JPH0714948B2 - イソカルバサイクリン類の製法 - Google Patents

イソカルバサイクリン類の製法

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JPH0714948B2
JPH0714948B2 JP21911786A JP21911786A JPH0714948B2 JP H0714948 B2 JPH0714948 B2 JP H0714948B2 JP 21911786 A JP21911786 A JP 21911786A JP 21911786 A JP21911786 A JP 21911786A JP H0714948 B2 JPH0714948 B2 JP H0714948B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <技術分野> 本発明はイソカルバサイクリン類の製法に関する。さら
に詳細には9−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒド
ロPGE2類から新規なシリル化カルバサイクリン類を経由
してイソカルバサイクリン類を方法に関する。
<技術背景> カルバサイクリンは生体内生理活性物質であるプロスタ
グランジン(PGと略記することがある)I2(PGI2)の6,
9−位の酸素原子がメチレン基で置換されたプロスタグ
ランジンI2類縁体であり、分子内にエノールエーテルの
部分構造を有する天然のプロスタグランジンI2に比較し
て化学的に安定であるために抗血栓剤等の医薬品として
有用な化合物である。近年、カルバサイクリンの二重結
合異性体の一種であるイソカルバサイクリン,すなわち
9(0)−メタノ−△6(9d)−プロスタグランジンI1
がこの同族体の中でも最も強い血小板凝集抑制作用を示
すことが発見され、医薬品としての応用が期待されるよ
うになった[池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetr
ahedron Letters),33,3493及び3497(1983)ならび
に特開昭59−137445号および59−210044号参照参照]。
従来、かかる9(0)−メタノ−△6(9d)−プロスタグ
ランジンI1(イソカルバサイクリン)の製法に関しては
数例知られており、その方法の概要と用いられた鍵合成
中間体、および報告書をまとめて例記すると (1) 池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetraher
on Letters),24,3493(1983)およびケミストリー・
レターズ(Chemistry Letters)1984,1069: (2) 池上ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahed
ron Letters),24,3497(1983): (3) 池上ら、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソ
サイエティー,ケミカル・コミュニケーション(J.Che
m.Soc.,Chemical Communications),1984,1602: (4) 柴崎ら、テトラヘドロン・レタース(Tetrahed
ron Letters),25,5087(1984):ケミストリーレタ
ーズ(Chem.Letters)579(1984): (5) 柴崎ら、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahed
ron Letters),25,1067(1984)および特開昭:60−94
934号: (6) 小島ら、ケミカル・アンド・ファーマシューテ
ィカル・ブレテイン(Chem.Pharm.Bull),32,2866(19
84): (7) 小島ら、特開昭60−28943号: (8) 坂内ら、日本薬学会第106年会講演要旨集p379
(1986): (9) 羽里ら、日本薬学会第106年会講演要旨集p379
(1986): (10) 岡村ら、日本薬学会第106年会講演要旨集p380
(1986): の10方法がある。
これら10種類の方法のうち、方法(1)と方法(5)は
PGE2を出発原料とし、数工程を経て鍵中間体に導き、さ
らに数工程を経て目的物のイソカルバサイクリンを得る
もので工業的な製法とはいいがたい。また、方法(2)
と方法(3)は、いずれも、対応する出発原料,および
鍵中間体を得るために高価なコーリーラクトンから多段
階の工程を要し、通算収率も高くなく、必ずしも工業的
に有利な方法とはいえないという難点がある。なお方法
(6)および方法(7)は最終生成物がdl体でしか得ら
れず医薬品化を意図する製法としては論外の方法であ
る。方法(4)はその出発原料が本発明者らの方法によ
り光学活性な(R)−4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノンから容易に得られるばかりでなく(特開昭57−15
5116号公報参照)、その出発原料から鍵中間体への誘導
も工業的に何ら問題なく製造できる方法である。しか
し、鍵中間体から最終のイソカルバサイクリン類へ到る
工程において、有機水銀化合物の使用や、位置特異性の
喪失、さらには分離不可能の副生成物の混入等の数々の
難点のために全収率が低くなり実用的,工業的製造法と
はなり難いという大きな難点がある。また方法(8)は
鍵中間体からのイソカルバサイクリンの誘導は最も有利
であり実用性が高いが、出発原料からの鍵中間体の工程
数が比較的長いという難点がある。方法(9)は生成物
であるイソカルバサイクリン製造時にカルバサイクリン
が副生するという欠点がある。また方法(10)は出発原
料から最も短い工程数でイソカルバサイクリンを製造し
うるものであるが収率が低く、工業的に満足しうる方法
とはいえない。
<発明の目的> 本発明の目的はイソカルバサイクリン類の工業的な製造
を可能とする新規な製法を提供することにある。(尚、
本明細書中、化合物の命名は原則的にPG命名法によ
る。) <発明の構成および効果> 本発明者らは上述した諸点に着目し、上記目的にあった
9(0)−メタノ−△6(9d)−プロスタグランジンI2
(イソカルバサイクリン類)の実用的な新規製造法を見
出すべく鋭意研究した結果、本発明に到達したものであ
る。すなわち本発明は、 (1) 下記式[I] で表わされる化合物,その鏡像体又はそれらの任意の割
合の混合物であるシリル化カルバサイクリン類を酸で処
理し、必要により脱保護反応,加水分解反応および/又
は塩生成反応に付することを特徴とする下記式[II] で表わされる化合物,その鏡像体或いはそれらの任意の
割合の混合物であるイソカルバサイクリン類の製法であ
り、好ましくは (2) 当該シリル化カルバサイクリン類が、下記式
[III] で表わされる化合物、その鏡像体或いはそれらの任意の
割合の混合物である9−置換−5,6−デヒドロPGE2
を、トリ−n−ブチル錫ヒドリドとt−ブチルペルオキ
シドとの存在下に反応せしめて得られたものである、上
記第1項記載のイソカルバサイクリン類の製法であり、
更に好ましくは、 (3) 当該9−置換−5,6−デヒドロPGE2類が、下記
式[IV] で表わされ9−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒド
ロPGE2類に、下記式[Va]又は[Vb] で表わされるリチウム化合物を反応せしめ、次いで二硫
化炭素で処理した後、下記式[VI] で表わされるハロゲン化合物と反応せしめて得られたも
のである上記第(2)項記載のイソカルバサイクリン類
の製法である。
従って、本発明方法の最も好ましい態様としては、 下記式[VI] で表わされ9−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒド
ロPGE2類に、下記式[Va]又は[Vb] R1R2R3SiLi ……[Va] (R1R2R3Si)q(L)2-qCLi ……[Vb] で表わされるリチウム化合物を反応せしめ、次いで二硫
化炭素で処理した後、下記式[VI] R9X ……[VI] で表わされるハロゲン化合物と反応せしめ、下記式[II
I] で表わされる化合物,その鏡像体或いはそれらの任意の
割合の混合物である9−置換−5,6−デヒドロPGE2類を
得、これをトリ−n−ブチル錫ヒドリドとt−ブチルペ
ルオキシドとの存在下に反応しせめ、下記式[I] で表わされる化合物,その鏡像体又はそれらの任意の割
合の混合物であるシリル化カルバサイクリン類を得、こ
れを酸で処理し、必要により脱保護反応,加水分解反応
および/又は塩生成反応に付することを特徴とする下記
式[II] で表わされる化合物,その鏡像体或いはそれらの任意の
割合の混合物であるイソカルバサイクリン類の製法とし
て表現できる[尚、上記各式中R1,R2,R3,R4,R5,R6a,R
6b,R7,R71,R8,R81,R9,n,,X,q及びLについては前記定
義の通りである。]。
本発明において好ましい第1段出発原料として用いられ
る上記式[IV]で代表される(上記式[IV]の立体化学
構造式で表わされる化合物およびその鏡像体あるいそれ
らの任意の割合の混合物を示し、以下の「代表される」
の表現も同義である)9−デオキシ−9−ホルミル−5,
6−デヒドロPGE2類は上述した池上らの方法[池上ら;
ケミストリーレターズ(chemistory Letters),1069,1
984]の方法を9−デオキシ−9−メチレン−5,6−デヒ
ドロPGE2類に応用することにより容易に製造される。9
−デオキシ−9−メチレン−5,6−デヒドロPGE2類の一
部は既知化合物であり、ジー,エル,バンディー(G,L,
Bundy)らの方法[USP4144253,同4098805,同4118584
(特開昭53−135957号),同4130720,同4166187各号明
細書参照]により合成される。すなわち5,6−デヒドロP
GE2類の9位のカルボニル基のメチレン化によって9−
デオキシ−9−メチレン−5,6−デヒドロPGE2類を製造
することが出来る。
上記式[IV]においてR6aは水素原子又はまたは−(C
H2)m−R61を表わす。ここでmは0〜6の整数を表わ
し、R61は水素原子,4−メチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ[2.2.2]オクト−1−イル基もしくはC1〜C6の飽
和または不飽和炭化水素エステル基である。C1〜C6の飽
和または不飽和エステル基としては で表わしたときのRがメチル,エチル,プロピル,イソ
プロピル,ブチル,t−ブチル,ペンチル,ヘキシル,2−
プロペニル,2−ブテニル,5−ヘキセニル,フェニル基等
が挙げられ、特にメチル,エチル,2−プロペニルが好ま
しい。
また上記式[IV]においてR71およびR81は同一もしくは
異なり、トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基または自分が
結合している酸素原子とともにアセタール結合を形成す
る基を表わす。
トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基としては、例えば、ト
リメチルシリル基,トリエチルシリル基,トリイソプロ
ピルシリル基,t−ブチルジメチルシリル基のようなトリ
(C1〜C4)アルキルシリル基,t−ブチルジフェニルシリ
ル基のようなジフェニル(C1〜C4)アルキルシリル基,
ジメチルフェニル基のようなジ(C1〜C4)アルキルフェ
ニル基,またはトリベンジルシリル基などを好ましいも
のとして挙げることができる。なかでもトリ(C1〜C4
アルキルシリル,ジフェニル(C1〜C4)アルキルシリ
ル,フェニルジ(C1〜C4)アルキルシリル基が好まし
く、とりわけt−ブチルジメチルシリル基,トリメチル
シリル基が好ましい。
自分が結合して酸素原子(即ち水酸基に由来する酸素原
子)と共にアセタール結合を形成する基としては、例え
ば、メトキシメチル基,1−エトキシエチル基,2−メトキ
シ−2−プロピル基,2−エトキシ−2−プロピル基,
(2−メトキシエトキシ)メチル基,ベンジルオキシメ
チル基,2−テトラヒドロピラニル基,2−テトラヒドロフ
ラニル基,または6,6−ジメチル−3−オキサ−2−オ
キソビシクロ[3.1.0]ヘキス−4−イル基を挙げるこ
とができる。2−テトラヒドロビラニル,2−テトラヒド
ロフラニル,1−エトキシエチル,2−エトキシ−2−プロ
ピル,(2−メトキシエトキシ)メチル,6,6−ジメチル
−3−オキサ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキス−
4−イルが特に好ましい。ながでも2−テトラヒドロピ
ラニルが特に好ましい。
これらのシリル基およびアセタール結合を形成する基は
水酸基の保護基であると理解されるべきである。これら
の保護基は最終生成物の段階で弱酸性から中性の条件で
容易に除去されて、薬剤として有用な遊離の水酸基とす
ることができる。したがってこのような性状を有してい
る水酸基の保護基はシリル基やアセタール結合を形成す
る基の変わりとして使用することができる。
上記式[IV]においてはR4は水素原子,メチル基,また
ビニル基を表わす。
上記式[IV]においてR5は酸素原子を含んでいてもよい
直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9アルキル基,アルケニル基も
しくはアルキニル基;置換もしくは非置換のフェニル
基;置換もしくは非置換のフェノキシ基;置換もしくは
非置換のC3〜C10シクロアルキル基;またはC1〜C6アル
コキシ基,置換されていてもよいフェニル基,置換され
ていてもよいフェノキシ基もしくは置換されていてもよ
いC3〜C10シクロアルキル基で置換されている直鎖もし
くは分枝鎖C1〜C5アルキル基を表わす。
酸素を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9アル
キル基としては2−メトキシエチル基,2−エトキシエチ
ル基,プロピル基,ブチル基,ペンシル基,2−メチル−
2−ヘキシル基,2−メチルブチル基,2−メチルペンチル
基,2−メチルヘキシル基,2,2−ジメチルヘキシル基など
を挙げることができる。ブチル基,ペンチル基,ヘキシ
ル基,ヘプチル基,2−ヘキシル基,2−メチル−2−ヘキ
シル基,2−メチルブチル基,2−メチルペンチル基が好ま
しい。
酸素原子を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9
アルケニル基としては、例えば、1−ブチルビニル,2−
プロピルアリル,2−ペンテニル,4−ペンテニル,2−メチ
ル−3−ペンテニル,4−ヘキセニル,1,4−ジメチル−3
−ペンテニル,5−ヘプテニル,1−メチル−5−ヘキセニ
ル,6−メチル−5−ヘプテニル,2,6−ジメチル−5−ヘ
プテニルなどが好ましい。
酸素原子を含んでいてもよい直鎖もしくは分枝鎖C3〜C9
アルキル基としては、例えば、2−ブチニル,2−ペンチ
ニル,3−ペンチニル,1−メチル−2−ペンチニル,1−メ
チル−3−ペンチニルが好ましい。
置換フェニル基,置換フェノキシ基,もしくはC3〜C10
の置換シクロアルキル基の置換基としては、例えばハロ
ゲン原子,保護された水素基(例えばシリルオキシ基,C
1〜C6アルコキシ基など)、C1〜C4アルキル基などが挙
げられる。
C3〜C10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロ
プロピル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シ
クロヘキセニル基,シクロヘプチル基,シクロオクチル
基,シクロデシル基などを挙げることができる。シクロ
ペンチル基,シクロヘキシル基が好ましい。
C1〜C6アルコキシ基,置換されていてもよいフェニル
基,置換されていてもよいフェニキシ基,もしくは置換
されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基で置換され
ている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C5アルキル基において、
C1〜C6アルコキシ基としては、例えばメトキシ基,エト
キシ基,プロピルオキシ基,イソプロピルオキシ基,ブ
トキシ基,t−ブトキン基,ヘキシルオキシ基なでが挙げ
られる。置換されていてもよいフェニル基,置換されて
いてもよいフェノキシ基,もしくは置換されていてもよ
いC3〜C10シクロアルキル基の置換基およびC3〜C10シク
ロアルキル基としては前述の例示と同じものを挙げるこ
とができる。直鎖もしくは分枝鎖C1〜C5アルキル基とし
ては、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,イソ
プロピル基,ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,t
−ブチル基,ペンチル基なとを挙げることができる。か
かるR5としてはブチル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチ
ル,2−ヘキシル,2−メチル−2−ヘキシル,2−メチルブ
チル,2−メチルペンチル,シクロペンチル,シクロヘキ
シル,フェニル,フェノキシ,シクロペンチルメチル,
シクロヘキシルメチル基などを好ましいものとして挙げ
ることができる。なお、置換基はその任意の位置に結合
していてもよい。
上記式[IV]においてnは0または1を表わす。また上
記式[IV]で表わされる化合物においてシクロペンタン
環上及び側鎖上に、結合している置換基の結合している
炭素は不斉な環境のために立体異性体が存在するが本発
明ではいずれの立体異性体をも含むものであり、またこ
れらの任意の割合の立体異性混合物でもさしつかえな
い。また、式で代表される化合物とはこれらの立体異性
体すべて、およびそれらの異性体の任意の割合の混合物
をあらわすが、式であわらされた立体構造を有する化合
物が最も好ましいものとしてあげられる。
本発明において用いられる上記式[IV]で代表される9
−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒドロPGE2類の好
ましい具体例を列挙すると (I) n=0,m=3である化合物の具体例 (101) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
PGE2 (102) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−15−メチル−PGE2 (103) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−16,16−ジメチル−PGE2 (104) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−17,20−ジメチル−PGE2 (105) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−18,19,20−トリノル−17−エトキシPGE2 (106) 5,6−デヒドロ−17,18−デヒドロ−9−デオ
キシ−9−ホルミルPGE2 (107) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−17−メチル−19,20−ジノル−18−(1−プロピニ
ル)PGE2 (108) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−17−メチル−20−イソプロピリデンPGE2 (109) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−17,18,19,20−テトラノル−16−フェノキシGE2 (109) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−17,18,19,20−テトラノル−16−m−クロロフェノキ
シPGE2 (110) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−m−トリフルオロ
フェニルPGE2 (111) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシルPG
E2 (112) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シクロペンチルPG
E2 (113) 5,6−デヒドロ−9−デオキシ−9−ホルミル
−17,18,19,20−テトラノル−16−シクロヘキシルPGE2
等(101)〜(113)の11,15−ビス−t−ブチルジメチ
ルシリルエーテル メチルエステル (114) (101)〜(113)の11,15−ビス−t−ブチル
ジメチルシリルエーテル エチルエステル (115) (101)〜(113)の11,15−ビス−t−ブチル
ジメチルシリルエーテル 2−プロペニルエステル (116) (101)〜(113)の11,15−ビス−t−ブチル
ジメチルシリルエーテルのカルボン酸の橋かけオルトエ
ステル (117) (101)〜(116)の11,15−ビス−t−ブチル
ジメチルシリルエーテルがテトラヒドロピラニルエーテ
ルとなった化合物 (II)n=1,m=3である化合物の具体例 (201) 5,6−デヒドロ−9,15−ジデオキシ−9−ホル
ミル−16−ヒドロキシPGE2 (202) 5,6−デヒドロ−9,15−ジデオキシ−9−ホル
ミル−16−ヒドロキシ−16−メチルGE2 (203) 5,6−デヒドロ−9,15−ジデオキシ−9−ホル
ミル−16−ヒドロキシ−16−ビニルPGE2 等(201)〜(203)の11−t−ブチルジメチルシリル−
16−トリメチルシリルエーテル メチルエステル (204) (201)〜(203)のエチルエステル (205) (201)〜(204)の2−プロペニルエステル (206) (201)〜(204)のカルボン酸の橋かオルト
エステル (207) (201)〜(206)の11−t−ブチルジメチル
シリルエーテルがテトラヒドロピラニルエーテルとなっ
た化合物 (III)n=0,R6=水素原子である化合物の具体例 (301) (101)〜(113),(117),(201)〜(20
3),(207)である5,6−デヒドロPGE2類の1,2,3,4−テ
トラノル体 等が挙げられる。
本発明方法の第1工程では上述した上記式[IV]で代表
される9−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒドロPGE
2類は有機媒体中で上記式[Va]又は[Vb]で表わされ
るリチウム化合物と反応せしめることから開始される。
上記式[Va]においてR1,R2,R3は同一もしくは異なり、
C1〜C7炭化水素基を表わし、例えばメチル,エチル,プ
ロピル,ブチル,t−ブチル,フェニル,トリル基が挙げ
られ、とくにメチル,t−ブチル,フェニル基が好まし
い。例えば上記リチウム化合物の具体例として最も好ま
しいものはジメチルフェニルシリルリチウムまたはビス
(ジメチルフェニル)銅リチウムを挙げることが出来
る。これら上記リチウム化合物の使用量は式[IV]の9
−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒドロGE2類1モル
に対して0.8〜5倍,好ましくは0.9〜3モル倍である。
反応をスムーズに進行させるための有機媒体としては上
記リチウム化合物に対して不活性の媒体,例えばエチル
エーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテ
ル類,ペンタン,ヘキサン等の炭化水素類またはこれら
の任意の混合物が用いられ、好ましくはテトラヒドロフ
ランが用いられる。反応温度は−100℃〜0℃,好まし
くは−78℃〜−40℃で実施され、反応時間は通常は、約
5分〜30分程度で十分である。反応後、反応液に極性媒
体例えばヘキサメチルホスホリック トリアミド(HMP
A)または1,3ジメチル−2−イミダゾリン(DMI)を先
に用いた原料[IV]の約1〜20モル倍好ましくは5〜10
倍モル倍添加し、次いで二硫化炭素を加える。用いる二
硫化炭素の量は、先に用いた原料の[IV]に対して0.8
〜10モル倍好ましくは0.9〜6モル倍である。二硫化炭
素添加後、反応液の反応温度を昇温し、−10℃〜10℃,
好ましくは0℃〜5℃で反応を完結せしめる。この反応
時間は通常は30分〜2時間で十分である。次いで反応液
に上記式[VI]で表わされるハロゲン化合物を加えて反
応を終結せしめる。用いられるハロゲン化合物のXはハ
ロゲン原子であり、ヨウ素原子,臭素原子が挙げられ
る。R9はメチル基またはエチル基であり、特に好ましい
具体例としてはヨウ化メチルがあげられる。用いられる
ハロゲン化合物の量は先に用いた原料[IV]に対して0.
8〜10モル倍好ましくは0.9〜6モル倍である。反応温度
及び反応時間は先に二硫化炭素で処理した時と同様であ
る。反応後反応液は常法によって処理される。すなわち
反応液は飽和塩化アンモニウム水、または飽和硫酸アン
モニウム水と混合した後、例えばヘキサン,ペンタン,
石油エーテル,エチルエーテル,酢酸エチルなどの水に
難溶の有機溶媒を加えて得た有機混合物を必要に応じて
食塩水などで洗浄し、無水硫酸マグネシウム,無水硫酸
ナトリウム,無水塩化カルシウムなどの乾燥剤にて乾燥
後、有機媒体を減圧除去して粗生成物が得られる。粗生
成物は、所望により、カラムクロマトグラフィー,薄層
クロマトグラフィー,液体クロマトグラフィーなどの精
製手段により、精製することが出来る。かくして下記式
[III] で代表される9−置換−5,6−デヒドロPGE2類が製造さ
れる。
この時副生成物として、反応の後処理である二硫化炭素
及びハロゲン化合物処理が不完全の為に生成すると思わ
れる、下記式[III′] [式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6a,R71,R81,およびnは前記
定義に同じ] で表わされるアルコール体が得られる場合がある。これ
はこのものを例えばn−ブチルリチウムでリチオ化した
後に再び二硫化炭素,ハロゲン化合物で上述した条件下
に処理することにより上記式[III]を得ることが出来
る。従って予め[III′]を水溶液処理により積極的に
高収率で得て、これから[III]を段階的に得ることも
可能である。
本発明方法の第2工程目の反応は上記式[III]をトリ
n−ブチル錫ヒドリドとt−ブチルペルオキシドで処理
する環化工程である。ここで用いられるトリ−n−ブチ
ル錫ヒドリドとt−ブチルペルオキシドの量は原料[II
I]1モルに対してそれぞれ50〜0.8モル倍と0.5〜0.005
モル倍好ましくはそれぞれ10〜1モル倍と0.1〜0.01モ
ル倍の量である。反応温度は0℃〜120℃,好ましくは5
0℃〜100℃であり、反応時間は反応温度にもよるが、通
常は例えば反応温度が70℃の場合,約40時間である。反
応をスムーズに進行させる為に有機媒体を用いても良
く、例えば,ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素,
ヘキサン,ヘプタン,オクタン等の飽和炭化水素または
これらの任意の比の混合物が挙げられ、好ましくはベン
ゼンが用いられる。反応後反応液は減圧下に濃縮され、
粗反応液はクロマトグラフィー等の精製手段に処せられ
る。または残存する可能性のあるペルオキシドはチオ硫
酸ナトリウム,亜硫酸ナトリムウなどで分解した後に精
製工程に付すのが良い。
かくして下記式[I] で代表されるシリル化カルバサイクリン類が製造され
る。線は上記式中の5,6−位相当の2重結合の立体が
E体またはZ体もしくはそれらの任意の比の混合である
ことと表わしている。
本発明方法の第3工程目の反応は上記式[I]で代表さ
れるシリル化カルバサイクリン類を酸で処理することに
よる脱シリル化工程である。脱シリル化に用いられる酸
は例えばトリフルオロ酢酸,酢酸−三フッ化ホウ素,硫
酸,よう化水素酸等が挙げられ、特にトリフルオロ酢酸
が好ましい。
用いられる酸の量は、シリル化カルバサイクリン類1モ
ルに対して0.8〜50モル倍好ましくは1〜30モル倍であ
る。反応温度は0℃〜100℃,好ましくは10℃〜30℃で
あり、反応時間は用いられる反応温度にもよるが通常は
10分〜3時間で十分である。反応をスムーズに進行させ
る為に有機媒体を用いても良い。
用いる媒体としては例えばジクロロメタン,ジクロロエ
タン,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が挙げら
れ、ジクロロメタンが特に好ましく用いられる。反応後
反応液は上述の第1の工程にあるような常法により処理
される。
かくして目的の上記式[II]で代表されるイソカルバサ
イクリン類の内R7,R8が保護され、さらにR6が保護され
た形とみなすことの出来るR6が保護された形とみなすこ
との出来るR6の形の化合物が得られる。
本発明方法ではさらにここで得られた生成物を、必要に
より脱保護反応,加水分解反応及び/または塩生成反応
に付することにより最終的に下記式[II] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合混合物であるイソカルバサイクリン類が製造
される。
水酸基の保護基の除去は、保護基が水酸基の酸素原子と
共にアセタール結合を形成する基の混合には、例えば酢
酸,p−トルエンスルホン酸のピリジニウム塩または陽イ
オン交換樹脂等を触媒とし、例えば水,テトラヒドロフ
ラン,エチルエーテル,ジオキサン,アセトン,アセト
ニトリル等を反応溶媒とすることにより好適に実施され
る。反応は通常−78℃〜+30℃の温度範囲で10分〜3日
間程度行なわれる。また、保護基がトリ(C1〜C7)炭化
水素シリル基の場合には、例えば酢酸,テトラブチルア
ンモニウムフルオライド,セシウムフルオライド,フッ
化水素水,ピリジン−フッ化水素の存在下に、上記した
ような反応溶媒中で同様の温度で同様の時間実施され
る。
なお、R62が4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
[2.2.2]オクト−1−イル基である式[II]の化合物
の場合、上記の保護された水酸基の脱保護条件下(例え
ば、酢酸,p−トルエンスルホン酸のピリジニウム塩また
は陽イオン交換樹脂等の触媒下の反応)で、そのR
62は、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロプ−1−イ
ルオキシカルボニル基に変換される。この2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)プロプ−1−イルオキシカルボニ
ル基は通常のエステル基の加水分解条件,すなわち、水
または水を含む溶媒中で水酸化リチウム,水酸化ナトリ
ウム,水酸化カリウムと−40℃〜100℃、好ましくは0
℃〜50℃の温度範囲で10分〜24時間反応させることによ
り加水分解され、R62がカルボキシ基の化合物となる。
本発明によれば、上記のごとき加水分解反応により生成
せしめたカルボキシ基を有する化合物は、次いで必要に
より、更に塩生成反応に付され相当するカルボ酸塩を与
える。塩生成反応はそれ自体公知であり、カルボン酸と
ほぼ等量の水酸基カリウム,水酸化ナトリウム,炭酸ナ
トリウムなどの塩基性化合物あるいはアンモニア,トリ
メチルアミン,モノエタノールアミン,モルホリンとを
通常の方法で中和反応せしめることによりカルボキシレ
ートに誘導される。
かくして得られる式[II]で代表されるイソカルバサイ
クリン類の具体例としては、本発明方法の出発原料とし
て式[IV]で代表される5,6−デヒドロ−9−ホルミルP
GE2類で具体的に例示した化合物に対応する生成物(脱
保護,加水分解,塩生成反応を経由した生成物をも含
む)をそのまま例示することができる。
かくして本発明方法によれば上記式[IV]で代表される
9−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒドロPGE2類を
出発原料として全く新しい環化方法及び中間体を経て、
上記式[II]で代表されるイソカルバサイクリン類を従
来法より短かい工程で簡便に得ることが出来、その工業
的意義は大きい。本発明方法のさらに付加出来る特徴は
中間体であるシリル化されたカルバサイクリン(上記式
[I]で代表される化合物)は本発明者らの知る限り新
規物質であり、プロスタサイクリン様活性またリポキシ
ゲナーゼ活性が期待される化合物である。またこの中間
体[I]の内R6aが水素原である化合物はさらに新規な
カルバサイクリン類,イソカルバサイクリン類を得る為
の新規中間体とみなすことが出来る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中
−OSiZはt−ブチルジメチルシリルオキシ基(−OSi・t
Bu・(CH3)を表わす。
実施例1. 乾燥テトラヒドロフラン1.5mlに21.2mgを溶解し、こ
れにジメチルフェニルシリルリチウム(0.63Mテトラヒ
ドロフラン溶液)0.2mlを−78℃で加え、5分間攪拌し
た。これにHMPA(ヘキサメチルホスホリック トリアミ
ド)0.4mlを加え、10分間攪拌した。−78℃で二硫化炭
素0.02mlを加えた後,反応液を0℃まで上昇させ、この
温度でさらに60分間攪拌し、これにヨウ化メチル0.02ml
を加え、さらに30分間攪拌した。反応液に飽和塩化アン
モニウム水10mlを加えて、エーテル抽出した(10ml×
3)。エーテル抽出液を無水芒硝上で乾燥した後、常法
により処理し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル5g,ヘキサン:酢酸エチル=40:
1)により、目的の 24.5mg(y.80%)を得た。2のスペクトルデーター1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ −0.1〜0.1(m,12,OSiCH3×4),0.42,0.44(S.each,6,
SiCH3×2),0.7〜1.0(m,21,OSiC(CH3×2,CH3),
1.1〜2.6(m,16,CH2×6,CH×3,acetylenic),2.51(S,
3,SCH3),3.6〜3.8(m,1,C(15)H),3.9〜4.1(m,1,C
(11)H),5.1〜5.3(m,1,C(13)H),5.3〜5.5(m,
1,C(14)H),6.39(d,1,=2.2Hz,CH(Si)O),7.2
〜7.6(m,5,aromatic) 実施例2. (a) アルデヒド19.4mgのテトラヒドロフラン溶液
1.5mlに−78℃でビス(ジメチルフェニルシリル)銅リ
チウム(エーテル溶液0.28M)0.15mlをゆっくりと加
え、20分間攪拌した。二硫化炭素0.004mlをこの温度で
加え、5分後にHMPA0.06mlを加え、さらに30分間攪拌し
た。ヨウ化メチル0.004mlを加え、40分間攪拌した後、
反応液に飽和塩化アンモニウム=水1.5mlを加え、エー
テルを加えた後抽出した。エーテル抽出物を常法により
処理し、粗生成物を得、これらカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル5g,ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精
製し、目的物4.8mg(収率18%)を得、さらに が水素原子となったアルコール体6.1mg(収率26%)を
得た。このものをn−ブチルリチウムでリチオ化した
後、HMPA,CS2,CH3上で処理することにより目的のに導
くことが出来た。(収率22%)のスペクトルデータ1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ −0.1〜0.1(m,12,OSiCH3×4),0.40,0.44(S.each,6,
SiCH3×2),0.7〜1.0(m,21,OSiC(CH3×2,CH3),
1.0〜2.6(m,21,CH2×9,CH×3),2.50(S,3,SCH3),3.
68(S,3,OCH3),3.6〜3.8(m,1,C(15)H),3.9〜4.1
(m,1,C(11)H),5.20(dd,1,=15.5,7,7Hz,C(1
3)H),5.37(dd,1,=15.5,5,6Hz,C(14)H),6.38
(d,1,=2.3Hz,CH(Si)O),7.3〜7.6(m,5,aromati
c) (b) アルデヒド30mgをシアン化銅18.8mgとジメチル
フェニルシリルリチウム(0.56M)0.75mlとから調整し
たビス(ジメチルフェニルシリル)銅リチウムとテトラ
ヒドロフラン2ml中で−78℃で反応せしめ、20分後飽和
塩化アンモニウムで反応液を処理し、エーテル抽出し、
常法により処理した。シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで粗生成物を精製し、26.8mg(収率73.6%)のアル
コール体を得た。このもののスペクトルデータは1 H NMR(270MHz,CDCl3,δ) −0.015,0.01,0.03(S.each,12,OSiCH3×2),0.36,0.3
7(S.each,6 OSiCH3×2),0.7〜1.0(m,21,SiC(C
H3×2,CH3),1.1〜2.5(m,22,CH2×9,CH×3,OH),
3.67(S,3,OCH3),3.8−4.1(m,3,CHO×2,CH(Si)
O),5.2−5.5(m,2,uinyl),7.3〜7.6(m,5,aromati
c), であり、このものはテトラヒドロフラン2.6ml中でn−B
uLi(1.36Mヘキサン溶液)0.026ml,二硫化炭素0.08ml,
ヨウ化メチル0.08ml,HMPA0.08mlを用いて−78℃で処理
した。常法により反応液を処理し、目的のを16.6mg
(収率57%)で得た。
実施例3. 乾燥ベンゼン1.0mlに17.5mgを溶解し、これにトリ−
n−ブチル錫ハイドライド0.01mlを加え、反応系を70℃
に加温し、これにt−ブチルペルオキシドを30mg添加し
た。反応液を75℃で36時間加温,攪拌した後、反応液を
減圧で濃縮し、粗生成物を得た。このものをカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル3g,ヘキサン:酢酸エチル
=15:1)で精製し、目的のを11.9mg(収率79%)得
た。のスペクトルデータ1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ −0.1〜0.1(m,12,OSiCH3×4),0.27,0.33(S.each,6,
SiCH3×2)0.7〜1.0(m,21,SiCMe3×2,(CH3),1.0〜
2.6(m,16,CH2×6,CH×4),3.6〜3.7(m,1,C(15)
H),3.9〜4.1(m,1,C(11)H),4.55,4.74(br.s,eac
h,2,=CH2),5.3〜5.5(m,2,C(13)H,C(14)H),7.2
〜7.6(m,5,aromatic), 実施例4 (a) 実施例3と同様の処方により、化合物2mgを
n−Bu3SnH20mg,(t−BuO)215mgでベンゼン0.5ml中で
65℃15時間,80℃,20時間処理することにより、粗生成物
を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル4
g,ヘキサン:酢酸エチル=50:1,20:1)で精製し、目的
0.7mg(収率約30%)を得た。のスペクトルデー
ター1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ −0.1〜0.1(m,12,OSiCH3×4),0.2〜0.3(m,6,SiCH3
×2),0.8〜1.0(m,21,SiC(CH3×2,CH3)1.0〜2.
7(m,22,CH2×9,CH×4),3.65,3.67(S,each,3,OC
H3),3.9〜4.1(m,2,CH×2),4.9〜5.0,5.0−5.1(m,
1,C(5)H),5.3〜5.5(m,2,C(13)H,C(14)H),
7.2〜7.5(m,5,aromatic) (b) 実施例3と同様の処方により化合物11mgをト
ルエン10ml中でn−Bu3SnH0.16ml,(t−BuO)260mgで8
0℃17時間処理し、カラムクロマトグラフィーで精製
し、目的物9mg(94%収率)を得た。
実施例5. 乾燥ジクロロメタン0.5mlに溶解した0.7mgにトリフル
オロ酢酸10mgを加えて、20℃で20分間攪拌し、次いで炭
酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後エーテルで
抽出した。抽出物を常法により処理し、粗製の目的物
0.6mg(収率約80%)を得た。このものは単離すること
なく、次の脱シリル化に用いた。
実施例6. 精製のイソカルバサイクリンメチルエステルビス−11,1
5−t−ブチルジメチルシリルエーテル0.6mgをテトラヒ
ドロフラン0.5mlに溶解し、テトラ−n−ブチル−アン
モニウムフルオリド(0.5M THF溶液)50μを加えて
室温で12時間攪拌した。これに飽和食塩水3mlを加えて
エーテル抽出(5ml×3)し,エーテル層を常法により
処理し粗生成物を得た。このものをカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル1g,ヘキサン:酢酸エチル=3:2から
1:1)で精製し0.3mg(収率=90%)の目的物8を得た。
8のスペクトルデーター1 H NMR(270MHz,CDCl3)δ 0.7〜0.1(m,3,CH3),1.0〜1.8(m,15,CH2×6,CH,OH×
2),1.8〜2.0(m,15,CH2C(O),C(7)H2C(12)
H),2.2〜2.5(m,4,C(5)H2C(10)H2),2.9〜3.1
(m,1,C(9)H),3.67(s,3,OCH3),3.7〜3.9(m,1,C
(15)H),4.0〜4.2(m,1,,C(11)H),5.30(br s,
1,uinyi in ring),5.4〜5.7(m,2,uinyl in chain) 実施例7. 実施例5.と同様にして9.0mgをトリフルオロ酢酸のジ
クロロメタン溶液(50%)120μを加えて30℃で90分
間攪拌した。反応液を常法により処理し、粗生成物と
し、これをテトラヒドロフラン1mlに溶解し、これをn
−Bu4NF10.5Mテトラヒドロフラン溶液)0.1mlで室温に
て8時間反応せしめた。反応後実施例6と同様にして処
理し、目的のを2.7mg(62%収率)得た。
参考例1. 乾燥THF15mlに416mgを溶解し、0℃に冷却し、これに
9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)(ヘキサ
ン0.5M溶液)5.64mlを滴下し、0℃で2.5時間攪拌し、3
N−NaOH1.2mlついで30%H2O21.0mlを加えた。0℃で10
分間,25℃で30分間攪拌した後、飽和芒硝水を加えてエ
ーテル抽出した(20ml×3)。有機層を常法により処理
し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル40g,ヘキサン:酢酸エチル=7:1)で精製
し、327mg(収率76%)の目的物10を得た。
10のスペクトルデーター TLC Rf0.46(ヘキサン:酢酸エチル=2:1) IR(CHCl3solution,cm-1)3400,2840,1760,1360,820:1 H NMR(CDCl390MHZ,ppm)δ −0.40〜0.10(S.12,SiCH3×4),0.70〜1.40(S.21,Si
C(CH3×2&CH3),1.10〜2.58(m,19,CH2×9,OH,
3.70(S.3,OCH3),3.80(d,=3.73Hz,2,HOCH2 )3.89
〜4.20(m,2,SiOCH×2),4.38〜5.50(m,2,uinyl). 参考例2.10 ジクロロメタン10ml中に溶解した1046mgにPDC(ピリジ
ニウムジクロマート)70mgを室温で加え、反応液を11時
間攪拌した。反応液より不溶物を濾過により除去し、濾
液を濃縮し粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル5g,ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で
精製し、39mg(収率85%)の目的物を得た。 のスペクトルデーター TLC:Rf0.59(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)1 H NMR(CDCl390MHZ,ppm)δ 0.02〜0.10(S.12,SiCH3×4),0.66〜1.01(S.21,SiC
(CH3×2&CH3),1.01〜2.64(m,21,CH2×9,&CH
×3),3.64(S.3,OCH3),3.74〜4.18(m,2,SiOCH×
2),5.28〜5.50(m,2,uinyl),9.95(d,=2.93Hz,1,
CHO)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] で表わされる化合物,その鏡像体又はそれらの任意の割
    合の混合物であるシリカ化カルバサイクリン類を酸で処
    理し、必要により脱保護反応,加水分解反応および/又
    は塩生成反応に付することを特徴とする下記式[II] で表わされる化合物,その鏡像体或いはそれらの任意の
    割合の混合物であるイソカルバサイクリン類の製法。
  2. 【請求項2】当該シリル化カルバサイクリン類が、下記
    式[III] で表わされる化合物、その鏡像体或いはそれらの任意の
    割合の混合物である9−置換−5,6−デヒドロPGE2
    を、トリ−n−ブチル錫ヒドリドとt−ブチルペルオキ
    シドとの存在下に反応せしめて得られたものである、特
    許請求の範囲第1項記載のイソカルバサイクリン類の製
    法。
  3. 【請求項3】当該9−置換−5,6−デヒドロPGE2類が、
    下記式[IV] で表わされる9−デオキシ−9−ホルミル−5,6−デヒ
    ドロPGE2類に、下記式[Va]又は[Vb] で表わされるリチウム化合物を反応せしめ、次いで二硫
    化炭素で処理した後、下記式[VI] で表わされるハロゲン化合物と反応せしめて得られたも
    のである特許請求の範囲第2項記載のイソカルバサイク
    リン類の製法。
  4. 【請求項4】当該酸がトリフルオロ酢酸である特許請求
    の範囲第1項〜第3項記載のいずれかのイソカルバサイ
    クリン類の製法。
  5. 【請求項5】当該リチウム化合物がジメチルフェニルシ
    リルリチウムである特許請求の範囲第3項記載のイソカ
    ルバサイクリン類の製法。
  6. 【請求項6】当該R1,R2,R3の組み合せがジメチルフェニ
    ルである特許請求の範囲第1項〜第4項記載のいずれか
    のイソカルバサイクリン類の製法。
  7. 【請求項7】当該R6aまたはR6bが水素原子である特許請
    求の範囲第1項〜第6項記載のいずれかのイソカルバサ
    イクリン類の製法。
  8. 【請求項8】当該R6aまたはR6bがメトキシカルボニルプ
    ロピル基である特許請求の範囲第1項〜第6項記載のい
    ずれかのイソカルバサイクリン類の製法。
  9. 【請求項9】当該R4が水素原子またはメチル基である特
    許請求の範囲第1項〜第8項記載のいずれかのイソカル
    バサイクリン類の製法。
  10. 【請求項10】R5がペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル
    基,2−ヘキシル基,2−メチル−2−ヘキシル基,2−メチ
    ルブチル基,2−メチルペンチル基,シクロペンチル基,
    シクロヘキシル基,フェニル基,フェノキシ基,シクロ
    ペンチルメチル基,2,6−ジメチル−5−ヘプテニル基ま
    たはシクロヘキシルメチル基である特許請求の範囲第1
    項〜第9項記載のいずれかのイソカルバサイクリン類の
    製法。
  11. 【請求項11】nが0である特許請求の範囲第1項〜第
    10項記載のいずれかのイソカルバサイクリン類の製法。
  12. 【請求項12】nが1である特許請求の範囲第1項〜第
    10項期待のいずれかのイソカルバサイクリン類の製法。
  13. 【請求項13】立体構造が式[I]〜式[IV]で表わさ
    れる化合物である特許請求の範囲第1項〜第12項記載の
    いずれかのイソカルバサイクリン類の製法。
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