JPH07145218A - プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法

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JPH07145218A
JPH07145218A JP29180993A JP29180993A JPH07145218A JP H07145218 A JPH07145218 A JP H07145218A JP 29180993 A JP29180993 A JP 29180993A JP 29180993 A JP29180993 A JP 29180993A JP H07145218 A JPH07145218 A JP H07145218A
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JP
Japan
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propylene
olefin
polymerization
stage
copolymer
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JP29180993A
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Inventor
Eiji Tanaka
栄司 田中
Hideto Kato
英仁 加藤
Masao Mizuta
昌男 水田
Hideaki Tanaka
秀明 田中
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高活性立体規則性触媒を用いて実質的に溶媒
の存在しない状態で、プロピレン/α−オレフィンブロ
ック共重合体を製造する方法において、重合を3段階に
分け第1段階においては、プロピレン単独重合体また
は、他のα−オレフィン含有率5重量%以下のプロピレ
ン/α−オレフィン共重合体を全重合量の25〜93重
量%の範囲で製造し、第2段階においては他のα−オレ
フィン含有率5〜10重量%のプロピレン/α−オレフ
ィン共重合体を全重合量の2〜10重量%製造し、第3
段階においては他のα−オレフィン含有率10〜90重
量%のプロピレン/α−オレフィン共重合体を全重合量
の5〜65重量%共重合させる事を特徴とする、プロピ
レン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法。 【効果】 本発明方法によれば、重合体粒子として付着
性の小さい、粉体性状の良好なプロピレン/α−オレフ
ィンブロック共重合体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は剛性、耐衝撃性に優れた
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術によるプロピレン/α−オレフ
ィンブロック共重合体の製造方法としてプロピレンと他
のα−オレフィンを段階的に重合させてブロック共重合
体を製造する方法は公知である。またプロピレン/α−
オレフィンブロック共重合体を製造する際に用いられる
触媒系として、三塩化チタンを主成分とする固体触媒成
分と有機アルミニウム化合物の組み合わせやマグネシウ
ム、チタン、ハロゲン、電子供与体を必須成分として含
有する担体担持型触媒成分と有機アルミニウム化合物の
組み合わせが知られており、これら触媒系に関する特許
も多数出願されている。
【0003】この様ないわゆるプロピレン/α−オレフ
ィンブロック共重合体の製造においては、プロピレン/
α−オレフィン共重合体成分が低結晶性重合体を多く含
む重合体である時、一般的に全重合体中に占めるこの共
重合体成分の含量の多いブロック共重合体を製造する場
合に、反応器内の付着や塊状物生成、スラリーや粉体移
送工程における付着、閉塞のトラブルを起こしやすい。
【0004】従来から広く採用されてきた不活性炭化水
素溶媒中でのスラリー重合法では上記低結晶性共重合体
成分の溶媒中への溶出等の原因によりプロピレン/α−
オレフィン共重合ゴム成分の含有量を多くする事に限界
があったが、近年、触媒性能の向上、気相重合プロセス
の開発により、比較的多くのプロピレン/α−オレフィ
ン共重合ゴム成分を導入する事が可能になってきた。
【0005】しかしながら、現実的には、気相重合器内
の付着、塊状物生成や、粉体移送、貯蔵工程での閉塞等
によりプロピレン/α−オレフィンブロック共重合体を
安定して製造する事は困難な状況にある。もちろん気相
反応器の形状や撹拌器の工夫、付着防止技術(特公平3
−04643、特公平3−047644、特公平3−0
47645、特公平3−647646)または、触媒の
改良(特願平2−132382、特願平2−18381
2、特願平2−183813、特願平2−40008)
も種々試みられてはいるものの、とりわけ共重合ゴム成
分含有量の多い重合体の安定操業の実現には課題を残し
ている。
【0006】また、プロピレン/α−オレフィン共重合
工程において各種添加剤を添加することにより、ブロッ
ク共重合体の粉体性状を改良する試みもなされている。
(特開昭56−151713、特開昭61−6982
1、特開昭61−69822、特開昭61−6982
3)しかしながら、添加剤の添加は一方でプロピレン/
α−オレフィン共重合工程の重合活性低下を招くため、
プロピレン/α−オレフィン共重合体ゴム含有量の多い
ブロック共重合体を得ようとする時には必ずしも好まし
い方法ではなかった。
【0007】一方、プロピレン/α−オレフィンブロッ
ク共重合体を3段階の重合法で製造する試みもすでに行
われており、特公昭44−20621ではスラリー重合
法によるものではあるが、初期の段階ほど重合量を多く
し、後期の段階ほど導入モノマー中のエチレン濃度高く
する方法が提案されており、特公昭49−24593で
は第1段でプロピレンホモポリマー、第2段で全重合エ
チレン量5〜30%のエチレンをプロピレンと共重合さ
せ、第3段で全エチレン量の70〜95%のエチレンを
反応させる方法が提案されている。しかしながら、これ
ら公報の目的は、溶媒可溶の非晶性重合体の副生を低減
しようとするもの(前者)、あるいは製品物性の改良
(後者)にあり、共重合ゴム成分含有量の多いプロピレ
ン/α−オレフィン共重合の粉体性状の改良に効果のあ
るものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記の現
状に対し、重合体粒子として付着性の小さい、粉体性状
の良好なプロピレン/α−オレフィンブロック共重合体
を提供すべく鋭意検討を重ねた結果、実質的に溶媒のな
い状態での特定の3段階重合法を用いる事により従来よ
り著しく粉体性状の優れたプロピレン/α−オレフィン
ブロック共重合体が得られる事を見出し本発明に到達し
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は高活性立体規則
性触媒を用いて実質的に溶媒の存在しない状態で、プロ
ピレン/α−オレフィンブロック共重合体を製造する方
法において、重合を3段階に分け第1段階においては、
プロピレン単独重合体または、他のα−オレフィン含有
率5重量%以下のプロピレン/α−オレフィン共重合体
を全重合量の25〜93重量%の範囲で製造し、第2段
階においては他のα−オレフィン含有率5〜10重量%
のプロピレン/α−オレフィン共重合体を全重合量の2
〜10重量%製造し、第3段階においては他のα−オレ
フィン含有率10〜90重量%のプロピレン/α−オレ
フィン共重合体を全重合量の5〜65重量%共重合させ
る事を特徴とする、プロピレン−α−オレフィンブロッ
ク共重合体の製造方法に存する。
【0010】以下本発明を順次説明する。本発明におい
て使用される重合触媒は、チタン含有固体触媒成分と有
機アルミニウム化合物とからなる高活性立体規則性触媒
である。チタン含有固体触媒成分としては、固体のマグ
ネシウム化合物、チタン化合物成分、およびハロゲン成
分を含む公知の担体担持型触媒成分や三塩化チタンを主
成分とする固体触媒成分が使用可能である。
【0011】担体担持型触媒成分としては、従来公知の
担体担持型触媒成分が使用できる。たとえば、一般式M
g(OR1)n (OR2)2-n (式中、R1 ,R2 はアルキ
ル基、アリール基または、アラルキル基を示し、R1
2 は同一でも異なってもよい。nは2≧n≧0を示
す。)で表わされるマグネシウム化合物(a1 )、一般
式Ti(OR3)4 (式中、R3 はアルキル基、アリール
基またはアラルキル基を示す。)で表わされるチタン化
合物(a2 )および一般式Si(OR4)4 (式中、R4
はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
す。)で表わされるケイ素化合物を加熱反応させ、つい
で該反応生成物(a)を、一般式TiXn (OR5)4-n
(式中、Xはハロゲン、R5 はアルキル基、アリール基
またはアラルキル基を示す。nは4≧n≧0を示す。)
で表わされるハロゲン含有チタン化合物(b)および多
価カルボン酸誘導体(c)で処理することによって得ら
れる固体触媒成分があげられ、これら担体担持型触媒成
分の製造方法の具体例としては、特公昭57−4524
2、特開昭64−54007、特開平3−72503、
同4−359907、同4−89814、同4−898
15等が挙げられる。
【0012】また、三塩化チタンを主成分とするものと
しては、従来公知の三塩化チタンが使用できる。たとえ
ば、ボールミル粉砕で活性化処理を行なった三塩化チタ
ン;更にそれを溶媒抽出した三塩化チタン;β型三塩化
チタンをエーテル類等の錯化剤で処理し、更に四塩化チ
タンで処理して、Al含有量をTiに対する原子比で
0.15以下にした三塩化チタン;エーテル類又はチオ
エーテル類の存在下、四塩化チタンを有機アルミニウム
化合物で処理して液状物とし、これを更に加熱して15
0℃以下の温度で固体として析出させ、Al含有量をT
iに対する原子比で0.15以下とした三塩化チタン;
があげられる。
【0013】これらの三塩化チタンのうち特に好ましい
のは、アルミニウム含有量がチタンに対するアルミニウ
ムの原子比で0.15以下、好ましくは0.1以下、さ
らに好ましくは0.02以下であり、かつエーテル類等
の錯化剤を含有するものである。これらの三塩化チタン
の製造方法の具体例としては、特公昭55−8452
号、同55−8451号、同55−8003号、同54
−41040号、同55−8931号、特開昭58−3
6928号、同59−12905号、同59−1363
0号等が挙げられる。
【0014】本発明においては、上記の触媒をそのまま
用いてもよいが、前処理として、チタン含有固体触媒成
分と有機アルミニウム化合物とからなる触媒に、予め少
量のα−オレフィンを予備的に重合させることが好まし
い。上記方法は、不活性溶媒、例えばヘキサン、ヘプタ
ン等にチタン含有固体触媒成分および有機アルミニウム
化合物を添加し、これにプロピレン、エチレン、1−ブ
テン等のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物を供
給して重合すればよい。この前処理は一般に予備重合と
称される手段であるが、この重合条件は、公知の条件が
そのまま採用できる。重合温度は通常、10〜70℃で
ある。重合率は固体触媒成分の単位重量当り大きい程好
ましいが、装置上あるいは経済的な観点から、固体触媒
成分1g当り0.1〜100gの範囲とするのが一般的
である。また、該重合時に分子量調節剤、例えば水素、
有機アルミニウム化合物、有機亜鉛等を添加してもよ
い。更に予備重合は、回分式で均一に実施するのが好ま
しい。
【0015】共触媒として使用される有機アルミニウム
化合物は、好ましくは一般式AlR m 1 3-m (式中、
1 は炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子
を表わし、mは3≧m>1.5の数を示す)で表わされ
る。チタン含有固体触媒成分が、固体のマグネシウム化
合物を含有する担体担持型触媒成分である場合は、Al
3 1またはAlR3 1とAlR2 1Xとの混合物を使用する
のが好ましい。一方、チタン含有固体触媒成分が、三塩
化チタンを主成分とする場合は、AlR2 1Xを使用する
が、一般にジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−
プロピルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニ
ウムクロライド、ジ−n−オクチルアルミニウムクロラ
イドが好ましい。
【0016】上に示したチタン含有固体触媒成分および
有機アルミニウム化合物は、一般に有機アルミニウム化
合物/チタンのモル比が1〜300、好ましくは2〜1
50の範囲で使用される。立体規則性向上の為の第3成
分としては、N、O、P又はSi等を含む種々の電子供
与性化合物や、炭化水素化合物を用いても良い。第3成
分の添加量は、一般にチタン1モルに対して0.001
〜100モル、好ましくは0.01〜50モルの範囲で
ある。
【0017】上記の電子供与性化合物としては、電子供
与性の原子又は基を1個以上含む化合物、例えば、エー
テル、ポリエーテル、アルキレンオキシド、フラン、ア
ミン、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィ
ン、ピリジン類、キノリン類、リン酸エステル、リン酸
アミド、ホスフィンオキシド、トリアルキルホスファイ
ト、トリアリールホスファイト、ケトン、カルボン酸エ
ステル、カルボン酸アミドアルコキシシラン等が挙げら
れる。このうち好ましいものとしては、チタン含有固体
触媒成分が三塩化チタンを主成分とする場合は、安息香
酸エチル、安息香酸メチル、酢酸フェニル、メチルメタ
クリレート等のカルボン酸エステル、ジメチルグリシン
エチルエステル、ジメチルグリシンフェニルエステル等
のグリシンエステル、トリフニルホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト等のトリアリールホス
ファイト等が挙げられ、固体のマグネシウム化合物を含
有する担体担持型触媒成分である場合は、フェニルトリ
メトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニ
ルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキ
シシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、t
−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルメチルジメト
キシシラン、ジi−プロピルジメトキシシラン、i−プ
ロピルメチルジメトキシシラン、i−プロピルトリメト
キシシラン等のアルコキシシランが挙げられる。また、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素も使
用し得る。
【0018】本発明における3段階に分けて行なう重合
工程では各段とも、上記のチタン含有固体触媒成分およ
び有機アルミニウム化合物からなる触媒を用い、更に立
体規則性向上の為の添加剤を第3成分として用いてもよ
いが、実質的に溶媒の存在しない状態で行なうことが必
要である。重合形式は、回分式、半回分式、連続式のい
ずれでも良く、重合条件は、通常1〜100気圧、好ま
しくは5〜40気圧の圧力下、通常40〜90℃、好ま
しくは50〜80℃の温度範囲で行なわれ、各段階の温
度・圧力を変化させてもよい。また各段階での分子量の
調整は水素によって行なわれる。第1段階においてはプ
ロピレンの単独重合体または他のα−オレフィン含有率
5%以下のプロピレン/α−オレフィン共重合体を全重
合量の25〜93重量%の範囲で製造する。α−オレフ
ィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、
3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン等が用いられ
る。重合割合は全重量に対して、25〜93重量%の割
合であり3段階重合で得られる共重合体の物性に応じて
適宜決定すれば良い。即ち、柔軟性を必要とする場合に
は、第1段階の重合量の割合が少ないほど好ましく、逆
に剛性を必要とする場合は、重合量を増加させれば良
い。また、第1段階の重合体の分子量も得られる共重合
体の物性に応じて適宜決定すれば良く、重量平均分子量
で5万〜200万の範囲、好ましくは20万〜150万
の範囲が用いられる。
【0019】第2段階においては、他のα−オレフィン
含有率5〜10重量%のプロピレン/α−オレフィン共
重合体を全重合量の2〜10重量%製造する。他のα−
オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペン
テン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン等が用い
られ、第1段階で共重合する場合は同じものを用いるこ
とが好ましいが、異なっていても良く、2種類以上を用
いても良い。また他のα−オレフィンの含有率は5〜1
0重量%好ましくは6〜8重量%であり、5重量%未満
あるいは10重量%を越える含有率では、粉体性状が悪
く好ましくない。共重合体の重合割合は2〜10重量
%、好ましくは3〜7重量%であり、2重量%未満では
粉体性状が悪いため、また10重量%を越える場合は3
段階重合で得られる共重合体の剛性の低下が大きいため
好ましくない。第2段階の共重合体の分子量は数平均分
子量で5万〜250万の範囲、好ましくは第1段階での
重合体の重量平均分子量以上、さらに好ましくは第3段
階での重合体の重量平均分子量以上である。
【0020】第3段階においては他のα−オレフィン含
有率10〜90重量%のプロピレン/α−オレフィン共
重合体を全重量の5〜65重量%の範囲で製造する。α
−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン等が用
いられ、第2段階で共重合するα−オレフィンを用いる
ことが好ましいが、異なっていても良く、二種類以上を
用いても良い。また、α−オレフィンの含有率は10〜
90重量%の範囲であり、好ましくは15〜80重量
%、3段階の重合で得られる共重合体の物性に応じて適
宜決定すれば良い。共重合体の割合は5〜65重量%の
範囲であり、これも第3段階の重合で得られる共重合体
の物性に応じて適宜決定すれば良い。即ち、柔軟性を必
要とする場合には、第3段階の重量量の割合が多いほど
好ましく、逆に、剛性を必要とする場合は重合量を減ら
せばよい。第3段階の重合で得られる共重合体の分子量
は特に限定しないが大きいほど粉体性状が良いため好ま
しいが、連続式で重合する場合は、第1段階の重合体と
の分子量差が大きすぎると、3段階重合で得られる共重
合体のフィッシュアイが多くなり好ましくない。
【0021】第1段階から第2段階へあるいは第2段階
から第3段階への移行は、触媒を失活させることなく行
い、移行に際しては、各々の前段階で残存しているプロ
ピレン・α−オレフィンおよび水素を放出除去しても良
いが、放出除去を行わずに後段階に導入するモノマー混
合物を所望の組成に一致するように不足している成分を
補給する方法で行なってもよい。
【0022】
【実施例】次に実施例によって本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実
施例によって制約を受けるものではない。なお、実施例
において、嵩密度(ρB として示す。単位はg/cc)
はJIS−K−6721に従って測定した。メルトフロ
ーインデックス(MFIとして示す。単位はg/10m
inはASTM−D−1238に従って測定した。
【0023】(触媒製造例−1) (A)固体三塩化チタン触媒錯体の調製 充分に窒素置換した容量10リットルのオートクレーブ
に、精製トルエン5.0リットルおよび四塩化チタン
5.0モルを仕込み、更にジ−n−ブチルエーテル5.
0モルを添加した。
【0024】これを撹拌下、25〜30℃に保持しつ
つ、ジエチルアルミニウムクロライド2.38モルを滴
下したところ、黒褐色の三塩化チタンの均一溶液が得ら
れた。次いで三塩化チタンの均一溶液を40℃に昇温
し、2時間保持した。この過程で紫色の三塩化チタンの
沈澱生成が認められた。この時点で更に、四塩化チタン
2.4モルを添加し、98℃まで昇温し、2時間撹拌を
続けた。その後沈澱物を濾別し、n−ヘキサンで繰返し
洗浄して、微粒状紫色の固体三塩化チタン触媒錯体を得
た。
【0025】(B)プロピレン重合体含有三塩化チタン
の製造 乾燥窒素で十分置換した10リットルのオートクレーブ
に精製n−ヘキサン5リットルを入れ、ジエチルアルミ
ニウムクロライド195g、及び上記(A)で得た固体
三塩化チタン触媒錯体をTiCl3 として250g仕込
んだ後、40℃に保ち、撹拌下、プロピレンガス250
gを約60分間液相に吹き込んで接触処理した。
【0026】次いで固体成分を静置沈降させ、上澄液を
デカンテーションで除去し、n−ヘキサンで数回洗浄し
てプロピレン重合体含有固体三塩化チタンを得た。
【0027】(触媒製造例−2)充分に窒素置換した撹
拌機、温度計を備えた3L−丸底四つ口フラスコに、M
g(OEt)2 を239g、Ti(OBu)4 を428
g、Si(OEt)4 を134g仕込み、加熱撹拌し
た。110℃になった時点で、フェノールのトルエン溶
液(濃度=2.85mol/L)を、PhOH/Mg=
2(m.r.)となるように滴下し、生成するエタノー
ルをリービッヒ・コンデンサーに導いて系内から除去し
た。なお、この間内温は110℃に保持した。
【0028】添加終了後、引き続きエタノールとトルエ
ンの共沸混合物を除去しながら、135℃に昇温し、1
時間反応を行った。反応終了後、トルエンを加えて希釈
し、黄色のスラリーを得た。このスラリーを冷却・加熱
用ジャケットを備えた誘導撹拌式10L−ACに移送し
た後、Si(OEt)4 を196g仕込み、トルエンで
希釈して、Mg濃度=0.50mmol/mL・TOL
に調製した。
【0029】このスラリーを300rpmで撹拌しなが
ら、−10℃に冷却し、ジエチルフタレートを46g添
加した。ついで、約1時間かけて、TiCl4 を158
7g添加し、均一溶液を得た。得られた均一溶液を昇温
し、15℃で1時間反応させた後、さらに116℃に昇
温して、1時間反応を行った。反応終了後、加熱・撹拌
を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで洗浄し、
固体スラリーを得た。
【0030】次に、得られた固体スラリーに対して、T
iCl4 濃度=3mol/Lとなるようにトルエン量を
調製し、ついで、室温でTiCl4 を1983g添加し
た。このスラリーを、300rpmで撹拌しながら昇温
し、116℃で、1時間反応を行った。反応終了後、加
熱・撹拌を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで
洗浄し、固体触媒成分(a)のスラリーを得た。
【0031】次に、バキュームスターラを備えた300
mL−丸底フラスコに、ここで得られた固体スラリー
を、固体として400mg、NHXを150mL仕込ん
だ。このスラリーをゆっくり撹拌しながら、室温で、T
EAを0.62mmol添加した。添加終了後、室温で
30分間、ゆっくり撹拌を行った。引き続き撹拌しなが
ら、プロピレンガスを気相に3分間流通させた。なお、
この間、水浴にて温度を25℃に保持した。終了後、プ
ロピレンガスの流通を停止し、NHXで洗浄を行い、ス
ラリーを得た。なお、得られた固体触媒成分は、固体触
媒成分(a)1gあたり、2.7gのプロピレン重合体
を含有していた。
【0032】(実施例1)いかり型撹拌翼を内蔵する5
リットルの誘導撹拌式オートクレーブを乾燥後、精製N
2 で充分置換した。ついで精製N2 流通下ジエチルアル
ミニウムクロリド11.0mmol、メチルメタクリレ
ート0.385mmolを仕込み、さらに、水素と液化
プロピレン1.4kgを装入した。その後70℃に昇温
し、昇温後触媒製造例1−(B)で得られたプロピレン
重合体含有三塩化チタン触媒を三塩化チタン触媒成分と
して85mg圧入し、第1段階の重合を開始した。70
℃で2時間30分間重合反応を行い、ここでの水素/プ
ロピレン比は平均10.75mol%であった。次に、
プロピレンおよび水素をパージして第1段階の重合反応
を終らせた。生成パウダーは693gあり、精製N2
で47gサンプリングし、嵩密度とMFIを測定した所
ρB =0.47g/cc、MFI=57.8g/10m
inであった。ついで撹拌混合下に60℃まで昇温し、
昇温後水素ガス、プロピレンガスおよびエチレンガスを
全重合圧力が12kg/cm2 ゲージ圧となるように装
入して第2段階の重合を開始した。全重合圧力が12k
g/cm 2 ゲージ圧で一定となるよう、またプロピレン
/プロピレン+エチレン比が一定となるようプロピレン
とエチレンの混合ガスを供給しながら、60℃で2時間
28分間重合反応を行った。ここで、プロピレン/プロ
ピレン+エチレン比は平均96.9mol%、水素/プ
ロピレン+エチレン比は平均4.4mol%であった。
2時間28分後、プロピレン、エチレンおよび水素をパ
ージして第2段階の重合を終らせた。生成パウダーは6
70gあり、精製N2 下35gサンプリングし嵩密度と
MFIを測定した所、ρB =0.47g/cc、MFI
43.6g/10minであった。また第2段階重合で
得られた共重合体のエチレン含量は6wt%であった。
次に撹拌混合下再び60℃まで昇温し、昇温後水素ガ
ス、プロピレンガスおよびエチレンガスを全重合圧力が
16kg/cm2 ゲージ圧となるように装入して、第3
段階の重合を開始した。全重合圧力が16kg/cm2
ゲージ圧で一定となるよう、また、プロピレン/プロピ
レン+エチレン比が一定になるようプロピレンとエチレ
ンの混合ガスを供給しながら60℃で4時間30分重合
反応を行なった。ここで、プロピレン/プロピレン+エ
チレンは平均79.8mol%、水素/プロピレン+エ
チレン比は平均9.2mol%であった。4時間30分
後、プロピレン、エチレンおよび水素をパージして、白
色粉末状のプロピレン−エチレンブロック共重合体74
9g得た。得られた共重合体の嵩密度とMFIを測定し
たところ、ρB =0.47g/cc、MFI=23.2
g/10minであり、第3段階で得られた共重合体の
エチレン含量は38wt%であった。
【0033】(実施例2〜6及び比較例1)実施例1と
同様にして表−1に示す条件で行った。 (実施例7及び比較例2)ジエチルアルミニウムクロリ
ド11.0molの替りにトリエチルアルミニウム5.
0mmol、メチルメタクリレート0.385mmol
の替りにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを0.
5mmol、触媒製造例1−(B)で得られた触媒の替
りに触媒製造例−(2)で得られた触媒を固体触媒成分
として30mg用いる以外は実施例1と同様にして表−
1に示す条件で行った。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、剛性や耐衝撃性に
優れたプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を
製造するに際し、重合体粒子として付着性の小さい、粉
体性状の良好なものが得られる。
フロントページの続き (72)発明者 田中 秀明 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高活性立体規則性触媒を用いて実質的に
    溶媒の存在しない状態で、プロピレン/α−オレフィン
    ブロック共重合体を製造する方法において、重合を3段
    階に分け第1段階においては、プロピレン単独重合体ま
    たは、他のα−オレフィン含有率5重量%以下のプロピ
    レン/α−オレフィン共重合体を全重合量の25〜93
    重量%の範囲で製造し、第2段階においては他のα−オ
    レフィン含有率5〜10重量%のプロピレン/α−オレ
    フィン共重合体を全重合量の2〜10重量%製造し、第
    3段階においては他のα−オレフィン含有率10〜90
    重量%のプロピレン/α−オレフィン共重合体を全重合
    量の5〜65重量%共重合させる事を特徴とする、プロ
    ピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法。
JP29180993A 1993-11-22 1993-11-22 プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法 Pending JPH07145218A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007131749A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Japan Polypropylene Corp プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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