JPH07140091A - パタ−ンの検査方法 - Google Patents

パタ−ンの検査方法

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JPH07140091A
JPH07140091A JP5311315A JP31131593A JPH07140091A JP H07140091 A JPH07140091 A JP H07140091A JP 5311315 A JP5311315 A JP 5311315A JP 31131593 A JP31131593 A JP 31131593A JP H07140091 A JPH07140091 A JP H07140091A
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Shuzo Matsuno
松野修三
Shinichi Hattori
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 不良品の不良部位における不良状態を判定す
る。 【構成】 マスタパタ−ンのエッジデ−タの中で同じ傾
をもつエッジデ−タ部分の傾aをそれぞれ求める46と
ともに,マスタパタ−ンを傾aをもつ直線方程式で置換
し47,マスタパタ−ン情報として登録し45,マスタ
パタ−ンと被測定パタ−ンとを位置合わし48,被測定
パタ−ンのエッジデ−タを抽出し50,この被測定パタ
−ンのエッジデ−タの中で同じ傾をもつエッジデ−タ部
分の傾をそれぞれ求め51,この傾がマスタパタ−ンの
直線方程式と一致するものは,順次対応するマスタパタ
−ンの直線方程式に置換して直線化し52,被測定パタ
−ンの直線化したエッジデ−タと画素単位のエッジデ−
タとをマスタパタ−ンの直線にそれぞれ対応付けし,被
測定パタ−ンのエッジデ−タとマスタパタ−ンのエッジ
デ−タとの誤差量を検出54して良品,不良品の判定を
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,フィルムキャリア等
により形成されたパタ−ンを自動的に検査する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,IC,LSIの実装に用いられる
フィルムキャリアは,厚さ75〜125μm程度のポリ
イミドフィルムの上に,銅箔を接着剤で貼り付け,両面
にフォトレジストを塗布し,マスク露光,現像,エッチ
ングを行ってリ−ドのパタ−ンを形成している。
【0003】このようにしてパタ−ンを形成後,フォト
レジストが除去され,リ−ドの表面にSn,Au,半田
メッキ処理を行ってフィルムキャリア工程が終了する。
この工程終了後,顕微鏡を用いて人間により目視でパタ
−ンの検査が行われている。このように,微細なパタ−
ンを目視で検査するには,熟練を要するとともに,目を
酷使する結果となる等の問題があった。
【0004】一方,目視検査に代わるものとして,パタ
−ンをTVカメラで撮像し基準パタ−ンとして,被測定
パタ−ンとの一致率をもとに検査を行うパタ−ンマッチ
ング手法によることも考えられる。しかしながら,一致
率は下式で表されるように,画素単位の計測であり,フ
ィルムキャリアのような微細なパタ−ンの検査には不向
きである。 一致率={(全体の画素−一致していない画素)/(全
体の画素)}×100% 又,同一形状のリ−ドが連続するようなパタ−ンの場合
には,リ−ドが1本分ずれて位置合わせしてしまう場合
もあり,同一形状のパタ−ンの繰り返しの場合には問題
があった。
【0005】そこで,上記の問題点を解決するために,
発明者は先に,以下のような方法を出願した。即ち,良
品と判定されている被測定パタ−ンをマスタパタ−ンと
し,その濃淡画像を画像メモリに記憶するとともに,こ
の画像メモリに記憶されたマスタパタ−ンの濃淡ヒスト
グラムから,これを二値化処理して,マスタパタ−ンの
エッジデ−タを求め,このエッジデ−タから最小二乗法
により直線化して登録するとともに,互いに対向位置す
る両直線の中心線LM と幅Wとを求めてこれをマスタパ
タ−ン情報として登録し,これを基準パタ−ンとする。
一方,被測定パタ−ンのエッジデ−タは,マスタパタ−
ンの各直線に対応付けされ,両者が比較照合され,誤差
が検査され,良品,不良品の判定がなされる方法であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら,一般
に,二値化された画像デ−タは,格子状に配置された画
素により構成されている。従って,図19に示すよう
に,被測定パタ−ンが斜めの画像パタ−ンとして取り込
まれた場合,この取り込まれた画像パタ−ンのエッジ部
分は画素単位の階段状となる。
【0007】そのため,階段状に表されている被測定パ
タ−ンmと直線化されているマスタパタ−ンMとの間で
斜線部分で示すように,誤差ε(=1/√2=0.7画
素)が生じる。この誤差分は被測定パタ−ンmの正規の
誤差に加算されることになり,見かけ上,不良部位と判
断されて,その部位における被測定パタ−ンmの幅wの
測定が開始されるため,良品,不良品の判定誤差の原因
となっていた。さらに,直線状の画像パタ−ンが格子状
の画素に対して斜めに取り込まれた場合には,本来,直
線で表されるべき画像パタ−ンのエッジ部分が階段状の
画像デ−タとして抽出される。
【0008】このように,階段状の画像デ−タの場合に
は,図19に○印で示すように,そのエッジデ−タのデ
−タ量が膨大となる。そのため,良品,不良品の判定に
あたっては,この膨大な被測定パタ−ンmのエッジデ−
タをマスタパタ−ンMのエッジデ−タとひとつづつ比較
しなければならず,それだけデ−タ処理に時間がかか
り,検査時間が非常に長くかかるという問題があった。
【0009】一方,カメラの設置状態によって,検査す
べき被測定パタ−ンが格子状の画素に対して傾斜した状
態で画像表示された場合には,上記のように,階段状の
画像デ−タが抽出され,検査すべきデ−タ量が膨大とな
るから,カメラの設置方向を厳密に規定する必要があっ
た。
【0010】
【問題点を解決するための手段】この発明は,被測定パ
タ−ンの良品をマスタパタ−ンの濃淡画像として画像メ
モリに記憶し,この画像メモリに記憶されたマスタパタ
−ンの濃淡ヒストグラムからこれを二値化処理してマス
タパタ−ンのエッジデ−タを求め,このエッジデ−タの
中で同じ傾をもつエッジデ−タ部分の傾aをそれぞれ求
めるとともに,マスタパタ−ンを傾aをもつ直線方程式
ax+b−y=0で置換してマスタパタ−ン情報として
登録し,エッジデ−タから最小二乗法によりマスタパタ
−ンを直線の集合に変換し,これらの直線から互いに対
向して位置する両直線の中心線LMを求めてマスタパタ
−ン情報として登録し,この中心線LM に直角に交わる
線と両直線とが交わる点までの長さから互いに対向する
直線の幅Wを求めてマスタパタ−ン情報として登録し,
被測定パタ−ンを画像メモリに記憶し,登録されたマス
タパタ−ンと被測定パタ−ンとを位置合わせするととも
に,検査範囲を設定し,この検査範囲の周辺に,被測定
パタ−ンのエッジデ−タが存在し,検査範囲の周辺を一
定方向に検査して被測定パタ−ンのエッジデ−タを抽出
し,この被測定パタ−ンのエッジデ−タの中で同じ傾を
もつエッジデ−タ部分の傾をそれぞれ求め,この傾がマ
スタパタ−ンの直線方程式と一致する被測定パタ−ンの
エッジデ−タ部分は,順次対応するマスタパタ−ンの直
線方程式に置換して直線化し,この直線化された被測定
パタ−ンの両端のエッジデ−タを抽出するとともに,直
線化不可能な被測定パタ−ンのエッジデ−タ部分はその
まま画素単位のエッジデ−タを抽出し,マスタパタ−ン
の互いに隣接する直線の持つ角度を2等分する直線を算
出し,この2等分する直線によりマスタパタ−ンを各直
線にそれぞれ対応する領域に分割し,この各領域内に存
在する被測定パタ−ンの直線化したエッジデ−タと画素
単位のエッジデ−タとをマスタパタ−ンの直線にそれぞ
れ対応付けし,それぞれ対応付けされた被測定パタ−ン
のエッジデ−タとマスタパタ−ンのエッジデ−タとの誤
差量を検出して良品,不良品の判定をするようにしたも
のである。
【0011】
【作用】良品と判定されている被測定パタ−ンをマスタ
パタ−ンとし,その濃淡画像を画像メモリに記憶すると
ともに,この画像メモリに記憶されたマスタパタ−ンの
濃淡ヒストグラムから,これを二値化処理して,マスタ
パタ−ンのエッジデ−タを求める。このエッジデ−タの
中で同じ傾をもつエッジデ−タ部分の傾aをそれぞれ求
め,この傾aを持つ直線方程式ax+b−y=0で表さ
れるマスタパタ−ンを作成して登録する。
【0012】次いで,エッジデ−タから最小二乗法によ
りマスタパタ−ンを直線の集合に変換し,これらの直線
から互いに対向位置する両直線の中心線LM と幅Wとを
求めてこれをマスタパタ−ン情報として登録する。この
エッジデ−タから傾aの同じエッジデ−タ部分の傾aを
それぞれ求め,この傾aを持つ直線方程式ax+b−y
=0で表されるマスタパタ−ンを作成して登録する。
【0013】同様に,被測定パタ−ンmのエッジデ−タ
の中で同じ傾c(但し,c=x/y)をもったエッジデ
−タ部分の傾c1 ,c2 ・・・をそれぞれ求め,これら
の傾cを持つエッジデ−タ部分をマスタパタ−ンMと比
較して,同一の傾を持つデ−タは,対応するマスタパタ
−ンの直線と置換する。直線化不可能な被測定パタ−ン
のエッジデ−タ部分はそのままのエッジデ−タをのこ
す。このようにすることにより,検査すべき被測定パタ
−ンのエッジデ−タ量が軽減され,デ−タの処理時間を
大幅に短縮している。
【0013】
【発明の実施例】この発明の実施例を,図1〜図18に
基づいて詳細に説明する。図1はこの発明の実施例を示
す処理フロ−,図2はこの発明を実施するためののパタ
−ン検査装置の基本動作図,図3はこの発明を実施する
ためのシステム構成図,図4〜図18は,この発明によ
るパタ−ンの検査方法を説明するための説明図である。
【0014】まず,この発明を実施する具体的なパタ−
ン検査装置について,図2に示す基本動作図および図5
に示すシステム構成図に基づいて説明する。なお,この
実施例では,被測定パタ−ンmとしてTABテ−プのパ
タ−ンを例にとり,そのパタ−ンを検査する場合につい
て説明する。
【0015】図2において,パタ−ン検査装置は,リ−
ルに巻かれているTABテ−プ(図示せず)のフィルム
を送り出す巻出し部1,定寸送り・位置決め部2,良品
不良品を判定処理する検出部3,判定処理が終了したテ
−プを次に切断工程に送る定寸送り・位置決め部4,不
良品のテ−プを切断する打ち抜き部5,再度リ−ルにテ
−プを巻取るための巻取り部6とにより構成されてい
る。
【0016】図3は,システム構成図を示すもので,シ
ステム制御部7はこのシステム全体を制御し,メニュ−
や結果を表示するカラ−CRT8,品種の設定,登録,
操作メニュ−の選択を行うキ−ボ−ド9,シ−ケンサ部
10,プリンタ11,画像メモリ12,CPU(計測ユ
ニット)13,信号セレクタ14等が制御されている。
【0017】シ−ケンサ部10は,システム制御部7の
制御のもとに,操作スイッチ・表示ランプ15,テ−プ
ランナ部16,テ−プパンチャ部17,X−Yテ−ブル
18等を制御している。19はフロッピ−ディスクであ
る。
【0018】ドライバ20によりX方向のモ−タ21,
シ−ケンサ部10を介してテ−ブルコントロ−ラ(3
軸)22とY−S−Pドライバ23とによりY方向のモ
−タ24およびスパン軸用モ−タ25が制御されて,X
−Yテ−ブル18は,それぞれX方向,Y方向およびス
パン軸方向に駆動制御される。従って,TABテ−プ
は,X−Yテ−ブル18上のカメラ26,27で撮像さ
れ,その画像はA/D変換器28によりデジタル変換さ
れ,画像メモリ12に画素単位で記憶される。検出部3
は,カメラ26,27とこの移動機構部分,X−Yテ−
ブル18,CPU13,A/D変換器28,画像メモリ
12により構成されている。
【0019】次に,このパタ−ン検査装置の作用動作に
ついて説明する。リ−ルに巻き取られているTABテ−
プは,シ−ケンサ部10の制御のもとに,テ−プランナ
部16に1コマづつX−Yテ−ブル18上のカメラ2
6,27の所定位置に送り出され位置決めされる。X−
Yテ−ブル18はYおよびX軸方向の駆動モ−タ24,
21および3軸方向を制御するテ−ブルコントロ−ラ2
2とにより,それぞれ位置決めされる。
【0020】所定位置に位置決めされた1コマのTAB
テ−プのパタ−ンは,2台のカメラ26,27により撮
像され,その濃淡画像はA/D変換器28によりデジタ
ル信号に変換され,画素単位で画像メモリ12に記憶さ
れる。一方,画像メモリ12には,検査の開始に当たっ
て,良品と判定されたTABテ−プのマスタパタ−ン情
報が作成され記憶される。このマスタパタ−ンMとTA
Bパタ−ン(被測定パタ−ンm)とが検出部3におい
て,後述するような方法で比較され,良品,不良品の判
定処理がなされる。
【0021】このようにして,各コマ毎に良品,不良品
の判定処理がなされたTABテ−プは,順次各コマ毎に
テ−プパンチャ部17に送り込まれ,不良品が打ち抜か
れた後,巻取り部6において,再度リ−ルに巻き取ら
れ,検査が終了する。
【0022】次に,検出部3においてTABパタ−ンが
良品,不良品と判定処理されるためのTABパタ−ンの
検査方法について,図1に基づいて説明する。検査に先
立って,良品と判定されているTABテ−プから,基準
となるマスタパタ−ンMを作成して,マスタパタ−ン情
報として画像メモリ12に登録しておかねばならない。
【0023】以下,マスタパタ−ンMの作成方法につい
て,図1〜図13に基づいて説明する。白黒のカメラ2
6,27で撮像され,良品と判定されたTABテ−プの
パタ−ンの濃淡画像は,図4にそのパタ−ンの一部が示
され,図5,図6にその拡大図が示されているが,それ
は,まず,一旦画像メモリ12に登録される(ステップ
40)。次いで,そのエッジ座標(エッジデ−タ)が,
図5,図6に示すように,濃淡画像が白→黒,黒→白と
変化している点の中点において,しきい値SL と交叉す
るものと仮定して抽出される(ステップ41)。
【0024】マスタパタ−ンMのエッジデ−タの抽出
は,全体画像の濃淡ヒストグラムからこれを二値化処理
し,しきい値SL の両隣の白,黒の画素において比例配
分でしきい値SL をよぎるX又はY座標値(以下,エッ
ジデ−タと記す)N1 (4.5,2),N2 (5,2.
5),N3 (5.5,3)・・・・が求められる(ステ
ップ41)。
【0025】次に,図7に示すように,このようにして
求められた点の集合であるマスタパタ−ンMの各エッジ
デ−タN1 ,N2 ,N3 ・・・は最小二乗法により直線
1,A2 ,A3 ・・として直線化される(ステップ4
2)。なお,この場合,各エッジデ−タN1 ,N2 ,N
3 ・・・から直線A1 ,A2,A3 ・・・に垂線を下
し,それぞれ各エッジデ−タN1 ,N2 ,N3 ・・・か
ら直線A1 .A2 ・・までの距離ΔN1 ,ΔN2 ,ΔN
3 ・・・が,0.3画素以下の場合には,直線化可能な
エッジデ−タとして直線A1 ,A2 ・・・に含められ
る。このようにして,点の集合として抽出されているマ
スタパタ−ンMのエッジデ−タN1 ,N2 ,N3 ・・・
を直線化して,最終的にはマスタパタ−ンMは直線A
1 ,A2 ,A3 ・・の集合に変換される(ステップ4
2)。
【0026】次に,マスタパタ−ンMの幅Wが求められ
る。図8に示すように,互いに対向する直線A1 と直線
n ,直線A2 と直線An-1 ・・・から中心線LM を求
め,この中心線デ−タは,マスタパタ−ン情報として登
録される(ステップ43)。なお,この情報は,被測定
パタ−ンmを検査する場合にリ−ドの方向性を調べるの
に使用される。
【0027】求められた中心線LM に垂直な直線HM
引いた時,この直線HM が直線A1とAN ,A2 とAN-1
・・・と交叉する点までの幅がマスタパタ−ンMの幅
Wと等しくなる。
【0028】即ち,中心線LM は両直線A1 とAn-1
の距離を直径とする内接円の中心の軌跡となるととも
に,直径がマスタパタ−ンMの幅Wとなる(ステップ4
4)。このようにして順次求められたマスタパタ−ンM
の直線A1 ,A2 ,A3 ・・・,中心線LM は,マスタ
パタ−ン情報として登録されて,基準となるマスタパタ
−ンMが作成される(ステップ45)。
【0029】一方,ステップ41において抽出されたエ
ッジデ−タは,図19に示すように,0.1画素の単位
の階段状の画像デ−タとして表される。そこで,階段状
のエッジデ−タは,例えば,1画素下がって2画素目に
抽出され,あるいは1画素下がって1画素目に抽出され
る等のように,エッジデ−タ部分が一定の割合で変化し
ているパタ−ン部分についてその傾a(a1 ,a2 ・・
・)がそれぞれ求められる(ステップ46)。
【0030】このようにして,一定の傾a(a1 ,a2
・・・)を持つ画像パタ−ンのエッジデ−タ部分につい
ては,その間をそれぞれ直線方程式a1 x+b−y=0
(直線T1 ),a2 x+b−y=0(直線T2 )・・・
で表される直線,その一般式はax+b−y=0で表さ
れる直線にそれぞれ変換される(ステップ47)。この
ようにして,マスタパタ−ンMは傾a1 ,a2 ・・・を
持つ直線方程式群で表され,マスタパタ−ン情報として
登録される(ステップ45)。
【0031】上記のようにして,マスタパタ−ンMが作
成されると,次は,実際にTABテ−プの被測定パタ−
ンmが,図1に示す手順で検査される。まず,TABテ
−プは,図2,図3に示すように,リ−ルに巻き取られ
ており,巻出し部1から,1コマずつ送り出され,カメ
ラ26,27により被測定パタ−ンmが撮像される。こ
の時,撮像された画像は,図4に示すような濃淡画像と
なり,A/D変換器28でデジタル信号に変換されて,
画像メモリ12に一旦記憶される。
【0032】画像メモリ12に記憶されているマスタパ
タ−ンMとこの被測定パタ−ンmとは,検出部3のCP
U13で読み出され,位置合わせされた後,比較,照合
されて,被測定パタ−ンmが検査される(ステップ4
8)。
【0033】ここで,被測定パタ−ンmをマスタパタ−
ンMと比較,照合して検査する場合の前提条件を,図9
に基づいて説明する。 (1)マスタパタ−ンMおよび被測定パタ−ンmのエッ
ジデ−タn1 ,n2 ,n3 ・・・は,例えば,検査範囲
を設定する一つの手法として,ウインド30によってマ
スクされ,ウインド30の中のパタ−ンのみが検査の対
象となる(ステップ49)。 (2)ウインド30によって一部分切り出された被測定
パタ−ンmは,図9に示すように,必ずウインド30の
4辺のいづれかに接しており,パタ−ン31で示される
形状のパタ−ン部分は,エッジデ−タとしては認識しな
い。 (3)検査は,必ず出発点Sからウインド30の4辺を
一定方向に回って進められ,最後に出発点Sに戻り,画
面の検査が完了する。 (4)被測定パタ−ンmは直線であること。
【0034】このような前提条件のもとに,以下の手順
で被測定パタ−ンmの検査が行われる。図10は,検査
時の状態を示すもので,マスタパタ−ンMのエッジデ−
タは最小二乗法により直線化されて,直線A1 ,A2
3 ・・・で示されており,抽出された被測定パタ−ン
mのエッジデ−タn1 ,n2 ,n3 ・・・が黒丸で示さ
れている(ステップ50)。
【0035】次に,図18に示すように,被測定パタ−
ンmのエッジデ−タn1 ,n2 ,n3 ・・・nn から,
このデ−タの内,傾cが同一の値を持つエッジデ−タ,
例えば,エッジデ−タn1 からn11までの直線C1 の傾
はc1 ,n12からn14までの直線C2 の傾はc2 等のよ
うに算出される(ステップ51)。
【0036】これらの傾c(c1 ,c2 ・・・)は,そ
れぞれマスタパタ−ンMと比較されて,例えば,マスタ
パタ−ンMの傾a1 とc1 およびa2 とc2 とが同一の
傾を持つものとして,直線化可能なパタ−ンとして検出
される。これらの直線C1 ,C2 ・・・は,それぞれマ
スタパタ−ンMの直線方程式a1 x+b−y=0,a2
x+b−y=0で表される直線に置換される(ステップ
52)。
【0037】このようにして直線化された場合の被測定
パタ−ンmのエッジデ−タの内,直線方程式a1 x+b
−y=0,a2 x+b−y=0・・・で直線化された箇
所のエッジデ−タは,直線の両端のエッジデ−タn1
11およびn12,n14・・・となる。この際,直線化で
きないエッジデ−タ部分は,そのまま階段状のエッジデ
−タとして残されている。
【0038】このようにして求められ被測定パタ−ンm
のエッジデ−タn1 ,n11,n12,n14,・・・nn
は,次に,マスタパタ−ンMのどの直線と対応するかの
対応付けが行われなければならない。この対応付けを行
うために,図11に示すように,マスタパタ−ンMの互
いに隣接する直線A1 と直線A2 ,直線A2 と直線A3
・・・が持つ角度α,β・・・をそれぞれ2等分する直
線A2',A3'・・・を算出する。
【0039】従って,マスタパタ−ンMは,この直線A
2',A3'・・・で区分され,各直線A1 ,A2 ,A3
・に対応する領域(以下,領域A1 ,A2 ,A3 ・・・
と記す)に分割されることになるので,被測定パタ−ン
mのエッジデ−タn1 ,n11,n12,n14・・・は,す
べて領域A1 ,A2 ,A3 ・・・に対応付けされる(ス
テップ53)。
【0040】次に,マスタパタ−ンMと被測定パタ−ン
mとの誤差量(ずれ)Δdが測定されなければならな
い。このためには,図12に示すように,被測定パタ−
ンmのエッジデ−タn1 ,n11,n12・・・から直線A
1 ,A2 ・・・にそれぞれ垂線h1 ,,h11・・・を降
ろし,この垂線h1 ,h11・・・が,それぞれ直線A
1 ,A2 ・・・と交叉する距離Δd(Δd1 ,Δd11
・・)を求めると,この距離Δdが誤差量,即ち,マス
タパタ−ンMと被測定パタ−ンmとのずれ量となる(ス
テップ54)。なお,この測定に際しては,マスタパタ
−ンMと比較されるべき被測定パタ−ンmのエッジデ−
タは,非常に減少しているので,検査時間は大幅に短縮
される。
【0041】次に,実際に各種の検査をする場合につい
て説明する(ステップ55)。 (1).断線の検査 図11に示すように,マスタパタ−ンMのエッジデ−タ
は,直線A1 ,A2 ・・・に変換されているとともに,
領域A1 ,A2 ・・・に区分されている。一方,抽出さ
れた被測定パタ−ンmの境界座標を示すエッジデ−タn
1 ,n2,n3 ・・・は,それぞれn1 〜n11まではマ
スタパタ−ンMの直線方程式a1x+b−y=0,n12
〜n14までは,直線方程式a2 x+b−y=0と変換さ
れる。従って,被測定パタ−ンのエッジデ−タは,n
1 ,n11,n12・・・となり,それぞれラベリングが付
されて,連続的なエッジデ−タn1 ,n11,n12・・・
の集合として抽出される。
【0042】この抽出された被測定パタ−ンmの各エッ
ジデ−タn1 ,n11,n12・・・(図11に黒丸で示さ
れている)は,マスタパタ−ンMのどの直線にそれぞれ
対応するかを領域A1 ,A2 ・・・に分けて対応付けさ
れ分類される。
【0043】そこで,断線であるか否かの判定は,図1
3に示すように,被測定パタ−ンmのエッジデ−タn
1 ,n11,n12・・・nn をマスタパタ−ン情報として
マスタパタ−ンMの作成時に登録されている各領域A
1 ,A2 ・・・A7 に対応付けする。この場合,マスタ
パタ−ンMの領域A1 ,A2 ・・・A7 に,それぞれ対
応付けされる被測定パタ−ンmのエッジデ−タn1 ,n
11,n12,n14・・・・は,以下のようである。
【0044】領域A1 ・・・エッジデ−タ n1 ,n11 領域A2 ・・・エッジデ−タ n12,n14 領域A3 ・・・エッジデ−タ 0 領域A4 ・・・エッジデ−タ 0 領域A5 ・・・エッジデ−タ 0 領域A6 ・・・エッジデ−タ nn-3n-2 領域A7 ・・・エッジデ−タ nn-1n
【0045】この結果から明らかであるように,マスタ
パタ−ンMの領域A3 ,A4 ,A5に対応する被測定パ
タ−ンmのエッジデ−タが存在しないため,このような
場合は断線と判定される。
【0046】(2).短絡(ショ−ト)の検査 図14は短絡の検査時の状態を示すもので,図示のよう
に,マスタパタ−ンMのリ−ドと被測定パタ−ンmのリ
−ドとが,それぞれウインド30と接しているリ−ド位
置,およびリ−ド位置’,’とすると,被測定
パタ−ンmのエッジデ−タが他の箇所でマスタパタ−ン
Mの他のリ−ドと接していた場合には,短絡と判定され
なければならない。
【0047】従って,このように,短絡と判定するため
に,まず,被測定パタ−ンmのリ−ド毎にエッジデ−タ
が抽出され,図15に示すように,各エッジデ−タは,
a,b,c,d・・・s,t,uとラベリングされる。
【0048】被測定パタ−ンmに短絡がある場合には,
ラベリングされたリ−ドパタ−ン’のエッジデ−タ
は,a,b,c,j,k,l,m,n,o,p,q,
r,s,t,u,d,e,f,g,h,i,aとなり,
リ−ドパタ−ン’のエッジデ−タj,k,l,m,
n,o,p,q,r,s,t,uが抽出される。しか
し,このようなエッジデ−タj,k,l,m,n,o,
p,q,r,s,t,uは,マスタパタ−ンMのリ−ド
パタ−ンのエッジデ−タとしては,登録されていない
ので,この場合には,被測定パタ−ンmのリ−ドパタ−
ン’とリ−ドパタ−ン’とは短絡していると判定さ
れる。
【0049】(3).パタ−ンの幅の検査 図16は細りの検査時の状態を示すもので,図12に示
すように,被測定パタ−ンmのエッジデ−タn1
11,n12,n14・・・から,マスタパタ−ンMの直線
1 ,A2 ・・・に垂線を下し,この垂線までの長さΔ
d(誤差量)(Δd1 ,Δd5 ・・・)を求め,この誤
差量Δdが小さい場合には,そのまま良品として判定さ
れる。
【0050】誤差量Δdが大きいエッジデ−タに対して
は,マスタパタ−ンMの中心線LMに対して垂線を下ろ
して,その距離を求め,互いに対向する被測定パタ−ン
mのエッジデ−タの幅w(w1 ,w2 ・・)を求める。
この実施例の場合には,マスタパタ−ンMの幅Wとした
時,被測定パタ−ンの幅wが (2/3)W<w<(4/3)W の範囲内に入っているか否かを見て,この範囲内に入っ
ている場合には,良品と判定され,範囲外の場合には細
りあるいは太りとして不良品と判定される。但し,一般
には,判定係数をAおよびB(但し,A〈B)とした
時,この幅wと前記マスタパタ−ンの幅Wとが, AW<w<BW となる時,良品と判定し,幅wがこの範囲外にある時を
パタ−ンの幅不適として不良品と判定される。
【0051】(4).位置ずれ(曲がり)の検査 図17は,位置ずれの検査時の状態を示すもので,マス
タパタ−ンMの直線A1 ,A2 ・・・からそれぞれ対応
付けられている被測定パタ−ンmのエッジデ−タが大き
くずれたデ−タに対してのみ,被測定パタ−ンmのエッ
ジデ−タから,マスタパタ−ンMの直線A1 ,A2 ・・
・に垂線を下し,この垂線までの長さ(誤差量)Δd
1 ,Δd2 ,Δd3 ,・・・Δdn を求める。
【0052】マスタパタ−ンMのリ−ド幅Wとした時,
この誤差量Δdn がΔdn >(1/2)Wの時のみ,位
置ずれと判定されて不良品と判定され,その他の場合に
は,即ち,誤差量Δdn がリ−ド幅W/2より小さい場
合には,良品と判定され,誤差量Δdn は測定されな
い。
【0053】なお,被測定パタ−ンmが同一形状のリ−
ドパタ−ンの繰り返しとして形成されている場合には,
マスタパタ−ンMと被測定パタ−ンmとが1本分リ−ド
パタ−ンがずれた状態で位置合わせされる場合がある
が,この場合には,位置ずれとの判定結果はでないが,
検査の最終段階では被測定パタ−ンmの最終リ−ドパタ
−ンに対応するマスタパタ−ンMのエッジデ−タが存在
しないことになり,不良品と判定されることになるか
ら,最終的にはチェックすることが出来る。
【0054】
【発明の効果】この発明は,被測定パタ−ンの良品をマ
スタパタ−ンの濃淡画像として画像メモリに記憶し,こ
の画像メモリに記憶されたマスタパタ−ンの濃淡ヒスト
グラムからこれを二値化処理してマスタパタ−ンのエッ
ジデ−タを求め,このエッジデ−タの中で同じ傾をもつ
エッジデ−タ部分の傾aをそれぞれ求めるとともに,マ
スタパタ−ンを傾aをもつ直線方程式ax+b−y=0
で置換してマスタパタ−ン情報として登録し,エッジデ
−タから最小二乗法によりマスタパタ−ンを直線の集合
に変換し,これらの直線から互いに対向して位置する両
直線の中心線LMを求めてマスタパタ−ン情報として登
録し,この中心線LM に直角に交わる線と両直線とが交
わる点までの長さから互いに対向する直線の幅Wを求め
てマスタパタ−ン情報として登録し,被測定パタ−ンを
画像メモリに記憶し,登録されたマスタパタ−ンと被測
定パタ−ンとを位置合わせするとともに,検査範囲を設
定し,この検査範囲の周辺に,被測定パタ−ンのエッジ
デ−タが存在し,検査範囲の周辺を一定方向に検査して
被測定パタ−ンのエッジデ−タを抽出し,この被測定パ
タ−ンのエッジデ−タの中で同じ傾をもつエッジデ−タ
部分の傾をそれぞれ求め,この傾がマスタパタ−ンの直
線方程式と一致する被測定パタ−ンのエッジデ−タ部分
は,順次対応するマスタパタ−ンの直線方程式に置換し
て直線化し,この直線化された被測定パタ−ンの両端の
エッジデ−タを抽出するとともに,直線化不可能な被測
定パタ−ンのエッジデ−タ部分はそのまま画素単位のエ
ッジデ−タを抽出し,マスタパタ−ンの互いに隣接する
直線の持つ角度を2等分する直線を算出し,この2等分
する直線によりマスタパタ−ンを各直線にそれぞれ対応
する領域に分割し,この各領域内に存在する被測定パタ
−ンの直線化したエッジデ−タと画素単位のエッジデ−
タとをマスタパタ−ンの直線にそれぞれ対応付けし,そ
れぞれ対応付けされた被測定パタ−ンのエッジデ−タと
マスタパタ−ンのエッジデ−タとの誤差量を検出して良
品,不良品の判定をするようにしたので,被測定パタ−
ンの検査すべきエッジデ−タ数が非常に少なくなるた
め,検査に要する処理時間を大幅に短縮することが出来
る。
【0054】又,画像パタ−ンのエッジデ−タを直線化
しているので,傾斜した画像パタ−ンの場合のように階
段状の画像パタ−ンにより発生する量子化誤差を最小に
することが出来る。その上,カメラの設置方向を厳密に
する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す処理フロ−である。
【図2】この発明の実施例を示すパタ−ン検査装置の基
本動作図である。
【図3】この発明の実施例を示すシステム構成図であ
る。
【図4】この発明の実施例を示すもので,被測定パタ−
ンの一部である。
【図5】この発明の実施例を示すもので,マスタパタ−
ンのエッジデ−タを求めるための説明図で,図4の要部
拡大図である。
【図6】この発明の実施例を示すもので,図5の要部拡
大図である。
【図7】この発明の実施例を示すもので,マスタパタ−
ンを直線化するための説明図である。
【図8】この発明の実施例を示すもので,マスタパタ−
ンの幅Wを求めるための説明図である。
【図9】この発明の実施例を示すもので,ウインドに表
示された被測定パタ−ンである。
【図10】この発明の実施例を示すもので,マスタパタ
−ンの直線と被測定パタ−ンのエッジデ−タとの関係を
示す図である。
【図11】この発明の実施例を示すもので,マスタパタ
−ンの領域を区分するための説明図である。
【図12】この発明の実施例を示すもので,ずれ(誤差
量)を求めるための説明図である。
【図13】この発明の実施例を示すもので,断線の検査
の説明図である。
【図14】この発明の実施例を示すもので,短絡の検査
の説明図である。
【図15】この発明の実施例を示すもので,短絡の検査
の説明図である。
【図16】この発明の実施例を示すもので,細りの検査
の説明図である。
【図17】この発明の実施例を示すもので,曲がり検査
の説明図である。
【図18】この発明の実施例を示すもので,被測定パタ
−ンmを直線方程式に置換するための説明図である。
【図19】マスタパタ−ンMを直線方程式に置換するた
めの説明図である。
【符号の説明】
M マスタパタ−ン A1 ,A2 ・・・マスタパタ−ンMの直線 N1 ,N2 ・・・マスタパタ−ンのエッジデ−タ a(a1 ,a2 ・・・)マスタパタ−ンMのエッジデ−
タの傾 HM マスタパタ−ンの直線 LM マスタパタ−ンの中心線 W マスタパタ−ンの幅 Δd 誤差量(ずれ) m 被測定パタ−ン w 被測定パタ−ンの幅 n1 ,n11・・・被測定パタ−ンのエッジデ−タ c(c1 ,c2 ・・・) 被測定パ−タ−ンmのエッジ
デ−タの傾 X ずれの長さ 12 画像メモリ 13 CPU
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,フィルムキャリア等
により形成されたパターンを自動的に検査する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,IC,LSIの実装に用いられる
フィルムキャリアは,厚さ75〜125μm程度のポリ
イミドフィルムの上に,銅箔を接着剤で貼り付け,両面
にフォトレジストを塗布し,マスク露光,現像,エッチ
ングを行ってリードのパターンを形成している。
【0003】このようにしてパターンを形成後,フォト
レジストが除去され,リードの表面にSn,Au,半田
メッキ処理を行ってフィルムキャリア工程が終了する。
この工程終了後,顕微鏡を用いて人間により目視でパタ
ーンの検査が行われている。このように,微細なパター
ンを目視で検査するには,熟練を要するとともに,目を
酷使する結果となる等の問題があった。
【0004】一方,目視検査に代わるものとして,パタ
ーンをTVカメラで撮像し基準パターンとして,被測定
パターンとの一致率をもとに検査を行うパターンマッチ
ング手法によることも考えられる。しかしながら,一致
率は下式で表されるように,画素単位の計測であり,フ
ィルムキャリアのような微細なパターンの検査には不向
きである。 一致率={(全体の画素−一致していない画素)/(全
体の画素)}×100% 又,同一形状のリードが連続するようなパターンの場合
には,リードが1本分ずれて位置合わせしてしまう場合
もあり,同一形状のパターンの繰り返しの場合には問題
があった。
【0005】そこで,上記の問題点を解決するために,
発明者は先に,以下のような方法を出願した。即ち,良
品と判定されている被測定パターンをマスタパターンと
し,その濃淡画像を画像メモリに記憶するとともに,こ
の画像メモリに記憶されたマスタパターンの濃淡ヒスト
グラムから,これを二値化処理して,マスタパターンの
エッジデータを求め,このエッジデータから最小二乗法
により直線化して登録するとともに,互いに対向位置す
る両直線の中心線Lと幅Wとを求めてこれをマスタパ
ターン情報として登録し,これを基準パターンとする。
一方,被測定パターンのエッジデータは,マスタパター
ンの各直線に対応付けされ,両者が比較照合され,誤差
が検査され,良品,不良品の判定がなされる方法であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら,一般
に,二値化された画像データは,格子状に配置された画
素により構成されている。従って,図19に示すよう
に,被測定パターンが斜めの画像パターンとして取り込
まれた場合,この取り込まれた画像パターンのエッジ部
分は画素単位の階段状となる。
【0007】そのため,階段状に表されている被測定パ
ターンmと直線化されているマスタパタ−ンMとの間で
斜線部分で示すように,誤差ε(=1/√2=0.7画
素)が生じる。この誤差分は被測定パターンmの正規の
誤差に加算されることになり,見かけ上,不良部位と判
断されて,その部位における被測定パターンmの幅wの
測定が開始されるため,良品,不良品の判定誤差の原因
となっていた。さらに,直線状の画像パターンが格子状
の画素に対して斜めに取り込まれた場合には,本来,直
線で表されるべき画像パターンのエッジ部分が階段状の
画像データとして抽出される。
【0008】このように,階段状の画像データの場合に
は,図19に○印で示すように,そのエッジデータのデ
ータ量が膨大となる。そのため,良品,不良品の判定に
あたっては,この膨大な被測定パターンmのエッジデー
タをマスタパターンMのエッジデータとひとつづつ比較
しなければならず,それだけデータ処理に時間がかか
り,検査時間が非常に長くかかるという問題があった。
【0009】一方,カメラの設置状態によって,検査す
べき被測定パターンが格子状の画素に対して傾斜した状
態で画像表示された場合には,上記のように,階段状の
画像データが抽出され,検査すべきデータ量が膨大とな
るから,カメラの設置方向を厳密に規定する必要があっ
た。
【0010】
【問題点を解決するための手段】この発明は,被測定パ
ターンの良品をマスタパターンの濃淡画像として画像メ
モリに記憶し,この画像メモリに記憶されたマスタパタ
ーンの濃淡ヒストグラムからこれを二値化処理してマス
タパターンのエッジデータを求め,このエッジデータの
中で同じ傾をもつエッジデータ部分の傾aをそれぞれ求
めるとともに,マスタパターンを傾aをもつ直線方程式
ax+b−y=0で置換してマスタパターン情報として
登録し,エッジデータから最小二乗法によりマスタパタ
ーンを直線の集合に変換し,これらの直線から互いに対
向して位置する両直線の中心線Lを求めてマスタパタ
ーン情報として登録し,この中心線Lに直角に交わる
線と両直線とが交わる点までの長さから互いに対向する
直線の幅Wを求めてマスタパターン情報として登録し,
被測定パターンを画像メモリに記憶し,登録されたマス
タパターンと被測定パターンとを位置合わせするととも
に,検査範囲を設定し,この検査範囲の周辺に,被測定
パターンのエッジデータが存在し,検査範囲の周辺を一
定方向に検査して被測定パターンのエッジデータを抽出
し,この被測定パターンのエッジデータの中で同じ傾を
もつエッジデータ部分の傾をそれぞれ求め,この傾がマ
スタパターンの直線方程式と一致する被測定パターンの
エッジデータ部分は,順次対応するマスタパターンの直
線方程式に置換して直線化し,この直線化された被測定
パターンの両端のエッジデータを抽出するとともに,直
線化不可能な被測定パターンのエッジデータ部分はその
まま画素単位のエッジデータを抽出し,マスタパターン
の互いに隣接する直線の持つ角度を2等分する直線を算
出し,この2等分する直線によりマスタパターンを各直
線にそれぞれ対応する領域に分割し,この各領域内に存
在する被測定パターンの直線化したエッジデータと画素
単位のエッジデータとをマスタパターンの直線にそれぞ
れ対応付けし,それぞれ対応付けされた被測定パターン
のエッジデータとマスタパターンのエッジデータとの誤
差量を検出して良品,不良品の判定をするようにしたも
のである。
【0011】
【作用】良品と判定されている被測定パターンをマスタ
パターンとし,その濃淡画像を画像メモリに記憶すると
ともに,この画像メモリに記憶されたマスタパターンの
濃淡ヒストグラムから,これを二値化処理して,マスタ
パターンのエッジデータを求める。このエッジデータの
中で同じ傾をもつエッジデータ部分の傾aをそれぞれ求
め,この傾aを持つ直線方程式ax+b−y=0で表さ
れるマスタパターンを作成して登録する。
【0012】次いで,エッジデータから最小二乗法によ
りマスタパターンを直線の集合に変換し,これらの直線
から互いに対向位置する両直線の中心線Lと幅Wとを
求めてこれをマスタパターン情報として登録する。この
エッジデータから傾aの同じエッジデータ部分の傾aを
それぞれ求め,この傾aを持つ直線方程式ax+b−y
=0で表されるマスタパターンを作成して登録する。
【0013】同様に,被測定パターンmのエッジデータ
の中で同じ傾c(但し,c=x/y)をもったエッジデ
ータ部分の傾c,c・・・をそれぞれ求め,これら
の傾cを持つエッジデータ部分をマスタパターンMと比
較して,同一の傾を持つデータは,対応するマスタパタ
ーンの直線と置換する。直線化不可能な被測定パターン
のエッジデータ部分はそのままのエッジデータをのこ
す。このようにすることにより,検査すべき被測定パタ
ーンのエッジデータ量が軽減され,データの処理時間を
大幅に短縮している。
【0014
【発明の実施例】この発明の実施例を,図1〜図18に
基づいて詳細に説明する。図1はこの発明の実施例を示
す処理フロー,図2はこの発明を実施するためののパタ
ーン検査装置の基本動作図,図3はこの発明を実施する
ためのシステム構成図,図4〜図18は,この発明によ
るパターンの検査方法を説明するための説明図である。
【0015】まず,この発明を実施する具体的なパター
ン検査装置について,図2に示す基本動作図および図5
に示すシステム構成図に基づいて説明する。なお,この
実施例では,被測定パターンmとしてTABテープのパ
ターンを例にとり,そのパターンを検査する場合につい
て説明する。
【0016】図2において,パターン検査装置は,リー
ルに巻かれているTABテープ(図示せず)のフィルム
を送り出す巻出し部1,定寸送り・位置決め部2,良品
不良品を判定処理する検出部3,判定処理が終了したテ
ープを次に切断工程に送る定寸送り・位置決め部4,不
良品のテープを切断する打ち抜き部5,再度リールにテ
ープを巻取るための巻取り部6とにより構成されてい
る。
【0017】図3は,システム構成図を示すもので,シ
ステム制御部7はこのシステム全体を制御し,メニュー
や結果を表示するカラーCRT8,品種の設定,登録,
操作メニューの選択を行うキーボード9,シーケンサ部
10,プリンタ11,画像メモリ12,CPU(計測ユ
ニット)13,信号セレクタ14等が制御されている。
【0018】シーケンサ部10は,システム制御部7の
制御のもとに,操作スイッチ・表示ランプ15,テープ
ランナ部16,テープパンチャ部17,X−Yテーブル
18等を制御している。19はフロッピーディスクであ
る。
【0019】ドライバ20によりX方向のモータ21,
シーケンサ部10を介してテーブルコントローラ(3
軸)22とY−S−Pドライバ23とによりY方向のモ
ータ24およびスパン軸用モータ25が制御されて,X
−Yテーブル18は,それぞれX方向,Y方向およびス
パン軸方向に駆動制御される。従って,TABテープ
は,X−Yテーブル18上のカメラ26,27で撮像さ
れ,その画像はA/D変換器28によりデジタル変換さ
れ,画像メモリ12に画素単位で記憶される。検出部3
は,カメラ26,27とこの移動機構部分,X−Yテー
ブル18,CPU13,A/D変換器28,画像メモリ
12により構成されている。
【0020】次に,このパターン検査装置の作用動作に
ついて説明する。リールに巻き取られているTABテー
プは,シーケンサ部10の制御のもとに,テープランナ
部16に1コマづつX−Yテーブル18上のカメラ2
6,27の所定位置に送り出され位置決めされる。X−
Yテーブル18はYおよびX軸方向の駆動モータ24,
21および3軸方向を制御するテーブルコントローラ2
2とにより,それぞれ位置決めされる。
【0021】所定位置に位置決めされた1コマのTAB
テープのパターンは,2台のカメラ26,27により撮
像され,その濃淡画像はA/D変換器28によりデジタ
ル信号に変換され,画素単位で画像メモリ12に記憶さ
れる。一方,画像メモリ12には,検査の開始に当たっ
て,良品と判定されたTABテープのマスタパターン情
報が作成され記憶される。このマスタパターンMとTA
Bパターン(被測定パターンm)とが検出部3におい
て,後述するような方法で比較され,良品,不良品の判
定処理がなされる。
【0022】このようにして,各コマ毎に良品,不良品
の判定処理がなされたTABテープは,順次各コマ毎に
テープパンチャ部17に送り込まれ,不良品が打ち抜か
れた後,巻取り部6において,再度リールに巻き取ら
れ,検査が終了する。
【0023】次に,検出部3においてTABパターンが
良品,不良品と判定処理されるためのTABパターンの
検査方法について,図1に基づいて説明する。検査に先
立って,良品と判定されているTABテープから,基準
となるマスタパターンMを作成して,マスタパターン情
報として画像メモリ12に登録しておかねばならない。
【0024】以下,マスタパターンMの作成方法につい
て,図1〜図13に基づいて説明する。白黒のカメラ2
6,27で撮像され,良品と判定されたTABテープの
パターンの濃淡画像は,図4にそのパターンの一部が示
され,図5,図6にその拡大図が示されているが,それ
は,まず,一旦画像メモリ12に登録される(ステップ
40)。次いで,そのエッジ座標(エッジデータ)が,
図5,図6に示すように,濃淡画像が白→黒,黒→白と
変化している点の中点において,しきい値Sと交叉す
るものと仮定して抽出される(ステップ41)。
【0025】マスタパターンMのエッジデータの抽出
は,全体画像の濃淡ヒストグラムからこれを二値化処理
し,しきい値Sの両隣の白,黒の画素において比例配
分でしきい値SをよぎるX又はY座標値(以下,エッ
ジデータと記す)N(4.5,2),N(5,2.
5),N(5.5,3)・・・・が求められる(ステ
ップ41)。
【0026】次に,図7に示すように,このようにして
求められた点の集合であるマスタパターンMの各エッジ
データN,N,N・・・は最小二乗法により直線
,A,A・・として直線化される(ステップ4
2)。なお,この場合,各エッジデータN,N,N
・・・から直線A,A,A・・・に垂線を下
し,それぞれ各エッジデータN,N,N・・・か
ら直線A.A・・までの距離ΔN,ΔN,ΔN
・・・が,0.3画素以下の場合には,直線化可能な
エッジデータとして直線A,A・・・に含められ
る。このようにして,点の集合として抽出されているマ
スタパターンMのエッジデータN,N,N・・・
を直線化して,最終的にはマスタパターンMは直線
,A,A・・の集合に変換される(ステップ4
2)。
【0027】次に,マスタパターンMの幅Wが求められ
る。図8に示すように,互いに対向する直線Aと直線
,直線Aと直線An−1・・・から中心線L
求め,この中心線データは,マスタパターン情報として
登録される(ステップ43)。なお,この情報は,被測
定パターンmを検査する場合にリードの方向性を調べる
のに使用される。
【0028】求められた中心線Lに垂直な直線H
引いた時,この直線Hが直線AとA,AとA
N−1・・・と交叉する点までの幅がマスタパターンM
の幅Wと等しくなる。
【0029】即ち,中心線Lは両直線AとAn−1
との距離を直径とする内接円の中心の軌跡となるととも
に,直径がマスタパターンMの幅Wとなる(ステップ4
4)。このようにして順次求められたマスタパターンM
の直線A,A,A・・・,中心線Lは,マスタ
パターン情報として登録されて,基準となるマスタパタ
ーンMが作成される(ステップ45)。
【0030】一方,ステップ41において抽出されたエ
ッジデータは,図19に示すように,0.1画素の単位
の階段状の画像データとして表される。そこで,階段状
のエッジデータは,例えば,1画素下がって2画素目に
抽出され,あるいは1画素下がって1画素目に抽出され
る等のように,エッジデータ部分が一定の割合で変化し
ているパターン部分についてその傾a(a,a・・
・)がそれぞれ求められる(ステップ46)。
【0031】このようにして,一定の傾a(a,a
・・・)を持つ画像パターンのエッジデータ部分につい
ては,その間をそれぞれ直線方程式ax+b−y=0
(直線T),ax+b−y=0(直線T)・・・
で表される直線,その一般式はax+b−y=0で表さ
れる直線にそれぞれ変換される(ステップ47)。この
ようにして,マスタパターンMは傾a,a・・・を
持つ直線方程式群で表され,マスタパターン情報として
登録される(ステップ45)。
【0032】上記のようにして,マスタパターンMが作
成されると,次は,実際にTABテープの被測定パター
ンmが,図1に示す手順で検査される。まず,TABテ
ープは,図2,図3に示すように,リールに巻き取られ
ており,巻出し部1から,1コマずつ送り出され,カメ
ラ26,27により被測定パターンmが撮像される。こ
の時,撮像された画像は,図4に示すような濃淡画像と
なり,A/D変換器28でデジタル信号に変換されて,
画像メモリ12に一旦記憶される。
【0033】画像メモリ12に記憶されているマスタパ
ターンMとこの被測定パターンmとは,検出部3のCP
U13で読み出され,位置合わせされた後,比較,照合
されて,被測定パターンmが検査される(ステップ4
8)。
【0034】ここで,被測定パターンmをマスタパター
ンMと比較,照合して検査する場合の前提条件を,図9
に基づいて説明する。 (1)マスタパタ−ンMおよび被測定パタ−ンmのエッ
ジデータn,n,n・・・は,例えば,検査範囲
を設定する一つの手法として,ウインド30によってマ
スクされ,ウインド30の中のパターンのみが検査の対
象となる(ステップ49)。 (2)ウインド30によって一部分切り出された被測定
パターンmは,図9に示すように,必ずウインド30の
4辺のいづれかに接しており,パターン31で示される
形状のパターン部分は,エッジデータとしては認識しな
い。 (3)検査は,必ず出発点Sからウインド30の4辺を
一定方向に回って進められ,最後に出発点Sに戻り,画
面の検査が完了する。 (4)被測定パターンmは直線であること。
【0035】このような前提条件のもとに,以下の手順
で被測定パターンmの検査が行われる。図10は,検査
時の状態を示すもので,マスタパターンMのエッジデー
タは最小二乗法により直線化されて,直線A,A
・・・で示されており,抽出された被測定パターン
mのエッジデータn,n,n・・・が黒丸で示さ
れている(ステップ50)。
【0036】次に,図18に示すように,被測定パター
ンmのエッジデータn,n,n・・・nから,
このデータの内,傾cが同一の値を持つエッジデータ,
例えば,エッジデータnからn11までの直線C
傾はc,n12から13 までの直線Cの傾はc
等のように算出される(ステップ51)。
【0037】これらの傾c(c,c・・・)は,そ
れぞれマスタパターンMと比較されて,例えば,マスタ
パターンMの傾aとcおよびaとcとが同一の
傾を持つものとして,直線化可能なパターンとして検出
される。これらの直線C,C・・・は,それぞれマ
スタパターンMの直線方程式ax+b−y=0,a
x+b−y=0で表される直線に置換される(ステップ
52)。
【0038】このようにして直線化された場合の被測定
パターンmのエッジデータの内,直線方程式ax+b
−y=0,ax+b−y=0・・・で直線化された箇
所のエッジデータは,直線の両端のエッジデータn
11およびn12,n14・・・となる。この際,直
線化できないエッジデータ部分は,そのまま階段状のエ
ッジデータとして残されている。
【0039】このようにして求められ被測定パターンm
のエッジデータn,n11,n12,n14,・・・
は,次に,マスタパターンMのどの直線と対応する
かの対応付けが行われなければならない。この対応付け
を行うために,図11に示すように,マスタパターンM
の互いに隣接する直線Aと直線A,直線Aと直線
・・・が持つ角度α,β・・・をそれぞれ2等分す
る直線A’,A’・・・を算出する。
【0040】従って,マスタパターンMは,この直線A
’,A’・・・で区分され,各直線A,A,A
・・に対応する領域(以下,領域A,A,A
・・と記す)に分割されることになるので,被測定パタ
ーンmのエッジデータn,n11,n12,n14
・・は,すべて領域A,A,A・・・に対応付け
される(ステップ53)。
【0041】次に,マスタパターンMと被測定パターン
mとの誤差量(ずれ)Δdが測定されなければならな
い。このためには,図12に示すように,被測定パター
ンmのエッジデータn,n11,n12・・・から直
線A,A・・・にそれぞれ垂線h,,h11・・
・を降ろし,この垂線h,h11・・・が,それぞれ
直線A,A・・・と交叉する距離Δd(Δd,Δ
11・・・)を求めると,この距離Δdが誤差量,即
ち,マスタパターンMと被測定パターンmとのずれ量と
なる(ステップ54)。なお,この測定に際しては,マ
スタパターンMと比較されるべき被測定パターンmのエ
ッジデータは,非常に減少しているので,検査時間は大
幅に短縮される。
【0042】次に,実際に各種の検査をする場合につい
て説明する(ステップ55)。 (1).断線の検査 図11に示すように,マスタパターンMのエッジデータ
は,直線A,A・・・に変換されているとともに,
領域A,A・・・に区分されている。一方,抽出さ
れた被測定パターンmの境界座標を示すエッジデータn
,n,n・・・は,それぞれn〜n11までは
マスタパターンMの直線方程式ax+b−y=0,n
12〜n14までは,直線方程式ax+b−y=0と
変換される。従って,被測定パターンのエッジデータ
は,n,n11,n12・・・となり,それぞれラベ
リングが付されて,連続的なエッジデータn
,n12・・・の集合として抽出される。
【0043】この抽出された被測定パターンmの各エッ
ジデータn,n11,n12・・・(図11に黒丸で
示されている)は,マスタパターンMのどの直線にそれ
ぞれ対応するかを領域A,A・・・に分けて対応付
けされ分類される。
【0044】そこで,断線であるか否かの判定は,図1
3に示すように,被測定パターンmのエッジデータ
,n11,n12・・・nをマスタパターン情報
としてマスタパターンMの作成時に登録されている各領
域A,A・・・Aに対応付けする。この場合,マ
スタパターンMの領域A,A・・・Aに,それぞ
れ対応付けされる被測定パターンmのエッジデータ
,n11,n12,n14・・・・は,以下のよう
である。
【0045】領域A・・・エッジデータ n,n
11 領域A・・・エッジデータ n12,n14 領域A・・・エッジデータ 0 領域A・・・エッジデータ 0 領域A・・・エッジデータ 0 領域A・・・エッジデータ nn−3n−2 領域A・・・エッジデータ nn−1
【0046】この結果から明らかであるように,マスタ
パターンMの領域A,A,Aに対応する被測定パ
ターンmのエッジデータが存在しないため,このような
場合は断線と判定される。
【0047】(2).短絡(ショート)の検査 図14は短絡の検査時の状態を示すもので,図示のよう
に,マスタパターンMのリードと被測定パターンmのリ
ードとが,それぞれウインド30と接しているリード位
置,およびリード位置’,’とすると,被測定
パターンmのエッジデータが他の箇所でマスタパターン
Mの他のリードと接していた場合には,短絡と判定され
なければならない。
【0048】従って,このように,短絡と判定するため
に,まず,被測定パターンmのリード毎にエッジデータ
が抽出され,図15に示すように,各エッジデータは,
a,b,c,d・・・s,t,uとラベリングされる。
【0049】被測定パターンmに短絡がある場合には,
ラベリングされたリードパターン’のエッジデータ
は,a,b,c,j,k,l,m,n,o,p,q,
r,s,t,u,d,e,f,g,h,i,aとなり,
リードパターン’のエッジデータj,k,l,m,
n,o,p,q,r,s,t,uが抽出される。しか
し,このようなエッジデータj,k,l,m,n,o,
p,q,r,s,t,uは,マスタパターンMのリード
パターンのエッジデータとしては,登録されていない
ので,この場合には,被測定パターンmのリードパター
ン’とリードパターン’とは短絡していると判定さ
れる。
【0050】(3).パターンの幅の検査 図16は細りの検査時の状態を示すもので,図12に示
すように,被測定パターンmのエッジデータn,n
11,n12,n14・・・から,マスタパターンMの
直線A,A・・・に垂線を下し,この垂線までの長
さΔd(誤差量)(Δd,Δd・・・)を求め,こ
の誤差量Δdが小さい場合には,そのまま良品として判
定される。
【0051】誤差量Δdが大きいエッジデータに対して
は,マスタパターンMの中心線Lに対して垂線を下ろ
して,その距離を求め,互いに対向する被測定パターン
mのエッジデータの幅w(w,w・・)を求める。
この実施例の場合には,マスタパターンMの幅Wとした
時,被測定パターンの幅wが (2/3)W<w<(4/3)W の範囲内に入っているか否かを見て,この範囲内に入っ
ている場合には,良品と判定され,範囲外の場合には細
りあるいは太りとして不良品と判定される。但し,一般
には,判定係数をAおよびB(但し,A<B)とした
時,この幅wと前記マスタパターンの幅Wとが, AW<w<BW となる時,良品と判定し,幅wがこの範囲外にある時を
パターンの幅不適として不良品と判定される。
【0052】(4).位置ずれ(曲がり)の検査 図17は,位置ずれの検査時の状態を示すもので,マス
タパターンMの直線A,A・・・からそれぞれ対応
付けられている被測定パターンmのエッジデータが大き
くずれたデータに対してのみ,被測定パターンmのエッ
ジデータから,マスタパターンMの直線A,A・・
・に垂線を下し,この垂線までの長さ(誤差量)Δ
,Δd,Δd,・・・Δdを求める。
【0053】マスタパターンMのリード幅Wとした時,
この誤差量ΔdがΔd>(1/2)Wの時のみ,位
置ずれと判定されて不良品と判定され,その他の場合に
は,即ち,誤差量Δdがリード幅W/2より小さい場
合には,良品と判定され,誤差量Δdは測定されな
い。
【0054】なお,被測定パターンmが同一形状のリー
ドパターンの繰り返しとして形成されている場合には,
マスタパターンMと被測定パターンmとが1本分リード
パターンがずれた状態で位置合わせされる場合がある
が,この場合には,位置ずれとの判定結果はでないが,
検査の最終段階では被測定パターンmの最終リードパタ
ーンに対応するマスタパターンMのエッジデータが存在
しないことになり,不良品と判定されることになるか
ら,最終的にはチェックすることが出来る。
【0055
【発明の効果】この発明は,被測定パターンの良品をマ
スタパターンの濃淡画像として画像メモリに記憶し,こ
の画像メモリに記憶されたマスタパターンの濃淡ヒスト
グラムからこれを二値化処理してマスタパターンのエッ
ジデータを求め,このエッジデータの中で同じ傾をもつ
エッジデータ部分の傾aをそれぞれ求めるとともに,マ
スタパターンを傾aをもつ直線方程式ax+b−y=0
で置換してマスタパターン情報として登録し,エッジデ
ータから最小二乗法によりマスタパターンを直線の集合
に変換し,これらの直線から互いに対向して位置する両
直線の中心線Lを求めてマスタパターン情報として登
録し,この中心線Lに直角に交わる線と両直線とが交
わる点までの長さから互いに対向する直線の幅Wを求め
てマスタパターン情報として登録し,被測定パターンを
画像メモリに記憶し,登録されたマスタパターンと被測
定パターンとを位置合わせするとともに,検査範囲を設
定し,この検査範囲の周辺に,被測定パターンのエッジ
データが存在し,検査範囲の周辺を一定方向に検査して
被測定パターンのエッジデータを抽出し,この被測定パ
ターンのエッジデータの中で同じ傾をもつエッジデータ
部分の傾をそれぞれ求め,この傾がマスタパターンの直
線方程式と一致する被測定パターンのエッジデータ部分
は,順次対応するマスタパターンの直線方程式に置換し
て直線化し,この直線化された被測定パターンの両端の
エッジデータを抽出するとともに,直線化不可能な被測
定パターンのエッジデータ部分はそのまま画素単位のエ
ッジデータを抽出し,マスタパターンの互いに隣接する
直線の持つ角度を2等分する直線を算出し,この2等分
する直線によりマスタパターンを各直線にそれぞれ対応
する領域に分割し,この各領域内に存在する被測定パタ
ーンの直線化したエッジデータと画素単位のエッジデー
タとをマスタパターンの直線にそれぞれ対応付けし,そ
れぞれ対応付けされた被測定パターンのエッジデータと
マスタパターンのエッジデータとの誤差量を検出して良
品,不良品の判定をするようにしたので,被測定パター
ンの検査すべきエッジデータ数が非常に少なくなるた
め,検査に要する処理時間を大幅に短縮することが出来
る。
【0056】又,画像パターンのエッジデータを直線化
しているので,傾斜した画像パターンの場合のように階
段状の画像パターンにより発生する量子化誤差を最小に
することが出来る。その上,カメラの設置方向を厳密に
する必要もない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す処理フローである。
【図2】この発明の実施例を示すパターン検査装置の基
本動作図である。
【図3】この発明の実施例を示すシステム構成図であ
る。
【図4】この発明の実施例を示すもので,被測定パター
ンの一部である。
【図5】この発明の実施例を示すもので,マスタパター
ンのエッジデータを求めるための説明図で,図4の要部
拡大図である。
【図6】この発明の実施例を示すもので,図5の要部拡
大図である。
【図7】この発明の実施例を示すもので,マスタパター
ンを直線化するための説明図である。
【図8】この発明の実施例を示すもので,マスタパター
ンの幅Wを求めるための説明図である。
【図9】この発明の実施例を示すもので,ウインドに表
示された被測定パターンである。
【図10】この発明の実施例を示すもので,マスタパタ
ーンの直線と被測定パターンのエッジデータとの関係を
示す図である。
【図11】この発明の実施例を示すもので,マスタパタ
ーンの領域を区分するための説明図である。
【図12】この発明の実施例を示すもので,ずれ(誤差
量)を求めるための説明図である。
【図13】この発明の実施例を示すもので,断線の検査
の説明図である。
【図14】この発明の実施例を示すもので,短絡の検査
の説明図である。
【図15】この発明の実施例を示すもので,短絡の検査
の説明図である。
【図16】この発明の実施例を示すもので,細りの検査
の説明図である。
【図17】この発明の実施例を示すもので,曲がり検査
の説明図である。
【図18】この発明の実施例を示すもので,被測定パタ
ーンmを直線方程式に置換するための説明図である。
【図19】マスタパターンMを直線方程式に置換するた
めの説明図である。
【符号の説明】 M マスタパターン A,A・・・マスタパターンMの直線 N,N・・・マスタパターンのエッジデータ a(a,a・・・)マスタパターンMのエッジデー
タの傾 H マスタパターンの直線 L マスタパターンの中心線 W マスタパターンの幅 Δd 誤差量(ずれ) m 被測定パターン w 被測定パターンの幅 n,n11・・・被測定パターンのエッジデータ c(c,c・・・) 被測定パターンmのエッジデ
ータの傾 X ずれの長さ 12 画像メモリ 13 CPU

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定パタ−ンの良品をマスタパタ−ン
    の濃淡画像として画像メモリに記憶し,この画像メモリ
    に記憶された前記マスタパタ−ンの濃淡ヒストグラムか
    らこれを二値化処理して前記マスタパタ−ンのエッジデ
    −タを求め,このエッジデ−タの中で同じ傾をもつエッ
    ジデ−タ部分の傾aをそれぞれ求めるとともに,前記マ
    スタパタ−ンを前記傾aをもつ直線方程式ax+b−y
    =0で置換してマスタパタ−ン情報として登録し,前記
    エッジデ−タから最小二乗法により前記マスタパタ−ン
    を直線の集合に変換し,これらの直線から互いに対向し
    て位置する両直線の中心線LM を求めて前記マスタパタ
    −ン情報として登録し,この中心線LM に直角に交わる
    線と前記両直線とが交わる点までの長さから前記互いに
    対向する直線の幅Wを求めて前記マスタパタ−ン情報と
    して登録し,被測定パタ−ンを画像メモリに記憶し,前
    記登録されたマスタパタ−ンと前記被測定パタ−ンとを
    位置合わせするとともに,検査範囲を設定し,この検査
    範囲の周辺に,前記被測定パタ−ンのエッジデ−タが存
    在し,前記検査範囲の周辺を一定方向に検査して前記被
    測定パタ−ンのエッジデ−タを抽出し,この被測定パタ
    −ンのエッジデ−タの中で同じ傾をもつエッジデ−タ部
    分の傾をそれぞれ求め,この傾が前記マスタパタ−ンの
    前記直線方程式と一致する前記被測定パタ−ンのエッジ
    デ−タ部分は,順次対応する前記マスタパタ−ンの直線
    方程式に置換して直線化し,この直線化された前記被測
    定パタ−ンの両端のエッジデ−タを抽出するとともに,
    直線化不可能な前記被測定パタ−ンのエッジデ−タ部分
    はそのまま画素単位のエッジデ−タを抽出し,前記マス
    タパタ−ンの互いに隣接する直線の持つ角度を2等分す
    る直線を算出し,この2等分する直線により前記マスタ
    パタ−ンを前記各直線にそれぞれ対応する領域に分割
    し,この各領域内に存在する被測定パタ−ンの直線化し
    たエッジデ−タと画素単位のエッジデ−タとを前記マス
    タパタ−ンの直線にそれぞれ対応付けし,それぞれ対応
    付けされた前記被測定パタ−ンのエッジデ−タと前記マ
    スタパタ−ンのエッジデ−タとの誤差量を検出して良
    品,不良品の判定をすることを特徴とするパタ−ンの検
    査方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002090119A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Daihatsu Motor Co Ltd 塗布幅計測方法
JP2019028377A (ja) * 2017-08-03 2019-02-21 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム
JP2020071106A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 株式会社ミツトヨ 外観検査方法及びプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002090119A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Daihatsu Motor Co Ltd 塗布幅計測方法
JP2019028377A (ja) * 2017-08-03 2019-02-21 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム
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