JPH0714756Y2 - 分離型空気調和機の室内ユニットの据付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は分離型空気調和機の室内ユニットの据付装置に
関するものである。

〈従来の技術〉 従来、一般に用いられている分離型空気調和機の室内ユ
ニットにおける据付装置としては、例えば第４図に示す
ように、室内ユニット（製品）Ａの背面上端に形成した
単一の引掛け部を、室内壁面に固定する壁掛板Ｂの上端
に設けた保持部Ｃに掛止める構成を採っている（第４図
参照）。この場合、室内ユニットＡへの横引き配管時に
は、壁掛板Ｂに引っ掛けた状態で室内ユニットＡを一旦
斜め状態にし、この背面下端に工事スペースａをつくり
（第５図参照）、この工事スペースを利用して横引き配
管作業等を行うものである。なお、このとき室内ユニッ
トと壁掛板との間に別部品（スペーサ）を介在せしめ、
室内ユニットを斜めにすることは実公昭58−38889号公
報にて公知である。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、このように室内ユニットＡを、壁掛板Ｂの上端
縁を支持点として傾ける据付作業では、据付位置を天井
面に近接させていると（間隙ｂを小さく設定すると）、
下方に工事スペースａを大きく取るとき室内ユニット表
面上角がすぐ天井Ｄに当たってしまい、据付作業が容易
でなかった。このことは、冷暖房空気の滞留効果を鑑
み、室内ユニットを天井近く据付けることはできないも
のである。

本考案は上記実情に鑑み、室内ユニットの引掛け部を２
段構成とすることで、上記課題を解決するようにした分
離型空気調和機の室内ユニットの据付装置を提供するこ
とを目的としたものである。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、室内壁面へ固定される取付具に分離型空気調
和機の室内ユニットを掛止めする分離型空気調和機の室
内ユニットの据付装置において、前記取付具に保持部を
形成し、室内ユニットの背面部には、前記保持部に掛止
めされる工事用引掛け部と据付用引掛け部とを上下２段
に設けてなるものである。

〈作用〉 上記のような構成のため、横引き配管の工事用引掛けに
当たっては、壁面に固定した壁掛板の傾斜保持部に対し
て、室内ユニットの背面の最上段となる工事用引掛け部
の鉤爪部を引掛けて支持すれば、室内ユニットは正常位
置にあって、この上面と天井面とに大きな間隙が形成さ
れるので、横引き配管工事のとき室内ユニット製品を斜
めにしても天井に当接することがなく、工事スペースが
十分に確保できる。

据付作業にあっては、室内ユニットを少し上昇させ下段
位置となる据付用引掛け部を、壁面に固定の壁掛板の傾
斜保持部に引掛ければよい。この場合、室内ユニットを
上昇させた分（寸法）だけり天井面に接近するものとな
る。

〈実施例〉 以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明すれば、次
の通りである。

第１図，第２図，第３図において、１は上端に上向き傾
斜保持部２を左右に突設してなる長方形状鋼板の取付具
（以下「壁掛板」という。）で、この壁掛板１は室内壁
面３の高所位置に適宜係止具（図示せず）で固定する。
４は熱交換器５とこの背部にファン６及び下方に風向板
７を配設した室内ユニットで、該室内ユニット４の背面
上部4aには先端に鉤爪部8aをもつ工事用引掛け部８と、
適宜間隔を隔て先端に鉤爪部9aをもった据付用引掛け部
９とを別々に２段形成とし、この工事用引掛け部８と据
付用引掛け部９及び壁掛板１とで据付装置10となる。

次にこの作用を説明すると、先ず壁掛板１を室内壁面４
の高所位置に適宜係止具をもって予め固定しておくもの
である。

ここにおいて、室内ユニット４の室内壁面３側への据付
作業に際し、先ず第１図に示すように工事用据付けとす
るときは、室内ユニット４の背面上端に設けた工事用引
掛け部８の先端の鉤爪部8aを、室内壁面３側の壁掛板１
の上端の傾斜保持部２に引掛ける。この据付位置は工事
用引掛け部８が室内ユニット４の最上位にあるため、該
室内ユニット４の上面と天井面11との間隙ｂが大きく取
れる。このため、横引き配管工事に当たって室内ユニッ
ト４を大きく傾けても上面角が天井面11に接触しない。
即ち、室内ユニット４の背面下端に形成する室内壁面３
との間隙となる工事スペースａを大きく確保でき、配管
工事を容易とする（第２図参照）。

次に、室内ユニット４を正常な位置に据付ける際に、室
内ユニット４を少し持ち上げて工事用引掛け部８を壁掛
板１の傾斜保持部２から外し、この後、工事用引掛け部
８より下段位置とある据付用引掛け部９の鉤爪部9aを壁
掛板１の傾斜保持部２に掛け直せば、室内ユニット４の
据付けが完了する。この室内ユニット４の据付位置は、
据付用引掛け部９が工事用引掛け部８より下方に隔てた
寸法分だけ天井面11に接近して取付く結果となる（第３
図参照）。

〈考案の効果〉 上述のように、本考案は室内ユニットの背面部に工事用
引掛け部と据付用引掛け部とを上下２段に設けて横引き
配管工事では上位の工事用引掛け部を、据付工事では下
位の据付用引掛け部を室内壁面に固定した取付具の保持
部に掛け直しする作業だけで、室内ユニットの背面下端
に工事スペースを大きく確保でき、配管作業を容易と
し、また据付では室内ユニットを最大に天井面に接近さ
せることができるので、冷暖房風の対流効果を良好とし
得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す工事用引掛け状態の室内
ユニットの縦断側面図、第２図は同室内ユニットを傾け
た状態を示す縦断側面図、第３図は据付用引掛け状態を
示す室内ユニットの縦断側面図、第４図は従来例を示す
据付状態の室内ユニットの縦断側面図、第５図は同工事
用引掛け状態を示す室内ユニットの縦断側面図である。 １…取付具（壁掛板）、２…保持部、３…室内壁面、４
…室内ユニット、８…工事用引掛け部、９…据付用引掛
け部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】室内壁面へ固定される取付具に分離型空気
   調和機の室内ユニットを掛止めする分離型空気調和機の
   室内ユニットの据付装置において、前記取付具に保持部
   を形成し、室内ユニットの背面部には、前記保持部に掛
   止めされる工事用引掛け部と据付用引掛け部とを上下２
   段に設けてなる分離型空気調和機の室内ユニットの据付
   装置。