JP5962134B2 - 冷却水ラインの汚れ監視方法及び薬注制御方法 - Google Patents

冷却水ラインの汚れ監視方法及び薬注制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷凍システム等における冷却水ラインの汚れを監視する方法と、冷却水ラインを制御する方法に関するものである。
各種工場、ビル等では、冷凍機等の各種の熱交換器を含む水系が設けられ、冷却水と被冷却体とを熱交換器を介して接触させて、被冷却体を冷却(場合により潜熱を奪うのみのものも含む)している。
近年、冷却水系においては、節水を図るために、冷却水がより高濃縮、低流速で運転されるようになってきているが、このような運転条件下では、冷却水の蒸発に伴ってイオン成分が濃縮し、スケールが析出して冷凍機内に付着することがある。また、微生物が冷却水中で繁殖し、スライムが機器内に付着することもある。
このようなスケールやスライム等の汚れの付着により、被冷却体から冷却水への伝熱が阻害される。これにより、凝縮器においては、被冷却体凝縮量が減少する、圧力が上昇する、被冷却体温度が上昇し、圧縮機の負荷が上昇し、高圧カット(一定以上で圧縮機が停止する。)に到る、等の事態が生じることがある。また、冷凍能力が低下し、消費電力量が増加するため、エネルギー効率が低下する。
このため、冷凍機においては、汚れの付着状況を正確に推定し、その状況に応じて、冷却水にスケール防止剤やスライム防止剤を適切に添加する必要がある。
特許文献1に記載の通り、冷凍機の熱交換効率を知る指標として、U値(総括伝熱係数)や汚れ係数があるが、計算が煩雑である。また、単位が[℃]ではなく、これらの値のみから、直ちに高圧カットに到るか否かを判断することは難しい。更に、この判断を行うためには、汚れが付着していない正常な状態での計測値が必要となる。
このため、特許文献2に記載の通り、実際には、下記式で求められるLTD(Leaving Temperature Difference)やATD(Approach Temperature Difference)が用いられている。
LTD=被冷却体の冷却後の温度−冷却水出口温度
ATD=被冷却体の冷却後の温度−冷却水入口温度
この被冷却体の冷却後の温度は、被冷却体の熱交換器出口温度として測定することができる。
一般に、圧縮式冷凍機では、熱交換が不十分になると被冷却体の冷却後の温度(この場合凝縮温度)が上昇し、一定レベルを超えると高圧カットを引き起こし、稼働不能となるため、LTD,ATDで状況を判断することが可能である。即ち、上記2式から、ATD=LTD+(冷却水出口温度−冷却水入口温度)の関係式が得られ、これから求められるATD(又はLTD)は温度を単位とするため、この温度と既知の被冷却体凝縮温度とを比較することにより、高圧カットが生じるか否かを直ちに判断することができる。
なお、このATD,LTDは、汚れの他に負荷変動の影響を強く受けるところから、特許文献2には、このLTD,ATDを補正し、補正LTD値又は補正ATD値と基準値とを比較して熱交換器の汚れを監視することが記載されている。
特許文献3には、冷却水系のスライム付着を検知する付着物検出装置として、金属管内に発熱体及び測温体が挿入され、該発熱体及び測温体と該金属管の内面との間に充填材が充填されてなるプローブと、該発熱体への通電制御手段と、該測温体の計測温度から該金属管外面への付着物の付着判定を行う判定手段とを備え、該発熱体への通電量を変化させた際に該測温体で計測される温度の変化に基づいて該金属管外面への付着物の付着を判定するものが記載されている。
特開2003−322494 特開平7−218188 特開2010−101840
熱交換器の汚れ状態を推定する指標値としてLTD,ATDおよび補正LTD、補正ATDを用いる方法では、汚れがスライムであるかスケールであるか判別できず、的確な薬注ができない。
本発明は、冷却水ラインの汚れがスライムであるかスケールであるか判別することができる冷却水ラインの汚れ監視方法と、この結果に応じて薬注を行う薬注制御方法とを提供することを目的とする。
本発明の冷却水ラインの汚れ監視方法は、熱交換器に冷却水を循環通水する冷却水系の汚れを監視する方法において、該熱交換器のLTD又はATDに基づく付着物の付着検出と、スライムセンサによるスライム付着検出とを行い、LTD又はATDに基づいて付着物の付着が検出された場合に、スライムセンサがスライムを検出していなければ、付着物はスケールであると判定し、スライムセンサがスライムを検出しており、このスライム検出量がLTD又はATDに基づく付着量に見合う量であるときには、付着物はスライムであると判定し、スライムセンサがスライムを検出しているが、このスライムセンサの検出スライム量がLTD又はATDに基づく付着検出量よりも少ないときには、スライムとスケールの双方が付着していると判定し、スライムセンサのスライム付着量に応じて付着物におけるスライムとスケールの割合を判別することを特徴とするものである。
本発明の薬注制御方法は、かかる本発明方法によって冷却水系における汚水監視(付着物の検出)を行い、この結果に基づいてスライム防止剤及び/又はスケール防止剤を該冷却水系に添加することを特徴とするものである。
本発明の冷却水ラインの汚れ監視方法によると、冷却水系への付着物の付着検出だけでなく、付着物がスライムであるかスケールであるかについても精度よく判別することができる。そのため、この判別結果に基づいて、冷却水系に対しスライム防止剤又はスケール防止剤を添加することにより、冷却水系のスライム、スケールを的確に防止(抑制を含む。)することができる。
実施の形態に係る付着物検出装置のプローブの断面図である。 実施の形態に係る付着物検出装置のセンサの斜視図である。 実施の形態の回路ブロック図である。 通電パターン及び温度変化パターン図である。 管壁部分における温度分布図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
第1図は実施の形態に係るスライム付着検出装置のプローブ付近の長手方向の断面図である。このスライム付着検出装置は、前記特許文献3(特開2010−101840)に記載のものである。
このプローブ1は、基端側が開放し先端側が閉じた真鍮、ステンレス等の耐食性金属よりなる金属管2と、該金属管2内に配置した発熱体3及び測温体4と、金属管2の内周面と該発熱体3及び測温体4との間のスペースに充填された電気絶縁性かつ熱良導性の酸化マグネシウム(マグネシア)粒子などの充填材5等を有する。プローブ1の基端側はエポキシ樹脂等の樹脂14で封止されている。
金属管2の肉厚は0.05〜0.5mm程度が好適である。金属管2の直径は2〜5mm程度が好適である。
発熱体3としては、絶縁性基板上に白金薄膜を形成したものなどが好適である。測温体4としては、熱電対やサーミスタ等が好適である。ただし、発熱体3及び測温体4としてはこれら以外のものを用いてもよい。
発熱体3は、金属管2の軸心部に配置されるのが好ましい。測温体4は、発熱体3と金属管2の内周面との間において金属管2の内周面と接するように設けられるのが好ましい。
発熱体3への通電用リード線3a,3bのうち、一方のリード線3aはプローブ1外にまで延在し、他方のリード線3bは金属管2に半田付け等により接続され、金属管2を介してリード線3cに導通しているが、リード線3bもリード線3aと同様にプローブ1外にまで延在してもよい。なお、リード線3cは金属管2の基端に半田付け等により接続されている。測温体4からの2本のリード線4a,4bは、プローブ1外に引き出されている。これらのリード線には絶縁被覆が施されている。
第2図は、このプローブ1を有したセンサの斜視図である。略円筒形のケーシング6の先端面の中心部からプローブ1が突設されている。このプローブ1に近接して、かつプローブ1から見て一方のサイドにのみバッフル7a,7bが設けられている。第2図(a)の形態では、バッフル7aは一端側が半円筒形(弧の長さが円周の1/2である曲板形)であるバッフル部8aとしたものであり、他端側の基部9aにケーシング6を嵌入させて、バッフル部8aがプローブ1の一方のサイドを囲うように固定されている。バッフル8aは、プローブ1と平行方向に、かつプローブ1と同様の長さで、ケーシング6の先端から突設されている。バッフル部8aとプローブ1の中心との距離は、ケーシング6の半径と略等しく、例えばプローブ1の外径の3〜10倍程度である。バッフル8aの弧の長さは、円周の1/2に限られないが、弧の長さが大きすぎるとプローブ1の周囲の液が滞留して液の交換が行われないために正確な検出が行えず、小さすぎると流速の影響を十分に抑えることができないため、円周の1/3〜1/2とするのが好ましい。
バッフル部8aの形状は、半円筒形に限られず、第2図(b)のように、半円柱状としてもよく、平板状(図示せず)としてもよいが、バッフル部8bとプローブ1との距離が短すぎるとバッフル部8bとプローブ1の間にスライム等の付着物がブリッジングを起こすおそれがあり、距離が長すぎると流速の影響を十分に抑えられないおそれがあるため、第2図(a)のように曲板形とするのが好ましい。
このプローブ1の発熱体3への通電制御手段と、測温体4の出力信号を処理して付着物の付着状況の判定を行う判定手段とを有する計測ユニットの構成について第3図を参照して説明する。
この計測ユニット10は、発熱体3に電流を出力する電流出力部11と、測温体4からの温度信号を入力してデジタル信号に変換する温度入力部12と、温度入力部12からの信号を入力して、測温体の温度情報に基づいて電流出力部11が出力すべき電流値を演算すると共に、スライムの付着判定を行う演算部13より構成される。この演算部13はマイクロコンピュータ(μ−CPU)や大規模集積回路(LSI)によって構成された演算処理回路である。演算部13は、発熱体3への通電電流値を周期的に変動させながら、測温体4からの温度データに基づき、プローブ1の表面に付着する付着物によって発生する伝熱抵抗の上昇から付着物の付着状況を判定する。
この付着物検出装置を用いて水系のスライム発生状況を観察するには、プローブ1を水系の水中に没するように、かつ、バッフル7が水の流れ方向においてプローブ1よりも上流側となるように配置する。そして、第4図のように発熱体3にパルス状に通電を行い、測温体4の計測温度を検出し、この結果に基づいてプローブ1へのスライムの付着量を判定し、水系におけるスライムの発生状況(発生し易さ)を判定する。
第4図のように、発熱体3に通電を開始すると、発熱体3の発熱が測温体4に伝熱することにより、測温体4の検出温度がTから上昇を開始する。測温体4の検出温度は、発熱体3からの発熱量と、プローブ1の表面からの放熱量とがバランス(平衡)するまで上昇する。
通電時間tを、測温体4の検出温度がほぼ平衡温度Tに達するのに十分な時間となるように選定しておく。この時間tは、予め通電試験を行って決定すればよい。ただし、tを過度に長くすると、測定のリアルタイム性が乏しくなるので、実質的に平衡温度とみなせる温度(例えば、最終的な平衡温度との差が0.1℃以内となる温度)まで昇温するのに要する時間をtとして設定すればよい。通常の場合、tは5〜60秒特に5〜20秒程度が好ましい。
発熱体3への通電を停止すると、プローブ1から周囲の水中に放熱することにより、測温体4の検出温度が低下し始める。通電停止時間tを、プローブ1にスライムが付着している場合でも測温体4の検出温度が周囲水温とほぼ等しい平衡温度Tに達するのに十分な時間となるように選定しておく。この時間tは、予め通電試験を行って決定すればよい。ただし、tを過度に長くすると、測定のリアルタイム性が乏しくなるので、実質的に平衡温度とみなせる温度(例えば、水温との差が0.1℃以内となる温度)まで低下するのに要する時間をtとして設定すればよい。通常の場合、tは20〜300秒特に60〜300秒程度が好ましい。
なお、第4図ではt時間帯では通電量をゼロとしているが、t時間帯の通電量iに比べて微量の定電流iを通電するようにしてもよい。ただし、i=0とするのが好ましい。
水系の水温が変動しない場合、プローブ1にスライムが付着していない状態では、1つの通電時間t開始前の計測温度Tと、この通電時間t末期の計測温度Tとはいずれも経時的に一定である。なお、TとTとの差が5〜20℃程度となるように発熱体3への通電量を設定するのが好ましい。
プローブ1にスライムが付着した状態では、通電時間t末期の計測温度Tは、プローブ1にスライムが付着してないときに比べて高い温度となる。これは、スライムによってプローブ1から水への伝熱が阻害されるからであり、詳しいメカニズムについては次に述べる。
従って、第4図に示すパルス通電を繰り返し行いながら温度T,Tを経時的に測定し、TとTとの差(T−T)の経時的変化からプローブ1へのスライムの付着の有無及び付着量を検知することができる。
上記の温度T,Tからスライムの付着厚さを求める算出式は下記の数1の通りである。なお、この式は、第5図に示す伝熱モデルに基づくものである。
Figure 0005962134
第5図において、Tw(水温)はTである。Ts(センサ表面温度)は、センサ内部の熱伝導度がkfに比べて無視できる程度に小さい値であるときには、Tに等しい値とすることができる。また、Tw、Ts以外の右辺の項目は、センサの形状、発熱体の抵抗値及び通電量などより求められる定数である。
例えば、熱流束qについては、発熱体3の電気抵抗値R、発熱体3への通電電流値i,発熱体3のプローブ長手方向の長さL、金属管2の半径rより次式に従って算出することができる。
Figure 0005962134
従って、TとTを計測することにより、スライム(センサ表面付着物)の厚みを計測することができる。
但し、層流境膜伝熱係数を定数と見なすためには、層流境膜の厚みを一定にする必要があり、その為にはセンサが浸漬された水の流速を一定、または層流境膜伝熱係数の変動が無視できる速度値以上とする必要がある。第2図のようにバッフル7を設けると、この層流境膜が薄くなり、精度の高い測定が可能となる。
次に、LTD又はATDに基づく付着物検出(熱交換器の汚れ状態の推定)について説明する。
この付着物検出方法は、前記特許文献2(特開平7−218188)に記載の方法である。
この熱交換器の汚れ状態の推定方法を実施するには、冷凍機等の熱交換器の冷却水の入口温度及び出口温度と被冷却体の冷却後の温度(出口温度に相当)とを測定し、まず、下記(I)式又は(II)式によりLTD値又はATD値を求める。
LTD=被冷却体出口温度−冷却水出口温度 …(I)
ATD=被冷却体出口温度−冷却水入口温度 …(II)
なお、この温度測定に当っては、より正確な測定を行うことが重要であり、例えば、下記i)の方法、或いは、より正確には下記ii)の測定方法を採用するのが好ましい。
i) 作業員により測定を行う際には、1点の測定を少なくとも3回(この測定回数は多い程好ましい)行い、その平均値を求める。
ii) 温度センサを測定対象部位に貼付又は挿入し、一定時間毎に測定値を採る。
上記(I)又は(II)式によりLTD値又はATD値を求めた後は、下記(III)式又は(IV)式により補正LTD値又は補正ATD値を求める。
補正LTD=LTD×定格の冷却水出入口温度差÷実測の冷却水出入口温度差…(III)
補正ATD=ATD×定格の冷却水出入口温度差÷実測の冷却水出入口温度差 …(IV)
ここで、定格の冷却水出入口温度差とは、100%負荷(全負荷)稼働時の当該熱交換器の冷却水出入口温度差であり、例えば、JIS B8621では、遠心冷凍機について定格の冷却水出入口温度差は5℃が採用されている。
上記(III)式又は(IV)式で算出される補正LTD値又はATD値は、汚れの付着状況のみを反映するものであり、例えば次のような判定を行うことにより、現在の汚れの付着状況の把握、今後の汚れの付着状況の推定及び適当な洗浄時期の判断を容易に行える。
A.当該冷凍機において、高圧カット等の運転停止を引き起こす被冷却体出口温度(冷媒凝縮温度)と負荷最高温度を示すときの冷却水出入口温度とから、LTD又はATDの許容限界値LTDf又はATDfを求める。
B.上記許容限界値LTDf又はATDfと現在の補正LTD又は補正ATDとの差を求め、汚れの付着状況が高圧カットに到るまでに、どれだけ余裕を有するか判定する。
C.補正LTD又は補正ATDの推移(測定値をプロットしたグラフの勾配)から、この値が許容限界値LTDf又はATDfを上廻るまでに要する時間を推定し、洗浄の要否或いは洗浄時期を決定する。
通常の場合、洗浄時期は、許容限界値LTDf又はATDfとの差が予め定めた所定値以下となったときとするのが有利である。
この所定値は、洗浄対象とする冷却水系の規模や性能、冷却水温度等に応じて適宜決定されるが、冷凍機の場合、8〜15℃程度とされる。一般の熱交換器の場合にも、被冷却体の温度に応じて適宜決定される。
被冷却体出口温度と冷却水出口温度又は冷却水入口温度との差から求めたLTD値又はATD値を、定格の冷却水出入口温度差と実測の冷却水出入口温度差との比で補正することにより、現在の状態を定格の状態とした場合のLTD値又はATD値を求めることができる。
この補正LTD値又はATD値は、汚れ係数と比例するものであり、即ち、補正LTD又は補正ATD=a×汚れ係数+bの関係にあり、汚れの付着状況のみを正確に示すものである。
本発明の一態様では、このように特許文献2に記載の方法によってLTD又はATDに基づいて冷却水ラインにおける付着物量を検出すると共に、前記特許文献3に記載された第1図〜第4図に示されるスライムセンサを用いてスライム付着量を検出する。このスライムセンサによるスライムの検出は、スライム付着を早期に検出することができ、実際にLTD又はATDが変化するよりも早期にスライムセンサがスライムを検出する。そのため、スライムセンサがスライムを検出したときにはスライム防止剤を検出値に応じて添加する。スライム防止剤を添加したにも拘らず、その後LTD又はATDに基づく付着物が検出されるならば、それはスケールが付着していることを意味するので、付着物検出量に応じて冷却水系にスケール防止剤を添加する。これにより、スライム、スケールの双方を的確に防止することができる。
本発明の別の態様では、LTD又はATDに基づいて付着物の検出を行い、付着物が検出されたときのスライムセンサのスライム付着量を参照する。スライムセンサがスライムを検出していなければ、付着物はスケールであるので、冷却水系にスケール防止剤を添加する。スライムセンサがスライムを検出しており、このスライム検出量がLTD又はATDに基づく付着量に見合う量であるときには、付着物はスライムであると判別し、スライム防止剤を添加する(なお、このためには、スライムセンサの検出値とLTD又はATDに基づくスライム付着検出量との相関関係を予め求めておく。)。スライムセンサがスライムを検出しているが、このスライムセンサの検出スライム量がLTD又はATDに基づく付着検出量よりも少ないときには、スライムとスケールの双方が付着していることになるので、スライム防止剤とスケール防止剤とを添加する。さらに、スライムとスケールの付着量の割合を算出し、その割合に応じた量のスライム防止剤とスケール防止剤とを添加することもできる。
[実施例1]
500冷凍トンのターボ冷凍機を有する冷凍機冷却水系において、凝縮器のLTDを測定し、上記特許文献2の方法によって補正LTDを演算した。また、第1図〜第3図に示した上記特許文献3のスライムセンサを用いてスライムを検出した。
補正LTDが8℃まで上昇した時点で、スライムセンサの出力値に0.5℃程度の上昇が見られたため、スライム剥離剤を含有する栗田工業社製の「クリンストリームC−101」を200mg/L添加した結果、スライム付着検出装置のセンサ出力値、補正LTDは共に低下した。
[実施例2]
実施例1と同一の冷凍機冷却水系において、補正LTDは8℃まで上昇したが、スライムセンサ出力値はほぼ一定に推移していた。このため、スケール洗浄剤である栗田工業社製の「タワークリンCS」を11000mg/L投入して、洗浄を行った結果、補正LTDは適正値まで低下した。
これらの実施例1,2により、本発明によると的確な薬注が可能であることが認められた。
1 プローブ
2 金属管
3 発熱体
4 測温体
5 充填材
7a,7b バッフル

Claims (4)

  1. 熱交換器に冷却水を循環通水する冷却水系の汚れを監視する方法において、該熱交換器のLTD又はATDに基づく付着物の付着検出と、スライムセンサによるスライム付着検出とを行い、
    LTD又はATDに基づいて付着物の付着が検出された場合に、スライムセンサがスライムを検出していなければ、付着物はスケールであると判定し、
    スライムセンサがスライムを検出しており、このスライム検出量がLTD又はATDに基づく付着量に見合う量であるときには、付着物はスライムであると判定し、
    スライムセンサがスライムを検出しているが、このスライムセンサの検出スライム量がLTD又はATDに基づく付着検出量よりも少ないときには、スライムとスケールの双方が付着していると判定し、スライムセンサのスライム付着量に応じて付着物におけるスライムとスケールの割合を判別することを特徴とする冷却水ラインの汚れ監視方法。
  2. 請求項1において、前記LTD又はATDに基づく付着物の検出は、前記熱交換器の冷却水の入口温度及び出口温度と被冷却体の冷却後の温度とを測定し、下記(I)式又は(II)式によりLTD値又はATD値を求め、次いで下記(III)式又は(IV)式により補正LTD値又は補正ATD値を求めることにより、付着物の検出を行うものであることを特徴とする冷却水ラインの汚れ監視方法。
    LTD=被冷却体の冷却後の温度−冷却水出口温度 …(I)
    ATD=被冷却体の冷却後の温度−冷却水入口温度 …(II)
    補正LTD=LTD×定格の冷却水出入口温度差÷冷却水出入口温度差 …(III)
    補正ATD=ATD×定格の冷却水出入口温度差÷冷却水出入口温度差 …(IV)
  3. 請求項1又は2において、前記スライムセンサは、金属管内に発熱体及び測温体が挿入され、該発熱体及び測温体と該金属管の内面との間に充填材が充填されてなるプローブと、該発熱体への通電制御手段と、該測温体の計測温度から該金属管外面への付着物の付着判定を行う判定手段とを備え、該発熱体への通電量を変化させた際に該測温体で計測される温度の変化に基づいて該金属管外面への付着物の付着を判定するものであることを特徴とする冷却水ラインの汚れ監視方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の方法によって冷却水系における付着物の検出を行い、この検出結果に基づいてスライム防止剤及び/又はスケール防止剤を該冷却水系に添加することを特徴とする薬注制御方法。
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