JPH07148546A - 鋳型製造用粘結剤水溶液組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents
鋳型製造用粘結剤水溶液組成物及び鋳型の製造方法Info
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- JPH07148546A JPH07148546A JP25946694A JP25946694A JPH07148546A JP H07148546 A JPH07148546 A JP H07148546A JP 25946694 A JP25946694 A JP 25946694A JP 25946694 A JP25946694 A JP 25946694A JP H07148546 A JPH07148546 A JP H07148546A
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Abstract
水溶液組成物を提供する。また、この粘結剤水溶液組成
物を用いて、鋳型を製造する方法を提供する。 【構成】 アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶
液中に、炭酸化合物を添加混合する。炭酸化合物として
は、炭酸金属塩、炭酸水素金属塩、過炭酸金属塩が単独
で又は混合して用いられる。特に、炭酸化合物として、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム,炭酸水
素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、
過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸リチウムを
単独で又は混合して用いるのが好ましい。炭酸化合物
は、アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液100
重量部に対して、0.1〜50重量部添加するのが好まし
い。耐火性粒状材料と、この粘結剤水溶液組成物と、任
意の硬化剤とを使用して、所望の方法で粘結剤を硬化さ
せて鋳型を得る。
Description
いる粘結剤水溶液組成物に関し、特に鋳型の崩壊性を向
上させることができる粘結剤水溶液組成物に関するもの
である。また、この粘結剤水溶液組成物を使用して、鋳
型を製造する方法に関するものである。
後、鋳物と鋳型を分離するため、一般的に崩壊せしめら
れるものである。従来、鋳鉄を使用して鋳物を得る場
合、注湯温度が高いため、この高温の溶湯に鋳型が曝さ
れて、硬化している粘結剤が劣化し、鋳型は容易に崩壊
することができた。しかし、注湯温度の低いアルミニウ
ムを使用してアルミ鋳物を得る場合、鋳型が高温に曝さ
れず、硬化している粘結剤が劣化しにくいということが
あった。従って、鋳物と鋳型とを分離するために、鋳型
を高温で長時間加熱処理して粘結剤を劣化させ、その後
鋳型を崩壊させることが行なわれている。
高温で長時間加熱処理するということは、費用と労力の
点で、無駄である。このため、粘結剤中に崩壊剤を混合
することが提案されている。例えば、特開昭60-180643
号公報には、フェノール系樹脂粉末よりなる粘結剤と、
崩壊剤である炭酸カルシウム粉末又は炭酸バリウム粉末
とを混合させた粘結剤組成物を、鋳物砂の表面に被覆し
て、この被覆砂を使用してシェルモールド法で鋳型を製
造する方法が記載されている。この方法によって得られ
た鋳型は、崩壊性に優れているため、高温での長時間加
熱を行わなくても、満足のゆく程度に崩壊できるもので
ある。
は、シェルモールド法による鋳型の製造方法であって、
フェノール系樹脂粉末と炭酸カルシウム粉末等とを混合
して、鋳型の崩壊性を向上させようというものである。
即ち、被覆砂の表面に炭酸カルシウム粉末等を配して、
被覆砂同士の粘結力を低下させようというものである。
従って、フェノール系樹脂水溶液中に炭酸カルシウム等
の崩壊剤を溶解又は分散させたものを、粘結剤溶液とし
て使用した場合には、崩壊剤が粉末の形態で鋳物砂の表
面に存在しにくく、鋳物砂同士の粘結力を低下させにく
いと考えられるのである。依って、特開昭60-180643号
公報の記載は、フェノール系樹脂水溶液を粘結剤として
使用した場合には、得られる鋳型の崩壊性を向上しえな
いことを示唆しているのである。
者等が種々研究を重ねた結果、アルカリ性レゾール型フ
ェノール系樹脂水溶液中に、ある特定の炭酸化合物を添
加して粘結剤水溶液として使用すると、得られる鋳型の
崩壊性が格段に向上することを見出し、本発明に到達し
たのである。
属塩、炭酸水素金属塩及び過炭酸金属塩からなる群より
選ばれた炭酸化合物を、アルカリ性レゾール型フェノー
ル系樹脂水溶液中に添加してなることを特徴とする鋳型
製造用粘結剤水溶液組成物に関するものである。また、
この粘結剤水溶液組成物を使用した鋳型の製造方法に関
するものである。
ル型フェノール系樹脂である。レゾール型水溶性フェノ
ール系樹脂は、フェノール類とアルデヒド化合物とを、
水酸化カリウム等のアルカリ性触媒の存在下で、縮合さ
せて得られるものである。フェノール類としては、フェ
ノール、クレゾール、3,5-キシレノール、ノニルフェノ
ール,p-tert-ブチルフェノール,イソプロペニルフェ
ノール,フェニルフェノール等のアルキルフェノール、
レゾルシノール,カテコール,ハイドロキノン,フロロ
グリシン等の多価フェノール、ビスフェノールA,ビス
フェノールF,ビスフェノールC,ビスフェノールE等
のビスフェノール類等が用いられる。また、カシューナ
ット殻液,リグニン,タンニンのようなフェノール系化
合物の混合物よりなるものも、フェノール類として使用
することができる。これら各種のフェノール類は、1種
の物質を単独で使用してもよいし、2種以上の物質を混
合してアルデヒド化合物と共縮合させてもよい。
ド化合物としては、ホルマリン,パラホルムアルデヒ
ド,フルフラール,グリオキザール等が使用される。ア
ルデヒド化合物の使用量は、フェノール性類1モル当た
り、1〜3モル、好ましくは1.5〜2モル使用される。アル
デヒド化合物の使用量が1モル未満であると、得られた
レゾール型水溶性フェノール系樹脂よりなる粘結剤を硬
化させても粘結力が十分でなく、鋳型強度が向上しない
傾向が生じる。逆に、アルデヒド化合物の使用量が3モ
ルを超えると、レゾール型水溶性フェノール系樹脂から
のアルデヒド臭が強く、作業環境が悪化する傾向が生じ
る。なお、本発明においては、フェノール類とアルデヒ
ド化合物と共に、ホルマリン縮合が可能な尿素,メラミ
ン,シクロヘキサノン等のモノマーを、重量比で主たる
構成単位とならない程度に共重合させてもよい。
は、一般的にアルカリ水溶液中で行なわれ、アルカリ性
レゾール型フェノール系樹脂水溶液が得られるのであ
る。この際、反応触媒としては、水酸化カリウム(KO
H)を使用するのが好ましく、従って水酸化カリウム水
溶液中で縮合させるのが好ましい。また、このレゾール
型水溶性フェノール系樹脂は、アルカリ性水溶液の形で
使用されるため、縮合の際に所定量の水酸化カリウムを
使用しても良いし、また反応触媒として最小限の水酸化
カリウムを使用し、縮合を終えたあと、所定量の水酸化
カリウムを添加してもよい。また、縮合を終えたあとに
おいては、水酸化カリウムと共に水酸化ナトリウム(N
aOH),水酸化リチウム(LiOH)或いはヘキサメ
チレンテトラミン等のアミン類を併用して、所定のアル
カリ性になるようにしてもよい。アルカリ性レゾール型
フェノール系樹脂水溶液中において、アルカリ(塩基)
のモル数は、フェノール性水酸基1モルに対して、0.03
〜1.2モルであるのが好ましい。ここで、フェノール性
水酸基とは、レゾール型フェノール系樹脂が有している
全てのOH基、即ち芳香環に直接結合しているOH基及
びメチレン基を介して芳香環に結合しているOH基のい
ずれをも包含するものである。アルカリ(塩基)のモル
数が0.03モル未満になると、硬化させたレゾール型フェ
ノール系樹脂の粘結力が低下する傾向が生じる。逆に、
アルカリ(塩基)のモル数が1.2モルを超えると、水溶
液が強アルカリになりすぎて、取り扱い上、危険であ
る。
樹脂水溶液中には、得られる鋳型の強度を向上させるた
めに、シランカップリング剤が含有されていてもよい。
シランカップリング剤としては、従来公知の各種のもの
を使用することができ、特にγ-グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン,γ-アミノプロピルトリエトキシ
シラン,γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン,N-グリシジル-N,N-ビス[3-(トリメトキシ
シリル)プロピル]アミン等を使用するのが好ましい。そ
して、シランカップリング剤が含有されている又は含有
されていないアルカリ性レゾール型水溶性フェノール系
樹脂水溶液の粘度は、25℃において、800cps以下である
のが好ましく、特に200cps以下であるのが好ましい。こ
の粘度が800cpsを超えると、耐火性粒状材料と均一に混
練しにくくなる傾向が生じる。なお、この粘度はB型粘
度計により測定したものである。また、このアルカリ性
レゾール型水溶性フェノール系樹脂水溶液の固形分含
量、即ち水分を除いた含有量は、35〜75重量%であるこ
とが好ましい。固形分含量が35重量%未満であると、得
られる鋳型の強度が十分向上しない傾向が生じる。逆
に、固形分含量が75重量%を超えると、粘度が800cpsを
超える傾向となって、耐火性粒状材料と均一に混練しに
くくなる傾向が生じる。なお、この固形分含量は、秤量
試料(2.0±0.1g)を熱風乾燥機内で、105℃で3時間加
熱することにより、水分を蒸発させて、(水分蒸発後の
試料の重量/秤量試料の重量)×100=固形分含量なる
式によって算出したものである。
ル型フェノール系樹脂水溶液中に、崩壊剤として、炭酸
金属塩、炭酸水素金属塩及び過炭酸金属塩からなる群よ
り選ばれた炭酸化合物が添加されている。この炭酸化合
物は、アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液
に、溶解又は分散した状態となっている。炭酸金属塩と
しては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸亜鉛、炭酸鉛、炭酸銅、炭酸アルミニウム等が
用いられる。炭酸水素金属塩としては、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム等が用いら
れる。過炭酸金属塩としては、過炭酸カリウム、過炭酸
ナトリウム、過炭酸リチウム等が用いられる。本発明に
おいて、特に好ましい炭酸化合物としては、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム,炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、過炭酸カ
リウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸リチウムを単独で又
は混合で用いるのがよい。これらの崩壊剤は、アルカリ
性レゾール型フェノール系樹脂水溶液中に比較的よく溶
解し、なお且つ得られる鋳型の崩壊性が顕著に向上する
からである。
溶液中への炭酸化合物の添加量は、アルカリ性レゾール
型フェノール系樹脂水溶液100重量部に対して、0.1〜50
重量部であるのが好ましく、特に0.5〜20重量部である
のが最も好ましい。炭酸化合物の添加量が0.1重量部未
満であると、得られる鋳型の崩壊性が向上しない傾向が
生じる。逆に、炭酸化合物の添加量が50重量部を超える
と、得られる鋳型の強度が低下する傾向が生じる。炭酸
化合物は、アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶
液に直接添加してもよいし、間接的に添加してもよい。
間接的に添加する方法としては、耐火性粒状材料に炭酸
化合物を添加して、その後、ここにアルカリ性レゾール
型フェノール系樹脂水溶液を添加する方法、耐火性粒状
材料に炭酸化合物とアルカリ性レゾール型フェノール系
樹脂水溶液を同時に添加する方法等が用いられる。耐火
性粒状材料に炭酸化合物を添加する場合、耐火性粒状材
料100重量部に対して、炭酸化合物を0.001〜10重量部添
加するのが好ましく、特に炭酸化合物を0.01〜2重量部
添加するのが最も好ましい。この場合における、耐火性
粒状材料に対するアルカリ性レゾール型フェノール系樹
脂水溶液の添加量は、0.05〜12重量部であるのが好まし
い。これらの場合には、砂組成物を得る際に、炭酸化合
物がアルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液に結
果的に添加され、溶解又は分散されることになるのであ
る。なお、炭酸化合物をアルカリ性レゾール型フェノー
ル系水溶液に又は耐火性粒状材料に添加する際、粉末状
等の固形状で取り扱ってもよいし、また水に溶解又は分
散させて液体状で取り扱ってもよい。
型を製造する方法としては、以下に挙げる方法を採用す
ることができる。例えば、耐火性粒状材料に、アルカリ
性レゾール型フェノール系樹脂水溶液中に炭酸化合物を
添加して得られた粘結剤水溶液組成物を混練して砂組成
物を得る。そして、この砂組成物に硬化剤である有機エ
ステルを添加混練して混練砂を得る。有機エステルとし
ては、ラクトン類、又は炭素数1〜10の一価若しくは多
価アルコールと炭素数1〜10の有機カルボン酸より導か
れる有機エステルが単独で或いは混合して用いられる。
具体的には、γ−ブチロラクトン、プロピオンラクト
ン、ε−カプロラクトン、蟻酸エチル、エチレングリコ
ールジアセテート、エチレングリコールモノアセテー
ト、トリアセチン等の有機エステルが用いられる。そし
て、この混練砂を所望の模型に充填させて、従来周知の
自硬性鋳型造型法で鋳型を得ることができるのである。
自硬性鋳型造型法で鋳型を得る場合、耐火性粒状材料10
0重量部に対して、粘結剤水溶液組成物を0.4〜15重量
部、好ましくは0.6〜5重量部添加混合し、有機エステル
を0.05〜9重量部、好ましくは0.1〜5重量部添加混合す
るのが一般的である。なお、前記したように、砂組成物
或いは混練砂を得る方法は、任意でよく、耐火性粒状材
料に炭酸化合物を添加した後、アルカリ性レゾール型フ
ェノール系樹脂水溶液を添加してもよいし、またこれら
を同時に添加してもよい。
所望の模型に充填させた後、ガス状又はエアロゾル状の
有機エステルを通気(ガッシング)させて、ガス硬化鋳
型造型法で鋳型を得ることもできる。ガス状又はエアロ
ゾル状の有機エステルとしては、蟻酸メチル,トリアセ
チン,γ−ブチロラクトン,エチレングリコールモノア
セテート,エチレングリコールジアセテート等を使用す
ることができる。ガス硬化鋳型造型法で鋳型を得る場
合、耐火性粒状材料100重量部に対して、粘結剤水溶液
組成物を0.4〜15重量部、好ましくは0.6〜5重量部添加
混合し、ガス状又はエアロゾル状の有機エステルを0.05
〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部通気(ガッシン
グ)するのが一般的である。また、二酸化炭素ガスを使
用してガス硬化鋳型造型法で鋳型を得る場合には、混練
砂に、以下に挙げる硬化促進剤を添加するのが一般的で
ある。即ち、硼砂や硼酸のような硼酸化合物類、アルミ
ン酸ソーダのようなアルミン酸化合物類、錫酸ソーダの
ような錫酸化合物類等のオキシアニオン化合物よりなる
硬化促進剤を添加しておくのである。この硬化促進剤と
二酸化炭素ガスとの共働作用によって、レゾール型フェ
ノール系樹脂の硬化が促進されるのである。二酸化炭素
ガス硬化鋳型造型法で鋳型を得る場合、耐火性粒状材料
100重量部に対して、オキシアニオン化合物をよりなる
硬化促進剤を含有する粘結剤水溶液組成物を0.05〜12重
量部、好ましくは1〜6重量部添加混合し、二酸化炭素ガ
スを0.01〜24重量部、好ましくは0.1〜12重量部通気
(ガッシング)するのが一般的である。
しては、従来公知の各種のものを用いることができ、例
えば、石英質を主成分とする珪砂,クロマイト砂,ジル
コン砂,オリビン砂,アルミナ砂,ムライト砂,合成ム
ライト砂等を使用することができる。また、耐火性粒状
材料として、これらの再生砂や回収砂を主体とするもの
も使用することができるのは、言うまでもない。
型水溶性フェノール系樹脂水溶液中に、ノニオン界面活
性剤,カチオン界面活性剤,アニオン界面活性剤,両性
界面活性剤等の各種界面活性剤、或いは尿素,尿素化合
物,アミド化合物等の有機窒素化合物を含有させておく
ことにより、耐火性粒状材料と混練した砂組成物若しく
は混練砂の流動性やガス硬化用の型枠への充填性を向上
させることができる。更に、耐火性粒状材料として再生
砂を使用する場合には、塩化カルシウムや酸化アルミニ
ウム等の各種多価金属塩を含有させておくことにより、
得られる鋳型の強度を向上させることができる。
整]50%水酸化カリウム水溶液にフェノールを加え、攪
拌しながら80℃に保持して92%パラホルムアルデヒドを
徐々に加えた。そして、反応溶液中におけるアルカリ性
レゾール型フェノール系樹脂の重量平均分子量が3000に
達する時点まで80℃で反応を続けた。フェノールのモル
数に対するホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド中
のHCHO)のモル数の比は、2.0となるようにした。
また、重量平均分子量が3000に達する時点の判定は、反
応溶液の粘度を測定することにより行った。なお、重量
平均分子量は以下の如き方法で測定し、粘度と重量平均
分子量との相関関係を求めた。即ち、試料に適量の水を
加え、更に硫酸を加えて中和する。生成した沈澱を瀘過
分離し、水洗した後、乾燥する。これをテトラヒドロフ
ラン(THF)に溶解し、GPC法によって重量平均分
子量を求めた。そして、この重量平均分子量と粘度との
相関関係を求め、反応溶液の粘度測定によって、所望の
重量平均分子量となるように調整するのである。
重量平均分子量が3000に達した時点で、室温まで冷却し
て、反応を終了させた。その後、フェノールのモル数に
対して、水酸化カリウムのモル数の比が0.9となるよう
に、50%水酸化カリウム水溶液を加えた。以上のように
して、アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液を
得た。そして、この水溶液100重量部に対して、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランが0.5重量部と
なるように、水溶液中に添加した。以上のようにして、
アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液1を調整
した。なお、アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水
溶液1中の固形分(アルカリ性レゾール型フェノール系
樹脂及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン)の含有量は、50重量%であった。
カサンド100重量部に対して、表1に示した崩壊剤であ
る炭酸化合物の水溶液0.2重量部を、予め添加混練し、
続いてアルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液1
を1.5重量部と硬化剤であるトリアセチン0.3重量部とを
添加混練して混練砂を得た。この混練砂を、50mmφ×50
mmhの木型に充填して、自硬性鋳型造型法により円柱状
テストピース(鋳型)を得た(実施例1〜6)。なお、
炭酸化合物を添加しない他は、実施例1の方法と同様に
して円柱状テストピースを得た(比較例1)。
壊率を、次の方法で測定した。即ち、得られたテストピ
ースを24時間放置した後、このテストピースをアルミホ
イルで包み、電気炉内に入れて、700℃で20分間放置し
た。その後、約3時間かけて室温まで冷却した後、アル
ミホイルを剥し取り、テストピースを5mesh篩い上で5分
間振とうして、残っているテストピースの重量を測定し
た。そして、崩壊率(%)=[(振とう前のテストピー
ス重量−振とう後のテストピース重量)/振とう前のテ
ストピース重量]×100なる式で、崩壊率を算出した。
その結果を表1に示した。
脂水溶液1に対して、表2に示した炭酸化合物を粉末状
の形態で5重量部添加し、炭酸化合物を溶解若しくは分
散させた粘結剤水溶液組成物を準備した。そして、耐火
性粒状材料であるオーストラリア産フラタリーシリカサ
ンド100重量部に対して、この粘結剤水溶液組成物1.5重
量部と、硬化剤であるトリアセチン0.3重量部とを添加
混練して混練砂を得た。この混練砂を、50mmφ×50mmh
の木型に充填して、自硬性鋳型造型法により円柱状テス
トピース(鋳型)を得た(実施例7〜12)。なお、炭酸
化合物を添加しない他は、実施例7の方法と同様にして
円柱状テストピースを得た(比較例2)。そして、これ
らのテストピースを用いて、実施例1と同様の方法で崩
壊率(%)を測定した。その結果を、表2に示した。
脂水溶液1に対して、表3に示した炭酸化合物を粉末状
の形態で10重量部添加し、炭酸化合物を溶解若しくは分
散させた粘結剤水溶液組成物を準備した。そして、耐火
性粒状材料であるオーストラリア産フラタリーシリカサ
ンド100重量部に対して、この粘結剤水溶液組成物2重量
部を添加混練し砂組成物を得た。この砂組成物を、50mm
φ×50mmhのガス硬化用木型に充填して、ガス状の蟻酸
メチルを通気(ガッシング)し、ガス硬化鋳型造型法に
より円柱状テストピース(鋳型)を得た(実施例13〜1
8)。なお、炭酸化合物を添加しない他は、実施例13の
方法と同様にして円柱状テストピースを得た(比較例
3)。そして、これらのテストピースを用いて、実施例
1と同様の方法で崩壊率(%)を測定した。その結果
を、表3に示した。
樹脂水溶液1に対して、オキシアニオン化合物である硼
砂5重量部を添加した粘結剤水溶液95重量部に、表4に
示した炭酸化合物を粉末状の形態で5重量部添加混合
し、炭酸化合物を溶解若しくは分散させた粘結剤水溶液
組成物を準備した。そして、耐火性粒状材料であるオー
ストラリア産フラタリーシリカサンド100重量部に対し
て、この粘結剤水溶液組成物4重量部を添加混練し砂組
成物を得た。この砂組成物を、50mmφ×50mmhのガス硬
化用木型に充填して、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を通
気(ガッシング)し、ガス硬化鋳型造型法により円柱状
テストピース(鋳型)を得た(実施例19〜24)。なお、
炭酸化合物を添加しない他は、実施例19の方法と同様に
して円柱状テストピースを得た(比較例4)。そして、
これらのテストピースを用いて、実施例1と同様の方法
で崩壊率(%)を測定した。その結果を、表4に示し
た。
水溶液2〜8の調整]50%水酸化カリウム水溶液に、表
5に示した一定のモル比の各種フェノール類を加え、攪
拌しながら80℃に保持して92%パラホルムアルデヒドを
徐々に加えた。そして、反応溶液中におけるアルカリ性
レゾール型フェノール系樹脂の重量平均分子量が2500に
達する時点まで80℃で反応を続けた。この際、各種フェ
ノール類の総モル数に対するホルムアルデヒド(パラホ
ルムアルデヒド中のHCHO)のモル数の比は、2.0と
なるようにした。なお、重量平均分子量が2500に達する
時点の判定は、アルカリ性レゾール型フェノール系水溶
液1の調整と同様にして行った。
重量平均分子量が2500に達した時点で、室温まで冷却し
て、反応を終了させた。その後、フェノールのモル数に
対して、水酸化カリウムのモル数の比が0.9となるよう
に、50%水酸化カリウム水溶液を加えた。以上のように
して、7種のアルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水
溶液を得た。そして、この各水溶液100重量部に対し
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが0.
5重量部となるように、水溶液中に添加した。以上のよ
うにして、アルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶
液2〜8を調整した。なお、アルカリ性レゾール型フェ
ノール系樹脂水溶液2〜8中の固形分(アルカリ性レゾ
ール型フェノール系樹脂及びγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン)の含有量は、いずれも50重量%で
あった。
使用し、この各水溶液100重量部に対して、粉末状の形
態の炭酸カリウムを表6に示した量で添加し、炭酸カリ
ウムを溶解若しくは分散させた粘結剤水溶液組成物を準
備した。そして、実施例1と同様の方法で鋳型のテスト
ピースを作成し、崩壊率の測定を行った。その結果を表
6に示した。
物をアルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液中に
添加混合した粘結剤水溶液組成物を使用して得られた、
実施例1〜31に係る鋳型は、炭酸化合物を使用しないで
得られた、比較例1〜11に係る鋳型に比べて、崩壊性に
優れていることが分かる。また、実施例1〜5と実施例
6、実施例7〜11と実施例12、実施例13〜17と実施例1
8、実施例19〜23と実施例24とを比較すれば明らかなよ
うに、炭酸化合物としてカリウム塩、ナトリウム塩、リ
チウム塩を使用した場合には、カルシウム塩やマグネシ
ウム塩等の他の金属塩を使用した場合に比べて、得られ
る鋳型の崩壊性が格段に向上していることが分かる。
ル型フェノール系樹脂水溶液を使用する鋳型造型法にお
いて、崩壊剤として、ある特定の炭酸化合物を添加混合
してなる粘結剤水溶液組成物を用いた得られた鋳型は、
崩壊剤の作用で硬化した粘結剤の劣化を促進させること
ができるため、崩壊性に優れるという効果を奏する。即
ち、本発明に係る粘結剤水溶液組成物を使用すれば、高
温で且つ長時間の加熱処理を施さなくとも、例えば短時
間の加熱処理を施すだけで、或いは加熱処理を施さずに
クラッシャー等の解砕機のみで、自硬性鋳型若しくはガ
ス硬化性鋳型のいずれをも良好に崩壊させることがで
き、従来必要であった高エネルギーと労力とを節約でき
るという効果を奏する。従って、鋳型中の粘結剤が劣化
しにくいアルミ鋳物を得る際には、鋳型の崩壊に要する
費用及び労力を著しく低減させることができ、アルミ鋳
物の生産コストを低減しうるという効果を奏するもので
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 炭酸金属塩、炭酸水素金属塩及び過炭酸
金属塩からなる群より選ばれた炭酸化合物を、アルカリ
性レゾール型フェノール系樹脂水溶液中に添加してなる
ことを特徴とする鋳型製造用粘結剤水溶液組成物。 - 【請求項2】 炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リ
チウム,炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素リチウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過
炭酸リチウムからなる群より選ばれた炭酸化合物を、ア
ルカリ性レゾール型フェノール系樹脂水溶液中に添加し
てなることを特徴とする鋳型製造用粘結剤水溶液組成
物。 - 【請求項3】 炭酸化合物の添加量が、アルカリ性レゾ
ール型フェノール系樹脂水溶液100重量部に対して、0.1
〜50重量部である請求項1又は2記載の鋳型製造用粘結
剤水溶液組成物。 - 【請求項4】 耐火性粒状材料と、請求項1又は2に記
載された炭酸化合物と、アルカリ性レゾール型フェノー
ル系樹脂水溶液とを混練してなることを特徴とする砂組
成物。 - 【請求項5】 耐火性粒状材料と、請求項1及至3のい
ずれか一項に記載された鋳型製造用粘結剤水溶液組成物
とを混練した砂組成物を用い、且つ硬化剤として有機エ
ステル又は二酸化炭素ガスを用いることを特徴とする鋳
型の製造方法。
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---|---|---|---|
JP25946694A JP3321779B2 (ja) | 1993-10-06 | 1994-09-28 | 鋳型製造用粘結剤水溶液組成物及び鋳型の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27616093 | 1993-10-06 | ||
JP5-276160 | 1993-10-06 | ||
JP25946694A JP3321779B2 (ja) | 1993-10-06 | 1994-09-28 | 鋳型製造用粘結剤水溶液組成物及び鋳型の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07148546A true JPH07148546A (ja) | 1995-06-13 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113329823A (zh) * | 2019-01-15 | 2021-08-31 | 马自达汽车株式会社 | 挥发性有机化合物的回收装置及回收方法 |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP25946694A patent/JP3321779B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113329823A (zh) * | 2019-01-15 | 2021-08-31 | 马自达汽车株式会社 | 挥发性有机化合物的回收装置及回收方法 |
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