JPH07145579A - ワイヤロープ製造装置 - Google Patents

ワイヤロープ製造装置

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JPH07145579A
JPH07145579A JP5292173A JP29217393A JPH07145579A JP H07145579 A JPH07145579 A JP H07145579A JP 5292173 A JP5292173 A JP 5292173A JP 29217393 A JP29217393 A JP 29217393A JP H07145579 A JPH07145579 A JP H07145579A
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    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B3/00General-purpose machines or apparatus for producing twisted ropes or cables from component strands of the same or different material

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  • Ropes Or Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、予備張力を低減可能にして処理
コストを低減するとともにワイヤロープの損傷を抑制
し、小形化およびコストダウンを実現したワイヤロープ
製造装置を得る。 【構成】 複数本の子縄1eを芯綱1fとともにヨリ合
わせてワイヤロープ1を形成するヨリ合わせ手段2c
と、ワイヤロープを巻き取るための巻取ドラム2fとを
備えたワイヤロープ製造装置において、ヨリ合わせ手段
と巻取ドラムとの間に、ワイヤロープに予備張力Taを
印加するための予備張力手段4を設け、ワイヤロープ製
造ライン内の連続工程としてヨリ合わせの均一化および
初期伸びの早期収束化を実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばエレベータや
クレーン等の重量物を吊持するための複数本の子縄(ワ
イヤ)をヨリ合わせたワイヤロープを製造する装置に関
し、特に連続製造ライン中で各子縄のヨリ合わせ状態の
均一化および初期伸びの早期収束化を実現したワイヤロ
ープ製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エレベータ等を吊持するため
には、複数本の子縄をヨリ合わせたワイヤロープが用い
られているが、この種のワイヤロープを製造する場合、
各子縄の緩み等によるヨリ合わせ不均一性を取り除き、
均一化させる必要がある。また、ワイヤロープの使用初
期においては、エレベータ等の重量により初期伸びが発
生するため、切り詰め工事による再調整が必要となる。
したがって、初期伸びを早期に収束させるために、ワイ
ヤロープの製造時に予備張力を印加している。
【0003】図8はJISG3525で規定された一般
的なワイヤロープを示す断面図であり、図において、1
は複数本のワイヤ(後述する)をヨリ合わせてなるワイ
ヤロープ、1aは各ワイヤの外周部に配設された外層素
線、1bは外層素線1aの内側に配設された内層素線、
1cは外層素線1aと内層素線1bとの間に配設された
フィラー線、1dは内層素線1bの内側すなわち各ワイ
ヤの中心に配設された芯線、1eは外層素線1a〜芯線
1dから構成されるワイヤすなわち子縄である。
【0004】1fは複数本の子縄1eの中心に配設され
た芯鋼であり、複数本の子縄1eをヨリ合わせて1本の
ワイヤロープ1を構成している。ここでは、子縄1eを
6本ヨリ合わせたワイヤロープ1を構成した場合を示
し、外層素線1a、内層素線1b、フィラー線1cおよ
び芯線1dの束からなる各子縄1eは、1本の芯鋼1f
を中心にして一体的に構成されている。
【0005】図9は例えば図8に示したようなワイヤロ
ープ1を製造する従来のワイヤロープ製造装置を示す側
面図である。図において、2aは各子縄1eが巻回され
た複数の子縄リール、2bは芯鋼1fが巻回された芯鋼
リールである。2cは各子縄リール2aを収納し且つ入
力端に芯鋼リール2bを保持してワイヤロープ1を製鋼
するための回転筒であり、入力端から取り込まれた芯鋼
1fを子縄1eとともに回転させながら出力端から送出
する。
【0006】2dは回転筒2cから送出された各子縄1
eおよび芯鋼1fをヨリ合わせてワイヤロープ1を形成
するためのボイス、2eはボイス2dを介してヨリ合わ
せられたワイヤロープ1を巻き掛けてワイヤロープ1に
張力を与える案内車、2fは案内車2dを通して完成さ
れたワイヤロープ1を巻き取る巻取ドラムである。
【0007】図9のように、回転筒2cの回転により、
ボイス2dを介してワイヤロープ1がより上げられ、さ
らに案内車2eを介して巻取ドラム2fに巻き取られる
が、このままではワイヤロープ1のヨリ合わせ状態が均
一でなく、使用中に著しく伸びたりするおそれがある。
【0008】したがって、従来より、ワイヤロープ1の
緩みを除去してヨリ合わせを均一化するために、一般に
以下のような処理が施される。図10は例えば特公昭3
0−8886号公報に参照される従来のワイヤロープ製
造装置を示す側面図であり、1、1e、1fおよび2a
〜2fは前述と同様のものである。
【0009】図10において、2gはボイス2dと案内
車2eとの間に配列された複数の屈曲ローラであり、ボ
イス2dを通過したワイヤロープ1に圧接してワイヤロ
ープ1の内部の緩みを確実に取り除き、各子縄1eのヨ
リ合わせ状態を均一化するようになっている。
【0010】また、初期伸びをさらに早期に収束させる
ために、以下の処理が施される場合もある。図11は初
期伸びの早期収束を目的とした従来例を示す側面図であ
り、1および2fは前述と同様のものである。
【0011】2f′は最終的に完成したワイヤロープ1
を巻き取るための別の巻取ドラム、3は巻取ドラム2f
と別の巻取ドラム2f′との間に設置された予備張力装
置、3aは予備張力装置3の予備張力を発生するアー
ム、3bはアーム3aに回転軸が支持された予備張力ド
ラム、3cは予備張力ドラム3bに対向配置された別の
予備張力ドラムである。
【0012】この場合、一旦巻取ドラム2fに巻き取ら
れた半製品化状態のワイヤロープ1は、製造ラインの外
に配置された予備張力装置3側に送出され、予備張力ド
ラム3bおよび3cに巻き掛けられる。そして、アーム
3aにより、予備張力ドラム3bを予備張力ドラム3c
から引き離すように荷重をかけ、過大な張力でワイヤロ
ープ1を引き延ばす。
【0013】予備張力装置3により予備張力が印加され
たワイヤロープ1は、最終的に別の巻取ドラム2f′に
巻き取られる。これにより、ワイヤロープ1の初期伸び
は早期に収束する。なお、予備張力装置3により印加さ
れる過大張力は、ワイヤロープ1の切断荷重の約半分程
度である。
【0014】このように、図10の従来例においては、
屈曲ローラ2gを用いてワイヤロープ1の緩みを除去し
たりヨリ合わせ状態の均一化を行い、図11の従来例に
おいては、予備張力装置3を用いて過大な予備張力を印
加することにより、ワイヤロープ1の初期伸びの早期収
束化を実現している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤロープ製
造装置は以上のように、図10の装置においては、ワイ
ヤロープ1のヨリ合わせ状態の均一化が実現するもの
の、ワイヤロープ1の稼働中に初期伸びの早期収束化を
実現することができず、前述した切り詰め工事を長期間
にわたって計画しなければならないという問題点があっ
た。
【0016】また、図11の従来装置においては、ワイ
ヤロープ1の初期伸びの早期収束化が実現するものの、
ワイヤロープ1を一旦巻取ドラム2fに巻き取った後で
予備張力装置3に導出しているので、ヨリ合わせ状態の
均一化を十分に実現することができず、ワイヤロープ1
の使用中にヨリ合わせ不均一により特定の子縄が断線し
てしまうという問題点があった。
【0017】また、図11の従来装置の場合、ワイヤロ
ープ1の製造ラインとは別に、予備張力装置3による処
理を施す必要があるため、コストアップにつながるとい
う問題点があった。さらに、ヨリ合わせ状態の均一化を
実現するために著しく過大な予備張力を与えることは、
予備張力装置3の大形化およびコストアップを招くう
え、ワイヤロープ1に重大な損傷を与えるという問題点
があった。
【0018】この発明の請求項1は上記のような問題点
を解決するためになされたもので、連続した製造ライン
内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化および初期
伸びの早期収束化を実現することにより、小形化および
コストダウンを実現したワイヤロープ製造装置を得るこ
とを目的とする。
【0019】また、この発明の請求項2は、連続した製
造ライン内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化お
よび初期伸びの早期収束化を実現し、且つ予備張力を振
動させることにより、小形化およびコストダウンを実現
するとともに、子縄のヨリ合わせ均一化をさらに実現し
たワイヤロープ製造装置を得ることを目的とする。
【0020】また、この発明の請求項3は、連続した製
造ライン内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化お
よび初期伸びの早期収束化を実現し、且つ予備張力を低
減することにより、さらに小形化およびコストダウンを
実現するとともに、ワイヤロープの損傷を軽減したワイ
ヤロープ製造装置を得ることを目的とする。
【0021】また、この発明の請求項4は、連続した製
造ライン内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化お
よび初期伸びの早期収束化を実現し、且つ予備張力ドラ
ムの溝半径をワイヤロープの直径に適合させることによ
り、小形化およびコストダウンを実現するとともに、子
縄のヨリ合わせ均一化をさらに実現したワイヤロープ製
造装置を得ることを目的とする。
【0022】また、この発明の請求項5は、連続した製
造ライン内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化お
よび初期伸びの早期収束化を実現し、且つ予備張力ドラ
ムに巻き掛けられたワイヤロープの少なくとも一部に予
備張力を印加することにより、さらに小形化およびコス
トダウンを実現するとともにワイヤロープの損傷を軽減
したワイヤロープ製造装置を得ることを目的とする。
【0023】また、この発明の請求項6は、連続した製
造ライン内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化お
よび初期伸びの早期収束化を実現し、且つ一対の予備張
力ドラムに4往復以上巻き掛けられたワイヤロープの少
なくとも一部に巻取ドラムの巻取張力の4倍の予備張力
を印加することにより、ワイヤロープに確実に所要の予
備張力を印加し、さらに小形化およびコストダウンを実
現するとともにワイヤロープの損傷を軽減したワイヤロ
ープ製造装置を得ることを目的とする。
【0024】また、この発明の請求項7は、連続した製
造ライン内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化お
よび初期伸びの早期収束化を実現し、且つ一対の予備張
力ドラムへのワイヤロープの巻き掛け方向をタスキ掛け
することにより、巻き掛け数を低減してさらに小形化お
よびコストダウンを実現するとともに、ワイヤロープの
損傷を軽減し、且つ子縄のヨリ合わせ均一化を実現した
ワイヤロープ製造装置を得ることを目的とする。
【0025】また、この発明の請求項8は、連続した製
造ライン内でワイヤロープのヨリ合わせ状態の均一化お
よび初期伸びの早期収束化を実現し、且つ屈曲ローラを
組み合わせることにより、小形化およびコストダウンを
実現するとともにワイヤロープの損傷を軽減し、且つ子
縄のヨリ合わせ均一化をさらに実現したワイヤロープ製
造装置を得ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るワイヤロープ製造装置は、複数本の子縄を芯鋼ととも
にヨリ合わせてワイヤロープを形成するヨリ合わせ手段
と、ワイヤロープを巻き取るための巻取ドラムとを備え
たワイヤロープ製造装置において、ヨリ合わせ手段と巻
取ドラムとの間に、ワイヤロープに予備張力を印加する
ための予備張力手段を設けたものである。
【0027】また、この発明の請求項2に係るワイヤロ
ープ製造装置は、請求項1において、予備張力手段は、
予備張力を振動的に変動させるものである。
【0028】また、この発明の請求項3に係るワイヤロ
ープ製造装置は、請求項1または請求項2において、予
備張力は、ワイヤロープの切断荷重の20%〜40%に
設定されたものである。
【0029】また、この発明の請求項4に係るワイヤロ
ープ製造装置は、請求項3において、予備張力手段は、
ワイヤロープが巻き掛けられる複数の溝を有する予備張
力ドラムを含み、溝の半径は、ワイヤロープの公称直径
の0.5倍〜0.53倍に設定されたものである。
【0030】また、この発明の請求項5に係るワイヤロ
ープ製造装置は、請求項1から請求項4までのいずれか
において、予備張力手段は、ワイヤロープが巻き掛けら
れる複数の溝を有する予備張力ドラムと、予備張力ドラ
ムに複数回巻き掛けられたワイヤロープの少なくとも1
カ所に予備張力を印加するための予備張力プーリとを含
むものである。
【0031】また、この発明の請求項6に係るワイヤロ
ープ製造装置は、請求項5において、予備張力手段は、
ワイヤロープを4往復以上巻き掛けるための一対の予備
張力ドラムを含み、予備張力は、巻取ドラムの巻取張力
の4倍に設定されたものである。
【0032】また、この発明の請求項7に係るワイヤロ
ープ製造装置は、請求項5または請求項6において、予
備張力手段は一対の予備張力ドラムからなり、一対の予
備張力ドラムは、ワイヤロープの巻き掛け方向が交互に
逆となるようにワイヤロープをタスキ掛けしたものであ
る。
【0033】また、この発明の請求項8に係るワイヤロ
ープ製造装置は、請求項1から請求項7までのいずれか
において、ヨリ合わせ手段と予備張力手段との間、また
は、予備張力手段と巻取ドラムとの間の少なくとも一方
に、ワイヤロープのヨリ合わせ状態を均一化するための
屈曲ローラを配設したものである。
【0034】
【作用】この発明の請求項1においては、予備張力手段
をワイヤロープ製造ライン内に連続工程として挿入し、
処理コストを低減するとともにワイヤロープのヨリ合わ
せ均一化を実現し、予備張力を低減可能にして小形化お
よびコストダウンを実現するとともにワイヤロープの損
傷を抑制する。
【0035】また、この発明の請求項2においては、予
備張力手段をワイヤロープ製造ライン内に連続工程とし
て挿入するとともに、予備張力を振動的に変動させるこ
とにより、処理コストを低減するとともにワイヤロープ
のヨリ合わせ均一化をさらに可能にし、また、予備張力
をさらに低減可能にして小形化およびコストダウンを実
現するとともにワイヤロープの損傷を抑制する。
【0036】また、この発明の請求項3においては、予
備張力手段をワイヤロープ製造ライン内に連続工程とし
て挿入するとともに、予備張力を切断荷重の半分以下
(20%〜40%)に設定し、処理コストを低減すると
ともにワイヤロープのヨリ合わせを均一化し、また、予
備張力を低減して小形化およびコストダウンを実現する
とともにワイヤロープの損傷を抑制する。
【0037】また、この発明の請求項4においては、予
備張力手段をワイヤロープ製造ライン内に連続工程とし
て挿入するとともに、予備張力ドラムの溝半径をワイヤ
ロープの公称直径の0.5倍〜0.53倍に設定し、ワ
イヤロープと溝とを適合させることにより、処理コスト
を低減するとともにワイヤロープのヨリ合わせをさらに
均一化し、また、予備張力を低減可能にして小形化およ
びコストダウンを実現するとともにワイヤロープの損傷
を抑制する。
【0038】また、この発明の請求項5においては、予
備張力手段をワイヤロープ製造ライン内に連続工程とし
て挿入するとともに、予備張力ドラムに複数回巻き掛け
たワイヤロープの少なくとも1カ所に予備張力を印加す
ることにより、処理コストを低減するとともにワイヤロ
ープのヨリ合わせを均一化し、また、予備張力を低減可
能にして小形化およびコストダウンを実現するとともに
ワイヤロープの損傷を抑制する。
【0039】また、この発明の請求項6においては、予
備張力手段をワイヤロープ製造ライン内に連続工程とし
て挿入するとともに、一対の予備張力ドラムに4回以上
巻き掛けたワイヤロープの少なくとも1カ所に予備張力
を印加し、且つ巻取ドラムの巻取張力の4倍の予備張力
を印加することにより、ワイヤロープに確実に所要の予
備張力を印加可能にし、処理コストを低減するとともに
ワイヤロープのヨリ合わせを均一化し、また、予備張力
を低減可能にして小形化およびコストダウンを実現する
とともにワイヤロープの損傷を抑制する。
【0040】また、この発明の請求項7においては、予
備張力手段をワイヤロープ製造ライン内に連続工程とし
て挿入するとともに、一対の予備張力ドラムに複数回タ
スキ掛けで巻き掛けたワイヤロープの少なくとも1カ所
に予備張力を印加することにより、巻き掛け数を低減し
て処理コストを低減するとともに、ワイヤロープのヨリ
合わせを均一化し、また、予備張力を低減可能にして小
形化およびコストダウンを実現するとともにワイヤロー
プの損傷を抑制する。
【0041】また、この発明の請求項8においては、予
備張力手段をワイヤロープ製造ライン内に連続工程とし
て挿入するとともに、ヨリ合わせ手段と予備張力手段と
の間、または、予備張力手段と巻取ドラムとの間の少な
くとも一方に、ワイヤロープのヨリ合わせ状態を均一化
するための屈曲ローラを配設し、処理コストを低減する
とともにワイヤロープのヨリ合わせ均一化をさらに促進
し、予備張力をさらに低減可能にして小形化およびコス
トダウンを実現するとともにワイヤロープの損傷を抑制
する。
【0042】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1(請求項1および
請求項2に対応)を図について説明する。図1はこの発
明の実施例1を示す側面図であり、1、1e、1f、2
c、2d、2fおよび2gは前述と同様のものである。
ここでは、回転筒2cの出力端のみが示されている。ま
た、屈曲ローラ2gは、垂直方向のみならず水平方向に
も配置されている。さらに、図示されないが、前述と同
様に案内車2eが配設されてもよい。
【0043】4はワイヤロープ1に予備張力を印加する
ための予備張力手段であり、回転筒2c(ヨリ合わせ手
段)と巻取ドラム2fとの間に配設され、ワイヤロープ
1の製造ライン中に連続的に挿入されている。予備張力
手段4は、以下の要素4a〜4cにより構成されてい
る。
【0044】4aおよび4bは回転駆動されるとともに
互いに離間する方向に駆動される一対の予備張力ドラム
であり、複数の屈曲ローラ2gを通過したワイヤロープ
1が複数回往復して巻き掛けられる。4cは予備張力ド
ラム4aおよび4bを離間方向に駆動する油圧式のジャ
ッキであり、予備張力ドラム4aおよび4bに巻き掛け
られたワイヤロープ1に過負荷の予備張力Taを与え
る。
【0045】なお、図示しないが、各予備張力ドラム4
aおよび4bの外周面には、ワイヤロープ1に係合する
複数の溝が形成されていてもよい。また、ジャッキ4c
は、ワイヤロープ1に対して一定の予備張力を印加する
のではなく、振動的に予備張力Taを印加するようにな
っている。
【0046】次に、図1に示したこの発明の実施例1の
動作について説明する。前述と同様に、回転筒2cから
送出されてボイス2dを介してヨリ合わせられたワイヤ
ロープ1は、複数の屈曲ローラ2gにより垂直および水
平の両方向に屈曲される。これにより、各子縄1eのヨ
リ合わせ時に生じた緩みはボイス2d側に帰還され、ワ
イヤロープ1のヨリ合わせが均一化される。
【0047】こうして初期的に均一化されたワイヤロー
プ1は、一対の予備張力ドラム4aおよび4bの間に複
数回往復して巻き掛けられる。このときの巻き掛け数N
(1往復に対して2回)は、ジャッキ4cを駆動したと
きに予備張力ドラム4aおよび4b間のみに過負荷状態
が生じて、屈曲ローラ2gおよび巻取ドラム2fに過負
荷状態が作用しないように、予備張力ドラム4aおよび
4bの摩擦力で予備張力Taが減衰するのに十分な数に
設定されている。
【0048】なぜなら、例えば予備張力Taが巻取ドラ
ム2fに伝達すると、巻取ドラム2f上でワイヤロープ
1がスリップしてしまい、所要の予備張力Taが実際に
ワイヤロープ1に印加されなくなってしまうからであ
る。
【0049】次に、ジャッキ4cを振動的に駆動し、屈
曲ローラ2gを通過して予備張力ドラム4aおよび4b
に巻き掛けられたワイヤロープ1に対し、例えばワイヤ
ロープ1の切断荷重の半分程度の予備張力Taを印加す
る。この結果、初期伸びの早期収束化を実現したワイヤ
ロープ1となって巻取ドラム2fに巻き取られる。
【0050】このように、屈曲ローラ2gにより各子縄
1eのヨリ合わせを均一化した後、過負荷を与えて締め
ることにより、ヨリ合わせが均一で且つ短期間で初期伸
びが収束するワイヤロープ1が完成する。
【0051】この場合、ジャッキ4cの駆動力は、ワイ
ヤロープ1に印加する所要の予備張力TaのN(巻き掛
け数)倍程度だけ必要となる。しかし、予備張力Ta
は、製造ライン中のヨリ合わせ工程の直後にワイヤロー
プ1に印加されるので、図11の従来装置よりも有効に
作用する。
【0052】したがって、予備張力Taを低減させても
従来装置と同等の作用効果が得られ、予備張力手段4を
小形化することができる。また、予備張力Taが低減す
ることからワイヤロープ1が損傷することもなく、巻取
ドラム2fに巻き取った後の処理が不要になることから
処理コストも低減される。
【0053】実施例2.なお、上記実施例1では、予備
張力手段4内の過負荷手段としてジャッキ4cを用いた
が、他の手段、例えばワイヤロープ1に外側から圧接す
る負荷プーリを用いてもよい。
【0054】図2は負荷プーリを用いたこの発明の実施
例2(請求項3および請求項4に対応)を示す側面図で
あり、4Aは予備張力手段4に対応しており、1、2
f、2g、4aおよび4bは前述と同様のものである。
この場合、予備張力ドラム4aおよび4bの外周面に
は、ワイヤロープ1と適合するための複数の溝(後述す
る)が形成されている。
【0055】図2において、4dは油圧式のジャッキに
より駆動される負荷プーリであり、予備張力ドラム4a
および4bに巻き掛けられたワイヤロープ1に対向配置
されており、駆動時にワイヤロープ1を圧接するように
なっている。
【0056】図3は図2内のワイヤロープ1と予備張力
ドラム4aおよび4bの溝との関係を示す拡大断面図で
あり、5は予備張力ドラム4aおよび4b上の溝、D1
は過負荷時のワイヤロープ1の直径(公称直径に相当す
る)、r5は溝5の半径である。溝5の半径r5は、ワ
イヤロープ1の公称直径D1の0.50倍〜0.53倍
に設定されており、ワイヤロープ1の外形とほぼ一致す
るようになっている。
【0057】図2内の予備張力手段4Aは、予備張力ド
ラム4aおよび4bに巻き掛けられたワイヤロープ1に
対して外側から負荷プーリ4dを圧接することにより、
ワイヤロープ1に所要の予備張力Taを印加する。した
がって、予備張力ドラム4aおよび4bを駆動するジャ
ッキ4cを省略するか、または、ジャッキ4cの駆動容
量を低減することができる。
【0058】また、負荷プーリ4dは、ワイヤロープ1
に対して側面方向から圧接するので、比較的小さい駆動
力で所要の予備張力Taを発生させることができる。但
し、負荷プーリ4dがワイヤロープ1の側面全体に圧接
されるため、負荷プーリ4dを駆動する油圧ジャッキの
容量は、所要予備張力相当分のN(ワイヤロープ巻き掛
け数)倍だけ必要となる。
【0059】さらに、前述のように負荷プーリ4dを振
動的に駆動してもよく、これにより、ワイヤロープ1の
均一化が促進し、小さい駆動力で所要の予備張力Taに
相当する分の効果を奏することができる。
【0060】ところで、負荷プーリ4d上で過負荷の予
備張力Taを受けるワイヤロープ1は著しく変形する
が、この変形が原因となって、形くずれによる各子縄1
eの早期断線が生じ、ワイヤロープ1の切断事故が発生
するおそれがある。そこで、予備張力ドラム4aおよび
4bに形成された溝5の半径r5は、ワイヤロープ1が
過大な予備張力Taを受けたとき(過負荷時)の公称直
径D1(後述するバラツキを考慮した値)に相当する大
きさに設定されている。
【0061】通常、予備張力Taが印加されていないワ
イヤロープ1の直径D1は、公称直径よりも7%程度太
く設定されているが、印加張力がワイヤロープ1の切断
荷重の10%に相当する張力分だけ増加する毎に1.0
%〜1.5%程度細くなるという特性を有する。
【0062】一方、ワイヤロープ1の構造的な緩みを短
時間で除去するためには、予備張力Taを大きくするほ
ど効果が顕著であるが、予備張力Taの増大は、各子縄
1e同士の接触力が強くなり過ぎることから、ワイヤロ
ープ1の寿命低下の原因となり得る。したがって、予備
張力Taの上限値は、ワイヤロープ1の切断荷重の40
%程度である。
【0063】また、予備張力Taの下限値については、
特に制限がないが、予備張力Taの低下にともなって予
備張力手段4Aの処理時間が長くなるうえ、過負荷条件
下での所要の曲げ回数(予備張力ドラム4aおよび4b
に巻き掛ける回数)が増大してしまう。したがって、予
備張力Taの下限値は、ワイヤロープ1の切断荷重の2
0%程度であり、実用的に、予備張力Taをワイヤロー
プ1の切断荷重の20%以上として、ワイヤロープ1を
2回以上曲げることが望ましい。
【0064】以上の理由から、ワイヤロープ1の構造的
な緩みを除去するためには、ワイヤロープ1に対して切
断荷重の20%〜40%程度の予備張力Taを印加する
必要がある。したがって、予備張力ドラム4aおよび4
bの溝5の半径r5は、以下のように、ワイヤロープ1
の公称直径D1の0.50倍〜0.53倍に設定される
ことが望ましい。
【0065】すなわち、過負荷時のワイヤロープ1の直
径は、印加される予備張力Taが切断荷重の40%の場
合に最小、20%の場合に最大となり、また、切断荷重
の10%の張力増加毎に細くなる比率が1.5%の場合
に最小、1.0%の場合に最大となる。
【0066】したがって、予備張力Taが印加される前
のワイヤロープ1の直径が1.07×D1であることか
ら、ワイヤロープ1の半径の最小値rMINは、予備張
力Taが切断荷重の40%であって、ワイヤロープ1の
細くなる比率が1.5%である場合を想定して、以下の
式で表わされる。
【0067】 rMIN=(1.07−4×1.5)D1/2 =0.505×D1 ≒0.50×D1
【0068】同様に、ワイヤロープ1の半径の最大値r
MAXは、予備張力Taが切断荷重の20%であって、
ワイヤロープ1の細くなる比率が1.0%である場合を
想定して、以下の式で表わされる。
【0069】 rMAX=(1.07−2×1.0)D1/2 =0.525×D1 ≒0.53×D1
【0070】上記各式で表わされるワイヤロープ1の半
径の最小値rMINおよび最大値rMAXが、それぞ
れ、溝5の半径r5に対応することは言うまでもない。
【0071】実施例3.なお、上記実施例2では、負荷
プーリ4dの軸方向長さを予備張力ドラム4aおよび4
bと同じ程度に設定し、予備張力ドラム4aおよび4b
に巻き掛けられたワイヤロープ1の側面全体を負荷プー
リ4dで圧接するようにしたが、負荷プーリ4dの軸方
向長さを短く設定して、ワイヤロープ1の1カ所のみを
圧接するようにしてもよい。
【0072】図4はワイヤロープ1の1カ所のみを圧接
するようにしたこの発明の実施例3(請求項5および請
求項6に対応)を示す斜視図であり、4Bおよび4d′
は、それぞれ、予備張力手段4Aおよび負荷プーリ4d
に対応しており、1、2f、2g、4aおよび4bは前
述と同様のものである。この場合も、予備張力ドラム4
aおよび4bの外周面には、ワイヤロープ1と適合する
ための複数の溝が形成されているものとする。
【0073】負荷プーリ4d′は、予備張力ドラム4a
および4bに複数回巻き掛けられたワイヤロープ1の1
カ所のみに圧接し、局部的に過大な予備張力Taを印加
する。したがって、負荷プーリ4d′を駆動するための
油圧ジャッキは、ワイヤロープ1の巻き掛け数Nと無関
係に所要予備張力分だけの駆動力を発生すればよく、前
述の負荷プーリ4dの場合と比べて小形化することがで
きる。
【0074】なお、負荷プーリ4d′によって付与され
た予備張力Taは、予備張力ドラム4aおよび4bに巻
き掛けられた全てのワイヤロープ1に印加されることは
なく、ワイヤロープ1と予備張力ドラム4aおよび4b
との間の摩擦力により、一部の範囲内で張力変化しなが
ら印加される。
【0075】図5は予備張力ドラム4aおよび4bに巻
き掛けられたワイヤロープ1に対する負荷プーリ4d′
の位置と各部の張力Tとの関係を示す特性図であり、予
備張力ドラム4aから予備張力ドラム4bの方向にワイ
ヤロープ1を巻き掛けた場合を示す。
【0076】図において、各矢印区間は、予備張力ドラ
ム4aおよび4bにかかわらず張力一定となる区間と、
各予備張力ドラム4aまたは4b上の張力が変化する区
間とを示し、負荷プーリ4d′の位置する中央部分のみ
に一定の予備張力Taが印加されているものとする。
【0077】また、各種仕様条件として、予備張力ドラ
ム4aおよび4bの巻き始め巻き終り張力と負荷プーリ
4d′による予備張力Taとの比を1:4とし、ワイヤ
ロープ1の1回当りの巻き掛け角度を180°(図4に
示す巻き掛け状態)とし、ワイヤロープ1と予備張力ド
ラム4aおよび4bとが接触するときの見かけ上の摩擦
係数μ′を0.12とする。
【0078】なお、予備張力ドラム4aおよび4bに対
するワイヤロープ1の総合巻き掛け角度θ(rad)
は、1回当りの巻き掛け角度のN(巻き掛け数)倍であ
り、見かけ上の摩擦係数μ′は、溝5の形状係数と真の
摩擦係数μとの積によって表わされる。このとき、予備
張力ドラム4aおよび4bに巻き掛けられたワイヤロー
プ1の摩擦保持力は、摩擦係数μ′および巻き掛け角度
θを用いて、μ′θで表わされる。
【0079】また、ワイヤロープ1の摩擦保持力μ′θ
と、巻取張力に対する予備張力の比Γとの間には、自然
対数の底expを用いて、以下の関係が成り立つ。
【0080】exp(μ′θ)=Γ
【0081】したがって、Γ=4の張力比となるよう
に、図5のように張力変化させて保持するのに必要なワ
イヤロープ1の巻き掛け角度θは、上式にμ′=0.1
2およびΓ=4を代入して、以下のように求められる。
【0082】exp(0.12×θ)=4 θ≒11.6
【0083】したがって、以下の式ように、巻き掛け角
度θを180°に相当するπ(rad)で除算すれば、
上記条件を満たすのに必要な巻き掛け数Nが求められ
る。
【0084】11.6/π≒3.7
【0085】これにより、負荷プーリ4d′の位置か
ら、巻き始め側および巻き終り側に、それぞれ、約4回
(2往復)分だけ巻き掛ければよく、全体で4往復だけ
巻き掛ければよいことが分かる。
【0086】図5から明らかなように、例えば、予備張
力ドラム4aの巻き始めおよび予備張力ドラム4bの巻
き終りの張力(巻取ドラム2fの巻取張力に相当)の4
倍の過大な予備張力Taをワイヤロープ1の1カ所に印
加した場合、張力Tは、負荷プーリ4d′の位置から巻
き始め側に向かって減衰していき、約2往復分までのワ
イヤロープ1にしかおよばない。同様に、ワイヤロープ
1の巻き終り側に対する張力Tは、巻き終りの予備張力
ドラム4aまたは4bから負荷プーリ4d′側への2往
復分の範囲内で変化する。
【0087】このように張力Tが変化する約4往復分の
範囲内で、ワイヤロープ1は、予備張力ドラム4aおよ
び4bの巻き掛け部分でスリップする。したがって、各
予備張力ドラム4aおよび4b上の溝5の摩耗を抑制す
るため、ワイヤロープ1と接触する溝5の部分をゴム、
高分子ポリエチレンまたはナイロン等の耐摩耗性を有す
る硬質弾性体で構成することが望ましい。
【0088】実施例4.上記実施例3では、ワイヤロー
プ1の1回当りの巻き掛け角度を180°としたが、予
備張力ドラム4aおよび4bに対するワイヤロープ1の
巻き掛け方向が交互に逆となるようにタスキ掛けし、1
回当りの巻き掛け角度が180°以上となるようにして
もよい。
【0089】図6は予備張力ドラム4aおよび4bに対
してワイヤロープ1をタスキ掛けしたこの発明の実施例
4(請求項7に対応)を示す側面図であり、4Cは予備
張力手段4Bに対応しており、1、2f、2g、4a、
4bおよび4d′は前述と同様のものである。
【0090】この場合、一対の予備張力ドラム4aおよ
び4bは、ワイヤロープ1をタスキ掛けにより巻き掛
け、1回当りの巻き掛け角度を180°以上にしてい
る。したがって、前述より少ない巻き掛け数Nで所要の
巻き掛け角度θが得られるため、予備張力ドラム4aお
よび4bの軸方向長さを短縮することができ、装置全体
の小形化を実現することができる。また、ワイヤロープ
1は、巻き掛け方向にしたがって交互に逆方向に曲げら
れるので、緩み除去が確実に行われて最終的によく締ま
った状態となる。
【0091】実施例5.なお、上記実施例1〜実施例4
では、予備張力ドラム4aおよび4bを通過したワイヤ
ロープ1を完成品として巻取ドラム2fに巻き取った
が、予備張力ドラム4aおよび4bと巻取ドラム2fと
の間に、さらに複数の屈曲ローラを配設してもよい。図
7は屈曲ローラを追加したこの発明の実施例5(請求項
8に対応)を示す側面図であり、1、1e、2c、2
d、2f、2g、4、4aおよび4bは前述と同様のも
のである。
【0092】2g′は予備張力ドラム4aおよび4bと
巻取ドラム2fとの間に配設された複数の屈曲ローラで
ある。屈曲ローラ2g′は、ヨリ合わせ手段2cと予備
張力手段4との間に挿入された屈曲ローラ2gと同一機
能を有し、屈曲ローラ2gで置き換えられることもでき
る。すなわち、屈曲ローラ2gまたは2g′の少なくと
も一方が挿入されていてもよい。
【0093】この場合、ワイヤロープ1は、予備張力手
段4により過大な予備張力Taが印加された後、さらに
屈曲ローラ2g′を介して垂直方向および水平方向に屈
曲される。したがって、予備張力手段4で印加された予
備張力Taによるワイヤロープ1の緩みは確実に除去さ
れ、さらに均一化されて締まったワイヤロープ1を完成
品とすることができる。また、屈曲ローラ2gおよび2
g′の使用により、ワイヤロープ1の均一化作用が向上
するので、必要な予備張力Taをさらに低減させること
ができる。
【0094】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、複数本の子縄を芯鋼とともにヨリ合わせてワイヤロ
ープを形成するヨリ合わせ手段と、ワイヤロープを巻き
取るための巻取ドラムとを備えたワイヤロープ製造装置
において、ヨリ合わせ手段と巻取ドラムとの間に、ワイ
ヤロープに予備張力を印加するための予備張力手段を設
け、ワイヤロープ製造ライン内の連続工程としてヨリ合
わせの均一化および初期伸びの早期収束化を実現したの
で、予備張力を低減可能にして処理コストを低減すると
ともにワイヤロープの損傷を抑制し、小形化およびコス
トダウンを実現したワイヤロープ製造装置が得られる効
果がある。
【0095】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、予備張力手段が予備張力を振動的に変動
させるようにしたので、予備張力をさらに低減可能にし
て小形化および処理コストを低減するとともに、ワイヤ
ロープのヨリ合わせ均一化をさらに可能にしたワイヤロ
ープ製造装置が得られる効果がある。
【0096】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1または請求項2において、予備張力をワイヤロープ
の切断荷重の20%〜40%に設定したので、予備張力
低減により処理コストを低減するとともにワイヤロープ
のヨリ合わせを均一化したワイヤロープ製造装置が得ら
れる効果がある。
【0097】また、この発明の請求項4によれば、請求
項3において、予備張力手段は、ワイヤロープが巻き掛
けられる複数の溝を有する予備張力ドラムを含み、溝の
半径は、ワイヤロープの公称直径の0.5倍〜0.53
倍に設定され、ワイヤロープと溝とを適合させるように
したので、ワイヤロープのヨリ合わせ均一化をさらに可
能にしたワイヤロープ製造装置が得られる効果がある。
【0098】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、予備張力手
段は、ワイヤロープが巻き掛けられる複数の溝を有する
予備張力ドラムと、予備張力ドラムに複数回巻き掛けら
れたワイヤロープの少なくとも1カ所に予備張力を印加
するための予備張力プーリとを含むようにしたので、さ
らに予備張力を低減可能にして小形化およびコストダウ
ンを実現するとともにワイヤロープの損傷を抑制したワ
イヤロープ製造装置が得られる効果がある。
【0099】また、この発明の請求項6によれば、請求
項5において、予備張力手段は、ワイヤロープを4往復
以上巻き掛けるための一対の予備張力ドラムを含み、予
備張力は、巻取ドラムの巻取張力の4倍に設定され、ワ
イヤロープに確実に所要の予備張力が印加されるように
したので、予備張力を低減可能にして小形化およびコス
トダウンを実現するとともに、効率的にワイヤロープの
損傷を抑制したワイヤロープ製造装置が得られる効果が
ある。
【0100】また、この発明の請求項7によれば、請求
項5または請求項6において、予備張力手段は一対の予
備張力ドラムからなり、一対の予備張力ドラムは、ワイ
ヤロープの巻き掛け方向が交互に逆となるようにワイヤ
ロープをタスキ掛けするようにしたので、ワイヤロープ
のヨリ合わせ均一化をさらに促進するとともに、巻き掛
け数を低減してさらに小形化およびコストダウンを実現
したワイヤロープ製造装置が得られる効果がある。
【0101】また、この発明の請求項8によれば、請求
項1から請求項7までのいずれかにおいて、ヨリ合わせ
手段と予備張力手段との間、または、予備張力手段と巻
取ドラムとの間の少なくとも一方に、ワイヤロープのヨ
リ合わせ状態を均一化するための屈曲ローラを配設した
ので、予備張力をさらに低減可能にして処理コストを低
減するとともに、ワイヤロープのヨリ合わせ均一化をさ
らに実現したワイヤロープ製造装置が得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の要部を示す側面図であ
る。
【図2】この発明の実施例2の要部を示す側面図であ
る。
【図3】この発明の実施例2における溝およびワイヤロ
ープの関係を示す拡大断面図である。
【図4】この発明の実施例3の要部を示す斜視図であ
る。
【図5】この発明の実施例3における巻き掛けワイヤロ
ープ上の負荷プーリ位置と張力との関係を示す特性図で
ある。
【図6】この発明の実施例4の要部を示す側面図であ
る。
【図7】この発明の実施例5の要部を示す側面図であ
る。
【図8】一般的なワイヤロープの構造を示す拡大断面図
である。
【図9】従来のワイヤロープ製造装置の第1例を示す側
面図である。
【図10】従来のワイヤロープ製造装置の第2例を示す
側面図である。
【図11】従来のワイヤロープ製造装置の第3例の要部
を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤロープ 1e 子縄 1f 芯鋼 2c 回転筒(ヨリ合わせ手段) 2d ボイス(ヨリ合わせ手段) 2f 巻取ドラム 2g、2g′ 屈曲ローラ 4、4A〜4C 予備張力手段 4a、4b 予備張力ドラム 4d、4d′ 予備張力プーリ 5 溝 r5 溝の半径 D1 ワイヤロープの公称直径 Ta 予備張力
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】1fは複数本の子縄1eの中心に配設され
芯綱であり、複数本の子縄1eをヨリ合わせて1本の
ワイヤロープ1を構成している。ここでは、子縄1eを
6本ヨリ合わせたワイヤロープ1を構成した場合を示
し、外層素線1a、内層素線1b、フィラー線1cおよ
び芯線1dの束からなる各子縄1eは、1本の芯綱1f
を中心にして一体的に構成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】図9は例えば図8に示したようなワイヤロ
ープ1を製造する従来のワイヤロープ製造装置を示す側
面図である。図において、2aは各子縄1eが巻回され
た複数の子縄リール、2bは芯綱1fが巻回された芯綱
リールである。2cは各子縄リール2aを収納し且つ入
力端に芯綱リール2bを保持してワイヤロープ1を製綱
するための回転筒であり、入力端から取り込まれた芯綱
1fを子縄1eとともに回転させながら出力端から送出
する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】2dは回転筒2cから送出された各子縄1
eおよび芯綱1fをヨリ合わせてワイヤロープ1を形成
するためのボイス、2eはボイス2dを介してヨリ合わ
せられたワイヤロープ1を巻き掛けてワイヤロープ1に
張力を与える案内車、2fは案内車2dを通して完成さ
れたワイヤロープ1を巻き取る巻取ドラムである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るワイヤロープ製造装置は、複数本の子縄を芯綱ととも
にヨリ合わせてワイヤロープを形成するヨリ合わせ手段
と、ワイヤロープを巻き取るための巻取ドラムとを備え
たワイヤロープ製造装置において、ヨリ合わせ手段と巻
取ドラムとの間に、ワイヤロープに予備張力を印加する
ための予備張力手段を設けたものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、複数本の子縄を芯綱とともにヨリ合わせてワイヤロ
ープを形成するヨリ合わせ手段と、ワイヤロープを巻き
取るための巻取ドラムとを備えたワイヤロープ製造装置
において、ヨリ合わせ手段と巻取ドラムとの間に、ワイ
ヤロープに予備張力を印加するための予備張力手段を設
け、ワイヤロープ製造ライン内の連続工程としてヨリ合
わせの均一化および初期伸びの早期収束化を実現したの
で、予備張力を低減可能にして処理コストを低減すると
ともにワイヤロープの損傷を抑制し、小形化およびコス
トダウンを実現したワイヤロープ製造装置が得られる効
果がある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 ワイヤロープ 1e 子縄 1f 芯綱 2c 回転筒(ヨリ合わせ手段) 2d ボイス(ヨリ合わせ手段) 2f 巻取ドラム 2g、2g′ 屈曲ローラ 4、4A〜4C 予備張力手段 4a、4b 予備張力ドラム 4d、4d′ 予備張力プーリ 5 溝 r5 溝の半径 D1 ワイヤロープの公称直径 Ta 予備張力

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の子縄を芯鋼とともにヨリ合わせ
    てワイヤロープを形成するヨリ合わせ手段と、 前記ワイヤロープを巻き取るための巻取ドラムとを備え
    たワイヤロープ製造装置において、 前記ヨリ合わせ手段と前記巻取ドラムとの間に、前記ワ
    イヤロープに予備張力を印加するための予備張力手段を
    設けたことを特徴とするワイヤロープ製造装置。
  2. 【請求項2】 前記予備張力手段は、前記予備張力を振
    動的に変動させることを特徴とする請求項1のワイヤロ
    ープ製造装置。
  3. 【請求項3】 前記予備張力は、前記ワイヤロープの切
    断荷重の20%〜40%に設定されたことを特徴とする
    請求項1または請求項2のワイヤロープ製造装置。
  4. 【請求項4】 前記予備張力手段は、前記ワイヤロープ
    が巻き掛けられる複数の溝を有する予備張力ドラムを含
    み、 前記溝の半径は、前記ワイヤロープの公称直径の0.5
    倍〜0.53倍に設定されたことを特徴とする請求項3
    のワイヤロープ製造装置。
  5. 【請求項5】 前記予備張力手段は、 前記ワイヤロープが巻き掛けられる複数の溝を有する予
    備張力ドラムと、 前記予備張力ドラムに複数回巻き掛けられたワイヤロー
    プの少なくとも1カ所に前記予備張力を印加するための
    予備張力プーリとを含むことを特徴とする請求項1から
    請求項4までのいずれかのワイヤロープ製造装置。
  6. 【請求項6】 前記予備張力ドラムは、前記ワイヤロー
    プを4往復以上巻き掛けるための一対の予備張力ドラム
    からなり、 前記予備張力は、前記巻取ドラムの巻取張力の4倍に設
    定されたことを特徴とする請求項5のワイヤロープ製造
    装置。
  7. 【請求項7】 前記予備張力ドラムは一対の予備張力ド
    ラムからなり、前記一対の予備張力ドラムは、前記ワイ
    ヤロープの巻き掛け方向が交互に逆となるように前記ワ
    イヤロープをタスキ掛けすることを特徴とする請求項5
    または請求項6のワイヤロープ製造装置。
  8. 【請求項8】 前記ヨリ合わせ手段と前記予備張力手段
    との間、または、前記予備張力手段と前記巻取ドラムと
    の間の少なくとも一方に、前記ワイヤロープのヨリ合わ
    せ状態を均一化するための屈曲ローラを配設したことを
    特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかのワイ
    ヤロープ製造装置。
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