JPH07151660A - 粉体観察用試料及びその製造方法 - Google Patents
粉体観察用試料及びその製造方法Info
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- JPH07151660A JPH07151660A JP5298824A JP29882493A JPH07151660A JP H07151660 A JPH07151660 A JP H07151660A JP 5298824 A JP5298824 A JP 5298824A JP 29882493 A JP29882493 A JP 29882493A JP H07151660 A JPH07151660 A JP H07151660A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ケトンに可溶な合成樹脂のケトン溶液中に粉
体が10重量%以下分散混合された粉体観察用試料。ま
た、合成樹脂のケトン溶液に粉体を10重量%以下分散
混合し、該混練物を平板上に塗布し、ケトンを自然乾燥
または強制乾燥して該粉体の粒子を分散させたまま上記
合成樹脂膜中に固定する粉体観察用試料の製造方法。 【効果】 粉体を分散、固定するときは粘性が低くくて
粒子を分散させやすく、粉体を観察するときは粉体粒子
が分散されたまま固定されるので、時間が経過しても再
凝集、流れの問題なく観察できる。
体が10重量%以下分散混合された粉体観察用試料。ま
た、合成樹脂のケトン溶液に粉体を10重量%以下分散
混合し、該混練物を平板上に塗布し、ケトンを自然乾燥
または強制乾燥して該粉体の粒子を分散させたまま上記
合成樹脂膜中に固定する粉体観察用試料の製造方法。 【効果】 粉体を分散、固定するときは粘性が低くくて
粒子を分散させやすく、粉体を観察するときは粉体粒子
が分散されたまま固定されるので、時間が経過しても再
凝集、流れの問題なく観察できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体の性状を観察する
ための粉体観察用試料、及び、その製造方法に関する。
ための粉体観察用試料、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より粉体を原料とする材料は多く、
優れた特徴や高性能を有する実用材料が次々と登場して
いる。例えば、磁性材料、金属粉射出成形材料、超電導
材料、セラミックス材料、金属ペースト材料、建材用材
料、塗料、合成樹脂材料、食品材料等である。これらの
原料粉の粉体性状は、機械強度、磁気特性、電気特性、
光学特性、熱的特性、混合特性、焼結特性等の、物理
的、化学的特性に大きく影響する。そのため、これら素
材の原料粉の粉体性状を測定、評価することは、新材料
の開発においても、また、品質管理においても重要であ
る。
優れた特徴や高性能を有する実用材料が次々と登場して
いる。例えば、磁性材料、金属粉射出成形材料、超電導
材料、セラミックス材料、金属ペースト材料、建材用材
料、塗料、合成樹脂材料、食品材料等である。これらの
原料粉の粉体性状は、機械強度、磁気特性、電気特性、
光学特性、熱的特性、混合特性、焼結特性等の、物理
的、化学的特性に大きく影響する。そのため、これら素
材の原料粉の粉体性状を測定、評価することは、新材料
の開発においても、また、品質管理においても重要であ
る。
【0003】しかし一般的に粉体には、多くの粒子が引
きつき合い、集まってしまう性質、即ち凝集性がある。
この凝集性は粒子間に働く様々な引力によって起こる。
特に磁石原料粉は、各粒子がそれぞれ磁気を帯びている
ために、この凝集性が強い。粉体の凝集性のため、粉体
を粒子単位に分離して、粒子間の重なりをなくすことは
むずかしく、粉体の観察には困難を伴う。そこで、粉体
を粒子単位で観察する場合、水、アルコール、液状樹
脂、油等の溶媒に観察対象とする粉体を溶かし、場合に
よっては超音波振動を与えるなどして、粒子を一粒一粒
に分離、分散させてから測定する。
きつき合い、集まってしまう性質、即ち凝集性がある。
この凝集性は粒子間に働く様々な引力によって起こる。
特に磁石原料粉は、各粒子がそれぞれ磁気を帯びている
ために、この凝集性が強い。粉体の凝集性のため、粉体
を粒子単位に分離して、粒子間の重なりをなくすことは
むずかしく、粉体の観察には困難を伴う。そこで、粉体
を粒子単位で観察する場合、水、アルコール、液状樹
脂、油等の溶媒に観察対象とする粉体を溶かし、場合に
よっては超音波振動を与えるなどして、粒子を一粒一粒
に分離、分散させてから測定する。
【0004】上記液状樹脂の溶媒としては、エポキシ系
樹脂等の、透明な液状樹脂が使用されている。透明液状
樹脂は、粉体の観察の障害となる気泡の発生が少ない、
さまざまな粘土の樹脂から適当なものを選べる、適度な
分散効果が期待できる等の理由で、前記磁石原料粉のよ
うな凝集性の強い粉体の観察、とりわけ粒度分布の測定
に用いられている(特開平2−311742号)。
樹脂等の、透明な液状樹脂が使用されている。透明液状
樹脂は、粉体の観察の障害となる気泡の発生が少ない、
さまざまな粘土の樹脂から適当なものを選べる、適度な
分散効果が期待できる等の理由で、前記磁石原料粉のよ
うな凝集性の強い粉体の観察、とりわけ粒度分布の測定
に用いられている(特開平2−311742号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしエポキシ系樹脂
のような液状樹脂は、粉体を分散、固定して試料とする
時と、その試料を観察する時とで粘性に変化がない。こ
のため、これを溶媒にしようする場合、粉体の分散性を
良くしようとして粘性の低いものを選ぶと、粉体の分
散、固定後時間の経過に伴い、粒子が溶媒中を流動して
再凝集してしまい、正しく観察できない。一方、再凝集
を防止しようとして粘性の高いものを選ぶと、分散、固
定が困難で、試料が作りにくい。
のような液状樹脂は、粉体を分散、固定して試料とする
時と、その試料を観察する時とで粘性に変化がない。こ
のため、これを溶媒にしようする場合、粉体の分散性を
良くしようとして粘性の低いものを選ぶと、粉体の分
散、固定後時間の経過に伴い、粒子が溶媒中を流動して
再凝集してしまい、正しく観察できない。一方、再凝集
を防止しようとして粘性の高いものを選ぶと、分散、固
定が困難で、試料が作りにくい。
【0006】また、液状樹脂は観察中に流れ出して測定
用機器を汚したり、観察する粒子が移動したりするた
め、長時間観察することができない。更に、液状樹脂は
温度により粘性が大きく変化するため、観察条件を一定
に保つためには観察する環境の温度管理が必要となる。
用機器を汚したり、観察する粒子が移動したりするた
め、長時間観察することができない。更に、液状樹脂は
温度により粘性が大きく変化するため、観察条件を一定
に保つためには観察する環境の温度管理が必要となる。
【0007】本発明の目的は上記課題を解決したもの
で、粉体を分散、固定するときは溶媒が液状であるため
粘性が低くて分散性がよく、粉体を観察、測定するとき
は固まっていて時間が経過しても再凝集、流れの問題が
ない、観察用に適した粉体観察用試料、及びその製造方
法を提供することにある。
で、粉体を分散、固定するときは溶媒が液状であるため
粘性が低くて分散性がよく、粉体を観察、測定するとき
は固まっていて時間が経過しても再凝集、流れの問題が
ない、観察用に適した粉体観察用試料、及びその製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の粉体観察用試料
は、ケトンに可溶な合成樹脂のケトン溶液中に粉体が1
0重量%以下分散混合されている点に特徴がある。また
このような粉体観察用試料の製造方法は、上記合成樹脂
のケトン溶液に粉体を10重量%以下分散混合し、該混
練物を平板上に塗布し、前記ケトン溶液中のケトンを自
然乾燥または強制乾燥して該粉体の粒子を分散させたま
ま上記合成樹脂膜中に固定する点に特徴がある。
は、ケトンに可溶な合成樹脂のケトン溶液中に粉体が1
0重量%以下分散混合されている点に特徴がある。また
このような粉体観察用試料の製造方法は、上記合成樹脂
のケトン溶液に粉体を10重量%以下分散混合し、該混
練物を平板上に塗布し、前記ケトン溶液中のケトンを自
然乾燥または強制乾燥して該粉体の粒子を分散させたま
ま上記合成樹脂膜中に固定する点に特徴がある。
【0009】本発明で使用するケトンに可溶な合成樹脂
には、ポリ酢酸ビニル樹脂(化学名「Polyvinylacetat
e」以下、「PVAc樹脂」という)や、ポリビニルエ
ーテル樹脂(化学名「Polyvinylether」以下、「PVE
樹脂」という)が使用できる。PVE樹脂代表的なもの
として、ポリビニルメチルエーテル(以下、「PVME
樹脂」という)がある。
には、ポリ酢酸ビニル樹脂(化学名「Polyvinylacetat
e」以下、「PVAc樹脂」という)や、ポリビニルエ
ーテル樹脂(化学名「Polyvinylether」以下、「PVE
樹脂」という)が使用できる。PVE樹脂代表的なもの
として、ポリビニルメチルエーテル(以下、「PVME
樹脂」という)がある。
【0010】PVAc樹脂はいずれも熱可塑性樹脂の一
種で、オレフィンと酢酸の反応で得られ、酢酸ビニルモ
ノマーをラジカル重合することで合成される。PVAc
樹脂は一般に多くの有機溶剤に可溶で、無色透明であ
り、接着性に優れた樹脂である。本発明では、平均重合
度(P)が300〜2000のPVAc樹脂が好まし
い。
種で、オレフィンと酢酸の反応で得られ、酢酸ビニルモ
ノマーをラジカル重合することで合成される。PVAc
樹脂は一般に多くの有機溶剤に可溶で、無色透明であ
り、接着性に優れた樹脂である。本発明では、平均重合
度(P)が300〜2000のPVAc樹脂が好まし
い。
【0011】PVE樹脂はいずれも熱可塑性樹脂の一種
で、ビニルエーテルモノマーをカチオン重合することで
合成される。PVE樹脂、特にPVME樹脂は、一般に
多くの有機溶剤に可溶で、無色透明であり、接着性に優
れた樹脂である。本発明では、平均重合度(P)が30
0〜2000のPVE樹脂を使用するのが好ましい。
で、ビニルエーテルモノマーをカチオン重合することで
合成される。PVE樹脂、特にPVME樹脂は、一般に
多くの有機溶剤に可溶で、無色透明であり、接着性に優
れた樹脂である。本発明では、平均重合度(P)が30
0〜2000のPVE樹脂を使用するのが好ましい。
【0012】なお、これらの合成樹脂はアルコールにも
可溶であるため、ケトンの替わりにアルコールを用いる
ことも可能である。
可溶であるため、ケトンの替わりにアルコールを用いる
ことも可能である。
【0013】粉体には、金属粉、合金粉、酸化物等の化
成品粉、鉱石粉、有機物粉、花粉、穀物粉、種子等の動
植物性粉末等、ケトンに不溶または難溶性の粉体であれ
ばいかなる粉体でも用いられる。ケトンにはアセトン、
メチルエチルケトン等が使用できるが、市販されている
工業用または試薬用の安価なもので良く、水分等不純物
が多少含まれていてもかまわない。また、室温で蒸気圧
の高いものの方が扱いやすい。
成品粉、鉱石粉、有機物粉、花粉、穀物粉、種子等の動
植物性粉末等、ケトンに不溶または難溶性の粉体であれ
ばいかなる粉体でも用いられる。ケトンにはアセトン、
メチルエチルケトン等が使用できるが、市販されている
工業用または試薬用の安価なもので良く、水分等不純物
が多少含まれていてもかまわない。また、室温で蒸気圧
の高いものの方が扱いやすい。
【0014】合成樹脂のケトン溶液の濃度は特に限定さ
れないが、好ましくは合成樹脂が20〜80重量%であ
るケトン溶液が良い。80重量%を越えると粘度が高す
ぎて粒子が分散しにくく、20重量%未満では粘度が低
すぎて粒子の再凝集が起こりやすくなるからである。
れないが、好ましくは合成樹脂が20〜80重量%であ
るケトン溶液が良い。80重量%を越えると粘度が高す
ぎて粒子が分散しにくく、20重量%未満では粘度が低
すぎて粒子の再凝集が起こりやすくなるからである。
【0015】粉体量は合成樹脂のケトン溶液に対し、1
0重量%以下分散混合されていることが必要である。粉
体量が10重量%を越えると粒子の存在割合が大きく、
重なりや再凝集が起こりやすく、観察が困難になるから
である。粉体量の下限は特に規定されず、観察する粉体
の種類、粒度により上記範囲内で適宜選択することがで
きる。
0重量%以下分散混合されていることが必要である。粉
体量が10重量%を越えると粒子の存在割合が大きく、
重なりや再凝集が起こりやすく、観察が困難になるから
である。粉体量の下限は特に規定されず、観察する粉体
の種類、粒度により上記範囲内で適宜選択することがで
きる。
【0016】本発明の粉体観察用試料は、所定量の粉体
と、合成樹脂のケトン溶液とを適当な容器中に入れ、ガ
ラス棒、スパーテル、スクリュウ、電動撹拌機等を用い
てこれを撹拌し、必要な場合は超音波振動を与えて均一
になるよう分散混合する。この混合物はスラリー状にな
るが、上澄みを除去したこのスラリーを、スライドガラ
ス、プレパラート等の透明板硝子や、電気伝導性のある
金属板等の平板上に適量のせ、更に粉体の粒子がよく分
散するように、マイクロスパーテル、薬さじ、ガラス棒
などを用いて平板上でスラリーをよくかき混ぜる。次
に、テフロン等の弾性のある薄板を用い、そのエッジで
スラリーを平板上に、粉体が重なり合わないように一方
向に延ばしながら塗り付ける。粉体の粒子は重なりなく
膜状となったスラリー中に分散する。
と、合成樹脂のケトン溶液とを適当な容器中に入れ、ガ
ラス棒、スパーテル、スクリュウ、電動撹拌機等を用い
てこれを撹拌し、必要な場合は超音波振動を与えて均一
になるよう分散混合する。この混合物はスラリー状にな
るが、上澄みを除去したこのスラリーを、スライドガラ
ス、プレパラート等の透明板硝子や、電気伝導性のある
金属板等の平板上に適量のせ、更に粉体の粒子がよく分
散するように、マイクロスパーテル、薬さじ、ガラス棒
などを用いて平板上でスラリーをよくかき混ぜる。次
に、テフロン等の弾性のある薄板を用い、そのエッジで
スラリーを平板上に、粉体が重なり合わないように一方
向に延ばしながら塗り付ける。粉体の粒子は重なりなく
膜状となったスラリー中に分散する。
【0017】次に、このスラリー中のケトンを、放置し
て自然乾燥するか、ホットプレート、ドライヤー等で強
制乾燥して除去する。ケトンが揮発するとスラリーの粘
土は次第に高まり、ケトンがなくなると、合成樹脂が固
体状の膜となる。ここで粉体の粒子は、合成樹脂の膜中
に分散されたまま固定される。このようにしてして得ら
れた粉体観察用試料は、光学顕微鏡、EPMA、電子顕
微鏡、粒度分布測定装置、画像解析装置等で測定でき
る。
て自然乾燥するか、ホットプレート、ドライヤー等で強
制乾燥して除去する。ケトンが揮発するとスラリーの粘
土は次第に高まり、ケトンがなくなると、合成樹脂が固
体状の膜となる。ここで粉体の粒子は、合成樹脂の膜中
に分散されたまま固定される。このようにしてして得ら
れた粉体観察用試料は、光学顕微鏡、EPMA、電子顕
微鏡、粒度分布測定装置、画像解析装置等で測定でき
る。
【0018】
【作用】本発明の粉体観察用試料は、作る時は粘性が低
くて粉体粒子を分散させやすく、観察するときはこの溶
媒のケトンが除去され、固体となった合成樹脂中で粉体
は固定され流動しなくなり、分散された状態のまま観察
できる。また、時間が経過しても粉体の再凝集の心配は
ないので長時間の使用が可能であり、また、試料の流れ
により機器等が汚れる問題もなく、温度管理の必要はな
い。
くて粉体粒子を分散させやすく、観察するときはこの溶
媒のケトンが除去され、固体となった合成樹脂中で粉体
は固定され流動しなくなり、分散された状態のまま観察
できる。また、時間が経過しても粉体の再凝集の心配は
ないので長時間の使用が可能であり、また、試料の流れ
により機器等が汚れる問題もなく、温度管理の必要はな
い。
【0019】
実験番号1(実施例) ・・・ ケトンにはアセトンを
用い、粉体には焼結磁石用Nd14Fe77B系合金粉末
(組成:Nd 32、Fe 67、B 1重量%)を用
い、合成樹脂にはPVAc樹脂を用いて本発明の粉体観
察用試料を製造した。PVAc樹脂には、コニシ(株)
製のPVAc樹脂、ボンドKE60(P=約300)を
使用した。PVAc樹脂のアセトンは、50重量%とし
た。
用い、粉体には焼結磁石用Nd14Fe77B系合金粉末
(組成:Nd 32、Fe 67、B 1重量%)を用
い、合成樹脂にはPVAc樹脂を用いて本発明の粉体観
察用試料を製造した。PVAc樹脂には、コニシ(株)
製のPVAc樹脂、ボンドKE60(P=約300)を
使用した。PVAc樹脂のアセトンは、50重量%とし
た。
【0020】合成樹脂のアセトン溶液と粉体との混合に
は、50ccのビーカーに合成樹脂のアセトン溶液19
gと、粉体1gとを入れ、粉体の比重を5重量%とし
た。洗浄したガラス棒でこれらをよく撹拌し、更に、ビ
ーカー内に超音波振動発振機の振動子の先端を差し入れ
て、25kHz、200Wの超音波振動を5分間与え
た。超音波振動を停止すると上澄み液が生じたのでこれ
を廃棄した。残った混合物は、粒子が分散したペースト
状になった。
は、50ccのビーカーに合成樹脂のアセトン溶液19
gと、粉体1gとを入れ、粉体の比重を5重量%とし
た。洗浄したガラス棒でこれらをよく撹拌し、更に、ビ
ーカー内に超音波振動発振機の振動子の先端を差し入れ
て、25kHz、200Wの超音波振動を5分間与え
た。超音波振動を停止すると上澄み液が生じたのでこれ
を廃棄した。残った混合物は、粒子が分散したペースト
状になった。
【0021】このスラリーの一部(約5mg)をマイク
ロスパーテルで採取し、スライドガラス上にのせた。ス
ライドガラス上で更にマイクロスパーテルを用いてこの
スラリーをよく撹拌した。次に、粉体が重なりあわない
ように、厚さ1mm、25×75mmのテフロンプレー
トを用いて、上記スラリーをスライドガラスに押しつけ
るように一方向に延ばした。アセトンが揮発すると、ス
ラリーは透明膜状になり、粉体の粒子は分散されたまま
この膜中に固定された。
ロスパーテルで採取し、スライドガラス上にのせた。ス
ライドガラス上で更にマイクロスパーテルを用いてこの
スラリーをよく撹拌した。次に、粉体が重なりあわない
ように、厚さ1mm、25×75mmのテフロンプレー
トを用いて、上記スラリーをスライドガラスに押しつけ
るように一方向に延ばした。アセトンが揮発すると、ス
ラリーは透明膜状になり、粉体の粒子は分散されたまま
この膜中に固定された。
【0022】実験番号2(従来例) ・・・ 合成樹脂
に液状樹脂であるエポキシ系樹脂を用いた他は実験番号
1と同様にして、従来の粉体観察用試料を製造した。こ
のときスラリーは液状のままであった。
に液状樹脂であるエポキシ系樹脂を用いた他は実験番号
1と同様にして、従来の粉体観察用試料を製造した。こ
のときスラリーは液状のままであった。
【0023】実験番号3(実施例) ・・・ 粉体に
は、樹脂磁石用SmCo5系合金粉末(組成:Sm 3
5、Co 65重量%)を用いた他は実験番号1と同様
にして、本発明の粉体観察用試料を製造した。
は、樹脂磁石用SmCo5系合金粉末(組成:Sm 3
5、Co 65重量%)を用いた他は実験番号1と同様
にして、本発明の粉体観察用試料を製造した。
【0024】実験番号4(従来例) ・・・ 粉体に実
験番号4と同じ樹脂磁石用SmCo5系合金粉末を用
い、合成樹脂に実験番号3と同じ液状樹脂であるエポキ
シ系樹脂を用いた他は実験番号1と同様にして、従来の
粉体観察用試料を製造した。このときスラリーは液状の
ままであった。
験番号4と同じ樹脂磁石用SmCo5系合金粉末を用
い、合成樹脂に実験番号3と同じ液状樹脂であるエポキ
シ系樹脂を用いた他は実験番号1と同様にして、従来の
粉体観察用試料を製造した。このときスラリーは液状の
ままであった。
【0025】実験番号5(比較例) ・・・ 実験番号
1と同様の粉体3gと、実験番号1と同様のPVAc樹
脂のエタノール溶液17gとを混合して、粉体の比率を
15重量%とした。しかし混合物の粘性が高いため粒子
が分散せず、また、スライドガラス上にうまく塗ること
ができなかったため、試料が製造できなかった。
1と同様の粉体3gと、実験番号1と同様のPVAc樹
脂のエタノール溶液17gとを混合して、粉体の比率を
15重量%とした。しかし混合物の粘性が高いため粒子
が分散せず、また、スライドガラス上にうまく塗ること
ができなかったため、試料が製造できなかった。
【0026】実験番号6(実施例) ・・・ 合成樹脂
にPVE樹脂(P=約300)を使用し、PVE樹脂の
アセトン溶液を50重量%とした他は、実験番号1と同
様の条件で本発明の粉体観察用試料を作成した。
にPVE樹脂(P=約300)を使用し、PVE樹脂の
アセトン溶液を50重量%とした他は、実験番号1と同
様の条件で本発明の粉体観察用試料を作成した。
【0027】実験番号7(実施例) ・・・ 合成樹脂
にPVE樹脂(P=約300)を使用し、PVE樹脂の
アセトン溶液を50重量%とした他は、実験番号3と同
様の条件で本発明の粉体観察用試料を作成した。
にPVE樹脂(P=約300)を使用し、PVE樹脂の
アセトン溶液を50重量%とした他は、実験番号3と同
様の条件で本発明の粉体観察用試料を作成した。
【0028】実験番号8(比較例) ・・・ 実験番号
1と同様の粉体3gと、実験番号6と同様のPVE樹脂
のアセトン溶液17gとを混合して、粉体の比率を15
重量%とした。しかし混合物の粘性が高いため粒子が分
散せず、また、スライドガラス上にうまく塗ることがで
きなかったため、試料が製造できなかった。
1と同様の粉体3gと、実験番号6と同様のPVE樹脂
のアセトン溶液17gとを混合して、粉体の比率を15
重量%とした。しかし混合物の粘性が高いため粒子が分
散せず、また、スライドガラス上にうまく塗ることがで
きなかったため、試料が製造できなかった。
【0029】上記得られた実験番号1〜4、6、7の各
試料の粉体の平均粒径を測定した。測定には粒度分布測
定装置(GALAI社製 CIS−1)を用いた。測定
は、試料作成直後、60秒経過後、300秒経過後、及
び、900秒経過後についてそれぞれ行い、時間経過に
よる測定結果の変化をみた。結果を表1に示す。実験番
号2及び4の従来例では、時間の経過にともなって、粉
体が液状樹脂中を流動しているのが観察された。
試料の粉体の平均粒径を測定した。測定には粒度分布測
定装置(GALAI社製 CIS−1)を用いた。測定
は、試料作成直後、60秒経過後、300秒経過後、及
び、900秒経過後についてそれぞれ行い、時間経過に
よる測定結果の変化をみた。結果を表1に示す。実験番
号2及び4の従来例では、時間の経過にともなって、粉
体が液状樹脂中を流動しているのが観察された。
【0030】
【表1】 粉体の真の平均粒径の値は測定によって変化しないはず
であるので、時間経過によっても変化の少ない方がより
正確な値であると考えられる。また、粉体が凝集する
と、見かけの平均粒径の値は一般に大きく現れる。従っ
て、エポキシ系の樹脂を用いた従来の試料(実験番号
2、4)は、時間経過にともない粉体の凝集が進んでい
ると考えられる。一方、本発明の試料(実験番号1、
3、6、7)は、時間が経過しても粒子の移動等の変化
はなく平均粒径の測定結果が安定しているので、粉体の
凝集がほとんどないと考えられる。
であるので、時間経過によっても変化の少ない方がより
正確な値であると考えられる。また、粉体が凝集する
と、見かけの平均粒径の値は一般に大きく現れる。従っ
て、エポキシ系の樹脂を用いた従来の試料(実験番号
2、4)は、時間経過にともない粉体の凝集が進んでい
ると考えられる。一方、本発明の試料(実験番号1、
3、6、7)は、時間が経過しても粒子の移動等の変化
はなく平均粒径の測定結果が安定しているので、粉体の
凝集がほとんどないと考えられる。
【0031】
【発明の効果】本発明の粉体観察用試料、及びその製造
方法によれば、粉体を分散、固定するときは粘性が低く
くて粒子を分散させやすく、粉体を観察するときは粉体
粒子が分散されたまま固定されるので、時間が経過して
も再凝集、流れの問題なく観察できる。
方法によれば、粉体を分散、固定するときは粘性が低く
くて粒子を分散させやすく、粉体を観察するときは粉体
粒子が分散されたまま固定されるので、時間が経過して
も再凝集、流れの問題なく観察できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 ケトンに可溶な合成樹脂のケトン溶液中
に粉体が10重量%以下分散混合された粉体観察用試
料。 - 【請求項2】 ポリ酢酸ビニル樹脂のケトン溶液中に粉
体が10重量%以下分散混合された粉体観察用試料。 - 【請求項3】 ポリビニルエーテル樹脂のケトン溶液中
に粉体が10重量%以下分散混合された粉体観察用試
料。 - 【請求項4】 ポリ酢酸ビニル樹脂の膜中に粉体が分散
固定された粉体観察用試料。 - 【請求項5】 ポリビニルエーテル樹脂の膜中に粉体が
分散固定された粉体観察用試料。 - 【請求項6】 ケトンに可溶な合成樹脂のケトン溶液中
に粉体を10重量%以下分散混合し、該混合物を平板上
に塗布し、前記ケトン溶液中のケトンを自然乾燥または
強制乾燥して該粉体の粒子を分散させたまま上記合成樹
脂膜中に固定することを特徴とする粉体観察用試料の製
造方法。 - 【請求項7】 ポリ酢酸ビニル樹脂、または、ポリビニ
ルエーテル樹脂のケトン溶液に粉体を10重量%以下分
散混合し、該混合物を平板上に塗布し、前記ケトン溶液
中のケトンを自然乾燥または強制乾燥して該粉体の粒子
を分散させたまま上記合成樹脂膜中に固定することを特
徴とする粉体観察用試料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5298824A JPH07151660A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 粉体観察用試料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5298824A JPH07151660A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 粉体観察用試料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07151660A true JPH07151660A (ja) | 1995-06-16 |
Family
ID=17864696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5298824A Pending JPH07151660A (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 粉体観察用試料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07151660A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317345A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Hitachi Software Eng Co Ltd | 粒子捕捉装置、並びに粒子配列方法及び粒子配列装置 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP5298824A patent/JPH07151660A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317345A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Hitachi Software Eng Co Ltd | 粒子捕捉装置、並びに粒子配列方法及び粒子配列装置 |
JP4520359B2 (ja) * | 2005-05-13 | 2010-08-04 | 日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 | 粒子捕捉装置、並びに粒子配列方法及び粒子配列装置 |
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