JPH0714669B2 - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法

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JPH0714669B2
JPH0714669B2 JP2834787A JP2834787A JPH0714669B2 JP H0714669 B2 JPH0714669 B2 JP H0714669B2 JP 2834787 A JP2834787 A JP 2834787A JP 2834787 A JP2834787 A JP 2834787A JP H0714669 B2 JPH0714669 B2 JP H0714669B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平版印刷版用支持体の製造方法に関するもの
で、特に支持体としてのアルミニウム板の表面を粗面化
する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、平版印刷版としてはアルミニウム板に感光性組成
物を層状に塗設して感光層とした、いわゆるPS版(Pres
ensitized Plate)があるが、上記アルミニウム板は各
種の方法により粗面化されるか、粗面化後、酸またはア
ルカリの水溶液によりエッチングされ、さらに陽極酸化
処理に付された後、所望により親水性化処理が施されて
平版印刷版の支持体とされる。この支持体上に感光層を
設けて感光性平版印刷版、つまりPS版となし、これに露
光、現像、修正、ガム引き等の工程を施して印刷版とな
し、さらにこれを印刷機にとりつけて印刷を行う。
上述のアルミニウム板の表面処理方法としては、例えば
ボールグレイン、ワイヤーグレイン、ブラシグレイン、
液体ホーニング等の機械的粗面化方法や、電解グレイン
と称される電気化学的粗面化方法、あるいは化学的粗面
化方法、さらにこれらの粗面化方法を組み合せた方法な
どが用いられている。しかしながらこれらの従来の方法
にはそれぞれ次のような問題点があった。
すなわち、ボールグレインの場合には、用いられるボー
ルの種類(材質)や大きさの選定、研摩の際の水分の調
整、研摩時間、仕上りの表面の評価など、特にバッチ式
であるために特別高度の熟練を要し、しかも生産性が著
しく劣るという問題点があった。
またワイヤーグレインの場合はそれにより得られるアル
ミニウム板表面の砂目が不均一であり、ブラシグレイン
では粗面化した表面には大きな粗さが得られず、また用
いられる研摩ブラシの摩耗により粗面にばらつきが生じ
易く、さらにブラシの毛先と研摩材との強力な摩擦によ
りアルミニウム表面が複雑に掻きむしられてあたかもバ
リにも相当する鋭い突起がかなり生じ、これらの突起に
起因してPS版の現像の際にも除去されるべき部分の感光
層が残留して版面の汚れを生じたり、アルミニウム板を
取り扱う際に処理面(粗面)の擦り合わせなどにより表
面に傷が生じ易い等の問題があった。
液体ホーニングの場合には、液体に研摩材微粉末を分散
させたスラリー液を圧縮空気などで加速吹きつけするた
めにアルミニウム表面に研摩材微粉末が突きささり易
く、バリとなり易い。またこの方法ではアルミニウム表
面に対するスラリー液の衝撃力が弱くて表面粗さを十分
に大きくすることができず、さらにスラリー液が加速噴
出されるので、噴出ノズルの磨耗が著しい等の問題があ
った。
また電気化学的粗面化においては粗面化した表面の砂目
を一定にするためには電解条件の制御を精密に行なわれ
なければならず、電力消費も少なくなく、さらに電解液
中に残留、蓄積するAlイオンを含む廃液の処理には多大
の経費がかかり、化学的粗面化の場合には処理に要する
時間が長く従って大量生産には適さず、また前記方法と
同様に廃液処理に多大の経費を必要とし、大量生産には
適さなかった。
上記の問題点を一部解消し大量生産に適する粗面化方法
として、ブラシグレイン又はワイヤーグレインと電解グ
レインとの複合粗面化方法(例えば特開昭54−63902号
公報)や液体ホーニングと電解グレインとの複合粗面化
方法(例えば特開昭60−19593号公報)が開示されてい
るが、これらは時代的進歩と要望に対し、やはり印刷中
に汚れを生じ易かったり耐刷性が不充分である問題点を
有していた。
又更にこれらの問題点を解決する方法として、大量生産
に適しており、印刷中の汚れにくさと耐刷性に優れた方
法として高圧水でスラリー液を加速して砂目立てを行う
方法(例えば特開昭59−214697号公報)が開示されてい
るが、上記の高圧水でスラリー液を加速して砂目立てを
行う方法は、大量のスラリー水,高圧水を循環しなけれ
ばならないという問題点があった。
また、これを解決する方法として先に本発明者等はレー
ザを支持体に照射して粗面化する方法を提案した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前述のレーザによる粗面化方法はすぐれ
た方法であるが、薄い支持体の場合、熱による支持体の
変形を生じることがあり、しかも最近は更に微細な砂目
を作成し、高品質の平版印刷版を作成する要望が高まっ
てきた。
本発明の目的は上記の如き各々の砂目立て法の欠点を解
消し、レーザ照射の熱による支持体の変形がなく、更に
微細の凸凹を作成することの出来る、又印刷中の汚れに
くさと耐刷性とすぐれた砂目立て方法による平版印刷版
用支持体の製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明者等は上記目的に対し、鋭意検討を行った結果、
本発明に到達した。
即ち本発明は平版印刷版用支持体を液中においてレーザ
を照射して粗面化することを特徴とする平版印刷版用支
持体の製造方法を要旨とするものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明においては平版印刷版用支持体としてはアルミニ
ウム板が主として用いられるが、用いられるアルミニウ
ム板の素材としては、純アルミニウムおよびアルミニウ
ム合金があり、後者としては珪素,銅,マンガン,マグ
ネシウム,クロム,亜鉛,鉛,ビスマス,ニッケルなど
を微量含むアルミニウムを主成分とする合金がある。い
ずれにしてもアルミニウムの純度が99.0%以上であるも
のが好ましいといえる。
以下アルミニウム板の粗面化について詳説するが本発明
はこれに限らず亜鉛,鉄等,他の金属ウエブにも適用可
能である。
このような素材からなるアルミニウム板は、平版印刷版
としては、一般には印刷機の関係から長方形の形状のも
のが使用されるが、本発明においては長方形に裁断され
るまでは、特に大量生産の規模では帯状(ウエブ状)で
あり、適宜それを選択して取扱われる。アルミニウム板
の厚さは、それによってつくられた平版印刷版を印刷機
に装着した場合に必要な引張強度、耐力、延び、折曲げ
強度などの関係から実用的には0.1〜0.5mmの範囲で適宜
選択される。
本発明において照射するレーザの種類としては、CO レ
ーザ,イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YA
G)レーザ,ルビー(Ruby)レーザと各種あるが、支持
体の種類、粗面化形状などによって適時選択される。例
えばアルミニウム板の場合、YAGレーザの様に波長の短
い方が良い。照射するエネルギーとしては1×10-5J/mm
2〜1×10-5J/mm2が良いが、支持体の材質,焦点距離,
ビーム径,レーザの種類などによって適時選択される。
また、支持体の速度,大きさによって、ビーム移動速度
など適時変化させる。
本発明において支持体を囲む液としては、先ず工業用水
があげられるが求める砂目形状によっては酸・アルカリ
を用いることも出来る。また電気化学的処理液中におい
てレーザを照射してもよい。
又、本発明はこの様にして粗面化された支持体に更に、
電気化学的砂目、又は化学エッチングを行ない電気化学
的砂目を重畳させる方法に用いることも出来る。後述の
電気化学的砂目立を均一に行う場合には、この化学エッ
チング処理を行うことがより好ましい。アルカリ以外に
もアルミニウムを侵食する溶液(例えばフッ酸、リン
酸、硫酸等の酸)でエッチングしてもよい。好ましいア
ルカリ剤は、カセイソーダ、カセイカリ、メタ珪酸ソー
ダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、グルコン酸ソーダ
等である。濃度1〜50重量%、温度は常温〜90℃、時間
は5秒間〜5分間の範囲から選択されるのが適当であ
り、アルミニウムのエッチング量が0.1〜10g/m2の範囲
になるように選択されることが好ましい。
このようにアルカリエッチングしたアルミニウム板の表
面には、アルカリに不溶な物質(スマット)が残存する
ので、酸性溶液(HNO3,H2SO4,H3PO4溶液等)により、デ
スマット処理を行なう。
引続き、アルミニウム板の表面は、電気化学的に粗面化
される。このときの電解液は、塩酸、硝酸またはその混
合液が好ましい。0.1〜10wt%より好ましくは、0.3〜3w
t%の溶液中で直流又は交流を用いて電解される。電解
に使用する電気量に応じて表面には2次粗面が形成され
る。2次砂目のピット深さは0.1〜1μm、ピット径は
0.1〜5μm、より好ましくは、ピット深さが0.1〜0.8
μm,ピット径0.1〜3μmである。
このようなピット径を形成するには、特公昭56−19280
号、特公昭55−19191号公報に記載の特殊交番波形を用
いるのがより好ましい。即ち、電解波形をコントロール
することにより、経済的かつ均一に2次砂目を形成する
ことができる。また、米国特許3963564号、同3980539号
等の明細書に開示されているような、アミン、グルコン
酸、ホウ酸、リン酸、フッ酸等を電解液に添加してもよ
い。
2次砂目を形成したアルミニウムは、引続き、酸又はア
ルカリ溶液で処理されることが好ましい。具体的には特
公昭56−11316号公報に記載されている硫酸の他に、リ
ン酸またはリン酸とクロム酸の混液が用いられる。ま
た、特公昭48−28123号公報に記載されているような苛
性ソーダなどのアルカリ性溶液で軽くエッチング処理を
行って、表面に付着しているスマットを除去する。アル
カリ溶液で付着したスマットを除去する場合、アルミニ
ウム表面をエッチングするので、アルカリに不溶成分が
残存する。それ故に、酸性溶液(硫酸、リン酸、クロム
酸等)により再度デスマットする必要がある。
また、本発明は必要に応じ、本発明により粗面化された
支持体に更に高圧水でスラリー液を加速し、一次砂目形
成後ブラシグレイン法により砂目形状を変性させる工程
を付与しても良い。
又、場合によっては感光層中のジアゾ化合物の経時安定
性を保つ為,または感光層との接着性,耐刷性等の向上
の為に中間層あるいはアルミニウム表面上に陽極酸化皮
膜を形成させてもよい。
この処理は前記電気化学的砂目を重畳させた支持体にも
適用される。
ここで中間層とは、米国特許第2714066号及び同第31814
61号明細書に記されている様にアルカリ金属シリケー
ト、例えば珪酸ナトリウムによる浸漬方法でのシリケー
ト層、あるいは、親水性下塗層例えばCMC、PVA等の下塗
層を言う。陽極酸化皮膜の形成に用いられる電解液とし
ては硫酸以外に例えばリン酸、クロム酸、シュウ酸、ベ
ンゼンスルホン酸等がある。
陽極酸化皮膜は0.1〜10g/m2、より好ましくは0.3〜5g/m
2表面に形成するのが良い。
陽極酸化処理する前にアルカリエッチング、デスマット
処理するのが好ましい。
陽極酸化の処理条件は、使用される電解液によって種々
変化するので一概には決定されないが、一般的には電解
液の濃度が1〜80重量%,液温5〜70℃、電流密度0.5
〜60A/αm2,電圧1〜100V,電解時間10秒〜5分の範囲が
適当である。
この様にして得られた陽極酸化皮膜を持つ砂目のアルミ
ニウム板はそれ自身安定で親水性に優れたものであるか
ら、直ちに感光性塗膜を上に設ける事も出来るが、必要
により更に表面処理を施す事が出来る。たとえば、先に
記載したアルカリ金属珪酸塩によるシリケート層あるい
は、親水性高分子化合物よりなる下塗層を設けることが
できる。下塗層の塗布量は5〜150mg/m2が好ましい。
次に、このように処理したアルミニウム支持体上に感光
性塗膜を設け、画像露光、現像して製版した後に、印刷
機にセットし、印刷を開始する。
〔実 施 例〕
実施例−1 JIS1050アルミニウム板に水中にてYAGレーザを0.3J/mm2
照射し、アルミニウム板を粗面化した。照射したアルミ
ニウム板を電子顕微鏡写真により表面を観察すると、バ
リもなく、溶融したためか、凸凹が非常になめらかであ
り、砂目も均一であった。得られたアルミニウム板表面
の平均粗さは0.4μmであり、ドライ中のレーザ照射よ
り細い凸凹が得られた。
次いで、このアルミニウム板を15(重量)%の硫酸水溶
液(温度30℃)中に浸漬し、極間距離150mmにおいて、
電圧22Vの直流を通して60秒間の陽極酸化処理を施し
た。さらにJIS3号珪酸ナトリウムの2(重量)%水溶液
(浴温70℃)中に30秒間浸漬し、次いで水洗,乾燥を経
たのち、感光性成分としてP−ジアゾジフェニルアミン
こと、ホルムアルデヒドの1:1縮合物のP−トリエンス
ルホン酸塩を乾燥厚さが1.8g/m2となる様に塗布し乾燥
せしめた。このサンプルを(A)とする。
比較例−1 実施例と同じJIS1050アルミニウム板を平均粒径120μm
のアルミナ研磨材を懸濁させたスラリー液を、30kg/cm2
の圧力でノズルから吐き出している水流に合流させ、ア
ルミニウムの表面に対して∠45゜の角度をなして上記の
合流をアルミニウム表面へ衝突させ平均表面粗さ0.6μ
mの均一な砂目の粗面を形成させた。
実施例の場合と同じように電子顕微鏡写真により得られ
たアルミニウム板の表面を観察すると、比較的周期が短
く浅い砂目であった。
次いで実施例−1と同様な陽極酸化処理を施し、感光性
成分を塗布,乾燥を行った。このサンプルを(B)とす
る。
以上(A),(B)のサンプルを露光,現像後、通常の
手段により印刷した。結果を第1表に示す。
第1表に示すように本発明によって製作したサンプルA
が、従来の方法によるサンプルBよりも印刷中の汚れに
くさが向上していることがわかる。又耐刷性は10万枚の
優れた性能を示した。
なお支持体の熱による変形は見られずドライ中のレーザ
照射時より更に微細な凸凹が得られた。
〔発明の効果〕
本発明は平版印刷版用支持体を液中においてレーザ照射
して粗面化することを特徴とする平版印刷版用支持体の
構造方法により、熱による支持体の変形なく、更に微細
な凸凹の粗面化が得られ、印刷中の汚れにくさを向上
し、又耐刷性に優れた印刷版支持体が作成出来るように
なったことで印刷品質の向上とコストダウンを実現出来
た。
又レーザエネルギーを液中において支持体に照射するこ
とで支持体表面の汚れ、変質層の除去も一度に出来、又
レーザ照射による支持体と処理液の界面活性化が生じ、
更に微細な砂目を生成することが出来た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平版印刷版用支持体を液中においてレーザ
    を照射して粗面化することを特徴とする平版印刷版用支
    持体の製造方法。
JP2834787A 1987-01-22 1987-02-12 平版印刷版用支持体の製造方法 Expired - Fee Related JPH0714669B2 (ja)

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