JPH07149928A - 電気絶縁用プリプレグ及びマイカテープの製造方法 - Google Patents

電気絶縁用プリプレグ及びマイカテープの製造方法

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JPH07149928A
JPH07149928A JP32126293A JP32126293A JPH07149928A JP H07149928 A JPH07149928 A JP H07149928A JP 32126293 A JP32126293 A JP 32126293A JP 32126293 A JP32126293 A JP 32126293A JP H07149928 A JPH07149928 A JP H07149928A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無溶剤タイプでかつ硬化特性が良好な電気絶
縁用プリプレグを提供する。 【構成】 常温で液状のエポキシ樹脂に、常温硬化タイ
プでかつ常温で液状のアミン系硬化剤を第1の硬化剤と
し、常温で固形の潜在性硬化剤を微粉砕したもの、マイ
クロカプセルに封入された硬化剤、及び有機金属硬化剤
の単独又は組み合わせてなる第2の硬化剤よりなるエポ
キシ樹脂組成物を、多孔質絶縁材やフィルム類に常温で
塗工するものである。 【効果】 製造時の人体への影響及び公害問題が無く、
乾燥設備やエネルギー費を必要とせず、しかも保管寿命
が長くて使用時の加熱硬化が早く、硬化物には電気的、
機械的、熱的特性に優れていると言う特徴を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気機器の絶縁とし
て用いられる各種のプリプレグに関し、更に高電圧回転
機器の絶縁に用いられるマイカテープの製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気機器用絶縁として用いられる
プリプレグ類は、例えば、特開平2−34639号公報
に示されるように、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等、通常知られている熱
硬化性樹脂を溶剤に溶かした溶液を、ガラス繊維、アラ
ミッド繊維のような多孔質絶縁材に塗布・含浸した後、
乾燥して溶剤を除去しつつ樹脂をBステージ化してプリ
プレグ状に仕上げる方法や、特開平4−296542号
公報に示されるように、無溶剤で高粘度の熱硬化性樹脂
を加熱溶融して、基材に含浸してプリプレグを得るいわ
ゆるホットメルト法と呼ばれる方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記溶剤を使用してプ
リプレグを製造する方法では、多量の溶剤を取り扱うた
め人体への影響や公害問題のみならず、乾燥設備、エネ
ルギー費等がかかる他、品質的には溶剤を完全に除去す
ることはきわめて困難であるため、硬化物の特性が悪い
ばかりでなく、加熱工程を経てBステージ化した樹脂は
低温でも徐々に反応が進行するため、長期保管しにくい
という欠点がある。
【0004】また、上記ホットメルト法では、溶剤を使
用しないため人体への影響、公害問題、設備費用等の問
題は改善されているものの、高粘度もしくは半固形の樹
脂を加熱溶融して硬化剤を配合したコンパウンドを作
り、基材に含浸する際は再びコンパンドを加熱溶融する
ため、加熱溶融時のプロセス(温度、時間)管理が厳し
いこと、及び一旦加熱した樹脂は保管中に徐々に反応が
進み、長期保管できにくいという欠点のほか、高粘度の
樹脂を含浸するため基材の細部に樹脂が含浸されず品質
上の問題が生じていた。
【0005】この発明は従来の問題点を解消するために
なされたもので、無溶剤の樹脂を使用し、基材への含浸
は常温で行い、かつ加熱工程を省略して短時間の保管の
みでタックフリーに仕上げ、常温での保管寿命の長いプ
リプレグを提供することを目的とする。
【0006】この発明は上記のような問題を解消するた
めになされたものであり、常温で各種の基材類に含浸で
きるような粘度を有し、基材への含浸後は短時間で反応
が進みプリプレグと成り、しかもプリプレグ上での保管
寿命がきわめて長いという従来技術では到底達し得ない
特徴を有するエポキシ樹脂組成物を開発したものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る電気絶縁
用プリプレグの発明は、常温で液状のエポキシ樹脂に、
常温硬化タイプでかつ常温で液状のアミン系硬化剤を第
1の硬化剤とし、常温で固形の潜在性硬化剤を微粉砕し
たもの、マイクロカプセルに封入された硬化剤、及び有
機金属塩硬化剤の単独又は組み合わせて成る第2の硬化
剤より成るエポキシ樹脂組成物を、多孔質絶縁材やフィ
ルム類に常温で含浸処理することにより得られものであ
る。
【0008】また、請求項2に係る高電圧回転機に用い
られるマイカテープの製造方法の発明は、集成マイカ箔
に、エポキシ樹脂と有機金属塩を配合して成る組成物を
塗布・含浸し、裏打ち材側に請求項1に係るエポキシ樹
脂組成物を常温で処理した後、両者を貼り合わせること
によりマイカテープを製造する。
【0009】
【作用】請求項1の発明におけるエポキシ樹脂組成物
は、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ノボラ
ック系、シクロ系のエポキシ樹脂の単体及び各々を組み
合わせて使用でき、いずれもエポキシ当量が160〜3
00で常温で液状のものが用いられる。
【0010】また、第1の硬化剤となるアミン系硬化剤
としては、変性脂肪族アミン、変性脂環族アミン、変性
芳香族アミンが用いられ、いずれも常温で液状のものが
使用できる。これらの硬化剤はエポキシ樹脂の理論量に
対し10〜40%を配合し、エポキシ樹脂とアミン類が
常温で比較的速やかに反応することによって安定したB
ステージ状態が形成できる。これはエポキシ樹脂と少量
のアミン系硬化剤との反応が、アミド基(−NH2)の
中の1つの活性水素原子と優先的に反応し、次いで他の
水素原子も徐々に反応が進み、理論量よりも少ないにも
かかわらずやがてゲル化に至るタイプと、アミド基(−
NH2)中の活性水素原子が優先的に反応した後、残る
水素原子はもはや常温では反応せず極めて安定な状態に
なるという2つの現象のある事を見いだしたものであ
る。後者のような性状を示す物質は、分子中に立体障害
を起こし易い構造のものが有効であり、直鎖状の分子よ
りも分岐鎖のある分子が、ベンゼン環・シクロ環よりも
これらの芳香環にメチル基のような低分子のアルキル基
を付加した分子の方が顕著な作用を示す。かくしてこの
ような硬化剤を選択使用することによりタックフリーな
樹脂が容易にできるものである。なお、これらの硬化剤
の中でも硬化組成物の電気的、機械的、熱的性質に優れ
たものを得る際は、アミン系硬化剤中変性脂環族アミン
が好適であり、例えば、ジアミノジフェニールメタンの
水添化物やシクロ環中にメチル基を置換したタイプが特
に好適に用いられる。
【0011】用いる硬化剤量としては、エポキシ樹脂の
理論量に対する割合が10%以下の場合は、樹脂組成物
の粘度上昇が少なく所望のタックフリーな樹脂が得られ
難い。また、40%以上の場合は、樹脂組成物の反応が
進みゲル化に至る場合があり好ましくない。用いるベー
ス樹脂の性状にもよるが、通常は20〜33%の範囲で
プリプレグの固さ、しなやかさを勘案しながら配合量を
決める。
【0012】かかる樹脂系の第2の硬化剤としては、次
に例示するような触媒系によるイオン反応で進行するも
のが多い。すなわち通常知られているBF3−モノエチ
ルアミン及びその誘導体、ジシアンジアミド、ヒドラジ
ド類、及びアミンアダクト類と呼ばれる高分子量、かつ
アミド基を含有するいずれも常温で固体の化合物が用い
られる。実使用時にはこれらの硬化剤を樹脂中に分散さ
せるために微粉末にしたものが好適に用いられる。
【0013】また、イミダゾール類のような高反応性の
硬化剤をポリビニールホルマール、イソシアネート類、
ポリカーボネート等に包み込みマイクロカプセル化し
て、2〜5μmmに仕上げた硬化剤も使用できる。これは
カプセルの外皮を加熱溶融させるまで反応を開始しない
ためプリプレグ適用後は、安定した樹脂系と成るという
特徴があり、極めて好適に使用できる。
【0014】更に、常温でエポキシ樹脂とほとんど反応
しないが高温では硬化剤・触媒作用を持つオクチル酸亜
鉛、ナフテン酸マンガン、鉄アセチルアセトナートのよ
うな通常知られている有機金属塩が良好に用いられる。
【0015】これらの硬化剤は、それぞれ単独で、又は
要求する硬化物の特性により組み合わせて使用できる事
は言うまでもない。
【0016】通常、エポキシ樹脂に対して2種類の硬化
剤を配合した場合は、活性度の高い硬化剤が先に反応す
るため、活性度の低い(硬化の遅い)硬化剤は反応系中
より取り残され、結果として未反応の硬化剤が残るの
で、電気的、機械的、熱的諸特性の悪い硬化物となる。
この発明によるエポキシ樹脂組成物は、第1及び第2の
硬化剤の相乗効果、特に第2の反応が起こる際のイオン
反応と分子中に残る水素基の影響によりそれぞれの硬化
剤を単独で配合してなる系よりも、硬化物は諸特性の優
れたものが得られることを確認し、この発明を完成し
た。
【0017】上記発明のエポキシ樹脂組成物において
は、第1の硬化剤の配合量の変化で所望の粘度のプリプ
レグを容易に作成することができるので、次のような特
徴を持つドライタイプの集成マイカテープの製造に適用
できる。
【0018】集成マイカ箔は、通常知られているエポキ
シ樹脂に有機金属塩を配合して成るエポキシ樹脂組成物
を溶剤タイプで塗布・含浸した後乾燥して仕上げるが、
裏打ち材側には上記発明のエポキシ樹脂組成物中、含浸
樹脂との反応促進効果の高い、例えば第2の硬化剤とし
てイミダゾール類をマイクロカプセル化したものを用い
無溶剤タイプで含浸処理し、これを集成マイカと貼り合
わせることによって得られる。このマイカテープを高電
圧回転機用絶縁コイルに巻回適用し、含浸樹脂として多
用されているエポキシ樹脂に酸無水物系硬化剤及びこれ
にスチレンのような反応性希釈剤を含有して成る含浸樹
脂を真空加圧・含浸後、加熱硬化して絶縁コイルを得る
ものである。即ち、前記含浸樹脂と反応促進効果の高い
イミダゾール類はエポキシ樹脂と容易に反応するため、
通常はテープ寿命の要求されるマイカテープには使用さ
れず、やむなく使用する場合は、ベース樹脂としてポリ
エステル樹脂のようなイミダゾール類とはほとんど反応
しない樹脂を選択している。しかしながら前記エポキシ
含浸樹脂と比べ含浸・硬化後に耐熱性、接着性等の特性
に劣るポリエステル樹脂が混入することは絶縁コイルの
品質を低下させることになるので実際は実用されていな
い。イミダゾール類の外皮を成すマイクロカプセルは通
常の溶剤に容易に溶けるため、含浸樹脂中にスチレンを
含有する樹脂系は樹脂が含浸されると常温でも反応が開
始され始めるので反応促進効果は更に加速され、絶縁処
理の簡略化効果は多大となる。
【0019】なお、この発明ではイミダゾール類以外で
も、使用する含浸樹脂に合わせて硬化促進効果を勘案す
ることにより適宜第2の硬化剤が選択使用できる。
【0020】
【実施例】
実施例1.ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてエピ
コート828(エポキシ当量190g/eq、油化シェ
ル社)100部、第1の硬化剤としてエピキュアー11
3(水添化ジアミノジフェニールメタン誘導体、粘度1
25cps/25℃、油化シェル社)10部、第2の硬
化剤としてノバキュアーHX3722(イミダゾールの
マイクロカプセルタイプ、ペースト状、旭化成社)20
部を常温で混合した。これを厚さ0.18のガラスクロ
ス(有沢製作所社)にレジン含有量50%となるように
常温で塗布し、30℃で保管して24時間後にタックフ
リーなプリプレグを得た。
【0021】実施例2.ビスフェノールF型エポキシ樹
脂としてエピコート807(エポキシ当量167g/e
q、油化シェル社)100部、第1の硬化剤としてエピ
キュアー113(前出)11部、第2の硬化剤としてノ
バキュアーHX3722(前出)20部を常温で混合し
た。これを厚さ0.18のガラスクロス(前出)にレジ
ン含有量50%となるように常温で塗布し、30℃で保
管して24時間後にタックフリーなプリプレグを得た。
【0022】実施例3.エピコート828(前出)50
部、ノボラック型エポキシ樹脂としてエピコート152
(エポキシ当量175g/eq、油化シェル社)50
部、第1の硬化剤としてエピキュアー113(前出)1
1部、第2の硬化剤としてノバキュアーHX3722
(前出)20部を常温で混合した。これを厚さ0.18
のガラスクロス(前出)にレジン含有量50%となるよ
うに常温で塗布し、30℃で保管して24時間後タック
フリーなプリプレグを得た。
【0023】実施例4.エピコート828(前出)10
0部、第1の硬化剤としてエピキュアー3080(変性
脂肪族アミン、粘度8.0cps/25℃、油化シェル
社)11部、第2の硬化剤としてノバキュアーHX37
22(前出)20部を常温で混合した。これを厚さ0.
18のガラスクロス(前出)にレジン含有量50%とな
るように常温で塗布し、30℃で保管して24時間後タ
ックフリーなプリプレグを得た。
【0024】実施例5.エピコート828(前出)50
部、ノボラック型エポキシ樹脂としてエピコート152
(前出)50部、第1の硬化剤としてエピキュアー11
3(前出)11部、第2の硬化剤としてジシアンジアミ
ドの微粉末(油化シェル社)6部及び、触媒としてノバ
キュアーHX3722(前出)4部を常温で混合した。
これを厚さ0.18のガラスクロス(前出)にレジン含
有量50%となるように常温で塗布し、30℃で保管し
て24時間後タックフリーなプリプレグを得た。
【0025】比較例1.ビスフェノールA型エポキシ樹
脂としてエピコート834(エポキシ当量250g/e
q、油化シェル社)40部、エピコート1001(エポ
キシ当量475g/eq、油化シェル社)60部にメチ
ルエチルケトン60部を加えて溶解し、硬化剤としてジ
シアンジアミド(前出)6部、触媒として3,4−ジク
ロルフェニル−1,1−ジメチルウレア(油化シェル
社)0.3部をあらかじめメチルセロソルブ30部に溶
解しておいた溶液を混合してワニスを調合した。これを
厚さ0.18のガラスクロス(前出)にレジン含有量5
0%となるように常温で塗布し、次いで100〜135
℃で7分間乾燥してタックフリーなプリプレグ(残存溶
剤量0.2%)を得た。
【0026】比較例2.エポキシ樹脂としてエピコート
834(前出)25部に、エピコート1001(前出)
75部を加え65℃で混合し、硬化剤としてノバキュア
ーHX3722(前出)30部を加え同じ温度で素早く
混練した。これを厚さ0.18のガラスクロス(前出)
にレジン含有量50%となるように65℃〜75℃で塗
布し、タックフリーなプリプレグを得たが、高粘度であ
るため基剤への塗布作業性はきわめて悪く、また仕上が
り状態も塗りムラが多くあった。
【0027】この出願の発明の効果を確認するために、
実施例及び比較例で得られたプリプレグの30℃での保
管寿命を樹脂がゲル化するまでの時間(日数)で表し、
またプリプレグの5枚を重ねて150℃で5時間加熱成
形して厚さ1.0の積層板を得た。この積層板の仕上が
り状態及び熱進入法によるガラス転位温度(Tg)の結
果を図1に示したが、この発明によるプリプレグは従来
から知られているプリプレグと比較していずれの特性も
優れていることを確認した。
【0028】実施例6.本実施例はマイカテープの製造
方法に係るもので、エポキシ樹脂としてエピコート83
4(前出)40部、エピコート1001(前出)60部
に硬化剤としてオクチル酸亜鉛10部、メチルエチルケ
トン160部を加え溶解してワニスを調合した。これを
厚さ0.10の集成マイカ箔(無焼成タイプDR−2、
岡部マイカ工業所)にレジン含有量5%となるように塗
布した後、80℃〜120℃で7分間乾燥した。マイカ
箔の裏打ち材として厚さ0.03のガラスクロス(有沢
製作所)にエピコート828(前出)100部、第1の
硬化剤としてエピキュアー113(前出)10部、第2
の硬化剤としてオクチル酸亜鉛10部及びノバキュアー
HX3722(前出)10部を常温で混練した組成物を
塗布してレジン含有量15%となるように仕上げ、これ
を前記のマイカ箔に処理したプリプレグと重ね、50℃
に調整したヒートロールを通過させて貼り合わせること
により厚さ0.135、レジン含有量7.5%のマイカテ
ープを製作した。
【0029】このマイカテープを厚さ2.0×7.0の平
角2重ガラス巻線(三菱電線)を2列20段に組み合わ
せた長さ1.0Mのコイル導体上に10回巻き、マイカ
テープの保護として厚さ0.13のガラステープを1回
巻いた後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂/酸無水物
系硬化剤/スチレンモノマーを主成分とするスチレン変
性エポキシ含浸樹脂(DR311、菱電化成)中で真空
加圧含浸処理した後、135℃で24時間加熱して絶縁
コイルを得た。この絶縁コイルのTanδ(2KV値)
及びΔTanδ(15KV−2KV値)はそれぞれ0.
58%、0.10%と非常に良好であった。
【0030】比較例3.エポキシ樹脂としてエピコート
834(エポキシ当量250g/eq、油化シェル社)
40部、エピコート1001(エポキシ当量475g/
eq、油化シェル社)60部に硬化剤としてオクチル酸
亜鉛10部、メチルエチルケトン160部を加え溶解し
てワニスを調合した。これを厚さ0.10の集成マイカ
箔(無焼成タイプDR−2、岡部マイカ工業所)にレジ
ン含有量5%となるように塗布した後、80℃〜120
℃で7分間乾燥した。マイカ箔の裏打ち材として厚さ
0.03のガラスクロス(前出)に前記のエポキシ組成
物を塗布した後、80℃〜120℃で7分間乾燥してレ
ジン含有量15%となるように仕上げ、これを前記のマ
イカ箔に処理したプリプレグと重ね、50℃に調整した
ヒートロールを通過させて貼り合わせることにより厚さ
0.135、レジン含有量7.5%のマイカテープを製作
した。
【0031】このマイカテープを厚さ2.0×7.0の平
角2重ガラス巻線(前出)を2列20段に組み合わせた
長さ1.0Mのコイル導体上に10回巻き、マイカテー
プの保護として厚さ0.13のガラステープを1回巻い
た後、スチレン変性エポキシ含浸樹脂(前出)中で真空
加圧含浸処理した後、135℃で24時間加熱して絶縁
コイルを得た。この絶縁コイルのTanδ(2KV値)
及びΔTanδ(15KV−2KV値)はそれぞれ0.
78%、1.50%であった。
【0032】
【発明の効果】この発明による電気絶縁用プリプレグ
は、有機溶剤類や加熱乾燥工程を必要とせずに単に基材
類に塗工するだけでタックフリーなものが得られるの
で、製造時における人体への影響、公害問題が無く、乾
燥設備や加熱エネルギー費を必要とせず、しかも保管寿
命が長く、使用時の加熱硬化が早く、硬化物は電気的・
機械的・熱的諸特性に優れているという特徴を有する。
【0033】この発明のマイカテープの製造方法によっ
て作成された絶縁コイルは、マイカテープの裏打ち材側
に含浸樹脂との反応促進効果の大きいプリプレグ組成物
を含有するため、真空加圧含浸後の加熱時には含浸樹脂
の粘度低下と同時に硬化反応が進むので絶縁層中の樹脂
漏れを起こさない。その結果、絶縁層中にほとんど気泡
の無い良好なものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例と比較例との保管寿命、仕上
り状態及びガラス転移温度を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液状のエポキシ樹脂に、常温硬化
    タイプでかつ常温で液状のアミン系硬化剤を第1の硬化
    剤とし、常温で固形の潜在性硬化剤を微粉砕したもの、
    マイクロカプセルに封入された硬化剤、及び有機金属塩
    硬化剤の単独又は組み合わせて成る第2の硬化剤よりな
    るエポキシ樹脂組成物を多孔質絶縁材、フィルム類に常
    温で塗工処理することを特徴とする電気絶縁用プリプレ
    グ。
  2. 【請求項2】 集成マイカ箔に、エポキシ樹脂に有機金
    属塩を配合して成る組成物を塗布・含浸し、裏打ち材側
    に請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を常温で塗工処理
    した後、両者を貼り合わせて成るマイカテープの製造方
    法。
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