JPH07151331A - グロープラグ - Google Patents

グロープラグ

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JPH07151331A
JPH07151331A JP32626693A JP32626693A JPH07151331A JP H07151331 A JPH07151331 A JP H07151331A JP 32626693 A JP32626693 A JP 32626693A JP 32626693 A JP32626693 A JP 32626693A JP H07151331 A JPH07151331 A JP H07151331A
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temperature
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glow plug
ignition
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嘉司 大塚
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悟 安井
Yasuhiro Hiramatsu
靖浩 平松
Yasuhiko Suzuki
泰彦 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グロープラグにおいて、先端の点火部の強度
低下を防ぎつつ、部品点数を上げることなく昇温特性及
び冷却特性を改善する。 【構成】 点火部の範囲における外径が、中胴部の直径
に比較して小さくし、かつテーパー状を有すると共に、
その先端部のテーパー角度aが中間部のテーパー角度b
よりも小さいことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジン用
シーズ型グロープラグの発熱部の温度特性の改良による
始動性の向上と点火部強度の改良およびエンジン出力の
向上を図ったグロープラグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジン用グロープラグの点
火部温度の立ち上がり特性を改良することを目的として
点火部の外径を中胴部の外径に比して細くする形状は、
特開昭58−75627号公報、実公昭62−1870
7号公報、特開平3−99122号公報などにより先に
提案されている。
【0003】即ち、点火部と中胴部の外径が同一の外径
形状であるグロープラグにおいては発熱線自体はエンジ
ンの燃焼室内で高温燃焼ガス雰囲気中にさらされないの
で、耐久性の面で利点があるが通電によるグロープラグ
の発熱線に発生した温度が耐熱電気絶縁体粉末を経て耐
熱金属パイプに伝わるまでの時間的遅れを生ずるため、
グロープラグの点火部温度の立ち上がりが遅いという欠
点を解消するものである。
【0004】その方法として、ディーゼルエンジンの始
動性がグロープラグの点火部の表面温度に殆ど依存し、
点火部の熱容量には殆ど依存しない点に着目し、グロー
プラグの点火部の表面温度を極めて短時間で所定温度に
昇温させることができる形状であって、点火部の発熱線
で発生した熱を耐熱金属パイプに迅速に伝達することが
できるものとして、ディーゼルエンジンの燃焼室内に突
き出した点火部の外径を中胴部よりも細くした。
【0005】また、点火部の外径を中胴部よりも細くす
ることによって、ディーゼルエンジンの燃焼室内に突き
出す部分の体積が減少し、空気と燃料との混合性を妨げ
る部分の体積が減少し、混合気の形成を阻害し難くなる
ため、燃焼効率の悪化を低下させることができ出力と燃
比が向上するという効果もある。
【0006】その他に、点火部の昇温特性を改良する方
法として、二種類の発熱線を組み合わせたシーズヒータ
を用いてなるグロープラグも種々の提案がなされてお
り、特開昭57−182026号公報には、発熱線の過
加熱を防ぎ安定した発熱特性を得ることができる温度飽
和機能を備えてなるグロープラグが提案されている。
【0007】即ち、この種のグロープラグは、発熱体と
なる第1の抵抗体とこれに直列接続されかつ第1の抵抗
体よりも正の抵抗温度係数の大きな材料で形成された第
2の抵抗体とを、金属製シース内で耐熱絶縁粉末中に埋
設してなる構造を持ち、しかも第1の抵抗体からの熱伝
導に時間遅れを生じさせるための間隔を両抵抗体間に設
けることで、第1の抵抗体に対し通電直後に必要とされ
る大電力を供給し迅速に発熱させて速熱性を確保すると
共に、所定時間経過後に第2の抵抗体側での温度上昇に
よる抵抗値の増大化により第1の抵抗体への供給電力を
減少せしめ、この第1の抵抗体での過加熱による溶断等
を防止しようとする自己温度飽和機能を働かせるもので
あった。
【0008】そして、このような構造では、グロープラ
グへの通電回路上に供給電力を制御する温度制御手段等
を設けることが不要となるために、予熱装置全体のコス
トを低く抑えることが可能であった。
【0009】また、上述した二種類の発熱線を組み合わ
せたシーズヒータを用いてなるグロープラグにおいて、
前記速熱型としての機能を発揮させるために、点火部と
なる先端側発熱線を埋設したシース先端部分を小径に形
成し、制御部を構成する接続側発熱線を埋設してなる部
分との比較において熱容量を小さくしたものも、例えば
特開昭54−60630号公報、特開昭57−8753
5号公報などにより従来から提案されている。
【0010】そして、これらの従来構造では、通電初期
において先端側発熱線に大電力を供給し、所用の発熱温
度を得て、速熱特性を得る上ではある程度機能を発揮し
うるものであるが、一定時間経過後において発熱温度を
低下させ、発熱線等の耐久性を確保しつつアフターグロ
ーを行う際のオーバーシュート機能、即ち、一旦必要と
する温度まで発熱させると共に、その発熱温度を時間の
低下と共に十分に温度を低下させて飽和させるという特
性を得ることも必要となる。
【0011】即ち、この特性を得るものは、例えば、特
開平3−99122号公報により提案されているが、エ
ンジン始動後のアフターグロー初期にグロープラグに必
要以上の電力を供給することとなり、エネルギーロスが
大きくなり、また、加熱用抵抗体の耐久性が十分でな
く、これらの点を十分に考慮して前述した要請を満足し
うる何らかの対策を講じることが求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ディーゼルエンジン
は、出力向上のために加給を行うなどして、燃焼温度が
高く、燃焼時のスワールが高いものも多くなってきてい
る。このために、グロープラグにはエンジン整備におけ
る取り扱いの面も含め、高耐熱性であるとともに高強度
であることも強く要求されるようになってきた。
【0013】即ち、点火部の昇温特性を改善するため
に、該点火部の外径を細くするとこの部分の強度が低下
し、特に点火部と中胴部とのつなぎ目において曲がりや
すく、このような曲がりが起こると内部の芯線が断線
し、エンジンの始動ができないという不具合がある。
【0014】また、該点火部の外径をテーパーを設けず
に細くすると、点火部の熱容量が小さいため、温度の上
昇特性は良くなるが、点火部と中胴部とのつなぎ目の断
面積も小さいため、熱引きが悪くなり、上昇した温度が
逃げにくく、点火部の温度が必要以上に上昇し、実用状
態で折損あるいはエンジンの燃焼により溶損を引き起こ
す恐れがある。
【0015】更に、グロープラグはエンジンが始動して
しまえば本来不要なものであるが、エンジンの燃焼室内
に突き出しているため、空気と燃料との混合性が悪く、
混合気の形成を阻害し、燃焼効率が悪くなり、本来の出
力が出ない欠点もある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために請求項1の発明は、本発明にかかるシーズ型グ
ロープラグは、点火部の範囲に発熱体となる加熱用抵抗
体を有し、該加熱用抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した
状態で耐熱金属パイプにより被覆するシーズとを備えて
おり、点火部の範囲における外径が接続側に続く中胴部
の直径に比して小さく、かつ、テーパー状を有すると共
に、先端部のテーパー角度aが中間部のテーパー角度b
よりも小さいことを特徴とするシーズ型グロープラグで
あることを要旨とする。
【0017】請求項2の発明は、点火部の範囲における
中間部の長さ(L1)が、中胴部の直径の1.5から
2.5倍であって、かつ、前記先端部の長さ(L2)が
中胴部の直径の0.8から1.2倍の長さを有する請求
項1のシーズ型グロープラグであることを要旨とする。
【0018】請求項3の発明は、点火部の範囲に発熱体
の抵抗温度係数が正の小さい値又は負の値を持つ加熱用
抵抗体であって、常温と1000度の抵抗温度変化率が
5から10倍である温度制御用抵抗体と前記加熱用抵抗
体が直列に接続され、これら加熱用抵抗体と温度制御用
抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した状態で耐熱金属パイ
プにより被覆する請求項1又は請求項2のシーズ型グロ
ープラグであることを要旨とする。
【0019】請求項4の発明は、点火部における先端部
のテーパー角度aと中間部のテーパー角度bが、1゜≦
a≦20゜、1゜≦b≦20゜かつb−a≦20゜の関
係を有する請求項1又は請求項2又は請求項3のシーズ
型グロープラグであることを要旨とする。
【0020】
【作用】請求項1の発明によれば、点火部をテーパー状
とすることで、この部分の熱容量が小さくなり、点火部
先端の温度上昇特性が更に改善され、これにより速熱型
としての機能を充分に発揮させ、また、先端部をテーパ
ー状とし、更に中間部もテーパー状とすることで、断面
積が急激に変化する部分がなく、強度の確保及び点火部
の熱引きを確保し、実用状態で折損あるいはエンジン運
転時の燃焼による溶損を防止することができる。
【0021】請求項2の発明によれば、請求項1の作用
と共に、エンジンの燃焼室内に突き出しているグロープ
ラグにより空気と燃料との混合性が悪化し、混合気の形
成を阻害するため、燃焼効率が悪くなり、本来の出力が
出ないという欠点が改善される。
【0022】即ち、点火部の範囲における中間部の長さ
L1が、中胴部の直径の1.5から2.5倍とし、か
つ、先端部の長さL2が中胴部の直径の0.8から1.
2倍の長さとし、望ましくは0.8から1.0倍の長さ
である。
【0023】また、先端部及び中間部のテーパー角度を
20゜以上に大きくすること若しくは、テーパー部長さ
を長くすれば速熱性は一層良くなるが、点火部先端が細
くなりすぎ、内部に挿入する抵抗体を螺旋状に成形する
ことが困難になり、また、挿入した抵抗体とシーズ2と
の絶縁を充分に取ることが困難となる等、製造面からの
問題を生じる
【0024】請求項3の発明によれば、抵抗温度係数が
正の小さい値又は負の値を有する加熱用抵抗体を持つこ
とによって、当該発熱体自体の温度上昇による抵抗値の
上昇、即ち電流値の低下を抑えることが可能であり、点
火部の熱容量を減少させたことと相まって、昇温特性を
更に改善することが可能である。
【0025】また、温度制御用抵抗体の抵抗温度係数を
大きくするに従い、生産時の特性のばらつきが大きくな
る。
【0026】即ち、グロープラグの特性は、抵抗値、抵
抗温度係数及びGAPによりオーバーシュート特性が変
化するため安価に性能を安定させ得る寸法管理による方
法によれば、抵抗温度係数が大きくなるとわずかの寸法
差が抵抗値に大きく影響するため、抵抗温度係数は10
以下であることが望ましい。
【0027】一方、抵抗温度係数が5以下になると、加
熱用抵抗体の抵抗温度係数との差が少なくなり、温度制
御用抵抗体の温度上昇による抵抗値増大に長時間を要
し、電流を低下させるまでの時間が長くなる。
【0028】このため、エンジン始動後には、オルタネ
ーター等の発電機が機能するようになり、その発電電圧
はバッテリー電圧よりも数ボルト高く、従って、グロー
プラグに印可される電圧も高くなるため、オーバーシュ
ート特性を有しないグロープラグにおいては、エンジン
始動後に点火部の温度が急上昇し、アフターグロー初期
にグロープラグに必要以上の電力を供給することとな
り、エネルギーロスが大きくなり、または、加熱用抵抗
体の溶損等の不都合が生じる。
【0029】請求項4の発明によれば、先端部のテーパ
ー角度aと、中間部のテーパー角度bの関係を1゜≦a
≦20゜、1゜≦b≦20゜かつb−a≦20゜とする
ことによって、急激に形状が変化する部分がなく、点火
部先端の熱引きを確保することができる。
【0030】aおよびbの角度が1゜未満では、先端部
の熱容量を十分に減少させることができず、急速昇温が
不十分であり、また、点火部の範囲内においても断面積
の変化が少なく熱引きを確保することが不十分である。
【0031】また、aおよびbの角度が20゜よりも大
きいと、テーパー部の長軸方向の寸法が十分に取れず、
点火部の急速加熱が不十分となるためである。
【0032】中間部のテーパー角度と先端部のテーパー
角度の差が20゜よりも大きくなると形状が急激に変化
することになるため、両者の接続部において熱の滞留が
起こり点火部の熱引きが確保されず、急速冷却が不可能
となるためである。
【0033】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例を用いて
詳細に説明する。第1図及び第2図は、本発明にかかる
自己温度制御型グロープラグの一実施例を示すものであ
り、これらの図において、まず、第1図等により全体を
符号1で示すグロープラグの概略構成を簡単に説明す
る。
【0034】図中符号2はステンレススチール等の耐熱
金属パイプからなるシーズ、符号3はこのシーズ2を先
端部側において保持する筒状ハウジングで、このハウジ
ング3の後端部側には絶縁体4を介して電極棒5が同心
状に取り付けられ、この電極棒5の先端はシーズ2内に
挿入されている。
【0035】そして、シーズ2先端側内部空間には、例
えば鉄−クロム−アルミニウム合金などのように抵抗温
度係数が正の小さい値又は鉄−クロム−アルミニウム−
チタン合金などの負の値を有する導電材料で形成され発
熱体となる第1の螺旋状抵抗体10(以下第1の抵抗体
という)が軸線方向に沿って配設され、その一端は前記
シーズ2の先端と電気的に接続されている。
【0036】また、前記シーズ2の後端側内部空間に
は、この第1の抵抗体10と連続してシーズ2後端側の
電極棒5との間に、例えば純鉄、鉄合金又は純ニッケル
等の常温と1000度の抵抗温度係数が5から10倍の
導電材料で形成された第2の螺旋状抵抗体11(以下第
2の抵抗体という)とが配設され、これによりこれら第
1の抵抗体10、第2の抵抗体11は、シーズ2と電極
棒5間で直列して接続されている。
【0037】なお、これら第1の抵抗体10及び第2抵
抗体11は、シーズ2内に充填されたマグネシア(Mg
O)等の耐熱絶縁粉末6により埋設されている。
【0038】ここで、上述した第2の抵抗体11は、そ
れ自身が発熱源として作用するばかりでなく、前記第1
の抵抗体10に対し通電開始直後において、その抵抗値
が小さいことから大電力を供給し得ると共に、通電時間
の経過と共に第1の抵抗体10の温度上昇により第2の
抵抗体11も温度が上昇するに従って抵抗値が増大して
第1の抵抗体への供給電力を減少させ、グロープラグ自
身の飽和温度を一定温度以下に抑え、過熱を防止する温
度制御手段としても作用する。
【0039】そして、この第2の抵抗体11による電流
制御を適切なものとするため、および、両抵抗体の溶接
を行う際に不要部分が溶接されることを防止するという
製造上の理由及び第1の抵抗体10からの第2の抵抗体
11への熱伝導を調節するという性能上の理由により、
第1の抵抗体10と第2の抵抗体11とは、それぞれの
螺旋部が所定のGAPをおいて対向するように接続され
ている。
【0040】即ち、第1の抵抗体10の抵抗温度係数を
正の小さい値又は負とすることで従来の正の抵抗温度係
数を有する抵抗体に比べ温度上昇が急激になり、この温
度上昇に付随して第2の抵抗体11に対し熱影響を与
え、この第2の抵抗体11の常温から1000度までの
抵抗温度変化率を5から10倍とすることで第2の抵抗
体11による電流制御を時間的に遅らせることによっ
て、第1の抵抗体10を急速に赤熱させて温度立ち上が
り特性を大幅に向上させ得るものである。
【0041】なお、この実施例では、両抵抗体10、1
1を、その最終螺旋部端を抵抗溶接等で接続すること
で、両抵抗体10、11を小さい抵抗値(実質的にゼロ
に近い値)となる接続部12を構成するようにしてい
る。
【0042】さて、本発明によれば、上述した構成によ
る自己温度制御型グロープラグ1において、シーズ2に
おける先端部でのシーズ径を、シーズ後端中胴部でのシ
ーズ径Dよりも小さく設定し、テーパー状とすると共
に、先端部と中胴部との間の中間部においても先端部と
中胴部が滑らかにつながるようにテーパー状とし、該中
間部内において第1の抵抗体10と第2の抵抗体11
を、前述した抵抗値が実質的にゼロとなるように構成し
た抵抗値の小さい接続部12を介して接続するようにし
たところに特徴を有している。
【0043】ここで、先端部のテーパー角a及び中間部
のテーパー角度bは、点火部の熱容量を低下させるため
には、0<a、0<bとすることが必要であり、望まし
くは1゜≦a≦20゜、1゜≦<b≦20゜かつb−a
≦20゜であって、先端部の長さL2は中胴部の外径の
0.8から1.2倍であり、中間部の長さL1は中胴部
の外径の1.5から2.5倍とすることが最適であるこ
とが表1から明らかなように実験により確認されてい
る。
【0044】例えば、中胴部の外径Dをφ5mmとした
とき、先端部の長さL2は4から6mm、中間部の長さ
L1は7.5から12.5mm程度が望ましい。
【0045】なお、上述した表1の比較品グロープラグ
は、本発明における先端部に相当する部分がストレート
形状で長さL2が5mmであり、点火部の外径がφ3m
m、中胴部がφ5mm、中間部の長さL1が10mmで
ある。
【0046】
【表1】
【0047】これより、上記の寸法範囲内において始動
性及びエンジンの出力が同等以上であることが確認され
ている。
【0048】もちろん、先端部及び中間部のテーパー角
度をこれ以上に大きくすること若しくは、長さを長くす
れば速熱性は一層良くなるが、先端部が細くなりすぎ、
内部に挿入する抵抗体を螺旋状に成形することが困難に
なり、また、挿入した抵抗体とシーズ2との絶縁性を保
つことが困難となる等、製造面からの問題を生じる。
【0049】つまり、必要とするシーズ2の肉厚、螺旋
状の第1の抵抗体10の線径などを考慮すると、第4図
における斜線部が製造限界と考えられる。
【0050】なお、第3図は、本発明における表1のN
o.2を記号Aで示し、上述した第1の抵抗体10の抵
抗温度係数が5から10であって、第2の抵抗体11の
抵抗温度係数が第1の抵抗温度係数よりも大きく、点火
部がテーパーを有せず、GAP及び常温抵抗値は本発明
と同一の比較品を記号Bで示しているが、温度の立ち上
がりが緩やかでオーバーシュート時の点火部温度の低下
に長時間を要していることが確認できる。
【0051】そして、以上の構成によれば、発熱体とな
る第1の抵抗体10を埋設している点火部での熱容量
を、制御側である第2の抵抗体11を埋設している中胴
部に比べて充分に小さくし、また、第1の抵抗体10の
抵抗温度係数を正の小さな値又は負の値とすることによ
り、点火部が迅速に昇温し800℃迄の到達時間が4秒
以内という速熱型としての機能を発揮させ得るととも
に、上述した点火部第1の抵抗体10と、中胴部に埋設
される制御側の第2の抵抗体11とが、抵抗温度係数の
差が大きいことにより電力制御機能を必要かつ適切に働
かせ、更に、先端部及び中間部をテーパー状とすること
で点火部の熱引きを確保し、エンジン始動後における点
火部温度が、1050℃程度のピーク温度到達までの時
間も8秒程度に短縮され、第1の抵抗体10、第2の抵
抗体11の抵抗値、抵抗温度係数及びGAP距離を適度
に選定することにより、ピーク温度に保持するか若しく
はピーク温度から数百度程度低い温度で飽和するオーバ
ーシュート特性を得ることが可能となる。
【0052】また、ピーク温度で保持するかオーバーシ
ュート特性とするかは、エンジンの特性、使用条件等に
より適宜選択すればよいが、オーバーシュート特性とす
る場合において、本構造の様にすることによりピーク温
度から数百度程度低い飽和温度まで低下する時間が短縮
され、エネルギーロスが少なくなり、これにより第1の
抵抗体10の耐久性を向上させることができるものであ
る。
【0053】なお、本発明により、発熱特性をオーバー
シュート特性とすればグロープラグ1単独で自己制御に
より得ることができるため、従来のようなグロープラグ
外部にアフターグロー時用のリレーや電圧降下用抵抗等
といった余分な回路部品等は不要で、予熱装置全体のコ
スト低減化が図れるものである。
【0054】また、上述した表1のNo.2の本発明に
おけるグロープラグAと比較品のグロープラグBを用い
て渦流室型ディーゼルエンジンを5000rpm、スロ
ットル全開の条件で200時間の耐久テストを行った結
果、比較品のグロープラグBが曲がりを生じたのに対
し、本発明のグロープラグAは異常は認められなかっ
た。
【0055】なお、本発明は上述した実施例構造に限定
されず、グロープラグ1各部の形状、構造等を適宜変
形、変更することは自由であり、またその適用するグロ
ープラグ構造としても第1図及び第2図に例示したもの
に限定されるものではない。
【0056】例えば第5図に示すように、第1の抵抗体
10はテーパー状を有する螺旋形状であっても良い。
【0057】また、第1の抵抗体10と第2の抵抗体1
1は同一方向の螺旋状巻回でも良いし、逆方向の螺旋状
巻回でも良い。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる自
己温度制御型グロープラグによれば、発熱体となる抵抗
温度係数が正の小さい値又は負の値を持つ第1の抵抗体
と、その一端に直列接続されかつ温度抵抗係数が5から
10の値を持つ材料により形成される第2の抵抗体と、
これら第1及び第2の抵抗体を耐熱絶縁材料粉末中に埋
設した状態で耐熱金属パイプにより被覆するシーズとを
備えてなり、このシーズにおける先端部でのシーズ径
を、中胴部でのシーズ径よりも小さくかつテーパー状に
設定すると共に、中間部においてもテーパー状に設定し
た。
【0059】この形状とすることによって、簡単な構成
にも拘わらず、発熱体となる第1の抵抗体を内部に有す
る点火部での熱容量を充分に小さくし、通電初期におい
て迅速な発熱を得て速熱型としての機能を発揮させ得る
と共に、シーズ先端側の第1の抵抗体から所定の間隔を
置いて接続されているシーズ後端側の制御側としての第
2の抵抗体による電力制御機能を必要かつ適切に働か
せ、これら両抵抗体の抵抗値を適度に設定することによ
って、発熱温度をピーク温度に保持する特性とするか又
は、時間の経過に伴ってピーク温度から充分に低い飽和
温度に短時間で到達しうるというオーバーシュート特性
を得ることができ、長時間にわたるアフターグロー及び
発熱体の長寿命化が可能である。
【0060】しかもこのような発熱特性をグロープラグ
自身で得ることができるため余分な回路部品は不要で、
予熱装置全体のコスト低減がはかれる等の種々の優れた
効果がある。
【0061】更に、発熱部の細径化による強度低下は、
先端部及び中間部をテーパー形状とすることで最低限に
抑えることができ、補強部材を付加する必要がないため
部品点数も増加せず、製作時の工数も増加しなく、グロ
ープラグ自身のコスト上昇を抑えることができる。
【0062】従って、この構造であれば、実用状態にお
ける過酷な冷熱、振動に耐え、エンジンの点検整備等に
おけるグロープラグの取付取り外し等の取り扱いにおい
ても不注意による折損等の損傷を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【第1図】本発明にかかる自己温度制御型グロープラグ
を示す全体の概略断面図を示す。
【第2図】その要部の拡大図を示す。
【第3図】点火部発熱温度と時間との関係を示す特性図
を示す。
【第4図】先端部テーパー角aと中間部テーパー角bと
の関係を示す。
【第5図】本発明の第2実施例を示す。
【第1表】本発明にかかる種々の形状と点火部のテーパ
ー角度がストレート形状の比較品との始動性及び出力を
比較した表を示す。
【符号の説明】
1 グロープラグ 2 シース 3 ハウジング 5 電極棒 6 耐熱絶縁粉末 7 先端部 8 中間部 9 中胴部 10 第1の抵抗体 11 第2の抵抗体 12 接続部 13 点火部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【第1図】本発明にかかる自己温度制御型グロープラグ
を示す全体の概略断面図を示す。
【第2図】その要部の拡大図を示す。
【第3図】点火部発熱温度と時間との関係を示す特性図
を示す。
【第4図】先端部テーパー角aと中間部テーパー角bと
の関係を示す。
【第5図】本発明の第2実施例を示す。
【符号の説明】 1 グロープラグ 2 シース 3 ハウジング 5 電極棒 6 耐熱絶縁粉末 7 先端部 8 中間部 9 中胴部 10 第1の抵抗体 11 第2の抵抗体 12 接続部 13 点火部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 泰彦 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火部の範囲に発熱体となる加熱用抵抗
    体を有し、該加熱用抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した
    状態で耐熱金属パイプにより被覆するシーズとを備えて
    おり、点火部の範囲における外径が接続側に続く中胴部
    の直径に比して小さく、かつ、テーパー状を有すると共
    に、先端部のテーパー角度(角度a)が中間部のテーパ
    ー角度(角度b)よりも小さいことを特徴とするシーズ
    型グロープラグ。
  2. 【請求項2】 点火部の範囲における中間部の長さ(L
    1)が、中胴部の直径の1.5から2.5倍であって、
    かつ、前記先端部の長さ(L2)が中胴部の直径の0.
    8から1.2倍の長さを有する請求項1のシーズ型グロ
    ープラグ。
  3. 【請求項3】 点火部の範囲に発熱体の抵抗温度係数が
    正の小さい値又は負の値を持つ加熱用抵抗体であって、
    常温と1000度の抵抗温度変化率が5から10倍であ
    る温度制御用抵抗体と前記加熱用抵抗体が直列に接続さ
    れ、これら加熱用抵抗体と温度制御用抵抗体を耐熱絶縁
    粉末中に埋設した状態で耐熱金属パイプにより被覆する
    請求項1又は請求項2のシーズ型グロープラグ。
  4. 【請求項4】 点火部における先端部のテーパー角度a
    と中間部のテーパー角度bが、1゜≦a≦20゜、1゜
    ≦b≦20゜かつb−a≦20゜の関係を有する請求項
    1又は請求項2又は請求項3のシーズ型グロープラグ。
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JP2009139065A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグ
JP2019020050A (ja) * 2017-07-18 2019-02-07 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ

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