JPH0715055Y2 - 耐放射線性電線・ケーブル - Google Patents
耐放射線性電線・ケーブルInfo
- Publication number
- JPH0715055Y2 JPH0715055Y2 JP1988053909U JP5390988U JPH0715055Y2 JP H0715055 Y2 JPH0715055 Y2 JP H0715055Y2 JP 1988053909 U JP1988053909 U JP 1988053909U JP 5390988 U JP5390988 U JP 5390988U JP H0715055 Y2 JPH0715055 Y2 JP H0715055Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating layer
- polyimide
- cable
- super engineering
- layers
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- Insulated Conductors (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] こり考案は、導体上に設けられる被覆層をポリイミドで
もって構成した耐熱性、耐寒性、耐放射線性に優れた電
線・ケーブルにかかり、高温、低温雰囲気あるいは放射
線雰囲気に曝されて使用される場合に有利な電線・ケー
ブルに関する。
もって構成した耐熱性、耐寒性、耐放射線性に優れた電
線・ケーブルにかかり、高温、低温雰囲気あるいは放射
線雰囲気に曝されて使用される場合に有利な電線・ケー
ブルに関する。
[従来の技術および考案が解決しようとする課題] ポリイミドは耐熱性、耐寒性、耐放射線性に極めて優れ
ており、このため早くから電線・ケーブルの被覆材とし
て注目されてきたが、反面ポリイミドはポリエチレン、
ポリ塩化ビニル等のように押出被覆することができない
という難点があり、このため従来は片面または両面に四
ふっ化エチレン−六ふっ化プロピレン共重合体樹脂(FE
P)をラミネートコーティングしたポリイミドテープを
被覆材として用い、これを導体周上に巻回し、さらにFE
Pを熱隔着させて電線・ケーブルを形成している。
ており、このため早くから電線・ケーブルの被覆材とし
て注目されてきたが、反面ポリイミドはポリエチレン、
ポリ塩化ビニル等のように押出被覆することができない
という難点があり、このため従来は片面または両面に四
ふっ化エチレン−六ふっ化プロピレン共重合体樹脂(FE
P)をラミネートコーティングしたポリイミドテープを
被覆材として用い、これを導体周上に巻回し、さらにFE
Pを熱隔着させて電線・ケーブルを形成している。
しかしながら、このFEPは耐放射線性が悪いため、電線
・ケーブルを放射線雰囲気下で使用した場合、FEPの隔
着部が破壊する恐れがあり、したがって、従来のこの種
の電線・ケーブルは高温または低温雰囲気下での用途に
は向いているものの、放射線雰囲気下での用途には不向
きであった。
・ケーブルを放射線雰囲気下で使用した場合、FEPの隔
着部が破壊する恐れがあり、したがって、従来のこの種
の電線・ケーブルは高温または低温雰囲気下での用途に
は向いているものの、放射線雰囲気下での用途には不向
きであった。
この考案は、このような従来技術の欠点を解消し、耐熱
性、耐寒性および耐放射線性に優れた電線・ケーブルを
提供することを目的とする。
性、耐寒性および耐放射線性に優れた電線・ケーブルを
提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この考案の電線・ケーブルは、片面または両面に、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン及びポリエーテルイミドから選ばれる熱可塑性
のスーパーエンジニアリングプラスチック層を有するポ
リイミドテープを、各層間に上記熱可塑性のスーパーエ
ンジニアリングプラスチック層が存在するように複数層
に巻回し、さらにこのポリイミドテープ相互間を上記熱
可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチックテープ
層の熱隔着により一体化させて被覆層を形成したもので
ある。
エーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン及びポリエーテルイミドから選ばれる熱可塑性
のスーパーエンジニアリングプラスチック層を有するポ
リイミドテープを、各層間に上記熱可塑性のスーパーエ
ンジニアリングプラスチック層が存在するように複数層
に巻回し、さらにこのポリイミドテープ相互間を上記熱
可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチックテープ
層の熱隔着により一体化させて被覆層を形成したもので
ある。
この考案に使用される熱可塑性のスーパーエンジニアリ
ングプラスチックは、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リサルホン、ポリエーテルサルホン及びポリエーテルイ
ミドから選ばれるものである。ポリエーテルエーテルケ
トンはICI社より、ポリサルホンはUCC社より、ポリエー
テルサルホンはICI社より、ポリエーテルイミドはGE社
よりそれぞれ市販されており容易に入手可能である。ス
ーパーエンジニアリングプラスチック層はこれらのフィ
ルムをポリイミドフィルムに高温のロールでラミネート
するか、あるいは溶剤に溶かしたスーパーエンジニアリ
ングプラスチックの溶液をポリイミドフィルムにコーテ
ィングすることにより形成される。
ングプラスチックは、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リサルホン、ポリエーテルサルホン及びポリエーテルイ
ミドから選ばれるものである。ポリエーテルエーテルケ
トンはICI社より、ポリサルホンはUCC社より、ポリエー
テルサルホンはICI社より、ポリエーテルイミドはGE社
よりそれぞれ市販されており容易に入手可能である。ス
ーパーエンジニアリングプラスチック層はこれらのフィ
ルムをポリイミドフィルムに高温のロールでラミネート
するか、あるいは溶剤に溶かしたスーパーエンジニアリ
ングプラスチックの溶液をポリイミドフィルムにコーテ
ィングすることにより形成される。
[実施例] 次に、添付図面を参照しながらこの考案の一実施例を説
明する。
明する。
符号1は導体にして、これは錫、銀、ニッケル等のメッ
キを施した複数本の銅素線を撚り合わせてなる断面積が
ほぼ0.05〜120mm2の撚線で構成されている。符号2、
2′は上記導体1の周上に設けられた絶縁被覆層にし
て、これは片面または両面に熱可塑性のスーパーエンジ
ニアリングプラスチックを接着剤層として所定厚(例え
ば2〜100μm程度)に複合させた所定厚(例えば厚さ1
0〜200μm、幅4〜50mm程度)のポリイミドテープをラ
ップ巻して複数層形成し、さらにこれらの各層のテープ
相互間を熱隔着させたもので構成されている。なお上記
テープ層2、2′をラップ巻して構成する際にはスーパ
ーエンジニアリングプラスチック層どうしあるいはスー
パーエンジニアリングプラスチック層とポリイミドフィ
ルムが重なり合うように、すなわち、各層間にスーパー
エンジニアリングプラスチック層が存在するように巻回
する必要がある。
キを施した複数本の銅素線を撚り合わせてなる断面積が
ほぼ0.05〜120mm2の撚線で構成されている。符号2、
2′は上記導体1の周上に設けられた絶縁被覆層にし
て、これは片面または両面に熱可塑性のスーパーエンジ
ニアリングプラスチックを接着剤層として所定厚(例え
ば2〜100μm程度)に複合させた所定厚(例えば厚さ1
0〜200μm、幅4〜50mm程度)のポリイミドテープをラ
ップ巻して複数層形成し、さらにこれらの各層のテープ
相互間を熱隔着させたもので構成されている。なお上記
テープ層2、2′をラップ巻して構成する際にはスーパ
ーエンジニアリングプラスチック層どうしあるいはスー
パーエンジニアリングプラスチック層とポリイミドフィ
ルムが重なり合うように、すなわち、各層間にスーパー
エンジニアリングプラスチック層が存在するように巻回
する必要がある。
符号3は線心式罰の目的で上記絶縁被覆2、2′の周上
に設けられた着色ワニスコーティング層にしてこれは所
定の着色剤を配合したポリイミドワニスを塗布焼付した
もので構成されている。なお、上記着色ワニスコーティ
ング層3は必要に応じて設けられているものである。
に設けられた着色ワニスコーティング層にしてこれは所
定の着色剤を配合したポリイミドワニスを塗布焼付した
もので構成されている。なお、上記着色ワニスコーティ
ング層3は必要に応じて設けられているものである。
ちなみに、この実施例では単心ものについて説明した
が、このほかにも、例えば上記電線の複数本を集合また
は撚合わせ、さらにその周上にジャケットとして先のポ
リイミドテープの被覆層を設けたもの、さらにはこのジ
ャケットの周上にシールド編組層を設けたもの等でよい
ことは勿論である。
が、このほかにも、例えば上記電線の複数本を集合また
は撚合わせ、さらにその周上にジャケットとして先のポ
リイミドテープの被覆層を設けたもの、さらにはこのジ
ャケットの周上にシールド編組層を設けたもの等でよい
ことは勿論である。
以下、具体的な実施例を説明する。
外径1mmのニッケルメッキ銅撚線1周上に、片面に略5
μm厚さに熱可塑性のポリエーテルイミド(GE社製ウル
テム1000)の接着剤層をコーティング(ウルテム1000の
ジメチルアセトアミド溶液を塗布乾燥させる)した厚さ
25μm、幅6mmのポリイミドテープ2をこの接着剤層を
外側にして1/2ラップで巻回し、さらにその周上に両面
にそれぞれ略5μm厚で同接着剤層をコーティングした
同ポリイミドテープ2′を1/2ラップで上記ポリイミド
テープの巻方向と反対の巻方向で巻回し、さらにこれら
各ポリイミドテープの相互間を熱隔着せしめて形成した
絶縁被覆層を設けてなるものを用意し、これにコバルト
−60のγ線を100Mrad照射した後温度180℃の曲げ試験を
試みたところ、上記ポリイミドテープ絶縁被覆層2、
2′に剥れ等の異常は見られなかった。一方、これに対
し、従来のこの種の電線(FEPをラミネートコーティン
グしたポリイミドテープにより構成されてなるもの)に
おいて、同試験を試みたところポリイミドテープ間の接
着剤層に剥れが見られた。
μm厚さに熱可塑性のポリエーテルイミド(GE社製ウル
テム1000)の接着剤層をコーティング(ウルテム1000の
ジメチルアセトアミド溶液を塗布乾燥させる)した厚さ
25μm、幅6mmのポリイミドテープ2をこの接着剤層を
外側にして1/2ラップで巻回し、さらにその周上に両面
にそれぞれ略5μm厚で同接着剤層をコーティングした
同ポリイミドテープ2′を1/2ラップで上記ポリイミド
テープの巻方向と反対の巻方向で巻回し、さらにこれら
各ポリイミドテープの相互間を熱隔着せしめて形成した
絶縁被覆層を設けてなるものを用意し、これにコバルト
−60のγ線を100Mrad照射した後温度180℃の曲げ試験を
試みたところ、上記ポリイミドテープ絶縁被覆層2、
2′に剥れ等の異常は見られなかった。一方、これに対
し、従来のこの種の電線(FEPをラミネートコーティン
グしたポリイミドテープにより構成されてなるもの)に
おいて、同試験を試みたところポリイミドテープ間の接
着剤層に剥れが見られた。
熱可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチックとし
てポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエ
ーテルサルホンをそれぞれ接着剤層とするポリイミドテ
ープを使用し、上記と同様の被覆層を形成した電線を用
意し、上記と同様のγ線照射と曲げ試験を試みたところ
ポリイミドテープ絶縁被覆層に剥れ等の異常は見られな
かった。
てポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエ
ーテルサルホンをそれぞれ接着剤層とするポリイミドテ
ープを使用し、上記と同様の被覆層を形成した電線を用
意し、上記と同様のγ線照射と曲げ試験を試みたところ
ポリイミドテープ絶縁被覆層に剥れ等の異常は見られな
かった。
[考案の効果] 以上の結果から分かる通り、この考案は被覆層として片
面または両面に特定の熱可塑性のスーパーエンジニアリ
ングプラスチックの接着剤層を有するポリイミドテープ
を用いることにより、従来のこの種の電線・ケーブルに
おける耐放射線性の問題を解決し、そして耐熱性、耐寒
性、耐放射線性に優れた新規な電線・ケーブルを提供す
るものであり、その産業上の利用価値は極めて大きい。
面または両面に特定の熱可塑性のスーパーエンジニアリ
ングプラスチックの接着剤層を有するポリイミドテープ
を用いることにより、従来のこの種の電線・ケーブルに
おける耐放射線性の問題を解決し、そして耐熱性、耐寒
性、耐放射線性に優れた新規な電線・ケーブルを提供す
るものであり、その産業上の利用価値は極めて大きい。
図は、本考案の一実施例の耐放射線性電線・ケーブルの
端部を切載して示した側面図である。 1……導体 2、2′……絶縁被覆層 3……着色ワニスコーティング層
端部を切載して示した側面図である。 1……導体 2、2′……絶縁被覆層 3……着色ワニスコーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−117212(JP,A) 実開 昭62−31323(JP,U) 実開 昭48−49563(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】片面または両面に、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン及びポリ
エーテルイミドから選ばれる熱可塑性のスーパーエンジ
ニアリングプラスチック層を有するポリイミドテープ
が、各層間に上記熱可塑性のスーパーエンジニアリング
プラスチック層が存在するように複数層に巻回され、各
層のポリイミドテープ相互間は上記熱可塑性のスーパー
エンジニアリングプラスチックテープ層の熱融着により
一体化されてなる被覆層が、導体周上に設けられている
ことを特徴とする耐放射線性電線・ケーブル。 - 【請求項2】被覆層周上にさらに着色剤入りポリイミド
系ワニスの塗布層が設けられている請求項1記載の耐放
射線性電線・ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988053909U JPH0715055Y2 (ja) | 1988-04-20 | 1988-04-20 | 耐放射線性電線・ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988053909U JPH0715055Y2 (ja) | 1988-04-20 | 1988-04-20 | 耐放射線性電線・ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01158609U JPH01158609U (ja) | 1989-11-01 |
JPH0715055Y2 true JPH0715055Y2 (ja) | 1995-04-10 |
Family
ID=31279864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1988053909U Expired - Lifetime JPH0715055Y2 (ja) | 1988-04-20 | 1988-04-20 | 耐放射線性電線・ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0715055Y2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5311821Y2 (ja) * | 1971-10-09 | 1978-03-30 | ||
JPS6231323U (ja) * | 1985-08-07 | 1987-02-25 | ||
JPS62117212A (ja) * | 1985-11-15 | 1987-05-28 | 日立電線株式会社 | 耐放射線性電線・ケ−ブル |
-
1988
- 1988-04-20 JP JP1988053909U patent/JPH0715055Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01158609U (ja) | 1989-11-01 |
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