JPH07147254A - 高速三次元不純物分布計算方法 - Google Patents

高速三次元不純物分布計算方法

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JPH07147254A
JPH07147254A JP29297993A JP29297993A JPH07147254A JP H07147254 A JPH07147254 A JP H07147254A JP 29297993 A JP29297993 A JP 29297993A JP 29297993 A JP29297993 A JP 29297993A JP H07147254 A JPH07147254 A JP H07147254A
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dimensional
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impurity
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impurity distribution
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JP29297993A
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Shiro Kanbara
史朗 蒲原
Hitoshi Matsuo
仁司 松尾
Masahiro Sugaya
正弘 菅谷
Megumi Kawakami
恵 河上
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、半導体中不純物分布を計算するプ
ロセスシミュレーションにおいて、高速且つ高精度に三
次元不純物分布を計算する手法を提供する。 【構成】 一次元拡散計算時に解析空間の各点に蓄積さ
れた一次元蓄積拡散長分布を、幾何学的方法を用いて三
次元蓄積拡散長分布に拡張する。これにより得られた三
次元蓄積拡散長分布を用い、解析式により三次元不純物
分布を計算する。 【効果】 高速且つ高精度に三次元不純物分布を計算す
る手法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセスシミュレーシ
ョン方法、特に蓄積拡散長の情報をもとにして、高速に
三次元不純物分布を計算する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】それぞれの顧客ニーズに対応した少量多
品種製品は、現在の半導体素子マーケットにおいて重要
な位置を占めている。よって、このような少量多品種製
品をいかに迅速に開発できるかが重要な課題となる。こ
のような課題を克服するための一手段として、以前より
シミュレータの応用が重要視されている。それらシミュ
レータの内、プロセスーデバイスシミュレータは、プロ
セスシミュレータとデバイスシミュレータとからなり、
シリコン加工プロセスフローの入力に対して、素子の単
体性能を予測する。プロセスシミュレータは、入力に対
し素子形状及び素子内不純物分布を予測する。デバイス
シミュレータは、それらの結果の内、素子内不純物分布
をもとに素子性能を予測する。
【0003】プロセスシミュレーションにおける不純物
分布予測において、特に重要な役割を果たすのが、不純
物拡散計算ルーチンである。不純物拡散計算ルーチン
は、プロセスシミュレーションに於て最も多くコールさ
れ、プロセスシミュレータ全体の計算速度を大きく左右
する。通常の入力では、このコール回数は20-30となり
三次元不純物分布を予測する際には、途方も無い計算時
間がかかってしまう。この膨大な計算時間に見合った精
度をシミュレータが持たないことが、シミュレータ利用
が世界的に浸透しない一つの要因となっている。高速計
算が実現できれば、開発ラインに合わせた物理パラメー
タの合わせ込みも容易になり、計算精度向上も実現でき
る。つまり、設計者にとってより”ハンディ”なシミュ
レータを開発することが、シミュレータ自体の質的向上
をもたらすのである。そのような背景のもと、電子情報
通信学会技術報告、第86巻(1986年)、頁33-39に示され
ているように、二次元プロセスシミュレーションより得
られた二次元不純物分布を幾何学的方法を用いて三次元
不純物分布に拡張する方法が提案されている。また、IE
EEトランザクションオンコンピュータエイディドデザイ
ン、第3巻(1984年)、頁40-46 (IEEE, Trans. Computer-
Aided Design, Vol. CAD-3(1984), pp. 40-46)に示され
ているように、一次元プロセスシミュレーションにより
得られた一次元不純物分布より、解析式を用いて二次
元、三次元不純物分布に拡張する方法が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】幾何学的方法で二次元
不純物分布を三次元不純物分布に拡張する従来方法は、
その幾何学的方法によって、結果として得られる不純物
分布が大きく異なるという問題点があった。さらに、本
方法は、二次元解析によって二次元不純物分布を計算す
るために、多くの計算時間を必要とするという欠点もあ
る。また、一次元プロセスシミュレーションにより得ら
れた一次元不純物分布より、解析式を用いて二次元、さ
らに三次元不純物分布に拡張する方法では、拡散長を一
定にしているため、拡散の非線形性による拡散長の空間
分布を無視することになり計算精度の劣化をもたらすと
いう問題点があった。
【0005】従って、本発明の目的は、高速且つ高精度
に三次元不純物分布を計算する手法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、一次元プロ
セスシミュレーションで深さ方向の不純物分布に加え
て、深さ方向の蓄積拡散長分布を計算する。蓄積拡散長
分布とは、深さ方向に分布する不純物の縦方向広がりの
度合いを表すものである。シリコン中の不純物拡散は、
等方的であると考えられるため、横方向の不純物広がり
は、この縦方向の不純物広がりと等しく起こる。従っ
て、この蓄積拡散長分布を用いることにより、横方向の
不純物広がりを計算することが出来る。ここで蓄積拡散
長は、プロセスシミュレータの不純物拡散ルーチンによ
る拡散計算の際、各タイムステップで計算される拡散長
を全てのタイムステップで足し合わせることにより得ら
れる。
【0007】一次元深さ方向蓄積拡散長分布より、幾何
学的手法を用いて、指定された三次元メッシュ点上の蓄
積拡散長の三次元分布が計算される。ここでいう幾何学
的手法とは、上記拡散現象の等方性より導入されたもの
で、イオン打ち込み領域エッジからの水平距離及び深さ
という三次元メッシュ点の幾何学的情報、及び一次元蓄
積拡散長分布情報より、三次元蓄積拡散長分布を計算す
る方法である。幾何学的手法により得られた蓄積拡散長
の値を用いて、誤差関数で与えられる解析式により不純
物分布を計算する。本発明は、解析式を用いて不純物分
布を計算するため、高速な不純物分布計算が可能とな
る。
【0008】
【作用】本発明では、蓄積拡散長の一次元分布は、幾何
学的方法により三次元に拡張されるが、結果として得ら
れる三次元不純物分布は、この蓄積拡散長の三次元拡張
方法に影響されにくい。この理由としては、1)低濃度
不純物拡散の場合、拡散現象が線形となるため、蓄積拡
散長は全空間にて一定の値となり、2)高濃度不純物拡
散の場合、拡散現象が非線形となり蓄積拡散長の空間分
布が不均一になるが、その変化は小さいため不純物分布
への影響は小さくなること、が挙げられる。このこと
は、簡単な数値実験により確認されている。更に、蓄積
拡散長から不純物分布を計算する場合、誤差関数により
与えられる簡単な解析式を用いる。以上より、三次元不
純物分布を高速且つ高精度に計算することができる。
【0009】
【実施例】図1に、本発明による高速三次元不純物分布
計算の処理概要の一実施例を示す。まず、分割領域20
0に対し、指定された入力データによる一次元プロセス
シミュレーション1を行なう。ここでは、分割領域20
0は一つであるが、通常は複数の分割領域200が存在
する。さらに、それぞれの分割領域では、異なった入力
データによる一次元プロセスシミュレーション1が行わ
れる。一次元プロセスシミュレーション1により、一次
元深さ方向不純物分布5と同時に、一次元深さ方向蓄積
拡散長分布2が計算される。計算結果は、記憶ディスク
上若しくはメモリ上に記憶される。
【0010】図1では、一次元深さ方向不純物分布5及
び一次元深さ方向蓄積拡散長分布2を、それぞれ実線及
び波線で示す。これらは、深さ方向の不純物分布をイメ
ージしたもので、以後の説明の便宜上導入した。
【0011】一次元プロセスシミュレーション1が終了
した後、三次元素子構造に対応した三次元領域をメッシ
ュ分割する(18)。ここで生成された、三次元メッシ
ュ座標に対して、三次元蓄積拡散長分布4及び三次元不
純物分布7が計算される。三次元不純物分布7を計算す
るために、まず、一次元深さ方向蓄積拡散長分布2より
三次元蓄積拡散長分布4を計算する。この三次元蓄積拡
散長分布4は、幾何学的手法により計算される(3)。
幾何学的手法とは、三次元メッシュ点の分割領域に対す
る幾何学的情報から三次元蓄積拡散長分布4を計算する
方法である。
【0012】次に、三次元蓄積拡散長分布4、及び前記
一次元プロセスシミュレーション1により得られた一次
元深さ方向不純物分布5より、解析式6を用いて三次元
不純物分布7を計算する。計算に用いられる解析式6
は、誤差関数で与えられる。
【0013】図2に、分割領域、及び各領域に対応した
シミュレーション番号及びシミュレーションにより導入
される不純物種の一実施例を示す。図2は、複数の分割
領域が指定された場合の一例である。図2では、解析領
域は4つの分割領域に分割されている。これら分割領域
は、ユーザによって指定される。但し、分割領域1は解
析領域全体を表している。分割領域1には、シミュレー
ション1、分割領域2には、シミュレーション2、分割
領域3には、シミュレーション3、分割領域4には、シ
ミュレーション2に対応した不純物の導入が行なわれ
る。従って、異種分割領域の数は、3となる。ここで、
異種分割領域とは、ユーザにより指定される分割領域の
うち、異なったエネルギー、異なった量、又は異種の不
純物導入が行われる領域のことである。従って、異種分
割領域直下の深さ方向に存在する不純物種及びそれら不
純物分布は、それぞれの領域で異なったものとなる。
【0014】一次元プロセスシミュレーション1は、こ
れら異種分割領域直下の深さ方向不純物分布5の計算を
行う。ここで、ユーザによって指定された解析領域内の
分割領域及び異種不純物領域の数に相当する一次元プロ
セスシミュレーションにはそれぞれ番号付けが行なわれ
る。これにより、分割領域番号、一次元プロセスシミュ
レーション番号、及び導入される不純物種という組み合
わせ9が定義される。
【0015】この組み合わせ9は、本発明における高速
三次元不純物分布計算システムの制御に利用される。こ
の組み合わせは、本発明によるシステムの前処理の段階
でプロセス情報及び分割領域情報に基づいて生成される
場合と、ユーザが指定する場合とがある。シミュレーシ
ョン1は、リン、砒素、及びボロンを導入し、シミュレ
ーション2は、リンを導入し、シミュレーション3は、
砒素を導入する。これらの情報をもとに、上記組み合わ
せが前処理段階で生成される。
【0016】図3に、本発明における、一次元プロセス
シミュレーション1による一次元深さ方向不純物分布群
5及び一次元深さ方向蓄積拡散長分布群2の計算フロー
を示す。特に、一次元深さ方向蓄積拡散長分布5の計算
は、一次元プロセスシミュレーション1を構成する一モ
ジュールである不純物拡散計算モジュールにより行われ
る。
【0017】不純物拡散計算モジュールにおける不純物
拡散計算アルゴリズムとして、ここでは差分法を考えて
いる。差分法では、拡散方程式を時間、及び空間の双方
を離散化することにより得られる線形連立一次方程式を
各時間ステップで解いていく。線形連立一次方程式の未
知数は、各メッシュ座標点上の不純物濃度であり、連立
方程式を構成する定数は、上記離散化によって得られる
解析式により各時間ステップごとに計算される。ここ
で、線形連立一次元方程式は行列演算の形で書けるの
で、連立方程式を構成する定数を連立方程式の行列要素
と呼ぶ。
【0018】以下、具体的に手続きを図3に従い説明す
る。一次元プロセスシミュレーション1がスタート40
すると、指定された時間ステップが終了46するまで数
値計算が反復される。各時間ステップにおいて、各座標
点における拡散長計算41、その結果をもとに行列要素
計算42、更に各座標点で計算された拡散長が各座標点
に蓄積される(43)。ここで得られた行列によって与え
られる線形連立一次方程式を解くことにより(45)、新
しい不純物分布が得られる。従来の不純物拡散計算モジ
ュールとの相違点は、拡散長の蓄積(43)が行なわれる
ことである。従来技術では、拡散長は、行列要素を計算
する為にだけ用いられ、行列要素計算42の後には捨て
られていた物理量である。
【0019】図4に、上記分割領域の矩形分割の一実施
例を示す。分割領域の矩形分割は、解析式6による三次
元不純物分布7計算を可能にするために行われる。図4
は、分割領域が、(1)から(6)の6個の矩形領域に
分割されている様子を示す。図4に示すように、境界に
斜め線を含まない分割領域の場合、分割領域は正確に矩
形の集合体で表される。しかし、境界に斜め線を含む場
合は、分割領域を矩形の集合体で近似しなければならな
い。図5には、境界に斜め線を含む分割領域を矩形分割
した一実施例を示す。図5は、境界に斜め線を含む分割
領域を1から21までの矩形で分割したものである。
【0020】次に、複数の分割領域を矩形分割した実施
例を図6に示す。分割領域1及び分割領域2は、矩形で
あるため処理を行う必要はない。分割領域3は、二つの
矩形に分割されている。分割領域4は、計15個の矩形
に分割されている。矩形分割により得られた矩形の構成
座標は解析式6の入力となる。図7に、分割領域を構成
する一つの矩形kの構成座標点の一実施例を示す。矩形
の構成座標点は4つの座標で表される。図7では、この
4つの座標点を(ak,ck)、(ak,dk)、(bk,ck)、(bk,d
k)で表現している。
【0021】次に、三次元蓄積拡散長分布4を計算する
幾何学的手法3の一実施例を図8に示す。まず、三次元
メッシュ点のうち蓄積拡散長の計算を行うメッシュ点を
選び、対象メッシュ点とする(101)。次に、指定され
た不純物種に対する蓄積拡散長のピーク値を与えるz座
標値を検索する(102)。対象メッシュ点のz座標と1
02で得られたピーク値を与えるz座標との差の絶対値
をRとする(103)。更に、矩形の境界からのマンハッ
タン距離R'を計算する(104)。ステップ103及び1
04で得られたR及びR'の和に上記蓄積拡散長のピーク
値を与えるz座標値を足したz座標における蓄積拡散長
の値を、上記一次元深さ方向蓄積拡散長分布から求める
(105)。以上の手続きを全ての三次元メッシュ点に対
して行うことにより三次元蓄積拡散長分布4が計算され
る(106)。
【0022】図9及び図10を用いて、本発明の幾何学
的手法を説明する。図9に示すように、座標(x,y,z)の
蓄積拡散長を決定するため、分割領域を囲む最小矩形9
0を選ぶ。その最小矩形の重心91の直下に、一次元蓄
積拡散長分布をセットする。また、一次元蓄積拡散長分
布のピーク値を与える座標92を(xp,yp,zp)とする。こ
こで、zとzpとの差の絶対値をR、矩形の境界からのマン
ハッタン距離をR'とする。これらR及びR'と一次元蓄積
拡散長分布を用いて、図10に示す方法により座標93
(x,y,z)の蓄積拡散長が求められる。具体的には、zpか
ら深さ方向にR+R'進んだ点での蓄積拡散長を座標93
(x,y,z)の蓄積拡散長とする。
【0023】次に、一次元深さ方向不純物分布群5及び
幾何学的手法により得られた三次元蓄積拡散長分布4よ
り三次元不純物分布を計算するための解析式6を説明す
る。媒質中を不純物が三次元的に拡散する場合、拡散現
象は以下の積分方程式で記述される。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、Gは不純物の初期分布に対する拡
散状態を表わすグリーン関数、その下付き添え字は時間
ステップ、上付き添え字は方向を表す。また、x及びy方
向は、基板に対し水平方向を表し、zは基板の深さ方向
を表すものとする。x及びy方向に対して、並進対称性を
仮定すると各方向のグリーン関数は、それぞれ数2及び
数3で表される。
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】ここで、σk(xk)は、時間ステップk、座標
値xでの分散であり、各時間ステップ、各メッシュ点上
での不純物分布の広がりの度合いを表わす。数1、数2
及び数3の物理的なイメージを図16に示す。各時間ス
テップで、各メッシュ点上の不純物分布は、グリーン関
数で与えられる大きさで広がる(180)。更に、x及びy
方向に対して、並進対称性を仮定すると数2及び数3に
示すように不純物の広がりはガウス関数となる(18
1)。各時間ステップ後の不純物分布は、各メッシュ点
上に広がった不純物分布を重ね合わせることにより計算
される。
【0029】数2及び数3を用いた場合、上記分散が各
メッシュ点上により異なる値を取るため、数1の積分を
解析的に行うことは出来ない。そこで、図17に示す近
似を行う。図17の細線181に示すように各メッシュ
点上の不純物分布の広がりは異なる。しかし、ある着目
座標点170付近の不純物広がりは、他の着目座標点に
おける広がりとそれほど大きくは変わらない。さらに、
時間ステップが小さいため、各メッシュ点上の広がった
不純物分布を互いに重ね合わせる際、遠方のメッシュ点
上の不純物の影響は受けない。
【0030】そこで、図17に示すように実際の不純物
広がり181を各着目座標点上の不純物広がりで近似す
る(182)。すなわち、特定の着目座標点における不
純物分布の重ね合わせを行なう際に、他のメッシュ点に
おける不純物広がりは、特定着目座標点における不純物
広がりと同一と仮定する。この近似により、数1におけ
るx方向の積分は、数4に示すように近似される。
【0031】
【数4】
【0032】ただし、y方向に関しても、x方向と同様に
近似される。この近似及びx方向とy方向の初期分布がス
テップ状をなすものとすると、数1におけるx及びy方向
の積分は解析的に実行できる。更に、z方向の積分の結
果は、あらかじめ一次元プロセスシミュレーション1に
より計算されている。以上より、数1は、数5、数6及
び数7のように近似的に変形される。
【0033】
【数5】
【0034】
【数6】
【0035】
【数7】
【0036】ここで、εは重み定数、fは一次元プロセ
スシミュレーションにより計算された、深さ方向の不純
物分布である。また、erfは誤差関数、σnは蓄積拡
散長、σ⊥はイオン打ち込みによる不純物の横方向の広
がりを表わす。さらに、分割領域を構成する各矩形は、
頂角(a,c)、(a,d)、(b,d)、(b,c)で与えられ、
添え字kは、分割領域を構成する矩形の番号である。分
割領域を構成する一つの矩形の頂角の一実施例は、図7
に示してある。数5、数6及び数7は、本発明により得
られた、一次元深さ方向不純物分布群5及び三次元蓄積
拡散長分布4から三次元不純物分布7を計算するための
解析式6である。
【0037】次に、図11に一次元プロセスシミュレー
ションにより得られた一次元深さ方向不純物分布群5及
び一次元深さ方向蓄積拡散長分布群2のディスク又はメ
モリ上のデータ構造の一実施例を示す。データテーブル
は、図11に示すように、シミュレーション番号15
1、メッシュ数152、メッシュ座標153、及び不純
物番号156に対応した各メッシュ点上の不純物濃度と
蓄積拡散長の情報が書き込まれている。これらの情報及
び後述の組み合わせテーブルの情報から三次元不純物分
布7が計算される。
【0038】図12に、組み合わせテーブルの一実施例
を示す。この組み合わせの並びに従って、一次元不純物
分布に基づいて、各分割領域に導入された不純物種の三
次元分布が順に計算される。組み合わせは、一次元プロ
セスシミュレーション番号、不純物種及び分割領域によ
って決定される。図12は、番号1の一次元プロセスシ
ミュレーションにより得られた、リン、アンチモン、ボ
ロン、砒素が分割領域1にセットされ、番号2の一次元
プロセスシミュレーションにより得られたボロンが分割
領域2、3、4にセットされ、上記手法に従って不純物
分布が三次元化されることを示している。この組み合わ
せは、ユーザが入力した分割領域情報及びプロセスフロ
ーから生成される。
【0039】図13及び図14に、三次元不純物分布7
が生成される様子を示した概念図である。図13は、分
割領域101及び102に同一の一次元プロセスシミュ
レーションより得られた一次元深さ方向の不純物分布1
07、108を、分割領域103に、これとは異なる一
次元プロセスシミュレーションより得られた不純物分布
105を、更に分割領域104に前記2つのシミュレー
ションとは異なる一次元プロセスシミュレーションより
得られた不純物分布を、それぞれセットした概念図であ
る。図14に、これら一次元不純物分布5が三次元不純
物分布7に、拡張されたようすを示す。図14では、図
13の不純物107、108、105、106がそれぞ
れ110、111、113、112に拡張されている。
これら不純物は、三次元化により横方向にも分布を持っ
ていることがわかる。
【0040】図15に、本発明を実施する計算機システ
ムの構成の一実施例を示す。計算機システムは、プロセ
スシミュレータ1及び三次元不純物計算163のプログ
ラムを実行する処理装置161と、プロセスシミュレー
タ1により計算された一次元深さ方向不純物分布群5及
び一次元深さ方向蓄積拡散長分布群2からなるデ−タ1
64を格納するディスク162とで構成される。三次元
不純物計算163は、ディスク162に書き込まれた一
次元深さ方向不純物分布群5及び一次元深さ方向蓄積拡
散長分布群2を読み込み、得られた三次元不純物分布7
をディスク162に書き込む。
【0041】図18に、本発明による高速三次元不純物
分布計算フローの一実施例を示す。まず始めに異種分割
領域の数だけ(19)、一次元プロセスシミュレーショ
ン1が行われ、本発明では、一次元プロセスシミュレー
ションで深さ方向の不純物分布5に加えて、さらに深さ
方向の蓄積拡散長分布2が計算される。蓄積拡散長分布
2は、深さ方向に分布する不純物の縦方向広がりの度合
いを表わす。ここで、深さ方向の蓄積拡散長分布2は、
一次元プロセスシミュレーションの拡散計算ルーチンに
おける拡散計算の際、各タイムステップで計算される拡
散長を全てのタイムステップで足し合わせることにより
得られる。
【0042】全ての一次元プロセスシミュレーション終
了後、深さ方向の不純物分布5及び深さ方向の蓄積拡散
長分布2から得られた三次元不純物分布を三次元素子の
形状に対応させてセットするために、まず素子全体をメ
ッシュ分割する(18)。次に、分割領域を矩形に分割す
る(17)。その結果、ある分割領域直下に存在する不
純物の横方向広がりは、解析式6で計算できる。
【0043】次に、組み合わせ9の数だけ以下の手順を
繰り返す(16)。まず、三次元不純物分布を計算する
一つの三次元メッシュ点を選ぶ。次に、組み合わせによ
り指定された一次元プロセスシミュレーション1から得
られた、指定された不純物種の深さ方向の不純物分布5
及び深さ方向の蓄積拡散長分布2をディスクから取り出
す。取り出された一次元深さ方向蓄積拡散長分布5よ
り、幾何学的手法3を用いて、指定された三次元メッシ
ュ点上の蓄積拡散長を計算する(12)。得られた蓄積
拡散長の値を用いて、指定された分割領域を構成する全
ての矩形領域に対して、計算された重み定数を足し合わ
せる(14)。一つの矩形領域に対する重み定数は、指
定された矩形を構成する座標点と、指定された三次元メ
ッシュ点の座標及び幾何学的手法により得られた蓄積拡
散長とから、解析式6を用いて計算される(11)。足
し合わされた重み定数から、指定された不純物に対す
る、指定されたメッシュ点上での不純物濃度の値が、解
析式6により計算される(13)。全ての組み合わせ
(16)、全てのメッシュ点(15)に対して上記の処理を
繰り返すことにより、導入された全ての不純物に対する
三次元不純物分布7が計算されてディスクに出力される
(210)。
【0044】
【発明の効果】従来のプロセスシミュレ−ションで得ら
れる一次元深さ方向の蓄積拡散長分布から、簡便な幾何
学的な手法と計算が容易な解析式とによって三次元不純
物分布を計算するので、高速且つ高精度に三次元不純物
分布を計算できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速三次元不純物分布計算の処理
概要の一実施例。
【図2】分割領域、シミュレーション番号及び不純物導
入の一実施例。
【図3】一次元蓄積拡散長分布計算手順の一実施例。
【図4】分割領域の矩形分割の一実施例。
【図5】分割領域が斜め線を有する場合の矩形分割の一
実施例。
【図6】複数分割領域を矩形分割した場合の一実施例。
【図7】分割領域を構成する矩形kを構成する座標の一
実施例。
【図8】蓄積拡散長の三次元分布を計算する幾何学的手
法の一実施例。
【図9】蓄積拡散長の三次元拡張のための幾何学的手法
説明図。
【図10】蓄積拡散長の三次元拡張のための幾何学的手
法説明図。
【図11】一次元深さ方向不純物、蓄積拡散長分布群テ
ーブルの一実施例。
【図12】組み合わせテーブルの一実施例。
【図13】三次元空間にセットされた一次元不純物分布
の一実施例。
【図14】本アルゴリズムにより得られた三次元不純物
分布の一実施例。
【図15】本発明による装置概略。
【図16】拡散現象を積分方程式で記述する場合の概念
図。
【図17】本発明による解析式を導く際に用いた近似の
説明図。
【図18】本発明による高速三次元不純物分布計算フロ
ーの一実施例。
【符号の説明】
1…一次元プロセスシミュレーション、2…一次元深さ
方向蓄積拡散長分布群、3…幾何学的手法、4…三次元
蓄積拡散長分布、5…一次元深さ方向不純物分布群、6
…解析式、7…三次元不純物分布。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265 H01L 21/265 Z (72)発明者 河上 恵 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理装置とディスクとからなる計算機シス
    テムを用いて半導体中の不純物分布を計算する際に、前
    記処理装置は、 指定された領域に対して一次元プロセスシミュレーショ
    ンを行なって得られた一次元深さ方向の不純物分布及び
    拡散長分布を前記ディスクに格納し、 各タイムステップで計算された前記拡散長を全てのタイ
    ムステップで足し合わせることにより得られる一次元深
    さ方向の蓄積拡散長分布を計算し、 前記不純物分布と前記蓄積拡散長分布とを用いて、三次
    元不純物分布を計算することを特徴とする高速三次元不
    純物分布計算方法。
  2. 【請求項2】前記三次元不純物分布の計算のステップ
    は、 不純物の注入領域のエッジからの水平距離及び深さから
    なる三次元メッシュ点の幾何学的情報に基づいて、前記
    一次元深さ方向の蓄積拡散長分布から三次元蓄積拡散長
    分布を計算し、 前記三次元蓄積拡散長分布と前記不純物分布とを含む解
    析式を用いて三次元不純物分布を計算することを特徴と
    する請求項1記載の高速三次元不純物分布計算方法。
  3. 【請求項3】前記解析式は、各メッシュ点における前記
    三次元蓄積拡散長分布を含む各ガウス関数を、前記不純
    物分布に逐次重畳させた積分方程式であることを特徴と
    する請求項2記載の高速三次元不純物分布計算方法。
  4. 【請求項4】半導体中不純物分布を計算するプロセスシ
    ミュレータにおいて、指定された領域に対して一次元プ
    ロセスシミュレーションを行なうことにより得られた、
    一次元深さ方向不純物分布群に加えて拡散計算の際、各
    タイムステップで計算される拡散長を全てのタイムステ
    ップで足し合わせることにより得られる一次元深さ方向
    蓄積拡散長分布群を用いて、三次元不純物分布を計算す
    ることを特徴とする高速三次元プロセスシミュレータ。
JP29297993A 1993-11-24 1993-11-24 高速三次元不純物分布計算方法 Pending JPH07147254A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009521031A (ja) * 2005-12-23 2009-05-28 セントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シャンティフィク 少なくとも1個の波と、各物体の表面が少なくとも2個の媒質間の界面を画定している、少なくとも1個の物体との間の相互作用をモデル化する汎用的方法
US10055520B2 (en) 2015-08-07 2018-08-21 Toshiba Memory Corporation Process simulator, layout editor, and simulation system

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