JPH07149921A - 青銅系湿式摩擦材の製造方法 - Google Patents

青銅系湿式摩擦材の製造方法

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JPH07149921A
JPH07149921A JP32596193A JP32596193A JPH07149921A JP H07149921 A JPH07149921 A JP H07149921A JP 32596193 A JP32596193 A JP 32596193A JP 32596193 A JP32596193 A JP 32596193A JP H07149921 A JPH07149921 A JP H07149921A
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graphite
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Minoru Fukazawa
稔 深沢
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用強度を保持しながら高い開気孔率を付与
することができ、優れたエネルギー吸収能と高摩擦特性
をバランスよく兼備する青銅系湿式摩擦材料の製造方法
を提供する。 【構成】 Sn粉2〜8重量%、SiO2 粉2〜10重量
%、黒鉛粉(平均粒径20〜60μm で粒子径5〜100 μm
の粒分が90重量%以上、C0 層間距離0.672nm 以下) 18
〜33重量%、籾殻粉(200# 以下) 2〜8重量%、必要に
よりZn粉8重量%以下、残部が電解銅粉からなる組成
の混合原料を圧粉成形し、成形体を芯材に当接した状態
で還元性もしくは不活性雰囲気中で、温度 750〜850
℃、圧力1〜10MPa の条件で加圧焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキパッドあるい
はクラッチフェーシングとして好適な優れたエネルギー
吸収能と高摩擦特性を備える青銅系湿式摩擦材の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】相対する摩擦面間に潤滑油などの液体が
介在する状態で使用される湿式摩擦材は、ブレーキパッ
ドやクラッチフェーシングとして有用されている。この
湿式摩擦材の材質は、ペーパー系、ゴム系などのものも
あるが、現状では耐熱性および機械的強度に優れる焼結
金属系の材質が主に用いられている。
【0003】焼結金属系の湿式摩擦材料としては、従来
からCuを主成分とし、Sn、Zn、Al、Al
2 3 、SiO2 、MoS2 等を添加した組成成分を焼
結した銅合金系材質のものが主流となっているが、これ
ら金属およびセラミック粉末に加えて黒鉛その他の炭素
質粉末を有効成分として添加する試みがなされている。
すなわち、黒鉛は本来的に優れた潤滑性と熱的・化学的
安定性を備えているため従来から摩擦材料のフィラーと
して用いられてきた(例えば特開昭61−67736 号公報)
が、炭素質物の添加による一層の材質改善を図ったもの
として、摩擦調整材の一部もしくは全部を結晶格子定数
0 が6.75〜6.85のセミ黒鉛で構成することに
より潤滑性の温度影響を除いた摩擦材(特開昭64−4972
6 号公報)、フィラーとして膨張黒鉛を含有する高弾性
の摩擦材料(特開平3−282028号公報)、黒鉛粉末を1
0〜30重量%、気孔率が10〜20%のコークス粉末
を3〜15重量%含有し、残部が銅を主体とした金属成
分粉末の焼結体からなる安定した高摩擦係数を有する湿
式摩擦材料(特開平5−32955 号公報)などが提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術による青銅系湿式摩擦材は、油中における摩擦状況は
安定するものの、概して摩擦係数が低い欠点がある。本
発明者は、優れたエネルギー吸収能と安定した高摩擦特
性を保有する金属焼結系の湿式摩擦材料として、先に
C:20〜35重量%、Sn:2〜8重量%、Si
2 :4〜10重量%、残部がCuからなり、前記Cが
平均粒子径20〜60μm で粒子径5〜100μm の粒
分が90%以上の粒子性状を有し、黒鉛結晶面間C0
層間距離が0.672nm以下の黒鉛粉末である組成の青
銅系成分を焼結してなる材料を開発した(特願平5−22
0732号)。
【0005】本発明は、引き続き研究を重ねる過程で、
前記の原料組成に新たな添加成分として特定量の籾殻粉
を配合すると材質の開気孔率が増し、湿式摩擦材として
の摩擦特性が一層向上することを解明して開発に至った
ものである。
【0006】したがって、本発明の目的は、実用強度を
保持しながら高い開気孔率を付与することができ、優れ
たエネルギー吸収能と高度の摩擦特性をバランスよく保
有する青銅系湿式摩擦材の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による青銅系湿式摩擦材の製造方法は、Sn
粉2〜8重量%、SiO2 粉2〜10重量%、黒鉛粉1
8〜33重量%、籾殻粉2〜8重量%、残部が電解銅粉
からなる組成の混合原料を圧粉成形し、成形体を芯材に
当接した状態で還元性もしくは不活性雰囲気中で温度7
50〜850℃、圧力1〜10MPa の条件により加圧焼
結することを構成上の特徴とする。
【0008】本発明の原料成分は、Cuを主要成分と
し、これにSnを配合する青銅系合金成分に、更に非金
属成分としてSiO2 、黒鉛および籾殻を加えた組成か
らなりそれぞれ粉末として混合原料とする。このうち、
主要成分となるCuとしては圧粉成形時の材質強度を維
持するために好適な樹枝状の電解銅粉が用いられる。S
n粉は焼結時にCuに固溶して焼結を促進し、750〜
850℃範囲での焼結化を可能にすると共に焼結体の開
気孔率を増大させる合金成分となる。その配合量は2〜
8重量%、好ましくは3〜4重量%の範囲に設定する。
2重量%未満ではCuの焼結が困難となり、8重量%を
越えるとSn成分の凝固偏析を生じて摩擦特性を劣化さ
せる原因となる。なお、Sn粉としては、粒度200メ
ッシュ以下のアトマイズ粉またはスタンプ粉を用いるこ
とが望ましい。
【0009】合金成分としては、必要に応じてZn粉を
8重量%以下、好ましくは3〜5重量%の量比で配合す
ることができる。Zn粉はSn粉と同様に焼結助剤およ
び開気孔率形成剤として機能する成分となる。このた
め、Sn量を多くした際には無添加でもよいが、高価な
Snの添加量を少なくしてZnを添加することが良好な
配合手段となる。しかし、Znの添加量が8重量%を上
廻ると、凝固偏析を生じて摩擦性能の低下原因となる。
Zn粉としては、粒度200メッシュ以下のアトマイズ
粉またはスタンプ粉が好適に用いられる。
【0010】非金属成分のうち、SiO2 は耐摩耗性を
付与し、同時に相手部材を適度に削磨して新たな摩擦面
を露出させることにより摩擦特性を安定させる成分とな
るもので、2〜10重量%、好ましくは5〜7重量%の
範囲で添加する。この添加量が2重量%未満であると耐
摩耗性および摩擦係数が低下し、10重量%を越えると
相手部材に対する削磨性が増大し過ぎるうえ、焼結体の
強度低下を招く。
【0011】黒鉛粉は、摩擦特性を安定させるために不
可欠の成分で、18〜33重量%、好ましくは20〜3
0重量%の範囲で配合される。この配合量が18重量%
を下廻ると摩擦特性を安定させる機能が発揮されず、3
3重量%を越えると焼結体の強度ならびに摩擦係数の低
下を招く。
【0012】なお、黒鉛粉は平均粒子径が20〜60μ
m の範囲にあって粒子径5〜100μm の粒分含有率が
90重量%以上の粒子性状を有し、かつ黒鉛結晶を構成
するC0 面間の層間距離が0.672nm以下の高結晶質
黒鉛粉末を選択使用することが好ましい。この理由は、
平均粒子径20〜60μm で粒子径5〜100μm の粒
分が90重量%以上の条件を満たす場合に優れたエネル
ギー吸収能が付与され、安定した摩擦特性と高い材質強
度の保持が可能となるためである。例えば、5μm 未満
の微細黒鉛粉末が多くなるとCu合金マトリックスの結
合を分断して焼結体の強度低下を招き、逆に100μm
を上廻る粒分が多くなると摩擦係数が減退する。黒鉛結
晶面間C0 の層間距離が0.672nm以下の黒鉛粉末を
用いるのは、この高黒鉛性が摩擦特性を安定化させるた
めに有効に機能するからである。
【0013】籾殻粉は、本発明の重要な原料要素となる
もので、この添加によって最終的に得られる摩擦材組織
に強度低下を伴うことなくエネルギー吸収能と摩擦特性
をバランスよく向上させるために好適な開気孔率が付与
される。籾殻粉以外の空隙形成材、例えば鋸屑、アクリ
ル繊維チョップ、メソフェーズピッチ粉、珪藻土粉など
を配合しても、籾殻粉配合時に匹敵する高水準の摩擦係
数ならびに限界数値を同時に得ることはできない。
【0014】該籾殻粉は、2〜8重量%の範囲で配合さ
れる。2重量%未満であると摩擦特性の改善効果が得ら
れず、8重量%を越えると強度低下が生じる。また、籾
殻粉は粒度が200メッシュ以下の微粉を用いることが
好ましく、これより粉末粒度が粗くなると焼結組織のポ
ア径が大きくなって、材質強度を減退させる原因とな
る。
【0015】上記組成の原料成分は、均一になるように
機械混合して混合原料としたのち圧粉成形する。圧粉成
形は、混合原料を金型に充填し、100〜1000MPa
の範囲内で得られる焼結体の開気孔率を考慮した加圧力
を適用しておこなう。得られた成形体は、ついで加圧焼
結される。加圧焼結時の処理条件は、成形体を芯材に当
接した状態で還元性もしくは不活性雰囲気中で、温度7
50〜850℃、圧力1〜10MPa に設定する。焼結温
度が750℃未満であると籾殻成分の炭化が不足し、同
時に金属成分の合金化が円滑に進行しないため焼結体の
強度が減退し、850℃を越えると籾殻成分から生成し
た無定形SiO2 がクリストバライトに結晶化して相手
部材に対する削磨性が増大するうえ、芯材の損傷も大き
くなる。また、焼結圧力が1MPa を下廻ると材質強度の
低下を招き、他方、10MPa を上廻ると開気孔率が減少
する。より好ましい焼結圧力範囲は、1.5〜3.5MP
aである。
【0016】上記の工程で製造された青銅系湿式摩擦材
は、最終的に所定の摩擦材形状に沿う油溝、厚みおよび
表面研磨などの加工を施して製品とする。
【0017】
【作用】本発明に係る青銅系湿式摩擦材によれば、Sn
粉2〜8重量%、SiO2 粉2〜10重量%、黒鉛粉1
8〜33重量%、籾殻粉2〜8重量%、残部が電解銅粉
からなる組成、またはこれに必要に応じてZn粉を8重
量%以下の量比で配合した組成の混合原料が、圧粉成形
および特定条件下による加圧焼結工程を介して焼結体に
高水準の開気孔率と実用範囲の材質強度を与え、同時に
優れた耐摩耗性と安定した摩擦性能ならびに相手材に対
する適度の削磨性を付与するために有効に機能する。
【0018】特に配合した籾殻粉は、焼成段階で炭化さ
れて無定形炭素と無定形SiO2 に転化し、同時に揮発
成分の揮散に伴う収縮作用で無数の微細気孔が発生す
る。そして、形成された微細気孔の周辺は前記の無定形
SiO2 成分により強固に結合しているから、開気孔率
の増大によって材質強度が損なわれることはない。この
開気孔率の増大作用に基づいて摩擦時のエネルギー吸収
能が増大し、一層安定した高水準の摩擦特性を保持させ
ることが可能となる。
【0019】このような作用が相俟って、ブレーキパッ
ドあるいはクラッチフェーシングとした場合に常に安定
した高摩擦性能が発揮される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0021】実施例1〜7、比較例1〜4 Cu粉(電解銅粉)、Sn粉末(スタンプ粉、200#以
下) 、Zn粉(スタンプ粉、200#以下) 、SiO2
(珪石粉、平均粒径17μm )、黒鉛粉(平均粒径37μm
、5〜100 μm 粒分98重量%、C0 層間距離0.671nm
)および籾殻粉(200#以下)を、表1に示す割合で配
合し、V型混合機により20分間乾式混合して均質な混
合粉末を調製した。各混合原料を外径335mm、内径2
80mmのリング状金型に充填し、500MPa の圧力を適
用して圧粉成形して、内径280mm、厚さ1.5mmの円
板成形体を得た。ついで、各成形体を外径340mmの鉄
芯板の両面に当接した状態で所定の加圧力を付与しなが
らH2 ガス雰囲気下で所定温度に加熱して加圧焼結を施
した。得られた焼結材料を平面研削加工し、更に油溝と
して螺旋溝および放射溝(中心から外側に両面で38本)
を加工形成して湿式摩擦材を得た。
【0022】得られた各摩擦材(焼結体)の開気孔率お
よび抗折力を測定し、原料組成および焼結条件と併せて
表1に示した。なお、開気孔率の測定は真空中で焼結体
に水を含浸させ、その含浸量から算出した。また、抗折
力の測定は焼結体から幅15mm、長さ35mmの試片を切
り出し、25mmのスパンによる3点曲げ法(試験速度2
mm/minによる破壊荷重測定)によった。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から、実施例による摩擦材は高
い開気孔率と実用上十分な材質強度がバランスよく付与
されていることが認められる。これに対し、籾殻粉配合
量が2重量%未満の比較例1、2では材質強度は高いも
のの開気孔率が低く、また籾殻粉配合量が8重量%を越
える比較例3、4では開気孔率は高くなるが、材質強度
が低下する結果を示した。
【0025】次に、上記の各摩擦材につき、下記の条件
で慣性型試験機により湿式摩擦試験をおこない、限界状
況となった時点の限界数値および摩擦係数を籾殻粉配合
量と対比したグラフとして図1および図2に示した。
【0026】湿式摩擦試験条件;摩擦板(摩擦面積292.
2cm2、有効半径0.1550m)を各3枚用い、相手材としてS
45Cを4枚使って交互に組み合わせて摩擦面数6面と
した。慣性モーメントを10.5kgfms2、係合い面圧を
20kgf/cm2 にそれぞれ設定し、周速を6.5m/s から
0.8m/s づつ上昇してトルク波形の異常などの限界状
況が発生するまで摩擦試験をおこなった。潤滑油にはエ
ンジン油〔三菱石油(株)製、SAE#30〕を用い、油温7
0℃、供給油量20ml/cm2.minとした。なお、周速は焼
付きが発生した時点の周速で、数値が大きいほど高負荷
条件で使用できることを示す。限界数値はエネルギー吸
収量を見掛け上の摩擦面積当たりの慣性体の回転運動エ
ネルギーで示し、エネルギー吸収量を停止時間で除した
エネルギー吸収工率の値で示した場合に〔エネルギー吸
収量(kgfm/cm2)×エネルギー吸収工率(kgfm/cm2/s)〕で
算出した値であり、焼付き発生時の負荷に相当する。し
たがって、限界数値が大きいほど焼付きなしに高負荷条
件で使用し得ることを示す。また、摩擦係数は周速10
m/s 時のトルクから〔μ=T/P×Z×R〕式(但し、
Tはトルク、Pは総押付け力、Zは摩擦面数、Rは有効
半径)で算出した値で、大きいほど摩擦特性に優れてい
ることを示すものである。
【0027】図1および図2の結果から、籾殻粉の配合
量が2〜8重量%範囲で製造された摩擦材は、限界数値
が1000kgfm/cm2×kgfm/cm2/s) を越え、摩擦係数も
0.12以上の高い値を示している。しかし、籾殻粉の
配合量が2重量%未満の場合には限界数値、摩擦係数と
もに極端に低下し、また籾殻粉が8重量%を越えると限
界数値が激減し、9重量%の配合時には摩擦ライニング
の摩耗量が限界に達する。
【0028】比較例5〜7 実施例1、4および6の原料組成において、籾殻粉に替
えて鋸粉(200# 以下)を配合し、その他の条件は実施例
と同一条件により摩擦材を製造した。得られた各摩擦材
の開気孔率と抗折力を測定し、その結果を表2に示し
た。また、鋸粉配合量と限界数値との関係グラフを図3
に、鋸粉配合量と摩擦係数の関係グラフを図4に示し
た。
【0029】比較例8〜10 実施例1、4および6の原料組成において、籾殻粉に替
えてアクリル繊維粉(繊維径20μm 、長さ2mmのチョッ
プ)を配合し、その他の条件は実施例と同一条件により
摩擦材を製造した。得られた各摩擦材の開気孔率と抗折
力を測定し、結果を表2に併載した。また、アクリル繊
維粉の配合量と限界数値との関係グラフを図3に、同様
に摩擦係数との関係グラフを図4に併せて示した。
【0030】比較例11〜13 実施例1、4および6の原料組成において、籾殻粉に替
えてメソフェーズピッチ粉(平均粒子径10μm)を配合
し、その他の条件は実施例と同一条件により摩擦材を製
造した。得られた各摩擦材の開気孔率と抗折力を測定
し、結果を表2に併載した。また、メソフェーズピッチ
粉の配合量と限界数値との関係グラフを図3に、同様に
摩擦係数との関係グラフを図4に併せて示した。
【0031】比較例14〜16 実施例1、4および6の原料組成において、籾殻粉に替
えて珪藻土粉(平均粒径15μm)を配合し、その他の条件
は実施例と同一条件により摩擦材を製造した。得られた
各摩擦材の開気孔率と抗折力を測定し、結果を表2に併
載した。また、珪藻土粉の配合量と限界数値との関係グ
ラフを図3に、同等に摩擦係数との関係グラフを図4に
併せて示した。
【0032】
【表2】
【0033】表2、図3および図4の結果を考察して明
らかなとおり、籾殻粉以外の気孔率付与添加材を配合し
た比較例5〜16の摩擦材は、開気孔率および材質強度
は実施例品と同等の値を示したが、限界数値と摩擦係数
のいずれかが低い値を示し、籾殻粉配合時のように両特
性を高水準域でバランスよく満たすことができなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば特定配合
比率のSn粉、SiO2 粉、黒鉛粉および籾殻粉、必要
に応じてZn粉を添加した組成からなる混合原料を選択
し、これを圧粉成形および加圧焼結することにより、実
用強度を保持しながら優れたエネルギー吸収能ならびに
高摩擦性能をバランスよく兼備する青銅系湿式摩擦材を
効率よく製造することが可能となる。したがって、高性
能が要求されるブレーキバッドあるいはクラッチフェー
シングの製造技術として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜7、比較例1〜4の摩擦材における
籾殻粉配合量と限界数値との関係を示したグラフであ
る。
【図2】実施例1〜7、比較例1〜4の摩擦材における
籾殻粉配合量と摩擦係数との関係を示したグラフであ
る。
【図3】比較例5〜16の各摩擦材における添加物量と
限界数値との関係を示したグラフである。
【図4】比較例5〜16の各摩擦材における添加物量と
摩擦係数との関係を示したグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sn粉2〜8重量%、SiO2 粉2〜1
    0重量%、黒鉛粉18〜33重量%、籾殻粉2〜8重量
    %、残部が電解銅粉からなる組成の混合原料を圧粉成形
    し、成形体を芯材に当接した状態で還元性もしくは不活
    性雰囲気中で温度750〜850℃、圧力1〜10MPa
    の条件により加圧焼結することを特徴とする青銅系湿式
    摩擦材の製造方法。
  2. 【請求項2】 混合原料に、Zn粉8重量%以下を配合
    する請求項1記載の青銅系湿式摩擦材の製造方法。
  3. 【請求項3】 籾殻粉の粒度が、200メッシュ以下で
    ある請求項1記載の青銅系湿式摩擦材の製造方法。
  4. 【請求項4】 黒鉛粉が、平均粒径20〜60μm で粒
    子径5〜100μmの粒分が90重量%以上の粒子性状
    を有し、かつ黒鉛結晶面間C0 の層間距離が0.672
    nm以下の高結晶質黒鉛である請求項1記載の青銅系湿式
    摩擦材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09112609A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Tokyo Yogyo Co Ltd クレーンモートル用ブレーキライニング材
JPH09112610A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Tokyo Yogyo Co Ltd 傾動モートル用ブレーキライニング材
JPH09112611A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Tokyo Yogyo Co Ltd コンベアー用ブレーキライニング材
JPH09269026A (ja) * 1996-03-29 1997-10-14 Honda Motor Co Ltd 焼結摩擦材

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