JPH0714442A - パルス又は交流用NbTi超電導線 - Google Patents
パルス又は交流用NbTi超電導線Info
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- JPH0714442A JPH0714442A JP5180775A JP18077593A JPH0714442A JP H0714442 A JPH0714442 A JP H0714442A JP 5180775 A JP5180775 A JP 5180775A JP 18077593 A JP18077593 A JP 18077593A JP H0714442 A JPH0714442 A JP H0714442A
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- Japan
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- nbti
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- superconducting wire
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 高臨界電流密度のパルス又は交流用NbTi
超電導線を提供する。 【構成】 銅又は銅合金マトリックス中にNbTiフィ
ラメントが埋込まれ、前記NbTiフィラメント内に複
数の線状人工ピンが長手方向に複合されたパルス又は交
流用NbTi超電導線において、NbTiフィラメント
の径df 、前記フィラメント中の人工ピンの占積率λ、
隣接する人工ピンの間隔ds を、それぞれ最大使用磁場
で最も高い超電導特性が得られる実験式を満足するよう
に構成した。
超電導線を提供する。 【構成】 銅又は銅合金マトリックス中にNbTiフィ
ラメントが埋込まれ、前記NbTiフィラメント内に複
数の線状人工ピンが長手方向に複合されたパルス又は交
流用NbTi超電導線において、NbTiフィラメント
の径df 、前記フィラメント中の人工ピンの占積率λ、
隣接する人工ピンの間隔ds を、それぞれ最大使用磁場
で最も高い超電導特性が得られる実験式を満足するよう
に構成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は臨界電流密度の高い、パ
ルス又は交流用NbTi超電導線に関する。
ルス又は交流用NbTi超電導線に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、超電導線は、SMES発電機、M
HD発電機、磁気浮上列車、加速器用マグネット、核融
合炉、医療用MRI等の導体として各機関で盛んに研究
開発されている。そして超電導線は従来直流用であった
が、パルス又は交流用としても使用されるようになっ
た。ところで、パルス又は交流用超電導線は超電導線に
流れる電流や印加される磁界の方向が変化する為ヒステ
リシス損失等による発熱が大きく、その実用化にはNb
Tiフィラメントの一層の細線化が必要であった。この
細線化については、最近の加工技術の進歩によりパルス
用では3〜1μm、商用周波数用では 0.5μm以下の細
径のフィラメントが製造可能になり、解決された。
HD発電機、磁気浮上列車、加速器用マグネット、核融
合炉、医療用MRI等の導体として各機関で盛んに研究
開発されている。そして超電導線は従来直流用であった
が、パルス又は交流用としても使用されるようになっ
た。ところで、パルス又は交流用超電導線は超電導線に
流れる電流や印加される磁界の方向が変化する為ヒステ
リシス損失等による発熱が大きく、その実用化にはNb
Tiフィラメントの一層の細線化が必要であった。この
細線化については、最近の加工技術の進歩によりパルス
用では3〜1μm、商用周波数用では 0.5μm以下の細
径のフィラメントが製造可能になり、解決された。
【0003】他方、NbTi超電導線では、加工と熱処
理を適切に組合わせることによりα−Ti相をリボン状
に析出させ、このα−Ti相に磁束線をピンニングして
高磁場下での臨界電流密度を向上させる方法がとられて
いた。この方法により例えば2Tで6000A/mm2 、5T
で3000A/mm2 の高Jc化が達成されていた。しかしな
がら、NbTiフィラメントが1μmφ程度に細くなる
と、前述のα−Ti相によるピンニング法は次の理由で
適用できなかった。α−Ti相を析出させる為の時効
熱処理により、安定化銅とNbTiフィラメントとの界
面に脆いCuTi系化合物が生成して加工性が悪化し、
その結果超電導線にくびれによるソーセージング現象が
起きてJcが低下し又断線が多発する。前記CuTi
系化合物の生成を、安定化銅と前記フィラメントとの界
面にNb層を介在させて抑えるには、Nb層の厚さを最
終熱処理時で数μmにする必要があり、1μmφ程度の
フィラメントに対してはその占積率が大き過ぎて高い臨
界電流値(Ic)が得られない。
理を適切に組合わせることによりα−Ti相をリボン状
に析出させ、このα−Ti相に磁束線をピンニングして
高磁場下での臨界電流密度を向上させる方法がとられて
いた。この方法により例えば2Tで6000A/mm2 、5T
で3000A/mm2 の高Jc化が達成されていた。しかしな
がら、NbTiフィラメントが1μmφ程度に細くなる
と、前述のα−Ti相によるピンニング法は次の理由で
適用できなかった。α−Ti相を析出させる為の時効
熱処理により、安定化銅とNbTiフィラメントとの界
面に脆いCuTi系化合物が生成して加工性が悪化し、
その結果超電導線にくびれによるソーセージング現象が
起きてJcが低下し又断線が多発する。前記CuTi
系化合物の生成を、安定化銅と前記フィラメントとの界
面にNb層を介在させて抑えるには、Nb層の厚さを最
終熱処理時で数μmにする必要があり、1μmφ程度の
フィラメントに対してはその占積率が大き過ぎて高い臨
界電流値(Ic)が得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
パルス用ではα−Ti相析出の為の時効熱処理回数を減
らし、又交流用では前記時効熱処理を入れない方法で製
造が試みられていたが、前者ではJcが2Tで5000A/
mm2 、5Tで2500A/mm2 程度、後者ではJcが1Tで
5000A/mm2 、2Tで2000A/mm2 程度と低いものであ
った。他方、NbTiフィラメントの径が 0.1μm程度
に細くなると現れるサーフェイスピン効果を利用する方
法が提案されたが、この方法ではフィラメントの占積率
を上げる為フィラメント間隔が狭まり、その結果フィラ
メント同士の近接効果やフィラメントブリッジング現象
が起きて、有効フィラメント径が太くなり、サーフェイ
スピン効果が十分に得られなかった。更にこのサーフェ
イスピン効果は1T以下の磁場強度でのみ作用し、従っ
て、より高磁場下で使用される全超電導発電機や超電導
空心トランス等の交流機器では効果は期待できなかっ
た。
パルス用ではα−Ti相析出の為の時効熱処理回数を減
らし、又交流用では前記時効熱処理を入れない方法で製
造が試みられていたが、前者ではJcが2Tで5000A/
mm2 、5Tで2500A/mm2 程度、後者ではJcが1Tで
5000A/mm2 、2Tで2000A/mm2 程度と低いものであ
った。他方、NbTiフィラメントの径が 0.1μm程度
に細くなると現れるサーフェイスピン効果を利用する方
法が提案されたが、この方法ではフィラメントの占積率
を上げる為フィラメント間隔が狭まり、その結果フィラ
メント同士の近接効果やフィラメントブリッジング現象
が起きて、有効フィラメント径が太くなり、サーフェイ
スピン効果が十分に得られなかった。更にこのサーフェ
イスピン効果は1T以下の磁場強度でのみ作用し、従っ
て、より高磁場下で使用される全超電導発電機や超電導
空心トランス等の交流機器では効果は期待できなかっ
た。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明はこのような状況に
鑑み、鋭意研究を行った結果、NbTi超電導線に埋込
まれたNbTiフィラメント径と、そこに複合する人工
ピンの占積率とを所定の関係を満足するように設定し、
且つ前記人工ピンの間隔を、その超電導線の最大使用磁
場に合わせて設定することにより、臨界電流密度(J
c)を大幅に改善し得ることを実験的に明らかにし、更
に研究を進めて本発明を完成するに到ったものである。
鑑み、鋭意研究を行った結果、NbTi超電導線に埋込
まれたNbTiフィラメント径と、そこに複合する人工
ピンの占積率とを所定の関係を満足するように設定し、
且つ前記人工ピンの間隔を、その超電導線の最大使用磁
場に合わせて設定することにより、臨界電流密度(J
c)を大幅に改善し得ることを実験的に明らかにし、更
に研究を進めて本発明を完成するに到ったものである。
【0006】即ち、本発明は、銅又は銅合金マトリック
ス中にNbTiフィラメントが埋込まれ、前記NbTi
フィラメント内に複数の線状人工ピンが長手方向に複合
されたパルス又は交流用NbTi超電導線において、前
記NbTiフィラメントの直径df と人工ピンの占積率
λとの間に下記 (1)式が成立ち、又NbTiフィラメン
ト内の隣接する人工ピンの間隔ds が下記 (2)式を満足
することを特徴とするパルス又は交流用NbTi超電導
線である。 k= 3.7df −6λ+9.1 ≧8.2 ─(1) [(af −18.8) /0.16] +20≧ds ≧[(af −18.8) /0.16] −20 ─(2) ((1) 式中df はフィラメント径の単位μmの数値。(2)
式中af は最大使用磁場強度Bにおける超電導体内の
量子化磁束間隔でaf =(2φ/31/2 B)1/2の式で
示される。φ=2.07×10-15weber、Bの単位はテスラ
(weber/1018nm2)、af,ds の単位は共にnm。)
ス中にNbTiフィラメントが埋込まれ、前記NbTi
フィラメント内に複数の線状人工ピンが長手方向に複合
されたパルス又は交流用NbTi超電導線において、前
記NbTiフィラメントの直径df と人工ピンの占積率
λとの間に下記 (1)式が成立ち、又NbTiフィラメン
ト内の隣接する人工ピンの間隔ds が下記 (2)式を満足
することを特徴とするパルス又は交流用NbTi超電導
線である。 k= 3.7df −6λ+9.1 ≧8.2 ─(1) [(af −18.8) /0.16] +20≧ds ≧[(af −18.8) /0.16] −20 ─(2) ((1) 式中df はフィラメント径の単位μmの数値。(2)
式中af は最大使用磁場強度Bにおける超電導体内の
量子化磁束間隔でaf =(2φ/31/2 B)1/2の式で
示される。φ=2.07×10-15weber、Bの単位はテスラ
(weber/1018nm2)、af,ds の単位は共にnm。)
【0007】本発明において、人工ピンには、NbTi
超電導体の使用環境下で非超電導体の物質、或いはNb
Ti超電導体よりBc2が低い物質である。具体的にはN
b、Ti、Ta、Al、Mg、Fe、Hf、Cu、G
e、Ni、Zr、Cr等の金属、或いはこれら金属を適
当に組合わせた合金、更にはこれらの金属又は合金を適
当に積層したもの等である。尚、本発明における (1)式
において、人工ピン間隔に乱れがある場合は、隣接する
人工ピン間隔の平均値をds とする。
超電導体の使用環境下で非超電導体の物質、或いはNb
Ti超電導体よりBc2が低い物質である。具体的にはN
b、Ti、Ta、Al、Mg、Fe、Hf、Cu、G
e、Ni、Zr、Cr等の金属、或いはこれら金属を適
当に組合わせた合金、更にはこれらの金属又は合金を適
当に積層したもの等である。尚、本発明における (1)式
において、人工ピン間隔に乱れがある場合は、隣接する
人工ピン間隔の平均値をds とする。
【0008】
【作用】本発明では、銅又は銅合金マトリックス中にN
bTiフィラメントが埋込まれ、前記NbTiフィラメ
ント内に複数の線状人工ピンが長手方向に複合されたパ
ルス又は交流用NbTi超電導線において、前記NbT
iフィラメントの直径df とNbTiフィラメント内の
人工ピンの占積率λと前記NbTiフィラメント内の隣
接する人工ピンの間隔ds とを、最大使用磁場下にて最
高の超電導特性が得られる実験式を満足するように構成
したので、得られるNbTi超電導線は、Jc値が高い
ものとなる。
bTiフィラメントが埋込まれ、前記NbTiフィラメ
ント内に複数の線状人工ピンが長手方向に複合されたパ
ルス又は交流用NbTi超電導線において、前記NbT
iフィラメントの直径df とNbTiフィラメント内の
人工ピンの占積率λと前記NbTiフィラメント内の隣
接する人工ピンの間隔ds とを、最大使用磁場下にて最
高の超電導特性が得られる実験式を満足するように構成
したので、得られるNbTi超電導線は、Jc値が高い
ものとなる。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 図1イ〜ハに示した工程に従ってNbTi超電導線を製
造した。NbTiインゴット1に複数の縦孔2をアイラ
ンド状(相互に等間隔離した状態)に穿孔し、この縦孔
2に人工ピンとなすNb棒3を挿入し、これをCuNi
合金管4に入れて一次ビレット5となし(図1イ)、こ
の一次ビレット5を熱間押出と伸線加工により、断面六
角形の一次線材を作製した。次にこの一次線材6を再び
CuNi合金管4に充填して二次ビレット7を組立て
(図1ロ)、この二次ビレット7を熱間押出しと伸線加
工により、断面六角形の二次線材に加工した。次にこの
二次線材8を再びCuNi合金管4に充填して三次ビレ
ット9を組立て(図1ハ)、これを熱間押出しと伸線加
工により種々線径のNbTi超電導線に加工した。
る。 実施例1 図1イ〜ハに示した工程に従ってNbTi超電導線を製
造した。NbTiインゴット1に複数の縦孔2をアイラ
ンド状(相互に等間隔離した状態)に穿孔し、この縦孔
2に人工ピンとなすNb棒3を挿入し、これをCuNi
合金管4に入れて一次ビレット5となし(図1イ)、こ
の一次ビレット5を熱間押出と伸線加工により、断面六
角形の一次線材を作製した。次にこの一次線材6を再び
CuNi合金管4に充填して二次ビレット7を組立て
(図1ロ)、この二次ビレット7を熱間押出しと伸線加
工により、断面六角形の二次線材に加工した。次にこの
二次線材8を再びCuNi合金管4に充填して三次ビレ
ット9を組立て(図1ハ)、これを熱間押出しと伸線加
工により種々線径のNbTi超電導線に加工した。
【0010】このようにして得られた種々線径のNbT
i超電導線について、ピン力密度(Fp)と磁場強度Bと
の関係、つまりFp −B特性を計測した。これを基に
0.203mmφの超電導線の種々磁場強度に対する臨界電流
密度 (Jc)を求めた。人工ピンやα−Ti相等のピンニ
ング点を導入しないNbTi超電導線についても同様に
してJc値を求めた。結果を図2に示した。図2は縦軸
にJc、横軸に磁場強度BをとったJc−B曲線であ
る。表1に 0.203mmφの超電導線の仕様を示した。
i超電導線について、ピン力密度(Fp)と磁場強度Bと
の関係、つまりFp −B特性を計測した。これを基に
0.203mmφの超電導線の種々磁場強度に対する臨界電流
密度 (Jc)を求めた。人工ピンやα−Ti相等のピンニ
ング点を導入しないNbTi超電導線についても同様に
してJc値を求めた。結果を図2に示した。図2は縦軸
にJc、横軸に磁場強度BをとったJc−B曲線であ
る。表1に 0.203mmφの超電導線の仕様を示した。
【0011】
【表1】 (1)式:k= 3.7df −6λ+9.1 ≧8.2 (2)式: 0.16(ds +20) +18.8≧af ≧ 0.16(ds
−20) +18.8 ((1) 式中df はフィラメント径の単位μmの数値、λ
は人工ピンの占積率。 (2)式中ds は隣接する人工ピンの間隔、af は最大使
用磁場強度Bにおける超電導体内部の量子化磁束間隔で
af =(2φ/31/2 B)1/2 で示される。但しφ=2.
07×10-15 weber 、Bの単位はテスラ(weber/1018n
m2)、ds,af の単位はnm。)
−20) +18.8 ((1) 式中df はフィラメント径の単位μmの数値、λ
は人工ピンの占積率。 (2)式中ds は隣接する人工ピンの間隔、af は最大使
用磁場強度Bにおける超電導体内部の量子化磁束間隔で
af =(2φ/31/2 B)1/2 で示される。但しφ=2.
07×10-15 weber 、Bの単位はテスラ(weber/1018n
m2)、ds,af の単位はnm。)
【0012】図2より明らかなように、本発明例品(No
1,3,5)はいずれも磁場強度が1〜6Tの範囲にお
いて、比較例品(No6)より数倍以上高いJc値を示し
た。
1,3,5)はいずれも磁場強度が1〜6Tの範囲にお
いて、比較例品(No6)より数倍以上高いJc値を示し
た。
【0013】次に、前述のFp −B特性から各線材のF
p 最大値を示した磁場強度と、その時のピン間隔との関
係を調べる為にaf −ds 曲線を求めた。結果を図3に
示した。図3より明らかなように、af とds の間には
af =0.16ds +18.8の線上に乗る (2)式を満足する集
団Qと前記線上から外れた集団Rとに別れた。前者は高
いJc 値を示したのに対し、後者はBc2が低下した為J
cも低い値となった。
p 最大値を示した磁場強度と、その時のピン間隔との関
係を調べる為にaf −ds 曲線を求めた。結果を図3に
示した。図3より明らかなように、af とds の間には
af =0.16ds +18.8の線上に乗る (2)式を満足する集
団Qと前記線上から外れた集団Rとに別れた。前者は高
いJc 値を示したのに対し、後者はBc2が低下した為J
cも低い値となった。
【0014】次に、前述のFp −B特性からBc2 とd
f との関係を求め、結果をλ別(No別)に分類して図4
に示した。図4より明らかなように、df が大きい程又
λが小さい程、Bc2 が大きい値を示した。これはフィ
ラメントの径が小さくなる程又λが大きくなる程、Nb
Tiフィラメント内部の超電導電子がマトリックスの安
定化銅や人工ピンに染みだす割合が増え、その結果、超
電導特性が劣化してしまう為である。
f との関係を求め、結果をλ別(No別)に分類して図4
に示した。図4より明らかなように、df が大きい程又
λが小さい程、Bc2 が大きい値を示した。これはフィ
ラメントの径が小さくなる程又λが大きくなる程、Nb
Tiフィラメント内部の超電導電子がマトリックスの安
定化銅や人工ピンに染みだす割合が増え、その結果、超
電導特性が劣化してしまう為である。
【0015】実施例2 実施例1と同じ方法により、人工ピンの間隔ds を種々
に変えたNbTi超電導線を製造した。このNbTi超
電導線に、量子化磁束間隔af が34.6nmとなる磁場強度
(2T)内でJcを測定し、前記ds がJcに及ぼす影
響を調べた。結果を表2に示した。
に変えたNbTi超電導線を製造した。このNbTi超
電導線に、量子化磁束間隔af が34.6nmとなる磁場強度
(2T)内でJcを測定し、前記ds がJcに及ぼす影
響を調べた。結果を表2に示した。
【0016】
【表2】
【0017】表2より明らかなように、 (1)式と(2) 式
を満足する本発明例品(No7〜11)はいずれも、高いJ
c値を示した。これに対し比較例品のNo12は人工ピン間
隔が広すぎた為、又No13は人工ピン間隔が狭すぎた為、
共に (2)式を満足せず、Jc値が低下した。又No14はピ
ンニング点を導入しなかった為Jc値が低下した。
を満足する本発明例品(No7〜11)はいずれも、高いJ
c値を示した。これに対し比較例品のNo12は人工ピン間
隔が広すぎた為、又No13は人工ピン間隔が狭すぎた為、
共に (2)式を満足せず、Jc値が低下した。又No14はピ
ンニング点を導入しなかった為Jc値が低下した。
【0018】実施例3 最大使用磁場強度が 2.5Tのソレノイド交流マグネット
用にNbTi超電導線を実施例1と同じ方法により製造
した。人工ピン間隔ds は、最大使用磁場強度Bが 2.5
Tの時の超電導体内の量子化磁束間隔をaf =(2φ/
31/2 B)1/2(式中φ=2.07×10-15)の式から求め、
このaf の数値を (1)式に当てはめて算定した。次に人
工ピンの占積率λとNbTiフィラメントの直径を (2)
式を満足するように設定した。製造工程中α−Ti相を
析出させる時効熱処理は一切行わなかった。従って伸線
加工中断線することはなかった。得られたNbTi超電
導線について、種々の磁場下でピン力密度Fp を測定し
た。比較の為、人工ピン数が多く (1)式が成立しなかっ
たNbTi超電導線及び人工ピンを導入しない従来品に
ついても同様の測定を行った。結果を図5に示した。又
各超電導線の仕様を表3に示した。
用にNbTi超電導線を実施例1と同じ方法により製造
した。人工ピン間隔ds は、最大使用磁場強度Bが 2.5
Tの時の超電導体内の量子化磁束間隔をaf =(2φ/
31/2 B)1/2(式中φ=2.07×10-15)の式から求め、
このaf の数値を (1)式に当てはめて算定した。次に人
工ピンの占積率λとNbTiフィラメントの直径を (2)
式を満足するように設定した。製造工程中α−Ti相を
析出させる時効熱処理は一切行わなかった。従って伸線
加工中断線することはなかった。得られたNbTi超電
導線について、種々の磁場下でピン力密度Fp を測定し
た。比較の為、人工ピン数が多く (1)式が成立しなかっ
たNbTi超電導線及び人工ピンを導入しない従来品に
ついても同様の測定を行った。結果を図5に示した。又
各超電導線の仕様を表3に示した。
【0019】
【表3】
【0020】図5より明らかなように、本発明例品(No
15)は、磁場強度が 2.5Tの時に、Fp は最大となり、
その時のFp は、14.7GN/m3 と大きい値であった。
これに対し、比較例のNo16は人工ピンの占積率が高すぎ
て(1) 式を満足せず、その時のFp は 6.4GN/m3 と
低い値であった。これは人工ピンを複合しない従来のN
bTi超電導線に近い特性であった。
15)は、磁場強度が 2.5Tの時に、Fp は最大となり、
その時のFp は、14.7GN/m3 と大きい値であった。
これに対し、比較例のNo16は人工ピンの占積率が高すぎ
て(1) 式を満足せず、その時のFp は 6.4GN/m3 と
低い値であった。これは人工ピンを複合しない従来のN
bTi超電導線に近い特性であった。
【0021】
【効果】以上述べたように、本発明のパルス又は交流用
NbTi超電導線は、NbTiフィラメントの径df 、
前記フィラメント中の人工ピンの占積率λ、隣接する人
工ピンの間隔ds がそれぞれ所定の条件を満足するよう
適正に構成されたものなので、最大使用磁場で最高の超
電導特性が得られ、工業上顕著な効果を奏する。
NbTi超電導線は、NbTiフィラメントの径df 、
前記フィラメント中の人工ピンの占積率λ、隣接する人
工ピンの間隔ds がそれぞれ所定の条件を満足するよう
適正に構成されたものなので、最大使用磁場で最高の超
電導特性が得られ、工業上顕著な効果を奏する。
【図1】本発明のNbTi超電導線の製造工程の実施例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図2】本発明のNbTi超電導線の実施例を示すJc
−B関係図である。
−B関係図である。
【図3】本発明のNbTi超電導線の実施例を示すaf
−ds 関係図である。
−ds 関係図である。
【図4】本発明のNbTi超電導線の実施例を示すBc2
−df 関係図である。
−df 関係図である。
【図5】本発明のNbTi超電導線の実施例を示すFp
−B関係図である。
−B関係図である。
1 NbTiインゴット 2 縦孔 3 Nb棒 4 CuNi合金管 5 一次ビレット 6 一次線材 7 二次ビレット 8 二次線材 9 三次ビレット
Claims (1)
- 【請求項1】 銅又は銅合金マトリックス中にNbTi
フィラメントが埋込まれ、前記NbTiフィラメント内
に複数の線状人工ピンが長手方向に複合されたパルス又
は交流用NbTi超電導線において、前記NbTiフィ
ラメントの直径df と人工ピンの占積率λとの間に下記
(1)式が成立ち、又NbTiフィラメント内の隣接する
人工ピンの間隔ds が下記 (2)式を満足することを特徴
とするパルス又は交流用NbTi超電導線。 k= 3.7df −6λ+9.1 ≧8.2 ─(1) [(af −18.8) /0.16] +20≧ds ≧[(af −18.8) /0.16] −20─(2) ((1) 式中df はフィラメント径の単位μmの数値。
(2) 式中af は最大使用磁場強度Bにおける超電導体内
の量子化磁束間隔でaf =(2φ/31/2 B)1/2の式
で示される。φ=2.07×10-15weber、Bの単位はテスラ
(weber/1018nm2)、af,ds の単位は共にnm。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5180775A JPH0714442A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | パルス又は交流用NbTi超電導線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5180775A JPH0714442A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | パルス又は交流用NbTi超電導線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714442A true JPH0714442A (ja) | 1995-01-17 |
Family
ID=16089115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5180775A Pending JPH0714442A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | パルス又は交流用NbTi超電導線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0714442A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009224054A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Kobe Steel Ltd | NbTi系超電導線材及びその製造方法 |
CN102354579A (zh) * | 2011-09-22 | 2012-02-15 | 西部超导材料科技有限公司 | 一种制备MRI用NbTi超导线的方法 |
CN116487110A (zh) * | 2023-06-21 | 2023-07-25 | 西安聚能超导线材科技有限公司 | 一种高镍含量的NbTi超导开关线及其制备方法 |
CN116475263A (zh) * | 2023-06-25 | 2023-07-25 | 西安聚能超导线材科技有限公司 | 一种分布式人工钉扎NbTi超导线材的制备方法 |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP5180775A patent/JPH0714442A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009224054A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Kobe Steel Ltd | NbTi系超電導線材及びその製造方法 |
CN102354579A (zh) * | 2011-09-22 | 2012-02-15 | 西部超导材料科技有限公司 | 一种制备MRI用NbTi超导线的方法 |
CN116487110A (zh) * | 2023-06-21 | 2023-07-25 | 西安聚能超导线材科技有限公司 | 一种高镍含量的NbTi超导开关线及其制备方法 |
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