JPH0714786B2 - エレベ−タの速度測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は油圧エレベータのようなエレベータの速度測
定装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、油圧エレベータのかごの走行速度測定は、測定者
がかご上に乗り、エレベータ速度測定装置の回転ヘッド
をガイドレールに押付けて測定する方法が採られてい
た。

一方、例えば、特開昭57-42474号公報に掲載のように、
エレベータかごのガイドレールに速度検出用のタコジェ
ネレータを取付け、エレベータのかごの走行速度を検出
する技術が開示されている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかし、油圧エレベータのようなトップクリアランスが
小さいエレベータでは、かごが最上階まで走行すると、
かご上に乗っている測定者が昇降路の頂部に衝突するこ
とになり、危険な作業であった。また、エレベータの定
格速度はエレベータを自動運転モードにして、かごを高
速走行させなければならないため、他のエレベータ使用
者などが最上階の乗場呼び釦を押した場合に、かご上の
測定者が気付かないうちにかごが最上階まで走行し、こ
の結果、かご上の作業者の人命に係わる重大な事故を発
生する恐れがあり、きわめて危険であるという問題点が
あった。

また、特開昭57-42474号公報に掲載の技術は、エレベー
タの保守、調整用のエレベータの運転調整装置におい
て、エレベータの速度計を有する可搬式の運転調整装置
が開示されているが、これを使用するには、予め、ガイ
ドレールに速度検出手段を設置しておく必要性がある。
しかし、このように、通常使用しない速度検出手段を設
置するとエレベータが高価となり、また、それ自体にメ
ンテナンスの必要性が生じ、廉価なエレベータには採用
できない。

そこで、この発明は、上述のような問題点を解決して、
メンテナンス作業者がかご上に乗ることなく、また、エ
レベータが速度検出手段を有しているか否かに制限され
ることなく、かご室や機械室内でかごの走行速度を安全
に測定できるエレベータの速度測定装置を提供すること
を目的としている。

［問題点を解決するための手段］ この発明に係るエレベータの速度測定装置は、エレベー
タのガイドレールに接触して回転するローラと、前記ロ
ーラの回転によるローラ外周の移動量に比例したパルス
を発生する発生器を有するローラ形検出器をエレベータ
のかごに着脱可能に取付け、前記ローラをガイドレール
に所定の押圧力で押付ける検出器取付手段と、前記エレ
ベータの機械室またはかご室内に配設され、前記ローラ
形検出器から発生するパルスを所定時間計数し、所定時
間内のかごの走行速度を表示する速度表示手段とを具備
するものである。

［作用］ この発明におけるエレベータの速度測定装置は、検出器
取付手段によってローラ形検出器をかごのかご枠やかご
室に取付け、そのローラをガイドレールに空転を生じな
いように押付けることにより、上記ローラの回転による
かごの移動速度に比例するパルスを機械室またはかご室
内に設置した速度表示手段で計数表示するようにしたの
で、測定者がかご上に乗ることとなく、機械室やかご室
内でかごの走行速度を測定することができ、測定者の安
全性を確保できる。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を第１図，第２図によって説
明する。

第１図において、１は油圧エレベータのかご、２は昇降
路内に設けられたかご１のガイドレール、３はローラ3a
とローラ外周の移動距離に比例したパルスを発するパル
ス発生器を有し、かご１のかご枠またはかご室に検出器
取付手段４で着脱可能に取付けられるローラ形検出器、
５はエレベータのかご室内に取外し可能に設置される速
度表示手段である。６はローラ形検出器３と速度表示手
段５間を接続し、上記ローラ形検出器３用の直流電源を
供給すると共に、ローラ形検出器３が発するパルスを伝
送するための接続ケーブル、７はかご１のかご枠上端部
に設けた接続用コンセント、８は電源コードであり、９
はかご１の上部救出口の蓋であり、この蓋を開いた状態
で上記接続ケーブル６および電源コード８が、救出口を
通り速度表示手段５と接続用コンセント７およびローラ
形検出器３を接続している。10は上部救出口スイッチで
あり、このスイッチ10はかご１の上部救出口の蓋９が開
いた状態ではエレベータの走行を阻止する。

また、第２図において、4aはローラ形検出器３の取付軸
であり、取付軸4aによって上記ローラ形検出器３が枠体
4bに枢着され、ローラ形検出器３と枠体4bの間には調整
ねじ4cでばね力が調整されるスプリング4dが介在され、
取付軸4a,枠体4b,調整ねじ4cおよびスプリング4dを主要
部材として検出器取付手段４が構成されている。11はか
ご１の上端部に固定されたレールガイドシュー、12はレ
ールガイドシュー11上に取付ける給油装置（図示せず）
の取付金であり、給油装置を取外した状態で、その取付
穴を利用して取付金12上にボルト13,ナット14で検出器
取付手段４の枠体4bが着脱可能に固定される。また、調
整ねじ4cでローラ形検出器３のローラ3aのガイドレール
２へのスプリング4dによる押付力を調整し所定の圧力で
ローラ3aをガイドレール２に空回りしないように押付け
る。

第１図，第２図に示し、上述したように各部材を設置し
た後、上部救出口スイッチ10の接点（図示せず）を短絡
させ、かご１を走行可能にする。測定者がかご室内に入
り、エレベータを自動運転モードに切換え、かご操作盤
の所定階の行先階釦を押すと、エレベータの通常の制御
装置によってかご１が走行する。この時、ローラ形検出
器３のローラ3aが検出器取付手段４により所定の圧力で
ガイドレール２に押付けられているので、ローラ3aがか
ご１の移動量に比例して正確に回転する。このため、ロ
ーラ3aの１回転当り所定数のパルスを発生するパルス発
生器を組込んだローラ形検出器３を用いることで、この
ローラ形検出器３はかご１の移動量に比例したパルスを
出力する。このパルスを速度表示手段５で受信して所定
時間計数し、この時間の終了時の値を表示すれば、この
値が上記時間内のかご１の走行速度として表示され、表
示をそのままにして計数部分のみをリセットし、再計数
後に表示することを所定周期で繰返えすと、常にその時
のかごの走行速度が得られる。したがって、測定者は安
全なかご室内にいて、かごの走行速度を正確に測定でき
る。

上述した実施例は、速度測定装置の電源をかご上部のコ
ンセントから取り、速度測定をかご室内で行うものであ
るが、この実施例は、電源をエレベータの機械室のコン
セントから取り、速度表示装置を機械室内に設置し、ロ
ーラ形検出器との間をエレベータの制御ケーブルで接続
すれば救出口スイッチを短絡させることなく、実施例の
ものと同様にかごの速度を安全に測定できる。

［発明の効果］ 以上説明したように、ガイドレールにローラが接触して
回転しこの回転量に比例してパルスを発生するローラ形
検出器を、何れのエレベータかごに対しても検出器取付
手段によって取付け、上記検出器の出力パルスを機械室
またはかご室内の速度表示手段へ伝送し、この速度表示
手段で計数表示することにより、特に、トップクリアラ
ンスが小さい油圧エレベータなどのエレベータのかごの
速度測定が安全に行えるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例によるエレベータの速度測
定装置を示す概略側断面図、第２図は同ローラ形検出器
の取付部分を示す拡大正面図である。 図において、 1:かご、2:ガイドレール 3:ローラ形検出器、3a:ローラ 4:検出器取付手段、4d:スプリング 5:速度表示手段 である。 なお、図中、同一符号及び同一記号は同一又は相当部分
を示すものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータのガイドレールに接触して回転
   するローラと、前記ローラの回転によるローラ外周の移
   動量に比例したパルスを発生する発生器を有するローラ
   形検出器と、 前記ローラ形検出器をエレベータのかごに着脱自在と
   し、前記エレベータのかごに対する取付状態で、前記ロ
   ーラをガイドレールに所定の押圧力で押付ける検出器取
   付手段と、 前記エレベータの機械室またはかご室内に配設され、前
   記ローラ形検出器から発生するパルスを所定時間計数
   し、所定時間内のかごの走行速度を表示する速度表示手
   段と を具備することを特徴とするエレベータの速度測定装
   置。