JP3152837B2 - 熱抵抗測定装置 - Google Patents

熱抵抗測定装置

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JP3152837B2
JP3152837B2 JP14932294A JP14932294A JP3152837B2 JP 3152837 B2 JP3152837 B2 JP 3152837B2 JP 14932294 A JP14932294 A JP 14932294A JP 14932294 A JP14932294 A JP 14932294A JP 3152837 B2 JP3152837 B2 JP 3152837B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱抵抗測定装置に関
し、特に被測定管内面へのスケールやスライムの付着量
を特定するための熱抵抗測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電所のボイラ等のような熱交換システ
ムの保守には、該システムで使用される管体の熱抵抗の
測定が必須とされている。すなわち、システムの稼働時
間が経るに従って、当該管体の内面に付着するスケール
やスライムによって管体の熱抵抗が増大し、熱交換効率
を低下させるばかりか、管内圧力の異常上昇や冷却水の
流通不全に起因する過熱障害の原因となることによる。
このため、上記管体内面の清浄作業(例えば洗浄液を管
内に流通させる化学的な処理や微細な固形物を流体とと
もに流通させる物理的な処理)が定期的に実施されてい
る。
【0003】しかしながら、上記清浄作業は管体の熱抵
抗値を基準として実施すべきであるのに対して、現実に
は経済的な事情や大まかな経験則に基づいた間隔で実施
されている場合が多い。
【0004】そこで、特開昭61-26809号公報には、図4
に示すように、被測定管1に温度を一定に保持した流体
Fを一定の流量で流通させるとともにヒータ100の発
熱量を所定値に保持した状態で、該被測定管1の表面温
度もしくは被測定管1内外で授受される熱流量を測定す
るか、あるいは上記被測定管1の表面温度もしくは被測
定管1内外で授受される熱流量が一定となるようなヒー
タ100の発熱量を測定するようにした測定方法及びそ
の方法を実施するための装置が開示されている。
【0005】上記いずれの方法によっても得られた測定
値は被測定管1とその内部を流通する流体Fとを併せた
熱抵抗値を反映することとなり、同一の測定条件の下で
該被測定管1と同質・同径の未使用管について得られた
測定値を基準として被測定管1の熱抵抗値を求めること
ができる。
【0006】さらに本出願人によれば、特開平6-3300号
公報において、被測定管に所定温度の流体を流通させた
状態で、上記被測定管の外側で上記被測定管の表面温度
を測定するとともに、被測定管の内外を通過する熱流量
を測定するようにし、被測定管の熱抵抗を測定する方法
を開示している。また、同公報には、上記測定方法を実
施する装置として被測定管の管径に符合させた一対の半
裁管体と、該半裁管体の内面に積層された熱抵抗体内に
熱流センサ及び温度センサを埋設する構成の測定装置を
開示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開昭
61-26809号公報に記載の発明を実施にあたって、所要の
測定精度を得るために、上記ヒータ100の発熱量は厳
密に制御されなければならない。
【0008】しかしながら、上記ヒータ100を構成す
る電気抵抗体の抵抗値は該電気抵抗体の温度に応じて変
化する(温度が高まるにつれて電気抵抗値が低下する)
ことが知られており、上記のようにヒータ100の発熱
量を所定時間にわたって一定に保持したり、あるいは熱
流センサや温度センサの出力レベルを参照しながらヒー
タ100の発熱量を調整するためには、上記温度に応じ
た抵抗値を勘案した電流あるいは電圧をヒータ100に
供給することのできる複雑な制御機構が必要となる。
【0009】この点に関して上記特開昭61-26809号公報
においてはヒータ100として、電気抵抗値の温度係数
が比較的小さな白金抵抗素子を採用することを推奨し、
ヒータ100への供給電力の制御を簡略化を図っている
ものの、所要の測定精度を維持するという観点からは必
ずしも望ましいものではない。
【0010】また、上記特開昭61-26809号公報における
開示内容によれば、被測定管1の全周を所定長さにわた
ってヒータ100で囲撓するようにしており、かかる構
成によって測定精度を極力高めようとする意図が窺える
が、一般に熱交換システム内では測定対象となる管体は
高密度に配管されているため、被測定管に隣接する管体
が上記ヒータ100等に干渉して、取り付け作業が困難
となる場合が少なくない。また、上記熱交換システム内
に配置された管体の形状も様々であり、例えば図5に示
すように、複数列に並置される管体1a相互をフィン1
bにて一体に連結された構成(ボイラ水管や太陽熱温水
器において採用されている)や、さらに断面が円形でな
い管体等に対しては上記発明を適用することはできな
い。
【0011】また、一方、上記特開平6-3300号公報に記
載の方法では熱抵抗体を介して被測定管表面を通過する
熱流量を測定するようにしているので、温度センサ及び
熱流センサが被測定管表面に接触せず、しかも該熱抵抗
体が半裁管に覆われているため安定した測定値が得られ
るとともに、作業効率が格段に向上する。
【0012】ところが、この発明においても、上記半裁
管を被測定管に取り付けるには、隣接する管体との間隔
が充分に形成されていないと取り付けにくく、また図5
に示すようなフィンによる連結構造をとる管体に対して
は適用することができない。
【0013】従って、上記熱抵抗の測定にあたって被測
定管を熱交換システムより取り外し、測定装置による測
定を別途行うことが必須であり、上記特開昭61-26809号
公報に記載の発明と同様、熱交換システムの稼働効率が
阻害されることも指摘されている。
【0014】本発明は上記従来の事情に鑑みて提案され
たものであって、熱抵抗の測定精度を向上させるととも
に、該測定作業を簡略化でき、しかも種々の構造の管体
や、さらに平面型の熱交換壁体にも適用することのでき
熱抵抗測定装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は以下の手段を採用する。
【0016】すなわち、被測定管内に流体を流通させ、
該流体の度と上記被測定管に近接配置された熱源の
度との温度差を測定するとともに、被測定管と源と
間で授受される熱流量を測定し、上記温度差及び熱流
基づいて被測定管の熱抵抗値を算出する。
【0017】そして、上記熱抵抗値を測定するにあたっ
て用いられる測定装置には、被測定管に近接配置された
源と、該熱源の度を測定する温度センサと、上記被
測定管表面と熱源との間隔位置に配置された熱流セン
、上記流体の度を測定する流体温度センサと、該熱
流センサの力及び上記流体の度と上記熱源の度と
の温度差に基づいて被測定管の熱抵抗値を算出する演算
段を設けるようにする。ここで、上記熱流センサは、
熱良導性の均熱層を上記熱源との間に介挿する。上記熱
良導性の均熱層内には、上記温度センサが埋設される。
【0018】また、上記測定装置には、上記被測定管に
近接配置された熱源と、該熱源の温度を測定する温度セ
ンサと、上記被測定管表面と熱源との間隔位置に配置さ
れた熱流センサと、上記流体の温度を測定する流体温度
センサとより構成された測定フレームを上記被測定管の
一側面部に固定する固定手段を備える。ここで、上記固
定手段は、上記被測定管に向かって突出する上下一対の
所定構造のアームと、該アームの先端部に設けられた吸
盤或いは永久磁石とを備える。
【0019】或いは、上記測定装置には、上記熱流セン
サを囲撓するように配置されたアタッチメントを備え
る。ここで、上記アタッチメントは、上記被測定管の管
径に符合する凹曲面を備えると共に上記被測定管に直接
当接される。
【0020】さらに上記測定装置は、温度センサよりの
出力に基づいて上記熱源の度を所定値に保持する熱源
制御手段、上記流体の度の温度制御を行う流体温度制
御手段よりなる構成とすることができる。
【0021】またさらに上記熱源がペルチェ素子で構成
されることも望ましい。
【0022】
【作用】上記の構成において、下記数式(1) に示すよう
に、被測定管と源との間で授受される熱流量qは、熱
源の温度Thと流体の温度Tfとの温度差ΔTに比例す
る一方、流体をも含めた被測定管の熱抵抗Rに反比例す
ることが知られている。
【0023】従って、上記温度差ΔTさえ求められれ
ば、上記熱流センサの出力(熱流量)qとともに下記数
式(A) に代入することによって被測定管の熱抵抗値Rが
求められる。
【0024】
【数1】
【0025】但し、上記のようにして算出される熱抵抗
値Rは、被測定管の内部を流通する流体の熱抵抗値(該
体の温度と流量とに左右される)、管壁の熱抵抗値及
び取付時の接触熱抵抗値を加算した値である。
【0026】従って、上記被測定管を化学洗浄あるいは
ブラシ洗浄等の洗浄作業法により清浄にした状態、ある
いは同質・同径の未使用の管体の熱抵抗値R0 も流体の
温度及び流量を共通の条件にして測定し、両者の熱抵抗
値の差R−R0 をとった場合には、上記流体の熱抵抗値
を特定することなく、使用に伴う管体の熱抵抗値の増加
分を特定できるとともに、管内に付着したスケールもし
くはスライムの熱伝導率が既知であれば付着厚さを算出
することができる。
【0027】さて、上記構成において、源と熱流セン
サとの間に、例えば銅や銀のような熱良導性の均熱層を
介挿することにより、上記温度差ΔTと被測定管の熱抵
抗値Rに応じた熱流量qを熱流センサが捉えることがで
きる。更に、上記熱源の温度 センサを上記均熱層内に埋
設することにより、被測定管側から熱源に向かう熱流量
が安定し、測定精度を高めることができる。
【0028】ここで、上記熱源をペルチェ素子で構成す
ることにより、該測定装置の占有する空間が節約される
とともに、熱源の温度を正確に制御することができるの
で、該熱源と体の温度Tfとの温度差ΔTを大きくす
ることができ、測定精度が向上する。
【0029】そして、上記熱流センサを囲撓するように
上記測定フレームに配置されると共に、上記被測定管に
直接当接されるアタッチメントにより、該熱流センサと
該被測定管との間隔が一定となり、測定値の安定化が図
れる。
【0030】また、上記被測定管に向かって突出する上
下一対の所定構造のアームと、該アームの先端部に設け
られた吸盤或いは永久磁石とを備えた固定手段により、
上記測定フレームを上記被測定管の一側面部に固定する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下本発明に関し、実施例に基づいて説明す
る。
【0032】図1は本発明に係る一実施例の要部の構成
図であり、図1(a) はその縦断側面図、図1(b) は正面
図、図1(c) はA−A断面平面図であり、図2は本発明
に係る一実施例の配管系統図である。
【0033】図1に示すように、固定手段41によって
被測定管1の一側面部に固定された測定フレーム40に
は、ペルチェ素子よりなる熱源2と、該熱源2の被測定
管1側に積層された熱良導体(例えば銅、銀等)で構成
される均熱層22を介して配置された熱流センサ3とが
設けられている。
【0034】また、上記均熱層22内には熱源2の温度
Thを測定するための温度センサ21が埋設される一
方、被測定管1の管径に符合する凹曲面を備えるアタッ
チメント43が上記熱流センサ3を囲撓するように配置
されている。
【0035】尚、上記測定フレーム40の最外側位置に
は、後述する熱源制御手段23によって冷却駆動される
際に熱源2で生成されるジュール熱を放出する放熱部4
2が配置される。
【0036】さらに、上記測定フレーム40を被測定管
1に固定するための固定手段41は、該測定フレーム4
0の上下両端部において被測定管1に向かって突出する
上下一対の中空アーム41aと、該中空アーム41aの
先端部に設けられた吸盤41bとを備え、中空アーム4
1a基端部側で図示しない真空吸引装置と接続するよう
にして、測定フレーム40を被測定管1に取り付けるよ
うにしている。尚、被測定管1に対する固定手段41は
特に上記構成に限定されず、被測定管1の加工を行うこ
となく測定フレーム40が装着されればよく、例えば被
測定管1が鉄、ニッケル等の強磁性材料で構成されてい
る場合は強力な永久磁石によって取り付けるようにして
もよい。
【0037】上記測定フレーム40の正規の装着位置に
おいて、図1(a) に示すように、アタッチメント43の
みが被測定管1に直接当接するようにし、これによって
該アタッチメント43で囲撓される熱流センサ3と被測
定管1との間隔が一定となり、測定値の安定化が図れる
とともに、流体Fから熱流センサ3を通過し、温度セン
サ2に到る熱流の一次元性を確保するようにしている。
【0038】上記構成の測定フレーム40が装着された
被測定管1は、図2に示すような、測定装置内に配置さ
れる。
【0039】すなわち、この実施例の測定装置では、ま
ずバルブV1 ,V2 を開弁する一方、バルブV3 ,V4
,V5 を閉弁した状態で循環ポンプ6を稼働させ、上
記被測定管1と流体温度制御手段7とにわたって流体F
を環流させる。上記流体温度制御手段7においては流体
Fが所定温度Tfに調温されるとともに、流体経路内に
配置された流量計8によって一定の流量で被測定管1内
を流通するように管理されている。
【0040】また、被測定管1の上流側、下流側のそれ
ぞれに流体Fを混合するミキシングチャンバ5a,5b
が設けられ、該ミキシングチャンバ5a,5b内で流体
Fを攪拌することにより温度分布を均一にしている。こ
のミキシングチャンバ5a,5b内には温度センサ9
a,9bが設けられ、被測定管1内の流体温度Tfを温
度センサ9a,9bの各出力Tf1 ,Tf2 で被測定管
1内を流通する流体Fの混合平均温度をTfとし、後述
する熱抵抗値の測定値の信頼性を高めるようにしてい
る。
【0041】一方、測定フレーム40に設けられた熱源
(ペルチェ素子)2は熱源制御手段23より出力される
駆動電流によって制御される。上記熱源制御手段23に
は温度センサ21において測定された熱源2の温度Th
が入力されるとともに、上記流体温度センサ9a,9b
によって測定された被測定管1内を流通する流体温度T
fが入力され、該熱源温度Thと流体温度Tfとの温度
差が常に所定値ΔTとなるようなレベルの駆動電流を熱
源2に供給するようにしている。
【0042】これによって、上記被測定管1より熱源2
に向かう熱流量qは上記熱流センサ3によって測定さ
れ、該熱流センサ3の出力と、上記温度差ΔTとが演算
手段31に入力される。該演算手段31においては、下
記数式(A)[再掲] のような演算が行われる。
【0043】
【数2】
【0044】さらに上記被測定管1の熱抵抗値の測定が
完了すると、今度はバルブV1 ,V2 を閉弁する一方、
バルブV3 ,V4 ,V5 を開弁するとともに、循環ポン
プ52を始動させる。これによって上記流体Fはバルブ
V1 によって閉塞され、被測定管1内には流通しなくな
り、代わって洗浄液温度制御手段51内に貯溜された化
学洗浄液Cが被測定管1を流通するようになる。
【0045】上記化学洗浄液Cは被測定管1内に付着し
たスケールやスライムに対して活性な物質(例えばクエ
ン酸や硝酸等)を主成分とする水溶液であり、この実施
例では上記洗浄液温度制御手段51において洗浄に適し
た温度となるように調温されるとともに、その流量も流
量計54によって管理されるようにしている。
【0046】このようにして、上記化学洗浄液Cを被測
定管1に流通させることによって、該被測定管1内のス
ケールやスライムが除去される。尚、該洗浄が終了した
か否かは循環ポンプ52の下流側に配置したモニタ管5
3によって確認することができる。
【0047】以上のようにして内部のスケールやスライ
ムが除去された後に、除去前の被測定管1に対すると同
様に熱抵抗値の測定を行い、演算手段31よりの出力に
よって熱抵抗値R0 を得る。
【0048】また、上記被測定管1の測定作業とは別
に、上記被測定管1をブラシ洗浄等の清浄作業法により
清浄にした後に、該流体Fの温度と流量を共通の条件に
して測定することによっても熱抵抗値R0 を測定できる
ことはいうまでもない。
【0049】以上のようにして得られた熱抵抗値R,R
0 の差(=R0 −R)は、被測定管1内面のスケールや
スライムの付着量を示す指標とすることができ、熱交換
システム内の管体の交換や清掃作業が必要であるか否か
の判断基準とすることができる。
【0050】図3は上記実施例による被測定管の管厚実
測値と熱抵抗値との相関関係を示すグラフであり、管端
からの距離を横軸に採って各部位におけるは管厚実測値
を図3(a) に、全熱抵抗値を図3(b) にそれぞれ示す。
【0051】図3(a) に示すように、この実施例では内
面に螺旋状に4条のリブを有するライフル管を測定対象
とし、管軸方向25mm毎に高さ1mmのリブが突出するこ
とが確認でき、また、図3(b) に示すように、上記管厚
に応じた熱抵抗値RT が変位する(リブの突出位置で大
きく、リブの間隔位置で小さい)が得られることがわか
る。このような管厚実測値と熱抵抗値との良好な相関関
係からも明らかなように、上記実施例によれば流体Fか
ら熱流センサ3を通過し、温度センサ2に到る熱流の一
次元性が良好に確保されていることによるものと考察で
きる。
【0052】またさらに、図3中に示す部位A(リブと
リブとの間隔位置)と部位B(リブの突出位置)とにお
ける上記化学洗浄前後での熱抵抗値(化学洗浄前の熱抵
抗値RT ,同洗浄後の熱抵抗値RT0)とともに、両者の
差(=RT0−RT )を下記表1に示す。また表1には付
着スケールの熱伝導率λを2.3(単位:W/mK)とした
推定付着厚さをも併せて示す。
【0053】
【表1】
【0054】一方、実際のスケールの付着厚さを確認す
るために上記ライフル管と同時期に採取された試料管を
管軸方向に垂直に切断し、その切断面におけるスケール
の付着厚さを顕微鏡によって測定したところ46〜63
μm の範囲にあった。火力発電所のボイラ管の外面温度
はスケール付着厚さが約400μmで許容温度付近にな
るため、この付着厚さが洗浄作業実施の判断基準の一つ
になっている。このことから、上記表1に示すような推
算厚さと上記実測による付着厚さとの誤差は実用上問題
がない程度に小さいことが確認できた。
【0055】以上のように、上記実施例においては、熱
源2と熱流センサ3との間に熱良導性の均熱層22を設
け、該均熱層22内に温度センサ21を埋設するように
したので、被測定管1側から熱源2に向かう熱流量が安
定し、測定精度を高めることができる。
【0056】さらに、熱源2をペルチェ素子で構成して
いるので、従来の電気抵抗体にみられるような抵抗値に
係る温度係数を考慮する必要がなく、また熱源制御手段
23による制御に対する応答性が優れているので測定精
度が高まることとなる。
【0057】またさらに上記のように、測定精度が保障
されるため、測定フレーム40で被測定管1の全周を被
覆する必要がなくなり、例えば、熱交換システム内で密
に配管された管体や、あるいは隣接する管体相互をフィ
ンにて連結した構造の管体群に対しても上記測定が行え
るようになった。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、上記測定
装置が備える熱源と被測定管内に流通する流体との温度
差と、該被測定管の熱抵抗値とに応じた熱流量を熱流セ
ンサが高い精度で捉えることができる。
【0059】また、上記測定装置の測定フレームが備え
る固定手段により、該測定フレームを上記被測定管の一
側面部に固定することができる。
【0060】つまり、上記測定装置によって、被測定管
の全周を囲撓するような構成が不要となり、熱交換シス
テム内で密に配置された管体の測定を直接行える他、例
えば隣接する管体相互がフィンによって連結された構造
の管体の熱抵抗値の測定が可能となり、これによって該
システムの稼働効率を犠牲にすることなく適切な保守・
管理が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の構成図である。
【図2】本発明に係る一実施例の配管系統図である。
【図3】本発明に係る一実施例による管厚実測値と熱抵
抗値との相関関係を示すグラフである。
【図4】従来例の概念図である。
【図5】本発明の適用対象とする管体の構造を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 被測定管 2 熱源 3 熱流センサ 7 流体温度制御手段 9 流体温度センサ 21 温度センサ 31 演算手段 23 熱源制御手段 F 流体 Th 熱源温度 Tf 流体温度 ΔT 温度差 q 熱流量 R 熱抵抗値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 英作 福岡市南区塩原2丁目1番47号 九州電 力株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−26809(JP,A) 特開 平6−3300(JP,A) 特開 昭54−71679(JP,A) 中島英作、外1名、”ボイラチューブ 伝熱特性評価装置の開発”、九州電力株 式会社総合研究所研究期報、九州電力株 式会社総合研究所、平成6年10月、p. 119−130 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定管内に流体を流通させつつ測定を
    行うようにした熱抵抗測定装置において、 上記被測定管に近接配置された熱源と、該熱源の温度を
    測定する温度センサと、上記被測定管表面と熱源との間
    隔位置に配置された熱流センサと、上記流体の温度を測
    定する流体温度センサとより構成された測定フレームを
    該被測定管の一側面部に固定する固定手段を備えたこと
    を特徴とする熱抵抗測定装置。
  2. 【請求項2】 更に、上記熱流センサを囲撓するように
    配置されたアタッチメントを備えた、 請求項1に記載の熱抵抗測定装置。
  3. 【請求項3】 上記アタッチメントは、上記被測定管の
    管径に符合する凹曲面を備えると共に上記被測定管に直
    接当接する請求項2に記載の熱抵抗測定装置。
  4. 【請求項4】 上記固定手段は、上記被測定管に向かっ
    て突出する上下一対の所定構造のアームと、該アームの
    先端部に設けられた吸盤或いは永久磁石とを備えた請求項1に記載の熱抵抗測定装置。
  5. 【請求項5】 上記熱流センサは、熱良導性の均熱層を
    上記熱源との間に介挿する、 請求項2に記載の熱抵抗測定装置。
  6. 【請求項6】 上記熱良導性の均熱層は、上記熱源の温
    度を測定する温度センサを埋設された請求項5に記載の熱抵抗測定装置。
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