JPH0714495Y2 - 木造建築の壁外断熱の防火構造 - Google Patents

木造建築の壁外断熱の防火構造

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JPH0714495Y2
JPH0714495Y2 JP1988121295U JP12129588U JPH0714495Y2 JP H0714495 Y2 JPH0714495 Y2 JP H0714495Y2 JP 1988121295 U JP1988121295 U JP 1988121295U JP 12129588 U JP12129588 U JP 12129588U JP H0714495 Y2 JPH0714495 Y2 JP H0714495Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は、木造建築物における柱、間柱等の軸組部の室
外側に発泡プラスチック系断熱板を設けた壁外断熱構造
の防火性能の改良に関する。
考案の技術的背景ならびにその問題点 最近の木造建築物においては、変化の激しい自然環境か
ら住環境を守るために、また冷暖房の効率を高めるため
に、建物全体を断熱材により包み込む断熱工法が盛んに
行なわれている。
この断熱工法による壁構造としては、従来から第4,5図
に示すような壁外断熱構造がある。第4図は、従来の壁
外断熱構造の一部破断した概略斜視図、第5図は、第4
図のV−V線に沿う断面図である。
この壁外断熱構造は、柱1、間柱2等からなる軸組部3
の室外側に複数枚の断熱板D1,D2およびD3等を面方向に
張り巡らしている。なお、図示のものは2層のため断熱
板D1とD2,D3とD4が重なり合って設けられているが、以
下これら断熱板を総称して符号「D」を使用する。
この断熱板Dは、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン
等の発泡プラスチック系断熱板からなり、縦胴縁4を介
して釘体等(図示せず)により軸組部3に固定されてい
る。これら複数の発泡プラスチック系断熱板Dは、所定
の面積のものを軸組部3の面方向に張り巡らしているの
で、この発泡プラスチック系断熱板Dの突き合わ端部に
は隙間が生じることになるが、この隙間は、パテあるい
はテープ等のシール材などによりシールされ、気密性、
断熱性が保持されるようになっている。
なお、第3図中の符号「5」はモルタル壁あるいはサイ
ディング壁等からなる外装材であり、第3図中の符号
「6」は内装材である。
かかる壁外断熱構造は、軸組部3の外周に発泡プラスチ
ック系断熱板Dが設けられているので、この軸組部3と
室内とがほぼ同条件となり、いわゆる表面結露や内部結
露が防止でき、建物の土台、柱、壁等の腐朽を防止でき
るという利点がある。
しかし、前記壁外断熱構造で使用されている発泡プラス
チック系断熱板Dは、自己消化性または難燃剤混入のも
のであるが、火源があると燃え、火源を離すと消えると
いう性質を有し、一旦燃焼すると高熱を発し、他の材料
までも燃やすことになる。因みに、通常前記発泡プラス
チック系断熱板Dとして使用されている発泡ポリスチレ
ン、発泡ポリウレタン等は、火炎に接触すると310〜370
℃で引火する。したがって、室内側に火災が発生し、内
装材6等を貫通した火炎が発泡プラスチック系断熱板D
に接触すると、この断熱材Dは燃えることになる。
特に、柱1、間柱2等により形成される空間部分は、前
記火災時に煙突作用することになり、発泡プラスチック
系断熱板Dは短時間の内に燃え上ってしまう虞れがあ
る。
なお、第4,5図に示すものは、発泡プラスチック系断熱
板Dが2層のものを示しているが、この発泡プラスチッ
ク系断熱板Dを1層にしたものも、当然2層のものと同
様な不都合が有る。
考案の目的 本考案は、このような従来技術が有する不都合を解消す
るためになされたもので、通常の場合には快適な居住空
間を形成すると共に、万一、家屋内で火災が発生しても
断熱板が短時間の内に燃え上らず、居住者等が家屋内か
ら脱出するための脱出可能時間を極力長くした木造建築
の壁外断熱の防火構造を提供することを目的とする。
考案の概要 上記目的を達成するための本考案の第1の木造建築の壁
外断熱の防火構造は、柱、間柱等の軸組部の室外側に複
数枚の発泡プラスチック系断熱板を面方向に張り巡ら
し、この発泡プラスチック系断熱板の室外側に縦胴縁を
介して外装材を、該発泡プラスチック系断熱板と該外装
材との間に空気流通可能な通気層が形成されるように取
付けてなる木造建築の壁外断熱構造であり、前記断熱板
と前記軸組部との間に無機系板材を面方向に張り巡らし
たことを特徴としている。
また、上記目的を達成するための本考案の第2の木造建
築の壁外断熱の防火構造は、柱、間柱等の軸組部の室外
側に複数枚の発泡プラスチック系断熱板を面方向に張り
巡らし、この発泡プラスチック系断熱板の室外側に縦胴
縁を介して外装材を、該発泡プラスチック系断熱板と該
外装材との間に空気流通可能な通気層が形成されるよう
に取付けてなる木造建築の壁外断熱構造であり、前記発
泡プラスチック系断熱板相互間に発泡プラスチック系準
不燃断熱材ないし不燃断熱材を設けかつ前記軸組部と前
記発泡プラスチック系断熱材との間に無機系板材を面方
向に張り巡らしたことを特徴としている。
さらに、上記目的を達成するための本考案の第3の木造
建築の壁外断熱の防火構造は、柱、間柱等の軸組部の室
外側に複数枚の発泡プラスチック系断熱板を面方向に張
り巡らし、この発泡プラスチック系断熱板の室外側に縦
胴縁を介して外装材を、該発泡プラスチック系断熱板と
該外装材との間に空気流通可能な通気層が形成されるよ
うに取付けてなる木造建築の壁外断熱構造であり、前記
軸組部と前記発泡プラスチック系断熱材との間に発泡プ
ラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材を面方向に
張り巡らしたことを特徴としている。
ここで、準不燃材は昭和59年建設省告示第1372号で、不
燃材は昭和45年建設省告示第1728号でそれぞれ規定され
ている。
とりわけ、本考案で好ましい発泡プラスチック系準不燃
発泡材としては次に説明する無機充填材を含有する塩化
ビニル系樹脂または塩素化塩化ビニル系樹脂を主成分と
する発泡体を採用することが断熱性を有し、しかも非耐
力壁が建築基準法で定める耐火1時間以上に合格するた
めには好ましい例として考慮される。
ここで、準不燃発泡材に用いる塩化ビニル系樹脂(以
下、PVCと称す)としては、塩化ビニル単独重合体、塩
化ビニルを50重量%以上含有する共重合体類をはじめ、
PVCと相溶性を有するブレンド用樹脂、たとえば塩素化
塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等の少なくとも1種との混合物であり、
該混合物中のブレンド用樹脂の量が50重量%以下でるあ
るものを含む概念である。
PVCは平均重合度が低すぎると得られる発泡体の物性が
不充分となる場合があり、一方平均重合度があまり大き
いものでは工業的に製造することが困難となるので、平
均重合度300〜5000、好ましくは500〜4000のものが用い
られる。
また、PVCの粒子径については本考案においては特に限
定はなく、通常用いられる範囲内のものならどのような
ものであってもよい。
一方、本考案の準不燃発泡材に用いる塩素化塩化ビニル
系樹脂(以下、CPVCと称す)とは、前記PVCを塩素化し
た樹脂のみならず、このPVCと相溶性を有するブレンド
用樹脂、たとえば塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチン樹
脂等の少なくとも1種との混合物で、該混合物中のブレ
ンド用樹脂の量が50重量%以下であるものをも含む概念
である。
塩素化される塩化ビニル系樹脂としては、前記したよう
にPVCの他、塩化ビニル系共重合体であって、塩化ビニ
ルを50重量%以上含有する共重合体を使用することもで
きる。
そして、塩素化の方法は従来公知の何れの方法によって
もよく、たとえば紫外線照射下での光塩素化法等が好適
に用いられる。
CPVCは平均重合度が低すぎるとえられる発泡体の物性が
低いことがあり、一方平均重合度があまりに大きいもの
では工業的に製造することが困難となるので、平均重合
度が300〜5000のもの、好ましくは1000〜3000のものが
適当である。
また、塩素含有率は57〜75%のものが適当である。
これは、発泡体中のCPVC量を一定としたときには、塩素
含有率が大きくなるほど燃焼時の発熱量および発煙量が
低下し、燃焼時の発熱量および発煙量を一定値以下とす
る場合には、塩素含有量が大きくなるほど発泡体中のCP
VC量を増やすことができて発泡体の物性が向上するた
め、塩素含有率57%以上のものを用いるのが好ましい。
一方、塩素含有率が75%をこえるものは工業的に製造す
ることが困難である。
塩化ビニル系樹脂または塩素化塩化ビニル系樹脂中に含
有される無機充填剤としての無機繊維材としては、岩
綿、ガラス繊維、セラミック繊維、鉱滓綿、石英繊維、
炭素繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、セラ
ミックホイスカー、金属ホイスカー、石綿等があげられ
るが、そのうち価格や入手しやすさの観点等から岩綿、
ガラス繊維、セラミック繊維、石綿が好ましい。
さらに、そのうちでも岩綿が実用的で好ましい。
また、その平均繊維長は10μm〜50mmのものが用いられ
るが、発泡体への充填効果は長いものほど大であり、一
方充填しやすさは短いものほど大であるので、好ましく
は20μm〜20mm、さらに好ましくは100μm〜10mmのも
のが用いられる。
無機繊維材の量は芯材として要求される特性に応じて、
PVC100重量部に対して5〜200重量部使用され、さらに
好ましくは10〜100重量部である。
断熱材中に無機繊維材と併用または単独で用いられる無
機充填剤としての無機粒状物としては、平均粒子径0.01
〜0.03μm程度のものが採用され、その種類には特に制
限はないが、価格や入手しやすさの観点等からタルク、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、ベントナイト、クレー等が好ましい。
また、シラスバルーン等の中空体を用いることもでき
る。
無機粒状物の量は発泡させやすさや最終製品である断熱
材の使用目的等に応じて、PVC100重量部に対して5〜10
00重量部、好ましくは10〜500重量部の範囲内で用いら
れる。
無機繊維材と無機粒状物とを比較すると、無機繊維材の
方が高温下に曝したときの寸法保持率がはるかに良好で
ある。
これは、無機繊維材は発泡体中で相互にからまってネッ
トワークを形成するため、優れた形状安定性を有するも
のと推定される。
一方、無機粒状物は無機繊維材よりも効果は小さいが寸
法保持効果を有し、併せてセルを均一微細にする効果を
有する。
前記した無機充填材は単独で用いてもよく、また2種以
上を併用してもよい。
以上は準不燃発泡材について述べたが無機物量を多く混
入させることで不燃発泡材に順次近づく。
本考案の断熱材に用いられるPVC発泡体またはCPVC発泡
体は特願昭61−184685号明細書や特願昭61−289586号明
細書等に開示されているプレス発泡法、特開昭57−1654
30号公報等に開示されている押出発泡法や特願昭62−28
676号明細書に開示された溶剤をビーズ中に存在させた
ビーズ発泡法等によって製造される。
このような本考案に係る木造建築の壁外断熱の防火構造
によれば、室内で火災が発生し、その火炎が内装材を貫
通したとしても、この炎は直ちに発泡プラスチック系断
熱板に進入せず、無機系板材により阻止される。また、
施工ミス等により無機系板材間に隙間があり、万一火炎
が発泡プラスチック系断熱板に侵入したとしても、この
発泡プラスチック系断熱板相互間には発泡プラスチック
系準不燃断熱材ないし不燃断熱材が設けられているの
で、この発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断
熱材がファイヤーストップとして機能し、火の上昇を遅
らせるので、次から次へと発泡プラスチック系断熱板が
短時間の内に燃焼することは防止される。したがって、
火災の発生から家屋全体が炎に包まれるまでの間の時間
は、従来の壁構造に比し長時間となり、居住者が避難す
る時間が確保されることになる。
考案の具体的説明 以下、本考案を図面に示す実施例い基づき詳細に説明す
る。
第1図は自己消火性または難燃性または通常の防火処理
をしていない発泡プラスチック系断熱材11と間柱2と柱
1等との間に無機系板材10、または発泡プラスチック系
準不燃断熱材ないし不燃断熱材10を設けた例である。こ
こに云う発泡プラスチック系準不燃断熱材とは、後述す
るように建築省告示第1372号に云う準不燃材程度のその
性能値がその近傍の材およびそれ以上の材であり、不燃
断熱材は、それ以上の防火性能を有する材の意味であ
る。
この壁の構成においては、内装材6を貫通してきた火炎
が断熱材に直接触れることを無機系板材10、または発泡
プラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材10の使用
により防いでいる。むろん、ある程度以上の火炎に無機
系板材10、または発泡プラスチック系準不燃断熱材ない
し不燃断熱材10が触れることにより裏面の発泡プラスチ
ック系断熱材は、着火、引火または溶融することにな
る。また、無機系板材10、または発泡プラスチック系準
不燃断熱材ないし不燃断熱材10の継ぎ目は、現場での施
工故に完全に継がれておらず、隙間のある場合も考えら
れる。そのような場合には、外断熱の機能を維持しつ
つ、かつ防火性にも優れた構造を必要とする。
第2図は本考案の一実施例に係る木造建築の壁外断熱構
造の要部横断面図で、本考案を壁について適用した場合
の例を示し、また第3図は第2図のII−II線に沿う断面
図であり、それぞれ第4,5図に示す部材と同一部材には
同一符号を付してある。
この壁外断熱構造は、柱1および間柱2等からなる軸組
部3の室内側に、内装材6が張設され、室外側に、石膏
ボード、無機混入塩化ビニール発泡体等の無機系板材
(以下、板材と略記することがある)10、または発泡プ
ラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材10と、発泡
ポリスチレン、発泡ポリウレタン等のような発泡プラス
チック系断熱材(以下、断熱材と略記することがある)
11とが設けられている。このように軸組部3の室外側に
板材10(または発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし
不燃断熱材10)および断熱材11を張設すれば、内装材6
との間に、内側通気層12を形成することが可能となる。
また、この発泡プラスチック系断熱板11の室外側には縦
胴縁4が設けられ、図示しない釘等により縦胴縁4とと
もに前記板材10(または発泡プラスチック系準不燃断熱
材ないし不燃断熱材10)および断熱材11を軸組部3に固
着している。
図中「5」はモルタル壁あるいはサイディング壁等から
なる外装材であるが、この外装材5に縦胴縁4を介して
前記発泡プラスチック系断熱板11を張設して外装材5と
発泡プラスチック系断熱板11との間に下方から上方に空
気の流通が堪能な通気層13を形成すれば、透過水蒸気の
逃道が形成されることになり、壁構造としては好ましい
ものとなり快適な居住空間を形成することができる。
特に、本実施例では、前記軸組部3の室外側に無機系板
材10、または発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし不
燃断熱材10を設けることにより、内装材6を貫通した火
炎が直ちに発泡プラスチック系断熱板11に伝わらないよ
うにし、これにより壁の燃焼を抑制することができる。
さらに、本考案では、この発泡プラスチック系断熱板11
相互間の継目にも発泡プラスチック系準不燃断熱材ない
し不燃断熱材15を設けることができる。この発泡プラス
チック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材15は、透湿性、
断熱性を有しており、防火性の高い発泡プラスチック系
断熱板であり、無機物混入塩化ビニル系樹脂発泡体、無
機物混入塩素化塩化ビニル系樹脂発泡体あるいはフェノ
ール発泡体等により構成されている。ここに云う発泡プ
ラスチック系準不燃断熱材とは、建築省告示第1372号に
云う準不燃材程度のその性能値がその近傍の材およびそ
れ以上の材を示し、不燃断熱材は、それ以上の防火性能
を有する材の意味で用いられている。たとえば無機物混
入塩化ビニル発泡体は600℃以上の火炎を受けても燃え
ず、前記無機物を多量に含有しない発泡プラスチック系
断熱板11を構成するものよりも防火性がはるかに高いた
め、これをファイヤーストップ15として前記発泡プラス
チック系断熱板11相互間に設ければ、仮にこの発泡プラ
スチック系断熱板11が燃焼しても、この発泡プラスチッ
ク系断熱板11の火炎の上昇を室内側の無機系板材と相ま
って抑制することができ、また、この火炎が大きくな
り、その上の発泡プラスチック系断熱板11に燃え移る場
合でも、その発泡プラスチック系断熱板11が燃焼しはじ
める時間は遅くなる。したがって、発泡プラスチック系
断熱板11全体、つまり家屋の周囲全体が、火炎に包まれ
るまでの時間は長くなり、火災時に居住者等の避難が可
能な時間の終期を遅らせることができる。
前記壁外断熱の防火構造の組立ては、第2図の場合に
は、具体的には次のようにして行なう。
まず、無機系板材10、または発泡プラスチック系準不燃
断熱材ないし不燃断熱材10及び発泡プラスチック系断熱
板11を柱1および間柱2等からなる軸組部3の室外側に
当接する。
次に、この発泡プラスチック系断熱板11の継目に、この
発泡プラスチック系断熱板11と略同一程度の厚さの無機
物混入塩化ビニル発泡体等からなる発泡プラスチック系
準不燃断熱材ないし不燃断熱材15を介装する。この場
合、発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材
15と前記発泡プラスチック系断熱板11の厚さを略同じと
したのは、後に縦胴縁4を取付ける際の容易化のためで
ある。したがって、この発泡プラスチック系断熱板11よ
り発泡プラスチック系準不燃断熱材および不燃断熱材15
の厚さは多少薄くしてもよい。また、この発泡プラスチ
ック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材15と前記発泡プラ
スチック系断熱板11とは接着またはピン止メ等をしてお
くと施工しやすい。このような発泡体プラスチック系断
熱材ないし不燃断熱材15と、断熱板11との面積比は耐火
性、断熱性、経済性等を総合的に考慮して決定される。
そして、この発泡プラスチック系断熱板11を縦胴縁4と
前記軸組部3との間で挟持するように釘等を打ち付け、
無機系板材10(または発泡プラスチック系準不燃断熱材
ないし不燃断熱材10)、発泡プラスチック系断熱板11及
び発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材15
とを固定する。
このような接合を面方向に順次行ない、室内の外周を取
囲み、その外部に外装材5を取付けると壁外断熱構造を
形成することができる。
このようにすれば、仮に、室内で火災が発生し、内装材
6を貫通した火炎が無機系板材10、または発泡プラスチ
ック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材10に接触しても、
この火炎は、直ちに発泡プラスチック系断熱板11内には
進入せず、これにより壁の燃焼が阻止される。
また、この火炎が仮に発泡プラスチック系断熱板11内に
まで進入したとしても、燃え上るのは火炎の接触した発
泡プラスチック系断熱板11のみで、その炎の上昇は発泡
プラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材15により
阻止される。したがって、断熱材が発泡プラスチック系
断熱材11で構成されていても全体が簡単に燃え上ること
はなく、居住者等の避難時間はこれにより長くなる。
したがって、これにより居住者等の避難可能時間はさら
に長くなり、安全性の高い壁構造となる。
上述した実施例は、発泡プラスチック系断熱板11相互間
に発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材15
を設けたものであるが、本考案は何らここれに限定され
るものではなく、この発泡プラスチック系断熱板11の外
周を取囲むように発泡プラスチック系準不燃断熱材ない
し不燃断熱材15を予め設けるようにしてもよい。
また、前述の実施例は、壁についてのものであるが、本
考案は、これのみに限定されるものではなく、屋根構造
等にも適用することもできることは言うまでもない。さ
らに、無機系板材10と発泡プラスチック系断熱板11、ま
たは発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし不燃断熱材
10と発泡プラスチック系断熱板11とは、現場で積層させ
るようにしても良いが、予め工場で積層させるようにし
ても良い。
考案の効果 以上説明してきたように、本考案によれば、快適な居住
空間を形成することができると共に、万一、室内で火災
が発生し、その火炎が内装材に接触しても、その火炎は
直ちには発泡プラスチック系断熱板には進入せず、第1
段階の火災は無機系板材により阻止される。また、この
火炎が、万一に発泡プラスチック系断熱板にまで進入し
たとしても、この発泡プラスチック系断熱板相互間に
は、発泡プラスチック系準不燃断熱板ないし不燃断熱板
が設けられているので、これがファイヤーストップとし
て機能し、局部的燃焼に止めることができ、これにより
一挙に壁全体が燃焼することはなくなり、居住者の避難
可能時間が確保されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は発泡プラスチック系断熱材と柱、間柱との間に
無機系板材を設けた構造を示しており、第2図は本考案
の一実施例に係る木造建築の壁外断熱構造の要部横断面
図、第3図は第1,2図のIII−III線に沿う断面図、第4
図は従来の壁外断熱構造の一部破断した概略斜視図、第
5図は第4図のIV−IV線に沿う断面図である。 1……柱 2……間柱、3……軸組部、4……縦胴縁、5……外装
材、10……無機系板材、または発泡プラスチック系準不
燃断熱材ないし不燃断熱材、11……発泡プラスチック系
断熱板、15……発泡プラスチック系準不燃断熱材ないし
不燃断熱材。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱、間柱等の軸組部の室外側に複数枚の発
    泡プラスチック系断熱板を面方向に張り巡らし、この発
    泡プラスチック系断熱板の室外側に縦胴縁を介して外装
    材を、該発泡プラスチック系断熱板と該外装材との間に
    空気流通可能な通気層が形成されるように取付けてなる
    木造建築の壁外断熱構造であり、前記断熱板と前記軸組
    部との間に無機系板材を面方向に張り巡らしたことを特
    徴とする木造建築の壁外断熱の防火構造。
  2. 【請求項2】柱、間柱等の軸組部の室外側に複数枚の発
    泡プラスチック系断熱板を面方向に張り巡らし、この発
    泡プラスチック系断熱板の室外側に縦胴縁を介して外装
    材を、該発泡プラスチック系断熱板と該外装材との間に
    空気流通可能な通気層が形成されるように取付けてなる
    木造建築の壁外断熱構造であり、前記発泡プラスチック
    系断熱板相互間に発泡プラスチック系準不燃断熱材ない
    し不燃断熱材を設けかつ前記軸組部と前記発泡プラスチ
    ック系断熱材との間に無機系板材を面方向に張り巡らし
    たことを特徴とする木造建築の壁外断熱の防火構造。
  3. 【請求項3】柱、間柱等の軸組部の室外側に複数枚の発
    泡プラスチック系断熱板を面方向に張り巡らし、この発
    泡プラスチック系断熱板の室外側に縦胴縁を介して外装
    材を、該発泡プラスチック系断熱板と該外装材との間に
    空気流通可能な通気層が形成されるように取付けてなる
    木造建築の壁外断熱構造であり、前記軸組部と前記発泡
    プラスチック系断熱材との間に発泡プラスチック系準不
    燃断熱材ないし不燃断熱材を面方向に張り巡らしたこと
    を特徴とする木造建築の壁外断熱の防火構造。
JP1988121295U 1988-09-16 1988-09-16 木造建築の壁外断熱の防火構造 Expired - Lifetime JPH0714495Y2 (ja)

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