JPH07149679A - 臭化パーフルオロアルキルの製造方法 - Google Patents

臭化パーフルオロアルキルの製造方法

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JPH07149679A
JPH07149679A JP6219730A JP21973094A JPH07149679A JP H07149679 A JPH07149679 A JP H07149679A JP 6219730 A JP6219730 A JP 6219730A JP 21973094 A JP21973094 A JP 21973094A JP H07149679 A JPH07149679 A JP H07149679A
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    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
    • C07C17/20Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms
    • C07C17/202Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 10個以上の炭素原子を含有するヨウ化パーフ
ルオロアルキルの気相中での熱臭素化により常態で固体
の臭化パーフルオロアルキルを製造する方法において、
前記臭素化を、常態で液体の臭化パーフルオロアルキル
の存在下で行うことを特徴とする方法。 【効果】 後処理操作(ヨウ素の還元、分離、中和/洗
浄など)を室温で行うことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臭化パーフルオロアル
キルの製造方法に関し、さらに詳しくは、室温で固体の
臭化パーフルオロアルキル、即ち、直鎖状又は分岐鎖状
のパーフルオロアルキル基Cn 2n+1が10個以上の炭素
原子を含有する臭化パーフルオロアルキルの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ラジオパク(radiopaques )(X線の造
影剤)として、あるいは代用血液中の酸素運搬体として
医療分野におけるそれらの開発が有望視されているため
に、臭化パーフルオロアルキルは、近年、パーフルオロ
アルキルスルホクロリド RFSO2 Cl(EP 0,298,870および
0,429,331 )、ヨウ化パーフルオロアルキル RFI (JP8
5-184033 、EP 0,428,039、EP 0,450,584、EP 0,515,25
8およびEP 0,519,808)、あるいは水素化パーフルオロア
ルカン RFH (US 3,456,024およびEP 0,549,387 )から
のそれらの合成、並びにそれらの精製(EP 0,513,783)
に関する多数の特許の対象になっている。これらの特許
に記載されている方法は、室温で液体の臭化パーフルオ
ロアルキルの製造、特に臭化n-パーフルオロオクチル C
8F17Br(略号PFOBで知られている) の製造を本質的に目
標としている。
【0003】これらの公知の方法の中で、臭化パーフル
オロアルキルを得るための最も直接的なルートは、明ら
かに、工業的量において利用可能である対応するヨウ化
物 R FI の気相中での熱臭素化からなるEP特許0,450,584
および0,515,258 に記載されたルートである。臭化パ
ーフルオロアルキル製造用の工業設備は、反応器の下流
に、副生物のヨウ素を回収すること、およびヨウ素の還
元、中和、分離、中和/洗浄等のような単位操作によっ
て臭化パーフルオロアルキルを単離することを可能にす
る種々の装置を含まなければならない。
【0004】目的の臭化パーフルオロアルキルが室温で
液体である場合、特に融点が6℃であるPFOBである場
合、これらの種々の装置は、トレースしたり二重の加熱
ジャケットを持つ必要はないのでかなり単純で安価な器
具である。
【0005】PFOBのような液体の臭化物の製造用装置と
して設計された工業設備は、かなりの投資と改良なしで
は臭化パーフルオロデシル(以下、PFDBという) のよう
な固体の臭化物の製造には使用することができない。臭
化パーフルオロデシルは融点が55℃であり、出発原料で
あるヨウ化パーフルオロデシルは融点が65℃であり、い
ずれも室温で固体である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、ヨウ素の還元、中和、分離、中和/洗浄等の後処理
操作を室温で行うことができる常態では固体の臭化パー
フルオロアルキルの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】今やこの課題は、常態で
は液体の臭化パーフルオロアルキルの存在下でヨウ化パ
ーフルオロアルキルの熱臭素化を行って常態では固体の
臭化物へ導くことにより解決し得ることがわかった。従
って、種々の精製操作中や最終的な蒸留段階に至るま
で、常態で固体の臭化物は室温で輸送可能な液体の状態
で存在する。
【0008】かくして、10個以上の炭素原子を含有する
ヨウ化パーフルオロアルキルの気相中での熱臭素化によ
る常態で固体の臭化パーフルオロアルキルの本発明によ
る製造方法は、臭素化を常態で液体の臭化パーフルオロ
アルキルの存在下で行うことを特徴としている。
【0009】“常態で固体”及び“常態で液体”という
表現において、“常態”という用語は、大気圧下の室温
を意味することは言うまでもない。
【0010】常態で液体の臭化パーフルオロアルキルと
して、4〜8個の炭素原子を含有する臭化物ならいずれ
も使用することができるが、工業的には、好ましくは臭
化パーフルオロヘキシルを使用し、更に好ましくは臭化
パーフルオロオクチルを使用する。
【0011】常態で液体の臭化パーフルオロアルキルの
使用量は、広い範囲内でいろいろ変えることができ、本
質的には用いる液体の臭化物と製造しようとする固体の
臭化物のそれぞれの溶解度に依存する。この量は、本発
明によると、全ての後処理段階(ヨウ素の還元、分離、
洗浄等)を通じて、製造される臭化物を溶解状態に保持
するのに十分な量でなければならない。PFOBの存在下で
ヨウ化パーフルオロデシルからPFDBを製造する場合、最
初の C10F21I /PFOB重量比は、単に指標としては0.01
〜1.5 の範囲で、好ましくは 0.1〜1の範囲でありう
る。
【0012】10個以上の炭素原子を含有する固体のヨウ
化パーフルオロアルキル(以下、 R FI という)の臭素
化反応は、従来技術の場合と同様に、管状の反応器中で
200〜550 ℃、好ましくは 350〜450 ℃の範囲の温度で
行うことができる。臭素と、液体の臭化物中に RFI を
溶解した溶液とは、反応器に別々に供給してもよい。し
かしながら、常態で液体の臭化パーフルオロアルキル中
に臭素と RFI を溶解した単一の溶液を反応器に供給す
るのが好ましい。これにより、たった1回の供給で臭素
化を行うことが可能となり、一定のBr2 / RFI モル比
を確保することが可能となり、偶発的な運転停止や供給
ポンプの誤調整の場合にきわめて有毒なパーフルオロイ
ソブチレンが生成する危険性を避けることが可能とな
る。
【0013】Br2 / RFI モル比は、 0.4〜2の範囲、
好ましくは 0.5〜0.8 の範囲でありうる。
【0014】気相中での RFI と臭素の反応は非常に速
いので、接触時間、即ち、反応器中での反応物の滞留時
間は、重大なパラメーターではない。1秒から2分の間
の接触時間で、一般的にうまくゆくが、工業的には5〜
60秒の範囲の接触時間で臭素化を行うのが好ましい。
【0015】反応器は、ガラス、石英またはインコネル
600 製の空の管でよいが、場合により気体同士の接触を
促進するために固体の不活性基体(例えば、ガラスまた
は石英)を含んでもよい。必ずしも必要ではないが、臭
素化を、不活性ガス、例えば、窒素の存在下で行うこと
もできる。
【0016】工業的には大気圧で臭素化を行うのが好ま
しいが、もし反応系が気体状態に維持されるならば大気
圧よりも僅かに低いかあるいは大気圧よりも高い圧力で
操作することも本発明の範囲内に含まれるだろう。
【0017】反応器の出口で約 150〜250 ℃の温度まで
冷却した後、生成したヨウ素及び存在する可能性のある
臭素 (未反応のBr2 ) を還元するのに十分な量の、例え
ば、亜硫酸ナトリウムのような還元剤の水溶液で40℃以
下の温度で気体を処理する。室温で分離した後、下方の
有機相をアルカリ性試薬の水溶液で中和し、次に、再び
分離して、大気圧で、あるいは減圧で蒸留する。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はそれに制限されない。実施例1 臭化パーフルオロオクチルC8 17Br 3021g、ヨウ化
パーフルオロデシルC 1021I 3021g及び臭素 434g
からなる均一混合物を調製し、25〜40℃の温度で保持し
た。
【0019】次に、この混合物を以下の作業条件下で操
作する3リットルのパイレックス反応器に、2時間かけ
て導入した。 −温度: 400±10℃ −接触時間:約30秒 −Br2 /C1021I モル比=0.58
【0020】冷却後、前記反応器から出てくる気体を、
35〜40℃で18%亜硫酸ナトリウム水溶液2667gにより処
理した。室温で分離して2つの相が得られた: − 上方の水相は、臭素及びヨウ素イオンの含有量を測
定するために銀滴定により分析した(Br- =0.78当量、
及びI- =4.62当量) − 下方の有機相は、20℃で2N水酸化ナトリウム水溶
液 400gを用いて洗浄後、重量が5808gであり、ヒュー
レットパッカード(HewlettPackard )5890装置( FID
検出器、60mキャピラリーDB1カラム)での気相クロ
マトグラフィーによる分析が以下の重量組成: C8 17Br:50.54 % C1021Br:48.63 % C1021I: 0.37 % を示した。これは、99%以上のC1021Iの転化率に相
当し、99.5%以上のC1021Brへの選択率に相当する。
【0021】前記有機相を17段のケラパク(Kerapak )
塔で蒸留したところ、臭化パーフルオロデシル(純度≧
99.9%)が得られた。
【0022】実施例28 17Br 4903g、C1021I 1226g及び臭素 187
gからなる混合物、即ち、Br2 /C1021Iモル比が0.
62の混合物を用いて実施例1と同様にして反応を行っ
た。以下のような結果が得られた:水相 :Br- =0.46当量 I- =1.89当量有機相 (6003g) C8 17Br:80.10 % C1021Br:19.30 % C1021I: 0.06 % これは、99%以上のC1021Iの転化率に相当し、99.5
%以上のC1021Brへの選択率に相当する。
【0023】実施例3 臭化パーフルオロオクチルを臭化パーフルオロヘキシル
6 13Brに取り替えた以外は実施例1と同様にして反
応を行った。C6 13Br 2653g、C1021I2653 g
及び臭素 390gからなる混合物、即ち、Br2 /C1021
Iモル比が0.59の混合物を使用した。
【0024】水相及び有機相の分析結果は以下のとおり
である:水相 :Br- =0.77当量 I- =4.07当量有機相 (5088g) C6 13Br:51.30 % C1021Br:48.10 % C1021I: 0.25 %
【0025】実施例1及び2の場合と同様に、C1021
Iの転化率は99%以上であり、C1021Brに対する選択
率は99.5%以上である。
【0026】
【発明の効果】本発明の常態で固体の臭化パーフルオロ
アルキルの製造方法によれば、種々の精製操作中や最終
的な蒸留段階に至るまで、常態で固体の臭化物は室温で
輸送可能な液体の状態で存在する。従って、後処理操作
(ヨウ素の還元、分離、中和/洗浄など)を室温で行う
ことが可能になる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10個以上の炭素原子を含有するヨウ化パ
    ーフルオロアルキルの気相中での熱臭素化により常態で
    は固体の臭化パーフルオロアルキルを製造する方法にお
    いて、 前記臭素化を、2種類の臭化物からなる混合物を室温で
    液状とするのに十分な量の常態で液体の臭化パーフルオ
    ロアルキルの存在下で行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 常態で液体の臭化パーフルオロアルキル
    が臭化パーフルオロヘキシル又は臭化パーフルオロオク
    チルである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 Br2 /ヨウ化パーフルオロアルキルのモ
    ル比が 0.4〜2、好ましくは 0.5〜0.8 である請求項1
    又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応器に臭素、ヨウ化パーフルオロアル
    キル及び常態で液体の臭化パーフルオロアルキルからな
    る均一の混合物を供給する請求項1〜3のうちのいずれ
    か1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 臭化パーフルオロオクチルC8 17 Br
    の存在下でヨウ化パーフルオロデシルC1021Iから臭
    化パーフルオロデシルを製造するにあたり、最初のC10
    21I/C8 17 Br 重量比を0.01〜1.5 、好ましくは
    0.1〜1とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方
    法。
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