JPH07142236A - 超電導装置用電流リード - Google Patents
超電導装置用電流リードInfo
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- JPH07142236A JPH07142236A JP5282850A JP28285093A JPH07142236A JP H07142236 A JPH07142236 A JP H07142236A JP 5282850 A JP5282850 A JP 5282850A JP 28285093 A JP28285093 A JP 28285093A JP H07142236 A JPH07142236 A JP H07142236A
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Landscapes
- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】液体窒素の凝固防止,または早期融解が容易
で、かつ侵入熱がより少ない超電導装置用電流リードを
得る。 【構成】真空断熱容器4内を上方に貫通する筒状部27
を有する液体ヘリウム容器2中に液体ヘリウム3に浸漬
した状態で収納された超電導コイル1に外部より電流を
通流する電流リード21が、良導電性金属導体からなる
高温側リード23と、高温酸化物超電導体からなる低温
側リード22との直列接続体からなり、筒状部を介して
液体ヘリウム容器内に挿入されたものにおいて、筒状部
の入口より上方の常温雰囲気中に突設されて電流リード
を包囲する液体窒素容器25と、この液体窒素容器を覆
う真空断熱層26とを備え、液体窒素容器を境にその下
方部分が冷却通路28Hを通る低温のヘリウムガスで冷
却され、上方部分が冷却通路28Nを通る窒素ガスで冷
却される。
で、かつ侵入熱がより少ない超電導装置用電流リードを
得る。 【構成】真空断熱容器4内を上方に貫通する筒状部27
を有する液体ヘリウム容器2中に液体ヘリウム3に浸漬
した状態で収納された超電導コイル1に外部より電流を
通流する電流リード21が、良導電性金属導体からなる
高温側リード23と、高温酸化物超電導体からなる低温
側リード22との直列接続体からなり、筒状部を介して
液体ヘリウム容器内に挿入されたものにおいて、筒状部
の入口より上方の常温雰囲気中に突設されて電流リード
を包囲する液体窒素容器25と、この液体窒素容器を覆
う真空断熱層26とを備え、液体窒素容器を境にその下
方部分が冷却通路28Hを通る低温のヘリウムガスで冷
却され、上方部分が冷却通路28Nを通る窒素ガスで冷
却される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、極低温にある超電導
コイルに室温にある電源からの電流を通流する電流リー
ド、ことに低温側に高温酸化物超電導体を用いた電流リ
ードの冷却構造に関する。
コイルに室温にある電源からの電流を通流する電流リー
ド、ことに低温側に高温酸化物超電導体を用いた電流リ
ードの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に超電導コイルは液体ヘリウム等の
極低温冷媒によって冷却されるため、液体窒素シールド
や高真空などで熱の浸入を阻止した断熱真空容器内に設
けられた液体ヘリウム容器に液体ヘリウムに浸漬した状
態で収納される。電流リードは極低温に保持された超電
導コイルに常温側から励磁電流を通流するために設けら
れるものであり、リードで発生するジュール熱および常
温側から極低温側に伝導により浸入する熱を低減するた
めに、電流リードの内部に気化した低温のヘリウムガス
を流すよう構成したものが知られている。この場合、電
流リードの材料としては銅または銅合金のような常電導
体を用いるのが一般的であるが、その熱伝導率が高く浸
入熱を低減する効果が期待できない。そこで、電流リー
ドを常電導リ−ドと高温酸化物超電導体を用いた超電導
リ−ドとの直列接続体とし、中間接続部に液体窒素容器
を設けて超電導リ−ドを液体窒素温度(77.35K)
近傍に保ち、超電導リ−ドを超電導状態とするよう構成
したものが、特開昭63−292610号公報に開示さ
れている。また、液体窒素による冷却構造を改善したも
のが、特願平2−211307号,特願平3−1010
62号に開示されている。
極低温冷媒によって冷却されるため、液体窒素シールド
や高真空などで熱の浸入を阻止した断熱真空容器内に設
けられた液体ヘリウム容器に液体ヘリウムに浸漬した状
態で収納される。電流リードは極低温に保持された超電
導コイルに常温側から励磁電流を通流するために設けら
れるものであり、リードで発生するジュール熱および常
温側から極低温側に伝導により浸入する熱を低減するた
めに、電流リードの内部に気化した低温のヘリウムガス
を流すよう構成したものが知られている。この場合、電
流リードの材料としては銅または銅合金のような常電導
体を用いるのが一般的であるが、その熱伝導率が高く浸
入熱を低減する効果が期待できない。そこで、電流リー
ドを常電導リ−ドと高温酸化物超電導体を用いた超電導
リ−ドとの直列接続体とし、中間接続部に液体窒素容器
を設けて超電導リ−ドを液体窒素温度(77.35K)
近傍に保ち、超電導リ−ドを超電導状態とするよう構成
したものが、特開昭63−292610号公報に開示さ
れている。また、液体窒素による冷却構造を改善したも
のが、特願平2−211307号,特願平3−1010
62号に開示されている。
【0003】図4は従来の超電導装置の電流リードの冷
却構造を模式化して示す断面図である。図において、超
電導コイル1は断熱真空容器4内に画成された液体ヘリ
ウム容器2中に液体ヘリウム3に浸漬した状態で収納さ
れ、超電導状態が保持される。電流リード11は銅等の
良導電性金属導体からなる高温側リード13と、高温酸
化物超電導体からなる低温側リード12とが中間接続部
14で導電接続された直列接続体からなり、低温端子1
2Aが超電導コイル1に接続され、常温端子13Aが図
示しない電源に接続されることにより、超電導コイル1
に電流が供給される。また、電流リード11は液体窒素
容器15を備え、中間接続部14を含む高温側リード1
3が液体窒素16中に所定の深さ浸漬されて液体窒素冷
却されるとともに、気化した低温の窒素ガス16Gが外
管17と高温側リード13との間に形成された冷却通路
18を通って上部に排出される過程で高温側リード13
がガス冷却される。また、低温側リード12は液体ヘリ
ウム容器内で気化した低温のヘリウムガス3Gによりガ
ス冷却される。
却構造を模式化して示す断面図である。図において、超
電導コイル1は断熱真空容器4内に画成された液体ヘリ
ウム容器2中に液体ヘリウム3に浸漬した状態で収納さ
れ、超電導状態が保持される。電流リード11は銅等の
良導電性金属導体からなる高温側リード13と、高温酸
化物超電導体からなる低温側リード12とが中間接続部
14で導電接続された直列接続体からなり、低温端子1
2Aが超電導コイル1に接続され、常温端子13Aが図
示しない電源に接続されることにより、超電導コイル1
に電流が供給される。また、電流リード11は液体窒素
容器15を備え、中間接続部14を含む高温側リード1
3が液体窒素16中に所定の深さ浸漬されて液体窒素冷
却されるとともに、気化した低温の窒素ガス16Gが外
管17と高温側リード13との間に形成された冷却通路
18を通って上部に排出される過程で高温側リード13
がガス冷却される。また、低温側リード12は液体ヘリ
ウム容器内で気化した低温のヘリウムガス3Gによりガ
ス冷却される。
【0004】上述の電流リードにおいて、高温酸化物超
電導体としてイットリウム系やビスマス系などのセラミ
ック系高温超電導体を用いることにより、液体窒素温度
以下で超電導状態を示し、ジュ−ル発熱が零になるとと
もに、その熱伝導率が銅のそれより2〜3桁も小さく伝
導による侵入熱を大幅に低減でき、高価な液体ヘリウム
の気化損失が少なく、ランニングコストが低い超電導装
置用電流リードを得ることができる。
電導体としてイットリウム系やビスマス系などのセラミ
ック系高温超電導体を用いることにより、液体窒素温度
以下で超電導状態を示し、ジュ−ル発熱が零になるとと
もに、その熱伝導率が銅のそれより2〜3桁も小さく伝
導による侵入熱を大幅に低減でき、高価な液体ヘリウム
の気化損失が少なく、ランニングコストが低い超電導装
置用電流リードを得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の電流リ
ード11を介して超電導コイル1に励磁電流を通流中、
何らかの原因で超電導コイルに常電導転移が発生したと
仮定すると、超電導コイル1が蓄積していた磁気エネル
ギ−がジュ−ル発熱として消費され、大量の液体ヘリウ
ムの蒸発を引き起こし、蒸発した大量のヘリウムガス3
Gによって低温側リード12およびこれを包囲する外管
が急速冷却されるとともに、その上方に連結された液体
窒素容器15も同時に冷却される。液体窒素16は1気
圧のもとで沸点が77.35K,凝固点が63.15K
であり、気化した低温のヘリウムガス3Gで冷却される
ことによって容易に凝固してしまい、高温側リード13
の伝導による侵入熱によって凝固した窒素が融解し,低
温の窒素ガス16Gが定常的に生成するまでの間、高温
側リード13の冷却能力が一時的に低下するという問題
が発生する。従って、凝固した窒素が融解するのを待た
ずに超電導コイルを再励磁した場合には高温側リード1
3のジュ−ル熱によって高温側リード13が焼損すると
いう事態が予想されるため、可及的に早く凝固した窒素
を融解して高温側リード13の冷却能力を回復すること
が求められる。そこで、液体窒素容器15に凍結防止用
のヒ−タを設け、凝固した窒素の融解を促進する対策が
考えられているが、外部からの侵入熱を阻止することを
目的とする断熱容器4内に発熱体を設けることは好まし
いことではなく、その改善が求められている。
ード11を介して超電導コイル1に励磁電流を通流中、
何らかの原因で超電導コイルに常電導転移が発生したと
仮定すると、超電導コイル1が蓄積していた磁気エネル
ギ−がジュ−ル発熱として消費され、大量の液体ヘリウ
ムの蒸発を引き起こし、蒸発した大量のヘリウムガス3
Gによって低温側リード12およびこれを包囲する外管
が急速冷却されるとともに、その上方に連結された液体
窒素容器15も同時に冷却される。液体窒素16は1気
圧のもとで沸点が77.35K,凝固点が63.15K
であり、気化した低温のヘリウムガス3Gで冷却される
ことによって容易に凝固してしまい、高温側リード13
の伝導による侵入熱によって凝固した窒素が融解し,低
温の窒素ガス16Gが定常的に生成するまでの間、高温
側リード13の冷却能力が一時的に低下するという問題
が発生する。従って、凝固した窒素が融解するのを待た
ずに超電導コイルを再励磁した場合には高温側リード1
3のジュ−ル熱によって高温側リード13が焼損すると
いう事態が予想されるため、可及的に早く凝固した窒素
を融解して高温側リード13の冷却能力を回復すること
が求められる。そこで、液体窒素容器15に凍結防止用
のヒ−タを設け、凝固した窒素の融解を促進する対策が
考えられているが、外部からの侵入熱を阻止することを
目的とする断熱容器4内に発熱体を設けることは好まし
いことではなく、その改善が求められている。
【0006】この発明の目的は、液体窒素の凝固防止,
または早期融解が容易で、かつ侵入熱がより少ない超電
導装置用電流リードを得ることにある。
または早期融解が容易で、かつ侵入熱がより少ない超電
導装置用電流リードを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、真空断熱容器内を上方に貫通す
る筒状部を有する画成された液体ヘリウム容器中に液体
ヘリウムに浸漬した状態で収納された超電導コイルに外
部より電流を通流する電流リードが、良導電性金属導体
からなる高温側リードと、高温酸化物超電導体からなる
低温側リードとの直列接続体からなり、前記筒状部を介
して前記液体ヘリウム容器内に挿入されたものにおい
て、前記筒状部の入口より上方の常温雰囲気中に突設さ
れて電流リードを包囲する液体窒素容器と、この液体窒
素容器を覆う真空断熱層とを備えてなるものとする。
に、この発明によれば、真空断熱容器内を上方に貫通す
る筒状部を有する画成された液体ヘリウム容器中に液体
ヘリウムに浸漬した状態で収納された超電導コイルに外
部より電流を通流する電流リードが、良導電性金属導体
からなる高温側リードと、高温酸化物超電導体からなる
低温側リードとの直列接続体からなり、前記筒状部を介
して前記液体ヘリウム容器内に挿入されたものにおい
て、前記筒状部の入口より上方の常温雰囲気中に突設さ
れて電流リードを包囲する液体窒素容器と、この液体窒
素容器を覆う真空断熱層とを備えてなるものとする。
【0008】液体窒素容器より下方に位置する電流リー
ドを低温のヘリウムガスで冷却する冷却通路と、液体窒
素容器より上方に位置する電流リードを低温の窒素ガス
で冷却する冷却通路とを備えてなるものとする。高温酸
化物超電導体からなる低温側リードが、バルク型高温酸
化物超電導体からなる低温側リ−ド部と、シ−ス型高温
酸化物超電導体からなる中温部リ−ドとの直列接続体と
して形成されてなるものとする。
ドを低温のヘリウムガスで冷却する冷却通路と、液体窒
素容器より上方に位置する電流リードを低温の窒素ガス
で冷却する冷却通路とを備えてなるものとする。高温酸
化物超電導体からなる低温側リードが、バルク型高温酸
化物超電導体からなる低温側リ−ド部と、シ−ス型高温
酸化物超電導体からなる中温部リ−ドとの直列接続体と
して形成されてなるものとする。
【0009】中温部リ−ドが液体窒素容内で良導電性金
属導体からなる高温側リードに導電接続されてなるもの
とする。低温側リード部および中温部リ−ドの直列接続
体からなる低温側リードを包囲する筒状部が液体ヘリウ
ム容器と切り離されて低温側リードとの間にヘリウムガ
スによる冷却通路を形成するとともに、中温部リ−ドを
覆う筒状部の外側に真空断熱層を備えてなるものとす
る。
属導体からなる高温側リードに導電接続されてなるもの
とする。低温側リード部および中温部リ−ドの直列接続
体からなる低温側リードを包囲する筒状部が液体ヘリウ
ム容器と切り離されて低温側リードとの間にヘリウムガ
スによる冷却通路を形成するとともに、中温部リ−ドを
覆う筒状部の外側に真空断熱層を備えてなるものとす
る。
【0010】
【作用】真空断熱容器内を上方に貫通する筒状部を介し
て液体ヘリウム容器内に挿入された電流リードに、筒状
部の入口より上方の常温雰囲気中に電流リードを包囲す
る液体窒素容器を設けるよう構成したことにより、何ら
かの原因で超電導コイルに常電導転移が発生し、これが
原因で大量のヘリウムガスが生成しても、液体窒素容器
が真空断熱容器の外部に配置されて低温のヘリウムガス
による冷却作用が波及しにくいので、液体ヘリウムの凝
固を防ぎ、超電導コイルの再励磁を容易化する機能が得
られ、かつ液体窒素が凝固する事態が発生しても真空断
熱容器内に熱影響を及ぼさずに液体窒素容器を加熱して
液体窒素を融解する機能が得られる。また、液体窒素容
器を覆う真空断熱層を設けたことにより、液体窒素容器
を常温雰囲気中に設けたことによって生ずる液体窒素の
無駄な消費を抑え、電流リードの常温端子側からの侵入
熱を安価な液体窒素の気化熱を利用して効率よく冷却す
る機能が得られ、かつ液体窒素容器表面の氷結を防止す
る機能も得られる。
て液体ヘリウム容器内に挿入された電流リードに、筒状
部の入口より上方の常温雰囲気中に電流リードを包囲す
る液体窒素容器を設けるよう構成したことにより、何ら
かの原因で超電導コイルに常電導転移が発生し、これが
原因で大量のヘリウムガスが生成しても、液体窒素容器
が真空断熱容器の外部に配置されて低温のヘリウムガス
による冷却作用が波及しにくいので、液体ヘリウムの凝
固を防ぎ、超電導コイルの再励磁を容易化する機能が得
られ、かつ液体窒素が凝固する事態が発生しても真空断
熱容器内に熱影響を及ぼさずに液体窒素容器を加熱して
液体窒素を融解する機能が得られる。また、液体窒素容
器を覆う真空断熱層を設けたことにより、液体窒素容器
を常温雰囲気中に設けたことによって生ずる液体窒素の
無駄な消費を抑え、電流リードの常温端子側からの侵入
熱を安価な液体窒素の気化熱を利用して効率よく冷却す
る機能が得られ、かつ液体窒素容器表面の氷結を防止す
る機能も得られる。
【0011】また、電流リードが、液体窒素容器より下
方に位置する電流リードを低温のヘリウムガスで冷却す
る冷却通路と、液体窒素容器より上方に位置する電流リ
ードを低温の窒素ガスで冷却する冷却通路とを備えるよ
う構成すれば、両冷却通路による冷却領域を真空断熱容
器の内部と外部とに分離して相互の熱影響を軽減できい
るとともに、常温側からの侵入熱およびジュ−ル発熱を
安価な液体窒素の蒸発熱によって排熱し、真空断熱容器
内への侵入熱を低減する機能が得られる。
方に位置する電流リードを低温のヘリウムガスで冷却す
る冷却通路と、液体窒素容器より上方に位置する電流リ
ードを低温の窒素ガスで冷却する冷却通路とを備えるよ
う構成すれば、両冷却通路による冷却領域を真空断熱容
器の内部と外部とに分離して相互の熱影響を軽減できい
るとともに、常温側からの侵入熱およびジュ−ル発熱を
安価な液体窒素の蒸発熱によって排熱し、真空断熱容器
内への侵入熱を低減する機能が得られる。
【0012】一方、酸化物系超電導導体からなる低温側
リードを、バルク型高温酸化物超電導体からなる低温側
リ−ド部と、シ−ス型高温酸化物超電導体からなる中温
部リ−ドとの直列接続体とすれば、シ−ス型高温酸化物
超電導体が持つ高い臨界電流密度および機械的安定性を
生かして熱的,機械的に安定した中温部リ−ドが得られ
るとともに、熱伝導性の小さいバルク型高温酸化物超電
導体からなる低温側リ−ド部が、熱伝導性がやや大きい
シ−ス型高温酸化物超電導体からなる中温部リ−ドの欠
点をカバ−して液体ヘリウム容器側への侵入熱を遮断す
るので、液体ヘリウムの気化損失を一層低減する機能が
得られる。
リードを、バルク型高温酸化物超電導体からなる低温側
リ−ド部と、シ−ス型高温酸化物超電導体からなる中温
部リ−ドとの直列接続体とすれば、シ−ス型高温酸化物
超電導体が持つ高い臨界電流密度および機械的安定性を
生かして熱的,機械的に安定した中温部リ−ドが得られ
るとともに、熱伝導性の小さいバルク型高温酸化物超電
導体からなる低温側リ−ド部が、熱伝導性がやや大きい
シ−ス型高温酸化物超電導体からなる中温部リ−ドの欠
点をカバ−して液体ヘリウム容器側への侵入熱を遮断す
るので、液体ヘリウムの気化損失を一層低減する機能が
得られる。
【0013】また、中温部リ−ドを液体窒素容器内で良
導電性金属導体からなる高温側リードに導電接続するよ
う構成すれば、高温側リードが液体窒素容器より上に限
定されて短くなり、その侵入熱およびジュ−ル発熱が減
少するので液体窒素の気化損失を低減できるとともに、
真空断熱容器内が全て高温酸化物超電導体で構成されて
ジュ−ル発熱が零になり、かつ上端部が液体窒素冷却さ
れる中温部リ−ドが液体窒素温度以下に冷却されるの
で、何らかの原因でヘリウムガスの気化量が減少した場
合にも低温側リードの超電導状態を安定して保持する機
能が得られる。
導電性金属導体からなる高温側リードに導電接続するよ
う構成すれば、高温側リードが液体窒素容器より上に限
定されて短くなり、その侵入熱およびジュ−ル発熱が減
少するので液体窒素の気化損失を低減できるとともに、
真空断熱容器内が全て高温酸化物超電導体で構成されて
ジュ−ル発熱が零になり、かつ上端部が液体窒素冷却さ
れる中温部リ−ドが液体窒素温度以下に冷却されるの
で、何らかの原因でヘリウムガスの気化量が減少した場
合にも低温側リードの超電導状態を安定して保持する機
能が得られる。
【0014】さらに、低温側リード部および中温部リ−
ドの直列接続体からなる低温側リードを包囲する筒状部
が液体ヘリウム容器と切り離されて低温側リードとの間
にヘリウムガスによる冷却通路を形成し、かつ中温部リ
−ドを覆う筒状部の外側に真空断熱層を備えるよう構成
すれば、真空断熱容器から中温部リ−ドへの輻射熱を低
減し、中温部リ−ドの通電状態を安定化する機能が得ら
れる。
ドの直列接続体からなる低温側リードを包囲する筒状部
が液体ヘリウム容器と切り離されて低温側リードとの間
にヘリウムガスによる冷却通路を形成し、かつ中温部リ
−ドを覆う筒状部の外側に真空断熱層を備えるよう構成
すれば、真空断熱容器から中温部リ−ドへの輻射熱を低
減し、中温部リ−ドの通電状態を安定化する機能が得ら
れる。
【0015】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1はこの発明の実施例になる超電導装置用電流リ
ードを模式化して示す断面図であり、従来技術と同じ構
成部分には同一参照符号を付すことにより、重複した説
明を省略する。図において、超電導コイル1は真空断熱
容器4内に画成された液体ヘリウム容器2中に液体ヘリ
ウム3に浸漬した状態で収納され、超電導状態が保持さ
れる。また、両端が真空断熱容器および液体ヘリウム容
器に気密に連結された筒状部27を介して下端部が液体
ヘリウム容器3に挿入される電流リード21は、良導電
性金属導体からなる高温側リード23と、高温酸化物超
電導体,例えば高温酸化物超電導材粉末を圧縮成形熱処
理したバルク型高温酸化物超電導体からなる低温側リー
ド22とを中間接続部24によって筒状部27内で導電
接続した直列接続体からなり、低温端子12Aが超電導
コイル1に接続され、常温端子13Aが図示しない電源
に接続されることにより、超電導コイル1に電流が供給
される。さらに、筒状部27の入口より上方の常温雰囲
気中には高温側リード23を包囲する液体窒素容器25
と、この液体窒素容器25を高温側リードの外周に渡っ
て包囲する真空断熱層26が設けられ、液体窒素容器2
5内には液体窒素供給管29を介して液体窒素16が注
入され、高温側リード23の一部が液体窒素16中に所
定の深さ浸漬されて液体窒素冷却されるとともに、気化
した低温の窒素ガス16Gが真空断熱層26との隙間に
形成された冷却通路28Nを通って上部に排出される過
程で高温側リード23が窒素ガス冷却される。また、液
体ヘリウム容器3内で気化した低温のヘリウムガス3G
が筒状部27との隙間に形成された冷却通路28Hおよ
び排気管27Aを通って外部に排出される過程で電流リ
ード21の液体窒素容器より下方の部分がガス冷却され
る。
る。図1はこの発明の実施例になる超電導装置用電流リ
ードを模式化して示す断面図であり、従来技術と同じ構
成部分には同一参照符号を付すことにより、重複した説
明を省略する。図において、超電導コイル1は真空断熱
容器4内に画成された液体ヘリウム容器2中に液体ヘリ
ウム3に浸漬した状態で収納され、超電導状態が保持さ
れる。また、両端が真空断熱容器および液体ヘリウム容
器に気密に連結された筒状部27を介して下端部が液体
ヘリウム容器3に挿入される電流リード21は、良導電
性金属導体からなる高温側リード23と、高温酸化物超
電導体,例えば高温酸化物超電導材粉末を圧縮成形熱処
理したバルク型高温酸化物超電導体からなる低温側リー
ド22とを中間接続部24によって筒状部27内で導電
接続した直列接続体からなり、低温端子12Aが超電導
コイル1に接続され、常温端子13Aが図示しない電源
に接続されることにより、超電導コイル1に電流が供給
される。さらに、筒状部27の入口より上方の常温雰囲
気中には高温側リード23を包囲する液体窒素容器25
と、この液体窒素容器25を高温側リードの外周に渡っ
て包囲する真空断熱層26が設けられ、液体窒素容器2
5内には液体窒素供給管29を介して液体窒素16が注
入され、高温側リード23の一部が液体窒素16中に所
定の深さ浸漬されて液体窒素冷却されるとともに、気化
した低温の窒素ガス16Gが真空断熱層26との隙間に
形成された冷却通路28Nを通って上部に排出される過
程で高温側リード23が窒素ガス冷却される。また、液
体ヘリウム容器3内で気化した低温のヘリウムガス3G
が筒状部27との隙間に形成された冷却通路28Hおよ
び排気管27Aを通って外部に排出される過程で電流リ
ード21の液体窒素容器より下方の部分がガス冷却され
る。
【0016】このように構成された実施例になる電流リ
ード21において、液体窒素容器25が真空断熱容器4
の外に配設され、かつ液体窒素容器25を境にして窒素
冷却領域とヘリウムガス冷却領域とが区分されたことに
より、何らかの原因で超電導コイルに常電導転移が発生
し、これが原因で大量のヘリウムガスが生成しても、液
体窒素容器25には低温のヘリウムガスによる冷却作用
が波及しにくく、液体ヘリウムの凝固を防止できるとと
もに、例え液体窒素が凝固する事態が発生しても真空断
熱容器内に熱影響を及ぼさずに液体窒素容器を加熱し,
速やかに液体窒素を融解できる利点が得られる。また、
液体窒素容器を覆う真空断熱層26を設けたことによ
り、液体窒素容器を常温雰囲気中に設けたことによって
生ずる液体窒素の無駄な消費を抑え、電流リードの常温
端子側からの侵入熱を安価な液体窒素の気化熱を利用し
て効率よく冷却でき、かつ常温雰囲気中にある液体窒素
容器表面の氷結を防ぎ、電流リードの絶縁低下を回避で
きる利点が得られる。
ード21において、液体窒素容器25が真空断熱容器4
の外に配設され、かつ液体窒素容器25を境にして窒素
冷却領域とヘリウムガス冷却領域とが区分されたことに
より、何らかの原因で超電導コイルに常電導転移が発生
し、これが原因で大量のヘリウムガスが生成しても、液
体窒素容器25には低温のヘリウムガスによる冷却作用
が波及しにくく、液体ヘリウムの凝固を防止できるとと
もに、例え液体窒素が凝固する事態が発生しても真空断
熱容器内に熱影響を及ぼさずに液体窒素容器を加熱し,
速やかに液体窒素を融解できる利点が得られる。また、
液体窒素容器を覆う真空断熱層26を設けたことによ
り、液体窒素容器を常温雰囲気中に設けたことによって
生ずる液体窒素の無駄な消費を抑え、電流リードの常温
端子側からの侵入熱を安価な液体窒素の気化熱を利用し
て効率よく冷却でき、かつ常温雰囲気中にある液体窒素
容器表面の氷結を防ぎ、電流リードの絶縁低下を回避で
きる利点が得られる。
【0017】図2はこの発明の異なる実施例になる超電
導装置用電流リードを模式化して示す断面図であり、高
温酸化物超電導体からなる低温側リード32を、例えば
高温酸化物超電導材粉末を銀または銀合金からなる金属
シ−ス材で覆って圧縮成形熱処理したシ−ス型高温酸化
物超電導体からなる中温部リ−ド32Aと、バルク型高
温酸化物超電導体からなる低温側リ−ド部32Bとを中
間接続部24で導電接続した直列接続体とし、中温部リ
−ド32Aの上端と良導電性金属導体からなる高温側リ
ード33の下端とを導電接続部34により体窒素容器2
5内で導電接続して一体化した点が前述の実施例と異な
っている。
導装置用電流リードを模式化して示す断面図であり、高
温酸化物超電導体からなる低温側リード32を、例えば
高温酸化物超電導材粉末を銀または銀合金からなる金属
シ−ス材で覆って圧縮成形熱処理したシ−ス型高温酸化
物超電導体からなる中温部リ−ド32Aと、バルク型高
温酸化物超電導体からなる低温側リ−ド部32Bとを中
間接続部24で導電接続した直列接続体とし、中温部リ
−ド32Aの上端と良導電性金属導体からなる高温側リ
ード33の下端とを導電接続部34により体窒素容器2
5内で導電接続して一体化した点が前述の実施例と異な
っている。
【0018】このように構成された電流リード31にお
いては、シ−ス型高温酸化物超電導体が持つ高い臨界電
流密度および機械的安定性を生かして熱的,機械的に安
定した中温部リ−ド32Aが得られるとともに、熱伝導
性の小さいバルク型高温酸化物超電導体からなる低温側
リ−ド部32Bが、熱伝導性がやや大きいシ−ス型高温
酸化物超電導体からなる中温部リ−ド32Aの欠点をカ
バ−して液体ヘリウム容器3側への侵入熱を遮断するの
で、液体ヘリウムの気化損失を一層低減し、超電導装置
のランニングコストを低減できる利点が得られる。ま
た、中温部リ−ド32Aを液体窒素容器25内で良導電
性金属導体からなる高温側リード33に導電接続するよ
う構成すれば、高温側リード33が液体窒素容器25よ
り上の部分に限定されてその長さが短縮され、これに伴
って侵入熱およびジュ−ル発熱が減少するので液体窒素
の気化損失を低減できる利点が得られる。さらに、真空
断熱容器内が全て高温酸化物超電導体で構成されてジュ
−ル発熱が零になり、かつ中温部リ−ド32Aの上端部
が液体窒素冷却されて金属シ−スの伝導熱により中温部
リ−ドがほぼ液体窒素温度に冷却されるので、何らかの
原因でヘリウムガスの気化量が減少し、ヘリウムガスに
よる冷却作用が中温部リ−ドにまで十分及ばなくなった
場合にも、電流リード31は超電導状態を安定して保持
することが可能となり、何らかの原因でヘリウムガスの
気化量が増大した場合にも,また気化量が減少した場合
にも励磁電流の通流性能を安定して保持できる信頼性の
高い超電導装置用電流リードを得ることができる。
いては、シ−ス型高温酸化物超電導体が持つ高い臨界電
流密度および機械的安定性を生かして熱的,機械的に安
定した中温部リ−ド32Aが得られるとともに、熱伝導
性の小さいバルク型高温酸化物超電導体からなる低温側
リ−ド部32Bが、熱伝導性がやや大きいシ−ス型高温
酸化物超電導体からなる中温部リ−ド32Aの欠点をカ
バ−して液体ヘリウム容器3側への侵入熱を遮断するの
で、液体ヘリウムの気化損失を一層低減し、超電導装置
のランニングコストを低減できる利点が得られる。ま
た、中温部リ−ド32Aを液体窒素容器25内で良導電
性金属導体からなる高温側リード33に導電接続するよ
う構成すれば、高温側リード33が液体窒素容器25よ
り上の部分に限定されてその長さが短縮され、これに伴
って侵入熱およびジュ−ル発熱が減少するので液体窒素
の気化損失を低減できる利点が得られる。さらに、真空
断熱容器内が全て高温酸化物超電導体で構成されてジュ
−ル発熱が零になり、かつ中温部リ−ド32Aの上端部
が液体窒素冷却されて金属シ−スの伝導熱により中温部
リ−ドがほぼ液体窒素温度に冷却されるので、何らかの
原因でヘリウムガスの気化量が減少し、ヘリウムガスに
よる冷却作用が中温部リ−ドにまで十分及ばなくなった
場合にも、電流リード31は超電導状態を安定して保持
することが可能となり、何らかの原因でヘリウムガスの
気化量が増大した場合にも,また気化量が減少した場合
にも励磁電流の通流性能を安定して保持できる信頼性の
高い超電導装置用電流リードを得ることができる。
【0019】図3はこの発明の他の実施例になる超電導
装置用電流リードを模式化して示す断面図である。図に
おいて、真空断熱容器4Aはその内側が真空断熱層で覆
われた箱状のヘリウム容器2Aを形成し、その蓋板44
に電流リード41が着脱可能に連結支持される。電流リ
ード41は低温側リード部32Bおよび中温部リ−ド3
2Aの直列接続体からなる低温側リード32を包囲する
筒状部47を備え、その下端部が液体ヘリウム容器2A
と切り離されて低温側リード32との間に低温のヘリウ
ムガスによる冷却通路48を形成し、かつ中温部リ−ド
32Aを覆う筒状部47の外側には真空断熱層46が例
えば液体窒素容器25側の真空断熱層26に連通する形
で形成される。
装置用電流リードを模式化して示す断面図である。図に
おいて、真空断熱容器4Aはその内側が真空断熱層で覆
われた箱状のヘリウム容器2Aを形成し、その蓋板44
に電流リード41が着脱可能に連結支持される。電流リ
ード41は低温側リード部32Bおよび中温部リ−ド3
2Aの直列接続体からなる低温側リード32を包囲する
筒状部47を備え、その下端部が液体ヘリウム容器2A
と切り離されて低温側リード32との間に低温のヘリウ
ムガスによる冷却通路48を形成し、かつ中温部リ−ド
32Aを覆う筒状部47の外側には真空断熱層46が例
えば液体窒素容器25側の真空断熱層26に連通する形
で形成される。
【0020】このように構成された電流リード41は真
空断熱容器4Aへの着脱が容易化され、低温端子12A
と超電導コイル1との接続作業も容易化されるが、その
反面液体ヘリウム容器2A内の広いヘリウムガス空間を
介して対流熱伝達または輻射熱伝達による熱が低温側リ
ード32に熱が侵入し、低温のヘリウムガスによる冷却
効果が十分及び難い中温部リ−ド32Aはこの熱影響を
受けて超電導状態が不安定になる。電流リード41で
は、真空断熱層46がこの熱影響を阻止して中温部リ−
ド32Aへの侵入熱を低減するとともに、中温部リ−ド
32Aの上端部が液体窒素冷却されて金属シ−スの伝導
により中温部リ−ドをほぼ液体窒素温度に冷却するの
で、中温部リ−ド32Aの超電導状態が安定化され、電
流リードの通電性能を安定化できる利点が得られる。
空断熱容器4Aへの着脱が容易化され、低温端子12A
と超電導コイル1との接続作業も容易化されるが、その
反面液体ヘリウム容器2A内の広いヘリウムガス空間を
介して対流熱伝達または輻射熱伝達による熱が低温側リ
ード32に熱が侵入し、低温のヘリウムガスによる冷却
効果が十分及び難い中温部リ−ド32Aはこの熱影響を
受けて超電導状態が不安定になる。電流リード41で
は、真空断熱層46がこの熱影響を阻止して中温部リ−
ド32Aへの侵入熱を低減するとともに、中温部リ−ド
32Aの上端部が液体窒素冷却されて金属シ−スの伝導
により中温部リ−ドをほぼ液体窒素温度に冷却するの
で、中温部リ−ド32Aの超電導状態が安定化され、電
流リードの通電性能を安定化できる利点が得られる。
【0021】また、冷却通路48の上部にヘリウムガス
空間に連通する孔48Aを設け、真空断熱容器の蓋板4
4にはヘリウムガスの排出管49を設けるよう構成すれ
ば、ヘリウムガス3Gの生成量が異常に増加した場合、
余分なヘリウムガスが冷却通路48を経由せずに排出管
49から外部に放出され、かつ真空断熱層46によって
中温部リ−ド32Aの過度の冷却が抑制されるので、中
温部リ−ド32Aを介して液体窒素容器25が冷却され
ることによって生ずる液体窒素の凝固を防止できる利点
が得られる。
空間に連通する孔48Aを設け、真空断熱容器の蓋板4
4にはヘリウムガスの排出管49を設けるよう構成すれ
ば、ヘリウムガス3Gの生成量が異常に増加した場合、
余分なヘリウムガスが冷却通路48を経由せずに排出管
49から外部に放出され、かつ真空断熱層46によって
中温部リ−ド32Aの過度の冷却が抑制されるので、中
温部リ−ド32Aを介して液体窒素容器25が冷却され
ることによって生ずる液体窒素の凝固を防止できる利点
が得られる。
【0022】
【発明の効果】この発明は前述のように、真空断熱容器
より上方の常温雰囲気中に突設されて電流リードを包囲
する液体窒素容器と、この液体窒素容器を覆う真空断熱
層とを備えるよう構成した。その結果、超電導コイルの
クエンチが原因で低温のヘリウムガスの蒸発量が急増し
たとき、液体窒素容器が過度に冷却されて液体窒素が凝
固するという従来技術の問題点が排除され、かつ真空断
熱層によって液体窒素の無駄な消費および液体窒素容器
の氷結が阻止されるので、安定した通電性能および経済
性を有する電流リードを備えた超電導装置を提供するこ
とができる。
より上方の常温雰囲気中に突設されて電流リードを包囲
する液体窒素容器と、この液体窒素容器を覆う真空断熱
層とを備えるよう構成した。その結果、超電導コイルの
クエンチが原因で低温のヘリウムガスの蒸発量が急増し
たとき、液体窒素容器が過度に冷却されて液体窒素が凝
固するという従来技術の問題点が排除され、かつ真空断
熱層によって液体窒素の無駄な消費および液体窒素容器
の氷結が阻止されるので、安定した通電性能および経済
性を有する電流リードを備えた超電導装置を提供するこ
とができる。
【0023】また、酸化物系超電導導体からなる低温側
リードを、バルク型高温酸化物超電導体からなる低温側
リ−ド部と、シ−ス型高温酸化物超電導体からなる中温
部リ−ドとの直列接続体とし、中温部リ−ドを液体窒素
容器内で良導電性金属導体からなる高温側リードに導電
接続するよう構成すれば、シ−ス型高温酸化物超電導体
の高い臨界電流密度および機械的安定性、およびバルク
型高温酸化物超電導体の低い熱伝導性を生かして液体ヘ
リウムの気化損失を一層低減できる利点が得られるとと
もに、何らかの原因でヘリウムガスの気化量が減少した
場合にも低温側リードの超電導状態を安定して保持でき
る信頼性の高い電流リードを備えた超電導装置を提供す
ることができる。
リードを、バルク型高温酸化物超電導体からなる低温側
リ−ド部と、シ−ス型高温酸化物超電導体からなる中温
部リ−ドとの直列接続体とし、中温部リ−ドを液体窒素
容器内で良導電性金属導体からなる高温側リードに導電
接続するよう構成すれば、シ−ス型高温酸化物超電導体
の高い臨界電流密度および機械的安定性、およびバルク
型高温酸化物超電導体の低い熱伝導性を生かして液体ヘ
リウムの気化損失を一層低減できる利点が得られるとと
もに、何らかの原因でヘリウムガスの気化量が減少した
場合にも低温側リードの超電導状態を安定して保持でき
る信頼性の高い電流リードを備えた超電導装置を提供す
ることができる。
【0024】さらに、低温側リード部および中温部リ−
ドの直列接続体からなる低温側リードを包囲する筒状部
を液体ヘリウム容器と切り離して低温側リードとの間に
ヘリウムガスによる冷却通路を形成し、かつ中温部リ−
ドを覆う筒状部の外側に真空断熱層を備えるよう構成す
れば、電流リードを真空断熱容器に着脱可能に支持する
ことが可能になるとともに、真空断熱容器から中温部リ
−ドへの輻射熱を低減して中温部リ−ドの通電状態を安
定化し、さらには液体窒素の凝固防止機能を向上できる
利点が得られる。
ドの直列接続体からなる低温側リードを包囲する筒状部
を液体ヘリウム容器と切り離して低温側リードとの間に
ヘリウムガスによる冷却通路を形成し、かつ中温部リ−
ドを覆う筒状部の外側に真空断熱層を備えるよう構成す
れば、電流リードを真空断熱容器に着脱可能に支持する
ことが可能になるとともに、真空断熱容器から中温部リ
−ドへの輻射熱を低減して中温部リ−ドの通電状態を安
定化し、さらには液体窒素の凝固防止機能を向上できる
利点が得られる。
【図1】この発明の実施例になる超電導装置用電流リー
ドを模式化して示す断面図
ドを模式化して示す断面図
【図2】この発明の異なる実施例になる超電導装置用電
流リードを模式化して示す断面図
流リードを模式化して示す断面図
【図3】この発明の他の実施例になる電流リードを模式
化して示す断面図
化して示す断面図
【図4】従来の超電導装置の電流リードの冷却構造を模
式化して示す断面図
式化して示す断面図
1 超電導コイル 2 液体ヘリウム容器 2A 液体ヘリウム容器 3 液体ヘリウム 3G ヘリウムガス 4 真空断熱容器 4A 真空断熱容器 11 電流リード 12 低温側リード 13 高温側リード 14 中間接続部 15 液体窒素容器 16 液体窒素 16G 窒素ガス 17 外管 18 冷却通路 21 電流リード 22 低温側リード 23 高温側リード 24 中間接続部 25 液体窒素容器 26 真空断熱層 27 筒状部 28H 冷却通路(ヘリウムガス用) 28N 冷却通路(窒素ガス用) 31 電流リード 32 低温側リード 32A 中温部リ−ド 32B 低温側リード部 33 高温側リード 41 電流リード 43 高温側リード 44 蓋板 46 真空断熱層 47 筒状部
Claims (5)
- 【請求項1】真空断熱容器内を上方に貫通する筒状部を
有する画成された液体ヘリウム容器中に液体ヘリウムに
浸漬した状態で収納された超電導コイルに外部より電流
を通流する電流リードが、良導電性金属導体からなる高
温側リードと、高温酸化物超電導体からなる低温側リー
ドとの直列接続体からなり、前記筒状部を介して前記液
体ヘリウム容器内に挿入されたものにおいて、前記筒状
部の入口より上方の常温雰囲気中に突設されて電流リー
ドを包囲する液体窒素容器と、この液体窒素容器を覆う
真空断熱層とを備えてなることを特徴とする超電導装置
用電流リード。 - 【請求項2】液体窒素容器より下方に位置する電流リー
ドを低温のヘリウムガスで冷却する冷却通路と、液体窒
素容器より上方に位置する電流リードを低温の窒素ガス
で冷却する冷却通路とを備えてなることを特徴とする請
求項1記載の超電導装置用電流リード。 - 【請求項3】高温酸化物超電導体からなる低温側リード
が、バルク型高温酸化物超電導体からなる低温側リ−ド
部と、シ−ス型高温酸化物超電導体からなる中温部リ−
ドとの直列接続体として形成されてなることを特徴とす
る請求項1記載の超電導装置用電流リード。 - 【請求項4】中温部リ−ドが液体窒素容器内で良導電性
金属導体からなる高温側リードに導電接続されてなるこ
とを特徴とする請求項3記載の超電導装置用電流リー
ド。 - 【請求項5】低温側リード部および中温部リ−ドの直列
接続体からなる低温側リードを包囲する筒状部が液体ヘ
リウム容器と切り離されて低温側リードとの間にヘリウ
ムガスによる冷却通路を形成するとともに、中温部リ−
ドを覆う筒状部の外側に真空断熱層を備えてなることを
特徴とする請求項1または請求項3記載の超電導装置用
電流リード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5282850A JPH07142236A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | 超電導装置用電流リード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5282850A JPH07142236A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | 超電導装置用電流リード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07142236A true JPH07142236A (ja) | 1995-06-02 |
Family
ID=17657885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5282850A Pending JPH07142236A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | 超電導装置用電流リード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07142236A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008091912A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | General Electric Co <Ge> | 超伝導マグネット向けの高温超伝導電流リード |
JP2014187148A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Kobe Steel Ltd | 電流供給装置 |
CN110535112A (zh) * | 2019-10-14 | 2019-12-03 | 浙江宝威电气有限公司 | 一种液氮超导限流器 |
CN114974790A (zh) * | 2021-02-19 | 2022-08-30 | 住友重机械工业株式会社 | 超导磁体装置 |
-
1993
- 1993-11-12 JP JP5282850A patent/JPH07142236A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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