がレトロフォーカ
スタイプとなるようにしている。これにより前群の前側
主点が像面側に位置し、前群と後群のレンズ面同志の干
渉を防止しつつ広画角化を容易にしている。又第２群と
第３群の屈折力を共に正とすることにより、広角端での
前群におけるレトロフォーカスタイプとしての強い正の
屈折力を第２，第３群に分担させて、広画角化を容易に
している。そして第４群を物体側へ繰り出して無限遠物
体から近距離物体へのフォーカスを行なっている。

【００１７】本発明のズームレンズにおいては、レンズ
系全体の焦点距離ｆは次式で表わせられる。

【００１８】ｆ＝ｆＡ・β４・β５（β４＞０，β５＞０）・・・・・・（ａ）ここでｆＡは前記前群の合成焦点距離、βｉは第ｉ群の
横倍率を表わす。

【００１９】本発明では（ａ）式で理解できるように広
角端から望遠端への変倍の際は、横倍率β４，β５の値
を大きくすると同時に、前群の合成焦点距離ｆＡを長く
する（前群の合成屈折力を弱める）ことにより、より効
率の良い変倍作用を行なっている。又、正の屈折力の第
４群と負の屈折力の第５群との間隔を広角端に比べて望
遠端で狭く（減少）なるようにして、第５群に変倍効果
を与えて高変倍化を容易にしている。又後群は望遠端で
より発散性（負）の屈折力を強めるようにして正の屈折
力の前群と共に望遠型（テレフォトタイプ）を構成し
て、レンズ系全体の小型化を図っている。

【００２０】特に本発明では図１に示すような近軸屈折
力配置を採ることにより、広角端の焦点距離が画面対角
線長より小さくなるような撮影画角の広画角化を図って
いる。

【００２１】具体的には、前群は負の屈折力の第１群、
正の屈折力の第２群そして正の屈折力の第３群より成
り、広角端から望遠端への変倍に際して、第１群と第２
群の間隔が減少、第２群と第３群の間隔が増大するよう
に各レンズ群が移動している。

【００２２】尚、本発明の実施例１〜４では機構の簡素
化のために第１群と第３群を一体的に移動させている
が、独立に移動させても良い。これによれば設計の自由
度を増加させることができる。

【００２３】本発明では以上のようなレンズ構成におい
て、第ｉ群の焦点距離をｆｉ、広角端における全系の焦
点距離をｆＷ、第ｉ群の広角端における横倍率をβｉＷ
とするとき０．４＜｜ｆ５／ｆＷ｜＜１．５・・・・・・（１）１．１＜β５Ｗ＜１．９・・・・・・・・・・・・（２）なる条件を満足するようにしている。これにより更にレ
ンズ系全体の小型化を図りつつ、全変倍範囲にわたり高
い光学性能を得ている。

【００２４】次に前述の各条件式の技術的意味について
説明する。

【００２５】条件式（１）は第５群の負の屈折力に関
し、主に変倍を効果的に行なうためのものである。条件
式（１）の上限値を越えて第５群の負の屈折力が弱くな
ってくると、変倍時に該レンズ群による変倍効果が弱く
なるため、結果として一定の変倍比を得るためには各レ
ンズ群の移動量を大きくせねばならずレンズ全長が増加
してしまう。

【００２６】又、条件式（１）の下限値を越えること
は、広角端において、レンズ系は前記第１〜第４群の合
成屈折力は正、第５群の屈折力は負であるためテレフォ
トタイプとしての作用が強くなりすぎることになる。

【００２７】その為結果として、レンズ系のバックフォ
ーカスが短くなりすぎ、一定の周辺光量を確保するため
に第５群のレンズ外径の大型化をまねくと同時に、該レ
ンズ群の屈折力が強くなりすぎるため高次の像面湾曲や
非点収差が発生し、これを補正することが困難となって
くる。

【００２８】条件式（２）は第５群の広角端における横
倍率に関する。

【００２９】今、広角端におけるレンズ系のバックフォ
ーカスをＢｆＷとすると、ＢｆＷ＝ｆ５・（１−β５Ｗ）と表わせられる。

【００３０】そこで本発明では条件式（１）と共に条件
式（２）の値を適切に設定することによりレンズ系の全
長と諸収差をバランス良く補正している。

【００３１】条件式（２）の上限値を越えて結像倍率が
大きくなるとバックフォーカスは長くなるが第１〜第４
群の屈折力が強くなりすぎ、収差変動が大きくなってく
る。他方下限値を越えて結像倍率が小さくなってくると
所定のバックフォーカスを得るのが困難となり、又第５
群のレンズ外径が増大してくるので良くない。

【００３２】尚、本発明において変倍に伴う収差変動を
少なくしつつ広画角化を図り、画面全体にわたり高い光
学性能を確保するには各レンズ群を次の如く構成するの
が良い。

【００３３】（１）広角端における前記前群の合成屈折
力をφ_123Wとするとき、０．３＜ｆＷ・φ_123W＜１．８・・・・・・（３）０．６＜ｆ３／ｆＷ＜２．５・・・・・・・・・・（４）なる条件を満足することが良い。

【００３４】条件式（３）は前群の屈折力に関し、条件
式（３）の上限値を越えると、広角端において該前群の
屈折力が強くなりすぎテレフォト系の作用が強くなるた
め正のバックフォーカスを得ることが困難になる。又、
下限値を越えると前群の屈折力が弱まり、レンズ全長が
増大すると同時に、該後群のレンズ群の正の屈折力を強
めて広角端の焦点距離を維持せねばならないため、変倍
全域にわたって諸収差のバランスをとることが困難とな
る。

【００３５】条件式（４）は第３群の正の屈折力に関す
るものであり、条件式（４）の上限値を越えると、第３
群の屈折力が弱くなるため、変倍の際のレンズ群の移動
量が大きくなりレンズ系の増大をまねく。又、下限値を
越えると、第３群で高次の球面収差が強く発生するた
め、これを補正することが困難となってくる。

【００３６】尚、本発明において、特に広角端でのレン
ズ全長の短縮化を図りつつ、光学性能を良好に補正する
には前述の条件式（３），（４）の上限値と下限値を次
の如く０．４＜ｆＷ・φ_123W＜１．５・・・・・・（３ａ）０．９＜ｆ３／ｆＷ＜２．０・・・・・・・・・・（４ａ）設定するのが良い。

【００３７】（２）望遠端における前群の合成屈折力を
φ_123T、ズーム比をＺとしたとき、０．８＜｜ｆ１／ｆＷ｜＜５．０・・・・・・・・・・・・・・・・・・（５）０．７＜ｆ２／ｆＷ＜６．０・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（６）０．１５＜（φ_123W／φ_123T）／Ｚ＜０．８・・・・・・・（７）０．２５＜β４Ｗ＜１．２・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（８）０．１＜ｆ５・（１−β５Ｗ）／ｆＷ＜０．７・・・・・・・（９）なる条件を満足するのが良い。

【００３８】条件式（５）は広角端における全系と第１
群の屈折力の比に関するものであり、条件式（５）の上
限値を越えると第１群の屈折力が弱くなりすぎてレンズ
全長が大きくなってしまう。又下限値を越えると第１群
の屈折力が強くなるため広角端において所定のバックフ
ォーカスを確保するのが困難になってしまう。

【００３９】条件式（６）は広角端における全系と第２
群の屈折力の比に関するものであり、条件式（６）の上
限値を越えると第２群の屈折力が弱くなるため、変倍の
際のレンズ群の移動量が大きくなりレンズ系の増大をま
ねく。又下限値を越えると第２群の屈折力が強くなりす
ぎ、それに伴い第３群の屈折力も強くなってしまい球面
収差の補正が難しくなってくるので良くない。

【００４０】条件式（７）は前群の変倍比に関するもの
である。条件式（７）の上限値を越えると前群での変倍
分担が大きくなりすぎ、前群におけるレンズ群の屈折力
が強くなったり、変倍の際の各レンズ群の移動量が増大
してくる。又下限値を越えると後群での変倍分担が大き
くなりすぎ、所定の変倍比を確保するための後群の各レ
ンズ群の移動量が増大してくるので良くない。

【００４１】条件式（８）は広角端における第４群の横
倍率に関するものである。条件式（８）の上限値を越え
ると、広角端においてバックフォーカスが取りずらくな
り、結果として第５群のレンズ外径の増大をまねいてし
まう。又、下限値を越えると、一定の焦点距離を得るた
めに、他のレンズ群の屈折力が強くなってくるため変倍
時の収差変動を補正することが難しくなってくる。更に
前群の焦点距離をより長くしなければならず、レンズ全
長が長くなってくるので良くない。

【００４２】条件式（９）は第５群の屈折力と横倍率を
適切に設定し、主に所定のバックフォーカスを得るため
のものである。条件式（９）の上限値を越えると広角端
でバックフォーカスが必要以上に長くなり、レンズ全長
が増大してくる。又下限値を越えると逆に広角端で所定
のバックフォーカスを得るのが難しくなると共に第５群
のレンズ外形が増大してくるので良くない。

【００４３】また特に第３，第４群の屈折力が比較的強
く配置した場合において、第４群の横倍率β４Ｗが、０．２５＜β４Ｗ＜０．６の値数範囲を取る場合は、条件式（３），（６）は以下
の数値範囲とするのが小型で良好な光学系達成のため望
ましい。

【００４４】０．３＜ｆＷ・φ_123W／＜０．９・・・・・・（３ｂ）１．８≦ｆ２／ｆＷ＜６．０・・・・・・・・・・（６ｂ）他方、第３群の屈折力が比較的強く、第４群の屈折力を
比較的弱く配置した場合において、第４群の横倍率β４
Ｗが、０．６≦β４Ｗ＜１．２の値数範囲を取る場合は、条件式（３），（６）は以下
の数値範囲とするのが小型で良好な光学系達成のため望
ましい。

【００４５】０．９≦ｆＷ・φ_123W＜１．８・・・・・・（３ｃ）０．７＜ｆ２／ｆＷ＜１．８・・・・・・・・（６ｃ）（３）負の屈折力の第１群は少なくとも１枚ずつの正レ
ンズと負レンズとを有し、このうち負レンズの像面側の
レンズ面は像面側に凹面を向けたレンズ構成とするのが
良い。

【００４６】（４）本発明のズームレンズに非球面を導
入するときは、絞りよりも物体側にあるレンズ面に光軸
から離れるに従って正の屈折力が弱まるような（負の屈
折力が強まるような）非球面を導入すれば、望遠端での
像面弯曲と球面収差及び変倍に伴う収差変動及び画面全
体の収差補正を容易に補正することができる。又第５群
に導入すれば、主に軸外収差を良好に補正することがで
きる。

【００４７】（５）負の屈折力の第５群は少なくとも１
枚ずつの物体側に凹面を向けた負レンズと正レンズとを
有し、第５群中の正レンズと負レンズの材質のアッベ数
の平均値を各々ν５Ｐ，ν５Ｎとしたとき、１２＜ν５Ｎ−ν５Ｐ＜３５・・・・・・（１０）なる条件を満足するのが良い。条件式（１０）の上限値
又は下限値を外れると変倍時における色収差変動が多く
発生してきて、これを他のレンズ群にて補正することが
困難となってくる。

【００４８】（６）絞りは第２群の最も像面側のレンズ
面から第４群の最も像面側のレンズ面の間に存在する空
気間隔中に配置するのが入射瞳を適切な位置に配置する
ことができ、変倍による収差変動を抑えることができる
ので好ましい。そして絞りを変倍時に他のレンズ群とは
独立に移動させても良く、又、他のレンズ群と一体に移
動させても良い。それにより変倍時に移動する入射瞳位
置近傍に絞り位置を配置することが可能となり、小絞り
時の像面湾曲収差変化を防止するのに有利となる。

【００４９】又、フォーカスを行なう場合、フォーカス
群が絞りを含む場合、絞りを光軸上を固定状態にしてフ
ォーカス群を移動させることはフォーカス時に絞り機構
を移動させるための駆動トルクの低減を行うことができ
るので好ましい。

【００５０】（７）フォーカス群を２つ以上のレンズ群
に分割し、フォーカスの際に各レンズ群の間隔を変化さ
せれば、変倍及びフォーカスの際の収差変動を少なくす
ることができるので好ましい。

【００５１】（８）本発明の実施例１〜４におけるフォ
ーカスは第４群を物体側へ移動、実施例５〜７における
フォーカスは第３，４群を一体に物体側へ移動させるこ
とにより、無限遠物体から近距離物体へのフォーカスを
行なっているが、他のレンズ群を移動することによって
も良い。例えば該前群を物体側へ移動する方式でも良
い。

【００５２】又、広角端においてバックフォーカスが充
分にある場合は第５群を像面側に移動して行なっても良
く、この際は第１群のレンズ外径の小型化を行なうのに
有効となる。又、第１群から第５群中の２つ以上のレン
ズ群を同時に移動させて行なっても良い。

【００５３】次に本発明の数値実施例を示す。数値実施
例においてＲｉは物体側より順に第ｉ番目のレンズ面の
曲率半径、Ｄｉは物体側より第ｉ番目のレンズ厚及び空
気間隔、Ｎｉとνｉは各々物体側より順に第ｉ番目のレ
ンズのガラスの屈折率とアッベ数である。

【００５４】又前述の各条件式と数値実施例における諸
数値との関係を表−１に示す。

【００５５】非球面形状は光軸方向にＸ軸、光軸と垂直
方向にＨ軸、光の進行方向を正としＲを近軸曲率半径、
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅを各々非球面係数としたとき、

【００５６】

【数１】なる式で表わしている。

【００５７】（数値実施例１） F= 29.25〜101.00 fNO= 1:3.6〜8.2 2ω= 73.0°〜24.2° R 1= -136.48 D 1= 1.30 N 1=1.80400 ν 1= 46.6 R 2= 44.39 D 2= 0.41 R 3= 53.68 D 3= 3.00 N 2=1.80518 ν 2= 25.4 R 4= -226.68 D 4= 1.10 N 3=1.66998 ν 3= 39.3 R 5= 35.15 D 5=可変 R 6= 36.05 D 6= 1.00 N 4=1.84666 ν 4= 23.8 R 7= 22.91 D 7= 2.70 N 5=1.48749 ν 5= 70.2 R 8= -148.68 D 8=可変 R 9= 29.98 D 9= 2.80 N 6=1.56873 ν 6= 63.2 R10= -61.97 D10=可変 R11= -20.25 D11= 0.87 N 7=1.64769 ν 7= 33.8 R12= -96.09 D12= 1.00 R13=∞ (絞り) D13= 1.00 R14= -49.89 D14= 0.78 N 8=1.48749 ν 8= 70.2 R15= 41.40 D15= 2.10 N 9=1.84666 ν 9= 23.8 R16= -42.55 D16= 5.60 R17= 31.32 D17= 1.10 N10=1.84666 ν10= 23.8 R18= 12.25 D18= 5.50 N11=1.58313 ν11= 59.4 R19= -25.47 D19=可変 R20= -31.70 D20= 3.50 N12=1.84666 ν12= 23.8 R21= -17.94 D21= 0.20 R22= -22.10 D22= 1.30 N13=1.80610 ν13= 41.0 R23= -317.84 D23= 4.89 R24= -18.10 D24= 1.50 N14=1.78590 ν14= 44.2 R25= -63.65 非球面係数 R19 K= -1.81×10^-1 A= 0 B= 8.60×10^-6 C= 9.07×10^-8 D= -1.91×10^-9 E= 0

【００５８】

【表１】（数値実施例２） F= 28.84〜101.48 fNO= 1:3.6〜8.2 2ω= 73.8°〜24.1° R 1= -107.63 D 1= 1.30 N 1=1.80400 ν 1= 46.6 R 2= 29.11 D 2= 3.50 N 2=1.80518 ν 2= 25.4 R 3= 188.37 D 3= 0.38 R 4= 248.08 D 4= 1.10 N 3=1.60342 ν 3= 38.0 R 5= 33.55 D 5=可変 R 6= 33.40 D 6= 1.00 N 4=1.84666 ν 4= 23.8 R 7= 19.67 D 7= 2.70 N 5=1.48749 ν 5= 70.2 R 8= -176.19 D 8=可変 R 9= 29.75 D 9= 2.80 N 6=1.56873 ν 6= 63.2 R10= -53.64 D10=可変 R11= -19.54 D11= 0.87 N 7=1.64769 ν 7= 33.8 R12= -93.56 D12= 1.00 R13=∞ (絞り) D13= 1.00 R14= -57.06 D14= 0.78 N 8=1.48749 ν 8= 70.2 R15= 36.54 D15= 2.10 N 9=1.84666 ν 9= 23.8 R16= -45.52 D16= 4.85 R17= 34.65 D17= 1.10 N10=1.84666 ν10= 23.8 R18= 12.82 D18= 5.50 N11=1.58313 ν11= 59.4 R19= -23.25 D19=可変 R20= -33.52 D20= 3.00 N12=1.84666 ν12= 23.8 R21= -17.94 D21= 0.15 R22= -20.79 D22= 1.30 N13=1.83481 ν13= 42.7 R23= -171.17 D23= 4.39 R24= -17.91 D24= 1.50 N14=1.78590 ν14= 44.2 R25= -73.32 非球面係数 R19 K= -3.37×10^-1 A= 0 B= 1.15×10^-5 C= -2.60×10^-8 D= -2.60×10^-10 E= 0

【００５９】

【表２】（数値実施例３） F= 35.00〜110.12 fNO= 1:3.7〜 8.2 2ω= 63.4°〜22.2° R 1= -209.03 D 1= 1.30 N 1=1.80400 ν 1= 46.6 R 2= 127.91 D 2= 0.41 R 3= 143.81 D 3= 3.00 N 2=1.80518 ν 2= 25.4 R 4= -90.07 D 4= 1.10 N 3=1.66998 ν 3= 39.3 R 5= 50.47 D 5=可変 R 6= 36.53 D 6= 1.00 N 4=1.84666 ν 4= 23.8 R 7= 25.31 D 7= 3.80 N 5=1.48749 ν 5= 70.2 R 8=-1105.62 D 8=可変 R 9= 36.04 D 9= 3.20 N 6=1.56873 ν 6= 63.2 R10= -160.41 D10=可変 R11=∞ (絞り) D11= 1.30 R12= -21.36 D12= 0.87 N 7=1.64769 ν 7= 33.8 R13= -289.38 D13= 2.00 R14= -78.97 D14= 0.78 N 8=1.48749 ν 8= 70.2 R15= 46.97 D15= 2.10 N 9=1.84666 ν 9= 23.8 R16= -48.67 D16= 5.60 R17= 32.95 D17= 1.10 N10=1.84666 ν10= 23.8 R18= 14.36 D18= 5.50 N11=1.58313 ν11= 59.4 R19= -27.03 D19=可変 R20= -30.81 D20= 3.50 N12=1.84666 ν12= 23.8 R21= -19.27 D21= 0.20 R22= -30.53 D22= 1.30 N13=1.80610 ν13= 41.0 R23= -115.65 D23= 4.89 R24= -18.03 D24= 1.50 N14=1.78590 ν14= 44.2 R25= -118.71 非球面係数 R19 K= 3.77×10^-1 A= 0 B= 1.57×10^-5 C= 3.17×10^-8 D= -8.36×10^-10 E= 0

【００６０】

【表３】（数値実施例４） F= 35.00〜110.00 ｆNO= 1:3.7〜8.2 2ω= 63.4°〜22.3° R 1= -112.16 D 1= 1.30 N 1=1.80400 ν 1= 46.6 R 2= 139.61 D 2= 0.41 R 3= 163.84 D 3= 3.00 N 2=1.80518 ν 2= 25.4 R 4= -107.84 D 4= 1.10 N 3=1.66998 ν 3= 39.3 R 5= 76.56 D 5=可変 R 6= 36.05 D 6= 1.00 N 4=1.84666 ν 4= 23.8 R 7= 25.55 D 7= 3.80 N 5=1.48749 ν 5= 70.2 R 8= -389.95 D 8=可変 R 9= 45.54 D 9= 3.20 N 6=1.56873 ν 6= 63.2 R10= -160.77 D10=可変 R11=∞ (絞り) D11= 1.30 R12= -20.88 D12= 0.87 N 7=1.64769 ν 7= 33.8 R13= -233.98 D13= 2.00 R14= -159.29 D14= 0.78 N 8=1.48749 ν 8= 70.2 R15= 46.64 D15= 2.10 N 9=1.84666 ν 9= 23.8 R16= -49.54 D16= 5.60 R17= 35.02 D17= 1.10 N10=1.84666 ν10= 23.8 R18= 14.70 D18= 5.50 N11=1.58313 ν11= 59.4 R19= -28.48 D19=可変 R20= -19.90 D20= 3.50 N12=1.84666 ν12= 23.8 R21= -17.24 D21= 4.50 R22= -16.95 D22= 1.50 N13=1.77250 ν13= 49.6 R23= 483.96 非球面係数 R19 K= 8.88×10^-1 A= 0 B= 1.21×10^-5 C= 1.06×10^-7 D= -1.47×10^-9 E= 0 非球面係数 R22 K= 0 A= 0 B= 8.13×10^-6 C= 2.25×10^-8 D= -1.09×10^-11 E= 0

【００６１】

【表４】（数値実施例５） F= 28.80〜101.96 fNO= 1:4.30〜9.00 2ω= 73.8°〜24.0° R 1=-4116.96 D 1= 2.60 N 1=1.51741 ν 1= 52.4 R 2= -51.61 D 2= 0.88 R 3= -32.32 D 3= 1.20 N 2=1.77249 ν 2= 49.6 R 4= 28.95 D 4= 2.80 N 3=1.84665 ν 3= 23.8 R 5= 265.48 D 5=可変 R 6= 18.85 D 6= 1.00 N 4=1.84665 ν 4= 23.8 R 7= 13.87 D 7= 4.00 N 5=1.48749 ν 5= 70.2 R 8= -21.28 D 8= 1.00 N 6=1.84665 ν 6= 23.8 R 9= -27.55 D 9=可変 R10=∞（絞り） D10= 3.00 R11= -25.23 D11= 1.36 N 7=1.80518 ν 7= 25.4 R12= -47.39 D12= 0.14 R13= -36.10 D13= 6.85 N 8=1.67790 ν 8= 55.3 R14= -12.22 D14=可変 R15= -19.48 D15= 2.50 N 9=1.58312 ν 9= 59.4 R16= -16.04 D16=可変 R17= -32.40 D17= 3.00 N10=1.76181 ν10= 26.6 R18= -18.03 D18= 0.17 R19= -25.42 D19= 1.30 N11=1.69679 ν11= 55.5 R20= -921.97 D20= 4.59 R21= -14.26 D21= 1.50 N12=1.71299 ν12= 53.8 R22= 190.18 非球面係数 R11 K= 4.91 A= 0 B= -1.20×10^-4 C= -6.48×10^-7 D= -1.53×10^-8 E= 0 非球面係数 R15 K= 1.19 A= 0 B= 2.27×10^-5 C= 1.48×10^-7 D= 1.04×10^-9 E= 0

【００６２】

【表５】（数値実施例６） F= 29.11〜101.99 fNO= 1:4.30〜9.00 2ω= 73.2°〜23.9° R 1= 95.83 D 1= 3.20 N 1=1.51633 ν 1= 64.2 R 2= -53.56 D 2= 0.61 R 3= -35.06 D 3= 1.20 N 2=1.80400 ν 2= 46.6 R 4= 17.05 D 4= 3.28 N 3=1.84665 ν 3= 23.8 R 5= 74.99 D 5=可変 R 6= 15.96 D 6= 1.00 N 4=1.84665 ν 4= 23.8 R 7= 11.49 D 7= 4.30 N 5=1.48749 ν 5= 70.2 R 8= -19.95 D 8= 1.00 N 6=1.84665 ν 6= 23.8 R 9= -27.33 D 9=可変 R10=∞（絞り） D10= 3.50 R11= -24.67 D11= 2.30 N 7=1.80518 ν 7= 25.4 R12= -46.17 D12= 0.19 R13= -34.22 D13= 1.20 N 8=1.65159 ν 8= 58.5 R14= 356.16 D14= 5.50 N 9=1.74319 ν 9= 49.3 R15= -13.76 D15=可変 R16= -19.38 D16= 2.50 N10=1.51633 ν10= 64.2 R17= -15.27 D17=可変 R18= -31.26 D18= 2.30 N11=1.84665 ν11= 23.8 R19= -20.72 D19= 0.71 R20= -24.00 D20= 1.30 N12=1.69679 ν12= 55.5 R21= 837.91 D21= 3.73 R22= -21.23 D22= 1.50 N13=1.77249 ν13= 49.6 R23= 171.78 非球面係数 R11 K= 4.71 A= 0 B= -8.41×10^-5 C= -1.40×10^-7 D= -8.96×10^-9 E= 0 非球面係数 R15 K= -2.63 A= 0 B= -1.15×10^-4 C= 2.26×10^-7 D= -1.31×10^-9 E= 0

【００６３】

【表６】（数値実施例７） F= 28.80〜102.40 fNO= 1:4.30〜9.00 2ω= 73.8°〜23.9° R 1= -357.21 D 1= 2.50 N 1=1.51741 ν 1= 52.4 R 2= -55.11 D 2= 0.70 R 3= -36.84 D 3= 1.20 N 2=1.77249 ν 2= 49.6 R 4= 32.93 D 4= 2.80 N 3=1.84666 ν 3= 23.8 R 5= 400.74 D 5=可変 R 6= 19.18 D 6= 1.00 N 4=1.84666 ν 4= 23.8 R 7= 12.66 D 7= 3.70 N 5=1.48749 ν 5= 70.2 R 8= -31.67 D 8= 0.80 R 9=∞ (絞り) D 9=可変 R10= -23.72 D10= 1.00 N 6=1.80518 ν 6= 25.4 R11= -48.78 D11= 0.18 R12= -33.17 D12= 7.30 N 7=1.65844 ν 7= 50.9 R13= -11.89 D13=可変 R14= -19.99 D14= 2.50 N 8=1.58312 ν 8= 59.4 R15= -15.94 D15=可変 R16= -34.31 D16= 2.90 N 9=1.76182 ν 9= 26.5 R17= -18.06 D17= 0.39 R18= -26.91 D18= 1.30 N10=1.83480 ν10= 42.7 R19= -140.63 D19= 4.84 R20= -13.09 D20= 1.50 N11=1.71299 ν11= 53.8 R21= 882.45 非球面係数 R10 K= 4.60 A= 0 B= -1.07×10^-4 C=-8.17×10^-7 D= -1.35×10^-8 E= 0 非球面係数 R14 K= 1.27 A= 0 B= 1.56×10^-5 C= 1.44×10^-7 D= 1.18×10^-9 E= 0

【００６４】

【表７】

【００６５】

【発明の効果】本発明によれば以上のように、全体とし
て５つのレンズ群より構成し、変倍における各レンズ群
の移動条件や屈折力等を適切に設定することにより、広
角端の撮影画角が６４〜７４度程度、変倍比３．５程度
の全変倍範囲にわたり高い光学性能を有したズームレン
ズを達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のズームレンズの近軸屈折力配置の説
明図

【図２】本発明のズームレンズの近軸屈折力配置の別
の説明図

【図３】本発明の数値実施例１の広角端のレンズ断面
図

【図４】本発明の数値実施例２の広角端のレンズ断面
図

【図５】本発明の数値実施例３の広角端のレンズ断面
図

【図６】本発明の数値実施例４の広角端のレンズ断面
図

【図７】本発明の数値実施例５の広角端のレンズ断面
図

【図８】本発明の数値実施例６の広角端のレンズ断面
図

【図９】本発明の数値実施例７の広角端のレンズ断面
図

【図１０】本発明の数値実施例１の広角端の収差図

【図１１】本発明の数値実施例１の中間の収差図

【図１２】本発明の数値実施例１の望遠端の収差図

【図１３】本発明の数値実施例２の広角端の収差図

【図１４】本発明の数値実施例２の中間の収差図

【図１５】本発明の数値実施例２の望遠端の収差図

【図１６】本発明の数値実施例３の広角端の収差図

【図１７】本発明の数値実施例３の中間の収差図

【図１８】本発明の数値実施例３の望遠端の収差図

【図１９】本発明の数値実施例４の広角端の収差図

【図２０】本発明の数値実施例４の中間の収差図

【図２１】本発明の数値実施例４の望遠端の収差図

【図２２】本発明の数値実施例５の広角端の収差図

【図２３】本発明の数値実施例５の中間の収差図

【図２４】本発明の数値実施例５の望遠端の収差図

【図２５】本発明の数値実施例６の広角端の収差図

【図２６】本発明の数値実施例６の中間の収差図

【図２７】本発明の数値実施例６の望遠端の収差図

【図２８】本発明の数値実施例７の広角端の収差図

【図２９】本発明の数値実施例７の中間の収差図

【図３０】本発明の数値実施例７の望遠端の収差図

【符号の説明】

Ｌ１第１群Ｌ２第２群Ｌ３第３群Ｌ４第４群Ｌ５第５群ＳＰ絞りＩＰ像面ｄｄ線ｇｇ線Ｓ．Ｃ正弦条件 ΔＳサジタル像面 ΔＭメリディオナル像面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】物体側より順に負の屈折力の第１群、正
の屈折力の第２群、正の屈折力の第３群の３つのレンズ
群より成り、広角端での合成屈折力が正の屈折力の前群
そして正の屈折力の第４群と負の屈折力の第５群の２つ
のレンズ群より成る後群とを有し、広角端から望遠端へ
の変倍に際して、該第１，第２，第３群は前群の合成屈
折力が広角端に比べて望遠端で弱まるように移動し、該
第４，第５群はそれらの間隔が狭くなるように移動して
いることを特徴とするズームレンズ。
【請求項２】前記第ｉ群の焦点距離をｆｉ、広角端に
おける全系の焦点距離をｆＷ、第ｉ群の広角端における
横倍率をβｉＷとするとき０．４＜｜ｆ５／ｆＷ｜＜１．５１．１＜β５Ｗ＜１．９なる条件を満足することを特徴とする請求項１のズーム
レンズ。
【請求項３】広角端から望遠端への変倍に際して、第
１群と第２群の間隔が減少、第２群と第３群の間隔が増
大するように各レンズ群が物体側へ移動していることを
特徴とする請求項１のズームレンズ。
【請求項４】広角端における前記前群の合成屈折力を
φ_123Wとするとき０．３＜ｆＷ・φ_123W＜１．８０．６＜ｆ３／ｆＷ＜２．５なる条件を満足することを特徴とする請求項２のズーム
レンズ。