JPH07144918A - α−二酸化マンガンの製造法 - Google Patents
α−二酸化マンガンの製造法Info
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- JPH07144918A JPH07144918A JP5166149A JP16614993A JPH07144918A JP H07144918 A JPH07144918 A JP H07144918A JP 5166149 A JP5166149 A JP 5166149A JP 16614993 A JP16614993 A JP 16614993A JP H07144918 A JPH07144918 A JP H07144918A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 カリウムやアンモニウムイオンなどの電池性
能に悪影響を与えるカチオンを含まないα−二酸化マン
ガンを95%以上の非常に高い収率で製造することがで
き、且つ大掛かりな装置、設備などを必要としない工業
的に有利な製造法を提供する。 【構成】 酸性条件下に、マンガンの無機酸塩と過マン
ガン酸塩を反応させて得られる、プロトンとマンガンを
主成分カチオンとするα−二酸化マンガンの製造法、及
びプロトンとマンガンを主成分カチオンとするα−二酸
化マンガンのプロトンをリチウムにイオン交換して得ら
れるリチウムドープα−二酸化マンガンの製造法。
能に悪影響を与えるカチオンを含まないα−二酸化マン
ガンを95%以上の非常に高い収率で製造することがで
き、且つ大掛かりな装置、設備などを必要としない工業
的に有利な製造法を提供する。 【構成】 酸性条件下に、マンガンの無機酸塩と過マン
ガン酸塩を反応させて得られる、プロトンとマンガンを
主成分カチオンとするα−二酸化マンガンの製造法、及
びプロトンとマンガンを主成分カチオンとするα−二酸
化マンガンのプロトンをリチウムにイオン交換して得ら
れるリチウムドープα−二酸化マンガンの製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロトン又はリチウム
とマンガンを主成分カチオンとするα−二酸化マンガン
の製造法に関する。詳しくは、その分子中にアンモニウ
ムイオン、カリウムイオンなどの電池性能に悪影響を与
えるカチオンを含まず、且つリチウム二次電池の正極活
材料として有用なα−二酸化マンガンを、極めて高収率
で製造し得る方法に関する。
とマンガンを主成分カチオンとするα−二酸化マンガン
の製造法に関する。詳しくは、その分子中にアンモニウ
ムイオン、カリウムイオンなどの電池性能に悪影響を与
えるカチオンを含まず、且つリチウム二次電池の正極活
材料として有用なα−二酸化マンガンを、極めて高収率
で製造し得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話に代表される様に、電子
機器の小型化、携帯化が進んでいる。この場合、小型の
コードレス電源が必須となり、該電源としてリチウム二
次電池の開発が盛んに行われている。
機器の小型化、携帯化が進んでいる。この場合、小型の
コードレス電源が必須となり、該電源としてリチウム二
次電池の開発が盛んに行われている。
【0003】現在リチウム電池としては、負極活物質に
リチウム又はリチウム合金を用い、正極活物質にはγ/
β又はβ−二酸化マンガンを用いた非水電解質電池が知
られている。該電池は高電圧で、自己放電も少なく、保
存性にも優れている。
リチウム又はリチウム合金を用い、正極活物質にはγ/
β又はβ−二酸化マンガンを用いた非水電解質電池が知
られている。該電池は高電圧で、自己放電も少なく、保
存性にも優れている。
【0004】しかしながら該電池には、繰り返し充放電
を行うと電池容量の著しい低下が起こるという問題点が
あつた。この様な容量の低下が起こるのは、リチウムイ
オンの二酸化マンガンへの挿入抽出反応により、該二酸
化マンガンの結晶構造が崩壊するためと考えられる。す
なわち、二酸化マンガンはMnO6八面体鎖の架橋による
トンネル構造を有しており〔例えば、Roger. G. Bur
ns et al, "RecentStructural Data For Manganes
e(IV)Oxides", The 2nd MnO2 Symposium in 19
80〕、該トンネルがリチウムイオンの挿入抽出経路とな
るが、MnO6八面体を一単位とするとγ/β型のトンネ
ル寸法は1×1と1×2の混成、β型は1×1と小さい
ため、結晶構造の崩壊が起こるものと考えられる。
を行うと電池容量の著しい低下が起こるという問題点が
あつた。この様な容量の低下が起こるのは、リチウムイ
オンの二酸化マンガンへの挿入抽出反応により、該二酸
化マンガンの結晶構造が崩壊するためと考えられる。す
なわち、二酸化マンガンはMnO6八面体鎖の架橋による
トンネル構造を有しており〔例えば、Roger. G. Bur
ns et al, "RecentStructural Data For Manganes
e(IV)Oxides", The 2nd MnO2 Symposium in 19
80〕、該トンネルがリチウムイオンの挿入抽出経路とな
るが、MnO6八面体を一単位とするとγ/β型のトンネ
ル寸法は1×1と1×2の混成、β型は1×1と小さい
ため、結晶構造の崩壊が起こるものと考えられる。
【0005】従つて、γ/βやβ型よりもトンネル寸法
の大きい、例えば2×2の寸法を持つ二酸化マンガン化
合物を用いることにより、結晶構造の崩壊を防止できる
ことは理論上予測し得る。この様な二酸化マンガン化合
物としては、例えば、式KxMn8O16で表されるクリプ
トメレーン、式(NH4)xMn8O16で表される化合物な
どのα−二酸化マンガンが知られているが、これらはい
ずれもトンネル内にカリウムイオンやアンモニウムイオ
ンなどの、電池性能に悪影響を与えるカチオンを保有し
ている。例えば、該カチオンの存在によりリチウムの挿
入抽出反応が阻止され、理論値通りの電池容量が達成さ
れない。また、充放電を繰り返すとカチオンの電解質へ
の溶出が起こり、充放電特性が劣化する。この様に従来
のα−二酸化マンガンは、リチウム二次電池に用いるに
は好ましくない問題を有するものであつた。
の大きい、例えば2×2の寸法を持つ二酸化マンガン化
合物を用いることにより、結晶構造の崩壊を防止できる
ことは理論上予測し得る。この様な二酸化マンガン化合
物としては、例えば、式KxMn8O16で表されるクリプ
トメレーン、式(NH4)xMn8O16で表される化合物な
どのα−二酸化マンガンが知られているが、これらはい
ずれもトンネル内にカリウムイオンやアンモニウムイオ
ンなどの、電池性能に悪影響を与えるカチオンを保有し
ている。例えば、該カチオンの存在によりリチウムの挿
入抽出反応が阻止され、理論値通りの電池容量が達成さ
れない。また、充放電を繰り返すとカチオンの電解質へ
の溶出が起こり、充放電特性が劣化する。この様に従来
のα−二酸化マンガンは、リチウム二次電池に用いるに
は好ましくない問題を有するものであつた。
【0006】上記問題を解消したα−二酸化マンガンと
して、リチウムイオンをドープしたα−二酸化マンガン
が提案されている(特開昭63−148550号公
報)。これは、アンモニウムイオンを含む従来のα−二
酸化マンガンと水酸化リチウムとの水溶液をマイクロ波
照射することにより、アンモニウムイオンとリチウムイ
オンをイオン交換して製造される。しかしながら、α−
二酸化マンガンはカリウムやアンモニウムイオンに対し
著しく高い親和力を有するため、この様なイオン交換反
応では同物質中のアンモニウムイオンを完全に除去する
ことは困難であり、実際にはアンモニウムイオンを含み
Lix(NH4)2-xMn8O16なる化学組成を有する物質が
生成する。よつて、この場合も従来と同様に、充放電の
繰り返しにより電池容量の低下及び充放電特性の劣化が
起こる。
して、リチウムイオンをドープしたα−二酸化マンガン
が提案されている(特開昭63−148550号公
報)。これは、アンモニウムイオンを含む従来のα−二
酸化マンガンと水酸化リチウムとの水溶液をマイクロ波
照射することにより、アンモニウムイオンとリチウムイ
オンをイオン交換して製造される。しかしながら、α−
二酸化マンガンはカリウムやアンモニウムイオンに対し
著しく高い親和力を有するため、この様なイオン交換反
応では同物質中のアンモニウムイオンを完全に除去する
ことは困難であり、実際にはアンモニウムイオンを含み
Lix(NH4)2-xMn8O16なる化学組成を有する物質が
生成する。よつて、この場合も従来と同様に、充放電の
繰り返しにより電池容量の低下及び充放電特性の劣化が
起こる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カリ
ウムやアンモニウムイオンなどの電池性能に悪影響を与
えるカチオンを含まないα−二酸化マンガンを90%以上
の非常に高い収率で製造することができ、且つ大掛かり
な装置、設備などを必要としない工業的に有利な製造法
を提供することにある。
ウムやアンモニウムイオンなどの電池性能に悪影響を与
えるカチオンを含まないα−二酸化マンガンを90%以上
の非常に高い収率で製造することができ、且つ大掛かり
な装置、設備などを必要としない工業的に有利な製造法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は酸性条件下に、
マンガンの無機酸塩と過マンガン酸塩を反応させること
を特徴とする、プロトンとマンガンを主成分カチオンと
するα−二酸化マンガンの製造法、及びプロトンとマン
ガンを主成分カチオンとするα−二酸化マンガンのプロ
トンをリチウムにイオン交換することを特徴とするリチ
ウムドープα−二酸化マンガンの製造法に係る。
マンガンの無機酸塩と過マンガン酸塩を反応させること
を特徴とする、プロトンとマンガンを主成分カチオンと
するα−二酸化マンガンの製造法、及びプロトンとマン
ガンを主成分カチオンとするα−二酸化マンガンのプロ
トンをリチウムにイオン交換することを特徴とするリチ
ウムドープα−二酸化マンガンの製造法に係る。
【0009】本発明方法では、反応系を酸性条件とする
ことを必須とする。酸性条件にするためには公知の方法
が採用でき、例えば、反応系に無機酸を添加すればよ
い。無機酸としては特に制限されないが、硫酸が好まし
い。反応系における無機酸の濃度は特に制限はなく広い
範囲から適宜選択すればよいが、4モル未満では本発明
の目的物とともにγ−二酸化マンガンが生成する恐れが
あるので、通常4モル以上とするのが好ましい。
ことを必須とする。酸性条件にするためには公知の方法
が採用でき、例えば、反応系に無機酸を添加すればよ
い。無機酸としては特に制限されないが、硫酸が好まし
い。反応系における無機酸の濃度は特に制限はなく広い
範囲から適宜選択すればよいが、4モル未満では本発明
の目的物とともにγ−二酸化マンガンが生成する恐れが
あるので、通常4モル以上とするのが好ましい。
【0010】本発明方法においては、原料化合物として
のマンガンの無機酸塩と過マンガン酸塩を使用する。マ
ンガンの無機酸塩としては公知のものが使用できるが、
その中でも、水溶液中で安定な2価のマンガン酸化物を
供給し得るものが好ましい。その具体例としては、例え
ば、硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガンなどを
挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用
して本反応に供することができる。一方過マンガン酸塩
としても公知のものが使用できるが、その中でも、過マ
ンガン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好
ましい。その具体例としては、過マンガン酸リチウム、
過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸マグネシウムな
どを挙げることができ、これらは1種又は2種以上を併
用して本反応に供することができる。マンガンの無機酸
塩と過マンガン酸塩の使用割合は特に制限されず広い範
囲から適宜選択できるが、反応効率などを考慮すると、
通常等モル量程度とすればよい。
のマンガンの無機酸塩と過マンガン酸塩を使用する。マ
ンガンの無機酸塩としては公知のものが使用できるが、
その中でも、水溶液中で安定な2価のマンガン酸化物を
供給し得るものが好ましい。その具体例としては、例え
ば、硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガンなどを
挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用
して本反応に供することができる。一方過マンガン酸塩
としても公知のものが使用できるが、その中でも、過マ
ンガン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好
ましい。その具体例としては、過マンガン酸リチウム、
過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸マグネシウムな
どを挙げることができ、これらは1種又は2種以上を併
用して本反応に供することができる。マンガンの無機酸
塩と過マンガン酸塩の使用割合は特に制限されず広い範
囲から適宜選択できるが、反応効率などを考慮すると、
通常等モル量程度とすればよい。
【0011】反応は、通常水(好ましくは脱イオン水)
中にて、好ましくは撹拌下に行われる。反応温度は特に
制限されないが、通常40℃程度以上、好ましくは70〜10
0℃程度とすればよい。反応時間にも制限はないが、通
常10分以上、好ましくは2時間以上とすればよい。反応
終了後、室温付近で1日程度エージングしてもよい。生
成物は、濾過などの通常の分離、精製手段により反応系
から容易に分取することができる。
中にて、好ましくは撹拌下に行われる。反応温度は特に
制限されないが、通常40℃程度以上、好ましくは70〜10
0℃程度とすればよい。反応時間にも制限はないが、通
常10分以上、好ましくは2時間以上とすればよい。反応
終了後、室温付近で1日程度エージングしてもよい。生
成物は、濾過などの通常の分離、精製手段により反応系
から容易に分取することができる。
【0012】この様にして、プロトンとマンガンを主成
分カチオンとし、アンモニウムイオンやカリウムイオン
を含まないα−二酸化マンガンを製造することができ
る。尚、このα−二酸化マンガンを電池用途に使用する
場合には、表面に付着残存した水分及び内部の結晶水を
完全に乾燥除去するのが好ましい。乾燥は、通常100℃
以上、好ましくは300℃以上で行えばよい。
分カチオンとし、アンモニウムイオンやカリウムイオン
を含まないα−二酸化マンガンを製造することができ
る。尚、このα−二酸化マンガンを電池用途に使用する
場合には、表面に付着残存した水分及び内部の結晶水を
完全に乾燥除去するのが好ましい。乾燥は、通常100℃
以上、好ましくは300℃以上で行えばよい。
【0013】本発明では、上記α−二酸化マンガンのプ
ロトンをリチウムでイオン交換することにより、リチウ
ムドープα−二酸化マンガンを製造することができる。
イオン交換は通常の方法に従つて行うことができる。例
えば、水などの適当な溶媒中にて、該α−二酸化マンガ
ンとリチウム塩を混合すればよい。リチウム塩としては
公知のものが使用でき、例えば、水酸化リチウム、沃化
リチウムなどを挙げることができる。
ロトンをリチウムでイオン交換することにより、リチウ
ムドープα−二酸化マンガンを製造することができる。
イオン交換は通常の方法に従つて行うことができる。例
えば、水などの適当な溶媒中にて、該α−二酸化マンガ
ンとリチウム塩を混合すればよい。リチウム塩としては
公知のものが使用でき、例えば、水酸化リチウム、沃化
リチウムなどを挙げることができる。
【0014】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を一
層明瞭なものとする。
層明瞭なものとする。
【0015】実施例1 8モルの硫酸を含む0.1モル硝酸マンガン水溶液 1.0lの
液温を100℃とした。これに等容量の0.1モル過マンガン
酸リチウム水溶液を加え、同温度を保持したまま1時間
撹拌した後、20℃で1日間放置した。析出した沈殿物を
吸引濾過により分取し、300℃で24時間乾燥し、固形物1
7g(収率90%)を得た。
液温を100℃とした。これに等容量の0.1モル過マンガン
酸リチウム水溶液を加え、同温度を保持したまま1時間
撹拌した後、20℃で1日間放置した。析出した沈殿物を
吸引濾過により分取し、300℃で24時間乾燥し、固形物1
7g(収率90%)を得た。
【0016】得られた生成物のX線回折チヤートを図1
に示す。これをASTMカードにおけるクリプトメレー
ン(KMn8O16)と比較したところ、両者はほぼ一致し
た。また原子吸光分析によればLi/Mn比(モル)は0.
001以下であり、炎光分析ではCa及びKの存在は認めら
れなかつた。従つて生成物はクリプトメレーンと同型の
結晶構造を持ち、化学式HxMn8O16で示される物質で
あることが判る。
に示す。これをASTMカードにおけるクリプトメレー
ン(KMn8O16)と比較したところ、両者はほぼ一致し
た。また原子吸光分析によればLi/Mn比(モル)は0.
001以下であり、炎光分析ではCa及びKの存在は認めら
れなかつた。従つて生成物はクリプトメレーンと同型の
結晶構造を持ち、化学式HxMn8O16で示される物質で
あることが判る。
【0017】実施例2 実施例1において20℃で1日間放置まで同じ操作を行
い、吸引濾過により分取した沈殿物 10gを0.1モル水酸
化リチウム水溶液 100mlに加え、室温にて7日間放置し
リチウムイオン交換を行つた。得られた固形物を300℃
で24時間乾燥し、固形物を得た。
い、吸引濾過により分取した沈殿物 10gを0.1モル水酸
化リチウム水溶液 100mlに加え、室温にて7日間放置し
リチウムイオン交換を行つた。得られた固形物を300℃
で24時間乾燥し、固形物を得た。
【0018】得られた生成物のX線回折チヤートは、図
1と一致した。従つて生成物はクリプトメレーンと同型
の結晶構造を持ち、化学式LixMn8O16で示される物質
であることが判る。また本物質のLi/Mn比(モル)は
原子吸光分析により0.23であつた。なお、実施例1と2
の生成物は基本分子構造を同じくするため、同じX線回
折チヤートが得られる。カチオンの違いは、X線回折チ
ヤートには現れない。
1と一致した。従つて生成物はクリプトメレーンと同型
の結晶構造を持ち、化学式LixMn8O16で示される物質
であることが判る。また本物質のLi/Mn比(モル)は
原子吸光分析により0.23であつた。なお、実施例1と2
の生成物は基本分子構造を同じくするため、同じX線回
折チヤートが得られる。カチオンの違いは、X線回折チ
ヤートには現れない。
【0019】比較例1 4モルの硫酸を含む0.1モル硝酸マンガン水溶液 1.0lを
100℃に加熱し、これに等容量の0.1モル過マンガン酸カ
リウム水溶液を加え、同温度に保持したまま1時間撹拌
した後、20℃で1日間放置した。析出した沈殿物を吸引
濾過により分取し、水洗して、カリウムイオンを含む従
来のクリプトメレーン型マンガン酸化物(KxMn
8O16)を得た。該酸化物のK/Mn比(モル)は0.05で
あつた。
100℃に加熱し、これに等容量の0.1モル過マンガン酸カ
リウム水溶液を加え、同温度に保持したまま1時間撹拌
した後、20℃で1日間放置した。析出した沈殿物を吸引
濾過により分取し、水洗して、カリウムイオンを含む従
来のクリプトメレーン型マンガン酸化物(KxMn
8O16)を得た。該酸化物のK/Mn比(モル)は0.05で
あつた。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、カリウムやアンモニウ
ムイオンなどの電池性能に悪影響を与えるカチオンを含
まないα−二酸化マンガンを、90%以上の非常に高い収
率で製造することができる。また本発明の方法には、大
掛かりな装置、設備などを必要とせず、工業的に非常に
有利であるという利点もある。
ムイオンなどの電池性能に悪影響を与えるカチオンを含
まないα−二酸化マンガンを、90%以上の非常に高い収
率で製造することができる。また本発明の方法には、大
掛かりな装置、設備などを必要とせず、工業的に非常に
有利であるという利点もある。
【0021】更に本発明により得られるα−二酸化マン
ガンをリチウム二次電池に適用すると、電池性能に悪影
響を与えるカチオンを含まないため、高容量で、充放電
の繰り返しによる容量の低下及び充放電特性の劣化がな
く、従つて、サイクル寿命の長い電池を得ることができ
る。
ガンをリチウム二次電池に適用すると、電池性能に悪影
響を与えるカチオンを含まないため、高容量で、充放電
の繰り返しによる容量の低下及び充放電特性の劣化がな
く、従つて、サイクル寿命の長い電池を得ることができ
る。
【図1】実施例1及び2により得られるα−二酸化マン
ガンのX線回折図である。
ガンのX線回折図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明方法では、反応系を酸性条件とする
ことを必須とする。酸性条件にするためには公知の方法
が採用でき、例えば、反応系に無機酸を添加すればよ
い。無機酸としては特に制限されないが、硫酸が好まし
い。反応系における無機酸の濃度は特に制限はなく広い
範囲から適宜選択すればよいが、4モル/l未満では本
発明の目的物とともにγ−二酸化マンガンが生成する恐
れがあるので、通常4モル/l以上とするのが好まし
い。
ことを必須とする。酸性条件にするためには公知の方法
が採用でき、例えば、反応系に無機酸を添加すればよ
い。無機酸としては特に制限されないが、硫酸が好まし
い。反応系における無機酸の濃度は特に制限はなく広い
範囲から適宜選択すればよいが、4モル/l未満では本
発明の目的物とともにγ−二酸化マンガンが生成する恐
れがあるので、通常4モル/l以上とするのが好まし
い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】得られた生成物のX線回折チヤートは、図
1と一致した。従つて生成物はクリプトメレーンと同型
の結晶構造を持ち、化学式LixMn8O16で示される物質
であることが判る。また本物質のLi/Mn比(モル)は
原子吸光分析により0.23であつた。なお、実施例1と2
の生成物は基本結晶構造を同じくするため、同じX線回
折チヤートが得られる。カチオンの違いは、X線回折チ
ヤートには現れない。
1と一致した。従つて生成物はクリプトメレーンと同型
の結晶構造を持ち、化学式LixMn8O16で示される物質
であることが判る。また本物質のLi/Mn比(モル)は
原子吸光分析により0.23であつた。なお、実施例1と2
の生成物は基本結晶構造を同じくするため、同じX線回
折チヤートが得られる。カチオンの違いは、X線回折チ
ヤートには現れない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馮 旗 香川県高松市花ノ宮町2丁目3番3号 工 業技術院四国工業技術試験所内 (72)発明者 加納 博文 香川県高松市花ノ宮町2丁目3番3号 工 業技術院四国工業技術試験所内 (72)発明者 宮井 良孝 香川県高松市花ノ宮町2丁目3番3号 工 業技術院四国工業技術試験所内 (72)発明者 中長 偉文 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 谷 真佐人 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 酸性条件下に、マンガンの無機酸塩と過
マンガン酸塩を反応させることを特徴とする、プロトン
とマンガンを主成分カチオンとするα−二酸化マンガン
の製造法。 - 【請求項2】 マンガンの無機酸塩が水溶液中で安定な
2価のマンガン酸化物を供給し得るものである請求項1
の製造法。 - 【請求項3】 過マンガン酸塩がアルカリ金属塩又はア
ルカリ土類金属塩である請求項1の製造法。 - 【請求項4】 無機酸を加えて酸性条件とする請求項1
の製造法。 - 【請求項5】 プロトンとマンガンを主成分カチオンと
するα−二酸化マンガンのプロトンをリチウムにイオン
交換することを特徴とするリチウムドープα−二酸化マ
ンガンの製造法。 - 【請求項6】 イオン交換が、α−二酸化マンガンとリ
チウム塩の反応により行われる請求項5の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5166149A JP2711624B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | α−二酸化マンガンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5166149A JP2711624B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | α−二酸化マンガンの製造法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8083262A Division JP2835436B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | リチウムドープα−二酸化マンガンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07144918A true JPH07144918A (ja) | 1995-06-06 |
JP2711624B2 JP2711624B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=15825972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5166149A Expired - Lifetime JP2711624B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | α−二酸化マンガンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711624B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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