JP2000000632A - 鋳型造型法 - Google Patents

鋳型造型法

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JP2000000632A
JP2000000632A JP16971698A JP16971698A JP2000000632A JP 2000000632 A JP2000000632 A JP 2000000632A JP 16971698 A JP16971698 A JP 16971698A JP 16971698 A JP16971698 A JP 16971698A JP 2000000632 A JP2000000632 A JP 2000000632A
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JP16971698A
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Tomoyuki Ito
智幸 伊藤
Yuji Miyashita
雄次 宮下
Toshio Hirohashi
利夫 広橋
Akihiro Okubo
明浩 大久保
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、短い造型サイクルで、高強度で耐湿
性、耐熱性に優れ、臭気の非常に少ない鋳型が得られ
る、鋳型造型方法を提供する。 【構成】珪砂、ジルコン砂、オリビン砂、クロマイト
砂、アルミナ砂、ムライト砂の1種または2種以上の骨
材と、該骨材100重量部に対して、単糖ユニットが1
0より大きい糖類でなおかつ常温で水に1重量%以上可
溶である水溶性多糖類及び2つ以上のアルデヒド基を有
する多官能アルデヒドを規定範囲内で混合し更に水溶性
多糖類と多官能アルデヒド化合物を合計した固形分の濃
度が1〜70重量%の水溶性である粘結剤を0.5〜1
0重量部と、無機酸または有機酸を規定範囲内で添加混
合して得られた鋳型造型用組成物を、鋳型模型内に充填
し、次いで強制的に空気、CO2、He、Ne、Ar、
及びN2の1種または2種以上の乾燥気体にて乾燥させ
て鋳型を造型することを特徴とする鋳型造型方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は短い造型サイクルで、高
強度で耐湿性、耐熱性に優れ、臭気の非常に少ない鋳型
が得られる、鋳型造型方法に関する。
【従来の技術】鋳型の造型方法には種々の方法があり、
これに使われる粘結剤も多岐にわたるが、大別して無機
粘結剤と有機粘結剤になる。無機粘結剤を用いる造型方
法としては主に珪酸塩をフェロシリコン(Nプロセ
ス)、ダイカルシウムシリケート(ダイカル法)あるい
はCO2ガスで硬化させる方法などがある。珪酸塩を用
いた鋳型は鋳造後の崩壊性の悪さ及び多量の廃棄物を発
生するなどの欠点がある。有機粘結剤を用いる造型方法
としては、シェルモールド法のような熱硬化性鋳型、フ
ラン樹脂やフェノール樹脂を酸あるいはエステルを用い
て硬化させる常温硬化性鋳型、またウレタン樹脂あるい
はフェノール樹脂をアミンガス、エステルガスあるいは
CO2ガスで硬化させるガス硬化性鋳型等の造型方法が
ある。これらの有機粘結剤を用いる鋳型造型時において
はホルムアルデヒド等の臭気の発生や有機溶剤、毒性の
ある硬化剤あるいは触媒の使用による作業環境の悪化等
の欠点がある。更にこれらは注湯時において粘結剤、有
機溶剤、硬化剤、触媒及び粘結剤の硬化物が熱分解して
種々の有害ガスや臭気を発生させ工場内作業環境及び工
場周辺の外部環境を悪化させる欠点がある。一方、これ
ら無機粘結剤及び有機粘結剤の上記の様な欠点のない粘
結剤としては天然物及び天然物由来の水溶性糊粘結剤を
用いる技術がある(特開昭52−120225号公報、
特開昭59−76642号公報、特公平3−21254
号公報)。しかしながら実用に供する鋳型の強度を得る
には多量の水溶性糊粘結剤を必要とし、実用的でない。
また水溶性糊粘結剤を用いた鋳型は、鋳型造型後大気中
の水分の吸湿による鋳型の強度劣化が著しいため、造型
後すぐに注湯せねばならないという作業工程上の制約が
ある。また、鉄を注湯するのに充分な耐熱性が得られな
いどころか、比較的低温なアルミ等の軽合金を注湯する
のにさえ充分な耐熱性が得られない。そのため、鋳物製
品の鋳肌が悪く、寸法精度の高い鋳物を作ることが困難
である。更にこれらの水溶性糊粘結剤を水溶液で保存す
る場合、微生物などによる腐敗が起こり易く、貯蔵安定
性、衛生上の欠点がある。
【発明が解決しようとする課題】このような無機粘結剤
の崩壊性や廃砂の問題及び従来の水溶性糊粘結剤や有機
粘結剤の鋳型強度不足や保存安定性、作業環境や外部環
境への悪影響等の欠点を解消した鋳型を得るべく鋭意研
究した結果、水溶性の多糖類と該水溶性糖類を架橋させ
るための2つ以上のアルデヒド基を有する多官能アルデ
ヒド化合物及び酸性触媒を必須成分とし、さらに水溶性
の酸硬化性樹脂、補助剤、シランカップリング剤及び界
面活性剤を含む粘結剤を骨材と混練して得られる混練砂
を所望の模型に充填し、乾燥気体を用いて強制的に乾燥
させることにより、短い造型サイクルで、充分な耐熱性
を持ちながらも易崩壊性で砂再生も容易であり、鋳型強
度や保存安定性に優れ、かつ有害な臭気発生による作業
環境の悪化のない鋳型を得ることに成功し、本発明を完
成するに至った。
【課題を解決するための手段】本発明を更に詳細に説明
する。本発明に用いられる骨材としては珪砂、ジルコン
砂、オリビン砂、クロマイト砂、アルミナ砂、ムライト
砂等がある。該骨材100重量部に対して、単糖ユニッ
トが10より大きい糖類でなおかつ常温で水に1重量%
以上可溶である水溶性多糖類及び該糖類の架橋材として
2つ以上のアルデヒド基を有する多官能アルデヒド化合
物から成り、それらの固形分重量比が水溶性多糖類 :
多官能アルデヒド= 50:50〜99:1であり、更
にそれらの固形分濃度が1〜70重量%の水溶性である
粘結剤を0.5〜10重量部と酸の解離定数がKa=1
×10-5以上の無機酸または有機酸を前記粘結剤の固形
分100重量部に対して0.1〜25重量部添加混合し
て得られることを特長とする鋳型造型用組成物を所望の
模型に充填し、これを乾燥して硬化させ鋳型を造型する
方法を提供することが本発明の目的である。この乾燥方
法を更に詳しく述べると、模型の上部、下部あるいは側
部のいずれかの部分より圧力4.9〜390kPaにて
温度0℃〜400℃の乾燥気体を通気し、水分を強制的
に除去する。このとき同時に、乾燥空気の送風口と反対
側の部分より減圧にして強制乾燥を行うと更に効果的で
あり、短時間で鋳型を硬化させることができる。更に8
0℃以上の熱風乾燥を行った場合、温度50℃以下の乾
燥気体を上記の圧力と同じ条件にて鋳型内に通気し、鋳
型の冷却を行う。このとき強制乾燥時と同様に、同時に
減圧にて鋳型の冷却を行うと更に効果的である。乾燥の
際に高周波、マイクロ波などによる誘電加熱を用いるこ
とも可能である。ただし、この場合も例えば空気を通気
し水分を強制的に外部に排出させる必要がある。尚、乾
燥時、乾燥用気体として空気以外にCO2、He、N
e、Ar、N2も使用できることは自明である。また、
乾燥気体中の相対湿度が60%以下であると、短時間で
乾燥することができ、更に低湿度ほど乾燥時間を短縮す
ることができる。本発明に用いられる水溶性多糖類とし
ては、単糖ユニットが10以上の糖類でなおかつ、常温
で水に1重量%以上可溶のものをいう。具体的には、デ
キストリン、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)や
CMC(カルボキシメチルセルロース)などの加工され
たセルロース、デキストラン、レバン、プルラン、アル
ギン酸類、ペクチン、ヘミセルロース、グルコマンナ
ン、ガラクトマンナン、アラビアゴムなどの植物ゴム、
ヒアルロン酸などである。また、必須成分として2つ以
上のアルデヒド基を有する多官能アルデヒド化合物と酸
性触媒を含むことにより、該水溶性糖類を乾燥硬化によ
り架橋せしめ、鋳型の耐熱性向上及び耐水性の向上が可
能である。ここで上記水溶性多糖類の規定を外れた、特
に常温での水への溶解度が1重量%未満の多糖類を用い
た場合には、充分な鋳型強度を得るのに多量の粘結剤を
必要とし、鋳型の乾燥工程において長時間を要すること
となる。また、水に溶解したときの粘性も高く、砂との
混練性が悪くなり、更には得られる混練砂の流動性も悪
くなる。本発明における粘結剤中にはオリゴ糖の添加も
有効である。ここでいうオリゴ糖とは、単糖ユニットが
2〜10である天然の少糖類又は例えば澱粉などの多糖
類を酸又は酵素を用いて加水分解して得られる糖類を指
す。オリゴ糖を添加した場合、砂との混練性が向上し、
充填密度、鋳型強度が向上する。また、添加するオリゴ
糖中に単糖が混入している場合もあるが、これらも使用
可能である。本発明における粘結剤は、鋳型強度の更な
る向上及び注湯時のアルミニウムあるいは鉄の溶湯が凝
固するまでの間の鋳型の形状保持に関わる熱間強度を維
持させるため、水溶性のフェノール樹脂、ユリア樹脂、
メラミン樹脂、フラン樹脂の酸硬化性樹脂の少なくとも
1種類を併用すると効果的である。また該粘結剤には補
助剤として蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸ソーダ、酢酸ビニル樹脂等の水溶性高分子を併用す
ることも有効である。更に該粘結剤にはシランカップリ
ング剤や界面活性剤を添加することにより、鋳型のより
高い常態強度とより優れた保存安定性を得る事ができ
る。本発明における該粘結剤の固形分濃度は1〜70重
量%であり、好ましくは10〜40重量%である。固形
分濃度が70重量%を超える濃度では、該粘結剤の粘度
が高くなり、骨材と粘結剤の充分な混練が困難になると
ともに、混練砂の流動性が悪くなる。一方、固形分量が
1重量%未満では水分量が多く鋳型の乾燥に時間がかか
るばかりでなく、実用に供し得る鋳型強度が得られな
い。また粘結剤中の必須成分である水溶性多糖類と、2
つ以上のアルデヒド基を有する多官能アルデヒド化合物
との配合割合は、上記固形分のうち多糖類が50〜99
重量%である。固形分中の糖類の配合量が99重量%を
越える濃度では、多官能アルデヒドの割合が少なく、糖
類との架橋点も少なくて十分な架橋効果が得られず、そ
のため、耐熱性及び耐湿性への効果が小さい。また50
重量%未満では、つまり多官能アルデヒドの割合が多く
なっても著しい架橋効果は得られない。また架橋剤の量
の方が多くなり経済的に不利である。更に架橋反応の架
橋触媒としての酸が必要であり、酸の解離定数がKa=
1×10-5以上の酸性触媒が必要である。当然酸の解離
定数がKa=1×10-5未満である酸では十分な触媒作
用が得られないため架橋が不十分となり、十分な耐湿
性、耐熱性が得られない。本発明の粘結剤の必須成分と
して2つ以上のアルデヒド基を有する有機化合物を用い
る。この多官能アルデヒドとしては、ジアルデヒド澱
粉、グルタルアルデヒド、グリオキサール、マロンジア
ルデヒド、アジピンジアルデヒド、マレインジアルデヒ
ド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒドなどを用
いる事ができる。また架橋反応に必要な酸性触媒の種類
としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、シュウ酸、ベ
ンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸等の有機酸であり、酸の
解離定数がKa=1×10-5以上の酸性触媒であれば特
に限定されるものではない。本発明の添加剤の1つとし
て水溶性のフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂
及びフラン樹脂の酸硬化性樹脂を用いる。水溶性フェノ
ール樹脂としては、レゾール型水溶性フェノール樹脂を
一般的に用いる事ができる。これらのフェノール樹脂は
フェノール類とアルデヒド類とを、アルカリまたは酸触
媒存在下で縮合させて得られるものである。フェノール
類としては、例えばフェノール、クレゾール、レゾルシ
ノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールC、ビスフェノールH、クミルフェノール、ノ
ニルフェノール、イソプロペニルフェノール精製残渣、
ビスフェノールA精製残渣、ビスフェノールF精製残
渣、ブチルフェノール、フェニルフェノール、エチルフ
ェノール、オクチルフェノール、アミルフェノール、ナ
フトール、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール
あるいはこれらの置換体を含めたフェノール類が挙げら
れる。アルデヒド類としてはホルマリン、パラホルムア
ルデヒド、α−ポリオキシメチレン、アセトアルデヒド
等があるがこれらに限定されるものではない。またこれ
らフェノール類とアルデヒド類とを縮合させる触媒とし
ては、シュウ酸、塩酸、硫酸等の酸性物質及び有機酸金
属塩、または水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物あるいはアルカ
リ土類金属の水酸化物等がある。その他の水溶性の酸硬
化性樹脂としては、尿素、メチロール尿素、ジメチロー
ル尿素、ジヒドロキシエチレン尿素を主成分とする尿素
樹脂、メラミンと前述のアルデヒド類とをアルカリまた
は酸を触媒として反応させて得られるメラミン樹脂、あ
るいはフルフリルアルコール樹脂、フルフリルアルコー
ル・フルフラール共縮合樹脂、フルフリルアルコール・
尿素共縮合樹脂、フルフリルアルコール・フェノール共
縮合樹脂、フルフラール・フェノール共縮合樹脂などを
用いることができる。これら水溶性のフェノール樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂は、酸性触媒存
在のもと乾燥時あるいは注湯時急激に高分子化する、も
しくは水溶性糖と架橋反応することにより、鋳型強度の
向上、注湯時の熱間強度の向上、鋳型の耐湿性の向上に
よる鋳型保存安定性向上に効果があり、また粘結剤自体
の微生物などの影響による腐敗防止に効果がある。ま
た、補助剤としての蛋白質、ポリビニールアルコール、
ポリアクリル酸ナトリウム、酢酸ビニル樹脂のような水
溶性高分子を添加することも有効である。これらの水溶
性高分子を添加することにより溶解乾燥後に強固な膜が
形成され、鋳型の耐湿性が向上する。蛋白質とは、ペプ
チドを含む植物性あるいは動物性の蛋白質をいう。例え
ば、大豆蛋白、小麦蛋白、その他豆類、穀物類の蛋白
質、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、ヘモグロビン
等動物、菌類由来の蛋白質をいう。またこれらの蛋白質
には植物及び動物、菌類由来の酵素類も含まれる。ポリ
ビニールアルコールには、完全鹸化物、中間鹸化物、部
分鹸化物のポリビニールアルコールを含み、重合度20
0〜3000程度のものが好ましい。また変性されたポ
リビニールアルコールも含まれる。酢酸ビニル樹脂で
は、溶液型またはエマルジョン型の酢酸ビニル樹脂がよ
く、場合により塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硝酸ジル
コニル等の金属塩を含み耐湿性の向上された酢酸ビニル
樹脂も含まれる。これらの補助剤は、粘結剤中にその固
形分100重量部に対して固形分で1〜30重量部使用
することができる。また、これらの補助剤は粘結剤中に
加えて溶液とすることなく、粘結剤と骨材の混練時に添
加して、使用することもできる。また本発明における粘
結剤中には、シランカップリング剤や界面活性剤を併用
することにより、より一層混練砂の流動性及び鋳型の強
度を向上させることができる。シランカップリング剤と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−グリシジル−N,N−ビス(3−(トリメトキシシ
リル)プロピル)アミン、ウレイドプロピルトリエトキ
シシラン等を使用することができる。上記のシランカッ
プリング剤は、該粘結剤の固形分100重量部に対して
0.1〜5重量部添加することが好ましい。本発明に用
いられる界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、カ
チオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性
剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が
使用可能であり、界面活性剤としては特に限定されな
い。これら界面活性剤は粘結剤と骨材との濡れ性を改善
する効果がある。模型に充填する際の混練砂の流動性も
向上する。流動性の向上により、鋳型の充填密度が向上
し高い鋳型強度が得られるとともに、表面の優れた鋳型
を得ることができる。界面活性剤の配合量は、該粘結剤
の固形分100重量部に対して0.01〜5重量部が好
ましい。
【実施例】以下、実施例をあげて本発明に係る鋳型造型
用組成物及び鋳型造型方法を更に詳しく説明する。但
し、本発明は、下記実施例に限定されるものではなく、
その要旨の範囲内で種々変形実施が可能である。 [実施例1] デキストリン20.0重量部、グリオキ
サール(固形分40重量%)8.8重量部、水71.2
重量部を混合し、表1に示す粘結剤を得た。次に珪砂
(飯豊F−6号珪砂)100重量部に対して該粘結剤を
4.0重量部添加し、更にフェノールスルホン酸水溶液
(固形分50重量%)0.2重量部(粘結剤の固形分100
重量部に対して10重量部)を混練機にて、60秒間混
練し鋳型造型用組成物(混練砂)を得た。混練砂を10
mm×10mm×60mmテストピース5個取り用金型に圧力
294kPaでブローイングし、25℃の乾燥空気(相
対湿度30%)を圧力196kPaにて金型内に1分間
通気し、乾燥硬化させ、造型した。得られた鋳型の造型
直後及び、恒温恒湿室(35℃、80%)内に48時間
保管した後の、曲げ強度を測定した。更に、700℃の
マッフル炉中に3分間入れたのち、常温で空冷した後の
強度(残留強度)を測定した。結果を表2に示す。 [実施例2] 実施例1と同様にして得られた混練砂を
10mm×10mm×60mmテストピース金型に圧力294
kPaでブローイングし、25℃の乾燥空気(相対湿度
60%)を圧力196kPaにて金型内に2分間通気
し、乾燥硬化させ、造型した。得られた鋳型について、
実施例1と同様の試験を実施した。結果を表2に示す。 [実施例3] 実施例1と同様にして得られた混練砂を
10mm×10mm×60mmテストピース金型に圧力
294kPaでブローイングし、250℃に加熱された
熱風を圧力98kPaにて金型内に送ると共に、53.
2kPaの減圧にて金型下部より吸引し、乾燥を1分間
行い、最後に25℃の乾燥空気を20秒間金型内に圧力
98kPaで通気し、造型した。得られた鋳型につい
て、実施例1と同様の試験を実施した。結果を表2に示
す。 [実施例4] 実施例1と同様にして得られた混練砂を
10mm×10mm×60mmテストピース金型に圧力
294kPaでブローイングし、250℃に加熱された
の熱風を圧力98kPaにて金型内に送ると共に、
53.2kPaの減圧にて金型下部より吸引し、乾燥を
1分間行い、最後に25℃の乾燥空気を20秒間金型内
に圧力98kPaで通気し、造型した。得られた鋳型に
ついて、実施例1と同様の試験を実施した。結果を表2
に示す。 [実施例5] 実施例1と同様にして得られた混練砂
を、10mm×10mm×60mmテストピース金型に
圧力294kPaでブローイングし、350℃の熱風を
圧力98kPaにて金型内に通気することにより、乾燥
を1分間行い、最後に25℃の乾燥空気を20秒間金型
内に圧力98kPaで通気し、造型した。得られた鋳型
について、実施例1と同様の試験を実施した。結果を表
2に示す。 [比較例1] 実施例1と同様にして得られた混練砂
を、あらかじめ150℃に加熱した10mm×10mm
×60mmテストピース金型に圧力294kPaでブロ
ーイングし、150℃のまま4分間保持し、乾燥硬化さ
せ、造型した。得られた鋳型について、実施例1と同様
の試験を実施した。結果を表2に示す。 [比較例2] 実施例1と同様にして得られた混練砂
を、10mm×10mm×60mmテストピース金型に
圧力294kPaでブローイングし、450℃に加熱さ
れた空気の熱風を圧力98kPaにて金型内に送ると共
に、53.2kPaの減圧にて金型下部より吸引し、乾
燥を1分間行い、最後に25℃の乾燥空気を20秒間金
型内に圧力98kPaで通気し、造型した。得られた鋳
型について、実施例1と同様の試験を実施した。結果を
表2に示す。 [比較例3] 実施例1と同様にして得られた混練砂を
10mm×10mm×60mmテストピース金型に圧力294
kPaでブローイングし、25℃の空気(相対湿度80
%)を圧力196kPaにて金型内に2分間通気し、造
型した。得られた鋳型について、実施例1と同様の試験
を実施した。結果を表2に示す。 [比較例4] デキストリン20.0重量部、水80.
0重量部を混合し、表1に示す粘結剤を得た。次に珪砂
(飯豊F−6号珪砂)100重量部に対して該粘結剤を
4.0重量部添加し、混練機にて、60秒間混練し鋳型
造型用組成物(混練砂)を得た。 以下実施例1と同様の方法にて鋳型を造型し、得られた
鋳型について、実施例1と同様の試験を実施した。結果
を表2に示す。
【表1】
【表2】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、水溶性の
多糖類と多官能アルデヒド化合物及び酸性触媒を必須成
分とする粘結剤、更に水溶性の酸硬化性樹脂、オリゴ
糖、補助剤、シランカップリング剤及び界面活性剤を含
む水溶性粘結剤と砂とを混練して得られた鋳型造型用組
成物を、乾燥気体を用いて強制的に乾燥させることによ
り、短い造型サイクルで、充分な耐熱性を持ちながらも
易崩壊性で砂再生も容易であり、鋳型強度や保存安定性
に優れ、かつ有害な臭気発生による作業環境の悪化のな
い鋳型を得るための鋳型造型方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 明浩 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4E092 AA01 AA02 AA03 AA42

Claims (10)

    【特許請求の範囲】 前記粘結剤に、該粘結剤の固形分100重量部に対し
    て、天然の少糖類及び/又は澱粉或いは高分子糖類から
    得られる単糖ユニットが2〜10のオリゴ糖を固形分で
    1〜300重量部含むことを特徴とする請求項1又は2
    記載の鋳型造型方法。
  1. 【請求項1】 珪砂、ジルコン砂、オリビン砂、クロマ
    イト砂、アルミナ砂、ムライト砂の1種または2種以上
    の骨材と、該骨材100重量部に対して、単糖ユニット
    が10より大きい糖類でなおかつ常温で水に1重量%以
    上可溶である水溶性多糖類及び該糖類の架橋剤として2
    つ以上のアルデヒド基を有する多官能アルデヒドから成
    り、水溶性多糖類と多官能アルデヒド化合物の固形分重
    量比が水溶性多糖類 : 多官能アルデヒド= 50:5
    0〜99:1で更に水溶性多糖類と多官能アルデヒド化
    合物を合計した固形分の濃度が1〜70重量%の水溶性
    である粘結剤を0.5〜10重量部と、酸の解離定数が
    Ka=1×10−5以上の無機酸または有機酸を前記粘
    結剤の固形分100重量部に対して0.1〜25重量部
    添加混合して得られた鋳型造型用組成物を、鋳型模型内
    に充填し、次いで強制的に空気、CO2、He、Ne、
    Ar、及びN2の1種または2種以上の乾燥気体にて乾
    燥させて鋳型を造型することを特徴とする鋳型造型方
    法。
  2. 【請求項2】 前記水溶性多糖類が、デキストリン、ヒ
    ドロキシ化セルロースやカルボキシル化セルロース等の
    化工されたセルロース、デキストラン、プルラン、レバ
    ン、アルギン酸類、ペクチン、ヘミセルロース、グルコ
    マンナン、ガラクトマンナン、植物ゴム、ヒアルロン酸
    からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1記載
    の鋳型造型方法。
  3. 【請求項3】 前記粘結剤に、該粘結剤の固形分100
    重量部に対して、天然の少糖類及び/又は澱粉或いは高
    分子糖類から得られる単糖ユニットが2〜10のオリゴ
    糖を固形分で1〜300重量部含むことを特徴とする請
    求項1又は2記載の鋳型造型方法。
  4. 【請求項4】 前記粘結剤に、該粘結剤の固形分100
    重量部に対して、水溶性のフェノール樹脂、ユリア樹
    脂、メラミン樹脂、フラン樹脂のうち少なくとも1種類
    を固形分で1〜50重量部含むことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
  5. 【請求項5】 前記粘結剤に、該粘結剤の固形分100
    重量部に対して、補助剤として澱粉、蛋白質、ポリビニ
    ルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、酢酸ビニル樹脂
    のうち少なくとも1種類を固形分で1〜30重量部含む
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の鋳型造型方法。
  6. 【請求項6】 前記粘結剤に、該粘結剤の固形分100
    重量部に対して、シランカップリング剤0.1〜5重量
    部含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項
    に記載の鋳型造型方法。
  7. 【請求項7】 前記粘結剤に、該粘結剤の固形分100
    重量部に対して、界面活性剤0.01〜5重量部含むこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    鋳型造型方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項記載の造
    型方法において、気体の相対湿度が0〜60%であるこ
    とを特徴とする鋳型造型方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項記載の造
    型方法において、温度0℃〜80℃の乾燥気体を該模型
    内に圧力4.9〜390kPaにて通気し、あるいは前
    記圧力にて通気と同時に1.33〜101kPaの減圧
    にて吸引する事を特徴とする鋳型造型方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8記載のいずれか1項記載
    の造型方法において、温度80〜400℃の乾燥気体を
    該模型内に圧力4.9〜390kPaにて通気し、ある
    いは前記圧力にて通気と同時に1.33〜101kPa
    の減圧にて吸引した後、温度50℃以下の乾燥気体を前
    記圧力で通気し、急冷することを特徴とする鋳型造型方
    法。
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