JPH0715004A - 光サイリスタ - Google Patents

光サイリスタ

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JPH0715004A
JPH0715004A JP14241293A JP14241293A JPH0715004A JP H0715004 A JPH0715004 A JP H0715004A JP 14241293 A JP14241293 A JP 14241293A JP 14241293 A JP14241293 A JP 14241293A JP H0715004 A JPH0715004 A JP H0715004A
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diameter
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JP14241293A
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Osamu Hashimoto
理 橋本
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光サイリスタの点弧に必要な光エネルギーを小
さくし、ターンオフ時間も短くする。 【構成】円形の受光部の直径を1.0mm以下とすることに
より点弧エネルギーを小さくし、0.2mm以上にすること
により点弧を確実にする。また、補助サイリスタのアノ
ード側のP+ 層を、アノード電極により短絡される環状
のNベース層で囲んでその直径と受光部との直径の比を
1.5以上とすることにより点弧エネルギーを小さくし、
4.0以下とすることによりターンオフ時間を短くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、点弧に要する光エネル
ギーを小さくし、ターンオフ時間を短くした光サイリス
タに関する。
【0002】
【従来の技術】光により点弧する光サイリスタの従来の
構造は、図2に示すように、N+ 層1、P層2、N層
3、P+ 層4からなるPNPN4層構造を有するシリコ
ン板の中央部で、N+ 層1を突き抜けてP層2に達する
ように設けられた柱状井戸を受光部5とし、この受光部
を除くN+ 層1の主面にオーム性接触するカソード電極
6と、裏面側のP+ 層4にオーム性接触するアノード電
極7で構成されている。この種の光サイリスタは、カソ
ード電極6に対してアノード電極を正電位とし、受光部
5に波長の長い、たとえば800 〜900nm の赤外線を所定
タイミング、所定周期で照射することによって点弧す
る。図3は光サイリスタを商用電源の整流回路に適用し
た動作波形図である。負荷は力率≒1とし電圧波形と電
流波形との位相差はほぼ零であるとして説明する。商用
電源から印加される点線51で示すアノード・カソード間
の電圧が負から正に切り替わるタイミングを基準として
位相角θが0<θ<180 °において光を照射すると、光
サイリスタは点弧し、一点鎖線52で示す電流が通流する
のでアノード・カソード間電圧は、実線53で示すように
ほぼ零電位となり負荷へと通流する。光照射が停止して
いれば、θ=180 °で光サイリスタのアノード・カソー
ド間の電位が逆電位となるので、自己保持が解かれ、通
流が停止しアノード・カソード間には負電位が印加され
る。θ=360 °でこの電位が反転し以降この動作を繰り
返すことで電源の整流作用が達成される。以上述べた使
い方が代表的である。整流回路において複数の光サイリ
スタが使用され、オフ時間が遅れると同時通流したり、
制御角度の幅が狭くなり整流回路の変換効率を低くした
りする欠点が生じるので、出来る限り高速で通流を停止
する機能を持った高速光サイリスタが望まれている。
【0003】光サイリスタを高速化するには、受光部の
近傍の領域を除いた領域に重金属である金を拡散してキ
ャリアのライフタイムを低下させる方法があり、ライフ
タイムを低下させることなくターンオフ時間を短くする
方法として、カソード側ではP層2が複数箇所でカソー
ド電極6とオーム性接触するようにしたカソード短絡構
造をもち、一方対向するアノード側ではN層3が複数箇
所でアノード電極7とオーム性接触するようにしたアノ
ード短絡構造をもつようにし、逆バイアス時に正孔がア
ノード電極に速く到達して外部へ容易に掃きだされる構
造としたものがある。また、光サイリスタのターンオフ
時のキャリア掃きだしを容易にしオン電圧を低くするた
めに、カソード短絡構造とアノード短絡構造とPNIP
N構造とを持たせたものが特開昭58−132972号公報で公
知である。図4(a) 〜(c) は、カソード短絡構造とアノ
ード短絡構造とPNIPN構造とを持たせた前記公報で
公知の光サイリスタの主要部を示す。この光サイリスタ
では、Nベース層3のPベース層2に隣接する領域30が
真性に近いI層である。そして、断面図である図4(a)
および平面図である図4(b) に示すように円柱状井戸の
受光部5の周りに環状N+ 層11、P+ 層2、I層30、N
層3、P+ 層4の5層構造をもち、N+ 層11にゲート電
極8、P+ 層4にアノード電極7が接触している補助サ
イリスタが2段に形成されている。環状N+ 層11は、N
+ 層1を貫通し、カソード電極6と短絡する環状のP層
21に囲まれている。外側の領域には、直径0.2〜0.4mm
程度の円柱状のP+ 短絡路22が、相互の間隔2〜3mmで
点在している。一方、アノード側のP+ 層4と、直径0.
2〜0.4mm、相互の間隔2〜3mmの円柱状のN+ 短絡路
32が貫通し、アノード電極7と短絡しているが、下面図
の図4(c) に示すように、補助サイリスタの環状N+
11、環状P層21の直下のP+ 領域41には設けられない
で、補助サイリスタを点弧しやすくしている。補助サイ
リスタは受光部5への光の入射により先ず点弧し、主サ
イリスタを点弧するための点弧エネルギーを分散して受
け持たせて、過電流集中を防ぐことにより故障を防止す
るために設けられるもので、図4では2段であるが、3
段以上設けられることもある。このように、真性に近い
I層30を設けたので、順バイアス時における空乏層の拡
がりはI層30とN層13の接合部で拡がり速度が極めて緩
慢となり、Pベース層2とNベース層3間の接合の電界
強度をPNPN構造のものと比べて高くすることが出来
るので、入射光による電子・正孔対の生成効率が向上
し、点弧感度の増大が図れるものである。また、PNI
PN構造とすることによって空乏層の拡がり速度が緩慢
になることは、同じ耐圧を得るためのシリコン基板の厚
さをPNPN構造の場合に比べて薄くすることができ
る。これにより電流路が短くて済むので電圧降下を低減
出来、サイリスタのオン電圧を小さくすることが出来る
利点が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光サイリスタの受光部
の径φ1 が小さ過ぎると受光エネルギーが不足し光サイ
リスタが点弧しない欠点があり、径が大き過ぎると誤点
弧し易い欠点があることなどにより最適値が決められ
る。一方、受光部に対向するP+ 領域41の直径をφ 2
すると、φ2 が大きい場合、ターンオフ時間が極めて大
きくなる欠点があり、小さくすると点弧エネルギーとし
て極めて大きなものが必要となったり、点弧しなかった
りする欠点がある。点弧エネルギーは100 〜200mW が通
常使われる値である。受光部井戸5の直径φ1 をより小
さくし、さらに受光部5に対向するP + 領域41の直径φ
2 をより小さくすることにより、主サイリスタの有効面
積を大きくすることが出来、その結果より大きな主電流
を取り扱えるので、小型大容量化を求める産業上の期待
に応えるものである。しかしながら、上記のように点弧
エネルギーとしてより大きなものが必要となる欠点があ
る。光エネルギーとしてこれ以上のものを要求すると、
光エネルギー発生源として、現状の2W程度より、より
高出力のレーザダイオードが必要で、装置を大型化した
り、コスト増加したりして産業上の期待に逆行する欠点
がある。また、異物に光が遮られたり制御系のノイズ誤
動作などにより所定タイミングに光エネルギーの所定量
が供給されなかった場合、補助サイリスタの点弧が不完
全で主サイリスタの点弧失敗が生ずることがある。する
と、主電流が補助サイリスタに集中して流れ過電流破壊
に到る恐れがあるため、点弧失敗を防止しなければなら
ない。
【0005】本発明の目的は、上述の問題を解決し、冒
頭に述べたように点弧に要する光エネルギーが小さく、
しかもターンオフ時間の短い光サイリスタを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、交互に異なる導電形を有する4層構造
からなり、表面側の第一導電形の第一層に接触する第一
主電極と、裏面側の第二導電形の第四層に接触する第二
主電極とを備えた主サイリスタの中央部に、第一層を貫
通して第二導電形の第二層に達する円柱状に掘られた受
光部を中心として主サイリスタと同様の4層構造からな
り、受光層を囲む第一層の周りで第二層が表面に露出
し、第一層の表面と第二層の露出面にゲート電極が共通
に接触し、第四層に第二主電極が共通に接触する補助サ
イリスタを備えた光サイリスタにおいて、受光部の直径
が0.2mm以上、1.0mm以下であるものとする。そして、
第三層の第二層に近接した領域が真性に近い層であるこ
とが有効である。また、補助サイリスタの第四層と主サ
イリスタの第四層との間に第三層が露出して第二主電極
に共通に接触することにより、補助サイリスタの円形の
第四層と主サイリスタの第四層が分離され、その補助サ
イリスタの第四層の直径と受光部の直径との比が1.5以
上、4.0以下であることが有効である。あるいはその
際、補助サイリスタの第四層と主サイリスタの第四層と
がその間に露出する第三層を局部的に横切って連結され
たことも有効である。さらに、主サイリスタの第二層が
局部的に第一層を貫通して第一主電極により第一層およ
び第二層が短絡され、第三層が局部的に第四層を貫通し
て第二主電極により第三層および第四層が短絡されたこ
とが有効である。
【0007】
【作用】受光部の直径を1mm以下とすることにより、最
低限度の光エネルギーで点弧でき、且つ誤点弧の心配が
なく、0.2mm以上としたので確実に点弧出来る。特に第
三層の第二層に近い層に、真性領域をもち、電子・正孔
対の生成をし易くして点弧感度を増大した場合は、より
小さな受光部径となし得るので、同一基板面積で主電流
をより多く流し得る利点が得られる。補助サイリスタの
第四層の径と受光部径との比を1.5以上とすることによ
り、補助サイリスタの第一主電極側の3層よりなるトラ
ンジスタをオンさせるのに必要な光エネルギーをより小
さなものとすることが出来、4.0以下としたので逆バイ
アス時にキャリアが補助サイリスタの第四層を取り囲む
第三層の短絡路を通って速く引き抜かれ、サイリスタの
ターンオフ時間が短くなり、高速スイッチングが可能と
なる。補助サイリスタの第四層が円形であることは、こ
のような径の最適化を容易にし、一様なベース抵抗が得
られ、補助サイリスタは点弧されるが主サイリスタの点
弧を失敗することを防止できる。さらに、補助サイリス
タの第四層と主サイリスタの第四層を一部で連結するこ
とは、点弧エネルギーを減らし、サイリスタオフ時間を
短くし、補助サイリスタの点弧を分散させて、電流集中
を防止することができる。
【0008】図5は、受光部の径をφ1 、補助サイリス
タをφ2 とし、φ2 /φ1 比と、点弧エネルギーおよび
ターンオフ時間のφ2 /φ1 =2の値に対する相対値と
の関係を、曲線61、線62で示す。φ2 /φ1 ≦1.5では
点弧エネルギーは急激に大きいことが必要となり、4.0
≦φ2 /φ1 ではターンオフ時間が急激に大きくなる。
【0009】
【実施例】以下、図2、図4と共通の部分に同一の符号
を付した図を引用して本発明の実施例について述べる。
図1(a) 〜(c) に示す補助サイリスタを1段に形成した
光サイリスタは次のようにして作製された。真性に近い
高抵抗のN形シリコン板30の上面からはほう素などのア
クセプタの拡散によりP層2を形成し、下面からはりん
などのドナーの拡散によりN層3を形成する。次いでそ
れぞれ逆の不純物拡散により、P層2の表面層にN+
1を、N+ 層3の表面層にP+ 層4を形成する。この不
純物の拡散をマスクを用いて選択的に行うことにより、
平面図の図(b) に示すようにN+層3の中に、中央部に
環状の短絡路21、その周囲に点在する直径0.2〜0.4mm
の円柱状短絡路22をP層のまま残す。また、下面図の図
(c) に示すようにP+ 層4の中に、中央部に環状の短絡
路31、その周囲に点在する円柱状短絡路32をN層のまま
残す。そして、環状短絡路21に囲まれた中央部のN+
11およびP短絡路21に共通に接触するゲート電極8を形
成する。さらに、他のN+ 層1の表面と円筒状P短絡路
22に共通に接触する電極6を形成し、P層2とN+ 層1
を短絡し、主電流取り出し口となるカソード電極とす
る。このカソード短絡サイリスタは、オフ時のキャリア
(電子) をカソードに引抜き、サイリスタのオフに要す
る時間を短くすることができる。カソード電極6は、補
助サイリスタ部を囲む主サイリスタの主表面全域に形成
される。一方、N層3の中央部の環状短絡路31に囲まれ
たP+ 層41は、P層中央部のN+ 層11と同心状に設けら
れる。同心度は0.1mm以内とするのが好ましい。この値
以内であれば順バイアス時にキャリア (電子) が空乏層
を経てアノード電極に安全に到達し得るからである。こ
の中央部のP+ 層41は、円形で、直径をφ2 とする。こ
のφ2 は補助サイリスタの領域の大きさで、N+ 層1お
よびP+ 層2に接触するカソード電極6の内径以下とす
ることにより、主サイリスタの領域を広めるようにす
る。反対側のP+ 層41を含むp+ 層4、環状短絡路31お
よび円柱状短絡路32に共通に接触する電極7を形成し、
N層3とP+ 層4を短絡する主電流流入口となるアノー
ド電極とする。このアノード短絡によりサイリスタオフ
時のキャリア (正孔) をアノード電極7に引抜き、サイ
リスタのオフに要する時間を短くすることができる。ア
ノード電極7は、補助サイリスタと主サイリスタの両ア
ノード領域の全域に形成される。P層2の中央部のN+
領域11と同心で、ゲート電極8とN+ 層11とを貫通し、
P層2まで到達する直径φ1 の柱状井戸をエッチング法
により掘り下げる。この柱状井戸を受光部5とし、底部
に光を導入し光サイリスタのゲートとする。ここにアノ
ード電極7、P+ 層4、N層3、I層30、P層2、N+
層1、カソード電極7からなり、アノード短絡、カソー
ド短絡のサイリスタ構造ができ上がる。
【0010】構造寸法の数値例として、4000V1000Aの
光サイリスタでは、P層2の厚さ100 μm、I層30の厚
さ500 μm、N層3の厚さ50μmである。さらに、N+
層4、41の深さ30μm、P+ 層4、41の深さ30μm、受
光部5の深さ50μmである。真性に近いN- 層30を設け
るので、N層3により順バイアスにおける空乏層の広が
りが抑えられ、Pベース層2とN- 層30の間の接合の電
界強度を大きくすることが出来、電子−正孔対の生成効
率が向上し、より小さな光エネルギーでも補助サイリス
タをより確実に点弧するように働き点弧強度を増大する
ことができる。こうした構造において受光部5の径φ1
と、補助サイリスタのアノード領域41の径φ2 との間
で、その比の値として1.5≦φ2 /φ1 ≦4.0、φ1
値として0.2mm≦φ1 ≦1mmの関係を持たせる。たとえ
ばサイリスタ領域を広くし主電流を多く通流するために
φ1 を小さく0.25mmとしたとき、φ2 は0.38mm≦φ2
φ1.0mmとする。φ1 とφ2 との間をその比で関連付け
ることによりサイリスタオフ時間、光エネルギー感度、
さらに主電流取扱い量を無理無く与えることが出来る。
Pベース層側の主表面の補助サイリスタは複数段として
もよく、その場合中央部N+ 層11とそれを取り囲む複数
対のP層およびN層は、図4と同様にその段数と等しい
数の円環状構造とする。これにより主サイリスタ点弧エ
ネルギーを補助サイリスタに分散して受け持たせること
ができ、過電流集中を防止することができる。
【0011】補助サイリスタのアノード領域のP層41は
円形とし、隣接してN短絡路31を円環状とし、短絡路3
1、32のN層不純物濃度をN- 層30に隣接するN層3の
それの10倍以上濃いものとし、アノード電極7と確実に
オーム性接触出来るように構成する。これにより、逆バ
イアスされているサイリスタオフ時に、キャリアである
正孔をこの円環を介して速くアノード電極に引き抜くこ
とが出来るので、補助サイリスタのオフを速く確実なも
のとなし得る。さらに、同心軸を中心として円環状にN
+ 層からなる短絡構造がつくられるので、補助サイリス
タのP+ 層4、N層3、P層2からなるPNPトランジ
スタのベース・エミッタ間抵抗分が一様に得られ、φ2
を最適化することにより補助サイリスタの点弧をより確
実なものとなし得る。このアノード短絡に供する円環N
+ 層31の幅は0.5mm以下とするのがよい。この幅を大き
くし過ぎて補助サイリスタのみが点弧し主サイリスタが
点弧されない不具合が生ずることを防止するためであ
る。あるいは円環の途中を分断して、たとえば二つの半
円弧状短絡環で構成してもよい。この場合は半円弧状相
互間に介在するP+ 層4の働きで主サイリスタの点弧は
さらに確実なものとなる。
【0012】別の実施例として、環状短絡路31を同一円
周上に点在する複数の短絡路に代え、補助サイリスタの
アノード領域のP層41は主サイリスタのアノード領域の
P層4とを連結し、アノード短絡をなす短絡路の最も中
央寄りのものに共通に外接する外接円の直径を前記φ2
と同じ関係を持たせる。さらに、この最も中央寄りのN
短絡路の不純物濃度を補助サイリスタ領域のN層3の不
純物濃度より10倍以上濃いものとし、アノード電極7と
確実にオーム性接触出来るように構成する。これにより
サイリスタオフ時にキャリアである正孔をこのアノード
短絡孔を介して速くアノード電極に引き抜くことが出
来、前記例と同様の効果を得ることが出来る。さらにこ
の例では、アノード短絡孔と中心軸との距離を適宜選べ
るので、補助サイリスタの前記PNPトランジスタのベ
ース・エミッタ間抵抗に大小ばらつきを持たせることが
でき、補助サイリスタの点弧に際して電流を分散させる
ことがによって電流集中を防止出来る利点がある。
【0013】次に、この光サイリスタの点弧動作を、図
6を引用してさらに詳しく述べる。アノードAに正、カ
ソードKに負の順バイアスを印加すると、真性域30を備
えたことにより空乏層がハッチングで示した領域9に広
がる。受光部5に光10が入射すると、空乏層9内の電子
を励起し、電子・正孔対を生成し、順バイアスにより加
速されて黒丸で示す電子はN層3に向かって、また白丸
で示す正孔はP層2に向かってはき出される。正孔は、
+ 層1、P層2、N層3からなるNPNトランジスタ
のベース・エミッタ間を順バイアスする。すなわち、P
層2の抵抗領域を流れ、ゲート電極8に当たってはね返
り、カソード電極側のN領域下の抵抗領域を通り、カソ
ード電極へと流れ出る。このとき、補助サイリスタのN
PNトランジスタのベース・エミッタ間は抵抗RK が最
も大きいので、補助サイリスタ部のバイアス電圧が速く
ビルトイン電圧に到達するため、図示のダイオードDが
導通しこのトランジスタをオンさせる。一方、電子はN
層3に入りP+ 層4の中央部から抵抗RA を通って周辺
のアノード短絡路31を介してアノード電極7へと抜け出
す。このときRA によるドロップ電圧が最も大きいの
で、P+ 層4、N層3、P層2からなる補助サイリスタ
部のPNPトランジスタのベース・エミッタ間を順バイ
アスし、最も早くビルトイン電圧に達し、このトランジ
スタをオンさせる。カソード側のNPNトランジスタと
アノード側のPNPトランジスタが共にオンし、これで
構成された補助サイリスタが点弧する。点弧はまずゲー
ト中心軸最近傍の補助サイリスタが点弧し、続いて次の
周囲のサイリスタへ点弧し、順次広がり、最後に最外周
の主サイリスタが点弧するものであり、これらの動作が
実質的にほとんど瞬時に行われる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、補助サイリスタの中央
に存在する受光部の直径を1mm以下とすることにより点
弧に必要な光エネルギーを小さくし、0.2mm以上とする
ことで点弧を確実にすることができた。また、補助サイ
リスタの直径φ2 とφ1 との比、φ2 /φ1 を1.5以上
にすることによっても点弧に必要な光エネルギーを小さ
くし、4.0以下にすることにより高速スイッチングを可
能にすることができた。このように点弧の光エネルギー
として大きなものを必要としないので光エネルギー発生
源を小型化でき、光ファイバーの伝送効率は通常で構成
できることとなった。さらに、補助サイリスタがより確
実に点弧できるので、ノイズ等で光の所定量が得られな
いタイミングにも、主サイリスタの点弧失敗を防止する
ことができた。
【0015】本発明による光サイリスタは、車両用イン
バータ等の耐ノイズ性が要求される分野、直流送電、無
効電力補償装置等の制御回路あるいは主回路の電気絶縁
性が要求され、しかも高効率が要求される分野、高電圧
高速モータ駆動用変換装置、鉄鋼用ブロア等幅広い分野
において広く活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光サイリスタを示し、(a)
が断面図、(b) がシリコン基板の平面図、(c) がシリコ
ン基板の下面図
【図2】光サイリスタの基本構造の断面図
【図3】光サイリスタの動作波形図
【図4】従来例の光サイリスタを示し、(a) が断面図、
(b) がシリコン基板の平面図、(c) がシリコン基板の下
面図
【図5】補助サイリスタの直径と受光部の直径との比と
点弧エネルギーおよびターンオフ時間との関係線図
【図6】図1の光サイリスタの点弧動作を示す断面図
【符号の説明】
1 N+ 層 2 P層 3 N層 30 N- 層 4 P+ 層 41 補助サイリスタP+ 層 5 受光部 6 カソード電極 7 アノード電極 8 ゲート電極 21、31 環状短絡路 22、32 円柱状短絡路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交互に異なる導電形を有する4層構造から
    なり、表面側の第一導電形の第一層に接触する第一主電
    極と、裏面側の第二導電形の第四層に接触する第二主電
    極とを備えた主サイリスタの中央部に、第一層を貫通し
    て第二導電形の第二層に達する円柱状に掘られた受光部
    を中心として主サイリスタと同様の4層構造からなり、
    受光層を囲む第一層の周りで第二層が表面に露出し、第
    一層の表面と第二層の露出面にゲート電極が共通に接触
    し、第四層に第二主電極が共通に接触する補助サイリス
    タを備えたものにおいて、受光部の直径が0.2mm以上、
    1.0mm以下であることを特徴とする光サイリスタ。
  2. 【請求項2】第三層の第二層に近接した領域が真性に近
    い層である請求項1記載の光サイリスタ。
  3. 【請求項3】補助サイリスタの第四層と主サイリスタの
    第四層との間に第三層が露出して第二主電極に共通に接
    触することにより、補助サイリスタの円形の第四層と主
    サイリスタの第四層が分離され、その補助サイリスタの
    第四層の直径と受光部の直径との比が1.5以上、4.0以
    下である請求項1記載の光サイリスタ。
  4. 【請求項4】補助サイリスタの第四層と主サイリスタの
    第四層とがその間に露出する第三層を局部的に横切って
    連結された請求項3記載の光サイリスタ。
  5. 【請求項5】主サイリスタの第二層が局部的に第一層を
    貫通して第一主電極により第一層および第二層が短絡さ
    れ、第三層が局部的に第四層を貫通して第二主電極によ
    り第三層および第四層が短絡された請求項1ないし4の
    いずれかに記載の光サイリスタ。
JP14241293A 1993-06-15 1993-06-15 光サイリスタ Pending JPH0715004A (ja)

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