JPH07142889A - 導電性熱可塑性樹脂 - Google Patents

導電性熱可塑性樹脂

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JPH07142889A
JPH07142889A JP28373893A JP28373893A JPH07142889A JP H07142889 A JPH07142889 A JP H07142889A JP 28373893 A JP28373893 A JP 28373893A JP 28373893 A JP28373893 A JP 28373893A JP H07142889 A JPH07142889 A JP H07142889A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
resin
conductive thermoplastic
fibers
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JP28373893A
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English (en)
Inventor
Kenji Hyodo
健次 兵頭
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価でかつ優れた電磁波シールド効果を有す
る導電性熱可塑性樹脂を得る。 【構成】 Cを0.03〜0.3重量%含有し、引張強
さが100〜200kgf/mm2 で、線径が20〜5
0μm、アスペクト比が100〜250である、最表面
にニッケルめっき層を有するめっき鋼線を金属繊維とし
て用い、この金属繊維を熱可塑性樹脂に5〜15重量%
の割合で混入させて導電性熱可塑性樹脂を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子機器の筺体用の
樹脂成形材料に係り、特に電磁波シールド特性を有する
導電性熱可塑性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス産業の急速な発
展に伴い、各種電子機器から発生する電磁波による種々
の障害、例えばテレビの画像障害、コンピュータ、デー
タ処理装置やOA電子機器の誤動作による危険性や人体
への悪影響等が問題となっており、上記電子機器には有
効な電磁波シールド処理を構ずることが必要になってき
ている。
【0003】かかる電磁波シールド処理として、各種電
子機器の筺体に導電性を付与することが行なわれてお
り、その導電性を付与する手段として従来より、ニッケ
ル、銅ステンレス等の金属繊維あるいはニッケル、銅、
銀等の金属を合成繊維表面にめっきした金属めっき繊維
等を使用し、他の繊維と共に不織布や編織物に加工した
り、フィラーとして樹脂中に混入することが行なわれて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術について
は、更に解決が必要とされる問題点がある。例えば金属
めっきした合成繊維は、めっき前処理工程が複雑でコス
ト高となり、又めっきの密着性も不充分である。特にこ
の金属めっき繊維を合成繊維と混合した不織布では、密
度ムラ等により、シールド効果にばらつきを生じ易いと
いう欠点があり、又導電性が低いので充分な電磁波シー
ルド効果が得難いという問題がある。
【0005】また、金属繊維である銅繊維は、導電率が
大で、電磁波の電界成分の遮蔽性は良いが、酸化し易い
欠点があり、除々にその抵抗が増大して効果が低下する
という問題がある。
【0006】また、ステンレス繊維は、難加工性のため
加工コストが高くつくという不利がある。また、ステン
レスは抵抗値が比較的高いため、15μm以下に細径化
しないと必要なシールド効果が得られないが、硬脆であ
るため、このように細径化した繊維束を樹脂中に混入し
た場合、混練時に破断し易く、均一に分散させることが
困難である等の欠点を有する。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなしたものであ
り、安価でかつ優れた電磁波シールド効果を有する導電
性熱可塑性樹脂を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の導電性熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂に金
属繊維を混入して形成した導電性熱可塑性樹脂におい
て、上記金属繊維としてCを0.03〜0.30重量%
含有し、引張強さが100〜200kgf/mm 2 で、
線径が20〜50μm、アスペクト比L/d(L:繊維
長さ、d:繊維径)が100〜250である、最表面に
ニッケルめっき層を有するめっき鋼線を用い、かつ該金
属繊維を熱可塑性樹脂に5〜15重量%の割合で混入し
て成る。
【0009】すなわち、本発明に用いる金属繊維として
は、図1に示すように炭素含有量0.03〜0.3重量
%の低炭素鋼線1が用いられ、パテンティング等の通常
の熱処理、伸線加工によって細径化し、最終熱処理、め
っき前処理後、その表面にめっき処理によりニッケルめ
っき層2を形成するか、または図2に示すように銅めっ
き層3、ニッケルめっき層4の二重めっき層を形成す
る。しかる後伸線加工を施して、線径20〜50μm
で、引張強さ100〜200kgf/mm2 の繊維にす
る。そして、上記繊維を複数本集束し、5〜15%の繊
維充填率になるような厚さで熱可塑性樹脂により被覆し
た後、所定のアスペクト比(L/d=100〜250)
になるように切断し、また必要に応じてこれを樹脂ペレ
ットと混合して繊維充填率を調整し、しかる後、射出成
形することで導電性熱可塑性樹脂成形品を形成する。
【0010】ところで、上記構成における種々の数値限
定は工業的規模で実施するのに特に好適な範囲として限
定したものである。その限定理由は次の如くである。
【0011】軽量、そして安価な導電性熱可塑性樹脂を
得るには、金属繊維をできる限り低充填率で混入するこ
とが好ましい。金属繊維の充填率を低くして、OA機器
用筐体としての電磁波シールド効果、機械的特性を得る
ためには、金属繊維が適度な強度を有することが必要で
ある。金属繊維の引張強さが100kgf/mm2 未満
では、樹脂混練時に破断し易く、又、柔軟過ぎて、特に
細径になる程縺れ易くなり分散混入させることが困難と
なる。一方、200kgf/mm2 を越えると、細径加
工時の伸線ダイス摩耗が著しく促進されて加工費が高く
なると共に、射出成形機のスクリュー、金型の損傷等を
起こし易くなり、作業性も劣化する。
【0012】上記強度範囲の金属繊維を安価に得るため
には、炭素含有量が0.03〜0.3重量%の低炭素鋼
線を用いることが好ましい。0.03重量%未満では、
過度の加工度によっても必要な強度を得ることが困難で
あり、一方、0.3重量%を越える場合、200kgf
/mm2 以下の引張強さにするためには伸線時の加工度
を小さくする必要があり、めっき処理速度等の影響によ
り生産性が劣る。
【0013】なお、鋼線は特に細線の場合、裸線では伸
線加工性が悪く、また耐腐食性に劣るため、表面に伸線
潤滑性、耐腐食性に優れたニッケルめっきを施す。この
ニッケルめっきは、透磁率が大きいので磁気シールド性
を改善する効果も併せもつ。さらに、下地に銅めっき層
を形成することで、耐腐食性、電磁波シールド効果は向
上する。上記効果を期待するためには、めっき厚を少な
くとも0.05μm以上にすることが必要である。な
お、めっきを厚くし過ぎても電磁波シールド効果に差は
みられず高価になるため、上限は2μm程度とするのが
好適である。
【0014】線径はできる限り小さく、またアスペクト
比の大きい金属繊維を用いるほうが電磁波シールド効果
が高い。線径が50μmを越える場合、充填率を多くし
ないと充分なシールド効果が得られないため、軽量かつ
安価な導電性樹脂が得られず、また成形品の表面状態も
粗雑となる。一方、線径は小さくなる程低充填率で充分
なシールド効果が得られるが、加工コストは上昇し、ま
た繊維同士がからみ易く分散混入が難しくなるため、下
限は20μm程度とするのが好ましい。
【0015】アスペクト比は大きい程高い電磁波シール
ド効果を呈する。100未満では充分な効果が得られな
いが、大き過ぎると繊維同士の縺れを生じて分散させる
ことが困難となり、成形不良となるケースが多いため、
上限を250とした。
【0016】金属繊維の充填率は、上記アスペクト比と
の関係もあるが、5重量%未満では充分なシールド効果
が得られず、一方15重量%を越えると成形品の重量が
大きい、表面状態が粗雑となる、高価になる等の弊害が
ある。なお、金属繊維は樹脂中に均一に分散混入されて
いることが必要である。
【0017】ところで、本発明における熱可塑性樹脂と
しては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
エステル樹脂等が挙げられる。
【0018】なお、本発明において、金属繊維は樹脂中
に均一に分散して存在していることを必要とせず、集束
された状態で存在していても構わない。
【0019】
【作用】本発明の導電性熱可塑性樹脂は、加工性に優
れ、電磁波シールド効果が高く、しかも比較的安価なめ
っき鋼線からなる繊維を具有し、かつその繊維の充填率
を適量、樹脂中に分散混入してなるため、安価でかつ優
れた電磁波シールド効果が得られる。しかも、軽量かつ
表面状態も良好で、OA電子機器の筐体用として特に有
効である。
【0020】
【実施例】表1に示すように、炭素含有量の異なる炭素
鋼線をパテンティング処理、伸線加工を繰り返し行なっ
て細径化した後、最終パテンティング、めっき処理、最
終伸線加工を行なって、線径18〜55μmの繊維を得
た。この繊維を複数本集束し、所定の繊維充填率になる
厚さでABS樹脂被覆した後、所定のアクペクト比とな
るよう切断し、これを型締力100トンの射出成形機を
用いて射出成形し、100mm×100mm×2mmの
樹脂板を成形した。そして、上記成形状況を観察すると
共に、各樹脂板のアドバンテスト法による電磁波シール
ド効果(電界波500MHZ )を測定した。その結果を
繊維の特性と共に表1に併記する。
【0021】
【表1】
【0022】表1から、実験No.1、2、4、6、
8、10の本発明品は、繊維製作時の伸線加工性、樹脂
成形性および電磁波シールド効果の全てにおいて良好で
あることが明白である。
【0023】
【発明の効果】本発明の導電性熱可塑性樹脂は上記の如
く、加工性に優れ、導電性、透磁性、の良い安価なめっ
き鋼線を繊維として使用し、かつその繊維を適量樹脂中
に混入してなるため、安価でしかも優れた電磁波シール
ド効果を奏し、しかも軽量かつ表面状態も良好であるた
め、各種電子機器、特にOA電子機器の筐体用として適
用した場合、その効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する繊維の概略横断面図である。
【図2】本発明に使用する他の繊維の概略横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 低炭素鋼線 2、4 ニッケルめっき層 3 銅めっき層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に金属繊維を混入して形成
    した導電性熱可塑性樹脂において、上記金属繊維とし
    て、Cを0.03〜0.30重量%含有し、引張強さが
    100〜200kgf/mm2 で、線径が20〜50μ
    m、アスペクト比L/d(L:繊維長さ、d:線径)が
    100〜250である、最表面にニッケルめっき層を有
    するめっき鋼線を用い、かつ該金属繊維を熱可塑性樹脂
    に5〜15重量%の割合で混入してなる導電性熱可塑性
    樹脂。
JP28373893A 1993-11-12 1993-11-12 導電性熱可塑性樹脂 Pending JPH07142889A (ja)

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JP28373893A JPH07142889A (ja) 1993-11-12 1993-11-12 導電性熱可塑性樹脂

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JPH07142889A true JPH07142889A (ja) 1995-06-02

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