JP2016205781A - 水処理管理装置及び水処理管理方法 - Google Patents

水処理管理装置及び水処理管理方法 Download PDF

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Shuko Shinbo
周子 進邦
幸祐 志村
Kosuke Shimura
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Abstract

【課題】ボイラのブロー水の水質を精度良く測定でき、コストを抑え、センサのメンテナンスを容易に行うことができる水処理管理装置及び水処理管理方法を提供する。
【解決手段】水処理管理装置は、複数のボイラ1のブロー水をサンプリングし、サンプリングしたブロー水の水質を測定する。水処理管理装置は、複数のボイラ1から排出されるブロー水を通水する複数のブロー配管9にそれぞれ一端側が接続された複数のサンプリングライン12と、複数のサンプリングライン12の各々に設けられた電磁弁3と、一端側が、複数のサンプリングライン12の他端側に接続された集合配管17と、集合配管17の他端側に設けられた水質測定部4と、測定対象のボイラに対応する電磁弁3を開き、他の電磁弁3を閉じるように制御する演算制御部5と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラの水処理管理を簡易かつ適切に実施する水処理管理装置及び水処理管理方法に関する。
ボイラは濃縮過不足、薬注過不足、腐食性イオンの混入、スケール成分の混入などによって、缶体の腐食、スケール付着、キャリーオーバーなどの障害が発生する。そのため、給水およびブロー水の水質を定期的に測定して、目標範囲に収まっているか否かを確認する必要がある。
ボイラの水処理管理では、管理者が給水およびブロー水をサンプリングして水質を測定し、その測定値が目標範囲内にあるか否かを確認するという方法をとることが多かった。しかし、同一敷地内に複数のボイラがあり、ボイラの運転台数を制御することによって蒸気発生量を調整している場合、ボイラは頻繁に運転と停止を繰り返す。そのため、サンプリングを実施しようとした時に、測定対象のボイラが停止していることがある。運転時と停止時とでは、ボイラ水質が大きく異なることがあるため、停止中にサンプリングを行い、測定した水質に基づいて水処理の判断を行うと、正しい判断ができず、水処理上の異常に気付くのに遅れることがあった。
特に小型貫流ボイラは蒸気発生量に対して保有水量が少ないため、運転中であっても、ブローや給水がなされた時に、一時的にボイラ水質が変動することがあった。そのため、ボイラに水質センサを設置して、周期的にセンサ値をサンプリングし、その平均値を元にボイラ水質を判定する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2014−234944号公報
センサをボイラに設置してブロー水の水質を測定するには、センサを耐熱、耐圧構造にする必要があり、継目からの浸水や、センサの破損などがないように、構造を単純化したり、素材や構造を柔軟なものにしたりするなどの工夫が行われる。
構造が単純なセンサとしては、ボイラに設置される水質センサとして最も汎用されている2電極式または3電極式の電気伝導率センサなどが考えられる。これらのセンサは、電極表面への汚れにより測定誤差が生じやすいため、こまめなメンテナンスが必要であるが、このメンテナンスには長時間を要する。例えば、蒸気圧力0.7MPa、保有水量150Lのボイラの下部管寄せに設置されたセンサを清掃する場合、ボイラの燃焼停止から、水抜きおよび圧力低下して作業ができるようになるまでに30分〜1時間程度を要し、その後、ねじ込み又はフランジ止めのセンサの取り外し、清掃、取りつけに約10分、ボイラを再立ち上げして蒸気圧力が上昇するまでに15分程度の時間を要する。ボイラが複数台あれば、当然メンテナンスに要する時間は長くなる。
センサの素材や構造を柔軟なものにすると、センサが高価になる。高価なセンサをボイラ1台につき1個設置することはコストの増加を招く。
また、ボイラ内蔵の水質センサは、設置箇所によっては水が滞留し、ブロー水の水質を正確に測定できないことがあった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、ボイラのブロー水の水質を精度良く測定でき、コストを抑え、センサのメンテナンスを容易に行うことができる水処理管理装置及び水処理管理方法を提供することを課題とする。
本発明の水処理管理装置は、複数のボイラのブロー水をサンプリングし、サンプリングしたブロー水よりなるサンプル水の水質を測定する水処理管理装置であって、前記複数のボイラから排出されるブロー水を通水する複数のブロー配管にそれぞれ一端側が接続された複数のサンプリングラインと、前記複数のサンプリングラインの各々に設けられた電磁弁と、各サンプリングラインからサンプル水が導入される集合配管と、前記集合配管からのサンプル水の水質を測定する水質測定部と、測定対象のボイラに対応する前記電磁弁を開き、他の電磁弁を閉じるように制御する演算制御部と、を備えるものである。
本発明の一態様による水処理管理装置において、前記演算制御部は、測定対象のボイラに対応する前記ブロー配管にブロー水が通水されると、該ボイラに対応する前記電磁弁を開くように制御することを特徴とする。
本発明の一態様による水処理管理装置において、前記演算制御部は、測定対象のボイラに対応する前記ブロー配管にブロー水が通水されると、前記ブロー配管と前記サンプリングラインとの接続点から、前記水質測定部までの前記サンプリングライン及び前記集合配管の容積分のサンプル水が前記水質測定部を通過する時間が経過した後に、前記水質測定部による測定を行うことを特徴とする。
本発明の一態様による水処理管理装置において、前記水質測定部は前記集合配管からのサンプル水の電気伝導率を測定することを特徴とする。
本発明の一態様による水処理管理装置において、前記演算制御部は、前記水質測定部により測定された電気伝導率を取得し、該電気伝導率を用いてpHを算出することを特徴とする。
本発明の一態様による水処理管理装置において、前記演算制御部は、前記ボイラの給水の電気伝導率及び該給水に添加される薬品による電気伝導率と、前記水質測定部から取得した電気伝導率とを用いて、測定対象のボイラにおける濃縮倍数を算出することを特徴とする。
本発明の水処理管理方法は、上記水処理管理装置を用いた水処理管理方法であって、測定対象のボイラに対応する前記電磁弁を開き、他の電磁弁を閉じて、前記測定対象のボイラから排出されるブロー水の一部を、前記サンプリングライン及び前記集合配管を介して前記水質測定部に供給し、該水質測定部により水質を測定することを特徴とするものである。
本発明によれば、複数のボイラから排出されるブロー水を通水する複数のブロー配管に複数のサンプリングラインの一端側をそれぞれ接続し、各サンプリングラインからのサンプル水を集合配管に導入し、この集合配管に水質測定部を設けている。そのため、複数のボイラに対し、水質測定部を1つ設ければよく、コストを抑えることができる。
また、複数のサンプリングラインにはそれぞれ電磁弁が設けられ、測定対象のボイラに対応する電磁弁を開き、他の電磁弁を閉じることで、測定対象のボイラのブロー水のみが水質測定部に供給され、他のボイラのブロー水の混入を防止できるため、水質を精度良く測定できる。また、水質測定部はボイラに直接取り付けられていないため、センサのメンテナンスを容易に行うことができる。
本発明の実施形態に係る水処理管理装置の概略構成図である。 同実施形態に係る水処理管理装置の測定部の概略構成図である。 実施例で用いた水処理管理装置の概略構成図である。 理論上の電気伝導率変動を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 比較例の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る水処理管理装置をボイラ設備に適用した例を示す図である。
ボイラ設備には複数のボイラ1が設けられ、各ボイラ1からブロー配管9を介してブロー水が排出される。図1は、3台のボイラ1A〜1Cが設けられ、ボイラ1A〜1Cのブロー水がそれぞれブロー配管9A〜9Cを介して排出される例を示す。各ボイラ1からブロー配管9を介して排出されたブロー水は、ブロー集合配管10で合流して排出される。
各ブロー配管9には、電磁弁2(2A〜2C)が設けられており、電磁弁2の開閉によりブロー水の通水が制御される。各ブロー配管9からサンプリングライン12(12A〜12C)が分岐し、ブロー配管9を流れるブロー水の一部がサンプリングされるようになっている。ブロー配管9からサンプリングライン12が分岐する分岐点、すなわちブロー水のサンプリング点は、電磁弁2とブロー集合配管10との間に設けられる。
各サンプリングライン12には、サンプリング用の電磁弁3(3A〜3C)が設けられており、電磁弁3の開閉によりサンプル水(サンプリングしたブロー水)の通水が制御される。ブロー配管9を流れるブロー水のサンプリングは電磁弁3の開閉に連動し、電磁弁3を開くことでサンプリングが開始し、電磁弁3を閉じるとサンプリングが終了する。各サンプリングライン12の一端側は、対応するブロー配管9に接続し、他端側は1本の配管(サンプリング集合配管)17に接続される。例えば、各サンプリングライン12の他端側が、配管17の一端側に接続される。
配管17の他端側には測定部4が設けられている。各サンプリングライン12から導入され、配管17を通水されたサンプル水は、測定部4を通過し、排水ライン11を介して排水される。
図2に示すように、測定部4には、定流量弁13、電気伝導率センサ14、及び手動排水用弁15が設けられている。定流量弁13は、配管17を通水されたサンプル水の流量を一定にする。定流量弁13により一定流量となったサンプル水は、電気伝導率センサ14のフローセル部分を通過して、排水ライン11から排水される。電気伝導率センサ14のフローセルの下部に手動排水用弁15が設置されており、電気伝導率センサ14の電極の清掃時等に、強制的に水を抜くことができるようになっている。
電気伝導率センサ14は、サンプル水の電気伝導率を測定する。電気伝導率センサ14による測定値は、演算制御部5に入力される。演算制御部5は、電気伝導率センサ14の測定値を用いて各種データ処理を行い、各ボイラ1の水質状況を判断する。演算制御部5は、ボイラ1の水質異常を検知した場合、報知部18からアラームを出力する。
演算制御部5は、電磁弁2の開閉を検知する。電磁弁2の開閉検知方法は特に限定しないが、例えば、ボイラ本体の制御盤から電磁弁2に与えられる開閉信号を分岐し、この開閉信号から電磁弁2の開閉を検知する。制御盤より信号を得られない場合は、電磁弁2の電源ケーブルにクランプ式の電流センサを接続したり、電磁弁2の近傍にリードスイッチを設置するなどしたりして、電磁弁2の開閉を間接的に検知することもできる。また、演算制御部5は、電磁弁3の開閉を制御する。
演算制御部5は、水質測定対象のボイラ1のブロー水のみが測定部4を通過するように、水質測定対象のボイラ1に対応する電磁弁3を開き、他のボイラ1に対応する電磁弁3は開かないように制御する。例えば、水質測定対象がボイラ1Aの場合、演算制御部5は、電磁弁3Aを開き、電磁弁3B及び3Cは開かないように制御する。これにより、ブロー配管9Aからサンプリングされたボイラ1Aのブロー水が測定部4に通水され、ブロー配管9B、9Cを流れるボイラ1B、1Cのブロー水が測定部4に混入することを防止できる。
演算制御部5は、水質測定対象のボイラ1に対応する電磁弁2が開いたことを検知した場合、このボイラ1に対応する電磁弁3を開き、ブロー配管9を流れるブロー水のサンプリングを開始する。演算制御部5は、測定対象のボイラ1に対応する電磁弁2が開いてから、サンプリング点(ブロー配管9とサンプリングライン12との接続点)から電気伝導率センサ14までのサンプリングライン12及び配管17の容積分のブロー水(サンプル水)が測定部4を通過する時間(待機時間)が経過した後に、サンプル水の電気伝導率の測定を開始する。このような待機時間を設定することにより、前回の測定対象であったボイラ1のブロー水を測定部4や配管17から十分に追い出して、今回の測定対象のボイラ1のブロー水の測定を行うことができる。
電磁弁2が開いている状態の間、サンプル水の電気伝導率の測定が行われる。電磁弁2が閉じると電気伝導率の測定を停止し、その後、電磁弁2が再び開くと、電気伝導率の測定を再開する。
電気伝導率の測定時間および測定間隔は任意である。例えば、測定時間は、電磁弁2が開いた累積時間が1分〜1時間を目安とする。測定対象のボイラ1の電磁弁2が開いた累積時間、より詳しくはこの累積時間から上述の待機時間を減じた時間、が設定時間に達するまでは、測定対象以外のボイラ1の電磁弁2が開いても、測定対象以外のボイラ1に対応する電磁弁3を開かないように制御することで、測定部4に他のボイラ1のブロー水が混入しないようにする。
測定時間が長い程、ボイラ1の水質状況をより正確に把握することができるが、複数のボイラ1が設置されている場合、1台当たりの測定時間が長すぎると、他のボイラ1の測定を行うことができなくなるため、ボイラ1の台数や負荷により測定時間を決定する。測定間隔は0.1〜1秒が望ましいが、それ以下またはそれ以上でも構わない。
測定対象となったボイラ1が、測定時間が設定時間に達する前に長期燃焼停止することがある。そのため、測定対象のボイラ1の電磁弁2の開信号を所定時間以上検知しなかった場合、すなわち測定対象のボイラ1の電磁弁2が所定時間以上閉じたままである場合、そのボイラ1の測定を終了し、測定対象を変更することが望ましい。これにより、複数のボイラ1の水質を効率的に測定することができる。ここで所定時間とは、ボイラ1が連続的に燃焼を続けた場合に予測される電磁弁2の開閉間隔よりもやや長い時間であることが望ましい。
同じボイラ1が連続または高頻度で測定対象となることを避けるために、測定を終了したボイラ1は、電磁弁2が開いても測定対象とはせず、未測定のボイラ1を優先して測定する。測定済み/未測定の判断は、1日または1週間などのある一定期間でリセットする。この一定期間内に全てのボイラ1の測定が終了した場合は、その時点で測定済みの判断をリセットする。このようにすることで、効率よく複数のボイラの水質を測定できる。
演算制御部5は、ボイラ1毎に、電気伝導率センサ14による測定値の平均値を算出し、その平均値が事前に設定した目標範囲に入っているか否か評価を行う。平均値が目標範囲外となることが所定回数(1回又は複数回)検知された場合、演算制御部5は報知部18からアラームを発して、管理者に異常を連絡する。ただし、電気伝導率信号の瞬間的な揺らぎや、電気伝導率センサ14の電極部分に気泡が接したなどの理由により、電気伝導率が一時的に大きく変動することがある。このような一時的な測定値の変動を取り除くために、測定値数点ごとの平均値を前後で比較して、ある一定以上の比率で変化した際にはその測定値を含めずに演算を行うことが好ましい。
ボイラ1の水処理管理における重要な指標としてpHがある。ボイラ給水中の溶存物質の成分比率やボイラ燃焼条件が同一の場合、pHと電気伝導率はほぼ相関関係がみられる。そのため、演算制御部5に予めpHと電気伝導率との関係式を記憶させておき、電気伝導率センサ14の測定値をこの関係式に入力することで、ブロー水のpHを予測・算出することができる。演算制御部5は、ボイラ1毎に、pHの平均値を算出し、その平均値が事前に設定した目標範囲に入っているか否か評価を行う。
蒸気凝縮水を回収して給水に使用するボイラ水系では、給水中の溶存物質の成分比率が大きく変動することがある。その場合、薬注濃度の情報を演算制御部5に入力して、薬品由来で発生する電気伝導率と給水由来の電気伝導率とを演算した上で、薬品由来の電気伝導率から予想されるアルカリ量と給水由来の電気伝導率から予想されるアルカリ量とを分けて演算し、そのアルカリ量の合計量からpHを求めることで、予測精度を上げることができる。
同様に、ボイラ1の水処理管理において重要な濃縮倍数に関しても、給水の電気伝導率と添加する薬品由来の電気伝導率を演算制御部5に入力すれば、下記の式1の通り、濃縮倍数の予測・算出が可能である。給水の電気伝導率は水質の変動がなければ事前に固定値を入力してもよいし、別途電気伝導率センサを用意して給水の電気伝導率を測定し、測定値を入力してもよい。
濃縮倍数=ブロー水電気伝導率/(給水電気伝導率+薬品由来電気伝導率) ・・・(1)
電磁弁2の開閉検知は常時行うため、電磁弁2が開いてから、または閉じてから一定期間を燃焼時間として単位時間で除算すれば、その期間のおおよそのボイラ稼働率を算出できる。ある特定のボイラ1の稼働率が極端に低い状態が連続すると、そのボイラ1は十分にボイラ水が濃縮されておらず、pHが低く腐食しやすい環境にある恐れがあるため、負荷変動の設定を見直すように管理者に報知することが望ましい。
演算制御部5は、電気伝導率、予測pH、濃縮倍数、稼働率を総合的に判断して水処理の可否判断を行うことで、より確実にトラブル発生を防止し、水処理管理を適切に行うことができる。
報知部18は、アラームや評価結果を表示するディスプレイやランプでもよく、管理者へメール通知をしたり、Web上に表示したりする通信機能を備えたものでもよい。
電気伝導率センサ14は、温度電極を含めた5電極式が望ましい。これはブロー水に含まれる不溶解成分が電極表面に付着したときに、2電極式または3電極式では測定誤差が生じやすいためである。電極の素材、形状はどのようなものを用いても構わないが、測定対象のボイラ圧力への耐圧およびブロー水温度への耐熱性が必要である。
電気伝導率センサ14への通水量は、定流量弁13を用いて制御される。通水量が少なすぎる場合には前回測定対象であったボイラ1のブロー水が十分に押し出されず、現在の測定対象のボイラ1の水質測定精度を低下させ得る。逆に、通水量が多すぎる場合には、温度補償用の温度電極の温度変化が大きすぎて、一定時間、測定値の乖離が大きくなる。
サンプリングライン12に用いるチューブまたはホースの内径は4〜10mm程度が適当である。内径が小さすぎると、ブロー水が十分流れない恐れがある。内径が大きすぎると、測定対象のボイラ1が変更になった場合に、測定対象のボイラ1のブロー水が電気伝導率センサ14まで到達するまでの時間(待機時間)が長くなり、測定の効率が低下する。
電磁弁3は、測定対象のボイラ圧力への耐圧およびブロー水温度への耐熱性を考慮して選定する必要がある。ブロー水に不溶解成分が多く含まれ、電磁弁3を閉塞させる恐れがある場合は、電磁弁3の手前にストレーナーを設置することが好ましい。
電気伝導率センサ14は、電極部が常に浸水するように設計し、かつ、電極部が常にサンプル水(ブロー水)の流線上に位置するように設置する。
このように、本実施形態によれば、複数のボイラ1に対し、電気伝導率センサ14を1つ設置すればよいため、コストを抑えることができる。また、電気伝導率センサ14はボイラ1に直接取り付けられていないため、メンテナンスが容易である。例えば、蒸気圧力0.7MPa、保有水量150Lのボイラに直接取り付けられた場合と比較して、1つのセンサのメンテナンスに要する時間は1/5〜1/8程度で済む。
また、電磁弁3の開閉制御により、測定対象のボイラ1のブロー水(サンプル水)のみが測定部4に通水され、非測定対象のブロー水が測定部4に混入しないようになっているため、各ボイラ1のブロー水の水質を精度良く測定できる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
図3に示すように、2台のボイラ1A、1Bを備えるボイラ設備に本発明の水処理管理装置を適用し、5電極式の電気伝導率センサでブロー水の電気伝導率を測定した。
ボイラ1A、1Bには、小型貫流ボイラを想定した実験用ボイラ(換算蒸発:500kg/h)を用いた。サンプリングライン12は内径10mmの銅チューブで作成した。電磁弁3には、CKD製マニホールド式の電磁弁GAB352−2を使用した。測定部4の電気伝導率センサには株式会社ニクニ製NC055を用いた。
ボイラ1A、1Bの給水は純水を使用し、電気伝導率調整用の水酸化ナトリウムと電極表面の付着物の影響を確認するための塩化鉄6水和物を添加した。ボイラ1Aの給水には、水酸化ナトリウムを対給水48mg/L、塩化鉄6水和物を対給水9.6mg/L添加した。ボイラ1Bの給水には、水酸化ナトリウムを対給水28mg/L、塩化鉄6水和物を対給水9.6mg/L添加した。
蒸気圧力は0.6MPa、ボイラ水の濃縮は10倍であった。ボイラ1A、1Bは蒸気要求量によって、運転停止、低燃焼、高燃焼と切り替わったが、平均1.5t/hの蒸気量であり、ほぼ連続して燃焼していた。
ボイラの缶内電気伝導率は、ボイラ1Aが300mS/m、ボイラ1Bが180mS/m、缶内鉄濃度はボイラ1A、1Bともに20Fe−mg/Lであった。
ボイラ1A、1Bの気水分離器16から排出されるブロー水のサンプリングは、電磁弁2が開いたことを検知して自動的に開始されるようにした。測定対象となったボイラの電磁弁2が開いた時間が累積2時間となった時点で、測定対象を他方のボイラに変更するように設定した。測定部4の電気伝導率センサの測定結果を図5に示す。
なお、図4は、測定対象ボイラと、理論上の電気伝導率変動とを示すグラフである。
[比較例1]
図3に示すように、測定部4の代わりに、ボイラ1A、1Bの気水分離器16から下部管寄せにつながる配管に設けた電気伝導率センサ14A、14Bを使用し、1日3回、電気伝導率センサ14A、14Bの測定値を読み取り、記録したこと以外は実施例1と同様にし、ブロー水の電気伝導率を測定した。電気伝導率センサ14A、14Bには、測定部4の電気伝導率センサと同じものを使用した。測定結果を図6に示す。
図4、図5から、実施例1の電気伝導率の変動は理論値とほぼ同様であり、ブロー水の電気伝導率を精度良く測定できたことが確認された。
図4、図6から、比較例1では、時間の経過に伴い、測定値と理論値との乖離が大きくなることが確認された。これは電気伝導率センサ14A、14Bの電極表面に鉄が付着したことにより、測定誤差が生じたためと推測される。
1 ボイラ
2、3 電磁弁
4 測定部
5 演算制御部
9 ブロー配管
10 ブロー集合配管
11 排水ライン
12 サンプリングライン
13 定流量弁
14 電気伝導率センサ
15 手動排水用弁
16 気水分離器

Claims (7)

  1. 複数のボイラのブロー水をサンプリングし、サンプリングしたブロー水よりなるサンプル水の水質を測定する水処理管理装置であって、
    前記複数のボイラから排出されるブロー水を通水する複数のブロー配管にそれぞれ一端側が接続された複数のサンプリングラインと、
    前記複数のサンプリングラインの各々に設けられた電磁弁と、
    各サンプリングラインからサンプル水が導入される集合配管と、
    前記集合配管からのサンプル水の水質を測定する水質測定部と、
    測定対象のボイラに対応する前記電磁弁を開き、他の電磁弁を閉じるように制御する演算制御部と、
    を備える水処理管理装置。
  2. 請求項1において、前記演算制御部は、測定対象のボイラに対応する前記ブロー配管にブロー水が通水されると、該ボイラに対応する前記電磁弁を開くように制御することを特徴とする水処理管理装置。
  3. 請求項2において、前記演算制御部は、測定対象のボイラに対応する前記ブロー配管にブロー水が通水されると、前記ブロー配管と前記サンプリングラインとの接続点から、前記水質測定部までの前記サンプリングライン及び前記集合配管の容積分のサンプル水が前記水質測定部を通過する時間が経過した後に、前記水質測定部による測定を行うことを特徴とする水処理管理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記水質測定部は前記集合配管からのサンプル水の電気伝導率を測定することを特徴とする水処理管理装置。
  5. 請求項4において、前記演算制御部は、前記水質測定部により測定された電気伝導率を取得し、該電気伝導率を用いてpHを算出することを特徴とする水処理管理装置。
  6. 請求項4又は5において、前記演算制御部は、前記ボイラの給水の電気伝導率及び該給水に添加される薬品による電気伝導率と、前記水質測定部から取得した電気伝導率とを用いて、測定対象のボイラにおける濃縮倍数を算出することを特徴とする水処理管理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水処理管理装置を用いた水処理管理方法であって、
    測定対象のボイラに対応する前記電磁弁を開き、他の電磁弁を閉じて、前記測定対象のボイラから排出されるブロー水の一部を、前記サンプリングライン及び前記集合配管を介して前記水質測定部に供給し、該水質測定部により水質を測定することを特徴とする水処理管理方法。
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