JPH07144194A - 除銀装置 - Google Patents

除銀装置

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JPH07144194A
JPH07144194A JP29676893A JP29676893A JPH07144194A JP H07144194 A JPH07144194 A JP H07144194A JP 29676893 A JP29676893 A JP 29676893A JP 29676893 A JP29676893 A JP 29676893A JP H07144194 A JPH07144194 A JP H07144194A
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JP
Japan
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silver
comb
electrode
liquid
fixing
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JP29676893A
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English (en)
Inventor
Takashi Nakamura
敬 中村
Isao Tsuyuki
勇夫 露木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小型に構成でき、しかも銀の析出効率の良い除
銀装置を提供する。 【構成】 定着能を有する処理液の廃液を収容する電解
槽3内に、電圧印加手段17により電圧が印加される一
対の断面くし歯電極5、7を互いの電極板13、15が
間隙を有してかみ合うように配置した除銀装置。陰極5
の支持部材9は電解槽3の上部を密閉し、電極板13は
下方に向けて延びている。更に、前記くし歯電極を振動
させる振動手段29を備えた。前記くし歯電極は基材表
面を導電性の金属箔で被覆してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定着能を有する写真処
理液又はその使用済みの処理液から銀を除去する除銀装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料の定着処理は、感光材料上
の不要な銀を洗い出して除去する処理であり、定着処理
を行ううちに定着液中には感光材料から溶出した銀が蓄
積されて行く。また、定着液や漂白定着液のような定着
能を有する処理液には、ハロゲン化銀の溶解剤である定
着剤が含有されている。定着剤としては、具体的には、
チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)、チオ硫酸アンモニウム
等のチオ硫酸塩などが主に利用されている。
【0003】このため、処理を続ける間に定着能を有す
る処理液中には銀錯塩が蓄積し、定着成分の活性化が低
下する。定着液中の銀イオン蓄積量が多くなると、定着
性能が低下することから、定着液成分を含んだ補充液を
定着槽に補充することにより定着液をオーバーフローさ
せて、処理液性能を一定に維持している。しかし、処理
槽からオーバーフローさせて排出した液をそのまま廃棄
することは、環境汚染の点で好ましくなく、また、定着
能を有する処理液の廃液中には銀錯塩が含まれているこ
とから、銀を廃棄することは経済的にも好ましくない。
そこで、定着廃液から銀を回収して銀を再利用するとと
もに、定着能を有する液を活性化して再生することが行
われている。
【0004】このための装置として、例えば処理後の定
着液を電解して電極に銀を析出させて回収する電解装置
がある。このような電解装置によれば、定着液を陽極と
陰極との間に介在させた状態で、両電極に電圧を印加す
ることにより、定着液中の銀イオンが陰極に析出する。
この結果、定着液中から銀を除去でき、陰極に析出した
銀を陰極から除去することにより銀を回収することがで
きる。この種の電解装置として実用化されているもの
は、円筒形状の回転陰極とこれに対峙した固定陽極を対
として、これらを定着液に浸漬し、両電極に電圧を印加
する構成の装置がある。このような装置として、例え
ば、マツダ化学(株)製MK−3、MK−6、MK−1
0、MK−15、MK−40、BF−12、BF−2
0、BF−40、BF−80や、朝日化学研究所製プラ
タBF40や、ラボ技研(株)製SILVEX−10、
サン精機製作所製BF−50、SP−15などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記電解装置によれ
ば、円筒電極上に銀を析出させて定着液中から銀を除去
することができるが、円筒電極に析出した銀を除去する
には、円筒電極を叩いて銀を脱落させている。したがっ
て、銀を除去するために電極を叩くたびに電極が変形す
るという問題があり、円筒の回転にきしみが生じて処理
液液面に波を生じ、これにより処理液が空気酸化され易
く硫黄の析出等のトラブルの原因にもなるし、また円筒
電極を長期間にわたって使用することができない。
【0006】また、銀析出の効率化のために円筒電極を
回転させる構成であるので、定着液の上方は大きく開い
ており、空気との接触面積が大きい。このため、定着液
中の成分が空気酸化して硫黄化合物となって析出し、装
置が汚れるという問題がある。更に、効率化のために
は、円筒電極の表面積を大きくする必要もあり、すると
円筒電極を大径化したり長尺化するなど、装置が大型に
なり、占有面積も大きくなる。本発明の目的は、上記従
来の問題を解決することにあり、小型に構成でき、しか
も銀の析出効率の良い除銀装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成される。 (1) 含銀写真処理液を収容する電解槽内に、電圧印
加手段により電圧が印加される一対の断面くし歯電極
を、互いのくし歯部が間隙を有してかみ合い、陰極の支
持部材が電解槽上部を密閉しくし歯部が下方に向くよう
に配置し、前記くし歯部の面に沿って処理液を噴出する
液噴出手段を配置したことを特徴とする除銀装置。
【0008】(2) 前記くし歯電極のうち陽極を振動
させる振動手段を備えたことを特徴とする前記(1)に
記載の除銀装置。
【0009】(3) 前記くし歯電極は基材表面を導電
性の金属箔で被覆してなることを特徴とする前記(1)
又は(2)に記載の除銀装置。
【0010】(4) 写真感光材料の自動現像装置であ
って、前記(1)記載の除銀装置を該除銀装置と自動現
像装置との間で定着能を有する処理液を循環可能に一体
に備えるとともに、自動現像装置内の前記処理液中の銀
イオン濃度を検出する銀イオンセンサを設け、銀イオン
センサによる検出信号に基づいて前記電極への電圧印加
を制御する電圧制御手段を備えたことを特徴とする自動
現像装置。
【0011】
【作用】断面くし歯電極を用いることにより、設置面積
当たり又は電解槽の容積当たりの電極の表面積が、従来
の円筒電極に比べて極めて大きくなり、処理効率が上昇
する。ここで、銀イオンが析出する陰極の表面積Sは、
電解槽の全容量Vに対する比率S/Vが、1〜100c
-1であることが好ましい。S/Vが1より小さいと、
従来と同じ一定能力を出そうとするときに、装置が大型
になってしまい好ましくない。また、S/Vが100を
超えると、装置を構成した際に電極間の間隙が狭くなり
すぎ、設計上困難になるので好ましくない。
【0012】陰極の表面積Sとしては、下式 4×S0 ≦S≦4×L×S00 (cm2 ):電解槽の電極配列方向と直交する側壁
1枚の面積 L:電解槽の電極配列方向の長さの絶対値 の関係にあることが好ましい。具体的には、Sは20c
2 〜105 cm2 が好ましい。電解槽の容積Vは0.
02リットル〜100リットルが好ましく、1リットル
〜50リットルがより好ましい。電極が断面くし歯状構
成であれば、上記比率の範囲内で電極面積を設定でき
る。
【0013】また、くし歯面に沿って処理液を噴出して
ジェット噴流を生じさせる液噴出手段を有することによ
り、電極面での液交換が効率良く行われ、電解効率が上
昇する。ジェット噴流は、陰極面での液速度が1cm/
秒以上、好ましくは2cm/秒以上、更に好ましくは3
cm/秒以上である。陰極と陽極との極間距離が短い
と、この部分に流す液は少なくてすみ、このことから極
間距離は1cm以内が好ましい。極間距離が例えば1c
mのときは、流量は60ml/分より多いことが好まし
い。極間距離が例えば3mmのときは、流量は20ml
/分以上であればよい。
【0014】くし歯の延びる方向は鉛直方向でも水平方
向でも他の方向でもよいが、鉛直方向に延びる構成とす
ることにより、電極の浸漬作業が簡単になる。また、鉛
直方向に延びる構成であると、一方の電極に蓋機能を持
たせて液面を覆うことができる。これにより、処理液の
酸化を防止することができ、硫化物の析出を防止又は低
減することができる。また、銀除去の作業もやり易い。
【0015】処理液の噴流方向は、くし歯の基部から先
端部に向かう方向や、くし歯の幅方向に沿った方向や、
これら以外の他の方向でもよいが、陰極面では析出した
銀を除去する作業があるため、陰極を上下方向へ移動し
易い配置がよく、噴流方向はくし歯の基部から先端部に
向かう方向がよい。これらの噴流の方向は電極面と平行
な方向でも、又は噴流が電極に斜めに当たる方向でもよ
い。
【0016】電極は振動付与手段により振動すること
が、液攪拌のために好ましい。振動する電極は、陰極又
は陽極のいずれでもよく、両方でもよい。しかし、銀除
去時の陰極の取り出し易さ、装置設計のし易さなどか
ら、陽極を振動させる構成の方が好ましい。振動周波数
は1サイクル/分〜1000サイクル/分、好ましくは
60サイクル/分〜600サイクル/分、振幅は0.3
cm〜30cmが好ましく、電極の振動方向長さの1%
〜30%が好ましい。振動方向は、電解槽に対しては上
下方向又は水平方向のいずれでもよく、電極面に対して
は電極面に沿った方向又は電極面に直交する方向のいず
れでもよい。
【0017】電極の材質としては、陰極はアルミニウ
ム、ステンレス、亜鉛、銀、白金、チタン、銅、鉛、ニ
ッケル等を用いることができ、この中でも特にステンレ
スが好ましい。陽極はコールタールピッチ、木炭、アク
リロニトリル、セルロース等の各種原料から作られたカ
ーボンを使用することができる。その他、金属、人造黒
鉛、二酸化鉛電極等を使用できる。これらとしては、東
海カーボン、大日本インキ化学、大阪ガス、Union Carb
ide 、Siebe German、Charcoal Cloth Co.、東洋紡績、
東邦レーヨン、ペルメレック電極、東邦ベスロン、クラ
レケミカル、旭化成などの各社から販売されているもの
を用いることができる。
【0018】また、電極は金属板に限らず、樹脂性の板
を金属箔で覆って電極を構成してもよい。箔として用い
る金属は、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銀等があ
る。これらの金属を、ポリエステル、ポリプロピレン等
からなる支持体の表面に蒸着させ、支持体裏面に接着剤
を塗布して、金属箔を構成する。市販されている金属箔
としては、住友スリーエム(株)製アルミテープ(カタ
ログナンバーKAL−50)、ニトムズ(株)製肉厚ア
ルミテープ(品番M203)、軟質アルミテープ(品番
M516)、日東電工(株)製アルミテープ;ステンレ
ステープ等を用いることができる。
【0019】本発明の対象とする含銀写真処理液とは、
現像装置の定着槽、漂白定着槽などからのオーバーフロ
ー液などであり、このような液は本発明により除銀した
後、排出することもできるし、また必要な再生剤を加え
て再生し、再び感光材料の処理に利用してもよい。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。図1は除銀装置の内部を表す一部切欠斜視
図、図2は除銀装置の断面図である。定着能を有する処
理液の廃液中には銀イオンが含まれており、この除銀装
置はこのような含銀写真処理液中から銀イオンを除去す
るものである。
【0021】除銀装置1は、含銀写真処理液(以下、単
に「処理液」という。)を収容する電解槽3内に、一対
の断面くし歯形状の電極(以下、くし歯電極という)
5、7を備えている。くし歯電極5、7は電極自身が断
面くし歯形状であってもよいが、図示のように支持板
9、11に電極板13、15を並列に固着して断面くし
歯構成としてもよい。一対のくし歯電極5、7は、互い
の電極板13、15が間隙をもってかみ合うように対向
し、電極面が鉛直方向に平行に配置され、電源17によ
り電圧が印加される。上方のくし歯電極5の電極板13
の取付基部近傍には、電解槽3内の処理液をポンプ19
により循環して噴出する処理液噴出部材21が設けられ
ている。処理液噴出部材21は、電極面に沿って処理液
を噴出してジェット噴流を生じさせるための噴出孔23
が多数形成されている。
【0022】処理液は上方のくし歯電極5の支持板9に
接する水位で収容され、液面のほぼ全域はこの支持板9
で被覆されるようになっている。なお、支持板9は電解
槽3内に向けて窪んだ凹形状であり、液面にある程度の
変動があっても液面を被覆できるようになっている。定
着能を有する処理液の廃液は亜硫酸イオンやチオ硫酸イ
オンを含んでいるので、これが空気と接触することによ
り硫化物が生成されるが、処理液の液面が支持板9で被
覆されることから、亜硫酸イオンやチオ硫酸イオンの空
気酸化による硫化物の生成を極力防止できる。
【0023】下方のくし歯電極7の支持板11は、処理
液が支持板下に流通可能に孔25が形成されている。ま
た、下方の支持板11は基台27に設けた起振機構29
と接続され、この起振機構29により上下方向に振動さ
れるようになっている。起振機構29は、支持板11に
固定したリンク31と、このリンク31に回動可能に固
定した偏心カム33と、この偏心カム33を駆動するモ
ータ35とからなる。リンク31が電解槽3と基台27
とにわたって摺動するための案内部は、シール部材37
により液密に構成されている。
【0024】下方のくし歯電極7の上下振動と、液噴出
部材21によるジェット流により電解槽3内の処理液は
良好に攪拌され、電極面での液交換が効率良く行われ
る。電極板13、15は板状であるが、金属板でなくて
もよく、図3に示すように、プラスチック樹脂製の板3
9の表面を金属箔41で被覆接着して構成したものが好
ましく用いられる。金属箔41を陰極として用いること
により、銀は金属箔41に析出し、金属箔41を剥離し
て交換することにより銀を容易に回収することができ
る。更に陰極は、図3とは異なり、陽極に対向する部分
のみ金属箔テープを貼付する構成でもよい。この場合、
市販の金属テープを貼付する構成でもよい。このように
構成すると、銀析出後にテープを剥がして銀を回収すれ
ば操作が簡単となる。
【0025】一対のくし歯電極5、7に電圧を印加する
と、陰極面では銀イオンに電子が与えられて銀が析出す
る。この銀を容易に回収するために、上方に設置したく
し歯電極5を陰極として、下方に設置したくし歯電極7
を陽極として電圧を印加するのが好ましい。
【0026】次に、上記構成による作用を説明する。電
解槽3内には、定着能を有する処理液(定着液、漂白定
着液、水洗水等)の処理後の処理液が収容される。処理
液は電解槽3の底部からポンプ19の作用で外部に導出
された後、液噴出部材21からジェット流として噴出さ
れ、電解槽3内を循環される。一対のくし歯電極5、7
に電圧を印加すると、陰極13では銀イオンに電子が付
与されて、陰極13に銀が析出する。処理液は陰極13
の基部から先端に向かって流れており、この流動過程で
処理液中の銀イオンが陰極13に析出して処理液から銀
が除去される。陰極13と陽極15との間を通過する処
理液は、移動に従って徐々に銀を除去されるが、一回の
通過だけでは完全に銀が除去されなくても、ポンプ19
により所定時間循環されて高頻度で陰極13と接するこ
とにより、効率良く銀が除去される。
【0027】また、液噴出手段21によるジェット流
と、起振機構29による振動との作用で、電解槽3内の
処理液は効率良く攪拌され、単位時間当たりに陰極13
と接する処理液の量が極めて多くなる。しかも、処理液
は陰極13の面に沿って流れることから陰極13と接す
る時間が長くなり、短時間の電解処理でも銀の析出効率
が高くなる。
【0028】所定電流量を所定時間印加することによ
り、処理液中の銀イオンは除去される。銀イオンを除去
された処理液は、他の処理を施されて廃棄されるか、あ
るいは自動現像装置の定着能を有する処理液中に回収さ
れて再利用される。上記構成の除銀装置1は、自動現像
装置から処理済の所定の処理液が生じたときに、これを
電解して銀を回収するものであるが、上記除銀装置1は
自動現像装置と一体化して設けることができる。
【0029】図4は除銀装置1を自動現像装置43に一
体に接続した構成の模式図である。除銀装置1を自動現
像装置43と一体化して連動させる構成によると、定着
能を有する処理液中の銀イオン濃度を一定値以下に維持
することができ、この結果、銀イオン濃度の増加による
定着能力の低下を防止でき、定着能力を一定に維持する
ことができる。このために、定着能を有する処理液の槽
には、銀イオン濃度を検出する銀イオンセンサが設置さ
れる。
【0030】図示の自動現像装置43は、カラーネガフ
ィルムSの現像処理を行うものであり、発色現像槽4
5、漂白槽46、リンス槽47、定着槽49、第1リン
ス槽51、第2リンス槽51、安定化槽55を備えてお
り、銀イオンセンサ57は定着槽49に設置されてい
る。そして、定着槽49内の定着液は、除銀装置1の電
解槽3に供給され、電解槽3内で脱銀処理された定着液
は定着槽49に供給されるように、自動現像装置43と
除銀装置1とが配管されている。
【0031】銀イオンセンサ57は、定着液中のチオ硫
酸銀イオンに由来する電位を検出するものであり、先端
部に、硫化銀電極59と塩化銀標準電極61とを有す
る。そして、両電極59、61が定着液と接することに
よって、チオ硫酸銀イオンに由来する電位を銀イオン濃
度として検出する。コントローラ63はこの電位信号に
基づいて、電解槽3内のくし歯電極5、7への通電時期
や通電量をコントロールする。
【0032】定着槽49内の定着液中の銀イオン濃度
は、良好な処理を保証するためには所定範囲に維持され
る必要がある。そこで電解制御としては、例えば、許容
される銀イオン濃度に由来する電位の上限値と下限値と
を設定しておき、銀イオン濃度に由来する電位がこの上
限値に達したら電解を行い、下限値に達したら電解を中
断する。これにより、定着液中の銀イオン濃度を所定範
囲に維持することができ、銀イオンの増加による定着能
力低下を防止することができる。
【0033】制御のフローチャートを図5に示す。銀イ
オンセンサ57により定着液中の銀イオン濃度に由来す
る電位を検出し、この電位が設定した許容範囲の上限値
に達すると(S1)、電極5、7へ通電を開始して電解
処理を行う(S3)。電解を行うに従って銀が除去され
て銀イオン濃度に由来する電位も低下する。過度に電解
を行うと、銀を除去するばかりでなく、処理に必要な成
分までも分解してしまうことから、銀イオン濃度が所定
量未満のときには電解を行わないことが好ましい。そこ
で、銀イオン濃度に由来する電位が所定の下限値に達す
ると(S5)電解処理を終了する。
【0034】自動現像装置内の定着能を有する処理的が
低補充量でも適性に機能するように設定されている場
合、蓄積する銀イオン濃度がわずかに増加しても定着性
能が大きく変動するので、銀イオン濃度が許容範囲を超
えないように、銀イオン濃度を高精度で維持する必要が
ある。
【0035】実施例1 感光材料:特開平5−80452号公報の実施例1の撮
影用カラーネガフィルムである試料102を使用。 処方及び処理工程:特開平5−80452号公報の実施
例1の処理処方及び下記処理工程を用いた。 工程 処理時間 処理温度 発色現像 3分15秒 38℃ 漂 白 6分30秒 38℃ 水 洗 2分10秒 24℃ 定 着 4分20秒 38℃ 水洗(1) 1分05秒 24℃ 水洗(2) 1分00秒 24℃ 安 定 1分05秒 38℃ 乾 燥 4分20秒 55℃
【0036】(処理A)比較例 試料102を上記処理工程と処方に従い処理したとこ
ろ、安定した写真性能が得られた。
【0037】(処理B)本発明 図4に示す電解槽1を定着槽49に設置し、銀イオンセ
ンサを省略した構成の装置を用いた。 振動式陽極:東海マテリアル製カーボン板(幅150m
m、高さ220mm、厚さ10mmの大きさ)、導電率
800μΩcm、圧縮力250kg/cm2 、密度d=
1.75g/cm3 、3枚、振動周波数60サイクル/
分、振幅2cm 固定陰極:SUS316板(幅150mm、高さ220
mm、厚さ2mm)、2枚。 ジェット流速:イワキ製の現像処理用ポンプMD20を
使用して9リットル/分(12cm/秒)の流量 電流密度:300mA/dm2 (陰極面積12dm2
たり1.3V、3.6A)で2時間処理 処理済の処理液:6.5リットル、銀濃度6.27g/
リットル
【0038】この構成の処理装置で、定着液の補充量を
従来の1/3にして(35mm幅1m当たり5ml)ラ
ンニング処理した。東洋濾紙(株)製銀チェック紙で定
着液中の銀イオン濃度をチェックしながら電解を行った
ところ、何のトラブルもなく写真性能を維持できた。電
解終了後の銀濃度は1.93g/リットルであった。
【0039】しかし、電解をするときは30分ごとに一
回ずつ銀チェック紙で銀イオン濃度をチェックしない
と、ステインの上昇や、脱銀不良の発生により写真性能
を維持できなかった。これは、定着液の補充量が従来よ
り少ないため、少しでも定着液中に銀がたまると定着性
能が低下し脱銀不良を起こしやすいからである。また、
定着液中の銀を少なくしようとすると、場合によっては
銀がないときにも電解を行うことがあり、このときは銀
の代わりにチオ硫酸根が分解され、ステインの上昇を起
こすからである。
【0040】したがって、ステインの上昇や脱銀不良を
防止するには、高頻度で銀イオン濃度をマニュアルチェ
ックする必要があり、このチェック作業が大変であっ
た。また、電解槽に硫化物の析出や沈殿はなく、電解槽
が汚れなかった。
【0041】(処理C)本発明 処理Bの処理装置に銀イオンセンサを設置して電位をコ
ントロールした以外は、処理Bと同様に処理した。電解
制御の基準となる銀電位の上限値は−400mV、下限
値は−490mV。
【0042】この処理によれば、銀チェック紙によるマ
ニュアルチェックが不要であり、何ら手間をかけずに写
真性能を維持できた。このような高能力の電解装置で、
しかも低補充用の処理液を用いるときには、銀イオンセ
ンサを組み込むと人手をかけずに安定した写真性能が得
られる。銀電位を−400mV〜−480mVに維持管
理できると、定着液の補充量は1/5まで低減できた
(35mm幅1m当たり3ml)。
【0043】(処理D)比較例 処理(B)において、くし歯電極を備えた電解槽の代わ
りに従来の円筒電極を備えた電解槽を用いて処理した。
電解槽の大きさを幅24cm、奥行き24cm、高さ2
4cm(容積13824cm3 )と等しくすると、従来
の円筒電極としては直径20cm、高さ20cmの大き
さのものを用いることになり、この処理液と接する面積
は1257cm 2 である。これに対し、処理(B)で用
いたくし歯電極を用いると、縦20cm、横20cmの
矩形電極を8枚設置することができ、これらが処理液と
接する面積は6400cm2 である。したがって、単位
面積当たり同じ条件で通電すると、従来の装置による処
理(D)は本発明による処理(B)の1/5以下の能力
しかなく、本発明は従来技術に比べて銀回収率が極めて
高いことが分かる。また、処理(D)で処理(B)と同
じ銀回収率を得ようとするには、円筒電極が処理液と接
する面積を5倍にして6400cm2 にする必要があ
り、このためには、円筒電極が極めて大型化する。した
がって、本発明は小型でありながら効率良く銀を回収で
きることが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、間隙を有してかみ合う
一対のくし歯電極を含銀写真処理液を収容する電解槽内
に配置し、電極面に沿って処理液を噴出する噴出手段を
設けた構成により、設置面積当たり又は電解槽の容積当
たりの電極の表面積が従来に比べて極めて大きくなり、
また単位時間当たりの銀の析出効率が向上し、処理効率
が大幅に上昇する。
【図面の簡単な説明】
【図1】除銀装置の内部を表す一部切欠斜視図である。
【図2】除銀装置の断面図である。
【図3】電極の一部切欠斜視図である。
【図4】除銀装置を一体に備えた自動現像装置の模式図
である。
【図5】通電制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 除銀装置 3 電解槽 5、7 くし歯電極 9、11 支持部材 13、15 電極板 17 電源 19 ポンプ 21 液噴出部材 23 噴出孔 25 孔 29 起振機構 31 リンク 33 偏心カム 35 モータ 37 シール部材 39 プラスチック樹脂製の板 41 金属箔 43 自動現像装置 45 発色現像槽 46 漂白槽 47 リンス槽 49 定着槽 51 第1リンス槽 53 第2リンス槽 55 安定化槽 57 銀イオンセンサ 59 硫化銀電極 61 塩化銀標準電極 63 コントローラ S カラーネガフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03D 3/00 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含銀写真処理液を収容する電解槽内に、 電圧印加手段により電圧が印加される一対の断面くし歯
    電極を、互いのくし歯部が間隙を有してかみ合い、陰極
    の支持部材が電解槽上部を密閉しくし歯部が下方に向く
    ように配置し、 前記くし歯部の面に沿って処理液を噴出する液噴出手段
    を配置したことを特徴とする除銀装置。
  2. 【請求項2】 前記くし歯電極のうち陽極を振動させる
    振動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の除
    銀装置。
  3. 【請求項3】 前記くし歯陰極は基材表面を導電性の金
    属箔で被覆してなることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の除銀装置。
  4. 【請求項4】 写真感光材料の自動現像装置であって、
    請求項1記載の除銀装置を該除銀装置と自動現像装置と
    の間で定着能を有する処理液を循環可能に一体に備える
    とともに、 自動現像装置内の前記処理液中の銀イオン濃度を検出す
    る銀イオンセンサを設け、銀イオンセンサによる検出信
    号に基づいて前記電極への電圧印加を制御する電圧制御
    手段を備えたことを特徴とする自動現像装置。
JP29676893A 1993-11-26 1993-11-26 除銀装置 Pending JPH07144194A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101369647B1 (ko) * 2011-12-09 2014-03-04 (주)엔바이로솔루션 연속식 전해 하폐수 처리 및 산화 장치

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