JPH07144190A - 湿式塗装室、該装置用塗料スラッジ捕集装置、および これらを用いた塗料ミスト捕集システム - Google Patents

湿式塗装室、該装置用塗料スラッジ捕集装置、および これらを用いた塗料ミスト捕集システム

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JPH07144190A
JPH07144190A JP33992393A JP33992393A JPH07144190A JP H07144190 A JPH07144190 A JP H07144190A JP 33992393 A JP33992393 A JP 33992393A JP 33992393 A JP33992393 A JP 33992393A JP H07144190 A JPH07144190 A JP H07144190A
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tank
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国男 三須
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湿式塗装室の水槽に貯留される水に塗料スラ
ッジを分散させ、これを外部の塗料スラッジ捕集装置に
導いて水を浄化し、水槽内に還流させる構成において、
塗料スラッジの分散効果を高め、塗料スラッジ分散水が
効率よく遠心装置に移送されるようにする。 【構成】 塗料スラッジ捕集装置10からのリターン用
配管23の塗装室側端部23Eを水槽1に貯留される水
の水面付近に位置させ、かつリターン水が水面にそのま
ま衝突するよう姿勢を定めるとともに、配管23を少な
くともその端部23E付近において可撓性のチューブで
構成し、そこを金具23Kではさんで適切に押し潰し、
水面に向かう水流の勢いを強めてリターン水を水面に叩
きつけるようにする。これにより水槽1内での攪拌効率
を高め、塗料スラッジの固形化を有効に防いで水中への
分散を促進し、もってポンプ3の吸込み効率を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式塗装室、該装置用
塗料スラッジ捕集装置、およびこれらを用いた塗料ミス
ト捕集システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗装作業所においては、スプレーガンか
ら噴射される塗料の余剰ミストを有効に捕集して作業環
境を保全することが強く望まれ、そのために塗装室と称
される装置が多用されている。その塗装室の一形態とし
て、ファン等により塗装室内部に向かう気流を形成して
余剰ミストを導入するとともに、気流に交差する方向に
シャワー状に水を落下させたり、あるいは水膜を形成す
る等して水中に塗料ミストを取り込むようにした湿式塗
装室と称されるものがある。かかる湿式塗装室では、水
質汚染防止の観点から、塗料を取り込んで貯留される水
の管理ないし処理が非常に問題となる。そこで、貯留水
より塗料スラッジを分離し、水を浄化するとともにこれ
を湿式塗装室において再利用できるようにした塗料スラ
ッジ捕集装置が提案されている。
【0003】図1は従来の塗料スラッジ捕集装置を含む
塗料ミスト捕集システムの一例を示す。ここで、1は湿
式塗装室において水を貯留する水槽であり、スラッジを
固形化させずにコロイド状に凝集分離させ、ゲル化させ
て水槽底部に沈澱させるべく、適宜の塗料凝集剤が投入
される。3は水槽1の底部に配置され、沈澱した塗料ス
ラッジを水とともに汲み出すための水中ポンプである。
10は水中ポンプ3から汲み出された水(塗料スラッジ
が分散された水)から塗料スラッジを分離捕集し、浄化
した水を水槽1に還流させるべく設けた塗料スラッジ捕
集装置であり、本例では遠心分離式循環水浄化装置形態
のものを用いている。かかる塗料スラッジ捕集装置10
において、11は高速回転駆動される遠心分離手段とし
ての遠心槽、13は遠心槽内に配された羽根であり、遠
心槽の蓋11Aと一体に設けられている。15は遠心層
の取り付け部、17は遠心槽11や取り付け部15を収
納する筐体、19はベルト,プーリ等の伝動機構18を
介して取り付け部15に連結した軸に回転力を付与する
電動機である。
【0004】21は水中ポンプ3によって汲み出された
水を遠心槽11内に導入するための配管であり、その途
中には流量を調整するための絞りバルブ21Vが配設さ
れている。また、その水中ポンプ3との連結部分には分
岐口21Aを設け、ポンプ3によって圧送すべき水を一
部水槽内に噴出させることにより水槽1内に水流を生じ
させ、塗料凝集剤を含んだ水と水面に落下してくる塗料
ミストとを攪拌混合し、もって塗料スラッジの分散効果
を高めるようにしている。23は遠心槽11の回転に伴
ってスラッジが分離され、浄化された水を水槽1に還流
させるための配管であり、遠心槽11の回転に伴って生
ずる水流を効果的に受容できる方向に開口23Aを有し
ている。25は遠心槽11からオーバフローした水を捕
集して水槽1に戻すための配管であり、オーバフロー水
を受容可能に筐体17内部の遠心槽11の側面部分に沿
って設けた樋状部材17Aに接続されている。27はこ
れによっても捕集しきれずに遠心槽11と樋状部材17
Aとの間隙部分から溢出する水が筐体17の底部に貯ま
り、これが取り付け部15の軸受け部分15Bに至るの
を防止すべく、筐体17の底部と水槽1とを連絡するよ
うに設けた配管である。また、配管27からの廃水がス
ムーズでないと装置外に水が溢出する事も生じる。
【0005】かかる構成において、塗装室の作動時に塗
装作業に伴ってシャワー状の水または水膜に塗料ミスト
が取り込まれ、これが水槽1に貯留されると、凝集剤の
作用により塗料スラッジは固形化せずにコロイド状に凝
集分離し、ゲル化して水槽1の底部に沈澱する。これは
水中ポンプ3によって汲み出され、配管21を介して遠
心槽11内に導入される。また、汲み出された塗料スラ
ッジを含む水の一部は分岐口21Aより水槽内に戻さ
れ、これによって水槽1内に水流が生ずる。遠心槽1内
に導入されたスラッジを含む水は、高速回転する遠心槽
1の作用によりスラッジと水とが分離され、スラッジは
羽根13や遠心槽11の内壁に圧縮推積する。一方、浄
化された水は開口23Aより配管23に導入され、水槽
1内に還流する。また、遠心槽11からオーバフローし
た水は配管25を介して水槽1に戻され、これによって
も捕集しきれずに遠心槽11と樋状部材17Aとの間隙
部分より溢出し、筐体17の底部に至った水は、筐体1
7の底部と水槽1とを連絡するように設けた配管27を
介して水槽1に戻される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図1において、ポンプ
3の作動により遠心槽1内に導入される水の流量をQ
c、配管23、25および27を流れる水の流量を、そ
れぞれ、Qd、QeおよびQfとする。ここで、Qc≦
Qdとなるように絞りバルブ21Vが設定されていれ
ば、Qe,Qfは”0”であるが、Qcが増加してQc
>Qdとなったり、あるいは配管23に詰まり等が生じ
てQdが減少すると、遠心槽11からオーバフローが生
じて配管25に水が流れる。配管25は重力落下によっ
て排水を行うものであるため、(Qc−Qd)分または
配管23が排水能力を喪失した場合のQc分を排水する
ためには、配管25として径の大きいものを用いる必要
が生じる。また、その排水能力が不十分であれば、水が
遠心槽11と樋状部材17Aとの間隙部分を介して筐体
17の底部に至るために、筺体17の底部と水槽1とを
連絡する配管27も設けられている。すなわち、かかる
従来の装置にあっては、塗装室ないし水槽1と塗料スラ
ッジ捕集装置10とを連絡するために4本の配管を要
し、かつその径も大であるものを選定する必要があっ
た。
【0007】また、水槽1内においては、配管21の水
中ポンプ3との連結部分に分岐口21Aを設け、ポンプ
3によって圧送すべき水を一部水槽内に噴き出させるこ
とにより水槽1内に水流を生じさせ、塗料凝集剤を含ん
だ水と水面に落下してくる塗料ミストとを攪拌混合し、
もって塗料スラッジのコロイド状の分散効果を高めるよ
うにしているが、当該水流のみでは攪拌効率が十分では
なく、スラッジの固形化を生じることがあった。
【0008】さらに、塗装室と塗料スラッジ捕集装置1
0とからなるシステムを考えた場合、塗装室の使用頻度
ないし能力と塗料スラッジ捕集装置の能力との兼ね合い
から、両者を1台ずつで構成することが得策でない場合
がある。例えば、塗料スラッジ捕集装置の能力に比して
大型の塗装室を用いる場合は、遠心槽からのスラッジの
取り出し頻度が高くなり、その度に塗装作業を中断しな
ければならないため実用上問題がある。また、遠心槽と
して大型のものを用いる場合には、スラッジ取り出しな
いしは清掃に際しての操作性に問題が生じる。
【0009】そこで本発明は、次の技術課題のうち少な
くとも一つを解決することを目的とする。すなわち、 1)塗装室と塗料スラッジ捕集装置とを連絡するための
配管数および配管径を低減すること。 2)これによって施工の容易な塗料ミスト捕集システム
を提供すること。 3)遠心槽筐体底部に水が至ることがあっても、当該漏
水によって装置に作動不良ないしは故障あるいは、装置
外に溢出することが生じないようにすること。 4)塗装室水槽内での攪拌効率を高め、塗料スラッジの
固形化を有効に防ぎ、もって塗料スラッジの捕集効率を
高めること。 5)塗装室の使用頻度ないし能力と塗料スラッジ捕集装
置の能力に合わせてシステムを構成し、運用効率ないし
作業効率を向上すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の一
形態による湿式塗装室は、水槽と、該水槽に貯留される
塗料スラッジを含んだ水を外部に配置された塗料スラッ
ジ捕集装置に移送するための移送手段と、前記塗料スラ
ッジ捕集装置によって塗料スラッジが分離されて浄化さ
れた水を前記水槽に還流するべく前記水槽と前記塗料ス
ラッジ捕集装置とを連絡する配管とを具備し、当該還流
する水を前記水槽に貯留された水の水面に向けて広げて
噴射するように、前記配管の前記水槽に面した端部を構
成配置したことを特徴とする。
【0011】ここで、前記移送手段は、前記水槽に配置
された水中ポンプと、該水中ポンプと前記塗料スラッジ
捕集装置とを連絡する移送用配管とを有し、前記配管の
前記水槽内に位置する部分には前記貯留された水を攪拌
する水流を形成するための分岐部分が設けられているも
のとすることができる。
【0012】または、塗料の余剰ミストを捕集するため
に利用される下方に向かう水膜を形成すべく、前記水槽
に貯留されている水を汲み上げるポンプを具備し、該ポ
ンプを前記移送手段に兼用してなるものとすることがで
きる。
【0013】また、本発明の他の形態では、湿式塗装室
の水槽に貯留される塗料スラッジを含んだ水を導入し、
前記塗料スラッジを分離して浄化された水を前記水槽に
還流するために利用される塗料スラッジ捕集装置におい
て、前記分離を行うために回転駆動される遠心槽と、当
該分離によって浄化された水を受容して前記水槽に還流
させるための手段と、該手段が受容できなかった水の溢
出を検知する検知手段とを具えたことを特徴とする。
【0014】また、本発明塗料ミスト捕集装置は、上記
湿式塗装室および/または塗料スラッジ捕集装置を具え
たことを特徴とする。
【0015】加えて、本発明のさらに他の形態による塗
料ミスト捕集装置は、水槽と、該水槽に貯留される塗料
スラッジを含んだ水を外部に配置された塗料スラッジ捕
集装置に移送するための移送手段と、前記塗料スラッジ
捕集装置によって塗料スラッジが分離されて浄化された
水を前記水槽に還流するべく前記水槽と前記塗料スラッ
ジ捕集装置とを連絡する配管とを具備した湿式塗装室、
および、該湿式塗装室の前記水槽に貯留される塗料スラ
ッジを含んだ水を導入して遠心分離を行い、これによっ
て浄化された水を前記水槽に還流するための遠心分離手
段を具備し、前記湿式塗装室および前記遠心分離手段の
能力に合わせて、それらのいずれか一方に対し他方を複
数配設してなることを特徴とする。
【0016】この形態において、湿式塗装室には上記形
態のものを用いるとともに、遠心分離手段を前記遠心槽
として有する上記塗料スラッジ捕集装置を用いることが
できる。
【0017】
【作用】本発明の一形態によれば、塗装室水槽内での攪
拌効率を高め、塗料スラッジの固形化を有効に防ぎ、も
って塗料スラッジの捕集効率を高めることができる。ま
た、本発明の他の形態によれば、塗装室と塗料スラッジ
捕集装置とを連絡するための配管数および配管径を低減
し、さらにこれによって施工の容易な塗料ミスト捕集シ
ステムを提供することができる。また、遠心槽筐体底部
に水が至ることがあっても、当該漏水によって装置に作
動不良ないしは故障あるいは、装置外に溢出することが
生じないようにすることができる。加えて、本発明のさ
らに他の形態によれば、塗装室の使用頻度ないし能力と
塗料スラッジ捕集装置の能力に合わせてシステムを構成
し、運用効率ないし作業効率を向上することができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0019】図1は本発明の第1の実施例として、塗料
スラッジ捕集装置を含む塗料ミスト捕集システムの一例
を示す。ここで、図1と同様に構成できる部分について
は対応箇所に同一の符号を付し、原則としてその説明は
省略する。本実施例が図1の構成と異なるのは、主とし
てリターン用配管23の塗装室側端部の位置、姿勢およ
び形状を適切に定めてスラッジの分散効率を向上するよ
うに構成したこと、遠心槽11と樋状部材17Aとの間
隙を介して筐体17の底部に至る溢水を水槽1に戻すこ
となくむしろこれを積極的に利用し、塗料スラッジ捕集
装置10の安全システムとして用いるように構成したこ
と、およびこれに伴って配管27を省略したことであ
る。
【0020】すなわち、まずリターン用配管23の塗装
室側端部23Eの構成としては、その端部を水槽1に貯
留される水の水面付近に位置させ、かつリターン水が水
面にそのまま衝突するよう姿勢を定めるとともに、例え
ば配管23を少なくともその端部23E付近において可
撓性のチューブで構成し、そこを金具23K等ではさん
で適切に押しつぶし、水面に向かう水流の勢いを強める
ようにしてある。このようにリターン水を広げて水面1
Aに叩きつけるように構成したことによって、水槽1内
での攪拌効率を高め、塗料スラッジの固形化を有効に防
いで水中への分散を促進し、もってポンプ3の吸込み効
率ないしはスラッジ捕集装置10による塗料スラッジの
捕集効率を高めることができる。なお、このような効果
が達成できるのであれば配管端部の構成はいかなるもの
であってもよく、例えば、図3に示すように、端部にノ
ズル23Nを取り付け、扇状等にリターン水が噴射され
るようにしてもよい。
【0021】次に、配管25の排水能力が不十分となっ
た場合等において筐体17の底部に至る溢水を利用する
ための構成としては、筐体底部より導管31を設け、こ
れを容器33に至らしめるとともに、容器33をリミッ
トスイッチ形態のセンサ35の板ばね状アクチュエータ
37に吊下させ、一定量以上の水が容器33に貯留され
たときにアクチュエータ37が変位もしくは変形してセ
ンサ35を作動せしめ、当該作動に応じて制御部40が
ポンプ3ないしスラッジ捕集装置10の運転を停止し、
かつ所定の警報を発生するようにしてある。これによ
り、筐体底部に位置する遠心槽軸受け部やその他装置各
部が溢水から確実に保護され、かつ装置外に漏水が生じ
ることもなくなるとともに、オペレータは配管の清掃等
を含むメンテナンスを行ってシステムを良好な状態に保
持することができるようになる。
【0022】またこの構成は、塗装室とスラッジ捕集装
置との間の配管数を低滅し、かつ配管として径の大なる
ものを用いるべき制約を排除できる効果がある。すなわ
ち、図1と図2との比較から明らかなように、図2の構
成では配管27が省略されており、これはシステム構築
上あるいはメンテナンス上有利なものである。また、図
1に示した従来例においては、配管25の排水能力が低
下しまたはこれを喪失した場合筐体底部に溢水が生じ、
その量が配管27の排水能力を超過した場合には種々の
不都合が生じるため、配管25として径の大なるものを
選定する必要があったが、本例装置では必ずしもその必
要が生じず、これはシステム設計,製造上有利であり、
またシステムの低廉化にも資することができる。
【0023】なお、図2では、溢水を検知するための手
段の構成として、容器33をリミットスイッチ形態のセ
ンサ35の板ばね状アクチュエータ37に吊下させ、一
定量以上の水が容器33に貯留されたときにアクチュエ
ータ37が変位もしくは変形してセンサ35を作動せし
めるようにしたが、かかる検知手段にはその他種々の構
成を採用できるのは勿論である。例えば、容器33内に
フロートを設けるとともにその変位を機械的、光学的あ
るいは電気的(電気接点もしくは静電容量によるものな
ど)に検知するセンサを配設してもよい。また、遠心槽
を用いた塗料スラッジ捕集装置の形態として、配管23
を有さず、遠心槽からオーバフローした水のみを受容し
て配管25を介し水槽1に還流させるものも考えられる
が、そのような構成に対しても本例の如き検知手段の配
設は有効である。
【0024】ところで、ファン等により塗装室内部に向
かう気流を形成して余剰ミストを導入するとともに、気
流に交差する方向にシャワー状に水を落下させたり、あ
るいは水膜を形成する等して水中に塗料ミストを取り込
むようにした湿式塗装室には、下方に向かう水膜を形成
すべく水槽に貯留されている水を汲み上げるポンプを具
備したものや、そのようなポンプを持たずファン自体の
吸い込み効果を利用して水膜を形成するようにしたもの
等がある。しかして、上例の構成はそのいずれにも適用
できるが、特に前者の場合には既設のポンプを塗料スラ
ッジ捕集装置への水の導入に兼用することもできる。
【0025】図4はその構成の一例を示し、ここで50
は塗装室、51は塗装室底部に位置する水槽、53は水
槽51に貯留された水を汲み上げるためのポンプであ
り、水槽51内に位置する取り入れ口55よい配管57
を介し水を吸い込む。ポンプ53により汲み出された水
は配管59を介して塗装室上部に位置するオーバフロー
槽61に導かれ、ここからオーバフローした水は水流板
63を伝って流れ、塗装室正面に水膜を形成する。一
方、排気ファン65はその作動に応じて塗装室正面より
水流板63の内側に向かう気流を生じさせ、塗装作業に
よって生じた余剰ミストは該気流に乗って大半は水流板
63上の水膜に捕集され、水槽51内に落下する。ま
た、気流に乗ってそのまま水流板63の背面側に回り込
んだミストは、配管59より分岐する配管67に設けら
れたシャワーノズル69が発生する水滴によって効果的
に捕集される。
【0026】なお、71は水滴と空気とを分離し、シャ
ワー噴射された水滴が気流に乗って排気ファン65ない
しそれに続く排気ダクト(不図示)に至るのを防止すべ
く設けたエリミネータ、73は固形化した塗料スラッジ
が配管57内に流入するのを防止すべく取り入れ口55
の近傍に設けたフィルタである。
【0027】配管59からはさらに配管75を分岐さ
せ、これを塗料スラッジ捕集装置10に導いて上例と同
様に水の浄化を行わせる。そして、遠心槽11の作動に
よって浄化された水は配管77を介し水槽51に還流さ
せる。しかして、本例においてもリターン用の配管77
の塗装室側端部の位置、姿勢および形状を適切に定めて
スラッジの分散効率を向上するようにしてある。すなわ
ち、まずリターン用配管77の塗装室側端部の構成とし
て、まずその端部を水槽51に貯留される水の水面付近
かつフィルタ73の近傍に位置させ、かつリターン水が
水面ないしフィルタ73にそのまま衝突するよう姿勢を
定めるとともに、例えば端部に噴射ノズル79を取り付
け、リターン水流の勢いを強めるようにしてある。この
ようにリターン水を水面ないしフィルタ73に叩きつけ
るように構成したことによって、水槽1内での攪拌効率
を高めるとともにフィルタ73の目詰まりないしは塗料
スラッジの固形化を有効に防いで水中への分散を促進
し、もってポンプ3の吸込み効率ないしはスラッジ捕集
装置10による塗料スラッジの捕集効率を高めることが
できる。
【0028】なお、図4においては遠心槽11からオー
バーフローした水を水槽51側に戻すための配管ないし
は装置停止,警報発生の用に供されるセンサ等について
は簡略化のため図示を省略しているが、これらについて
も図2につき前述した構成と同様の構成を採用できるの
は勿論である。
【0029】次に、塗装室と塗料スラッジ捕集装置とか
らなるシステムを考えた場合、塗装室の使用頻度ないし
能力と遠心分離手段の能力との兼ね合いから、両者を1
台ずつで構成することが得策でない場合がある。例え
ば、遠心分離手段の能力に比して大型の塗装室を用いる
場合は、遠心槽からのスラッジの取り出し頻度が高くな
り、実用上問題がある。また、遠心槽として大型のもの
を用いる場合には、スラッジ取り出しないしは清掃に際
しての操作性に問題が生じるからである。そこで、以下
では、塗装室の使用頻度ないし能力と遠心分離手段の能
力に合わせてシステムを構成し、運用効率ないし作業効
率を向上するための諸実施例についてのべる。なお、以
下で述べる塗装室ないしポンプ、塗料スラッジ捕集装置
内のセンサ構成、塗装室と塗料スラッジ捕集装置との間
の配管等についても、図2ないし図4について前述した
構成を採用できるのは勿論である。
【0030】図5(A)はそのための構成の一例を示す
もので、遠心分離手段の能力に比して大型ないし使用頻
度の高い塗装室を用いる場合に対応したものである。図
示の例では、1基の湿式塗装室100に対して、それぞ
れ1台の遠心分離手段(遠心槽)を有する塗料スラッジ
捕集装置10を複数台配設し、ポンプ103により汲み
出された水の移送用配管121を分岐させて各塗料スラ
ッジ捕集装置に導くとともに、各遠心槽によって浄化さ
れた水を配管123に集合させ、これを塗装室100に
リターンさせるようにしている。かかる構成によると、
遠心槽からのスラッジの取り出し頻度を少なくしてシス
テムの運用効率を向上できるとともに、遠心槽の清掃に
際してはすべての塗料スラッジ捕集装置10ないしはシ
ステム全体を停止させることなく、当該清掃対象となる
塗料スラッジ捕集装置のみを停止して所要の作業を行え
ば足りるので、作業効率を向上することができるように
なる。
【0031】図5(B)は、遠心分離手段の能力に比し
て大型の塗装室を用いる場合に対応した構成の他の例を
示すもので、1台のモータ119で伝動機構118を介
し共通に回転駆動される複数の遠心槽111を有した塗
料スラッジ捕集装置110を、1基の湿式塗装室100
に対して設けたものである。そして、ポンプ103によ
り汲み出された水の移送用配管121を分岐させて各遠
心槽111に導くとともに、各遠心槽によって浄化され
た水を配管123に集合させ、これを塗装室100にリ
ターンさせるようにしている。かかる構成によると、遠
心槽からのスラッジの取り出し頻度を少なくしてシステ
ムの運用効率を向上できるとともに、動力源たるモータ
が1台で済むため塗料スラッジ捕集装置の設置スペース
を小とできる効果がある。
【0032】図6は、図5に示した2例の場合とは逆
に、塗装室の使用頻度ないし能力に対して遠心分離手段
の能力が大である場合のシステム構成の一例を示す。本
例では、複数の塗装室100に対して1台の塗料スラッ
ジ捕集装置10を設け、各塗装室宛に設けたポンプ10
3によって汲み出された水を配管15上に合流させて塗
料スラッジ捕集装置10の遠心槽に導き、遠心槽によっ
て浄化された水が配管153を介して1基の塗装室にリ
ターンされるようになし、かつ各塗装室の水槽を配管1
55によって連結した構成としてある。本例によると、
塗装室の使用頻度ないし能力に対して遠心分離手段の能
力が大である場合においてシステムを効率よくかつ廉価
に構成できるとともに、各塗装室の水槽に溜まるスラッ
ジ分散水はそれぞれのポンプ103を介して効率的に塗
料スラッジ捕集装置に導かれ、浄化が行われることにな
る。また、各塗装室の水槽を配管155によって連絡し
たことにより、各水槽が同一水準面にあればそれぞれの
水位を一定レベルに保つことができる。
【0033】なお、遠心槽からのリターン経路を分岐さ
せ、各塗装室毎にそれぞれ還流させることも考えられ、
その場合には各水槽での水位をそれぞれ安定させるため
の手段(液面センサやそれに応動して経路を開閉するバ
ルブなど)を配設すればよい。また、ポンプ103は、
すべてが同時に駆動がオン/オフされるものであっても
よく、塗装室の使用状態に合わせて各別に駆動がオン/
オフされるものでもよい。さらに、その各別のポンプ駆
動制御を行う場合であって、かつ遠心槽からのリターン
経路を分岐させ、各塗装室毎にそれぞれ還流させる構成
を採る場合には、ポンプ駆動のオン/オフに応じてリタ
ーン経路の切り替え制御を行うようにすることもでき
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の一形態に
よれば、塗装室水槽内での攪拌効率を高め、塗料スラッ
ジの固形化を有効に防ぎ、もって塗料スラッジの捕集効
率を高めることができる。また、本発明の他の形態によ
れば、塗装室と塗料スラッジ捕集装置とを連絡するため
の配管数および配管径を低減し、さらにこれによって施
工の容易な塗料ミスト捕集システムを提供することがで
きる。また、遠心槽筐体底部に水が至ることがあって
も、当該漏水によって装置に作動不良ないしは故障が生
じないようにすることができる。加えて、本発明のさら
に他の形態によれば、塗装室の使用頻度ないし能力と塗
料スラッジ捕集装置の能力に合わせてシステムを構成
し、運用効率ないし作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の塗料スラッジ捕集装置の一例を示す模式
図である。
【図2】本発明の一実施例による塗料スラッジ捕集装置
および湿式塗装室を含む塗料ミスト捕集システムの全体
構成を示す模式図である。
【図3】図2の構成におけるリターン配管端部の他の構
成例を示す模式図である。
【図4】本発明の他の実施例による塗料スラッジ捕集装
置および湿式塗装室を含む塗料ミスト捕集システムの全
体構成を示す模式図である。
【図5】(A)および(B)は、遠心分離手段の能力に
比して大型ないし使用頻度の高い塗装室を用いる場合に
対応した本発明塗料ミスト捕集システムの構成の2例を
示す模式図である。
【図6】塗装室の使用頻度ないし能力に対して遠心分離
手段の能力が大である場合に対応した本発明塗料ミスト
捕集システムの構成の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1,51 水槽 3,53,103 ポンプ 10,110 塗料スラッジ捕集装置 11,111 遠心槽 13 羽根 15 遠心槽取り付け部 17 遠心槽筐体 18,118 伝動機構 19,119 モータ 21,23,25,27,59,75,77,121,
123 配管 23E リターン配管端部 23K 金具 23N ノズル 50,100 塗装室

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水槽と、該水槽に貯留される塗料スラッ
    ジを含んだ水を外部に配置された塗料スラッジ捕集装置
    に移送するための移送手段と、前記塗料スラッジ捕集装
    置によって塗料スラッジが分離されて浄化された水を前
    記水槽に還流するべく前記水槽と前記塗料スラッジ捕集
    装置とを連絡する配管とを具備し、 当該還流する水を前記水槽に貯留された水の水面に向け
    て広げて噴射するように、前記配管の前記水槽に面した
    端部を構成配置したことを特徴とする湿式塗装室。
  2. 【請求項2】 前記移送手段は、前記水槽に配置された
    水中ポンプと、該水中ポンプと前記塗料スラッジ捕集装
    置とを連絡する移送用配管とを有し、前記配管の前記水
    槽内に位置する部分には前記貯留された水を攪拌する水
    流を形成するための分岐部分が設けられていることを特
    徴とする請求項1に記載の湿式塗装室。
  3. 【請求項3】 塗料の余剰ミストを捕集するために利用
    される下方に向かう水膜を形成すべく、前記水槽に貯留
    されている水を汲み上げるポンプを具備し、該ポンプを
    前記移送手段に兼用してなることを特徴とする請求項1
    に記載の湿式塗装室。
  4. 【請求項4】 湿式塗装室の水槽に貯留される塗料スラ
    ッジを含んだ水を導入し、前記塗料スラッジを分離して
    浄化された水を前記水槽に還流するために利用される塗
    料スラッジ捕集装置において、 前記分離を行うために回転駆動される遠心槽と、当該分
    離によって浄化された水を受容して前記水槽に還流させ
    るための手段と、該手段が受容できなかった水の溢出を
    検知する検知手段とを具えたことを特徴とする塗料スラ
    ッジ捕集装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の湿
    式塗装室および/または請求項4に記載の塗料スラッジ
    捕集装置を具えたことを特徴とする塗料ミスト捕集シス
    テム。
  6. 【請求項6】 水槽と、該水槽に貯留される塗料スラッ
    ジを含んだ水を外部に配置された塗料スラッジ捕集装置
    に移送するための移送手段と、前記塗料スラッジ捕集装
    置によって塗料スラッジが分離されて浄化された水を前
    記水槽に還流するべく前記水槽と前記塗料スラッジ捕集
    装置とを連絡する配管とを具備した湿式塗装室と、 該湿式塗装室の前記水槽に貯留される塗料スラッジを含
    んだ水を導入して遠心分離を行い、これによって浄化さ
    れた水を前記水槽に還流するための遠心分離手段と、 を具備し、前記湿式塗装室および前記遠心分離手段の能
    力に合わせて、それらのいずれか一方に対し他方を複数
    配設してなることを特徴とする塗料ミスト捕集システ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記湿式塗装室として請求項1ないし3
    のいずれかに記載の湿式塗装室を用い、前記遠心分離手
    段を遠心槽として有する請求項4に記載の塗料スラッジ
    捕集装置を用いてなることを特徴とする請求項7に記載
    の塗料ミスト捕集システム。
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