JPH07144222A - 内壁に溝を備えた金属管の製造方法 - Google Patents
内壁に溝を備えた金属管の製造方法Info
- Publication number
- JPH07144222A JPH07144222A JP31899793A JP31899793A JPH07144222A JP H07144222 A JPH07144222 A JP H07144222A JP 31899793 A JP31899793 A JP 31899793A JP 31899793 A JP31899793 A JP 31899793A JP H07144222 A JPH07144222 A JP H07144222A
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- Japan
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- groove
- etching
- grooves
- tube
- pipe
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 微細な形状の溝を内壁に備えた金属管を提供
する。 【構成】 金属製平板体1の少なくとも一方の面にエッ
チング処理による溝3を形成する工程と、その溝3が施
された面を内側に向けてこの金属製平板体1を中空状態
に湾曲する工程と、湾曲した前記金属製平板体1の縁部
と縁部とを接合させる工程とにより管を製造する。
する。 【構成】 金属製平板体1の少なくとも一方の面にエッ
チング処理による溝3を形成する工程と、その溝3が施
された面を内側に向けてこの金属製平板体1を中空状態
に湾曲する工程と、湾曲した前記金属製平板体1の縁部
と縁部とを接合させる工程とにより管を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内壁に溝を備えた金
属管の製造方法に関するものである。
属管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内壁に溝を備えた管の製造法の一例とし
てマンドレルを使用した引き抜き法が知られている。こ
れは、素材である金属管の内部に、溝用の突条を外周部
に設けたマンドレルを挿入するとともに、その金属管の
外周側をダイスによって規制し、この状態で金属管を引
き抜くことにより、前記突条を金属管の内面に食い込ま
せて、長手方向に沿う溝を形成する方法である。
てマンドレルを使用した引き抜き法が知られている。こ
れは、素材である金属管の内部に、溝用の突条を外周部
に設けたマンドレルを挿入するとともに、その金属管の
外周側をダイスによって規制し、この状態で金属管を引
き抜くことにより、前記突条を金属管の内面に食い込ま
せて、長手方向に沿う溝を形成する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法で、金属
管の内面に溝を形成するためには、マンドレルをシャフ
ト等の機械的な手段で金属管の中心軸上に支持しておく
必要があるから、加工可能な金属管の長さが、マンドレ
ルを支持する手段の長さによって制約される不都合があ
る。また、この種の加工法は、金属管の内面に塑性変形
を生じさせて溝を形成する方法であるから、極細の溝を
形成するには不向きであり、例えば、溝をウイックとす
るヒートパイプ用コンテナの製造には適さないなどの不
都合もある。
管の内面に溝を形成するためには、マンドレルをシャフ
ト等の機械的な手段で金属管の中心軸上に支持しておく
必要があるから、加工可能な金属管の長さが、マンドレ
ルを支持する手段の長さによって制約される不都合があ
る。また、この種の加工法は、金属管の内面に塑性変形
を生じさせて溝を形成する方法であるから、極細の溝を
形成するには不向きであり、例えば、溝をウイックとす
るヒートパイプ用コンテナの製造には適さないなどの不
都合もある。
【0004】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたもので、長さの制約を受けることなく、また、細溝
の形成にも好適な内壁に溝を備えた管の製造方法を提供
することを目的とするものである。
れたもので、長さの制約を受けることなく、また、細溝
の形成にも好適な内壁に溝を備えた管の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、金属製平板体の少なくとも一方の面
にエッチング処理による溝を形成する工程と、その溝が
施された面を内側に向けてこの金属製平板体を中空状態
に湾曲する工程と、湾曲した前記金属製平板体の縁部と
縁部とを接合させる工程とからなることを特徴とするも
のである。
を達成するために、金属製平板体の少なくとも一方の面
にエッチング処理による溝を形成する工程と、その溝が
施された面を内側に向けてこの金属製平板体を中空状態
に湾曲する工程と、湾曲した前記金属製平板体の縁部と
縁部とを接合させる工程とからなることを特徴とするも
のである。
【0006】
【作用】この発明においては、素材として金属平板もし
くはコイルが用意され、最初の工程では、金属平板の少
なくとも一方の面にエッチング処理により溝を形成す
る。このエッチング処理としては溝形成箇所以外の部分
に耐薬品性の被膜によるマスキングを施した後に、腐食
液に浸し、マスキングの施されていない箇所を腐食させ
ることにより行なわれる。また常法に準じ、水洗や乾燥
などの処理が行なわれる。つぎの工程において、エッチ
ング処理により溝が形成された面を内側に向けて管状に
湾曲させる。さらにつぎの工程で、その湾曲した金属平
板の両縁部を互いに突き合わせた状態で溶接等により接
合して、内壁に溝を備えた金属管を製造する。
くはコイルが用意され、最初の工程では、金属平板の少
なくとも一方の面にエッチング処理により溝を形成す
る。このエッチング処理としては溝形成箇所以外の部分
に耐薬品性の被膜によるマスキングを施した後に、腐食
液に浸し、マスキングの施されていない箇所を腐食させ
ることにより行なわれる。また常法に準じ、水洗や乾燥
などの処理が行なわれる。つぎの工程において、エッチ
ング処理により溝が形成された面を内側に向けて管状に
湾曲させる。さらにつぎの工程で、その湾曲した金属平
板の両縁部を互いに突き合わせた状態で溶接等により接
合して、内壁に溝を備えた金属管を製造する。
【0007】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。まず、素材である金属平板体としては例えば
銅板(もしくはコイル)1を用意し、図1および図2に
示すように、その一方の面すなわちパイプ状に加工した
際に内面となる面2に、エッチング処理を施して多数条
の溝3を形成する。このエッチング法としては、例えば
けがき−剥離法を採用できる。銅板1の溝3を形成する
面にアルカリ溶液などによる脱脂・洗浄を行なうととも
に水洗してアルカリ溶液を除去し、ついでその表面に例
えば合成樹脂製のマスカント剤(耐薬品被膜剤)を均一
に付着させる。そのマスカント剤のうち形成すべき溝に
相当する箇所を、細い線状にけがいて部分的に剥離す
る。さらにマスカント剤を付着させた面を、硝酸などの
腐食液に接触させ、マスカント剤を線状に剥離させた地
金の部分を腐食させる。このようにして腐食が進行する
ことにより、銅板1の表面には細い溝3が形成され、あ
る程度腐食が進行した時点で、銅板1を水洗することに
より腐食液を除去する。なお、その後、必要に応じて乾
燥処理などを行なう。
説明する。まず、素材である金属平板体としては例えば
銅板(もしくはコイル)1を用意し、図1および図2に
示すように、その一方の面すなわちパイプ状に加工した
際に内面となる面2に、エッチング処理を施して多数条
の溝3を形成する。このエッチング法としては、例えば
けがき−剥離法を採用できる。銅板1の溝3を形成する
面にアルカリ溶液などによる脱脂・洗浄を行なうととも
に水洗してアルカリ溶液を除去し、ついでその表面に例
えば合成樹脂製のマスカント剤(耐薬品被膜剤)を均一
に付着させる。そのマスカント剤のうち形成すべき溝に
相当する箇所を、細い線状にけがいて部分的に剥離す
る。さらにマスカント剤を付着させた面を、硝酸などの
腐食液に接触させ、マスカント剤を線状に剥離させた地
金の部分を腐食させる。このようにして腐食が進行する
ことにより、銅板1の表面には細い溝3が形成され、あ
る程度腐食が進行した時点で、銅板1を水洗することに
より腐食液を除去する。なお、その後、必要に応じて乾
燥処理などを行なう。
【0008】溝3を上記のようにして形成した銅板1を
次工程に送ってパイプに加工する。これは具体的には図
3に示すように溝3を形成した面が内側となるように銅
板1の両端部を次第に湾曲させ、最終的には、両端部を
突き合わせ、円形断面に加工する。なお、このような曲
げ加工は、銅板1を長手方向に送りつつ複数のロールに
よって変形力を与えることにより行なうことができる。
また、このような加工を行なった場合、溝3の開口端が
パイプの内側になるから、溝3は図3に示すようにその
開口端の幅が狭いものとなる。
次工程に送ってパイプに加工する。これは具体的には図
3に示すように溝3を形成した面が内側となるように銅
板1の両端部を次第に湾曲させ、最終的には、両端部を
突き合わせ、円形断面に加工する。なお、このような曲
げ加工は、銅板1を長手方向に送りつつ複数のロールに
よって変形力を与えることにより行なうことができる。
また、このような加工を行なった場合、溝3の開口端が
パイプの内側になるから、溝3は図3に示すようにその
開口端の幅が狭いものとなる。
【0009】そして、円形断面に曲げ加工されることに
より互いに突き合わされた銅板1の両側縁部を、図4に
示すように溶接(シーム溶接)などによって接合する。
より互いに突き合わされた銅板1の両側縁部を、図4に
示すように溶接(シーム溶接)などによって接合する。
【0010】したがって、上述した各工程での作業は、
銅板1を長手方向に連続的に送りつつ実行できるもので
あるから、銅板1の長さに特別な制約を受けない。ま
た、上記のように形成されたパイプ内面の溝3は、エッ
チングによるものであるために極細溝とすることがで
き、また、曲げ加工時の開口端が小さくなるから、例え
ば溝ウィックつきのヒートパイプのコンテナとして使用
すれば、実効毛細管半径が小さくなり、毛細管圧力およ
び伝熱能力に優れたヒートパイプを得ることができる。
銅板1を長手方向に連続的に送りつつ実行できるもので
あるから、銅板1の長さに特別な制約を受けない。ま
た、上記のように形成されたパイプ内面の溝3は、エッ
チングによるものであるために極細溝とすることがで
き、また、曲げ加工時の開口端が小さくなるから、例え
ば溝ウィックつきのヒートパイプのコンテナとして使用
すれば、実効毛細管半径が小さくなり、毛細管圧力およ
び伝熱能力に優れたヒートパイプを得ることができる。
【0011】図5はこの発明の第二実施例を概略的に示
す図である。前記の実施例では、内面のみに溝を備えた
金属管を製造したが、この第二実施例では、管の外面に
も溝を備えた金属管を製造するものである。なお、前記
第一実施例と同一の構成部分には同一の符号を付す。ま
た、各製造工程の詳細な説明を省略する。
す図である。前記の実施例では、内面のみに溝を備えた
金属管を製造したが、この第二実施例では、管の外面に
も溝を備えた金属管を製造するものである。なお、前記
第一実施例と同一の構成部分には同一の符号を付す。ま
た、各製造工程の詳細な説明を省略する。
【0012】まず、銅板1などの金属平板体の両面にエ
ッチング処理を施して多数状の溝3,4を形成する。
ッチング処理を施して多数状の溝3,4を形成する。
【0013】つぎに、例えば複数のロールなどにより変
形力を与えて、銅板1の両端部を次第に湾曲させて円形
断面に加工する。パイプ状に加工した場合に内面となる
面2に形成された溝3の開口端は狭いものとなり、外面
となる面5に形成された溝4の開口端は広いものとな
る。
形力を与えて、銅板1の両端部を次第に湾曲させて円形
断面に加工する。パイプ状に加工した場合に内面となる
面2に形成された溝3の開口端は狭いものとなり、外面
となる面5に形成された溝4の開口端は広いものとな
る。
【0014】そして最終的に完全な円形断面に加工され
ることにより、互いに突き合わされた銅板1の両縁部
を、シーム溶接などによって接合する。
ることにより、互いに突き合わされた銅板1の両縁部
を、シーム溶接などによって接合する。
【0015】上記のように形成されたパイプ内面には、
開口端の小さい溝が形成されるとともに、そのパイプの
外面の表面積が大きくなるから、例えば溝ウイックつき
のヒートパイプのコンテナとして使用すれば、毛細管圧
力ならびに伝熱能力に優れ、さらに放吸熱能力に富んだ
ヒートパイプとすることができる。
開口端の小さい溝が形成されるとともに、そのパイプの
外面の表面積が大きくなるから、例えば溝ウイックつき
のヒートパイプのコンテナとして使用すれば、毛細管圧
力ならびに伝熱能力に優れ、さらに放吸熱能力に富んだ
ヒートパイプとすることができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、金属製平板体の少なくとも一方の面にエッチング処
理による溝を形成する工程と、その溝が施された面を内
側に向けてこの金属製平板体を中空状態に湾曲する工程
と、湾曲した前記金属製平板体の縁部と縁部とを接合さ
せる工程とを経て管を製造できるから、長尺の溝つき管
を容易に製造することができ、また、幅の狭い極細溝を
も容易に加工でき、ひいてはヒートパイプ用コンテナに
適した溝つき管を効率良く製造することができるなどの
効果を奏する。
ば、金属製平板体の少なくとも一方の面にエッチング処
理による溝を形成する工程と、その溝が施された面を内
側に向けてこの金属製平板体を中空状態に湾曲する工程
と、湾曲した前記金属製平板体の縁部と縁部とを接合さ
せる工程とを経て管を製造できるから、長尺の溝つき管
を容易に製造することができ、また、幅の狭い極細溝を
も容易に加工でき、ひいてはヒートパイプ用コンテナに
適した溝つき管を効率良く製造することができるなどの
効果を奏する。
【図1】エッチング処理により溝が形成された銅板を示
す概略図である。
す概略図である。
【図2】図2は図1のII−II線の断面図である。
【図3】曲げ加工により両縁部が湾曲した銅板を示す概
略図である。
略図である。
【図4】両縁部が結合され銅板を示す概略図である。
【図5】この考案の第二実施例を示す図である。
1…銅板、 3…溝、 4…溝。
フロントページの続き (72)発明者 益子 耕一 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 斎藤 祐士 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 小野 幹幸 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内
Claims (1)
- 【請求項1】 金属製平板体の少なくとも一方の面にエ
ッチング処理による溝を形成する工程と、その溝が施さ
れた面を内側に向けてこの金属製平板体を中空状態に湾
曲する工程と、湾曲した前記金属製平板体の縁部と縁部
とを接合させる工程とからなることを特徴とする内壁に
溝を備えた金属管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31899793A JPH07144222A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 内壁に溝を備えた金属管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31899793A JPH07144222A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 内壁に溝を備えた金属管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07144222A true JPH07144222A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=18105348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31899793A Pending JPH07144222A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 内壁に溝を備えた金属管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07144222A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1094826A (ja) * | 1996-09-24 | 1998-04-14 | Denso Corp | 管の製造方法 |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP31899793A patent/JPH07144222A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1094826A (ja) * | 1996-09-24 | 1998-04-14 | Denso Corp | 管の製造方法 |
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