JPH07146263A - 熱交換器の汚れ係数の推定方法 - Google Patents

熱交換器の汚れ係数の推定方法

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JPH07146263A
JPH07146263A JP29334693A JP29334693A JPH07146263A JP H07146263 A JPH07146263 A JP H07146263A JP 29334693 A JP29334693 A JP 29334693A JP 29334693 A JP29334693 A JP 29334693A JP H07146263 A JPH07146263 A JP H07146263A
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heat exchanger
fouling
sensor
cooling water
coefficient
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JP29334693A
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Hideo Otaka
秀夫 大高
Masaaki Taneno
真明 種子野
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器の汚れの付着状況を、熱交換器の運
転を停止することなく、的確に推定ないし予測する。 【構成】 熱交換器22の冷却水出口近傍に、熱交換器
22を構成する材料と同一又は略同一材質よりなる評価
チューブを備えたファウリングセンサ1を設けて熱交換
器22の汚れ係数を推定する。ファウリングセンサ1の
評価チューブ2の外面に沿って、熱交換器22内を流出
した冷却水を熱交換器22内の冷却水流通速度と略同一
速度で流通させる。ファウリングセンサ1に熱交換器2
2の熱負荷と略同一の熱負荷を加えてファウリングセン
サ1におけるスケール進行速度Scを求める。このスケ
ール進行速度から、熱交換器の汚れ係数の推定値を算出
する。 【効果】 実系の熱交換器22と同一の水環境においた
ファウリングセンサ1についてスケールの進行速度を求
め、この値を熱交換器の汚れ係数算出式に代入すること
により、実測値に近く、十分に実用的な数値を求めるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱交換器の汚れ係数の推
定方法に係り、特に、熱交換器の運転を停止することな
く、ファウリングセンサを用いて汚れ係数を予測する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却水系では冷却対象の高熱源を熱交換
器を介して冷却し、冷却により高温となった冷却水は冷
却塔において冷却して循環使用している。このような冷
却水系では、近年、省エネルギーを図るために、冷却水
がより高濃縮、低流速で運転されるようになってきてい
るが、このような運転条件下では、熱交換器内にスケー
ル、スライム或いは腐食が発生し、熱交換の伝熱効率を
低下させたり、冷却水流路を閉塞させるなどの障害が発
生する。
【0003】このような問題を防止するために、冷却水
にスケール防止剤、スライム防止剤、腐食防止剤などの
水処理薬品を添加したり、或いは冷却水の一部をブロー
することが行なわれているが、これら薬品の添加量やブ
ロー水量を的確に制御することは極めて困難であった。
【0004】そこで、従来、適当な温度測定等を行なっ
て、熱交換器の汚れの状態を推定ないし予測し、この結
果に基いて水処理薬品の添加制御をするなどの対策が講
じられている。
【0005】従来、熱交換器の汚れの状態の推定ないし
予測には、U値(総括伝熱係数)やATD(Appro
ach Temperature Differenc
e=被冷却媒体出口温度−冷却水入口温度)、LTD
(Leaving Temperature Diff
erence=被冷却媒体凝縮温度−冷却水出口温度)
を指標とする方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
非凝縮系の熱交換器であれば汚れの状態を推定できる
が、凝縮系の熱交換器では汚れの付着量が一定量以上に
ならないと、凝縮温度の上昇として表れないため、汚れ
の状態を推定することができない。このため、凝縮系の
熱交換器では、汚れの付着具合を見るために、熱交換器
の運転を停止して、目視や抜管による付着量の測定を行
なっている。
【0007】しかし、運転を停止して汚れの付着量を観
察、測定するためには、煩雑な作業を要する上に、この
作業では汚れの付着量の推移を知ることはできず、的確
な汚れ対策を早期に実施することができない。このた
め、対応の遅れによりファウリングなどのトラブルが発
生する恐れがあるという問題がある。
【0008】また、非凝縮系の熱交換器においても、U
値やATD,LTDの測定を行なっていない場合が多
く、この場合には、上記と同様の問題がある。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、熱交
換器の汚れの付着状況を、熱交換器の運転を停止するこ
となく、的確に推定ないし予測する熱交換器の汚れ係数
の推定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の熱交換器の汚
れ係数の推定方法は、熱交換器の冷却水出口近傍に、該
熱交換器の伝熱管を構成する材料と同一材質又は略同一
材質よりなり、かつ、長手方向管肉部に温度センサ挿入
孔を穿った評価チューブと、該評価チューブ内に装入さ
れたヒータと、前記温度センサ挿入穴に挿入された温度
センサとを備えてなるファウリングセンサを設け、該フ
ァウリングセンサで検出されるスケール進行速度に基づ
いて前記熱交換器の汚れ係数を推定する方法であって、
該ファウリングセンサの評価チューブの外面に沿って該
熱交換器から流出した冷却水を該熱交換器内の冷却水流
通速度と略同一速度で流通させると共に、該ファウリン
グセンサに該熱交換器の熱負荷と略同一の熱負荷を加
え、この状態で該ファウリングセンサにおけるスケール
進行速度Scを求め、該スケール進行速度から、下記
(I)式に基いて該熱交換器の汚れ係数の推定値を算出
することを特徴とする。
【0011】
【数2】
【0012】請求項2の熱交換器の汚水係数の推定方法
は、請求項1の方法において、スケール進行速度Sc
は、評価チューブの伝熱面長さL0 を、評価チューブへ
の通水開始から評価チューブの検出温度が熱交換器のプ
ロセス温度に達するまでの時間Tで除した値であること
を特徴とする。
【0013】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本
発明で用いるファウリングセンサの具体例について図面
を参照して説明する。
【0014】本発明においては、具体的には、特開平2
−96644号公報で提案されたファウリングセンサを
用いる。図2は本発明に好適な、特開平2−96644
号公報記載のファウリングセンサを示す縦断面図、図3
は図2の−線に沿う断面図である。
【0015】このファウリングセンサ1は、熱交換器の
伝熱管の構成材料と同一材質又は略同一材質よりなる評
価チューブ2と、この評価チューブ2内に装入されたヒ
ータ3と、評価チューブ2の管内部に長手方向に穿設さ
れた温度センサ挿入穴4に挿入された、評価チューブ2
の管肉温度を測定するための温度センサ(熱電対)5と
を備えてなるものである。ここで略同一材質とは、熱交
換器の伝熱管の材質と同一ではないが、その熱伝導率が
近似する材質のものを指す。
【0016】5aは温度センサ5のリード線である。温
度センサ5としては、熱電対以外に白金測温抵抗体やサ
ーミスタ等も使用できる。6は非伝熱性ヒータ保護材で
あって、ヒータ3の着脱時にヒータ3が破損することが
ないように、またヒータ3の着脱が容易となるように取
り付けられている。さらに、固定金具18や空気中など
に熱が漏れることなくすべて水側に伝熱されるようにす
るための役目もなしている。7はヒータ3のリード線で
あって、AC電源に導通される。
【0017】このようなファウリングセンサ1は、図示
の如く、適当なカラム10に装着し、ファウリングセン
サ1の評価チューブ2の外表面に沿って、熱交換器から
流出した冷却水が流れるように取り付けて使用する。
【0018】カラム10は一方の開放端部に冷却水の導
入用配管11が接続具12を介して取り付けられてお
り、また、他方の開放端部には蓋部材13が取り付けら
れている。なお、接続具12及び蓋部材13は、それぞ
れのフランジ12a及び13aを、カラム10のフラン
ジ10a及び10bに当接させて、ねじ14a,14
b,14c,14dにより固定されている。
【0019】蓋部材13は冷却水の排出管15を有し、
また、ファウリングセンサ1の挿通用の開口16及びフ
ァウリングセンサ取り付け用の筒状部材17が同軸的に
設けられている。筒状部材17はその先端側が拡径して
おり、該拡径部の内周面には、雌ねじ17aが刻設され
ており、該雌ねじ17aに固定金具18の雄ねじ18a
が螺着されている。ファウリングセンサ1は、シール用
Oリング19a,19bを介して固定金具18に挿通さ
れ、カラム10内にその先端側が位置するように、位置
調整ねじ20a,20b,20cで固定されている。
【0020】固定金具は、ファウリングセンサ1を設置
予定箇所に固定する役目のほかに、Oリング19a,1
9bを締め付け、液漏れを防ぐ役目も果たしている。ま
た、位置調整ねじ20a,20b,20cが挿通される
ねじ孔はルーズホールとなっており、ファウリングセン
サ1をカラム10の中心にくるように調節することがで
きる。
【0021】熱交換器から流出された冷却水は、配管1
1、接続具12を経てカラム10内に導入され、排出管
15より排出される。この冷却水は、カラム10内にて
ファウリングセンサ1の評価チューブ2に接触し、その
外表面にスケール等を発生させる。スケール等の発生に
よりチューブ2の管肉部の温度が変化するため、温度セ
ンサ5により検出された温度により、スケールの生成を
知ることができる。
【0022】なお、本発明において、熱交換器の熱負荷
とは、伝熱面の単位面積当りに1時間に加えられる熱量
(kcal/m2 ・hr)であり、下記式により求めら
れる値である。
【0023】
【数3】
【0024】このような熱交換器の熱負荷と等しい熱負
荷をファウリングセンサに加えるためには、ヒータ3へ
の通電電力を調節して同一熱負荷が発生するようにすれ
ば良い。
【0025】
【作用】実系の熱交換器運転では、冷却水の熱交換器入
口温度や被冷却媒体の蒸気圧力などの運転条件が変動
し、このため、熱交換器の汚れ係数も変化する。
【0026】本発明においては、汚れ係数を推定するた
めに、熱交換器の出口近傍に、ファウリングセンサを設
け、熱交換器から流出する冷却水の一部を熱交換器内の
流速と同流速となるように流通させると共に、熱交換器
の伝熱管の構成材料と同一又は略同一材質の評価チュー
ブに熱交換器の種類や運転状態、生成する汚れに応じ
て、熱交換器と同等の熱負荷を付加する。
【0027】このようにして、実系の熱交換器の伝熱管
と同一又は略同一材料であるが長さの短いファウリング
センサの評価チューブを、実系と同じ水環境におく。フ
ァウリングセンサの評価チューブ面上へのスケールの析
出、付着は、温度の高い水出口部(図1の1A側)から
起こり、水が流れてくる方向(流入側:図1の1B側)
に向けて析出が進む。このスケールの付着、析出速度
は、ファウリングセンサの評価チューブの短長に拘らず
一定である。従って、このような条件下のファウリング
センサについて求めたスケール進行速度は、熱交換器の
スケール進行速度と考えることができる。
【0028】ファウリングセンサでは、評価チューブの
表面がスケールで覆われる割合に応じてファウリングセ
ンサ内の検出温度は少しずつ上昇する。センサの評価チ
ューブの外面の全面がスケールで覆われると、温度セン
サの検出温度は著しく上昇する。この温度センサの検出
温度が熱交換器のプロセス温度(熱交換器の被冷却媒体
の熱交換器流入直前の温度)と等しくなるまでの時間を
測定する。そして、評価チューブの伝熱面長さ(図2の
0 )と、ファウリングセンサへの冷却水通水開始から
ファウリングセンサの検出温度が熱交換器のプロセス温
度に等しくなるまでの時間Tとから、ファウリングセン
サ及び熱交換器のスケール進行速度Scを Sc=L0 /T で求めることができる。
【0029】そして、本発明においては、このようにし
て求められたスケール進行速度Scを下記(I)式に代
入して、その時点における汚れ係数推定値を算出する。
【0030】
【数4】
【0031】なお、1回目の測定が終わると新しいファ
ウリングセンサと交換して再度上記操作を繰り返す。そ
して前回に求めた汚れ係数の推定値に今回の汚れ係数の
推定値を加算した値が、現時点の実系の熱交換器の汚れ
係数と推定される。
【0032】水質に変動がない場合には、上記(I)を
用いて任意の時間(但し、スケール進行速度Scの算出
時以降)の汚れ係数推定値を算出することが可能であ
る。
【0033】なお、上記(I)式において、汚れが付着
した伝熱面の伝熱係数Usは、スケールの種類が特定で
きれば、実験による測定で求めることができる。
【0034】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の熱交換器の汚
れ係数の推定方法の具体的な実施例について説明する。
【0035】図1は本発明の熱交換器の汚れ係数の推定
方法の一実施例方法を示す系統図である。図1におい
て、21は冷却塔、22は熱交換器である。23はファ
ウリングセンサ設置用のカラムであり、その中に図2、
3のファウリングセンサ1が設置されている。
【0036】冷却塔21で冷却された冷却水は、ポンプ
24を備える配管25より熱交換器22の伝熱管26内
に流入する。そして、配管27より熱交換器22に流入
した蒸気又は温水等の被冷却媒体と熱交換する。この熱
交換により冷却されたドレン又は温水は配管28より熱
交換器22外部へ排出される。一方、熱交換により温度
が上昇した冷却水は、配管29より排出され冷却塔21
に循環されるが、この過程で冷却水の一部は、熱交換器
22の出口部近傍において配管29から配管30によっ
て分取され、カラム23内に導入される。この水は、フ
ァウリングセンサ1の外面に沿って流通された後、配管
31より配管29に合流し、冷却塔21に循環される。
32は補給水の流入配管である。33〜36の各符号は
配管途中に設けられた温度センサ、37は流量センサで
ある。
【0037】このような装置により行なった、汚れ係数
の推定実験方法及び結果を以下に示す。なお、冷却水水
質は下記の通りである。
【0038】冷却水水質 カルシウム硬度:250mg−CaCO3 /リットル マグネシウム硬度:60mg−CaCO3 /リットル M−アルカリ度:300mg−CaCO3 /リットル SiO2 濃度:60mg/リットル 濁度:10〜20 カルボン酸系スケール防止剤(アクリル酸−アリロキシ
ヒドロキシプロパンスルホン酸ポリマー)添加量:40
mg/リットル また、熱交換器22及びファウリングセンサ1の仕様及
び運転条件は次の通りとした。
【0039】熱交換器 伝熱管材質:SUS 304 伝熱管長さ(L):2.75m 伝熱面積:0.311m2 冷却水流量(流量センサ37の検出値):0.82m3
/hr 冷却水流速:0.5m/sec 熱交換器入口冷却水温(温度センサ34の検出値):3
0℃ 熱交換器出口冷却水温(温度センサ35の検出値):5
0℃ 被冷却媒体(蒸気)温度(温度センサ33の検出値):
105〜110℃ファウリングセンサ 冷却水流速:0.5m/sec ヒータ電力:1.5kw 評価チューブ材質:SUS304 評価チューブ伝熱面長さ(L0 ):16.5cm(0.
165m) 評価チューブ直径:22mm 評価チューブ肉厚:3mm 上記の如く、ファウリングセンサ1の評価チューブ2の
外面に沿って流れる冷却水の流速は熱交換器22内の冷
却水流速と同一とし、ファウリングセンサ1の熱負荷を
熱交換器22の出口付近の熱負荷にそろえるべく、上記
ファウリングセンサ1の伝熱量の条件設定を行なった。
【0040】即ち、熱交換器の出口付近の熱負荷は、上
記運転条件を数3の式に代入すると116000kca
l/m2 ・hrとなるため、この熱負荷量にそろえるべ
く、下式により伝熱量を算出した。
【0041】
【数5】
【0042】そしてファウリングセンサ1内の評価チュ
ーブ2の温度(温度センサ5の検出値)が熱交換器22
のプロセス温度(温度センサ33の検出温度)に達し
て、しばらくしてから、ファウリングセンサ1の評価チ
ューブ2を新しいものと交換した(第1回目の交換)。
【0043】ファウリングセンサ設置用カラム23への
冷却水流入開始から、上記の評価チューブの温度がプロ
セス温度に達するまでの時間T1 は、20.0時間であ
った。この時間T1 と、ファウリングセンサ1の評価チ
ューブ2の伝熱面長さL0 =0.165mとから、スケ
ール進行速度Scは、 Sc=0.165/20.0=0.00825(m/H
r) と求められる。
【0044】一方、熱交換器の汚れ付着前の総括伝熱係
数U0 は1176kcal/m2 ・hr・℃であり、上
記水質の冷却水により生成するカルシウム系スケールの
汚れが付着した時の熱交換器の伝熱面の伝熱係数Usは
900kcal/m2 ・hr・℃であることが認められ
た。この、U0 =1176kcal/m2 ・hr・℃,
Us=900kcal/m2 ・hr・℃,L=2.75
m,Sc=0.00825と冷却水通水開始からの任意
の経過時間t1 (ただしt1 ≧20.0hr)を前記
(I)式のtとして代入することにより汚れ係数の推定
値Rfを求めることができる。
【0045】また、例えば、通水開始120時間後の汚
れ係数の推定値Rf(120) は、t1=120をtに代入
することにより、同様にして算出することができる。
【0046】ここで、t1 =21.25として求めた汚
れ係数の推定値Rf(21.25) は0.0000129であ
った。
【0047】上記第1回目の交換後、交換した新しい評
価チューブの温度が熱交換器のプロセス温度に達するま
での時間T2 は4.5時間であった。
【0048】従って、スケール進行速度Scは Sc=0.165/4.5=0.0367 で求められる。
【0049】この値を前記(I)式に代入し、T2
4.5の任意の時間、ここでは18時間について汚れ係
数の推定値Rf(18)を求め、この値に、Rf(21.25)
加えることにより、冷却水通水開始から39.25(=
21.25+18)時間後の汚れ係数の推定値Rf
(39.25) を求めることができる。
【0050】この熱交換器について、既知の温度、流量
の温水を被冷却媒体として流すと共に、既知の温度、流
量の冷却水を流し、被冷却媒体の流出温度、冷却水の流
出温度を求めて、実測による汚れ係数を計算し、結果を
上記汚れ係数の推定値と共に表1に示した。また、汚れ
係数の推定値と実測値の推移を図4に示した。
【0051】
【表1】
【0052】表1及び図4より明らかなように、本発明
の方法により求めた汚れ係数の推定値は、実測値との誤
差が測定誤差の割合の多い初期を除き約20%程度であ
り、十分に実用に耐える値である。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の熱交換器の
汚れ係数の推定方法によれば、熱交換器の汚れの付着状
況を示す汚れ係数を、熱交換器の運転を停止することな
く、容易かつ確実に推定ないし予測することができる。
【0054】従って、本発明によれば、熱交換器の汚れ
の状況を常時予測して、的確なファウリング防止手段を
講じることにより、ファウリングを未然に防止すること
ができ、その工業的有用性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換器の汚れ係数の推定方法の一実
施例方法を説明する系統図である。
【図2】本発明に好適に採用されるファウリングセンサ
を示す縦断面図である。
【図3】図2の−線に沿う断面図である。
【図4】実施例における汚れ係数の推定値と実測値の推
移を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ファウリングセンサ 2 評価チューブ 3 ヒータ 4 温度センサ挿入穴 5 温度センサ 21 冷却塔 22 熱交換器 23 ファウリングセンサ設置用カラム 33,34,35,36 温度センサ 37 流量センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器の冷却水出口近傍に、該熱交換
    器の伝熱管を構成する材料と同一材質又は略同一材質よ
    りなり、かつ、長手方向管肉部に温度センサ挿入孔を穿
    った評価チューブと、該評価チューブ内に装入されたヒ
    ータと、前記温度センサ挿入穴に挿入された温度センサ
    とを備えてなるファウリングセンサを設け、該ファウリ
    ングセンサで検出されるスケール進行速度に基づいて前
    記熱交換器の汚れ係数を推定する方法であって、 該ファウリングセンサの評価チューブの外面に沿って該
    熱交換器から流出した冷却水を該熱交換器内の冷却水流
    通速度と略同一速度で流通させると共に、該ファウリン
    グセンサに該熱交換器の熱負荷と略同一の熱負荷を加
    え、この状態で該ファウリングセンサにおけるスケール
    進行速度Scを求め、 該スケール進行速度から、下記(I)式に基いて該熱交
    換器の汚れ係数の推定値を算出することを特徴とする熱
    交換器の汚れ係数の推定方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、スケール進行
    速度Scは、評価チューブの伝熱面長さL0 を、評価チ
    ューブへの通水開始から評価チューブの検出温度が熱交
    換器のプロセス温度に達するまでの時間Tで除した値で
    あることを特徴とする熱交換器の汚れ係数の推定方法。
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