JPH0714570Y2 - 格納装置用自走パレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は車両や貨物等（以下単に車両等という）の格納
装置に使用される自走パレットに関する。

従来技術 駐車装置には様々なタイプのものがあり、そのうちの一
つにエレベータと、エレベータの昇降スペースに隣接す
るか或いはその周りに設置される多層の駐車スペースと
を有し、エレベータと駐車スペースとの間で車両を移送
させて車両の入出庫を自動的に行うタイプのものがあ
る。こうしたタイプのものでは、車両は一般にパレット
に載せてエレベータより駐車スペースに或いはその逆に
移送させられるようになっており、エレベータ及び各駐
車スペースにはそのためにコンベアなど車両の移送装置
が設けられていた。

考案が解決しようとする課題 従来の上記タイプの装置では、エレベータはもとより各
駐車スペースに移送装置を設ける必要がある。しかもエ
レベータの昇降スペースに隣接して駐車スペースが設け
られる場合、駐車スペースを前後に連設しようとする
と、エレベータを上下かつ前後にも移動できるようにし
なければならず、また駐車スペースを左右に連設しよう
とする場合には、奥側に入庫した車両を出庫させるとき
にその前に格納される車両を回避させる必要があり、構
造が複雑なものとなる。

貨物の入出庫をパレットに乗せて行う自動格納装置にお
いても同様のことがいえる。

本考案の第１の目的は、パレットを前後左右に自走でき
るようにすることにより格納スペースが前後左右に連設
されるものでも移送装置を設けることなく車両等の回避
を行えるようにし、又エレベータを前後或いは左右に移
動させることなく、格納が効率的に行えるようにしたも
のである。

課題の解決手段 本考案のパレットは、パレットに上下動可能に支持され
る台車と、台車の昇降手段とが別に設けられ、台車には
上記駆動輪と交差する第２の駆動輪と、該駆動輪を駆動
するための第２のモータとが設けられる。

ここで昇降手段としては、シリンダーが代表的な例とし
て挙げられる。

モータは発電機、好ましくは蓄電池によって駆動される
ようにするのが望ましい。電源とコードで連結し、コー
ドを伴って移動する必要がなくなるからで、とくに蓄電
池を使用する場合には、パレットを格納スペースに格納
する際に充電することが可能である。

第１及び第２の駆動輪は、通常直交して配置されるが、
適宜の角度をなしていてもよい。

作用 昇降手段により台車を持上げると、第２の駆動輪が退避
してパレットの駆動輪で走行し、また台車を下ろすと、
第２の駆動輪が突出し、これにより走行されるが、その
向きは前者とは異なる。したがってエレベータの前後左
右いづれかの方向からでもパレットを出し入れすること
ができるとともに途中で向きを変えることによりエレベ
ータを前後或いは左右に移動させることなく、また進行
方向の車両等を回避して任意の格納スペースに格納する
ことができる。

実施例 パレット１には矩形状の枠よりなる台２が上下にスライ
ド可能に支持され、桟2aに連結されるシリンダー３の作
動により昇降し、上位置或いは下位置に切換えられるよ
うになっており、その下にはモータ４によって回転駆動
される駆動輪５と車輪６とが前後に設けられている。

パレット１にはまたモータ７によって正或いは逆方向に
回転駆動される駆動輪８と車輪９とが左右に設けられ、
台２を持上げると、パレット１が駆動輪８で走行し（第
１図参照）、また台２を下げると、駆動輪５が駆動輪８
より突出し（第２図参照）、駆動輪８による走行方向と
直交する方向に走行するようになっている。そして図示
していないが、モータ４及び７を駆動する蓄電池が設け
てあり、この蓄電池はパレット１が格納スペースに格納
されたとき充電されるようになっている。

次に本考案に係るパレット１を使用して行う車両の入出
庫方法についての一例を第４図に基づいて説明する。

駐車スペースＡに入庫させるときには、駆動輪５を突出
した状態でエレベータ11より左奥まで一旦移動させ、そ
の後シリンダー３の作動により駆動輪５を引込め、駆動
輪８を駆動させて駐車スペースＡに入れる。出庫させる
ときには上記と逆の手順によって行われる。

駐車スペースＣに入庫させるときには、駆動輪５を引込
めた状態で駆動輪８を駆動させて行う。

以上は駐車装置について示したが、自動倉庫についても
貨物が同様の方法で格納される。

考案の効果 本考案は以上のように構成され、次のような効果を奏す
る。

請求項１記載のパレットにおいては、前後左右に移動さ
せることにより格納スペースが連設される格納装置にお
いてもエレベータを前後或いは左右に移動させることな
く、また移送装置を設けることなく所望の格納スペース
に車両等を格納することができる。

請求項２記載の発電機を使用すれば、電源コードを伴っ
て移動する必要がなくなり、請求項３記載の蓄電池を使
用すれば、更に格納スペースに格納したときに充電する
ようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１及び２図は本考案に係るパレットの側面図で、第１
図は台を引込めたとき、第２図は突出させたときを示
す。第３図は同正面図、第４図は駐車方法の説明図であ
る。 １……パレット、２……台、３……シリンダー ４、７……モータ、５、８……駆動輪 ６、９……車輪

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両、貨物等を載せて格納装置に入出庫さ
   せる際に使用されるパレットであって、上記パレットに
   上下動可能に支持される台車と、台車の昇降手段とを有
   し、パレット及び台車にはそれぞれ、駆動並びに停止が
   制御装置によって制御されるモータと、該モータによっ
   て回転駆動される駆動輪とが駆動輪の向きを異にして設
   けられている自走パレット。
2. 【請求項２】モータを駆動する発電機を有している請求
   項１記載の自走パレット。
3. 【請求項３】モーターを駆動する蓄電池を備え、格納ス
   ペースに格納時に充電される請求項１記載の自走パレッ
   ト。