JPH07145466A - 溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法 - Google Patents
溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法Info
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- JPH07145466A JPH07145466A JP34113793A JP34113793A JPH07145466A JP H07145466 A JPH07145466 A JP H07145466A JP 34113793 A JP34113793 A JP 34113793A JP 34113793 A JP34113793 A JP 34113793A JP H07145466 A JPH07145466 A JP H07145466A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】Ti 0.0002〜0.5wt%、Al 2.
5〜20wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物
からなる溶融亜鉛系合金めっき浴を使用し、浴温度が4
60〜500℃の温度において溶融めっきを行う溶融Z
n−Al合金めっき鋼線の製造方法である。 【効果】1浴法により鋼線に高いめっき付着量を付与す
ることができ、かつ、めっき後の鋼線の強度低下率も少
ないZn−Al合金めっき鋼線を製造することができ
る。
5〜20wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物
からなる溶融亜鉛系合金めっき浴を使用し、浴温度が4
60〜500℃の温度において溶融めっきを行う溶融Z
n−Al合金めっき鋼線の製造方法である。 【効果】1浴法により鋼線に高いめっき付着量を付与す
ることができ、かつ、めっき後の鋼線の強度低下率も少
ないZn−Al合金めっき鋼線を製造することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融Zn−Al合金めっ
き鋼線の製造方法に関し、さらに詳しくは、鋼芯アルミ
ニウム撚線用および吊り橋ケーブル用等の高いめっき付
着量が要求され、さらに、構造材としても使用可能であ
る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法に関するも
のである。
き鋼線の製造方法に関し、さらに詳しくは、鋼芯アルミ
ニウム撚線用および吊り橋ケーブル用等の高いめっき付
着量が要求され、さらに、構造材としても使用可能であ
る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来より、溶融亜鉛めっき鋼線は、耐蝕性
材料として一般的に広く使用されてきている。しかしな
がら、最近になって、この溶融亜鉛系合金めっき鋼線
に、長期間にわたっての使用、および、工業地帯、海岸
地帯等の極めて苛酷な環境下においての使用に耐えるこ
とができる高耐蝕性が要求されるようになっている。
材料として一般的に広く使用されてきている。しかしな
がら、最近になって、この溶融亜鉛系合金めっき鋼線
に、長期間にわたっての使用、および、工業地帯、海岸
地帯等の極めて苛酷な環境下においての使用に耐えるこ
とができる高耐蝕性が要求されるようになっている。
【0003】このような要求から、耐蝕性を向上させる
ために、Zn−Al合金めっき鋼線の研究開発が行わ
れ、既に実用化されている。しかし、構造材料には高耐
蝕性が必要とされることから、高いめっき付着量(30
0g/m2以上)が要求されることが普通であり、そし
て、同一のめっき付着量で比較すると、Zn−Al合金
めっき鋼線は、Znめっき鋼線の2倍以上の耐蝕性を有
している。
ために、Zn−Al合金めっき鋼線の研究開発が行わ
れ、既に実用化されている。しかし、構造材料には高耐
蝕性が必要とされることから、高いめっき付着量(30
0g/m2以上)が要求されることが普通であり、そし
て、同一のめっき付着量で比較すると、Zn−Al合金
めっき鋼線は、Znめっき鋼線の2倍以上の耐蝕性を有
している。
【0004】しかしながら、500℃以下のめっき浴温
度においてめっきを行った時、Znめっきの場合には、
Znと鋼線との合金化反応により、めっき/素地鋼線界
面にZn−Fe系合金層が厚く発達してトータルめっき
付着量を確保している。
度においてめっきを行った時、Znめっきの場合には、
Znと鋼線との合金化反応により、めっき/素地鋼線界
面にZn−Fe系合金層が厚く発達してトータルめっき
付着量を確保している。
【0005】これに対して、Zn−Al合金めっきの場
合には、浴中のAlがZn−Fe系合金層の発達を抑制
すること、さらには、Alの含有により浴の流動性が上
昇しめっきを流れ落ち易くすることから、Zn−Al合
金めっき鋼線の付着量は最大200g/m2程度しか確
保できず、めっきの付着量を高くすることは困難であ
る。
合には、浴中のAlがZn−Fe系合金層の発達を抑制
すること、さらには、Alの含有により浴の流動性が上
昇しめっきを流れ落ち易くすることから、Zn−Al合
金めっき鋼線の付着量は最大200g/m2程度しか確
保できず、めっきの付着量を高くすることは困難であ
る。
【0006】また、Zn−Al合金めっき浴において、
浴温度を500℃以上としてめっきを行うと、めっき/
素地鋼線界面にAl−Fe−Zn合金層を発達させるこ
とができ、トータル付着量で300g/m2以上の高い
めっき付着量を確保することができる。
浴温度を500℃以上としてめっきを行うと、めっき/
素地鋼線界面にAl−Fe−Zn合金層を発達させるこ
とができ、トータル付着量で300g/m2以上の高い
めっき付着量を確保することができる。
【0007】しかし、浴温度が500℃以上になると、
鋼線が熱履歴により焼きなまされて、強度が著しく低下
し、めっきを行った後の鋼線に所望の強度を得ることが
困難になるという問題がある。
鋼線が熱履歴により焼きなまされて、強度が著しく低下
し、めっきを行った後の鋼線に所望の強度を得ることが
困難になるという問題がある。
【0008】従って、素地鋼線における問題を解決する
ためには、 鋼線の組成を改良し(Cr等の合金元素を含有させ
る)、めっき時の加熱による強度低下を起こり難くす
る。 鋼線の熱処理工程を改良し、めっき前の鋼線強度を従
来よりも高くする。 鋼線の伸線工程における減面率を増加して、加工硬化
を大きくして、めっき前の鋼線強度を高くする。 等の対策が考えられる。
ためには、 鋼線の組成を改良し(Cr等の合金元素を含有させ
る)、めっき時の加熱による強度低下を起こり難くす
る。 鋼線の熱処理工程を改良し、めっき前の鋼線強度を従
来よりも高くする。 鋼線の伸線工程における減面率を増加して、加工硬化
を大きくして、めっき前の鋼線強度を高くする。 等の対策が考えられる。
【0009】しかしながら、の対策は含有させる合金
元素が高価であり、かつ、製造時の鋼線の含有成分、成
分割合の管理が煩雑となり、そのために、鋼,線製造の
コストの大幅の上昇を招来し、の対策は鋼線中に偏析
が生じ易くなり、製品歩留まりを低下させ、また、の
対策は伸線時に縦割れが生じ易くなり、製品歩留まりを
低下させるという、それぞれの対策には何れにも問題点
が存在しており、従って、めっき後の強度低下に対する
改良対策としては採用することは困難である。
元素が高価であり、かつ、製造時の鋼線の含有成分、成
分割合の管理が煩雑となり、そのために、鋼,線製造の
コストの大幅の上昇を招来し、の対策は鋼線中に偏析
が生じ易くなり、製品歩留まりを低下させ、また、の
対策は伸線時に縦割れが生じ易くなり、製品歩留まりを
低下させるという、それぞれの対策には何れにも問題点
が存在しており、従って、めっき後の強度低下に対する
改良対策としては採用することは困難である。
【0010】そのため、鋼線の強度低下を最小限に抑制
して、Zn−Al合金めっきの鋼線に対する高い付着量
を達成するため、このめっきを行う際の対策が種々検討
され、実用化されている。
して、Zn−Al合金めっきの鋼線に対する高い付着量
を達成するため、このめっきを行う際の対策が種々検討
され、実用化されている。
【0011】この対策の最も一般的に行われている技術
しては、強度低下の起こり難い温度の500℃以下のめ
っき浴温度においてZnめっきを行った後、Zn−Al
合金めっきを行う2浴法が、特公平05−040024
号公報および特開平04−154949号公報により提
案されている。
しては、強度低下の起こり難い温度の500℃以下のめ
っき浴温度においてZnめっきを行った後、Zn−Al
合金めっきを行う2浴法が、特公平05−040024
号公報および特開平04−154949号公報により提
案されている。
【0012】しかしながら、これらの技術では、2回め
っきを行うことによるめっき操業の煩雑さ、また、Zn
−Al合金めっき浴中に、既にめっきされているZnが
溶解するため、Al濃度が変動し易くなるのでめっき浴
を調整しなければならない等の理由により、通常の1回
めっきを行う場合に比較して、めっき時間およびコスト
が2〜3倍かかる。
っきを行うことによるめっき操業の煩雑さ、また、Zn
−Al合金めっき浴中に、既にめっきされているZnが
溶解するため、Al濃度が変動し易くなるのでめっき浴
を調整しなければならない等の理由により、通常の1回
めっきを行う場合に比較して、めっき時間およびコスト
が2〜3倍かかる。
【0013】また、特公平05−009510号公報に
は、1浴法において、めっき浴温度420℃以下の粘度
の高いZn−Al合金めっき浴を使用し、このめっき浴
から鋼線を高速で引き上げ、出側において低温の不活性
ガス(0℃以下のN2ガス)により急冷することにより
鋼線から滴り落ちる溶融Zn−Al合金めっきの量を減
少させ、高いめっき付着量の鋼線を製造する技術が提案
されている。
は、1浴法において、めっき浴温度420℃以下の粘度
の高いZn−Al合金めっき浴を使用し、このめっき浴
から鋼線を高速で引き上げ、出側において低温の不活性
ガス(0℃以下のN2ガス)により急冷することにより
鋼線から滴り落ちる溶融Zn−Al合金めっきの量を減
少させ、高いめっき付着量の鋼線を製造する技術が提案
されている。
【0014】しかしながら、この技術においては、鋼線
をめっき浴から高速で引き上げるために鋼線に振動が生
じるので、めっき外観の不良を招来し、さらに、低温の
不活性ガスを出側において使用するため、めっき浴面の
温度を管理することが困難であるという問題がある。
をめっき浴から高速で引き上げるために鋼線に振動が生
じるので、めっき外観の不良を招来し、さらに、低温の
不活性ガスを出側において使用するため、めっき浴面の
温度を管理することが困難であるという問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
た従来における溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方
法の種々の問題点を解決するために、本発明者が鋭意研
究を行い、検討を重ねた結果、1個のめっき浴を使用す
るめっき方法により、溶融亜鉛めっきと略同等の工程の
製造方法で溶融Zn−Al合金めっきの高い付着量が達
成することができ、さらに、鋼線の強度低下を最小限に
抑制することが可能な溶融Zn−Al合金めっき鋼線の
製造方法を開発したのである。
た従来における溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方
法の種々の問題点を解決するために、本発明者が鋭意研
究を行い、検討を重ねた結果、1個のめっき浴を使用す
るめっき方法により、溶融亜鉛めっきと略同等の工程の
製造方法で溶融Zn−Al合金めっきの高い付着量が達
成することができ、さらに、鋼線の強度低下を最小限に
抑制することが可能な溶融Zn−Al合金めっき鋼線の
製造方法を開発したのである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融Zn−
Al合金めっき鋼線の製造方法の特徴とするところは、
Ti 0.0002〜0.5wt%、Al 2.5〜2
0wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物からな
る溶融亜鉛系合金めっき浴を使用し、浴温度460〜5
00℃において溶融めっきを行うことにある。
Al合金めっき鋼線の製造方法の特徴とするところは、
Ti 0.0002〜0.5wt%、Al 2.5〜2
0wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物からな
る溶融亜鉛系合金めっき浴を使用し、浴温度460〜5
00℃において溶融めっきを行うことにある。
【0017】以下、本発明に係る溶融Zn−Al合金め
っき鋼線の製造方法について、詳細に説明する。まず、
本発明に係る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法
において使用するZn−Al合金めっき浴の含有成分お
よび成分割合について説明する。
っき鋼線の製造方法について、詳細に説明する。まず、
本発明に係る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法
において使用するZn−Al合金めっき浴の含有成分お
よび成分割合について説明する。
【0018】本発明に係る溶融Zn−Al合金めっき鋼
線の製造方法において使用するZn−Al合金めっき浴
において、浴温度が500℃以上で素地鋼線にめっきを
行い、めっき/素地鋼線界面にAl−Fe−Zn合金層
が厚く発達し、1浴法により高付着量を確保できること
を確認した。
線の製造方法において使用するZn−Al合金めっき浴
において、浴温度が500℃以上で素地鋼線にめっきを
行い、めっき/素地鋼線界面にAl−Fe−Zn合金層
が厚く発達し、1浴法により高付着量を確保できること
を確認した。
【0019】従って、このAl−Fe−Zn合金層が発
達できる温度を低温度化することができれば、鋼線の強
度低下を最小限に抑制することができ、さらに、高いめ
っき付着量とすることが可能ではないかと考え、めっき
浴中に第3成分を含有させることについて、研究を行っ
た結果、Zn−Al合金めっき浴中にTiの微量を含有
させることにより、これを達成できることを知見した。
達できる温度を低温度化することができれば、鋼線の強
度低下を最小限に抑制することができ、さらに、高いめ
っき付着量とすることが可能ではないかと考え、めっき
浴中に第3成分を含有させることについて、研究を行っ
た結果、Zn−Al合金めっき浴中にTiの微量を含有
させることにより、これを達成できることを知見した。
【0020】Tiはめっき浴に含有させることにより、
Al−Fe−Zn合金層の発達温度が低温化するのであ
り、その理由は、未だ明らかではないがTiを含有させ
ない場合には、Alがめっき/素地鋼線界面に緻密且つ
薄いAl−Fe合金層を形成するため、これが素地から
めっき層へのFe拡散のバリアー層となり、合金層の発
達が抑制される。
Al−Fe−Zn合金層の発達温度が低温化するのであ
り、その理由は、未だ明らかではないがTiを含有させ
ない場合には、Alがめっき/素地鋼線界面に緻密且つ
薄いAl−Fe合金層を形成するため、これが素地から
めっき層へのFe拡散のバリアー層となり、合金層の発
達が抑制される。
【0021】しかし、めっき浴中に微量のTiを含有さ
せると、このTiが緻密且つ薄いAl−Fe合金層をポ
ーラスにするため、欠陥部からのFe拡散が促進され、
Al−Fe−Zn合金層が発達し易くなるからではない
かと推定される。
せると、このTiが緻密且つ薄いAl−Fe合金層をポ
ーラスにするため、欠陥部からのFe拡散が促進され、
Al−Fe−Zn合金層が発達し易くなるからではない
かと推定される。
【0022】Ti含有量が0.0002wt%未満で
は、Al−Fe−Zn合金層を発達させる温度を低温化
する効果は期待することかできず、また、0.5wt%
を越えて含有させるとめっき浴面に生成するTi酸化物
量が増加することにより、鋼線にめっきが行われない部
分が発生し、耐蝕性が不良となる。よって、Ti含有量
は0.0002〜0.5wt%とする。
は、Al−Fe−Zn合金層を発達させる温度を低温化
する効果は期待することかできず、また、0.5wt%
を越えて含有させるとめっき浴面に生成するTi酸化物
量が増加することにより、鋼線にめっきが行われない部
分が発生し、耐蝕性が不良となる。よって、Ti含有量
は0.0002〜0.5wt%とする。
【0023】なお、Zn−Al合金にTiを0.000
2〜0.5wt%含有させた溶融亜鉛めっき浴は、本出
願人が既に出願を完了している(特開昭63−0650
61号公報参照)。しかしながら、この出願の発明にお
いてはTi含有させることによりパウダリングを防止す
るためであり、めっき浴温度も示されておらず、従っ
て、上記従来技術と同じく通常の450℃前後の浴温度
と考えられる。
2〜0.5wt%含有させた溶融亜鉛めっき浴は、本出
願人が既に出願を完了している(特開昭63−0650
61号公報参照)。しかしながら、この出願の発明にお
いてはTi含有させることによりパウダリングを防止す
るためであり、めっき浴温度も示されておらず、従っ
て、上記従来技術と同じく通常の450℃前後の浴温度
と考えられる。
【0024】Al含有量が2.5wt%未満では、Zn
−Al合金めっき鋼線の耐蝕性が不充分となり、また、
めっき浴中へのAlの含有量を増加させるとめっき浴の
融点が上昇し、めっき浴温度を上昇させなければならな
くなり、上記に説明した通り、めっき浴温度が500℃
以上になると鋼線の強度低下が著しくなる。
−Al合金めっき鋼線の耐蝕性が不充分となり、また、
めっき浴中へのAlの含有量を増加させるとめっき浴の
融点が上昇し、めっき浴温度を上昇させなければならな
くなり、上記に説明した通り、めっき浴温度が500℃
以上になると鋼線の強度低下が著しくなる。
【0025】そして、めっきに必要な浴温度は融点+2
0℃程度と考えられ、浴温度を500℃以下の温度とす
るためには、浴温度の融点を480℃以下とする必要が
あり、従って、この点から、Al含有量の上限は20w
t%とする。よって、Al含有量は2.5〜20wt%
とする。
0℃程度と考えられ、浴温度を500℃以下の温度とす
るためには、浴温度の融点を480℃以下とする必要が
あり、従って、この点から、Al含有量の上限は20w
t%とする。よって、Al含有量は2.5〜20wt%
とする。
【0026】次に、本発明に係る溶融Zn−Al合金め
っき鋼線の製造方法おいて使用するめっき浴の温度につ
いて説明する。
っき鋼線の製造方法おいて使用するめっき浴の温度につ
いて説明する。
【0027】めっき浴温度が460℃未満では、Tiを
めっき浴に含有させてもAl−Fe−Zn合金層を発達
させることができず、300g/m2以上の高いめっき
付着量とすることができず、また、500℃を越える温
度では鋼線の強度低下が著しくなる。よつて、めっき浴
温度は460〜500℃とする。
めっき浴に含有させてもAl−Fe−Zn合金層を発達
させることができず、300g/m2以上の高いめっき
付着量とすることができず、また、500℃を越える温
度では鋼線の強度低下が著しくなる。よつて、めっき浴
温度は460〜500℃とする。
【0028】
【実 施 例】本発明に係る溶融Zn−Al合金めっき
鋼線の製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
鋼線の製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
【0029】
【実 施 例 1】0.9wt%C−1.1wt%Si−
0.7wt%Mn−Fe残部の組成で、かつ、φ4m
m、めっき前の引張強さ210kg/mm2の素地鋼線
を使用した。
0.7wt%Mn−Fe残部の組成で、かつ、φ4m
m、めっき前の引張強さ210kg/mm2の素地鋼線
を使用した。
【0030】この素地鋼線を、70℃の温度のアルカリ
浴に5分間浸漬して脱脂後水洗を行って、50℃の温度
の17wt%HClに4分間浸漬して酸洗を行った後水
洗し、80℃の温度のZnCl2−NaF系フラックス
水溶液に20秒浸漬してフラックスス処理を行った後、
直ちに180℃の温度で3分間乾燥する前処理を行っ
た。
浴に5分間浸漬して脱脂後水洗を行って、50℃の温度
の17wt%HClに4分間浸漬して酸洗を行った後水
洗し、80℃の温度のZnCl2−NaF系フラックス
水溶液に20秒浸漬してフラックスス処理を行った後、
直ちに180℃の温度で3分間乾燥する前処理を行っ
た。
【0031】この前処理をを行った素地鋼線を、表1に
示す各種の浴組成、浴温度のZn−Al合金めっき浴に
30秒間浸漬した後、5m/minの速度で引き上げて
大気中に放冷した。
示す各種の浴組成、浴温度のZn−Al合金めっき浴に
30秒間浸漬した後、5m/minの速度で引き上げて
大気中に放冷した。
【0032】このようにして作製されためっき鋼線につ
いて、めっき付着量、強度低下率および耐蝕性を調査
し、表1にその結果を示してある。
いて、めっき付着量、強度低下率および耐蝕性を調査
し、表1にその結果を示してある。
【0033】・めっき付着量 ○ : めっき付着量>300g/m2 △ : めっき付着量 200〜300g/m2 × : めっき付着量<200g/m2
【0034】・強度低下率 めっき後の鋼線の引張強されたを測定し、下記式により
強度低下率を計算して評価を行った。 評価基準 ○ : 強度低下率<15% △ : 強度低下率 15〜20% × : 強度低下率>20%
強度低下率を計算して評価を行った。 評価基準 ○ : 強度低下率<15% △ : 強度低下率 15〜20% × : 強度低下率>20%
【0035】・耐蝕性 JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験を行い、赤
錆発生時間により評価した。 評価基準 ◎ : 赤錆発生時間>600時間 ○ : 赤錆発生時間 400〜600時間 △ : 赤錆発生時間 200〜400度間 × : 赤錆発生時間<200時間
錆発生時間により評価した。 評価基準 ◎ : 赤錆発生時間>600時間 ○ : 赤錆発生時間 400〜600時間 △ : 赤錆発生時間 200〜400度間 × : 赤錆発生時間<200時間
【0036】
【表1】
【0037】この表1から明らかなように、本発明に係
る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法に示されて
いる浴組成、浴温度により作製されたZn−Al合金め
っき鋼線は、本発明1〜10に示すように、めっき付着
量300g/m2以上であり、めっき後の鋼線の強度低
下率は15%以下であり、耐蝕性は、塩水噴霧試験によ
る赤錆発生時間は600時間以上であり、良好であっ
た。
る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法に示されて
いる浴組成、浴温度により作製されたZn−Al合金め
っき鋼線は、本発明1〜10に示すように、めっき付着
量300g/m2以上であり、めっき後の鋼線の強度低
下率は15%以下であり、耐蝕性は、塩水噴霧試験によ
る赤錆発生時間は600時間以上であり、良好であっ
た。
【0038】しかして、比較例1はTi含有量が0.0
002wt%以下の場合であり、めっき付着量が充分に
確保されておらず、また、比較例2はTi含有量が0.
5wt%を越えている場合であり、耐蝕性が劣化してい
る。
002wt%以下の場合であり、めっき付着量が充分に
確保されておらず、また、比較例2はTi含有量が0.
5wt%を越えている場合であり、耐蝕性が劣化してい
る。
【0039】比較例3はAl含有量が2.5wt%以下
の場合であり、耐蝕性が不充分であり、比較例4はAl
含有量が20wt%を越えている場合であり、Zn−A
l合金の融点の上昇により浴温度が500℃以上となる
ので、めっき後の鋼線の強度低下率が20%以上となつ
ている。
の場合であり、耐蝕性が不充分であり、比較例4はAl
含有量が20wt%を越えている場合であり、Zn−A
l合金の融点の上昇により浴温度が500℃以上となる
ので、めっき後の鋼線の強度低下率が20%以上となつ
ている。
【0040】比較例5は浴温度が500℃以上の場合で
あり、強度低下率が20%以上と著しいものであり、比
較例6は浴温度が460℃以下の場合であり、めっき付
着量は確保できなかった。
あり、強度低下率が20%以上と著しいものであり、比
較例6は浴温度が460℃以下の場合であり、めっき付
着量は確保できなかった。
【0041】
【実 施 例 2】0.8wt%C−0.3wt%Si−0.
5wt%Mn−残部Feの組成で、かつ、φ4mm、め
っき前の引張強さ145kg/mm2の素地鋼線を使用
した。
5wt%Mn−残部Feの組成で、かつ、φ4mm、め
っき前の引張強さ145kg/mm2の素地鋼線を使用
した。
【0042】前処理を実施例1と同様の、脱脂、酸洗、
フラックス処理、乾燥を行った。この前処理を行った素
地鋼線を表2に示す各種の浴組成、浴温度のZn−Al
合金めっき浴において、実施例1と同様の条件によりめ
っきを行った。作製されためっき鋼線について、実施例
1と同様の測定、評価を行い、結果を表2に示した。
フラックス処理、乾燥を行った。この前処理を行った素
地鋼線を表2に示す各種の浴組成、浴温度のZn−Al
合金めっき浴において、実施例1と同様の条件によりめ
っきを行った。作製されためっき鋼線について、実施例
1と同様の測定、評価を行い、結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、本発明に係る溶
融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法による浴組成、
浴温度で作製されたZn−Al合金めっき鋼線は、本発
明1〜10に示すように、めっき付着量は300g/m
2以上であり、めっき後の鋼線の強度低下率は15%以
下である。また、耐蝕性は塩水噴霧試験による赤錆発生
時間で600時間以上と良好であった。
融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法による浴組成、
浴温度で作製されたZn−Al合金めっき鋼線は、本発
明1〜10に示すように、めっき付着量は300g/m
2以上であり、めっき後の鋼線の強度低下率は15%以
下である。また、耐蝕性は塩水噴霧試験による赤錆発生
時間で600時間以上と良好であった。
【0045】しかして、比較例1はTi含有量が0.0
002wt%以下の場合であり、めっき付着量が確保さ
れておらず、また、比較例2はTi含有量が0.5wt
%以上の場合であり、耐蝕性が劣化している。
002wt%以下の場合であり、めっき付着量が確保さ
れておらず、また、比較例2はTi含有量が0.5wt
%以上の場合であり、耐蝕性が劣化している。
【0046】比較例3はAl含有量が2.5wt%以下
の場合であり、耐蝕性が不充分であり、比較例4はAl
含有量が20wt%以上の場合であり、Zn−Al合金
めっき浴の融点の上昇により浴温度が500℃以上とな
り、めっき後の鋼線の強度低下率が20%以上と大きく
なっている。
の場合であり、耐蝕性が不充分であり、比較例4はAl
含有量が20wt%以上の場合であり、Zn−Al合金
めっき浴の融点の上昇により浴温度が500℃以上とな
り、めっき後の鋼線の強度低下率が20%以上と大きく
なっている。
【0047】比較例5は浴温度が500℃以上の場合で
あり、強度低下率が20%以上と大きくなっており、比
較例6は浴温度が460℃以下の場合であり、めっき付
着量が確保できなかった。
あり、強度低下率が20%以上と大きくなっており、比
較例6は浴温度が460℃以下の場合であり、めっき付
着量が確保できなかった。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法は上記の構
成であるから、1浴法により鋼線に高いめっき付着量を
付与することができ、かつ、めっき後の鋼線の強度低下
率も少ないZn−Al合金めっき鋼線を製造することが
できるという優れた効果を有している。
る溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法は上記の構
成であるから、1浴法により鋼線に高いめっき付着量を
付与することができ、かつ、めっき後の鋼線の強度低下
率も少ないZn−Al合金めっき鋼線を製造することが
できるという優れた効果を有している。
フロントページの続き (72)発明者 谷 川 正 樹 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内 (72)発明者 梶 田 富 男 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内
Claims (1)
- 【請求項1】Ti 0.0002〜0.5wt%、Al
2.5〜20wt% を含有し、残部Znおよび不可避不純物からなる溶融亜
鉛合金めっき浴を使用し、浴温度460〜500℃にお
いて溶融めっきを行うことを特徴とする溶融Zn−Al
合金めっき鋼線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34113793A JPH07145466A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34113793A JPH07145466A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145466A true JPH07145466A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=18343604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34113793A Withdrawn JPH07145466A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 溶融Zn−Al合金めっき鋼線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07145466A (ja) |
-
1993
- 1993-11-19 JP JP34113793A patent/JPH07145466A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010130 |